JPH09287539A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JPH09287539A
JPH09287539A JP10016296A JP10016296A JPH09287539A JP H09287539 A JPH09287539 A JP H09287539A JP 10016296 A JP10016296 A JP 10016296A JP 10016296 A JP10016296 A JP 10016296A JP H09287539 A JPH09287539 A JP H09287539A
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pressure
valve
lift
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利貴 南
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一方の針弁の強制的な閉弁制御を実行し、噴
口数の切換制御を任意且つ最適に行えるようにする。 【解決手段】 本発明に係る燃料噴射ノズル1は、燃圧
の作用により独立してリフト可能で、それぞれ個別に噴
口20,21を開閉する二つの針弁8,14と、一方の
上記針弁14にそのリフトを生じさせる燃圧が作用され
たとき、その針弁14に閉方向の押圧力を作用してその
リフトを規制するリフト規制手段46,47,48a,
49,57,58,59,60,61,62,63とを
備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンに適用される燃料噴射ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、本出願人は、供給燃料の圧力即ち
燃圧に応じて噴口数を変化させることのできる可変噴口
式燃料噴射ノズルを提案した(実開平4-17167 号公報参
照)。これにおいては、二つの針弁を異なる燃圧で独立
にリフトさせ、それぞれ個別に噴口を開閉させるように
し、燃圧値に応じて噴口数を二段に切り換えられるよう
になっている。そして、エンジン回転数が低速側で燃圧
が低い場合には、一方の針弁のみをリフトさせて少ない
噴口数で燃料噴射を行い、エンジン回転数が高速側で燃
圧が高い場合には、他方の針弁もリフトさせて全ての噴
口から燃料噴射を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来技
術においては、燃圧値の高低のみに基づいて噴口数の切
り換えを行っている。
【0004】しかし、エンジンの運転状態によっては、
これのみで噴口数の切り換え乃至制御を行うのが必ずし
も最良とはいえない場合がある。
【0005】例えば、図4に示すように、スモークは噴
射圧力が増すと減少する傾向にあり、特に最近では排ガ
ス規制との関係から噴射圧力は高まる傾向にある。な
お、図中P=1000(kg/cm2 ) である。
【0006】ところが、噴口数が増えると噴射圧力は減
少してしまい、噴口数が増すような条件下にあっても、
噴射圧力を減少させないために噴口数は少なくしておき
たい場合がある。
【0007】このように、噴口数の切り換えは、エンジ
ンの運転状態によって最適に行うのが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃料噴射ノ
ズルは、燃圧の作用により独立してリフト可能で、それ
ぞれ個別に噴口を開閉する二つの針弁と、一方の上記針
弁にそのリフトを生じさせる燃圧が作用されたとき、そ
の針弁に閉方向の押圧力を作用してそのリフトを規制す
るリフト規制手段とを備えたものである。
【0009】これによれば、一方の針弁が燃圧を受けて
リフトしようとしても、そのリフトはリフト規制手段に
よって強制的に規制される。これにより、噴口数の増大
による噴射圧力の減少及びスモークの悪化を防止でき、
エンジンの運転状態によって噴口数の切り換えを最適に
行うことができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明の好適な実施の形態を
添付図面に基づいて詳述する。
【0011】図1は、本発明に係る燃料噴射ノズルを示
す縦断面図である。図示するように、燃料噴射ノズル1
においては、ノズルホルダ3の先端部にノズルボディ2
がリテーニングナット35で一体的に接続されている。
ノズルボディ2は、先端部が円錘状に閉鎖された円筒状
に形成されて内部に第1弁ガイド穴4を有し、ノズルホ
ルダ3も円筒状に形成されて内部にスプリング室5を区
画する。第1弁ガイド穴4はその先端部が先端側に至る
につれ順次縮径され、この縮径部分が円錘状の弁座6を
形成している。そして弁座6の最先端には半球状のホー
ル部7が形成されている。
【0012】第1弁ガイド穴4には、第1針弁8が摺動
自在にかつ昇降自在に収容されている。この第1針弁8
は、円筒状に形成されてその外表面部が段差状とされ、
その後軸部9が第1弁ガイド穴4に対し摺動し、先端側
軸部10が後軸部9より縮径されている。そして後軸部
9と先端側軸部10との境目の段差部分が、燃圧(燃料
圧力)を作用させるべくテーパ状に形成された第1受圧
面11となっている。先端側軸部10の先端面は、弁座
6に着座して面接触する円錘状の第1弁シート12とな
る。
【0013】第1針弁8は軸心部を貫通する第2弁ガイ
ド穴13を有し、この第2弁ガイド穴13に第2針弁1
4が摺動自在にかつ昇降自在に収容されている。第2針
弁14は、第1針弁8同様、後軸部15が第2弁ガイド
穴13に対し摺動し、先端側軸部16が後軸部15より
縮径されている。ただしこの第2針弁14は中実の軸状
に形成される。先端側軸部16の先端面は円錘状に形成
されて弁座6に着座する第2弁シート17をなし、後軸
部15と先端側軸部16との境目段差部分が燃圧を作用
させるためのテーパ状の第2受圧面18となる。後軸部
15の後端面には、その軸心位置に突出軸部19が一体
形成されている。
【0014】特に、ノズルボディ2の先端部には、燃料
噴射口としての第1及び第2噴口20,21がそれぞれ
貫通形成されている。第1噴口20は、弁座6に開口す
る入口端が第1針弁8の第1弁シート12により開閉さ
れる。即ち、第1針弁8が上昇乃至リフトした際に第1
噴口20は開放され、第1針弁8が下降し、第1弁シー
ト12が弁座6に着座した際に第1噴口20は閉止され
るようになっている。同様に、第2噴口21も弁座6に
開口する入口端が第2針弁14の第2弁シート17によ
り開閉される。
【0015】第1及び第2噴口20,21は、円周方向
に沿って所定間隔をもって複数設けられる。つまり、一
方の第1噴口20群は第1針弁8によって全て同時に開
閉され、同様に他方の第2噴口21群も第2針弁14に
よって全て同時に開閉される。第1及び第2針弁8,1
4は軸方向に沿って相対移動可能で、つまり第1及び第
2針弁8,14は、燃圧の作用により独立してリフト可
能で、それぞれ個別に第1及び第2噴口20,21を開
閉するようになっている。
【0016】一方、ノズルホルダ3内のスプリング室5
には、その径方向外側に第1針弁8を閉方向(先端方
向)に付勢する第1リターンスプリング22が、その径
方向内側に第2針弁14を閉方向に付勢する第2リター
ンスプリング23がそれぞれ収容されている。詳しくは
後述するが、第2リターンスプリング23は第1リター
ンスプリング22と同等の設定荷重或いはばね定数とさ
れ、第2針弁14を第1針弁8と同等の燃圧値でリフト
させるようになっている。そしてこれにより、第1針弁
8と第2針弁14との開弁圧も同等となる。
【0017】第1リターンスプリング22の付勢力は第
1プッシャ24を介して第1針弁8に伝達される。第1
プッシャ24はリング状に形成され、スプリング室5の
内周面に対し摺動自在であり、その軸心部には摺動穴2
5を有する。第1プッシャ24の後端面には、第1リタ
ーンスプリング22と第2リターンスプリング23との
間を仕切るための突出片26が設けられる。
【0018】摺動穴25には第2プッシャ27が摺動自
在に設けられ、第2プッシャ27は第2リターンスプリ
ング23の付勢力を第2針弁14に伝達する。特に第2
プッシャ27は、先端面の係合穴28が第2針弁14の
突起軸部19に係合するようになっており、後端面に突
出形成された凸部29の周囲部分で、第2リターンスプ
リング23の端部を嵌合させて位置決めするようになっ
ている。なお、摺動穴25内では第2針弁14の後軸部
15も摺動することができ、第1針弁8は所定ストロー
クのリフトの後、ノズルホルダ3の先端面に当接してそ
れ以上のリフトが規制されるようになっている。
【0019】ところで、ノズルボディ2及びノズルホル
ダ3には、これらの連結時に一連の燃料供給通路30を
構成するポート31,32がそれぞれ形成されている。
ノズルボディ2のポート31の出口は、図示の如く第1
針弁8が弁座6に着座したとき、その第1針弁8の第1
受圧面11と対面される位置に油溜室31aを形成して
開口されている。そしてノズルホルダ3のポート32の
入口は、ノズルホルダ3に突出形成された配管取付部3
6に開口されている。図示省略するが、配管取付部36
には、燃料噴射ポンプから至る燃料供給用の配管が取り
付けられる。
【0020】ノズルホルダ3は中空管状に形成されてそ
の軸心部に中心穴37を有する。そしてノズルホルダ3
の上端にはホルダキャップ38が螺合接続されている。
なおこれら間からの燃料洩れはパッキン39によって妨
げられる。中心穴37には管状の第1アジャスティング
スクリュ40が螺合して取り付けられ、第1アジャステ
ィングスクリュ40の内側には同じく管状の第2アジャ
スティングスクリュ41が螺合して取り付けられる。こ
れらアジャスティングスクリュ40,41は、ノズルホ
ルダ3内にて上記スプリング室5の上端面を区画すると
共に、第1及び第2リターンスプリング22,23にそ
れぞれ当接して、これらスプリング22,23の設定荷
重を決定する。
【0021】そして、ホルダキャップ38内にはリーク
燃料室42が区画形成され、アジャスティングスクリュ
40,41の上端部はリーク燃料室42内に突出されて
いる。リーク燃料室42は、ホルダキャップ38内のリ
ーク通路43を介して配管取付部材44に連通され、こ
れにより、リーク燃料室42の低圧リーク燃料が、配管
取付部材44から図示しない配管を経て燃料タンクに戻
される。
【0022】一方、ホルダキャップ38の上部側には上
方に開口する収容穴45が設けられ、この収容穴45
は、コマンドピストン46及びスプリング47の挿入
後、ボルト48によって閉鎖される。ボルト48はコマ
ンドピストン46との間にシリンダ室49を区画形成す
る。そしてスプリング47はコマンドピストン46を下
方に付勢する。
【0023】特にコマンドピストン46は、下方つまり
ノズル先端側に延出するロッド部50を一体的に有す
る。ロッド部50は、収容穴45の底面に貫通形成され
るロッド穴51、及び第2アジャスティングスクリュ4
1の軸心部に貫通形成される摺動穴52内に摺動自在に
挿通され、スプリング室5の軸心部を通過した後第2プ
ッシャ27に当接される。ロッド穴51の内面にはOリ
ング53が設けられる。
【0024】一方、ホルダキャップ38の上側には、油
圧導入部材54が一対のパッキン55を介してボルト4
8に挟持されている。油圧導入部材54はアイボルト状
に形成されて内部に油圧通路56を有し、この油圧通路
56はボルト48内部の油圧通路48aを介してシリン
ダ室49に連通される。
【0025】また、油圧通路56は油圧配管57を介し
て電磁弁58に接続され、この電磁弁58は油圧配管5
9,60を介してオイルギャラリ61及びオイルパン6
2に接続される。電磁弁58は、コントローラ63から
の制御信号(ON/OFF信号)により切り換えられる切換弁
であって、ONのときには油圧配管57,59を接続して
配管60を閉とし、OFF のときには油圧配管57,60
を接続して配管59を閉とする。
【0026】オイルギャラリ61及びオイルパン62
は、図示しないオイルポンプの吐出側及び吸入側に相当
する。そこで電磁弁58がONのときには、オイルギャラ
リ61から油圧導入部材54にエンジン用潤滑油による
油圧が導入される。そしてその油圧は、シリンダ室49
に侵入してコマンドピストン46を下方に押し付ける。
【0027】一方、電磁弁58がOFF となれば、潤滑油
がオイルパン62に排出されてシリンダ室49内の油圧
が下がる。こうなれば、コマンドピストン46に作用し
ていた先の押圧力がなくなる。
【0028】さて、コマンドピストン46のロッド部5
0内部には、リーク燃料室42とスプリング室5とを連
通する燃料通路64が設けられている。燃料通路64は
具体的には、ロッド部50の軸心に沿って設けられる中
心穴65と、中心穴65からリーク燃料室42及びスプ
リング室5にそれぞれ径方向に沿って開口する上部横穴
66及び下部横穴67とから構成される。特に下部横穴
67は軸方向に沿って所定間隔で三つ設けられる。中心
穴65の下端は開放されているが、この開放端は第2プ
ッシャ27の凸部29によって閉塞される。
【0029】次に、かかる形態の作用について説明す
る。
【0030】エンジン運転中、図示しない燃料噴射ポン
プからは、エンジン回転数に応じた量乃至圧力の燃料が
供給される。この燃料は燃料供給通路30を通じて第1
針弁8の先端側軸部10の周囲の隙間に入り込み、特に
油溜室31aで第1針弁8の第1受圧面11に作用す
る。この燃圧が比較的低い値である第1所定値に達した
とき、第1針弁8は第1リターンスプリング22の付勢
力に逆らってリフトし、第1噴口20を開放する。こう
なれば先端側軸部10の周囲の燃料が、第1弁シート1
2と弁座6との隙間を通じて第1噴口20から噴射され
ることになる。燃圧が増加すればリフト量も増え、より
多くの燃料が噴射されるようになる。
【0031】第1針弁8がリフトすると、燃料は第2針
弁14の先端側軸部16の周囲にも入り込み、第2受圧
面18に作用して第2針弁14にリフト方向の力を付与
する。しかしながら、エンジン回転数が低速側で、燃料
供給通路30に供給される燃圧が比較的低い場合、第1
噴口20からの燃料噴射により第2針弁14には一層低
い燃圧しか作用しないので、第2針弁14のリフトは生
じない。
【0032】一方、エンジン回転数が比較的高速となっ
て、燃料供給通路30に供給される燃圧が比較的高い値
である第2所定値に達したときには、第2針弁14が第
2リターンスプリング23の付勢力に逆らってリフト
し、第2噴口21を開放させるようになる。そして第1
噴口20に加え、第2噴口21からも燃料噴射が行われ
るようになる。
【0033】このように、かかる構成にあっては、後述
する第2針弁14の閉弁制御を実行しない限り、つまり
電磁弁58がOFF とされている限り、供給される燃圧値
のみに基づいて噴口数が二段に切り換えられる。なお、
コマンドピストン46は、スプリング47によって下方
に軽く押さえられつつ、第2針弁14の昇降に合わせて
昇降することになるが、このときスプリング47は、コ
マンドピストン46の昇降に伴うバウンドを確実に防止
する。
【0034】一方、上記閉弁制御を実行するときは、コ
ントローラ63により電磁弁58をONとする。こうする
と、オイルギャラリ61から油圧がシリンダ室49に供
給され、シリンダ室49内に予め封入された潤滑油の油
圧が高められる。そしてこの油圧により、コマンドピス
トン46が下方に押圧される。このとき、コマンドピス
トン46の油圧作用面が比較的大きい面積を有するた
め、倍力効果が働いて比較的小さい油圧でも強力な押圧
力を得ることができる。
【0035】さらにこの押圧力は第2針弁14に伝達さ
れ、第2針弁14を下方に押圧し、弁座6に強力に押し
付けることになる。そしてこれにより、第2噴口21を
強制的に閉鎖することになる。
【0036】よって、第2針弁14にそのリフトを生じ
させる燃圧が作用されたとき、上記の如き第2針弁14
の強制的な閉弁制御を実行することにより、噴口数の切
換え乃至増加を防ぎ、第1噴口20のみによって燃料噴
射を行え、噴射圧力の減少に伴うスモークの悪化を防止
することができる。そして、燃圧(送油率)に依存する
ことなく、噴口数の切換制御を任意且つ最適に行うこと
ができるようになる。
【0037】このように、上記構成にあっては、コマン
ドピストン46、シリンダ室49、スプリング47、油
圧通路56,48a、油圧配管57,59,60、電磁
弁58、コントローラ63、オイルギャラリ61及びオ
イルパン62が、一方の針弁即ち第2針弁14にそのリ
フトを生じさせる燃圧が作用されたとき、その第2針弁
14に閉方向の押圧力を作用してそのリフトを規制する
リフト規制手段を構成する。
【0038】また、コマンドピストン46は、作動流体
としての潤滑油の圧力を受けて上記第2針弁14に押圧
力を付与するピストンを形成する。
【0039】次に、図2は噴口数の切換マップを示し、
横軸にはエンジン回転数が、縦軸にはエンジン負荷がと
ってある。図中破線は、かかるリフト規制手段がないと
した場合の切換えタイミングを示し、この破線より低回
転・低負荷側では第1噴口20のみによる燃料噴射が、
高回転・高負荷側では第1及び第2の両噴口20,21
による燃料噴射が行われる。この切換タイミングは第2
リターンスプリング23の設定荷重に基づいて決定さ
れ、この設定荷重の大小に応じ、図示する破線が上下に
平行移動することになる。
【0040】かかる構成によれば、破線よりも高回転・
高負荷側の領域に部分的に閉弁制御を実行しない領域A
(電磁弁58がOFF の領域)があるのみで、その他の全
ての領域Bでは電磁弁58をONとし、閉弁制御を実行す
るようにしている。特に、破線よりも高回転・高負荷側
にある領域Bが、かかるリフト規制手段により新たに閉
弁される領域となる。そしてこの場合、領域Aと領域B
との境界は、エンジン回転数については全回転数に対す
る40(%) の位置、エンジン負荷については全負荷に対す
る60(%) の位置に設定されている。これらの位置は実機
試験に基づいて決定されたものである。
【0041】このようにすると以下の利点が得られる。
図3に示すように、一般的に燃費に関しては噴射期間に
最適値があり、噴射期間がt=30°(CA)以上に増えると
燃費が悪化する。そしてこの噴射期間は、噴口数が少な
くなると長期化し、多くなると短期化する。
【0042】従って、かかる構成においては、高回転・
高負荷となる領域Aでは噴口数を多くして噴射期間を短
期化し、燃費を向上できる。また、低回転・高負荷領域
では、噴口数を少なくして噴射圧力を増し、スモークを
改善できる。また、いずれの回転数においても低負荷の
ときは、噴口数を少なくして噴射期間を長期化し、HC
を減少できる。
【0043】また、一般的にエンジン始動時には燃圧が
過渡的に上昇し、このため従来の構成では、両方の針弁
がリフトして噴口数が増え、燃料の微粒化が図れなかっ
た。かかる構成によれば、第2針弁14のリフトが強制
的に規制されるので、燃料の微粒化を図れ始動性も向上
できる。
【0044】なお、このような閉弁制御は、コントロー
ラ63が各種センサからエンジン回転数及び負荷を読み
取り、これらと上記切換マップとの比較により、電磁弁
58のON/OFF制御を実行することで達成される。このコ
ントローラ63はECU とすることができる。
【0045】また、上記においては、噴口数の切換回転
数を全回転数の40(%) に、切換負荷を全負荷の60(%) に
それぞれ設定したが、この値は任意であり、エンジン特
性に応じて別の値に変更が可能である。
【0046】また、かかる構成にあっては、第2リター
ンスプリング23の設定荷重が従来より低く、第1リタ
ーンスプリング22と同等とされており、第1及び第2
針弁8,14の開弁圧が同等となっている。このため、
従来より低い回転数・負荷から多噴口での噴射を実行し
たい場合には大いに有益で、こうしても閉弁制御により
閉弁は可能であるからセッティングの幅も拡がり対応能
力が増す。
【0047】加えて、他の特徴としては、コマンドピス
トン46のロッド部50に燃料通路64を設けた点が揚
げられる。上記構成においては、第1針弁8又は第2針
弁14のリフト時にスプリング室5の容積が収縮される
が、上記燃料通路64はその収縮に伴い、スプリング室
5に封入されたリーク燃料をリーク燃料室42に排出さ
せる役割を果たす。また逆に、第1及び第2針弁8,1
4の降下時には、スプリング室5の容積拡大ないし膨張
に伴いリーク燃料を吸入させる役割を果たす。このよう
に、燃料通路64がスプリング室5へのリーク燃料の往
来を許容するため、スプリング室5の加圧及び負圧が防
止され、第1及び第2針弁8,14のスムーズな動作を
常時可能とすることができる。
【0048】なお、これに代わって、例えばノズルホル
ダ3に外部から配管を接続し、これから直接スプリング
室5にリーク燃料を給排することも考えられるが、これ
だと、配管取付部材44に接続する配管の他に、別の配
管がもう1本増えてしまって配管が複雑化する。そし
て、燃料噴射ノズル1の占める占有スペースも拡大し、
レイアウト上も不利となる。
【0049】一方、ロッド部50と摺動穴52との摺動
部分は、リーク燃料室42からリーク燃料が流下して潤
滑されており、これによりロッド部50の上端部にリー
ク燃料室42を設けることは必須であり、これを省略し
て下方のスプリング室5から潤滑を行うことはできな
い。
【0050】そこで、かかる構成にあっては、ロッド部
50が上下に離間されたスプリング室5とリーク燃料室
42とを通過することに着目し、このロッド部50に燃
料通路64を設けてその長さを有効に利用し、燃料噴射
ノズル1のコンパクト化を図るようにしている。そして
燃料通路64は、ロッド部50に穴加工を施すだけなの
で加工も容易である。
【0051】なお、従来、特開平8-4625号には、内側の
針弁を電磁ソレノイドや油圧シリンダで独立に駆動する
燃料噴射ノズルが開示されている。しかしこれだと、針
弁の重量が大きくリフトが燃圧によらないので、そのリ
フト時には針弁に継続的に力を付与する必要がある。こ
のため、電磁ソレノイド式では、開弁時に大電流を継続
的に与える必要があり、油圧シリンダ式では開弁・閉弁
時ともに常時油圧が必要となる。
【0052】上記構成においては、第2針弁14のリフ
トが燃圧によって行われるので、リフトのための別の駆
動力が必要がない。また、そのリフトの規制時には駆動
力を必要とするが、その駆動力が、既存の駆動源(オイ
ルポンプ)から発生する潤滑油圧力から得られるため、
やはり別の駆動力が必要がない。また、電流について
も、噴口数の切換えの際に電磁弁58に一瞬流れるのみ
なので、その消費は無視できる程度である。これらによ
り、駆動損失は従来に比べ大巾に少なくでき、エンジン
の損失馬力を減らし、燃費の悪化等を防止することがで
きる。
【0053】次に、実開平4-1664号公報においては、内
側の針弁と外側の針弁とを燃圧の作用により独立に開閉
することができる燃料噴射ノズルが開示されている。し
かし、これにおいては、それら針弁に至る燃料通路を切
り換えることにより、燃料噴射を実行する針弁を選択す
るようにしており、その切換えを機械式切換弁で行うた
め、切換時に瞬間的に燃料の供給が断たれ、燃料噴射が
不連続ないし過渡的な特性となり、噴射圧力が急激に上
昇する段差をもった特性となる欠点がある。
【0054】また、一方の針弁が開のときは他方の針弁
が閉となるので、最大噴口数を大きくとれない欠点もあ
る。また、高圧噴射の際には燃圧が高いこと、切換弁に
は摺動部品があること、燃料通路面積を大きくとる必要
があること等のため、切換弁の周囲で燃料洩れがあり得
ることも予想され、これだと高圧噴射が満足に実行でき
ない。
【0055】上記構成においては、第1針弁8のリフト
を維持しつつ第2針弁14をリフトさせるため、燃料噴
射を段差なく連続的に行うことができる。また、両針弁
8,14を両方リフトさせられるため最大噴口数を大き
くとれる。さらに、高圧の燃料通路を切り換えるもので
はないため、燃料洩れの心配がなく、高圧噴射を確実に
実行することができる。
【0056】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明してきたが、本発明は上記形態に限定されず他の様
々な形態を採ることもできる。例えば、リフト規制手段
を電磁式或いは機械式とすることもでき、作動流体もエ
ンジン用潤滑油以外の別の作動油や液体、空気等の気体
とすることもできる。
【0057】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0058】(1) 一方の針弁の強制的な閉弁制御を
実行でき、噴口数の増加に伴うスモークの悪化等を防止
することができる。
【0059】(2) 噴口数の切換制御を任意且つ最適
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射ノズルの実施の形態を示
す縦断面図である。
【図2】噴口数の切換マップを示す。
【図3】噴射期間と燃費との関係を示すグラフである。
【図4】噴射圧力とスモークとの関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 燃料噴射ノズル 8 第1針弁(針弁) 14 第2針弁(針弁) 20 第1噴口(噴口) 21 第2噴口(噴口) 46 コマンドピストン(リフト規制手段、ピストン) 47 スプリング(リフト規制手段) 48a,56 油圧通路(リフト規制手段) 49 シリンダ室(リフト規制手段) 57,59,60 油圧配管(リフト規制手段) 58 電磁弁(リフト規制手段) 61 オイルギャラリ(リフト規制手段) 62 オイルパン(リフト規制手段) 63 コントローラ(リフト規制手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃圧の作用により独立してリフト可能
    で、それぞれ個別に噴口を開閉する二つの針弁と、一方
    の上記針弁にそのリフトを生じさせる燃圧が作用された
    とき、その針弁に閉方向の押圧力を作用してそのリフト
    を規制するリフト規制手段とを備えたことを特徴とする
    燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 上記リフト規制手段が、作動流体の圧力
    を受けて上記一方の針弁に押圧力を付与するピストンか
    らなる請求項1記載の燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 上記ピストンが、上記針弁のリフト時に
    収縮されるスプリング室から燃料を排出するための燃料
    通路を有する請求項2記載の燃料噴射ノズル。
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