JPH09288300A - カメラ - Google Patents

カメラ

Info

Publication number
JPH09288300A
JPH09288300A JP9857896A JP9857896A JPH09288300A JP H09288300 A JPH09288300 A JP H09288300A JP 9857896 A JP9857896 A JP 9857896A JP 9857896 A JP9857896 A JP 9857896A JP H09288300 A JPH09288300 A JP H09288300A
Authority
JP
Japan
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gear
camera
film
motor
drive system
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Pending
Application number
JP9857896A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Terada
洋志 寺田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09288300A publication Critical patent/JPH09288300A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、単一のモータによって複数の駆動
系(フィルム給送駆動系、ズーム駆動系等)を切換駆動
させるカメラにおいて、モータの駆動力を複数の駆動系
に切り換えるクラッチ機構近傍にソレノイド等の他の動
力源を効率良く配置すると共に、小型化に寄与すること
のできるカメラを提供する。 【解決手段】 ミラーボックス43と、測距用センサー
ユニット51と、この測距用センサーユニット51に隣
接して配置された直進ソレノイド58とを有し、ミラー
ボックス43と測距用センサーユニット51とフィルム
巻取室56により囲まれた領域に直進ソレノイド58を
配置する。また、フィルム送出機構と、ミラーボックス
43と、測距用センサーユニット51とを有するカメラ
において、測距用センサーユニット51に隣接した位置
に直進ソレノイド58を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カメラ、詳しく
は単一のモータで複数の駆動系を駆動するようにしたカ
メラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真撮影等を行なうカメラ等
において、単一のモータの駆動力をクラッチ機構等によ
ってその伝達経路を切り換えることにより、複数の駆動
系(例えばフィルム給送駆動系、ズーム駆動系等)に伝
達するようにしたものについて、種々の提案がなされ、
また実用化されている。
【0003】上記クラッチ機構等において、例えば単一
のモータの一方向の回転時にクラッチ機構の切り換え動
作を行なうようにする一方、モータの他方向の回転時に
駆動系の動作を行なうようにしたものや、また、上記ク
ラッチ機構の切り換え動作を行なう場合には、例えばソ
レノイド(プランジャ)等からなる他の動力源を使用す
るようにしたもの等が、種々実用化されている。
【0004】一方、近年において、ロール状フィルムの
先端部まで、すべてカートリッジ内に巻回して収納する
ようにしたものが提案されている。そして、このカート
リッジにおいては、その内部に設けられたフィルム送出
機構等によって、このカートリッジ内に収納されている
ロール状フィルムが、その外部に送り出されるようにな
っているものである。
【0005】また、上記カートリッジ内に収納されるフ
ィルム面上には、例えば磁気情報記録領域等が設けられ
ており、これに撮影情報等の情報記録を磁気的に行なう
ことができるようにしたものが提案されており、さら
に、このカートリッジを適用するカメラ等によるシステ
ム、いわゆるアドバンストフォトシステムといわれるも
のが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな、単一のモータの一方向の回転によってクラッチの
切り換えを行ない、モータの他方向の回転によって駆動
系を動作させるようにする手段では、上記モータの回転
方向について、一方の回転方向のみの駆動力を伝達する
ことしかできないという問題点がある。
【0007】また、上記クラッチ機構の切り換えを、例
えばソレノイド等からなる他の動力源を使用するように
する手段では、各駆動系に対し単一のモータの正逆両方
向の回転駆動力を伝達することが可能であるが、カメラ
内部において上記ソレノイド等の他の動力源を配置する
必要があるために、その収納スペースが別に必要とな
り、カメラ自体が大型化してしまうという問題点があ
る。
【0008】一方、近年のカメラ等においては、その小
型化傾向が強く要望されており、特に上記アドバンスト
フォトシステムに対応するカメラ等においては、その小
型化傾向が著しいので、上記ソレノイド等の他の動力源
の収納スペースを確保するためには、カメラ内部に配置
する他の各構成部材の配置(レイアウト)を規制してし
まうということも考えられる。
【0009】本発明の目的は、上記従来の問題点を解消
し、単一のモータによって複数の駆動系(フィルム給送
駆動系、ズーム駆動系等)を切換駆動するようにしたカ
メラにおいて、上記モータの駆動力を複数の駆動系に切
り換えるクラッチ機構近傍に、上記ソレノイド等の他の
動力源を効率良く配置すると共に、小型化に寄与するこ
とのできるカメラを提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるカメラは、
ミラーボックスと、測距用センサーユニットと、この測
距用センサーユニットに隣接して配置された直進ソレノ
イドと、を有することを特徴とする。
【0011】また、ミラーボックスと、測距用センサー
ユニットと、を有するカメラにおいて、上記ミラーボッ
クスと上記測距用センサーユニットとフィルム巻取室に
より囲まれた領域に、直進ソレノイドを配置したことを
特徴とする。
【0012】そして、フィルム送出機構と、ミラーボッ
クスと、測距用センサーユニットと、を有するカメラに
おいて、上記測距用センサーユニットに隣接した位置に
直進ソレノイドを配置したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。図1、図2、図3、図4、図5、図
6は、本発明の一実施の形態のカメラの外観を示す図で
あって、図1は、このカメラの正面図を、図2は、この
カメラの正面から見て右がわ側面から見た際の右側面図
を、図3は、このカメラの上面図であって、撮影レンズ
が望遠側にある状態を、図4は、このカメラの正面から
見て左がわ側面から見た際の左側面図であって、ストロ
ボ部がポップアップした状態を、図5は、このカメラの
底面図を、図6は、このカメラの背面図を、それぞれ示
している。
【0014】なお、この一実施の形態のカメラは、上述
のアドバンストフォトシステムに対応したものであっ
て、撮影光学系である撮影レンズとカメラ本体とが一体
化された、いわゆる撮影レンズ一体型の一眼レフレック
スカメラである。
【0015】また、このカメラの撮影レンズには、焦点
距離を連続的に変化させることのできる変倍可能なズー
ムレンズが適用されており、その可変焦点距離範囲は、
例えば焦点距離25mm〜100mmに設定されてい
る。
【0016】そして、このカメラには、閃光発光装置
(以下、ストロボという。)が内蔵されるようになって
おり、図2においてその収納状態を、図4においてその
発光位置(ポップアップ状態)を、それぞれ示してい
る。
【0017】上記ストロボは、例えば撮影環境が低輝度
環境である等の場合において補助光を必要とする場合等
に発光位置へ突出(ポップアップ)するようにした、い
わゆるポップアップ機構が具備されているものである。
【0018】図1〜図6に示すように、このカメラにお
いてその外装は、フロントカバー1、リアカバー4、お
よびストロボ部3の3つのブロックによって構成されて
いる。
【0019】上記フロントカバー1は、このカメラの前
面側を覆うようになっており、その前面の略中央部にお
いて、撮影レンズ等を保持するための撮影レンズ鏡筒2
が配設されるように前面側に向けて突出する円筒形状部
が設けられている。また、上記リアカバー4は、上記フ
ロントカバー1と係合することで、このカメラの背面側
を覆うような形状となっている。
【0020】なお、このカメラは、上述したように、ア
ドバンストフォトシステムに対応したものであるので、
例えば従来の135型フィルムパトローネ等を使用する
カメラ等の背面側に設けられた開口部を後蓋等によって
開閉するような機構は有していない。
【0021】また、上記ストロボ部3は、図4におい
て、そのポップアップ状態を示すように、例えばキセノ
ン(Xe)管、リフレクタ(反射笠)等からなるストロ
ボ発光部10、ストロボカバー11等によって構成され
ており、軸部11aにおいて、上記フロントカバー1の
上部に回動自在に軸支されている。そして、上記軸部1
1aを回動中心として、このカメラの上方に向けて約8
0度の角度で回動するように設定されている。この場合
において、上記ストロボ部3の両端部には、2本のスト
ロボアーム12が配設されており、これによりその回動
動作が規制されると共に、図4に示すポップアップ時に
おける所定の位置に保持されるようになっている。
【0022】なお、上記ストロボ発光部10の照射範囲
については、図4に示すストロボ部3のポップアップ状
態において、その撮影レンズの可変焦点距離におけるワ
イド(Wide;焦点距離25mm)側の最至近距離の
撮影範囲を充分に照射することができるように、その照
射角が設定されている。
【0023】また、このカメラの正面側から見て左側に
は、写真撮影時等にこのカメラを保持するためのグリッ
プ部1aが設けられており、図3に示すように、このグ
リップ部1aの上部前側には、シャッタレリーズボタン
6が、また、背面側上部にはズームレバー19等の操作
部材が配置され、さらに上記グリップ部1aの上部前面
側に、リモコン等からの信号(例えば赤外線等)等を受
光するリモコン受光部30が設けられている。
【0024】一方、上述したように、このカメラの撮影
レンズは、焦点距離25mm〜100mmの4倍ズーム
レンズが適用されており、この撮影レンズは上記フロン
トカバー1の前面側に設けられた円筒形状部内に配設さ
れる上記撮影レンズ鏡筒2によって保持されるようにな
っている。つまり、このカメラの撮影レンズはカメラ本
体内に固定されて装着されるようにされているものであ
る。
【0025】そして、上記撮影レンズは、上記ズームレ
バー19を任意に操作することによって、その焦点距離
を上記範囲内において自由に設定することができるよう
になっている。この場合において、上記撮影レンズ鏡筒
2は、その焦点距離が短焦点(Wide)側から長焦点
(Tele)側に移動するに従って、その全長が延びる
ようになっているものである(図3参照)。
【0026】また、図3に示すように、カメラの上面部
においては、その一端部(カメラ正面から見た場合にお
いては右側上部)に、このカメラの主電源スイッチであ
るメインスイッチ5が配置されている。このメインスイ
ッチ5は、カメラ上面部に回動自在に軸支されたダイア
ル形状からなっており、カメラの電源状態をオフ状態と
する「OFF」位置、カメラの電源状態をオン状態とす
る「ON」位置、上記ストロボ部3をその発光位置にポ
ップアップさせ、ストロボ発光を可能とする「FLAS
H」位置等が設けられている。そして、上記メインスイ
ッチ5を回動操作することによって、それぞれの状態へ
の切り換えを行なうことができるようになっている。
【0027】なお、上記ストロボ部3のポップアップ状
態(図4に示す状態)から、その収納状態(図1、図
2、図3に示す状態)とする場合には、例えば手動操作
によって上記ストロボ部3をカメラのフロントカバー1
上面部側に向けて押圧することにより随時行なうことが
できるようになっている。
【0028】他方、図6に示すように、このカメラの背
面側においては、各種操作部材等が配置されている。す
なわち、その略中央部の上部側には、接眼レンズ系等に
よって形成され、写真撮影等を行なう際の被写体像を確
認するための接眼部16が設けられており、この接眼部
16の近傍においてその一端部(図6においてカメラの
背面側から見て左側)には、接眼レンズ系の視度を調節
する視度調節ダイアル18が、また、他端部(図6にお
いてカメラの背面側から見て右側)には、ダイヤル形状
の画面切換操作部材17が配設されている。
【0029】この画面切換操作部材17は、アドバンス
トフォトシステムにおいて適用されている3種類のプリ
ントタイプ、すなわち、標準サイズである縦横比約9:
16のH(H−D TV)タイプ、従来サイズの縦横比
約2:3のC(Classic)タイプ、パノラマサイ
ズである縦横比約1:3のP(Panorama)タイ
プのプリントタイプについて、写真撮影時等に選択し切
り換える操作部材であって、標準サイズである「H」位
置を基準として、上記画面切換操作部材17を、例えば
約45度の角度で図6において時計方向に回動させるこ
とで、Cタイプである「C」位置に、また、上記画面切
換操作部材17を約45度の角度で図6において反時計
方向に回動させることで、Pタイプである「P」位置に
設定することにより、上記接眼部16により観察するこ
とのできるファインダー視野を、それぞれのタイプに対
応するように切り換えることができると共に、ここで設
定されたプリントタイプについては、写真撮影時におけ
る撮影情報等の一部としてフィルム面上への記録がなさ
れるように、情報記録制御回路等(図示せず)と連動す
るようになっている。
【0030】また、上記接眼部16の下部側には、例え
ばフィルムカウンター、撮影モード等の各種情報等を表
示し、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等によって形
成されている表示部20が配設されており、この表示部
20の近傍においては、その一端部(図6においては、
カメラの背面側から見て右側)に、撮影モード等を選択
するモード選択ボタン22が、他端部(図6において
は、カメラの背面側から見て左側)には、その上側より
ストロボ発光状態を設定するための発光モード選択ボタ
ン23、リモコンの使用やセルフタイマーの使用等を設
定するセルフ・リモコンボタン24、逆光時における露
出補正等を行なうための逆光補正ボタン25等が配置さ
れている。これらの各ボタン23,24,25等につい
ては、例えば押圧することによって各種モードに設定す
ることができるようになっている。
【0031】また、上記モード選択ボタン22によって
選択することのできる撮影モードについて、このカメラ
においては、一般的な撮影を行なうための通常モードに
加えて、4種のモード(例えば、ポートレートモード、
風景モード、ストップアクションモード(シャッタ優先
モード)、夜景モード等)を設定することができるよう
になっており、それぞれの設定は、上記モード選択ボタ
ン22を所定の4つの方向へ揺動することによって行な
われるようになっている。さらに、上記モード選択ボタ
ン22の中心部には、フルオートボタン21が設けられ
ており、このフルオートボタン21は、上記モード選択
ボタン22等によって設定された撮影モードを通常モー
ドに瞬時に復帰させる機能を有するものである。
【0032】また、上記表示部20の下部には、デート
モード切換ボタン26a、デートセットボタン26bが
配設されている。上記デートモード切換ボタン26a
は、写真撮影時の日付等に関する情報、例えば、「年・
月・日」、「月・日・年」、「日・月・年」、「日・時
・分」、「記録なし」等のデートモードを切り換えるた
めのボタンであり、また、デートセットボタン26b
は、年月日、時分等の設定を行なうためのボタンであ
り、両ボタン26a,26bは、押圧することによって
設定することができるようになっている。
【0033】そして、このカメラの背面側の両端部に
は、このカメラを携帯する等の際に使用するストラップ
等を装着するための開口部28,29が配設されてい
る。
【0034】また、図5に示すように、このカメラの上
記リアカバー4側の底面部において、その一端部(カメ
ラのグリップ部1aの配設されている側)には、フィル
ム装填部でありロール状フィルムが収納されたカートリ
ッジを挿脱するための開口部を覆うカートリッジ蓋7が
配設されており、このカートリッジ蓋7は、上記リアカ
バー4の底面部において軸部材7aによって回動自在に
軸支されている。この場合において、上記カートリッジ
蓋7は上記軸部材7aを中心としてカメラの外側に向け
て約100度の角度の範囲内で回動するように設定され
ている。
【0035】なお、上記カートリッジ蓋7は、上記グリ
ップ部1aの側面部に設けられたカートリッジ蓋開閉レ
バー13(図4参照)を摺動させることで上記カートリ
ッジ蓋7のロック状態を解除することができるようにな
っている。ここで、上記カートリッジ蓋開閉レバー13
の中心部には、ロックボタン14が配置されており、不
用意な操作による誤開放を防止している。つまり、上記
カートリッジ蓋開閉レバー13は、上記ロックボタン1
4を所定量だけ押圧した場合にのみ、摺動させることが
できるようになっており、この場合に限り上記カートリ
ッジ蓋7を開状態とすることができるようになってい
る。また、上記カートリッジ蓋開閉レバー13近傍に
は、このカートリッジ蓋開閉レバー13を保護するため
のカバーであるレバーカバー15が設けられている。
【0036】そして、このカメラにおいては、上記カー
トリッジ蓋7を開状態とした際に、ロール状フィルムの
収納されたカートリッジをカメラ本体内に収納した後、
上記カートリッジ蓋7を回動させて閉状態とすることの
みで、フィルム装填を行なうようにした、いわゆるドロ
ップインタイプの装填方式が適用されている。
【0037】また、図5に示すように、このカメラの上
記フロントカバー1側の底面部において、上記カートリ
ッジ蓋7の近傍であって、上記グリップ部1aの底面部
に相当する位置には、このカメラに電源を供給する電源
電池、例えばリチウム電池(2本)等を挿脱するための
開口部を覆う電池蓋8が配設されている。この電池蓋8
は、上記フロントカバー1の底面部において軸部材8a
によって回動自在に軸支されており、そして、上記電池
蓋8は上記軸部材8aを中心としてカメラの外側に向け
て約100度の角度の範囲内で回動するように設定され
ている。
【0038】また、この電池蓋8の近傍には、この電池
蓋8の開閉を行なうための開閉レバー9が配設されてお
り、この開閉レバー9を回動操作することで、そのロッ
ク状態を解除することができるようになっている。
【0039】なお、図5において示す状態は、上記開閉
レバー9がロック解除位置にある状態を示しており、こ
の状態において、上記電池蓋8のロック状態が解除され
るようになっている。そして、上記開閉レバー9を、図
5に示す状態より時計方向に回動させることで、上記電
池蓋8を上記フロントカバー1に対してロック状態とす
ることができるようになっている。
【0040】また、このカメラの底面部においては、そ
の他端部に、写真撮影等の途中で撮影済みのフィルムを
カートリッジ内に巻き戻すための途中巻戻しボタン27
や、その略中央部前面側に、例えば三脚等にカメラを据
え付けるための三脚取り付け用ネジ部31等が配設され
ている。
【0041】次に、上記一実施の形態のカメラの内部ユ
ニットの構成について、図7、図8によって、以下に説
明する。図7、図8は、上記一実施の形態のカメラの内
部ユニットの概略構成を示す図であって、図7は、この
カメラの正面側から見た際の内部ユニットの概略配置図
を、図8は、このカメラの上面側から見た際の内部ユニ
ットの概略配置図を、それぞれ示している。なお、図
7、図8においては、図面の繁雑化を避けるためにこの
カメラ内に配置される内部ユニットすべての配置につい
て図示するものではなく、簡略に省略して図示してい
る。
【0042】このカメラは、上述したように、撮影レン
ズとカメラ本体とが一体化された、いわゆるレンズ一体
型の一眼レフレックスカメラであって、図8に示すよう
に、撮影レンズは、上記フロントカバー1の前面側に設
けられた円筒形状部内に配設されている撮影レンズ鏡筒
2内に保持されるようになっている。
【0043】また、図7、図8に示すように、このカメ
ラの略中央部においては、一般的な一眼レフレックスカ
メラに適用されているクイックリターンミラー等によっ
て構成されるミラーボックス43が配設されており、そ
の下部側には、測距を制御する測距用センサーユニット
であるオートフォーカス(AF)センサーユニット51
が配設されている。
【0044】一方、上記ミラーボックス43の上部側に
は、例えばフォーカシングスクリーン、ダハミラー等に
よって構成されているファインダーユニット49が配設
されており、接眼レンズ系(図示せず)を介して、上記
撮影レンズに入射された被写体光束を上記接眼部16へ
と導くようになっている。
【0045】また、上記ミラーボックス43の後部側に
は、一般的なフォーカルプレー(FP)シャッタ等から
なるシャッタユニット53が配設されており、これによ
り露光の制御が行なわれるようになっている。このシャ
ッタユニット53の後部側には、カメラ本体を構成する
第1本体44が配設されている。この第1本体44の略
中央部には、露光用開口部(図示せず)が設けられてお
り、被写体光束がフィルム面上へ透過し露光されるよう
になっている。また、上記第1本体44の一端部(図8
においてグリップ部1aの配置されている側)には、カ
ートリッジ室57が、他端部には、その略中央部におい
て第1の被駆動部材でありフィルム巻上部材でありフィ
ルム巻取用スプールであるスプール軸56aが回動自在
に軸支されて配置されているフィルム巻取室であるスプ
ール室56が一体的に設けられ、また、上記カートリッ
ジ室57とスプール室56との間の上記露光用開口部の
近傍にはフィルム走行路が形成されている。
【0046】なお、上記第1本体44のカートリッジ室
57は、上記グリップ部1aの後部側に配置され、上述
の図5において説明した上記カートリッジ蓋7に対応す
る位置に配置されるようになっている。
【0047】さらに、上記第1本体44の後部側には、
第2本体54が設けられている。この第2本体54は、
上記カートリッジ室57から上記スプール室56への遮
光を行なうと共に、圧板部等(図示せず)によって露光
用開口部近傍のフィルム走行路の寸法を確保し、必要な
フィルムの平面性を得るようになっている。
【0048】なお、このカメラにおいては、上記圧板部
等(図示せず)は、例えば、その圧板面上にモールド等
によって凸形状部分を設けて、必要寸法をこの凸形状部
で確保するようにした一般的なものが適用されているも
のであり、上記第2本体54と一体的に構成されている
ものである。
【0049】一方、上記グリップ部1a内の後部側のカ
ートリッジ室57の前側部には、2本の電源電池45お
よびストロボ用コンデンサ46等が配置されている。
【0050】また、図8に示すように、上記ミラーボッ
クス43と上記撮影レンズ鏡筒2との間には、ボディプ
レート41が配設されている。このボディプレート41
は、例えば、約1mm厚のステンレス鋼板等の金属板等
によって形成されており、他のユニットに対して極めて
高い強度と平面精度とを保持するように設定されてい
る。そして、上記撮影レンズ鏡筒2および上記ミラーボ
ックス43は、上記ボディプレート41に直接固定され
るようになっており、このカメラにおいてその内部ユニ
ット全体は、上記ボディプレート41によって保持され
るようになっている。
【0051】そして、外装部材に対しては、上記ボディ
プレート41は上記フロントカバー1に対してビス等に
よって固定されており、これにより、強度上、最も優れ
た部材を用いて内部を保持すると共に、上記第1本体4
4、第2本体54等は、外装部材に対して直接当接しな
いように構成されている。これにより、例えば外部から
の衝撃力、外力等によって外装部材である各カバー部材
の変形や、外装部材を組み合わせることによって、カメ
ラ内部に生じる歪み等を極力排除することができるよう
な構成となっている。
【0052】他方、このカメラにおける動力源について
は、大きく分けて四系統に分けられる。すなわち、ミラ
ー・シャッタモータ47、フィルム給送モータ48、A
Fモータ(図示せず)、AVモータ(図示せず)の4つ
のモータである。
【0053】上記ミラー・シャッタモータ47は、上記
クイックリターンミラーのアップ・ダウン動作の制御を
行ない、かつFPシャッタのチャージ等の制御を行なう
ものであり、上記フィルム給送モータ48は、フィルム
給送全般と撮影レンズの変倍(ズーミング)動作を行な
うものである。また、上記AFモータ(図示せず)は、
上記撮影レンズ鏡筒2内に配置され、合焦動作の制御を
行なうものであり、上記AVモータ(図示せず)は、絞
りを制御するものである。
【0054】このうち、上記ミラー・シャッタモータ4
7およびフィルム給送モータ48は、ボディ側に配置さ
れるモータであり、図7においてモータ地板(詳細は後
述する。)にそれぞれ保持されて、モータユニット50
を構成している。このモータユニット50は、カメラの
底面側より装着されるようになっており、上記ミラーボ
ックス43、第1本体44等によって固定され、カメラ
内における所定の位置に位置決めされるようになってい
る。
【0055】また、図7、図8に示すように、上記ミラ
ー・シャッタモータ47は、上記シャッタユニット53
(の駆動制御部)と、上記ストロボ用コンデンサ46お
よび、上記ミラーボックス43等によって囲まれた空間
に無駄なく配置されており、また、上記フィルム給送モ
ータ48は、上記スプール室56内の上記スプール軸5
6aの内部に配置されるようになっている。
【0056】そして、図7に示すように、上記グリップ
部1aの上部側には、ワンウェイクラッチユニット52
(詳細は後述する。)が配設されており、また、図8に
示すように、このカメラの最後部側には、上述したカメ
ラ背面部に配設されている各種操作部材等を制御する回
路等からなる基板55が配設されている。
【0057】次に、上記一実施の形態のカメラの内部構
造について、その詳細を以下に説明する。まず、図9、
図10によって、上記ボディプレート41近傍の主要ユ
ニットについて説明する。
【0058】図9は、上記一実施の形態のカメラ内部の
主要ユニットの構成を示す図であって、上記ボディプレ
ート41近傍における主要ユニット(上記第1本体4
4、ミラーボックス43、撮影レンズ鏡筒2等)の概略
を示す分解斜視図であり、図10は、このカメラの主要
ユニットとモータユニットの概略を示す分解斜視図であ
る。
【0059】図9に示すように、上記ボディプレート4
1の略中央部には、撮影レンズからの被写体光束を通過
させる開口部41kが設けられており、この開口部41
kの外周部において各ユニット等、すなわち、上記第1
本体44、ミラーボックス43、撮影レンズ鏡筒2等の
取り付け部が形成されている。
【0060】上記ボディプレート41は、上述したよう
に、例えば、約1mm厚のステンレス鋼板等の金属板等
によって形成されており、高度な平面性を得るために、
曲げ、絞り等の加工は一切なされていないものである。
【0061】上記ミラーボックス43は、その内部に一
般的なクイックリターンミラー43xが配設されてお
り、このクイックリターンミラー43xは、上記ミラー
・シャッタモータ47等により構成される駆動系(図9
においては図示せず。)によって、アップ・ダウン動作
の制御がなされるようになっている。
【0062】上述したように、上記ボディプレート41
には、上記ミラーボックス43が直接固定されるように
なっているが、この場合において、上記ミラーボックス
43の前面側に設けられた位置決めボス43i,43j
が、上記ボディプレート41に設けられた嵌合孔41
c,41dに嵌合されることで上記ミラーボックス43
の上記ボディプレート41に対する位置決めがなされる
ようになっている。そして、上記ボディプレート41と
上記ミラーボックス43とは、セルフタップビス43
a,43b,43c,43dにより、この4ヶ所におい
て強固に直接固定されている。この場合において、上記
セルフタップビス43a,43b,43c,43dの位
置について、上記ミラーボックス43側においては、ボ
ックス構造部の外周部、すなわち、光軸方向にボックス
の構造部材が連続した部分に位置するようになってお
り、特に光軸方向については、充分な強度を有する部分
に配置されるようになっている。
【0063】一方、上記ミラーボックス43の背面側に
は、一般的なフォーカルプレーン(FP)シャッタ43
yが配設されているものであるが、このFPシャッタ4
3yも、上記ミラーボックス43の背面側よりビス等
(図示せず)によって固定されている。
【0064】また、上記ミラーボックス43のさらに後
部側には、上記第1本体44が配設されている。この第
1本体44には、上述したように、撮影画面サイズを決
定する露光用開口部44gが設けられており、また、そ
の一端部には、カメラの底面側の上記カートリッジ蓋7
によって覆われる開口部よりドロップイン方式によって
装填されるカートリッジを収納する上記カートリッジ室
57が、その他端部には、上記カートリッジ内より送り
出され、撮影済みのロール状フィルムを巻き取るスプー
ル軸(図9においては図示せず。図7、図8において符
合56aで示す。)が配置された上記スプール室56
が、それぞれ一体的に形成されている。
【0065】上記ミラーボックス43と上記第1本体4
4との間においては、上述のミラーボックス43とボデ
ィプレート41との間の取付固定と同様に、上記ミラー
ボックス43に、その後部側に向けて設けられた2つの
位置決めボス(図示せず)が、上記第1本体44側に設
けられた2つの嵌合孔(図9においては符合44hで示
す1ヶ所のみ図示している。)に嵌合されることで、上
記第1本体44の上記ボディプレート44に対する位置
決めがなされるようになっており、この第1本体44と
上記ミラーボックス43とは、セルフタップビス43
e,43f,43g,43hにより、この4ヶ所におい
て強固に直接固定されている。
【0066】なお、上記各ユニットは、極力小型化を図
って形成されているために、例えば上記第1本体44の
場合には、単体のユニットとしては上記露光用開口部4
4g近傍に対し、カートリッジ室57、スプール室56
の変形が生じやすくなっているということが考えられ
る。そこで、このような変形を防止するために、上記第
1本体44には3ヶ所のボスが設けられている。
【0067】すなわち、上記スプール室56の前部側
に、ボス44d,44eが設けられており、このボス4
4d,44eが、上記ボディプレート41側に設けられ
た嵌合孔41f,41gに嵌合するようになっている。
これにより、上記スプール室56に対して若干のねじれ
等の外力等が加わったとしても、所定の位置に矯正され
て、その変形を防止するようになっている。
【0068】また、上記カートリッジ室57の前部側に
は、ボス44cが設けられており、このボス44cが、
上記ボディプレート41側に設けられた嵌合孔41eに
嵌合することにより、同様に変形を防止するようになっ
ている。この場合において、上記ボス44cは、上記ボ
ス44d,44eに対して約2mm程長くなるように形
成されており、上記ボディプレート41の嵌合孔41e
に嵌合したとき、その先端部が上記ボディプレート41
の前面側に突出するようになっている。
【0069】そして、この状態、つまり、上記ボディプ
レート41に、上記ミラーボックス43および上記第1
本体44とがそれぞれ直接固定された状態において、上
記ミラーボックス43の上部側には、上記ファインダー
ユニット49(図9においては図示せず。図7参照。)
が、また、上記第1本体44の下部側には、上記モータ
ユニット50(図9においては図示せず。図7参照。ま
た図10において詳述する。)が配設されるようになっ
ている。
【0070】一方、上記撮影レンズ鏡筒2は、上記ボデ
ィプレート41の前面側より取り付け固定されるように
なっている。すなわち、上記ボディプレート41には、
上記撮影レンズ鏡筒2の2つの位置決め用嵌合孔41
e,41mが設けられており、この位置決め用嵌合孔4
1e,41mが、上記撮影レンズ鏡筒2の後部側に設け
られている位置決め用ボス(図示せず)と嵌合し、上記
ボディプレート41に対して上記撮影レンズ鏡筒2の位
置決めがなされるようになっている。
【0071】そして、上記撮影レンズ鏡筒2の後端部側
には、3ヶ所のフランジ部(図9においては、符合2
a,2bの2ヶ所のみ図示する。)が形成されており、
この各フランジ部には貫通孔が設けられている。そし
て、この貫通孔と対向する上記ボディプレート41側の
位置にはビス締め部41h,41i,41jが設けられ
ている。このビス締め部41h,41i,41jにはタ
ップ加工が施されており、3本のビス2c,2d,2e
により、上記撮影レンズ鏡筒2は、上記ボディプレート
41の前面側において強固に固定されるようになってい
る。
【0072】このようにして、上記撮影レンズ鏡筒2、
ミラーボックス43、第1本体44等の主要ユニット
は、上記ボディプレート41に対して強固に保持される
ようになっている。そして、これら一体化された主要ユ
ニットは、カメラの外装部材(各カバー部材;図9にお
いては図示せず。)に対し、上記ボディプレート41の
みで固定されるようになっている。
【0073】つまり、上記ボディプレート41の上部側
両端部に設けられた係合部41a,41b等は、カメラ
の外装部材の内側に設けられた係合部と係合し、上記ボ
ディプレート41をカメラの外装部材に対して固定する
ようになっている。なお、図9においては、上記ボディ
プレート41とカメラの外装部材との間の固定部材等に
ついては、上記係合部41a,41bのみを図示してい
るだけであり、その詳細については省略する。
【0074】このように、上記一体化された主要ユニッ
ト等は、カメラの外装部材に対し、上記ボディプレート
41のみで固定されるようになっているので、これによ
り、例えばカメラの外装部材に対して外力等が加わった
場合等においても、カメラ内部の主要ユニット等に影響
を与えることがないように構成されている。そして、上
記外装部材については、カメラ自体の小型化のために極
力薄肉化されて形成されるようになっている。
【0075】図10は、上記モータユニット50が、カ
メラ内部の主要ユニット、すなわち、上記ボディプレー
ト41に保持された上記ミラーボックス43、第1本体
44等が一体化された主要ユニットに対して装着される
際の状態を示している。なお、図10においては、図面
の繁雑化を避けるために、上記主要ユニットを構成する
上記撮影レンズ鏡筒2については、その図示を省略して
いる。
【0076】図10に示すように、上記モータユニット
50は、上記主要ユニットの下側より装着され位置決め
がなされるようになっている。上記モータユニット50
は、上述したように、上記ミラー・シャッタモータ4
7、フィルム給送モータ48等によって構成されている
ものである。
【0077】つまり、上記モータユニット50の筐体部
は、第1モータ地板120と第2モータ地板121と
が、セルフタップビス等によって結合されることで形成
されており、この筐体部の上側の第1モータ地板120
上において、上記ミラー・シャッタモータ47、フィル
ム給送モータ48とが、それぞれ所定の位置に直立した
状態で配設されており、このミラー・シャッタモータ4
7、フィルム給送モータ48のそれぞれの下部の上記モ
ータユニット50の筐体部内には減速駆動系が配設され
ている。
【0078】また、上記フィルム給送モータ48は、撮
影レンズの変倍(ズーミング)動作のための駆動系とし
ても使用されるため、その減速駆動系を構成するギアー
列中にはクラッチ機構が設けられており、これにより、
フィルム給送動作に係る駆動系と撮影レンズのズーミン
グ動作に係る駆動系とに切り換えることができるように
なっている。上記クラッチ機構は、2ヶ所の停止位置を
有し、それぞれの位置で上記フィルム給送モータ48の
正逆方向の回転駆動力の伝達が可能な構成となってお
り、そのために、クラッチ切り換え用の切換アクチュエ
ータである直進ソレノイドプランジャ58が適用されて
いる。この直進ソレノイドプランジャ58は、第1モー
タ地板120の上面側に配設されており、レバー部材
(図示せず)を駆動することにより、切換動作を行なう
ようになっている。
【0079】なお、図10においては図示されていない
が、上記モータユニット50内においては、上記ミラー
・シャッタモータ47、フィルム給送モータ48のそれ
ぞれの回転軸は、略平行となるように配置されており、
各モータ47,48の回転軸に配設されたピニオンギア
ーにより、各減速駆動系を構成するギアー列に、上記各
モータ47,48の駆動力が伝達されるようになってい
る(詳細については後述する。)。
【0080】なお、ズーミング動作に係るギアー列につ
いては、上記フィルム給送モータ48の駆動力を上記撮
影レンズ鏡筒2の内部へと伝達する必要があるので、例
えば傘歯車(図示せず)等によって、その回転方向が変
換されるようになっている。そして、上記フィルム給送
モータ48の駆動力はズーム駆動系のギアー列59等を
介して上記撮影レンズ鏡筒2内に配設されるズーム駆動
系のギアー列に伝達されるようになっている。
【0081】次に、上記一実施の形態のカメラにおける
駆動系について説明する。なお、ここでは、ミラー・シ
ャッター駆動系等についての説明は、本願発明には直接
関係しないのでその説明を省略すると共に、ズーム駆動
系についての説明は後述するものとして、フィルム給送
動作に係る駆動系について、図11〜図16によって、
以下に説明する。
【0082】図11は、上記一実施の形態のカメラを上
面側から見た場合におけるフィルム給送動作に係る駆動
系(以下、フィルム駆動系という。)のギアー列の配置
について示す概略構成図であって、フィルムの巻き上げ
(および初期送り出し)状態を示している。なお、この
図11においては、フィルム駆動系のギアー列以外に
は、外装部材であるフロントカバー1、リアカバー4等
の外形線、および上記ボディプレート41のみについて
その位置関係を図示し、他のカメラの内部構成部材等に
ついては、図面の煩雑化を避けるために、その図示を省
略している。
【0083】また、図12、図13は、上記一実施の形
態のカメラにおける上記フィルム駆動系のギアー列の噛
合状態を示す展開図であって、図12は、フィルム巻上
駆動系のギアー列の展開図を、図13は、フィルム巻戻
駆動系のギアー列の展開図を、それぞれ図示している。
【0084】なお、図12において、上記スプール軸5
6aが2ヶ所に図示されているが、これはギアー列の展
開図であるためであって、このカメラにおいて上記スプ
ール軸56aが2個存在することを示すものではない。
【0085】そして、図14は、上記一実施の形態のカ
メラにおける上記ワンウェイクラッチユニットの分解斜
視図を示すと共に、これに係合するカートリッジの概略
斜視図を示している。また、図15は、上記カメラのス
プール室近傍の概略を示す横断面図である。さらに、図
16は、図11と同様に、上記カメラを上面側から見た
場合における、上記フィルム駆動系のギアー列の配置に
ついて示す概略構成図であって、フィルムの巻き戻し状
態を示している。
【0086】まず、図11、図12によって初期減速部
について説明する。図12に示すように、上記フィルム
給送モータ48は、上記モータユニット50における上
側の構成地板である第1モータ地板120に対して、2
本のモータビス104によって固定されている。上記フ
ィルム給送モータ48には、ピニオンギアー103がそ
の回転軸に一体的に配設されている。
【0087】上記ピニオンギアー103には、3つの遊
星ギアー106が噛合しており、その位置は、第1減速
ギアー105に突出した3本の3等分軸によって保持さ
れている。上記遊星ギアー106は、その外周側におい
ては、上記第1モータ地板120に一体的に形成されて
いる内歯ギアー107に噛合している。この内歯ギアー
107は不動であるので、上記フィルム給送モータ48
の回転によって、上記遊星ギアー106が公転し、上記
第1減速ギアー105が差動するようになっている。
【0088】また、上記ピニオンギアー103と同軸上
には、第2減速ギアー109が配置されている。この第
2減速ギアー109は、上記モータユニット50におけ
る下側の構成地板である第2モータ地板121に固定さ
れたアーム軸110により、その回動中心が位置決めさ
れており、この第2減速ギアー109にも、上記第1減
速ギアー105と同様に、3つの遊星ギアー106が配
置され、この遊星ギアー106は、上記内歯ギアー10
7と噛合している。そして、上記フィルム給送モータ4
8の回転によって、上記遊星ギアー106が公転し、上
記第2減速ギアー109も差動するようになっている。
【0089】ここで、上記2段の差動機構によって、上
記フィルム給送モータ48に直接配設されている上記ピ
ニオンギアー103に対して、上記第2減速ギアー10
9は、 ((12+66)/12)^2=6.5^2 (ここで、「^」はべき乗を表わす。)の減速比で回動
するように設定されている。
【0090】なお、図11に示すように、上記第2減速
ギアー109は、このカメラのグリップ部(1a)側と
は反対側の一端部、つまり、上記スプール室(56)が
配設されている側の端部に設けられている。つまり、図
12に示すように、上記第2減速ギアー109は、上記
フィルム給送モータ48と同軸に設けられており、この
フィルム給送モータ48は、上述したように、上記スプ
ール軸56a内に配置されているので、上記第2減速ギ
アー109は、上記スプール軸56aに一体的に配設さ
れているスプールギアー117とも同軸に配設されてい
る。
【0091】図11に示すように、上記第2減速ギアー
109の出力は、第1Wギアー111、第2Wギアー1
12に伝達され、この第2Wギアー112によって、巻
上駆動系側の第3Wギアー113と、巻戻駆動系側の第
1RWギアー122の二方向へ分岐されるようになって
いる。
【0092】ここで、巻上駆動系は、上記スプール軸5
6aを回動して、上記カートリッジ内のフィルムを上記
スプール軸56a側に巻き上げるギアー列からなり、ま
た、巻戻駆動系は、上記カートリッジ内のフィルムを巻
き戻し、また、カートリッジ外部へフィルムを送り出す
方向へ第2の被駆動部材でありフィルム巻戻部材である
カートリッジ軸を回動させるための、初期送出機構(フ
ィルム送出機構)を構成するギアー列からなるものであ
る。なお、このフィルムの初期送出機構については、ア
ドバンストフォトシステムのフィルムカートリッジを適
用するカメラ等に特有の機構である。
【0093】また、上記第1Wギアー111は、図12
に示すように、Wギアーアーム118に支持されてい
る。このWギアーアーム118は、いわゆる遊星アーム
であって、上記第1Wギアー111には、ウェーブワッ
シャ等(図示せず)によってフリクションが付与される
ようになっている。これは、上記Wギアーアーム118
が公転することにより、上記第1Wギアー111と第2
Wギアー112との噛合を解除するためのものであっ
て、この一実施の形態のカメラにおいては、ズーム駆動
系(詳細は後述する。図17参照。)側に上記フィルム
給送モータ48の駆動力を伝達する場合に、上記Wギア
ーアーム118が公転することにより、その伝達経路を
切り換えるようになっている。
【0094】そして、上記第1Wギアー111は、フィ
ルム給送中においては、上記フィルム給送モータ48の
回転方向に関りなく、図11に示す位置に保持され、上
記第1Wギアー111と第2Wギアー112とは、常に
噛合するようになっている。
【0095】一方、巻上駆動系を構成するギアー列、つ
まり、第2Wギアー112、第3Wギアー113、第4
Wギアー114、第5Wギアー115、第6Wギアー1
16は、上記スプール室(56)の近傍において、これ
を囲むように配置されており、上記第6Wギアー116
が、上記スプールギアー117と噛合するようになって
いる。この場合において、フィルム巻き上げを行なう場
合には、上記第2減速ギアー109を、図11において
反時計方向に回動させることによって、上記スプールギ
アー117は、図11において時計方向に回動し、これ
により、上記スプール軸56aをフィルム巻き上げ方向
に回動させるようになっている。
【0096】なお、上記第3Wギアー113と上記第4
Wギアー114(第1の遊星ギアー)は、それぞれ第1
クラッチアーム119の両端部において回動自在に軸支
されると共に、互いに噛合されており、また、それぞれ
ウェーブワッシャ等(図示せず)によってフリクション
が付与されて、第1の遊星クラッチ機構を構成してい
る。
【0097】他方、巻戻駆動系(および送出駆動系)を
構成するギアー列において、上記第2Wギアー112
は、上記第1RWギアー122と常に噛合しているの
で、この第1RWギアー122から第2RWギアー12
3、第3RWギアー124、第4RWギアー125、第
5RWギアー126までのアイドルギアー列は、上記フ
ィルム給送モータ48の回転方向に関らず常に回動され
ることとなる。
【0098】上記第5RWギアー126は、2段ギアー
である第6RWギアー127の大ギアーと噛合してお
り、この第6RWギアー127の小ギアーは、第7RW
ギアー128と噛合している。なお、上記第2Wギアー
112から上記第6RWギアー127までのギアー列を
構成する各ギアーは、上記モータユニット50内に配設
されている。
【0099】上記第7RWギアー128と第8RWギア
ー130とは、軸部材であるRW軸129の両端部にそ
れぞれ配設されており、これによって、上記モータユニ
ット50内のギアー列からの駆動力をカートリッジ室5
7の上部側へと伝達するようになっている(図13、図
14参照)。この場合において、上記第7RWギアー1
28の配設されている側の上記RW軸129の一端部
は、上記第1本体44に回動自在に軸支されている。
【0100】また、上記巻戻駆動系(および送出駆動
系)を構成するギアー列のうち、上記第1RWギアー1
22〜上記第6RWギアー127までの各ギアーは、上
述したように、上記モータユニット50内に配設されて
おり、この場合において、各ギアーは上記第1モータ地
板120より突出して配置されている軸部によって、そ
れぞれの位置決めがなされると共に、そのスラスト方向
への規制は上記第2モータ地板121によって行なわれ
るようになっている。
【0101】上記第8RWギアー130は、L字形状か
らなる第2クラッチアーム138の2つの腕部に保持さ
れている2つのギアーである第2の遊星ギアー、つま
り、第9RWギアー131、第10RWギアー132の
太陽ギアーとして作用するようになっている。
【0102】すなわち、上記第2の遊星ギアーである第
9、第10RWギアー131,132は、上記第2クラ
ッチアーム138の各腕部に一体的に形成された軸部に
よって回動自在に軸支されており、さらにウェーブワッ
シャ等(図示せず)によってフリクションが付与されて
いる。これにより、上記第2クラッチアーム138は、
上記第8RWギアー130の回転方向によって公転する
ように構成され、第2の遊星クラッチ機構を構成してい
る。
【0103】なお、図11に示す状態は、上記第2クラ
ッチアーム138は、上記第8RWギアー130の図1
1における時計方向への回転を受けて同方向へ公転し、
上記第2クラッチアーム138の一腕部に軸支されてい
る上記第9RWギアー131が、第11RWギアー13
3と噛合している状態を示している。また、この状態
は、図13において上記第8RWギアー130より左側
に示す展開図に相当する状態である。
【0104】また、図13において上記第8RWギアー
130より右側に示す展開図は、上記第2クラッチアー
ム138の他腕部に軸支されている上記第10RWギア
ー132と第12RWギアー134とが噛合している状
態について示しており、この状態は、上記第2クラッチ
アーム138が、上記第8RWギアー130の図11に
おける反時計方向への回転を受けて同方向へ公転した場
合の状態を示している。したがって、上記第9RWギア
ー131と上記第11RWギアー133とが噛合してい
る状態(図13の左側展開図)と、上記第10RWギア
ー132と上記第12RWギアー134とが噛合してい
る状態(図13の右側展開図)とが同時に生じるもので
はない。
【0105】上記第11、第12RWギアー133,1
34は、ワンウェイクラッチ機構(上記ワンウェイクラ
ッチユニット52)を構成するものであって、その軸中
心はこのカメラの上記カートリッジ室57内に装填され
るカートリッジ405の中心軸(カートリッジ軸)と一
致するように配置されている(図14参照)。
【0106】ここで、図14によって、ワンウェイクラ
ッチ機構について説明すると、上記第12RWギアー1
34は、RW爪137をRWバネ136によってバネ付
勢保持し、上記RW爪137は軸方向へ摺動自在に配設
されている。この場合において、このRW爪137の回
転方向は、上記第12RWギアー134と一体的に回動
するようになっている。そして、上記RW爪137は、
カメラに装填されたカートリッジ405内のカートリッ
ジ軸の一端部に設けられた係合部139に係合するよう
になっており、これによって、上記フィルム給送モータ
48からの駆動力が上記カートリッジ405のカートリ
ッジ軸に伝達されるようになっている。
【0107】さらに詳しく説明すると、図14に示すよ
うに、上記RWバネ136は、例えばコイル形状等から
なっており、上記第12RWギアー134の下面側に設
けられた凸部(図示せず)と上記RW爪137の上面側
に設けられた凹部にそれぞれその両端部が係合され、こ
れによりその位置決めがなされている。また、上記RW
爪137は、上記第12RWギアー134に対し、スナ
ップフィットによって組み付けられている。
【0108】上記第12RWギアー134の上面部に
は、円筒形状からなる部分が設けられており、その外周
部にはワンウェイバネ135が配置されるようになって
いる。このワンウェイバネ135は、例えばコイル形状
からなるものであるが、巻き締まることによって上記第
12RWギアー134にロックされるように構成され
た、いわゆるスプリングクラッチを形成するものであ
る。つまり、その上部側の上記第11RWギアー133
には、この第11RWギアー133と上記ワンウェイバ
ネ135が係合する係合部133aが設けられており、
上記第11RWギアー133が正逆方向に回動すること
によって、上記ワンウェイバネ135の巻き締まり、巻
き緩みがなされるようになっている。
【0109】つまり、上記ワンウェイバネ135には、
フック部135aとエンド部135bが設けられ、上記
フック部135aは、上記第11RWギアー133の係
合部133aに係合するようになっている。この状態に
おいて、上記第11RWギアー133が図14において
時計方向に回動した場合には、上記係合部133aと上
記フック部135aが係合しているので、上記ワンウェ
イバネ135は巻き締まる方向に付勢されることとな
る。そして、上記エンド部135bは、上記第12RW
ギアー134に対して滑ることなく、上記第11RWギ
アー133の回動に伴って上記第12RWギアー134
を同方向へと回動させることとなる。
【0110】また、上記第11RWギアー133が図1
4において反時計方向に回動した場合には、上記フック
部135aは、上記ワンウェイバネ135を緩める方向
に作用することとなる。したがって、上記エンド部13
5bは、上記第12ギアー134に対しロックする事な
く滑ることとなり、上記第12RWギアー134は回動
しないこととなる。
【0111】このようにワンウェイクラッチ機構は構成
されているが、上記第9、第10RWギアー131,1
32が、上記第11、第12RWギアー133,134
のどちら側に噛合するは、上記第8ギアー130の回動
方向によって決定されるので、カメラ内にカートリッジ
405が装填されフィルムが給送されていない状態で
は、上記ワンウェイクラッチ機構のワンウェイバネ13
5が滑るという状態が生じることはない。つまり、この
ワンウェイクラッチ機構は、カートリッジ405が装填
されたカメラ内において、フィルムが初期送り出し動作
からフィルム巻き上げ動作が行なわれる場合においての
み必要となる機構である。
【0112】なお、上記ワンウェイクラッチ機構は、そ
のスラスト方向への規制を上記第1本体44およびワン
ウェイクラッチ地板52aによって行なわれるようにな
っている。つまり、上記ワンウェイクラッチユニット5
2は、上述の図7において説明したように、このカメラ
のグリップ部1aの上部側に配置されており、上記第1
本体44およびワンウェイクラッチ地板52aによって
所定の位置に位置決めされるようになっており、これに
より、上記第2クラッチアーム138、第8RWギアー
130のスラスト方向への規制も合わせて行なわれるこ
ととなる。
【0113】図11に示す状態は、この一実施の形態の
カメラにおけるオートローディング(自動給送)機構、
すなわち、フィルムの初期送り出し動作および巻き上げ
動作を行なう場合の状態を示している。つまり、上記ス
プールギアー117が、図11において時計方向に回動
することにより、上記巻戻駆動系(および送出駆動系)
のギアー列を介して上記第11RWギアー133が、図
11において時計方向に回動するため、上記RW爪13
7が、上記カートリッジ軸をフィルムの送出方向へと回
動して、フィルムの初期送り出し動作、すなわち、上記
カートリッジ内よりフィルムをカメラ内の上記フィルム
走行路へと導き出し、上記スプール室(56)内のスプ
ール軸(56a)へと送り出すこととなる。そして、上
記スプール軸56aは、この間、上記スプールギアー1
17と共に、図11において時計方向への回動を続けて
おり、上記スプール軸(56a)に、上記カートリッジ
内より送り出されたフィルムの先端部が当接した時点よ
り、フィルム初期送出し動作から巻き上げ動作へと移行
することとなる。
【0114】ここで、上記スプール軸近傍におけるフィ
ルム巻き上げ機構についての構成を、図15によって、
以下に簡単に説明する。なお、このカメラにおけるフィ
ルム巻上機構については、例えば135型フィルムパト
ローネ等を使用するカメラ等において、従来より一般的
に適用されている、摩擦力等を利用した摩擦巻上機構が
適用されているものである。
【0115】すなわち、図15に示すように、上記フィ
ルム給送モータ48は、上記第1本体44の一端部に設
けられた上記スプール室56の中心部に回動自在に軸支
されている上記スプール軸56aの内部に配設されてい
る。この場合において、上記フィルム給送モータ48の
外周部と上記スプール軸56aの内壁面との間には若干
の隙間が生じるように配置されている。
【0116】上記スプール軸56aの外周面上には、例
えば薄肉のシリコンゴム等からなるスプールゴム56b
が圧入等によって配設されている。このスプールゴム5
6bには、2つのローラ部材がバネ力によって当接され
ている。つまり、一方のローラ部材である第1ガイドロ
ーラ140は、上記第2本体54側の固定部材(図示せ
ず)にその支持部を有する、例えば板バネ等からなる付
勢部材によって、図15において矢印A方向に付勢され
るようになっている。これにより、上記カートリッジ4
05内から送り出されたフィルム404を上記スプール
軸56aの外周面上に当接させると共に、押圧するよう
になっている。
【0117】また、他方のローラ部材である第2ガイド
ローラ141は、上記第1本体44側の固定部材(図示
せず)にその支持部を有する、例えば板バネ等からなる
付勢部材によって、図15において矢印B方向に付勢さ
れるようになっている。これにより、上記カートリッジ
405内から送り出された上記フィルム404の先端部
が、上記スプール軸56aの外周面上を略一周した部分
において、上記フィルム404を上記スプール軸56a
の外周面上に当接させると共に、押圧するようになって
いる。
【0118】そして、上記スプール室56の内壁面上に
は、上記カートリッジ405内より上記スプール室56
内に送り出された上記フィルム404の先端部が、上記
スプール軸56aの外周面上に導かれるように、ガイド
シート143が配設されている。このガイドシート14
3は、その支点を上記第1本体44側の固定部材(図示
せず)に固定されており、上記スプール室56内におい
て、その内壁面に沿うと共に、上記スプール軸56aの
外周面に沿うように配置されている。
【0119】このように構成された上記スプール軸近傍
におけるフィルム巻き上げ機構おいては、上記第1ガイ
ドローラ140とスプール軸56aとの間に、上記フィ
ルム404が通過することにより、上記スプールゴム5
6bの摩擦力によって、上記フィルム404は上記スプ
ール軸56aに巻き付くようになっている。
【0120】そして、この一実施の形態のカメラは、上
述したようにアドバンストフォトシステムに対応するも
のであるので、上記フィルム404が上記第1ガイドロ
ーラ140に到達するまでの動作、すなわち、フィルム
の初期送り出し動作が行なわれることとなる。つまり、
この図15に示す状態となるまでの間は、上記第11R
Wギアー133が回動することで、上記カートリッジ室
57内に装填された上記カートリッジ405のカートリ
ッジ軸を回動させることによるフィルムの初期送り出し
動作が行なわれるようになっている。
【0121】また、上記第1本体44と第2本体54と
の間には、上記フィルム404を露光用開口部において
最適な平面性を確保するための間隔が確保されており、
その終端部、すなわち、フィルム走行路と上記スプール
室56との間には、本体ローラ142が上記第1本体4
4側の固定部材(図示せず)に回動自在に配設されてい
る。この本体ローラ142には、上記フィルム404が
上記スプール室56内へと送り出される際の、例えば摩
擦等によって生じる損失を低減すると共に、この本体ロ
ーラ142と連動して設けられている検出部(図示せ
ず)によって、この本体ローラ142の回転速度を検出
し、その検出結果を例えば磁気情報記録を行なう際のタ
イミング等を制御する制御回路等にフィードバックする
ようになっている。
【0122】このようにして、図11における上記第1
1RWギアー133が時計方向へと回動することによ
り、図14における上記RW爪137を回動させ、上記
カートリッジ405内のカートリッジ軸をフィルムの初
期送り出し方向に回動させ、フィルムの初期送出し動作
がなされるようになっている。
【0123】なお、上記一実施の形態のカメラにおいて
は、上記送出駆動系の総減速比iALは、iAL=263.
1となるように設定されている。また、上記フィルム給
送モータ48は、φ12(mm)、L=30(mm)の
DCコアードモータが適用されており、これによって、
上記減速駆動系を介して上記カートリッジ軸の駆動に必
要な充分なトルクを得ることができるようになってい
る。
【0124】そして、図11に示す上記巻上駆動系の総
減速比iWは、iW=135.2に設定されている。ま
た、図15に示すように、上記スプール室56内におい
て、上記スプールゴム56bの外周部の半径Rsは、R
s=7.6mmに設定されている。
【0125】上述したように、上記巻上駆動系の総減速
比iWに比べ、上記送出駆動系の総減速比iALを充分に
大きく設定されていることによって、上記カートリッジ
405内から送り出された上記フィルム404が、上記
スプール軸56a上のスプールゴム56bに巻回される
と、上記フィルム404は、送出駆動系によって移行し
てきた速度よりも速い速度でスプール軸56aに巻き上
げられるようになっている。したがって、上記フィルム
404は上記スプール室56内において巻き太ることな
く、上記スプール軸56a上のスプールゴム56b上に
密着して巻き上げられるようになっている。
【0126】そして、図11に示す状態において、上記
フィルム(404)が上記スプール軸(56a)に巻回
され、上記送出駆動系よりも速い速度で巻き上げられ始
めると、上記第11、第12RWギアー133,134
等によって構成される上記ワンウェイクラッチ機構が動
作することとなる。つまり、上記送出駆動系よりも速い
速度で、フィルム404が巻き上げられるということ
は、図14においては、上記係合部139が、上記第1
1RWギアー133よりも速く回動する状態となるとい
うことであって、上記第11、第12RWギアー13
3,134の相対関係としては、上述したように、上記
第11RWギアー133が、図11において反時計方向
に回動した場合と同様である。この状態においては、上
記ワンウェイバネ135は、緩み方向となるので、上記
第11、第12RWギアー133,134の相対関係に
おいて、そのロック状態は解除されることとなる。
【0127】これにより、上記スプール軸56aにフィ
ルム404が巻き付いた後においては、上記各ギアー列
の状態は、図11に示す状態となるが、上記第11RW
ギアー133は、フィルムの送り出し動作には関与せ
ず、空転状態で巻き上げ動作が行なわれることとなる。
【0128】次に、このカメラにおけるフィルムの巻き
戻し動作が行なわれる際の巻戻駆動系について、図16
によって以下に説明する。
【0129】図16に示すように、フィルムの巻き戻し
動作が行なわれる場合においては、上記第1Wギアー1
11の位置は、巻き上げ動作時と同一であり、上記フィ
ルム給送モータ48の回転方向、すなわち、上記第2減
速ギアー109の回動方向が異なるものである。つま
り、上記第2減速ギアー109が、図16において時計
方向に回動することにより、上記巻戻駆動系を構成する
各ギアーは、図16に示す矢印方向に回転することとな
る。
【0130】上述したように、上記第4Wギアー114
は、上記第1クラッチアーム119の一腕部に回動自在
に軸支されており、ウェーブワッシャ等(図示せず)に
よってフリクションが付与されている。また、上記第1
クラッチアーム119の他腕部には上記第3Wギアー1
13が回動自在に軸支されていると共に、この第3Wギ
アー113および上記第1クラッチアーム119は、上
記第1モータ地板120内において、同軸上で回動自在
に軸支され、その位置決めがなされている。
【0131】ここで、フィルムの巻き上げ動作が行なわ
れる場合においては、上記フィルム給送モータ48(上
記第2減速ギアー109)は、図11において反時計方
向(第2方向の回転とする。)に回転することにより、
上記第1クラッチアーム119は、図11に示す状態で
ストッパ部材等(図示せず)によって所定の位置に固定
され、この位置において上記第4Wギアー114と上記
第5Wギアー115との噛合を確保するようになってい
る。
【0132】一方、フィルムの巻き戻し動作が行なわれ
る場合においては、図16に示すように、上記フィルム
給送モータ48(上記第2減速ギアー109)は、図1
6において時計方向(第1方向の回転)に回転すること
により、上記第1クラッチアーム119は、その支軸を
中心として図16において反時計方向に角度θ1だけ公
転し、この位置でストッパ部材(図示せず)によって所
定の位置に固定され、この位置においては、上記第4W
ギアー114と上記第5Wギアー115との噛合が解除
されるようになっている。したがって、上記巻上駆動系
のギアー列を構成する各ギアーのうち上記第5Wギアー
115から上記スプールギアー117までの各ギアーは
動作しない状態となる。
【0133】また、フィルムの巻き戻し動作が行なわれ
る場合においては、上記巻戻駆動系における上記第8R
Wギアー130の回動方向は、上述の巻き上げ時と逆方
向となる。つまり、上記フィルム給送モータ48(上記
第2減速ギアー109)が、図16において時計方向
(第1方向の回転)に回転することにより、上記第8R
Wギアー130は、図16において反時計方向に回動す
ることとなるので、これに伴って、上記第2クラッチア
ーム138も図16において反時計方向に公転すること
となる。そして、上記第2クラッチアーム138が角度
θ2だけ回動した位置において、ストッパ部材等(図示
せず)によって所定の位置に位置決めがなされると共
に、上記第10RWギアー132が上記第12RWギア
ー134に噛合することとなる。つまり、上記巻戻駆動
系に上記フィルム給送モータ48の駆動力が伝達される
と共に、上記送出駆動系内においては、その駆動力の伝
達が解除されるようになっている。
【0134】なお、この時の状態が、図13において上
記第8RWギアー130より右側に展開した状態であ
る。この場合において、上記第10RWギアー132
が、上記第12RWギアー134と噛合しているので、
上記第8RWギアー130の駆動力は、上記ワンウェイ
クラッチ機構を介さずに直接第12RWギアー134に
伝達されるようになっている。
【0135】また、上記第11、第12ギアー133,
134の諸元は、送出駆動系においても巻戻駆動系にお
いても同一であるので、この巻戻駆動系における総減速
比iRWは、iRW=263.1となるように設定され、上
記送出駆動系の総減速比iALと同様の設定となってい
る。
【0136】以上説明したようにこの一実施の形態のカ
メラにおいては、単一のモータ、すなわち、上記フィル
ム給送モータ48の回転方向を、正逆回転させることに
よって、フィルムの初期送り出し動作、巻き上げ動作、
および巻戻し動作を行なうことができるようになってい
る。
【0137】次に、上記直進ソレノイドプランジャ58
等によって形成されるクラッチ機構、および、これによ
って切り換えられるフィルム駆動系とズーム駆動系の概
略構成について、以下に説明する。
【0138】図17は、上記一実施の形態のカメラにお
ける上記モータユニット50の分解斜視図である。
【0139】上述したように、図17において上記モー
タユニット50は、上記第1モータ地板120および上
記第2モータ地板121によって形成される筐体部より
なり、上記第1モータ地板120の上面側に、フィルム
駆動系とズーム駆動系とを駆動する上記フィルム給送モ
ータ48と、上記ミラー・シャッタモータ47とが、そ
れぞれ所定の位置に直立した状態で配設されており、こ
のフィルム給送モータ48、ミラー・シャッタモータ4
7のそれぞれの下部において、上記モータユニット50
の筐体部内に減速駆動系等が配設されている。
【0140】なお、上記モータユニット50の筐体部
は、これを構成する一方の筐体部材である上記第1モー
タ地板120の底面側に設けられた位置決め用ボス(図
示せず)に対し、他方の筐体部材であり板状部材からな
る第2モータ地板121側の、上記位置決め用ボスに対
応する位置に設けられた孔部が係合することにより、上
記第1モータ地板120に対する上記第2モータ地板1
21の位置決めがなされるようになっている。そして、
この状態において、上記第2モータ地板120は、上記
第1モータ地板120の底面側より、図17に示すよう
に、セルフタップビス120a,120b,120cに
よって固定されるようになっている。
【0141】また、上記第1モータ地板120の上面側
においては、上記フィルム給送モータ48の近傍に、切
換アクチュエータである上記直進ソレノイドプランジャ
58が配設されており、この直進ソレノイドプランジャ
58の移動鉄芯58aの移動方向は、上記撮影レンズ
(撮影光学系)の光軸と略平行になるように設定されて
いる。そして、上記移動鉄芯58aの先端部に設けられ
たフック部(詳細は後述する。図19において符号58
bで示す。)の下方に対向する位置の上記第1モータ地
板120上には、開口部120dが設けられている。
【0142】そして、上記第1モータ地板120の一端
部(フィルム給送モータ48が配設されている側)の前
面側(上記モータユニット50がカメラ内部に配置され
た場合においては被写体側)には、上述したように、上
記ズーム駆動系のギアー列59等が配設されている。こ
のギアー列59は、第2傘歯ギアー155、第2Zギア
ー156等によって形成されているものである。
【0143】つまり、上記ギアー列59を構成する上記
第2傘歯ギアー155、上記第2Zギアー156および
ロックレバー162は、上記第1モータ地板120の前
面側に向けて植設された3本の軸部にそれぞれ回動自在
に軸支されており、このロックレバー162には、ロッ
クバネ163が係止されることにより、上記軸部を中心
とする回転のうちの一方向に付勢されるようになってい
る。そして、上記第2傘歯ギアー155、第2Zギアー
156、ロックレバー162は、上記第1、第2モータ
地板120,121とが結合された場合において、上記
第2モータ地板121側に設けられたスラスト規制部1
21aによって、その軸方向への移動が規制されると共
に、上記モータユニット50の前面側において保持され
るようになっている。
【0144】一方、上記第2モータ地板121側におい
ては、上記Wギアーアーム118およびクラッチレバー
154が、それぞれアーム軸110,レバー軸153に
よって、回動自在に軸支されている。
【0145】上記Wギアーアーム118上には、上記第
1Wギアー111および第1Zギアー151が支持され
ており、この第1Wギアー111、第1Zギアー151
は、それぞれウェーブワッシャ等(図示せず)によって
フリクションが付与されている。また、上記Wギアーア
ーム118の上記第1Zギアー151が設けられている
外周側には、上記ロックレバー162と当接し、これを
回動させるリフト用斜面部118dが、上記Wギアーア
ーム118と一体的に形成されている。
【0146】そして、上記第1、第2モータ地板12
0,121が結合した状態において、上記クラッチレバ
ー154の一端部に設けられたボス部154cが、上記
第1モータ地板120の開口部120dに対応する位置
に配置されるようになっており、このとき、上記ボス部
154cは、上記第1モータ地板120の上面側に向け
て突出し、上記直進ソレノイドプランジャ58の移動鉄
芯58aの上記フック部と係合するようになっている。
これにより、上記クラッチレバー154は、上記移動鉄
芯58aの撮影レンズの光軸と略平行な方向への移動に
連動し、上記レバー軸153を中心として回動するよう
になっている。
【0147】他方、上記第1モータ地板120の上面側
に設けられた上記直進ソレノイドプランジャ58の近傍
には軸部材が植設されており、この軸部材には、クラッ
チレバーバネ164が配設されている。このクラッチレ
バーバネ164は、上記クラッチレバー154のバネ当
接面(詳細は後述する。図19において符号154dで
示す。)に対して付勢力を与えるものである。これによ
り、上記移動鉄芯58aは、上記クラッチレバー154
を介して常に離反する方向に付勢されるようになってい
る。
【0148】そして、フィルム給送に係るフィルム駆動
系のギアー列を構成する他のギアー等については、上述
したように、上記モータユニット50内においてそれぞ
れ配設されている(図11〜13、図16参照)。
【0149】次に、上記一実施の形態のカメラにおける
クラッチ機構について、以下に説明する。まず、上記ク
ラッチ機構がフィルム巻き上げ状態にある場合につい
て、図18によって説明する。
【0150】図18は、上記カメラのクラッチ機構部に
ついて簡単に示す図であって、フィルム駆動系のギアー
列のうち巻上駆動系のギアー列に、上記フィルム給送モ
ータ48の駆動力が伝達されている状態、すなわち、フ
ィルム巻き上げ状態にある場合(図11参照)を示して
いる。
【0151】上述したように、図18において上記第2
減速ギアー109は、フィルム巻き上げ動作が行なわれ
る場合には、上記フィルム給送モータ48によって、図
18において反時計方向に回動される。上記第2減速ギ
アー109には、上記第1Wギアー111および上記第
1Zギアー151がそれぞれ噛合しており、上記第2減
速ギアー109の回動に伴って、上記第1Wギアー11
1、第1Zギアー151はそれぞれ、図18において時
計方向に回動する。この場合において、上記第1Wギア
ー111は、上述したように、上記第2Wギアー112
と常に噛合しているので、これにより、上述した巻上駆
動系、巻戻駆動系(送出駆動系)等を駆動することとな
る一方、この状態においては、上記第1Zギアー151
は、他のギアーと噛合していない状態であり空転する状
態となっている。
【0152】上記第1Wギアー111には、上述したよ
うに、ウェーブワッシャ等(図示せず)によってフリク
ションが付与されているので、この第1Wギアー11
1、第1Zギアー151を支持する上記Wギアーアーム
118は、上記フィルム給送モータ48の駆動力により
上記第2減速ギアー109と同方向への公転力を受ける
こととなるが、この場合において、上記Wギアーアーム
118の巻上時係止面118aが、上記第2モータ地板
121の底面側に設けられた固定部材であるアームスト
ッパ部121bに当接することにより、上記Wギアーア
ーム118の公転動作が規制され、これにより、上記第
1、第2Wギアー111,112の噛合が保持されるこ
ととなる。
【0153】他方、上記第2Wギアー112の近傍に
は、ズーム駆動系を構成する上記第1Zギアー151と
噛合する第1傘歯ギアー152が配置されている。この
第1傘歯ギアー152は、上記第1モータ地板120と
クラッチレバー154のレバー軸153によって回動自
在に軸支されており、上記モータユニット50内に配置
されているものである。
【0154】また、上記クラッチレバー154の一腕部
には、2つの係止面154a,154bが設けられてい
る。このうち、一方の巻戻時係止面154aは、フィル
ムの給送状態において、上記Wギアーアーム118の巻
戻時ストッパ部118fと対向する面であって、この図
18に示す状態においては、上記ストッパ部118fと
上記巻戻時係止面154aとが対向して配置されている
状態を示している。
【0155】なお、図18においては、上記第2減速ギ
アー109が反時計方向に回転した場合(フィルム巻き
上げ状態)について示しているものであって、上記巻上
時係止面118aと上記アームストッパ部121bとが
当接している状態を示していると共に、図18において
上記ストッパ部118fと上記係止面154aとが当接
しているように図示しているが、この場合において、実
際には上記ストッパ部118fと上記係止面154aと
の間には、わずかの隙間が存在するように設定されてお
り、上記クラッチレバー154の回動動作が妨げられな
いようにされている。
【0156】そして、上記巻戻時係止面154aは、図
18に示す状態において、上記第2減速ギアー109
が、図18において時計方向に回動した場合、すなわ
ち、フィルム巻き戻し時において、上記Wギアーアーム
118が同方向への公転力を受けたとき、上記巻戻時ス
トッパ部118fが上記巻戻時係止面154aと当接す
ることで、上記Wギアーアーム118の公転動作を規制
し、上記第1、第2Wギアー111,112の噛合状態
を、フィルム巻き戻し時においても保持するようになっ
ている。
【0157】また、他方のズームダウン時係止面154
bは、上記フィルム給送モータ48の駆動力がズーム駆
動系に伝達されて、ズーミング動作が行なわれる場合に
おいて、上記Wギアーアーム118を保持する面であ
る。すなわち、上記クラッチレバー154は回動自在で
あるため、このクラッチレバー154の巻戻時係止面1
54aと上記巻戻時ストッパ部118fとの当接が解除
された場合(ズーム駆動系への切り換え動作が行なわれ
た場合)において、上記Wギアーアーム118は、図1
8に示す状態より時計方向に公転可能な状態となる。こ
のとき、上記Wギアーアーム118の時計方向への公転
に伴って、上記クラッチレバー154は、上記Wギアー
アーム118の外周部118gの外周側を退避し、上記
Wギアーアーム118の公転を許容し、上記ズームダウ
ン時係止面154bとズームダウン時アームストッパ1
18eとが当接が可能となる状態まで上記Wギアーアー
ム118は公転する。そして、この状態においては、上
記第1、第2Wギアー111,112の噛合状態が解除
される一方、上記第1Zギアー151と上記第1傘歯ギ
アー152とが噛合して、上記フィルム給送モータ48
の駆動力がズーム駆動系へと伝達されるようになってい
る(詳細は後述する。図20に示す状態。)。
【0158】一方、上記Wギアーアーム118の状態に
ついては、WZ切換フォトインタラプタ(PI)165
によって検出されるようになっている。すなわち、上記
Wギアーアーム118の近傍には、上記WZ切換PI1
65が配設されており、上記Wギアーアーム118に
は、薄肉の遮光部からなる検出部118cが設けられて
いる。そして、上記WZ切換PI165側の検出部が、
上記検出部118cに対応するように配置されている。
これによって、上記Wギアーアーム118が公転した際
に、上記検出部118cを上記WZ切換PI165側の
検出部が検出し、上記Wギアーアーム118の状態が検
出されるようになっている。なお、図18に示す状態
は、上記Wギアーアーム118の上記検出部118c
が、上記WZ切換PI165の検出部を遮光している状
態を示している。
【0159】図19は、上記カメラのクラッチ機構につ
いて簡単に示す図であって、上記直進ソレノイドプラン
ジャ58の移動鉄芯58aと上記クラッチレバー154
との連動状態を示す図である。なお、この図19におい
ては、図面の煩雑化を避けるために、クラッチ機構に関
する構成部材のみを図示して、上記直進ソレノイドプラ
ンジャ58の下側に配置される上記第2Wギアー112
等については省略している。
【0160】また、図20は、上記クラッチ機構によっ
て、フィルム駆動系側からズーム駆動系側への切り換え
が行なわれ、モータの駆動力がズーム駆動系側に伝達さ
れる際の状態を示している。なお、この図20において
も、図面の煩雑化を避けるために、クラッチ機構に関す
る構成部材のみを図示するものとする。
【0161】この図19、図20によって、上記直進ソ
レノイドプランジャ58への通電がなされて、上記移動
鉄芯58aが吸着状態となり、フィルム駆動系からズー
ム駆動系への切り換え動作が行なわれる場合について、
以下に説明する。
【0162】上述したように、図19に示す上記クラッ
チレバー154のボス部154cは、上記第1モータ地
板120の開口部120dより上方に向けて突出してお
り、このボス部154cは、上記直進ソレノイドプラン
ジャ58の移動鉄芯58aの中程に設けられたフック部
58bと係合されている。これにより上記クラッチレバ
ー154は、上記移動鉄芯58aの動作に連動し、上記
レバー軸153を中心として回動するようになってい
る。
【0163】また、上記クラッチレバーバネ164は、
その一端部の可動端が、上記クラッチレバー154のバ
ネ当接面154dと当接している一方、他端部は、上記
第1モータ地板120側の固定部材(図示せず)により
係止されている。これにより、上記クラッチレバーバネ
164は、上記クラッチレバー154を、図19におい
て反時計方向に常に付勢するようになっている。
【0164】そして、上記移動鉄芯58aは、通常の場
合においては、上記クラッチレバーバネ164によっ
て、図19において反時計方向に付勢されているので、
離反した状態にあるが、上記直進ソレノイドプランジャ
58に通電がなされると、吸着する方向に移動するよう
になっている。この場合において、上記クラッチレバー
154の移動鉄芯58aは、上記クラッチレバーバネ1
64の付勢力に抗して、上記クラッチレバー154を、
図19において時計方向に回動させることとなる。
【0165】なお、上記直進ソレノイドプランジャ58
への通電がなされていない状態においては、上記Wギア
ーアーム118の巻上時係止面118aは上記アームス
トッパ部121bに当接している状態(フィルム巻上げ
状態)であるから、上記クラッチレバー154の巻戻時
係止面154aには、上記Wギアーアーム118の巻戻
時ストッパ部118f側からの公転力が加わっていない
状態である。したがって、この状態において、上記直進
ソレノイドプランジャ58へ通電がなされ、上記移動鉄
芯58aが吸着状態となると、上記クラッチレバー15
4は、上記巻戻時係止面154aが障害となることな
く、図19に示す状態まで回動されることとなる。
【0166】また、上記第1傘歯ギアー152は、上記
クラッチレバー154の回動中心と同軸に配設されてい
るものであるが、上記クラッチレバー154のレバー軸
153によって、そのスラスト方向への規制のみがなさ
れているので、上記クラッチレバー154が回動した場
合においても、上記第1傘歯ギアー152には何ら影響
を与えることはない。そして、この状態において、巻き
戻し方向のストッパはフリーとなる。すなわち、上記巻
戻時係止面154aによる上記Wギアーアーム118の
公転の規制は解除される状態となる。
【0167】したがって、図19に示すように、上記第
2減速ギアー109が、図19において時計方向(図1
8の係止状態において巻き戻し方向。)に回動すること
により、上記第1Wギアー111に付与されているフリ
クションによって、上記Wギアーアーム118も同方向
に回動することとなる。これによって、上記第1Wギア
ー111と上記第2Wギアー112との噛合が解除され
ることにより、フィルム駆動系側には、上記フィルム給
送モータ48の駆動力が伝達されない状態となる。つま
り、上記クラッチ機構によって、上記フィルム駆動系か
らズーム駆動系への切り換えがなされることとなる。
【0168】上記Wギアーアーム118の公転に従っ
て、上記第1Zギアー151は、上記クラッチレバー1
54の巻戻時係止面154aを通過していくが、この場
合において、上記第1Zギアー151を支持する上記W
ギアーアーム118の外周部118gは、レバー離脱面
154eに対して、充分な間隔が確保されるように上記
クラッチレバー154の回動角は設定されていると共
に、上記第1Zギアー151は、上記クラッチレバー1
54に対して、その上下方向において充分な間隔が確保
されるようになっている。したがって、上記Wギアーア
ーム118が、図19において時計方向に公転する際に
は、上記クラッチレバー154と、上記Wギアーアーム
118および上記第1Zギアー151とが干渉しないよ
うになっている。
【0169】上記Wギアーアーム118の公転中におい
ては、上記直進ソレノイドプランジャ58の吸着状態は
保持されているので、図20に示すように、上記Wギア
ーアーム118は、そのズームアップ時係止面118b
が、上記アームストッパ部121bに当接する位置まで
公転し、このアームストッパ部121bによって、その
公転が規制されることとなる。
【0170】上記ズームアップ時係止面118bが、上
記アームストッパ部121bに当接すると、上記第1Z
ギアー151と上記第1傘歯ギアー152とが噛合し、
これによって、上記フィルム給送モータ48の駆動力
は、ズーム駆動系側に伝達される状態となる。
【0171】この場合において、上記第1Zギアー15
1と上記第1傘歯ギアー152とが噛合した状態を、カ
メラ内に配設される検出部(図示せず)によって検出す
るようにし、制御回路等(図示せず)によって上記フィ
ルム給送モータ48を制御することで、その回転動作を
停止させると共に、上記直進ソレノイドプランジャ58
への通電を停止するような制御が行なわれることとな
る。これにより、上記クラッチレバー154は、上記ク
ラッチレバーバネ164の付勢力によって、図20にお
いて反時計方向へと回動し、その係止位置に入り込むこ
ととなる。
【0172】つまり、上記クラッチレバー154は、図
20に示すように、上記Wギアーアーム118の係止部
に係止される状態、すなわち、上記ズームダウン時係止
面154bと上記ズームダウン時アームストッパ118
eとが対向するように位置する状態となる。なお、図2
0においては、上記ズームダウン時アームストッパ11
8eと上記ズームダウン時係止面154bとが当接して
いるように図示しているが、上記アームストッパ部12
1bと上記ズームアップ時アーム係止面118bとが当
接している場合においては、上記ズームダウン時アーム
ストッパ118eと上記ズームダウン時係止面154b
との間には、上記クラッチレバー154の上記Wギアー
アーム118に対する係脱動作に何らの障害が生じない
ように、若干の間隔が確保されるように設定されてい
る。
【0173】そして、図20に示すように、上記アーム
ストッパ部121bには、上記ズームアップ時アーム係
止面118bが当接した状態となっている。この状態に
おいて、フィルム駆動系からズーム駆動系への切り換え
を行なう場合と同様に、上記第2減速ギアー109を、
図20において時計方向に回動させることにより、上記
第1傘歯ギアー152は、上記第1Zギアー151を介
して同方向に回動し、ズーム駆動系を構成するギアー列
に駆動力を伝達し、これにより、ズームアップ動作が行
なわれることとなる。
【0174】また、この状態において、上記直進ソレノ
イドプランジャ58への通電を行なわない状態で、上記
フィルム給送モータ48を逆転させると、上記Wギアー
アーム118は、逆方向の公転力が生じるため、上記ズ
ームダウン時アームストッパ118eが上記ズームダウ
ン時係止面係止面154bに当接する。このとき、上記
クラッチレバー154によって、上記Wギアーアーム1
18の公転力は規制されているので、上記第1傘歯ギア
ー152と上記第1Zギアー151との噛合状態は保持
されることとなる。したがって、上記第1傘歯ギアー1
52は、図20において反時計方向へと回動して、ズー
ム駆動系を構成するギアー列に駆動力を伝達し、ズーム
ダウン動作が行なわれることとなる。
【0175】つまり、この図20に示す状態において、
上記フィルム給送モータ48を正逆回転させることによ
って、任意にズーミング動作を行なうことができること
となる。
【0176】一方、ズーム駆動系からフィルム駆動系へ
と切り換える場合には、まず、上記直進ソレノイドプラ
ンジャ58への通電を行なって吸着状態とし、上記クラ
ッチレバー154を、図20において時計方向へと回動
させて、このクラッチレバー154を上記Wギアーアー
ム118より離脱させた後、上記フィルム給送モータ4
8を、巻き上げ時と同方向に回転させることにより、上
記Wギアーアーム118を図20において時計方向に公
転させる。これによって、上述の図19に示す状態を経
て、図18に示す状態に復帰することとなり、ズーム駆
動系からフィルム駆動系への切り換えが行なわれること
となる。
【0177】なお、ズーム駆動系からフィルム駆動系へ
の切り換え動作時においては、上記WZ切換PI165
によって上記Wギアーアーム118の位置が検出され
る。この場合における、上記Wギアーアーム118の公
転位置と、上記WZ切換PI165の出力の関係につい
ては、図21に示す。
【0178】図21において、上記Wギアーアーム11
8の遮光部が上記WZ切換PI165のスリットを遮光
した場合をロー(Low)出力とすると、上記Wギアー
アーム118とWZ切換PI165との位置関係は、上
記アームストッパ部121bに上記Wギアーアーム11
8が当接する直前において、上記WZ切換PI165の
出力は、ハイ(High)状態からロー(Low)状態
へと切り換わるように設定されている。
【0179】したがって、ズーム駆動系からフィルム駆
動系への切り換え時において、上記WZ切換PI165
の出力変化を検出することにより、適当なディレイをタ
イマー等によって確保した後ブレーキをかけることによ
り、フィルムを動かしてしまうことなく、駆動系が切り
換わった位置において、確実に上記Wギアーアーム11
8を停止させることができるよう設定されている。
【0180】以上説明したように、単一のモータ(上記
フィルム給送モータ48)による駆動力を、上記直進ソ
レノイドプランジャ58の動力を利用してフィルム駆動
系と、ズーム駆動系との切り換えを確実に行なうことが
できる。
【0181】ところで、上記第1モータ地板120の上
面側に上記直進ソレノイドプランジャ58を配置して、
上記クラッチレバー154のボス部154cを、第1モ
ータ地板120の開口部より突出させることで、上記直
進ソレノイドプランジャ58とクラッチレバー154と
の連動を行なうようにすることについては、以下に説明
するように大きな利点がある。これについて、以下に説
明する。
【0182】図22は、上記一実施の形態のカメラのミ
ラーボックス43近傍の構成部材を一部取り出して示す
要部概略分解斜視図である。なお、この図22において
は、図面の煩雑化を避けるため、その図示を簡略化して
示している。
【0183】上述したように、図22に示す上記ミラー
ボックス43の背面側には、一般的なFPシャッタ43
yが、例えばビス等(図示せず)によって固定されてお
り、また、その底面側には、上記AFセンサーユニット
51が、3本のビス51a,51b,51cによって固
定されている。
【0184】上記AFセンサーユニット51は、その内
部に測距用センサー等が配設されているものであり、正
確な測距を行なうためには、その光路長、傾き等につい
て極めて高い精度による取り付けが要求されるものであ
る。したがって、上記ミラーボックス43側の取付部に
おいても充分な強度を必要とすると共に、上記AFセン
サーユニット51を取り付け固定した状態で、上記ミラ
ーボックス43が他の構成部材等により歪み等を生じる
ようなことがないようする必要がある。そこで、従来の
一般的なカメラにおいては、上記ミラーボックス43の
底面側には上記AFセンサーユニット51のみを配置す
るような構成が採用されている。
【0185】図23は、上記カメラのミラーボックス4
3近傍の構成部材の配置について、このカメラの正面側
(被写体側)から見た際の要部概略図を示している。
【0186】上述したように、この一実施の形態のカメ
ラにおいては、カメラの正面側から見て右側の一端部に
上記スプール室56を、左側の他端部に上記ミラーボッ
クス43に固定されたFPシャッタ43yが配置されて
いる。
【0187】また、上記ミラーボックス43の底面側に
おいては、その略中央部に上記AFセンサーユニット5
1を避けるように上記モータユニット50の第1モータ
地板120が配置されている。
【0188】このような配置とした場合においては、上
記ミラーボックス43の底面側には、上述したように、
他の構成部材等からの影響を避けるため、上記AFセン
サーユニット51のみを配置することで、このAFセン
サーユニット51近傍には、図23において斜線で示す
デッドスペースDSが生じることとなる。
【0189】このデッドスペースDSについては、ミラ
ーボックスを有する一般的な一眼レフレックスカメラに
おいて、基本的に同様の構成となっているものであり、
レイアウト上の異なる点としては、例えばスプール室、
パトローネ室(135型フィルムパトローネを適用する
カメラ等の場合)の配置が、図23における場合と逆に
配置されていたり、また、アドバンストフォトシステム
に対応するカメラ等の場合においては、上記パトローネ
室がカートリッジ室となる等といった差異でしかない。
【0190】また、従来の135型フィルムパトローネ
を適用するカメラ等においては、その画面サイズについ
て、アドバンストフォトシステムに対応するカメラ等よ
りも大きいものであるので、上記デッドスペースDSも
大きなものとなる。したがって、従来の135型フィル
ムパトローネを適用するカメラにおいては、このデッド
スペースに他の動力源として使用する超小型モータ等を
配置することも可能であるが、アドバンストフォトシス
テムに対応するカメラにおいては、その画面サイズが小
さいので、カメラ自体がより小型化されていることで、
上記デッドスペースDSは、さらに小さなスペースとな
ってしまう。したがって、このデッドスペースDSに、
例えば上記直進ソレノイドプランジャ58や超小型モー
タ等を配置する等のレイアウトを採用することも困難と
なってしまう。
【0191】そこで、上記一実施の形態のカメラにおい
ては、上記ミラーボックス43の下部側のデッドスペー
スDSに、ズーム駆動系を構成するギアー列等を、上記
AFセンサーユニット51に影響を与えないように配置
して、上記デッドスペースDSを有効に利用するような
レイアウトを採用している。
【0192】ここで、上記一実施の形態のカメラにおけ
るズーム駆動系を構成するギアー列のうち、上記第1傘
歯ギアー152以降のギアー列について、図24,図2
5によって、以下に説明する。
【0193】図24は、上記一実施の形態のカメラのス
プール室56下部に配置されるズーム駆動系を構成する
ギアー列の一部について、このカメラの正面側(被写体
側)から見た際の要部概略図であり、図25は、上記カ
メラのズーム駆動系を構成するギアー列を展開して示す
展開図である。
【0194】なお、図24においては、図面の煩雑化を
避けるため、ズーム駆動系に係る主要部材のみを図示す
ると共に、カメラの内部構成部材については簡略化して
図示し、カメラの外装部アウトラインとして、フロント
カバー1、ストロボ部3の最外形線を、その正面側から
見て右半部のみについて図示するものとする。
【0195】また、図24において、上記フィルム給送
モータ48近傍のフィルム駆動系についての構成は、上
述しているので、ここではその説明を省略すると共に、
図面の煩雑化を避けるため、上記フィルム給送モータ4
8の回転軸に配設される上記ピニオンギアー103から
第1傘歯ギアー152と噛合する上記第1Zギアー15
1までの各構成部材については、その図示を省略してい
る。
【0196】図24、図25に示すように、ズーム駆動
系を構成するギアー列のうち、上記Wギアーアーム11
8の近傍に配置される各ギアーの回転軸は、撮影レンズ
(撮影光学系)の光軸と略直交する方向に配置されてい
るが、ズーム駆動系においては、上記撮影レンズ鏡筒2
内の撮影レンズ(撮影光学系)の光軸と略平行に配置さ
れるカム(図示せず)等を回動させることによって、上
記フィルム給送モータ48の駆動力を伝達するようにな
っているので、ズーム駆動系を構成するギアー列中にお
いて、その伝達方向を約90[deg.]変換する必要
がある。つまり、上記ズーム駆動系を構成するギアー列
のうちの後半部分の各ギアーの回転軸については、上記
撮影レンズ(撮影光学系)の光軸と略平行となる方向に
配置する必要がある。
【0197】図25において、上記第1傘歯ギアー15
2は、上記第1Zギアー151と噛合しており、上記第
1傘歯ギアー152は歯数Z=16の平歯車部の上側に
一体的に設けられた歯数Z=17、モジュール0.4の
傘歯車部とによって形成されている。この傘歯車部はピ
ッチ円錐角45°(度)に設定されており、これに、上
記第2傘歯ギアー155の傘歯車部が噛合するようにな
っている。
【0198】なお、上記第2傘歯ギアー155も、上記
第1傘歯ギアー152と同様の諸元によって形成されて
おり、この第1、第2傘歯ギアー152,155は共
に、上記第1モータ地板120内に形成されている軸部
において回動自在に軸支されている。また、上記第1傘
歯ギアー152は、上記レバー軸153によって、その
スラスト方向への移動を規制されており、上記レバー軸
153は、上記クラッチレバー154を回動自在に保持
している。
【0199】上記第2傘歯ギアー155には、上記第1
傘歯ギアー152と同様に、傘歯車部と平歯車部とが一
体的に形成されているが、その平歯車部が上記第2Zギ
アー156と噛合し、この第2Zギアー156と第3Z
ギアー157とが噛合している。なお、上記第2、第3
Zギアー156,157は、同一諸元の二段ギアーによ
って形成されている。したがって、上記第2傘歯ギアー
155の平歯車部には、上記第2Zギアー156の大ギ
アー側が噛合すると共に、この第2Zギアー156の小
ギアー側には、上記第3Zギアー157の大ギアー側が
噛合している。そして、この第3Zギアー157の小ギ
アー側には、アイドルギアーからなる第4Zギアー15
8が噛合し、この第4Zギアー158には、第5Zギア
ー159の他端側のギアー部159bが噛合している。
【0200】なお、上記第3〜第5Zギアー157,1
58,159は、図25に示すように、Zギアー地板1
61によって回動自在に軸支されており、このZギアー
地板161は、例えばビス等(図示せず)によって、上
記ボディプレート41と一体的に固定されるようになっ
ている。
【0201】また、上記第5Zギアー159は、カメラ
本体側と撮影レンズ鏡筒側との間において、上記フィル
ム給送モータ48の駆動力を伝達するための連結ギアー
であって、上記ボディプレート41を挟んで撮影レンズ
鏡筒2側へ、上記フィルム給送モータ48の駆動力を伝
達するようになっている。
【0202】つまり、上記第5Zギアー159は、二段
ギアーからなるものであるが、その一端部のギアー部1
59aは、撮影レンズ鏡筒2内の固定部材160に回動
自在に支持されている一方、この状態において、撮影レ
ンズ鏡筒2内のカム筒(図示せず)に形成された内歯ギ
アー(図示せず)と噛合することにより、上記撮影レン
ズ鏡筒2内の撮影レンズを保持しているレンズ枠(図示
せず)を回動させるようになっている。
【0203】なお、この一実施の形態のカメラにおい
て、上記カム筒等までを含めたズーム駆動系の総減速比
izは、iz=992.5に設定されており、これによ
り、充分な駆動力が確保されるようになっている。
【0204】ところで、上述したように、図24に示す
上記ボディプレート41は、その上部側両端部に上記係
合部41a,41b(上述の図9参照。図24において
は右側の係合部41bのみ示す。)が設けられており、
この係合部41a,41bが、上記フロントカバー1の
内部に配設されている固定部材(図示せず)等に対して
係合し固定されるようになっている。そして、上記ボデ
ィプレート41は、図24に示すように、上記第2傘歯
ギアー155、第2Zギアー156、第5Zギアー15
9等を避けるような形状に形成されている。
【0205】このようにして、上記フィルム給送モータ
48の駆動力は、ズーム駆動系のギアー列を介して上記
第5Zギアー159に伝達され、図24に示すように、
カメラの正面側から見た場合において、上記ミラーボッ
クス43の下部右側部より撮影レンズ鏡筒2内のカム筒
(図示せず)と係合し、これを回動させるようになって
いる。
【0206】このように、上記一実施の形態のカメラに
おいては、上記第1モータ地板120の上面側に上記直
進ソレノイドプランジャ58を配置して、上記クラッチ
レバー154のボス部154cを、第1モータ地板12
0の開口部より突出させることで、上記直進ソレノイド
プランジャ58と上記クラッチレバー154との連動を
行なうようにしたので、ズーム駆動系を構成するギアー
列、フィルム駆動系とズーム駆動系との切り換えを行な
うクラッチ機構等の各構成部材を、このカメラの底面側
のデッドスペースDSに効率良く配置することができる
こととなる。
【0207】以上説明したように上記一実施の形態のカ
メラにおいては、上記スプール軸56a内に配置した単
一のモータ、すなわち、上記フィルム給送モータ48に
よってフィルム駆動系とズーム駆動系とを切換駆動制御
するために、上記フィルム給送モータ48の下部側に、
フィルム駆動系とズーム駆動系との切り換えを行なうク
ラッチ機構を配置すると共に、このクラッチ機構を制御
する切換アクチュエータである上記直進ソレノイドプラ
ンジャ58を、上記ミラーボックス43の下部側のデッ
ドスペースDSに配置したことにより、カメラ内部にお
けるより少ないスペースで、フィルム駆動系とズーム駆
動系にかかるギアー列等の構成部材を効率良く配置する
ことができると共に、カメラの小型化に寄与することが
できる。
【0208】[付記] (1) ミラーボックスと、測距用センサーユニット
と、この測距用センサーユニットに隣接して配置された
直進ソレノイドと、を有するカメラ。
【0209】(2) ミラーボックスと、測距用センサ
ーユニットと、を有するカメラにおいて、上記ミラーボ
ックスと上記測距用センサーユニットとフィルム巻取室
により囲まれた領域に、直進ソレノイドを配置したカメ
ラ。
【0210】(3) フィルム送出機構と、ミラーボッ
クスと、測距用センサーユニットと、を有するカメラに
おいて、上記測距用センサーユニットに隣接した位置に
直進ソレノイドを配置したカメラ。
【0211】(4) 単一のモータと、このモータの駆
動力を二種類の駆動系に切り換え可能なクラッチ機構
と、このクラッチ機構を制御するための切換アクチュエ
ータと、ミラーボックスと、測距用センサーユニット
と、を具備しており、上記切換アクチュエータと上記測
距用センサーユニットとを隣接して配置したカメラ。
【0212】(5) フィルム巻取用スプールに内蔵さ
れたモータと、このモータの駆動力を伝達するギアーユ
ニットと、上記モータの駆動力を二種類の駆動系に切り
換え可能なクラッチ機構と、このクラッチ機構を制御す
るための切換アクチュエータと、ミラーボックスと、測
距用センサーユニットと、を具備しており、上記切換ア
クチュエータを、上記ミラーボックス、上記測距用セン
サーユニット、上記ギアーユニットに囲まれた領域に配
置したカメラ。
【0213】(6) 付記4または付記5に記載のカメ
ラにおいて、上記切換アクチュエータは直進ソレノイド
である。
【0214】(7) 付記3または付記6に記載のカメ
ラにおいて、上記直進ソレノイドの移動方向は、撮影光
学系の光軸と略平行である。
【0215】(8) ミラーボックスと、このミラーボ
ックスの下方に設けられた測距用センサーユニットと、
上記ミラーボックスの下方であって、かつ上記測距用セ
ンサーユニットに隣接して配置された直進ソレノイド
と、を有するカメラ。
【0216】(9) ミラーボックスと、このミラーボ
ックスの下方に設けられた測距用センサーユニットと、
上記ミラーボックスの側方に設けられたフィルム巻取室
と、上記ミラーボックス、上記測距用センサーユニッ
ト、上記フィルム巻取室により三方を囲まれた領域に設
けられた直進ソレノイドと、を有するカメラ。
【0217】(10) 撮影光学系と、この撮影光学系
の後方に配置されるミラーボックスと、このミラーボッ
クスの下方に配置された測距用センサーユニットと、上
記ミラーボックスの下方で、かつ上記測距用センサーユ
ニットに隣接した位置に配置された直進ソレノイドと、
を具備するカメラ。
【0218】(11) 単一のモータと、このモータの
駆動力を二種類の駆動系に切り換え可能なクラッチ機構
と、撮影光学系と、この撮影光学系の後方に配置される
ミラーボックスと、このミラーボックスの下方に配置さ
れた測距用センサーユニットと、上記ミラーボックスの
下方で、かつ上記測距用センサーユニットの側方に隣接
して配置された、上記クラッチ機構を制御するための切
換アクチュエータと、を具備するカメラ。
【0219】(12) フィルム巻取用スプールに内蔵
されたモータと、このモータの駆動力を伝達するギアー
ユニットと、このクラッチ機構を制御するための切換ア
クチュエータと、撮影光学系の後方に配置されるミラー
ボックスと、このミラーボックスの下方に配置された測
距用センサーユニットと、上記ミラーボックス、上記測
距用センサーユニット、上記ギアーユニットに囲まれた
領域に配置され、上記モータの駆動力を二種類の駆動系
に切り換え可能なクラッチ機構と、を具備するカメラ。
【0220】(13) 付記11または付記12に記載
のカメラにおいて、上記切換アクチュエータは直進ソレ
ノイドである。
【0221】(14) 付記10または付記13に記載
のカメラにおいて、上記直進ソレノイドの移動方向は、
撮影光学系の光軸と略平行である。
【0222】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、単一
のモータによって複数の駆動系(フィルム給送駆動系、
ズーム駆動系等)を切換駆動するようにしたカメラにお
いて、上記モータの駆動力を複数の駆動系に切り換える
クラッチ機構近傍に、ソレノイド等の他の動力源を効率
良く配置すると共に、小型化に寄与することのできるカ
メラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のカメラの外観を示す正
面図。
【図2】上記図1のカメラの正面から見て右がわ側面か
ら見た際の右側面図。
【図3】上記図1のカメラの上面図であって撮影レンズ
が望遠側にある状態示す図。
【図4】上記図1のカメラの正面から見て左がわ側面か
ら見た際の左側面図であって、ストロボ部がポップアッ
プした状態を示す図。
【図5】上記図1のカメラの底面図。
【図6】上記図1のカメラの背面図。
【図7】上記図1のカメラの正面側から見た際の内部ユ
ニットの概略配置図。
【図8】上記図1のカメラの上面側から見た際の内部ユ
ニットの概略配置図。
【図9】上記図1のカメラ内部の主要ユニットの構成を
示す図であって、ボディプレート近傍における主要ユニ
ットの概略を示す分解斜視図。
【図10】上記図1のカメラの主要ユニットとモータユ
ニットの概略を示す分解斜視図。
【図11】上記図1のカメラを上面側から見た場合にお
けるフィルム駆動系のギアー列の配置を示す概略構成図
であって、フィルムの巻き上げ(および初期送り出し)
状態を示す図。
【図12】上記図1のカメラにおけるフィルム駆動系の
ギアー列の噛合状態を示す展開図であって、フィルム巻
上駆動系のギアー列の展開図。
【図13】上記図1のカメラにおけるフィルム駆動系の
ギアー列の噛合状態を示す展開図であって、フィルム巻
戻駆動系のギアー列の展開図。
【図14】上記図1のカメラにおけるワンウェイクラッ
チユニットの分解斜視図、およびこれに係合するカート
リッジの概略斜視図。
【図15】上記図1のカメラのスプール室近傍の概略を
示す横断面図。
【図16】上記図1のカメラを上面側から見た場合にお
けるフィルム駆動系のギアー列の配置について示す概略
構成図であって、フィルムの巻き戻し状態を示す図。
【図17】上記図1のカメラにおけるモータユニットの
分解斜視図。
【図18】上記図1のカメラのクラッチ機構部について
簡単に示す図であって、フィルム駆動系のギアー列のう
ち巻上駆動系のギアー列にフィルム給送モータの駆動力
が伝達されている状態、すなわち、フィルム巻き上げ状
態にある場合を示す図。
【図19】上記図1のカメラのクラッチ機構について簡
単に示す図であって、直進ソレノイドプランジャの移動
鉄芯とクラッチレバーとの連動状態を示す図。
【図20】上記図1のカメラのクラッチ機構によって、
フィルム駆動系側からズーム駆動系側への切り換えが行
なわれ、モータの駆動力がズーム駆動系側に伝達される
際の状態を示す図。
【図21】上記図1のカメラのクラッチ機構において、
ズーム駆動系からフィルム駆動系への切り換え動作時に
おける、Wギアーアームの公転位置とWZ切換PIの出
力の関係について示す図。
【図22】上記図1のカメラのミラーボックス近傍の構
成部材を一部取り出して示す要部概略分解斜視図。
【図23】上記図1のカメラのミラーボックス近傍の構
成部材の配置について、このカメラの正面側(被写体
側)から見た際の要部概略図。
【図24】上記図1のカメラのスプール室56下部に配
置されるズーム駆動系を構成するギアー列の一部につい
て、このカメラの正面側(被写体側)から見た際の要部
概略図。
【図25】上記図1のカメラのズーム駆動系を構成する
ギアー列を展開して示す展開図。
【符号の説明】
1……フロントカバー(外装部材) 2……撮影レンズ鏡筒 3……ストロボ部 4……リアカバー(外装部材) 41……ボディプレート 43……ミラーボックス 44……第1本体 48……フィルム給送モータ(モータ) 50……モータユニット 51……AFセンサーユニット(測距用センサーユニッ
ト) 54……第2本体 56……スプール室(フィルム巻取室) 56a……スプール軸(フィルム巻取用スプール) 58……直進ソレノイドプランジャ(直進ソレノイド、
切換アクチュエータ) 405……カートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 17/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミラーボックスと、 測距用センサーユニットと、 この測距用センサーユニットに隣接して配置された直進
    ソレノイドと、 を有することを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 ミラーボックスと、 測距用センサーユニットと、 を有するカメラにおいて、上記ミラーボックスと上記測
    距用センサーユニットとフィルム巻取室により囲まれた
    領域に、直進ソレノイドを配置したことを特徴とするカ
    メラ。
  3. 【請求項3】 フィルム送出機構と、 ミラーボックスと、 測距用センサーユニットと、 を有するカメラにおいて、上記測距用センサーユニット
    に隣接した位置に直進ソレノイドを配置したことを特徴
    とするカメラ。
JP9857896A 1996-04-19 1996-04-19 カメラ Pending JPH09288300A (ja)

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