JPH09286669A - セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

セラミックス焼結体の製造方法

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JPH09286669A
JPH09286669A JP8126306A JP12630696A JPH09286669A JP H09286669 A JPH09286669 A JP H09286669A JP 8126306 A JP8126306 A JP 8126306A JP 12630696 A JP12630696 A JP 12630696A JP H09286669 A JPH09286669 A JP H09286669A
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calcined
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specific surface
sintering
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Naoki Ito
直紀 伊藤
Tomoyoshi Kuroishi
知義 黒石
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックス粉末と焼結助剤とからなる成形
体を仮焼したのち、機械加工を施し、次いで焼結するセ
ラミックス焼結体の製造方法において、セラミックス粉
末のロット差などにより起こる素材のバラツキに容易に
対応し、適切な仮焼温度が設定できる技術を提供する。 【解決手段】 仮焼温度の設定を、セラミックス粉末の
比表面積と仮焼された成形体の硬度との相関により行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス焼結
体の製造方法に関し、詳しくは、セラミックス粉末と焼
結助剤とからなる成形体の仮焼工程における仮焼温度の
設定に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス焼結体は、加工が困難であ
るため、その機械加工は砥石を使用した研削加工により
行われている。しかし、加工代が多いものや複雑形状の
ものは、研削加工に膨大な時間とコストがかかるという
問題がある。このため、多量のバインダーを添加する方
法や、静水圧プレス成形(CIP)により固めたバルク
を成形加工する方法によって成形体を作製し、焼結する
前の状態で成形体に切削加工を施し、最終製品に近い形
状に仕上げたのちに焼結し、これに研削加工を施すとい
う方法が行なわれている。
【0003】しかし、前者では、添加するバインダー量
が脱脂可能な範囲に限られてしまうことから、付加でき
る成形体強度に限界があるため、切削加工に耐え得る素
材強度が得難く、また、後者でも、同様に素材強度は充
分でないため、いずれによっても、ハンドリング性が悪
いという問題がある。さらに、バインダーを用いずに成
形した成形体、例えば泥漿鋳込み成形などにより成形し
た成形体は、特に脆く壊れ易いため、そのままで切削加
工を施すことはほぼ不可能である。
【0004】そこで、磁気ヘッド、圧電体などの製造の
際にも行なわれているように、成形体をあらかじめ仮焼
して(以下、仮焼後の成形体を「仮焼体」という)、切
削加工が可能な程度の素材強度を付加している。ところ
が、仮焼条件によっては、仮焼体の素材強度が過大とな
って切削工具(以下「チップ」という)の磨耗が激しく
なるなど、却って加工性が低下することがある。このた
め、あらかじめ予備実験により、加工性のよい仮焼体の
得られる最適仮焼条件を決定しておく必要がある。
【0005】さらに、このような予備実験において加工
性の良否の判断は、仮焼体の収縮率により行われている
が、測定ポイント、原料ロット、助剤の偏析などにより
加工性の判断にバラツキが生じることがある。また、か
かる判断は、担当者の主観に委ねられていたため、人に
よってその判断が区々となることがあった。このため、
的確な仮焼条件が設定できず、安定して最終製品が得ら
れないという問題が生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
技術的背景の下でなされたものであり、従来の仮焼技術
におけるロット差などにより起こる素材のバラツキに容
易に対応することができる技術を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミックス
粉末と焼結助剤とからなる成形体を仮焼したのち機械加
工を施し、次いで焼結するセラミックス焼結体の製造方
法において、仮焼温度の設定を、セラミックス粉末の比
表面積と仮焼された成形体の硬度との相関に基づいて行
うことを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法を提
供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の焼結体の製造方法は、セ
ラミックス粉末と焼結助剤からなる混合粉末を成形して
なる成形体に適用される。ここで用いるセラミックス粉
末としては、MgO、Al2 3 、SiO2 、Ti
2 、ZrO2 、ZnO、Fe2 3 、SiO、Si3
4 、SiC、BN、TiC、WCなどの単独または複
合の粉末が挙げられるが、特にSi3 4 (チッ化ケイ
素)粉末が好適である。本発明に用いるチッ化ケイ素
は、イミド熱分解法、金属ケイ素の直接チッ化法、シリ
カの還元チッ化法、気相反応法など、どのような製法に
より製造されたものであってもよい。
【0009】本発明に用いるセラミックス粉末の好まし
い平均粒径は、0.2〜2μm、特に好ましくは0.5
〜1μmである。粉砕に用いる装置は、ボールミル、攪
拌ミル、ジェットミルなどであり、湿式粉砕、乾式粉砕
のいずれでもよい。湿式粉砕を行う際の媒液としては、
水、エチルアルコール、メチルアルコール、その他の有
機溶媒が用いられる。
【0010】本発明では、焼結原料として、セラミック
ス粉末に焼結助剤を添加した混合粉末を用いる。焼結助
剤は、成形体の仮焼または焼結の過程でガラス物質を生
成するものである。焼結助剤としては、Y、Al、M
g、Sc、La、Ce、Be、Zrの酸化物またはチッ
化物が用いられるが、特にY23 、Al23 、Al
23 、MgO、MgAl2 4 が好適である。焼結助
剤は、1種でも、2種以上を組み合わせても使用するこ
とができる。また、焼結助剤の形状は特に限定されず、
粉末状のほかファイバー形状であってもよい。
【0011】粉末状の焼結助剤を用いる場合には、その
平均粒径は、セラミックス粉末と同様、0.5〜3μ
m、特に0.8〜2μmであることが好ましい。また、
このような平均粒径にするための粉砕は、ボールミル、
攪拌ミル、ジェットミルなどであり、湿式粉砕、乾式粉
砕のいずれでもよい。また、ファイバー形状の焼結助剤
を用いる場合には、ファイバー径は1〜10μmが好ま
しく、特に3〜5μmがより好ましい。また、ファイバ
ー長は、200〜1,000μmが好ましく、特に30
0〜600μmがより好ましい。
【0012】セラミックス粉末に添加する焼結助剤の割
合としては、2.5〜10重量%が好ましく、特に2.
5〜8重量%が好ましい。焼結助剤の添加の割合が、
2.5重量%未満であると、発生する液相量が少なく液
相焼結が進行せず、緻密化が達成されない。一方、10
重量%を超えると、仮焼または焼結は進行しやすくなる
が、液相量が多いため高温特性が低下したり、液相より
ボイドが発生しやすくなり、機械的特性が損なわれる。
【0013】チッ化ケイ素と焼結助剤の混合粉末(以
下、単に「混合粉末」ともいう)は、所望の形状に成形
されたのち、仮焼される。
【0014】成形方法としては、泥漿鋳込成形法、プレ
ス成形法、CIP法が挙げられるが、成形体のハンドリ
ング性の観点から、泥漿鋳込成形法が特に好ましい。
【0015】泥漿鋳込成形法の場合は、上記混合粉末に
分散媒としての水を添加して、スラリーとし、これを鋳
込成形する。スラリーには、分散剤、消泡剤などを含有
させることができる。分散剤の添加量は、スラリー中の
粉体を分散させ、スラリーを安定化させるために、0.
1〜3重量%が好ましく、特に0.4〜1重量%がより
好ましい。
【0016】スラリー中の固形分は、63〜76重量%
が好ましく、特に68〜72重量%がより好ましい。固
形分が63重量%未満であると、泥漿鋳込成形法などで
は型への着肉性が著しく低下して成形が困難であり、一
方、76重量%を超えると、成形は可能であるが成形体
の特性が所定の値に達しない恐れがある。
【0017】以上のようにして得られた成形体に対し、
あらかじめ仮焼を行い、成形体に所望の加工性を付与し
たのち、機械加工としての切削加工を施す。仮焼体の切
削加工は、通常の方法によることができ、例えば旋盤加
工、フライス加工、レース加工、ドリル加工などが挙げ
られる。
【0018】切削工程で用いる切削工具としては、例え
ば、超硬質合金チップ、超硬質合金チップにCVD法で
チッ化チタンなどがコーティングされているもの、ま
た、セラミックスチップ、CBNチップ、ダイヤモンド
チップなども用いることができる。超硬質合金チップ
は、比較的安価なわりには強度に優れるものである。ま
た、超硬質合金チップにチッ化チタンなどをコーティン
グしたものは、コーティング層の存在により、より良好
な切削性が得られるが、コーティング層が磨滅すると磨
耗が急激に進行し、仮焼体を破損してしまうことがあ
る。セラミックスチップ、CBNチップ、およびダイヤ
モンドチップなどは、磨耗しにくく耐磨耗性の観点では
非常に優れるが、高価である上、チップのバイトとCB
N、ダイヤモンド焼結体との接続部が剥離し易く、その
場合にはやはりチップの磨耗は免れない。これらの特徴
を考慮して使用するチップを適宜選択すればよいが、コ
スト上の理由から、超硬質合金チップを使用することが
好ましい。
【0019】所望の加工性とは、ハンドリング性が良好
で歩留りがよいこと、およびチップ磨耗量が極力小さ
く、加工面もきれいで、効率的な機械加工が行うことが
できることである。仮焼体が所望の加工性を有するか否
かの判断は、そのビッカース硬度(Hv)により行うこ
とができる。すなわち、所望の加工性が得られる仮焼体
のビッカース硬度は、切削に使用するチップの素材など
によっても異なるが、超硬質合金チップを用いる場合に
は、100〜300Hvであることが好ましく、特に1
70〜220Hvであることがより好ましい。かかる場
合に仮焼体のビッカース硬度が100Hv未満である
と、切削加工は容易であっても、崩壊し易くハンドリン
グ性に劣り、一方、300Hvを超えると、チップの磨
耗が激しく、加工面に荒れやチッピングを生じる恐れが
ある。
【0020】ビッカース硬度(Hv)は、固体表面での
塑性変形に対する抵抗を数値化したものである。すなわ
ち、この値は、図1に示したように、ダイヤモンドなど
からなる硬い圧子を一定荷重P(0.3kgf)で固体
表面に打ち込み、そこに生じた圧痕の大きさdから、下
記式(I)により算出される。 Hv=1.854×(P/d2 )・・・(I)
【0021】加工性に直接的な影響を及ぼす仮焼体のビ
ッカース硬度は、仮焼条件、とりわけ仮焼温度によっ
て、また用いるセラミックス粉末の比表面積によって相
違してくる。ここにおいて、本発明は、セラミックス粉
末の比表面積と仮焼体のビッカース硬度との間には一定
の関係があることを本発明者らが見い出したことに基づ
くものであり、最適なビッカース硬度の仮焼体が得られ
る仮焼温度(以下「最適仮焼温度」という)をセラミッ
クス粉末の比表面積から決定しようとするものである。
【0022】セラミックス粉末の比表面積と仮焼体のビ
ッカース硬度との間の相関関係の一方は、セラミックス
粉末の比表面積が大きくなるにつれ、仮焼体のビッカー
ス硬度が高くなる関係にあることである。このような相
関関係は、セラミックス粉末の比表面積が大きくなるほ
ど、すなわち粒径が小さくなるほど、粒の表面の表面エ
ネルギーが高くなることに起因するものと考えられる。
【0023】セラミックス粉末の比表面積と仮焼体のビ
ッカース硬度との間の相関関係の他方は、仮焼温度が高
くなるほど、比表面積の大きさがビッカース硬度に影響
する度合いが大きくなることである。すなわち、セラミ
ックス粉末の比表面積が大きくなるにつれ、仮焼体のビ
ッカース硬度が高くなる傾向は、仮焼温度が大きくなる
ほど顕著となる。このことは、セラミックス粉末の粒径
が小さくなることによる焼結駆動力の増加に起因するも
のと考えられる。
【0024】従って、仮焼温度は、一般的に仮焼温度と
して好ましいとされている温度である1,200〜1,
500℃の範囲において適宜選択すればよい。ここで、
セラミックス粉末としてチッ化ケイ素を用いた場合の仮
焼温度は、チッ化ケイ素の粒子どうしがネッキングを形
成し始め、温度が上昇するにつれ、粒子どうしのネッキ
ングが顕著となる温度域で仮焼を行うのが好ましい。そ
して、仮焼温度が最適仮焼温度未満であると、素材の強
度が低く、加工時のハンドリング性が悪くなる。一方、
最適仮焼温度を超えると、素材強度が高くなってしま
い、チップの磨耗が著しく大きくなる。
【0025】焼結時間は、セラミックス粉末の種類、焼
結助剤の含有量などにより異なるが、一般的には、5〜
60分が好ましく、特に50〜60分がより好ましい。
仮焼時間が5分未満であると、焼結炉の輻射熱が充分に
素材に伝わらないため焼結が不均一になってしまい、一
方、60分を超えると、焼結が進行してビッカース硬度
が大きくなり過ぎる恐れがある。ここで、焼結時間は、
仮焼温度到達後の時間である。
【0026】また、昇温速度は、3〜15℃/分が好ま
しく、特に3〜10℃/分がより好ましい。昇温速度が
3℃/分未満であると、昇温に時間がかかってしまい効
率が悪く、一方、15℃/分を超えると、焼結炉のヒー
タに負担を与える場合がある。
【0027】本発明において、仮焼の際の雰囲気は、チ
ッ素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスが好ましい。
また、このときの雰囲気圧力は、1.0〜10kg/c
2 が好ましく、特に4〜5kg/cm2 がより好まし
い。雰囲気圧力が1.0kg/cm2 未満であると、試
料表面が分解してしまう恐れがあり、一方、10kg/
cm2 を超えると、高圧ガス法規上複雑である上、入炉
量が限定されてしまうため、不経済となる。
【0028】仮焼により得られる仮焼体は、前記所望の
加工性を獲得するため、すなわち好ましいビッカース硬
度とするために、比較的、多孔質体であることが好まし
い。具体的には、仮焼体の気孔率は、35〜42%であ
ることが好ましく、36〜38%であることがより好ま
しい。また、嵩密度は、60〜66%であることが好ま
しく、特に62〜65%であることがより好ましい。
【0029】なお、本発明者らの試験により、仮焼の方
法によっては仮焼体の表層付近と仮焼体内部とでは、ビ
ッカース硬度に差異が生ずる場合があることが分かって
いる。このような場合は、表層付近におけるビッカース
硬度を、本発明に適用することが好ましい。
【0030】以上のように、比表面積が明らかなセラミ
ックス粉末を用いて、あらかじめセラミックス粉末の比
表面積と仮焼体のビッカース硬度との関係を調べておく
ことで、他の比表面積を有するセラミックス粉末を用い
た成形体に対しても、最適仮焼温度の推定が可能とな
る。
【0031】このようにして得られた仮焼体に対し、前
記方法により切削加工を施し、最終製品に近い形状に仕
上げたのち、本焼結して焼結体となす。
【0032】焼結の方法としては、常圧焼結法、雰囲気
圧焼結法、ホットプレス法、熱水間静水圧プレス法(H
IP法)などが挙げられるが、特にHIP法が好まし
い。また、HIP法の場合には、例えばカプセル法によ
るHIP法などが採用される。
【0033】本焼結の焼結温度(以下、単に「焼結温
度」という)は、仮焼温度よりも高い温度であって、
1,700〜1,950℃が好ましく、特に1,750
〜1,900℃がより好ましい。焼結温度が1,700
℃未満であると、焼結の進行が緩やか過ぎ、ある程度緻
密化させるためには長時間を要することとなり、一方、
1,800℃を超えるとセラミックス粉末の熱分解が始
まるが、特に1,950℃を超えるとその分解が著しく
なり、セラミックス粉末の緻密化が妨げられるばかりで
なく、異常粒成長が発生しやすくなり、その結果、焼結
体の強度が低下する恐れがある。焼結時間は、1〜8時
間が好ましく、特に1〜4時間がより好ましい。
【0034】また、昇温速度は、好ましくは3〜20℃
/分、特に好ましくは5〜15℃/分である。昇温速度
が3℃/分未満であると、昇温するのに時間がかかり過
ぎ、効率的でなく、特にバッチ式の炉を連続的に使用す
る場合、取り出し時刻が遅くなったり、ルツボなどが熱
くなって作業が著しく妨げられる。一方、昇温速度が2
0℃/分を超えると、ヒーターや電極に、過度の負荷が
かかり、炉の寿命を短くする恐れがある。
【0035】焼結時の雰囲気圧力は、2〜2,000k
g/cm2 が好ましく、特に9〜1,000kg/cm
2 がより好ましい。雰囲気圧力が2kg/cm2 未満で
あると、セラミックス粉末の分解を防止することが困難
となり、一方、2,000kg/cm2 を超えると、焼
結に用いる設備が大がかりとなり、コスト上好ましくな
い。
【0036】このときの加圧速度は、0.21〜0.4
2kg・cm-2・s-1が好ましい。加圧速度が0.21
kg・cm-2・s-1未満であると、設定圧力に達するま
でに時間がかかるため、チッ化ケイ素の熱分解を招きや
すく、一方、0.42kg・cm-2・s-1を超えると、
コンプレッサーなどに負担がかかる場合がある。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、実施例中、特に示さない限り、%または部は重量基
準である。 実施例1 比表面積が10.2m2 /g(ロットA)、10.7m
2 /g(ロットB)、11.2m2 /g(ロットC)の
各チッ化ケイ素粉末〔宇部興産(株)製、イミド法粉末
SN−E10〕96.5%、焼結助剤としてY23
〔日本イットリウム社製、99.9%含有〕2.5%、
分散剤〔サンノプコ社製、SNEX7347c〕0.0
9部および水42部を、10リットルのモノポットに大
小のSi34 ボールとともに入れ、各々64時間ボー
ルミル粉砕および混合を行った。次いで、Al23
ァイバー〔ICI製、サフィルファイバー〕1%を添加
し、さらに2時間混合を行い、3,000gのスラリー
を作製した。
【0038】得られた各スラリーを、ポリテトラフルオ
ロエチレン(テフロン)製のφ50の筒型の成形型に流
し込み、φ50×50mmの成形体を作製した。この成
形体をモリブデンケースにセットし、チッ化ホウ素粉中
に埋めた状態で、チッ素ガス雰囲気中、初期圧を2kg
/cm2 とする加圧下、表1〜2に示す仮焼温度で1時
間仮焼を行った。仮焼パターンおよび仮焼中のガス圧の
変化を図2に示す。得られた各テストピース(TP)に
ついて、ビッカース硬度、嵩密度、収縮率を下記の方法
で測定した。ロットB〜Cに関する結果を表1〜2に示
す。また、仮焼温度と各測定値の関係を図3〜5に示
す。
【0039】ビッカース硬度 マイクロビッカーズ試験機〔明石製作所製〕を用いて、
試験荷重300gで10回測定し、平均を算出した。嵩密度 アルキメデス法により求めた。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】図3によると、比表面積が大きくなるにつ
れ、ビッカース硬度が高くなる傾向があり、また、かか
る傾向は、仮焼温度が高くなるに従い顕著になることが
確認できた。
【0043】図4〜5によると、比表面積が大きくなる
と、収縮率、嵩密度に違いを生じることが分かる。この
違いが、ロット変化時のバラツキの原因であることが確
認できた。
【0044】また、ロットA〜Cから作製された各TP
について、比表面積とビッカース硬度との関係を、仮焼
温度ごとに仮焼温度ラインとして図6に表した。図6に
は、比表面積とビッカース硬度との間に一定の相関関係
が見られた。この相関関係を利用することにより、最適
な仮焼温度の設定が可能となる。例えば、ロットB(比
表面積10.7m2 /g)のチッ化ケイ素を用いる場
合、図6において、比表面積10.7m2 /gのライン
と、好ましいビッカース硬度とされている170Hvの
ラインの交点Iの位置から、ビッカース硬度が170H
vの仮焼体を得るためには1,450℃と1,500℃
の間の温度域で仮焼すればよいことが推定される。
【0045】次いで、各TPについて、図7に示した仕
上げ加工様の切削加工試験を行い、最大切削長を調べ
た。また、切削後のTPを、1,900℃で、チッ素雰
囲気下、90分間焼結し、歩留りを算出した。
【0046】なお、切削長、チップ摩擦量は、下記の方
法で求めた。切削条件 下記丸コマチップを用いて、チップの一面が磨耗するた
びに、チップを少しづつずらしながら切削加工した。 使用チップ;超硬質チップ〔住友イケダロイG10E、
形状RPGW0803MO(丸コマチップ)〕 周速;周速30m/分 送り;0.12mm/回転 切り込み量;約1mm切削長 下記式(II)で算出される。 〔図3に示すように、Lは切削長、w1 は加工幅、w2
は送り幅、DはTP断面直径、πは円周率を示す。〕チップ磨耗量 実体顕微鏡による切削加工前のチップの顕微鏡写真と、
切削加工後の実物の比から磨耗量を測定した。
【0047】その結果、図6から好ましいビッカース硬
度とされる170〜220Hvに対応する仮焼温度で仮
焼したものは、いずれも最大切削長が300m以上であ
り、かつ歩留りが70%以上であり、加工性に優れるも
のであった。これらのことから、セラミックス粉末の比
表面積と、ビッカース硬度との相関関係から、仮焼体に
おいて所望の加工性の得られる適切な仮焼温度が確実に
判断できることが分かる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、セラミックス粉末の比
表面積と得られる仮焼体のビッカース硬度との相関関係
を、他の比表面積を有するセラミックス粉末にも適応で
きるため、ロットが変わるたびに予備試験を行なわなく
とも最適な仮焼温度の設定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビッカース硬度の測定法を示す模式図であり、
(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図2】実施例1の仮焼温度パターンおよびガス圧の変
化を表したチャートである。
【図3】実施例1の仮焼体について、仮焼温度とビッカ
ース硬度との関係を表したグラフである。
【図4】実施例1の仮焼体について、仮焼温度と収縮率
との関係を表したグラフである。
【図5】実施例1の仮焼体について、仮焼温度と嵩密度
との関係を表したグラフである。
【図6】実施例1の仮焼体について、比表面積とビッカ
ース硬度との関係を表したグラフである。
【図7】実施例の切削加工の概略を示す模式図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉末と焼結助剤とからなる
    成形体を仮焼したのち機械加工を施し、次いで焼結する
    セラミックス焼結体の製造方法において、仮焼温度の設
    定を、セラミックス粉末の比表面積と仮焼された成形体
    の硬度との相関に基づいて行うことを特徴とするセラミ
    ックス焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス粉末が、チッ化ケイ素粉末
    である請求項1記載のセラミックス焼結体の製造方法。
JP8126306A 1996-04-24 1996-04-24 セラミックス焼結体の製造方法 Withdrawn JPH09286669A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017511959A (ja) * 2014-02-13 2017-04-27 フラム・グループ・アイピー・エルエルシー 点火プラグ用絶縁体のための合成物、および、点火プラグ用絶縁体を製造する方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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