JPH09286917A - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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JPH09286917A
JPH09286917A JP12092096A JP12092096A JPH09286917A JP H09286917 A JPH09286917 A JP H09286917A JP 12092096 A JP12092096 A JP 12092096A JP 12092096 A JP12092096 A JP 12092096A JP H09286917 A JPH09286917 A JP H09286917A
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JP
Japan
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group
resin composition
weight
parts
polyphenylene ether
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JP12092096A
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English (en)
Inventor
Akifumi Oshima
章文 大島
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表面平滑性に優れ、かつ耐衝撃性および成形
性が良好なポリフェニレンエーテル/ポリフェニレンス
ルフィド系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂
5〜90重量部、および(B)ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂 95〜10重量部を含み、さらに(A)および
(B)の合計100重量部に対して、(C)(a)マレ
イン酸エステル、マレイミド、マレインアミド酸エステ
ルおよびこれらの誘導体、から選択される化合物の残
基、および(b)オキサゾリン、オキサジン、オキサゾ
ロン、オキサジノンおよびこれらの誘導体から選択され
る化合物の残基を同時に有する化合物 0.01〜30
重量部、および(D)半減期が1分間になるための温度
が、100〜270℃である有機過酸化物 0.01〜
3重量部を含む、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンエ
ーテル(以下、PPEとも略記する)系樹脂とポリエス
テル(以下、PEとも略記する)系樹脂を含む組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】PPS系樹脂は、耐溶剤性、耐熱性、電
気的特性および成形性が優れた樹脂として良く知られて
おり、近年注目を集めている樹脂の1つである。PPS
は、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維強化剤、タルク、ク
レー、マイカ等の無機充填材を配合することにより、本
来の特性以上に耐熱性を向上させることができる。
【0003】しかし、PPS自体は靭性が不足していて
脆く、またガラス繊維等を充填しない状態では、加熱た
わみ温度も105℃程度であり、耐熱性も不足してい
る。
【0004】このためPPSの優れた特性を利用しよう
とする樹脂組成物、あるいはその欠点を改良しようとす
る樹脂組成物が提案されている。
【0005】例えば、特開昭50‐156561号公報にはPP
Eの成形性、難燃性を改良するためにPPSを添加した
ところのPPEとPPSとからなる樹脂組成物が開示さ
れている。上記のように、PPSにPPEを配合する
と、PPSとPPEとは本質的に相溶性が悪いために、
単に混合しただけで得られた樹脂は脆く、外観も優れた
ものとは云えない。
【0006】そこで、特開平3-20355 号公報で、PPS
/PPE/ポリアミド系にクエン酸等のある種の化合物
を添加することにより、各樹脂の分散状態を特定化し、
よってPPS系樹脂組成物の外観、脆さ、耐熱性を改良
できることを開示した。
【0007】一方、特開平3-20356 号公報では、PPS
/PPE系樹脂組成物に、エポキシ基および/またはオ
キサゾリニル基を含有する不飽和単量体および/または
重合体を添加することにより、衝撃に対する脆さを改良
できることを開示する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より優
れた特性を有するPPS/PPE系樹脂組成物の出現が
望まれている。そこで本発明は、表面平滑性に特に優
れ、かつ耐衝撃性および成形性が良好であるPPE/P
PS系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、PPE系樹脂と熱可
塑性ポリフェニレンスルフィド樹脂のそれぞれに選択的
に反応活性な官能基を有する特定の化合物を特定の有機
過酸化物と組み合わせて用いると、相溶化剤として有効
に作用し、両樹脂の相溶性がよくなり、その結果成型品
の機械的強度が改善されることを見いだし、本発明に到
達した。
【0010】すなわち本発明の樹脂組成物は、(A)ポリ
フェニレンエーテル系樹脂5〜90重量部および(B)ポ
リフェニレンスルフィド樹脂95〜10重量部を含み、
さらに(A)および(B)の合計100重量部に対して、(C)
(a)マレイン酸エステル、マレイミド、マレインアミド
酸エステルおよびこれらの誘導体から選択される化合物
の残基および(b)オキサゾリン、オキサジン、オキサゾ
ロン、オキサジノンおよびこれらの誘導体から選択され
る化合物の残基を同時に有する化合物0.01〜30重
量部、および(D)半減期が1分間になるための温度が、
100〜270℃である有機過酸化物0.01〜3重量
部を含む樹脂組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】
(A)PPE系樹脂は公知のものが使用できる。例えば
一般式(化1):
【0012】
【化1】
【0013】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭化
水素基および置換炭化水素基(例えばハロゲン化炭化水
素基)から選ばれる)で示される化合物の1種以上を酸
化重合して得られる単独もしくは共重合体である。
【0014】ポリマーの具体例としては、ポリ(2,6‐ジ
メチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジエ
チル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル
‐6‐エチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2
‐メチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2,6‐ジプロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2‐エチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジメトキシ‐1,4 ‐フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジクロロメチル‐1,4‐フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジブロモメチル‐1,4 ‐
フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジフェニル‐1,4 ‐
フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジトリル‐1,4 ‐フ
ェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジクロロ‐1,4 ‐フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジベンジル‐1,4 ‐フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,5‐ジメチル‐1,4 ‐フェニ
レン)エ―テルなどが挙げられる。特に好ましいPPE
系樹脂は、ポリ(2,6‐ジメチル‐1,4 ‐フェニレン)エ
−テルである。またポリフェニレンエ−テル共重合体と
しては、上記ポリフェニレンエ−テル繰返し単位中にア
ルキル三置換フェノ−ルたとえば2,3,6‐トリメチ
ルフェノ−ルを一部含有する共重合体を挙げることがで
きる。またこれらのポリフェニレンエ−テルに、スチレ
ン系化合物がグラフトした共重合体であってもよい。ス
チレン系化合物グラフト化ポリフェニレンエ−テルとし
ては上記ポリフェニレンエ−テルにスチレン系化合物と
して、例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニルト
ルエン、クロロスチレンなどをグラフト重合して得られ
る共重合体が挙げられる。
【0015】本発明で用いられるPPE系樹脂は、好ま
しくはクロロホルムを溶剤として30℃で測定した固有粘
度が0.15〜0.65dl/g、特に好ましくは0.30〜0.60d
l/gのものである。
【0016】固有粘度が0.15dl/g未満のPPE系樹
脂は得られる組成物がもろく、機械的強度が低くなる傾
向がある。また、0.65dl/gを超えるものは、熱可塑
性ポリフェニレンスルフィドとの粘度差が大きすぎて、
良好な分散を得ることが容易でなくなる傾向がある。
【0017】本発明に使用するPPSとしては下記一般式
(化2)で示される構成単位を70モル%以上含むもの
が優れた特性の組成物をもたらすので好ましい。
【0018】
【化2】
【0019】PPSの重合方法としては、p-ジクロロベン
ゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させる方法、極
性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは硫化ナトリウムと水
酸化ナトリウムまたは硫化水素と水酸化ナトリウムの存
在下で重合させる方法、p-クロルチオフェノールの自己
縮合などがあげられるが、N-メチルピロリドン、ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド系溶媒やスルホランなどの
スルホン系溶媒中で硫化ナトリウムとp-ジクロルベンゼ
ンを反応させる方法が適当である。
【0020】この際に重合度を調節するためにカルボン
酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化
アルカリを添加することは好ましい方法である。共重合
成分として30モル%未満であればメタ結合(化3)、
オルト結合(化4)、エーテル結合(化5)、スルホン
結合(化6)、ビフェニル結合(化7)、置換フェニル
スルフィド結合(化8)、(ここでRはアルキル、ニト
ロ、フェニル、アルコキシ、カルボン酸またはカルボン
酸の金属塩基を示す。)、3官能フェニルスルフィド結
合(化9)などを有していてもポリマーの結晶性に大き
く影響しない範囲なら差し支えないが、好ましくは共重
合成分は10モル%以下がよい。特に3官能以上のフェ
ニル、ビフェニル、ナフチルスルフィド結合などを共重
合に選ぶ場合は3モル%以下、さらに好ましくは1モル
%以下がよい。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】かかるPPSは一般的な製造法、例えば、(1)
ハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応(米
国特許第2513188号明細書、特公昭44-27671号および特
公昭45-3368号参照)、(2)チオフェーノール類のアルカ
リ触媒または銅塩などの共存下における縮合反応(米国
特許第3274165号、英国特許第1160660号参照)、(3)芳
香族化合物を塩化硫黄とのルイス酸触媒共存下における
縮合反応(特公昭46-27255、ベルギー特許第29437号参
照)、などにより合成されるものであり、目的に応じて
選択し得る。
【0029】現在、PPSは、フィリップス ペトロリア
ム社、および東ソー・サスティール株式会社、株式会社
トープレン社および呉羽化学株式会社から市場に供せら
れている。架橋密度及び粘度に応じて各種のグレードが
あり本発明には架橋構造の少ないPPSが好ましい。
【0030】上記した(A)ポリフェニレンエーテル系樹
脂および(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂は、(A)5〜
90重量部に対して(B)95〜10重量部、好ましくは(A)5〜
50重量部に対して(B)50〜95重量部配合される。(A)が多
すぎると成形性および耐溶剤性に劣り、また(B)が多す
ぎるとバリの問題や、価格が高くなるなどの問題があ
る。
【0031】本発明の樹脂組成物において、成分(C)
は、(a) マレイン酸エステル、マレイミド、マレインア
ミド酸エステルおよびこれらの誘導体から選択される化
合物の残基および(b) オキサゾリン、オキサジン、オキ
サゾロン、オキサジノンおよびこれらの誘導体から選択
される化合物の残基を同時に有する化合物である。
【0032】まず(a) 群の残基について述べる。マレイ
ン酸エステルおよびその誘導体の残基は、例えば次式
(化10):
【0033】
【化10】
【0034】(上記式中、Ra およびRb はそれぞれ独
立して、水素原子、炭素原子1〜20個を含むアルキル基
および炭素原子6〜14個を含むアリール基から成る群よ
り選択され、Rc は炭素原子1〜20個を含むアルキル基
および炭素原子6〜14個を含むアリール基から成る群よ
り選択される)
【0035】で示され、マレイミドおよびその誘導体の
残基は、例えば次式(化11):
【0036】
【化11】
【0037】(上記式中、Rd およびRe はそれぞれ独
立して、水素原子、炭素原子1〜20個を含むアルキル基
および炭素原子6〜14個を含むアリール基から成る群よ
り選択される)
【0038】で示され、マレインアミド酸エステルおよ
びその誘導体の残基は、例えば次式(化12):
【0039】
【化12】
【0040】(上記式中、Rf 、Rg およびRi はそれ
ぞれ独立して、水素原子、炭素原子1〜20個を含むアル
キル基および炭素原子6〜14個を含むアリール基から成
る群より選択され、Rh は炭素原子1〜20個を含むアル
キル基および炭素原子6〜14個を含むアリール基から成
る群より選択される)で示される。
【0041】ここで、炭素原子1〜20個を含むアルキル
基は直鎖状でも分枝状でもよい。好ましくはアルキル基
は炭素原子1〜3個を含む。好ましいアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げら
れる。
【0042】炭素原子6〜14個を含むアリール基の好ま
しい具体例としては、例えばフェニル基、ベンジル基、
トリル基、キシリル基、トリチル基等が挙げられる。
【0043】上記式(化10)において、Ra 〜Rb
は、好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基から
選択され、Rc は好ましくはメチル基およびエチル基か
ら選択される。
【0044】上記式(化11)において、Rd 〜Re
は、好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基から
選択される。
【0045】上記式(化12)において、Rf 、Rg お
よびRi は、好ましくは水素原子、メチル基およびエチ
ル基から選択され、Rh は好ましくはメチル基およびエ
チル基から選択される。
【0046】次に、(b) 群の残基について述べる。オキ
サゾリン、オキサジン、オキサゾロン、オキサジノンお
よびその誘導体の任意の位置に、遊離原子価を有するこ
とができる。また、これらの化合物は可能な共鳴構造が
2以上存在するが、いずれの構造を採用してもよい。好
ましいオキサゾリンおよびその誘導体の残基は、例えば
次式(化13):
【0047】
【化13】
【0048】(上記式中、R1 、R2 、R3 およびR4
はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子1〜20個を含
むアルキル基および炭素原子6〜14個を含むアリール基
から成る群より選択される)で示される。
【0049】オキサジンは、O原子、N原子およびC原
子の相対的位置は任意であり、オルトオキサジン、メタ
オキサジンおよびパラオキサジンのいずれであってもよ
い。好ましいオキサジンおよびその誘導体の残基は、例
えば次式(化14) :
【0050】
【化14】
【0051】(上記式中、R5 、R6 、R7 およびR8
はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子1〜20個を含
むアルキル基および炭素原子6〜14個を含むアリール基
から成る群より選択される)
【0052】で示されるメタオキサジンである。好まし
いオキサゾロンおよびその誘導体の残基は、例えば次式
(化15):
【0053】
【化15】
【0054】(上記式中、R9 およびR10はそれぞれ独
立して、水素原子、炭素原子1〜20個を含むアルキル基
および炭素原子6〜14個を含むアリール基から成る群よ
り選択される)
【0055】で示される。好ましいオキサジノンおよび
その誘導体の残基は、例えば次式(化16):
【0056】
【化16】
【0057】(上記式中、R11およびR12はそれぞれ独
立して、水素原子、炭素原子1〜20個を含むアルキル基
および炭素原子6〜14個を含むアリール基から成る群よ
り選択される)で示される。
【0058】ここで、炭素原子1〜20個を含むアルキル
基は直鎖状でも分枝状でもよい。好ましくはアルキル基
は炭素原子1〜3個を含む。好ましいアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げら
れる。
【0059】炭素原子6〜14個を含むアリール基の好ま
しい具体例としては、例えばフェニル基、ベンジル基、
トリル基、キシリル基、トリチル基等が挙げられる。
【0060】上記式(化13)において、R1 〜R4
は、好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基から
選択される。
【0061】上記式(化14)において、R5 〜R8
は、好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基から
選択される。
【0062】上記式(化15)において、R9 〜R10
は、好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基から
選択される。
【0063】上記式(化16)において、R11〜R12
は、好ましくは水素原子、メチル基およびエチル基から
選択される。
【0064】成分(C)は、上記した(a) 群の残基およ
び(b) 群の残基を、それぞれ1個または2個以上、任意
の組合せで含むことができる。
【0065】好ましい成分(C)化合物の例としては、
例えば次式(化17):
【0066】
【化17】
【0067】で示される2-リシノール-2- オキサゾリン
マレート等が挙げられる。このような化合物は、1種単
独でまたは2種以上組合せて用いることができる。好ま
しくは2-リシノール-2- オキサゾリンマレートである。
【0068】上記した成分(C)化合物は、例えば欧州
特許出願第315,856 号(1989年)、欧州特許出願第394,
854 号(1990年)またはH.メラード(Moellerd)らによ
るFat. Sci. Tchnol. 95 (1993) 2, p51-57 に記載され
た方法に従い製造できる。
【0069】成分(C)は、上記した(A)および
(B)の合計100 重量部に対して、0.01重量部以上、好
ましくは0.5 重量部以上、かつ30重量部以下、好ましく
は10重量部以下配合される。(C)が少なすぎると
(A)および(B)の相溶性が改善されず、また多すぎ
ると機械的性質や熱的性質が低下する。
【0070】成分(D)半減期が1分間になるための温
度が100 〜270 ℃である有機過酸化物としては、例えば
ジアリルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキ
シアリルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5- ジ(パーオ
キシベンゾイル)ヘキセン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ
(パーオキシベンゾイル)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-
2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキセン-3、2,5-ジメ
チル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、t-ブ
チルパーオキシイソプロピレンカーボネート、1,1,3,3-
テトラメチルパーヒドロキシブチレン-3、1,1,3,3-テト
ラメチルパーヒドロキシペンテン-4、2,2-ビス(t-ブチ
ルパーオキシ)オクテン-1、2,2-ビス(t-ブチルパーオ
キシ)ヘプテン-1、メチルエチルケトンパーオキシド、
シクロヘキサノンパーオキシド、2,2-ビス(t-ブチルパ
ーオキシ)オクタン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)
ブタン、クメンヒドロパーオキシド、ジt-ブチルパーオ
キシド、ジクミルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオ
キシド、t-ブチルパーオキシラウレート、1,3-ビス(t-
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられ
る。これらを1種または2種以上組合せて用いることが
できる。
【0071】成分(D)は、好ましくは1,3-ビス(t-ブ
チルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t-ブチルクミ
ルパーオキシド、ジクミルパーオキシドおよび2,5-ジメ
チル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3から選
択される。
【0072】成分(D)は、上記した(A)および
(B)の合計100 重量部に対して、0.01重量部以上、好
ましくは0.05重量部以上、かつ3重量部以下、好ましく
は1重量部以下配合される。
【0073】(D)が少なすぎると(A)および(B)
の相溶性が改善されず、また多すぎると機械的性質や熱
的性質が低下する。
【0074】また、本発明の樹脂組成物には、その物性
を損なわない限りにおいて、その目的に応じて樹脂の混
合時、成形時に、慣用の他の添加剤、例えば着色剤(顔
料、染料)、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維など)、充
填剤(カーボンブラック、シリカ、酸化チタンなど)、
耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、結晶
核剤、可塑剤、難燃剤、流動性改良剤、耐衝撃性改良
剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0075】本発明の樹脂組成物を製造するための方法
に特に制限はなく、通常の方法が満足に使用できる。し
かしながら一般に溶融混合法が望ましい。少量の溶剤の
使用も可能であるが、一般に必要ない。装置としては特
に押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等
を例として挙げることができ、これらを回分的または連
続的に運転する。成分の混合順は特に限定されない。
【0076】
【実施の形態】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明する。なお、実施例および比較例においては、以
下の化合物を使用した。
【0077】成分(A) PPE:固有粘度(クロロホルム、30℃)0.46dl/g
のポリ(2,6- ジメチル-1,4- フェニレン)エーテル(日
本ジーイープラスチックス(株)製)
【0078】成分(B) PPS:トープレンT-4(商品名:トープレン(株)
製)
【0079】成分(C) C-1 :2-リシノール-2- オキサゾリンマレート(ヘンケ
ル白水(株)製、VEP8515 ) C-2 (比較例で使用):2-リシノール-2- オキサゾリン
(ヘンケル白水(株)製、VEP8513 )
【0080】成分(D) P-14:1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、半減期が1分間になるための温度183 ℃、
パーカドックス 14(商標:化薬アクゾ(株)製)。
【0081】実施例1〜4および比較例1〜3 表1に示す量(重量部)の各成分を、ブラベンダーを用
いて、設定温度300 ℃にて5分間溶融混練した。このモ
ルホロジーを、走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率2,00
0倍)を用いて観察した。PPE分散粒子径を、細かい
(2μm未満)、中程度(2〜4μm)および粗い(4
μmより上)の3段階で評価した。評価結果を表1に示
す。
【0082】
【表1】
【0083】実施例5および比較例4 表2に示す量(重量部)の各成分を、ベント付き二軸押
出機を用いて、設定温度300 ℃、回転数300rpmで押出
し、ペレットを作った。このペレットを、射出成形機を
用いて、シリンダー温度300 ℃、金型温度140℃で射出
成形し、以下の試験に供した。評価結果を表2に示す
(なお、分散粒子径の範囲は、表1の場合と同じ)。
【0084】
【表2】
【0085】表1における各物性試験の内容は以下の通
りである。(1) アイゾット衝撃強度 ASTM D256にしたがって、1/8 インチノッチな
しアイゾット衝撃強度を測定した。(2) 引張り強度および引張り伸び ASTM D638に従って測定した。ASTM4号ダ
ンベルを用いた。(3) 曲げ強度および曲げ弾性 ASTM D790に従って測定した。1/4 インチ厚み
の試験片を用いた。(4) 熱変形温度(HDT) ASTM D648に従って測定した。1/4 インチ厚み
の試験片を用いた。(5) メルトインデックス(MI) ASTM D1238に従って、250 ℃で、10kg荷重
にて測定した。(6)PPE分散粒子径 走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率2,000倍)を用いて
モルホロジーの観察を行なった。PPE分散粒子径を、
細かい(2μm未満)、中程度(2〜4μm)および粗
い(4μmより上)の3段階で評価した。
【0086】
【発明の効果】本発明により得られるポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物による成形品は、実施例5によって
得られた試験片のモルホロジーの電子顕微鏡による観察
から、図1に示すようにPPEとPPSの相溶性が非常
に良好であることがわかる。比較例4によって得られた
試験片の同様の電子顕微鏡による観察により得られた図
2と比較すれば、従来技術との差異は明らかである。よ
って、本発明の樹脂組成物によれば、機械的強度の優れ
た成型品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で得られた成形品の断面の粒子構造を
表した走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真であ
る。
【図2】比較例4で得られた成形品の断面の粒子構造を
表した走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂
    5〜90重量部、および、(B)ポリフェニレンスルフ
    ィド樹脂 95〜10重量部を含み、さらに成分(A)
    および(B)の合計100重量部に対して、 (C)(a)マレイン酸エステル、マレイミド、マレイン
    アミド酸エステルおよびこれらの誘導体から選択される
    化合物の残基、および(b)オキサゾリン、オキサジン、
    オキサゾロン、オキサジノンおよびこれらの誘導体から
    選択される化合物の残基を同時に有する化合物 0.0
    1〜30重量部、および (D)半減期が1分間になるための温度が、100〜2
    70℃である有機過酸化物 0〜3重量部を含むことを
    特徴とする、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記成分(C)が、2-リシノール-2- オ
    キサゾリンマレートである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記成分(D)が、1,3-ビス(t-ブチル
    パーオキシイソプロピル)ベンゼンである請求項1また
    は2記載の樹脂組成物。
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