JPH09286932A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JPH09286932A
JPH09286932A JP8121005A JP12100596A JPH09286932A JP H09286932 A JPH09286932 A JP H09286932A JP 8121005 A JP8121005 A JP 8121005A JP 12100596 A JP12100596 A JP 12100596A JP H09286932 A JPH09286932 A JP H09286932A
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JP
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coating
coating composition
alloy powder
powder
resin
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JP8121005A
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Toshihiko Ogami
俊彦 大上
Masahiko Inada
昌彦 稲田
Teruo Asai
照夫 浅井
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に自動車車体用の鋼板に塗装して優れた溶
接性、プレス加工性および耐蝕性が得られるプレコート
用の塗料組成物を提供する。 【解決手段】 (A) 熱硬化性樹脂(A-1) および架橋剤(A
-2) からなるビヒクル樹脂成分35〜94固形分容量%/塗
料固形分、(B) クロム系防錆顔料5〜40容量%/塗料固
形分、(C) 球状ステンレス粉末(C-1) および鉄合金粉末
(C-2) からなる導電材成分1〜40容量%/塗料固形分、
を主成分とする塗料組成物。鉄合金粉末(C-2) が、Si
含有量80重量%以下のSi/Fe合金粉末および/また
はMn含有量85重量%以下のMn/Fe合金粉末である
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレコート鋼板用
の塗料組成物に係り、とくに自動車車体用の鋼板に塗装
して優れた溶接性、プレス加工性および耐蝕性が得られ
るプレコート用の塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体を構成する各種の部材は、
鋼板を目的形状にプレス加工した後、スポット溶接によ
り組立られ、脱脂・リン酸塩処理を施したのち電着塗装
する工程で製造されるが、製造工程の合理化を図るため
加工前の段階で予め鋼板にプレコート塗装を行うことが
試みられている。このプレコート塗装により形成される
塗膜には、十分な耐蝕性のほかに、プレス加工時に塗膜
が鋼板から剥離したりクラックが発生することがない良
好な加工性を有すること、組立てに際して容易に溶接し
得る溶接性を有すること、組立て後に必要な仕上げ塗装
ができること等の性能が要求される。
【0003】ところが、一般に汎用されているプライマ
ー塗料を用いて鋼板にプレコート塗装した塗膜では、導
電性がないため連続溶接時に電極棒の先端が汚染されて
円滑に溶接することができない。このため、導電性のあ
る金属あるいは合金成分を含む各種のプレコート用塗料
組成物が提案されている。例えば、特開昭60−203
677号公報には、塗料固形分とした (A)芳香族環を含
まぬかあるいはその含有率が最大限50重量%までの少
なくとも1種の塗料用樹脂10〜35重量%、(B)有機
潤滑剤4〜30重量%、 (C)リン化鉄主成分の導電顔料
15〜85重量%、 (D)リン化鉄分解抑制剤1〜71重
量%、 (E)その他の無機顔料0〜70重量%を含み、
(C)〜(E) の総量を塗料固形分中35〜86重量%とし
た溶接性、加工性、耐蝕性に優れる金属材プレコート用
塗料組成物が開示されている。
【0004】また特開昭59−166569号公報に
は、 (A)エポキシ系樹脂、フエノキシ系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、アクリル−ポリエステル系樹脂、アクリル
系樹脂、ウレタン系樹脂中のいずれかからなる基体樹脂
50〜95重量%、 (B)尿素系樹脂、メラミン系樹脂、
フェノール系樹脂、イソシアネート、ポリイソシアネー
トのいずれか単独もしくは2種以上からなる架橋剤5〜
50重量%、 (C)Zn粉末、Mn粉末、Zn−Mg合金
粉末の単独もしくは2種以上からなる平均粒径10μ以
下の金属粉末を基体樹脂と架橋剤の総量に対し0.2〜
15重量%、 (D)クロム酸塩、リン酸塩、ポリリン酸
塩、モリブデン酸塩の単独もしくは2種以上からなる防
錆顔料を基体樹脂と架橋剤の総量に対し0.1〜0.4
重量%、の4成分からなるメッキ鋼板用高耐食性下塗塗
料が提案され、特開昭64−60668号公報には、塗
料不揮発分として金属粉または合金粉の1種以上30〜
70重量%と、カーボンファイバー0.1〜10重量%
とを含む溶接性および加工性に優れる被覆鋼板用塗料組
成物が開示され、金属粉または合金粉としてMg、A
l、Si、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Z
n、Zr、Pd、Sn、Sbの1種以上の単体または合
金が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来技術に
よるプレコート鋼板用塗料は、基本的に導電性金属粉末
や防錆顔料をビヒクル樹脂に配合した組成からなってお
り、その成分選択および組成比率によって溶接性、加工
性、耐蝕性等の向上を図っているが、未だ実用上十分な
効果は得られていない。そこで、本発明者らは塗料に配
合する導電性金属粉末の種類、性状等と塗膜形成後の溶
接性、加工性および耐蝕性との相関性について多面的に
研究を重ねたところ、導電性金属としてステンレス粉末
と鉄合金粉末を併用すると溶接性が著しく改善され、前
記ステンレス粉末として球状のものを選択すると加工性
が効果的に向上することを確認し、更にこれら導電材成
分と併せてクロム系防錆顔料をビヒクル樹脂に特定比率
で配合すると極めて実用性の高いプレコート鋼板用の塗
料組成物になることを解明した。
【0006】本発明は上記の知見に基づいて開発された
もので、その目的とする解決課題は特に自動車車体用の
鋼板に塗装して実用上十分な溶接性、プレス加工性およ
び電着塗装と同等の耐蝕性が得られ、かつ自動車用中上
塗塗装が可能なプレコート鋼板用の塗料組成物を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による請求項1の塗料組成物は、下記(A)
〜(C)を主成分とすることを構成上の特徴とする。 (A)熱硬化性樹脂(A-1) および架橋剤(A-2) からなる
ビヒクル樹脂成分35〜94固形分容量%/塗料固形分 (B)クロム系防錆顔料5〜40容量%/塗料固形分 (C)球状ステンレス粉末(C-1) および鉄合金粉末(C-
2) からなる導電材成分1〜40容量%/塗料固形分。
【0008】請求項2の発明は、上記の構成において鉄
合金粉末(C-2) がSi含有量80重量%以下のSi/F
e合金粉末および/またはMn含有量85重量%以下の
Mn/Fe合金粉末である塗料組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を構成する塗料成分のう
ち、ビヒクル樹脂成分(A)を構成する塗膜形成用の熱
硬化性樹脂(A-1) としては、例えばエポキシ樹脂、エポ
キシウレタン樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリルエポキシ
樹脂、アクリルフェノール樹脂、アクリルフェノールエ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、各種変性ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、イソシアネート硬化型アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、酸無水物変
性ポリプロピレン樹脂などが挙げられ、1種または2種
以上を組み合わせて使用に供する。これら樹脂には、必
要に応じて油脂または脂肪酸を30重量%程度まで加え
て柔軟性を付与したアルキド樹脂として用いることもで
きる。さらに、エポキシ樹脂には各種アミン、ポリアミ
ド、酸および酸無水物等の硬化剤を添加してもよい。一
方、架橋剤(A-2) としては、フェノール樹脂、メラミン
樹脂やブロックイソシアネート化合物等が用いられる。
熱硬化性樹脂(A-1) に対する架橋剤(A-2) の配合量は、
重量比率で50:50〜95:5の範囲に設定すること
が好ましい。
【0010】上記の熱硬化性樹脂と架橋剤からなるビヒ
クル樹脂成分(A)の塗料に占める配合量は、塗料固形
分に対し35〜94固形分容量%の範囲とする。前記配
合量が35固形分容量%を下回ると加工性が低下し、9
4固形分容量%を越えると溶接性の減退を招く。より好
ましい配合量の範囲は、40〜85固形分容量%/塗料
固形分である。
【0011】クロム系防錆顔料(B)としては、例えば
クロム酸ストロンチウム、クロム酸カルシウム、クロム
酸バリウム、クロム酸亜鉛、クロム酸アンモニウム、重
クロム酸アンモニウム等を挙げることができるが、とく
にクロム酸ストロンチウムまたはクロム酸カルシウムを
用いることが好ましい。該クロム系防錆顔料の配合量
は、塗料の固形分に対し5〜40容量%に設定する。こ
の配合量が5容量%未満であると耐蝕性が低下し、また
40容量%を越えると溶接性の減退を招き、防錆顔料成
分が沈澱して塗料の貯蔵安定性が低下したり、形成塗膜
の黄色度が強くなって上塗り塗料の色相自由度に制約を
受ける。このほか、クロム系防錆顔料の多量配合は、塗
膜焼付け後の水冷却過程においてクロム溶出量が多くな
って環境汚染の問題を生じ、外観ムラの原因にもなる。
好ましいクロム系防錆顔料の配合量は5〜30容量%で
あり、さらに好ましくは5〜20容量%の範囲である。
【0012】導電材成分(C)には、球状ステンレス粉
末(C-1) および鉄合金粉末(C-2) が併用される。このう
ち、球状ステンレス粉末(C-1) としては、ステンレス鋼
の溶湯をアトマイズ化した平均粒径が4〜10μm の実
質的に球形粒子が好ましく用いられる。この種の球状ス
テンレス粉末は、例えば株式会社パシフィックソーワか
ら銘柄「PF−5〜20」として市販されている。一
方、鉄合金粉末(C-2) としては、フェロシリコン、フェ
ロマンガン、フェロクロム等が使用されるが、とくにJ
IS G2302(1986)のフェロシリコン2号、3号、
6号に該当するSi含有量が80重量%以下のSi/F
e合金またはJIS G2301(1986)のフェロマンガ
ンに該当するMn含有量が85重量%以下のMn/Fe
合金またはこれらの混合物が好適に用いられる。
【0013】上記の球状ステンレス粉末(C-1) および鉄
合金粉末(C-2) は、それぞれ単独で用いた場合には溶接
性に対する十分な改善効果は得られない。本発明の目的
には両粉末を9:1〜1:9の重量比率で併用して導電
材成分(C)とし、該導電性成分(C)を塗料固形分に
対し1〜40容量%の範囲で配合することが要件とな
る。塗料固形分に対する導電材成分(C)の配合量が1
容量%を下回ると溶接性向上効果が不足し、とくに塗膜
が厚くなった場合に溶接性の減退が大きくなる。また、
この配合量が40容量%を越えると、加工性が悪化す
る。好ましい導電材成分(C)の配合量は、3〜20容
量%/塗料固形分の範囲である。
【0014】上記の塗料組成系には、必要に応じて他の
配合材として、成分(C)以外の導電性顔料、有機潤滑
剤、無機顔料などを共用することができる。この種の導
電性顔料としては、例えばフェロホス(FeP) 、金属ニッ
ケル粉、導電性カーボンブラック、亜鉛粉末、アルミ粉
末などが用いられ、使用する場合には塗料固形分当たり
40容量%まで、好ましくは20容量%までの量比で配
合する。40容量%を越える配合は、加工性を低下させ
る原因となるので好ましくない。有機潤滑剤としては、
ポリオレフィン系化合物またはカルボン酸エステルが用
いられ、塗料固形分に対して30容量%まで、好ましく
は10容量%までの量比で配合する。30容量%を越え
る配合は、滑りすぎによる加工性の低下および自動車用
中上塗塗料との密着性減退をきたす。
【0015】無機顔料としては、炭酸バリウム、クレー
/カオリン、微粉ケイ酸、珪藻土、タルク、塩基性炭酸
マグネシウムおよびカルシウムシリコン、シリコンクロ
ム、シリコンマンガン等のシリコン化合物などの体質顔
料、亜鉛華、酸化チタン、亜鉛黄、黄色酸化鉄、チタン
黄、酸化鉄(ベンガラ)、コバルト紫などの着色顔料が
用いられ、塗料固形分に対し、40容量%まで、好まし
くは30容量%までの量比で配合する。40容量%を越
える配合は、加工性を低下させる原因となるので好まし
くない。
【0016】上記の各成分は、塗料製造に常用されてい
るペイントシェーカー、ディゾルバー、ボールミル、サ
ンドグランドミル、ニーダー等の混合装置を用いて混合
し、本発明の塗料組成物を調製する。この際、適宜な有
機溶媒および必要により水により適正な粘度に調整され
る。有機溶媒としては、トルエン、キシレンのような芳
香族炭化水素、n−ヘキサンやヘプタンなどの脂肪族炭
化水素、主として脂肪族炭化水素からなり若干の芳香族
炭化水素を含有する種々の沸点範囲を有する石油留分、
酢酸ブチル、エチレングリコールジアセテート、2−エ
トキシエチルアセテートのようなエステル、アセテート
およびメチルイソブチルケトンなどのケトン類、ブチル
アルコールのようなアルコール類の1種または2種以上
が用いられる。
【0017】本発明の塗料組成物は、例えば自動車車体
用として用いられるニッケル−亜鉛合金めっき鋼板、鉄
−亜鉛めっき鋼板、亜鉛めっき鋼板などを対象として車
体部材にプレス加工する前の未加工鋼板にプレコート塗
装される。塗装は、被塗物となる鋼板を公知の方法で脱
脂および化成処理したのち、適宜な粘度に調整した塗料
組成物をエアスプレー、エアレス塗装、静電塗装など通
常の塗装手段で行うことができる。とくに塗布膜厚の精
度、塗布表面の平滑性等が要求される場合には、グラビ
アコーティング、ロールコーティング、カーテンコーテ
ィング、バーコーティング、オフセットグラビアコーテ
ィングなどの方法を採用して塗布することが好ましい。
【0018】プレコート塗装により形成される塗膜の厚
さは、乾燥時の膜厚として1〜10μm 、好ましくは3
〜8μm である。この膜厚が1μm 未満であると十分な
耐蝕性が付与されず、10μm を越える膜厚とすると塗
膜表面の平滑性を低下させる。また溶接性、加工性を低
下させる傾向を与える。塗装後の塗膜は、乾燥後、14
0〜230℃(最高到達板温度)で20〜60秒間焼付
け処理を行って塗装工程を完了する。
【0019】本発明の塗料組成物によりプレコート塗装
された鋼板は、表面にクロム系防錆顔料、球状ステンレ
ス粉末および鉄合金粉末を含む緻密で密着性に優れる連
続塗膜が被覆されているから、高度の耐蝕性が付与され
るうえ、プレス加工に際して塗膜が剥離や傷付きが発生
することのない良加工性を有し、かつスポット溶接時の
限界連続溶接打点数が2000点を越える高溶接性を付
与するとともに自動車用中上塗塗装が可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。なお、各例における成分配合比率は、
すべて塗料固形分に対する容量%である。
【0021】実施例1〜20、比較例1〜12 表1〜6に示した配合比率で各塗料成分を配合した。な
お、各例で用いた配合成分のうち、市販品の出所は次の
とおりである。 (1)A成分 (A-1)エポキシ樹脂:油化シェルエポキシ(株)製“エ
ピコート1009” ポリエルテル樹脂:日立化成(株)製“エスペル1610L
” (A-2)フェノール樹脂:昭和高分子(株)製“ショウノ
ールBKS-316 ” ブロックポリイソシアネート化合物:日本ポリウレタン
工業(株)製“コロネート2513” (2)C成分 (C-1) PF20:(株)パシフィックソーワ製、平均粒
径10μm の球状ステンレス粉末 PF15:(株)パシフィックソーワ製、平均粒径8μ
m の球状ステンレス粉末 PF10:(株)パシフィックソーワ製、平均粒径6μ
m の球状ステンレス粉末 PF 5:(株)パシフィックソーワ製、平均粒径4μ
m の球状ステンレス粉末 (C-2)フエロシリコン:JIS G2302 2号相当
品 フエロマンガン:JIS G2301 高炭素1号相当
品 フエロクロム:JIS 2303 高炭素1号相当品 (3) その他の配合材 FeP:フッカーケミカル&クラスチック(株)製“フ
ェロホスHRS2132 ” ポリオフィン:ヘキストジャパン(株)製“セリダリス
ト3620”
【0022】配合物をトルエンと共にディゾルバーによ
り塗装適性粘度になるように撹拌混合してプレコート用
塗料組成物を調製した。これら塗料組成物を用い、以下
の塗装工程により塗膜を形成した。予め表面処理〔日本
ペイント(株)製“サーフコートNRC300”、塗布量;10
mg/m2 (全クロム量として)〕を施した板厚0.7mmの
ニッケル含有亜鉛めっき鋼板(Ni含有量;11〜15%、
メッキ量;20g/m2) の表面に、塗料組成物をロールコー
トにより1回塗りし、ガス炉に入れて160℃(最高到
達板温度)で焼付けたのち、水冷した。得られた乾燥塗
膜の厚さは、約5μm であった。
【0023】このようにして形成した各塗膜につき、下
記の試験方法により溶接性、加工性、耐蝕性および塗膜
密着性を評価し、評価結果を表1〜6に併載した。
【0024】(1)溶接性 試験板につき、スポット溶接による連続溶接性試験を行
った。試験方法としてシングルスポット溶接機にオバラ
(株)製電極(T−16)を用い、電極間加圧加重を2
00kgに調整して塗料組成物を塗装した面同志を、加圧
後0.5秒で10000Aの電流値を、0.2秒印加し
て連続スポット溶接を開始し、ナゲット径4mm以上の安
定な圧痕を確保できる最大の連続溶接打点を評価した。
評価は下記の基準により判定した。 評価点5 : 限界連続打点数2000以上溶接可能 〃 4 : 〃 1000以上2000未満溶接可能 〃 3 : 〃 500以上1000未満溶接可能 〃 2 : 〃 100以上500未満溶接可能 〃 1 : 〃 100未満溶接可能
【0025】(2)加工性 円筒深絞り加工試験機を用い、絞り比2.0で直径50
mmの円筒で、塗料組成物を塗装した面を外側にし、カッ
プ成形する。成形部(例えば、曲げ加工の入っているシ
ョルダー部、伸び加工の入っている筒部)を拡大して肉
眼で観察した。評価は下記の基準により判定した。 評価点5 : 傷付き等の異常がない 〃 4 : 傷付が5%未満発生、但し素地までは到達していない 〃 3 : 傷付が5〜10%未満発生、但し素地までは到達していない 〃 2 : 傷付が10%以上発生し、素地まで到達している 〃 1 : 原板に割れが発生
【0026】(3)耐蝕性 複合腐食性試験:未加工の試験板に35℃の5%食塩
水を4時間噴霧して60℃で2時間乾燥し、ついで50
℃に加温した相対湿度98%以上の湿潤雰囲気に2時間
曝す処理を200サイクル反復し、錆の発生状況を観察
した。評価基準は、下記によった。 評価点5 : 錆発生が認められず、異常なし 〃 4 : 白錆発生5%以下、但し赤錆の発生なし 〃 3 : 白錆発生20%以下、但し赤錆の発生なし 〃 2 : 白錆発生50%以下、但し赤錆の発生なし 〃 1 : 赤錆が発生
【0027】耐温水性試験:塗料組成物を塗装し、そ
の上に中塗り塗料〔日本ペイント(株)製“オルガグレ
ー”を乾燥膜厚が30〜40μm になるように塗装し、
140℃で30分間焼付け乾燥し、ついで上塗り塗料
〔日本ペイント(株)製“スーパーラックメタリッ
ク”〕を乾燥膜厚が20〜30μm になるように塗装
し、140℃で30分間焼付け乾燥した。その後50℃
の温水中に240時間浸漬し、取り出して塗膜面に発生
したブリスターを評価した。評価は下記の基準で行っ
た。
【0028】塩水腐食性試験:塗料組成物を塗装した
試験板を、35℃に保持されたキャビネット内に5%濃
度のNaCl水溶液を噴霧する塩水噴霧試験機にセット
し、3000時間処理した後に取り出して錆の発生率を
評価した。評価は下記の基準で行った。
【0029】(4)塗膜密着性 塗料組成物を塗装し、その上に中塗り塗料〔日本ペイン
ト(株)製“オルガグレー”を乾燥膜厚が30〜40μ
m になるように塗装し、140℃で30分間焼付け乾燥
し、ついで上塗り塗料〔日本ペイント(株)製“スーパ
ーラックメタリック”〕を乾燥膜厚が20〜30μm に
なるように塗装し、140℃で30分間焼付け乾燥し
た。形成した複層塗膜につき碁盤目エリクセン押出し試
験を行った。試験は、2mm角の碁盤目を25個作製し、
エリクソン試験機で6mm押出した後、セロファン粘着テ
ープで剥離する条件で行った。評価は剥離の状況によ
り、次の基準で判定した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】実施例22 実施例1のPF20の量10容量%を5容量%に、フェ
ロシリコンの量10容量%を5容量%に変え、さらにア
ルミ粉末(平均粒径15μm )、シリコンマンガン(J
IS 2304、1号相当品)をそれぞれ5容量%加え
た以外は、実施例1と同様に行った。結果は実施例1と
同一であった。
【0037】実施例、比較例を考察して明らかなよう
に、本発明の要件を満たす塗料組成物を用いて鋼板面に
プレコート塗装した塗膜は、溶接性、加工性、耐蝕性な
らびに塗膜密着性がいずれも優れていることが認められ
る。これに対し、本発明にいずれかの要件が外れる各比
較例では、相対的に評価結果が劣っていることが確認さ
れた。
【0038】上記の実施例を含めて本発明の好ましい実
施態様を列挙すると、以下のようになる。 (1)ビヒクル樹脂成分(A)を構成する熱硬化製樹脂(A-
1) がエポキシ樹脂またはポリエステル樹脂であり、架
橋剤(A-2) がフェノール樹脂またはポリイソシアネート
化合物である塗料組成物。 (2)熱硬化性樹脂(A-1) に対する架橋剤(A-2) の配合量
が、重量比率で50:50〜95:5の範囲にある塗料
組成物。 (3)クロム系防錆顔料(B)として、クロム酸ストロン
チウムまたはクロム酸カルシウムを用いる塗料組成物。 (4)導電材成分(C)を構成する球状ステンレス粉末(C-
1) として、平均粒子径4〜10μm のものを用いる塗
料組成物。 (5)球状ステンレス粉末(C-1) と鉄合金粉末(C-2) を、
9:1〜1:9の重量比率で併用する塗料組成物。 (6)必要に応じ、他の配合材として導電性顔料、有機潤
滑剤、無機顔料などを適当量共用する塗料組成物。
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば導電性金
属として球状ステンレス粉末と鉄合金粉末を併用し、更
にこれら導電材成分と併せてクロム系防錆顔料をビヒク
ル樹脂に特定比率で配合することにより、溶接性、加工
性、耐蝕性ならびに塗膜密着性などに優れる極めて実用
性の高いプレコート鋼板用の塗料組成物を提供すること
ができる。したがって、とくに自動車車体用の鋼板を対
象としたプレコート用の塗料組成物として有用性が期待
される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 167/02 PLB C09D 167/02 PLB 175/04 PHP 175/04 PHP 201/00 PDC 201/00 PDC

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(C)を主成分とすること
    を特徴とする塗料組成物。 (A)熱硬化性樹脂(A-1) および架橋剤(A-2) からなる
    ビヒクル樹脂成分35〜94固形分容量%/塗料固形分 (B)クロム系防錆顔料5〜40容量%/塗料固形分 (C)球状ステンレス粉末(C-1) および鉄合金粉末(C-
    2) からなる導電材成分1〜40容量%/塗料固形分。
  2. 【請求項2】 鉄合金粉末(C-2) が、Si含有量80重
    量%以下のSi/Fe合金粉末および/またはMn含有
    量85重量%以下のMn/Fe合金粉末である請求項1
    記載の塗料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053808A (ja) * 2000-08-04 2002-02-19 Nippon Steel Corp 防錆塗料および耐食性に優れる塗装鋼材
US7390564B2 (en) 2002-05-14 2008-06-24 Nippon Steel Corporation Coated metal material capable of being welded which is excellent in corrosion resistance of worked zone

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