JPH09286132A - 静電記録ヘッド - Google Patents

静電記録ヘッド

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JPH09286132A
JPH09286132A JP10215296A JP10215296A JPH09286132A JP H09286132 A JPH09286132 A JP H09286132A JP 10215296 A JP10215296 A JP 10215296A JP 10215296 A JP10215296 A JP 10215296A JP H09286132 A JPH09286132 A JP H09286132A
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electrode
discharge
electrostatic recording
recording head
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Akihito Ikegawa
彰仁 池側
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光照射に対応して安定した静電記録を行な
う。 【解決手段】 本発明の静電記録ヘッド5は、互いに対
向する第1の電極12と第2の電極13との間に、光の
照射によりキャリアを発生する光電変換材14を設ける
と共に、前記第1の電極12と第2の電極13のいずれ
にも導通しない導電体からなる放電電極16を前記光電
変換材14に当接して設け、該放電電極16の一端部と
対向する被記録部2に放電させることにより、光信号に
対応して被記録部2に記録するようにしたものからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置等に
用いられる静電記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電荷保持媒体に画像形成等を行な
う静電記録ヘッドとして、例えば、特開平1−2933
58号公報には、図9に示すような感光体101が提案
されている。この感光体101は、図の表裏方向に細長
い光導電層支持体103上に、感光体電極104、及び
光導電層105が順に積層されたものである。一方、電
荷保持媒体102は、回転自在な円筒状であり、絶縁層
支持体106、電荷保持媒体電極107、及び絶縁層1
08が順に積層されたものである。この感光体101と
電荷保持媒体102とは、光導電層105と絶縁層10
8とが空隙を介して対向するように配置されている。
【0003】そして、感光体電極104と電荷保持媒体
電極107の間に電圧を印加し、暗所にて感光体101
に光を入射して電荷保持体102の軸方向(主走査方
向)に走査すると、光導電層105の光が入射した部分
が導電性を示し、その部分と電荷保持媒体102の絶縁
層108との間に放電が生じて、図中矢符bの方向に回
転走行させた電荷保持媒体102の絶縁層108に電荷
が蓄積され静電潜像が形成される。形成された静電潜像
は、現像器109によって現像されてトナー像となり、
該トナー像は、転写チャージャ110によってペーパー
又はフィルムに転写される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た図9に示す装置で画像形成を行なうと、ドット状の画
像が形成されたり、画像の後端部分が伸びたりして安定
した画像を得ることが難しかった。これは、感光体10
1から電荷保持媒体102に速やかに安定した放電が行
われておらず、途切れ途切れで放電が行われたり、露光
終了後も引き続き放電が行われることにより発生すると
考えられる。本発明は、このように放電が途切れたり、
露光後も引き続き放電が行われることを解消し、速やか
で安定した放電が行われる静電記録ヘッドを提供するこ
とを課題とする。
【0005】そこで、本願発明者らが画像の途切れや、
後端伸びの現象を検討した結果、感光層にかかる電界強
度が小さいと、感光層の露光された領域で発生したキャ
リアの動きが遅くなり、全てが速やかに放電されなくな
ったり、又は、発生したキャリアが消滅してしまうとい
ったことが起こることを究明した。また、前記図9に示
す装置では、光導電層105に電界を形成する電極の一
方である電荷保持媒体電極107が光導電層105と別
体に構成されており、動作中に感光体電極104と電荷
保持媒体電極107との距離が安定せず、光導電層10
5にかかる電界強度が不安定になり、前述したような画
像の途切れや後端伸びが発生することが判明した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記知見に基
づいてなされたもので、前記装置の光導電層105のよ
うな光電変換材にかかる電界強度が安定し、その内部で
発生したキャリアが速やかに放電に供されるようにした
ものである。すなわち、本発明の静電記録ヘッドは、互
いに対向する第1の電極と第2の電極との間に、光の照
射によりキャリアを発生する光電変換材を設けると共
に、前記第1の電極と第2の電極のいずれにも導通しな
い導電体からなる放電電極を前記光電変換材に当接して
設け、該放電電極の一端部と対向する被記録部に放電さ
せることにより、光信号に対応して被記録部に記録する
ようにしたものである。
【0007】このように構成した静電記録ヘッドでは、
第1の電極と第2の電極との間に所定の電圧を印加する
と、光電変換材にかかる電界が所望の状態に安定して形
成されることになり、光の照射によるキャリアの生成並
びに生成されたキャリアの移動が安定して速やかに行わ
れる。さらに、光電変換材に当接させて放電電極を設け
たことにより、キャリアが自由に移動できる導電体であ
る放電電極に光電変換材で生成されたキャリアが移動し
て速やかに集中するので、放電電極の電位が上昇して、
その端部から前記被記録部に放電が行われ、光信号に対
応した静電記録が行なわれる。よって、放電が発生せず
に連続すべき放電が途切れ途切れになったり、光の照射
を停止したにもかかわらず引き続き放電が続くといった
ことがなくなる。したがって、光電変換材で生成された
キャリアの全てが速やかに放電に費やされ、光の照射に
確実に対応して静電潜像の記録を行なうことができる。
【0008】本発明の静電記録ヘッドでは、前記第1の
電極を前記光源から照射される光を透過させる透明材で
形成するのが好ましい。このように形成することによ
り、第1の電極を透過して光電変換材に光を照射するこ
とができるので、光の照射位置を自由に設計することが
でき、放電を確実にすることができる。
【0009】また、前述した各構成の放電電極の一端部
に放電を加速させるための加速電極を設けた構成として
も良い。このように構成することにより、放電電極の一
端部に生成されたキャリアが集中しやすくなり、放電電
極の一端部と加速電極との間で放電が発生して、その一
部が被記録部に放電して静電記録を行なう。放電電極端
部と加速電極との間の距離は一定であり、さらに安定し
た放電を繰り返し静電記録を行なうことが可能となる。
【0010】加えて、前記被記録部は、導電層基板と該
導電層基板上に形成した誘電層とを有する像担持体から
なり、該像担持体の誘電層を前記放電電極の一端部と対
向させ、光信号に対応して前記像担持体に静電潜像を記
録するようにしても良い。このように構成することによ
り、光電変換材で生成されたキャリアの全てが速やかに
像担持体の導電層基板との間で放電し、安定して像担持
体の誘電層上に光の照射に対応した静電潜像の形成を行
なうことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形
態である静電記録ヘッド5を適用した画像形成装置1の
概念図を示し、図2は、要部である静電記録ヘッド5と
被記録部となる像担持ベルト2の部分的拡大構成図を示
す。
【0012】画像形成装置1の中央部には、像担持体で
ある像担持ベルト2が配置されている。この像担持ベル
ト2は、図示していない駆動装置により回転する駆動ロ
ーラ3及びこの駆動ローラ3に平行に設けられた加熱ロ
ーラ4により矢印a方向に走行回転される。
【0013】像担持ベルト2は、図2に示すように導電
層であるベース21の表面に誘電層23を形成したもの
である。具体的には、幅25cm、周長30cmの導電
性のフィルムからなるベース21の上に約10μmのポ
リエチレンテレフタレートからなる誘電層23を設けた
構成である。また、ベース21は、導電線によって接地
されている。尚、像担持体の構成は、このようなベルト
に限られるものでなくドラム形状のものであっても良
い。
【0014】前述した像担持ベルト2の左上方には、像
担持ベルト2に形成する画像情報を光学的に出力する光
学系8が設けられている。加えて、像担持ベルト2の周
囲には、静電記録ヘッド5、現像装置6、転写ローラ7
が図中矢印a方向に順次配置されている。
【0015】光学系8は、ハウジング中に光源である半
導体レーザ発生装置、コリメートレンズ、ポリゴンミラ
ー、Fθレンズ、反射ミラー等を配置したもので、さら
に、ハウジングの壁面部に露光スリットが形成されてい
る。この光学系8は、半導体レーザ発生装置にて発生さ
れたレーザ光81が露光スリットから静電記録ヘッド5
に照射され、画像露光できるように構成されている。
【0016】ここで、レーザ光81が走査露光する方向
は、像担持ベルト2の幅方向(図1において表裏方向)
であり、この方向を主走査方向と呼ぶ。又、主走査方向
と直交する像担持ベルト2の走行方向(図1において上
下方向)を副走査方向と呼ぶ。
【0017】静電記録ヘッド5は、図2に示すように、
本発明の第1の電極である透光性導電層12と、第2の
電極である対向導電層13との間に、透光性導電層12
に当接する光電変換材である感光層14と、対向導電層
13に当接する誘電体層15と、さらに、感光層14と
誘電体層15との間に電気的に浮遊する放電電極16と
が挾まれた構成である。
【0018】透光性導電層12は導電材であるITO膜
と、注入防止層であるポリアミド樹脂膜とからなる。ま
た、透光性導電層12のITO膜には第1電源17が接
続されている。対向導電層13は、導電性金属材料であ
るアルミニウムからなり、前記透光性導電層12に対向
して配置されている。
【0019】感光層14は、半導体レーザ光(波長78
0nm)やLED光(波長680nm)等の長波長光に
対して良好な感度を有する機能分離型であって、キャリ
ア対発生機能を有する電荷発生層(CGL)と、フリー
キャリアの輸送機能を有する電荷輸送層(CTL)とか
らなる。この感光層14は、その電荷発生層が前記透光
性導電層12の注入防止層と当接して設けられている。
【0020】誘電体層15は、誘電体であるポリカーボ
ネイトからなり、前記対向導電層13と当接して配置さ
れ、その一端は像担持ベルトに向かって延設されてい
る。放電電極16は、図3から明らかなように、誘電体
層15上に主走査方向に所定間隔隔てて複数本平行に配
設され、且つ、前記感光層14の電荷輸送層と当接して
設けられており、その1つ1つが印字の際の各画素に対
応している。又、各放電電極16は感光層14との当接
面を除いて、誘電体層15でその周囲を囲まれており、
隣接する放電電極16との間で、電荷が移動することは
ない。
【0021】前記静電記録ヘッド5と像担持ベルト2と
は、エアギャップを介して静電記録ヘッド5の放電電極
16の端部161と像担持ベルト2の誘電層23とが対
向するように配置されている。尚、放電電極16の端部
161と像担持ベルト2とを一定の間隔に保つために、
放電電極16の端部161と像担持ベルト2との間にス
ペーサを設けるようにしても良い。スペーサは、フッ素
樹脂等の像担持ベルト2との摩擦係数が小さく、傷を付
けにくい材料の部材が好ましい。
【0022】前記現像装置6は、一成分の現像剤(以下
トナーと呼ぶ)を収容するトナー収容部61と前記像担
持ベルト2に近接して配置された現像スリーブ62と、
前記トナー収容部61に収容されたトナーを撹拌して前
記現像スリーブ62に供給する供給ローラ63とからな
っている。この現像装置6で使用するトナーは、負帯電
型で、ビスフェノールA型ポリエステル樹脂とカーボン
ブラックとを主成分とする混合物を公知の方法によって
混練、粉砕、分級された平均粒径が10μmのものであ
る。前記現像スリーブ62には地肌カブリなどを防止す
るために適度の現像バイアス電圧が印加されている。
【0023】前記転写ローラ7は、前記加熱ローラ4に
像担持ベルト2を介して対向し、且つ、像担持ベルト2
に圧接して配置されている。この転写ローラ7と像担持
ベルト2の間には記録紙Sが通紙されるようになってい
る。
【0024】以上説明したように構成された画像形成装
置1において、まず潜像形成の過程について説明する。
静電記録ヘッド5の透光性導電層12には、第1電源1
7によって1.2kVの電圧(VC)が印加されてい
る。したがって、透光性導電層12と接地されている対
向導電層13との間には、1.2kVの電位差による電
界が形成されている。このときの静電記録ヘッド5の電
位分布を示すと図4のようになる。
【0025】対向導電層13を設けていないものについ
て、図4に示すものと同条件で透光性導電層12に電圧
を印加した場合の電位分布を図5に示す。図4と図5の
電位分布を比較すると明らかなように、対向導電層13
を設けた場合の感光層14内の等電位線は、対向導電層
13を設けていない場合より、密になっている。これ
は、対向導電層13を設けることによって、感光層14
にかかる電界を強くすることができることを意味する。
【0026】具体的に述べると、感光層14の厚さが2
0μmの場合、透光性導電層12に1.2kvの電圧を
印加したとき、対向導電層13を設けた装置(図4に示
す)では、放電電極16が約650vになっており、感
光層14にかかる電界は、(1200−650)/20
から、約28v/μmとなる。一方、対向導電層13を
設けていない装置(図5に示す)では、放電電極16が
約780vになっており、感光層14にかかる電界は、
(1200−780)/20から、約21v/μmとな
る。この結果、対向導電層13を設けることによって、
以下に説明するように電荷の発生や移動が俊敏に行わ
れ、レーザ光の照射に対応して忠実に放電が行われるこ
とになる。
【0027】次に、図4に示す電位分布を有する電界が
形成された状態で、静電記録ヘッド5に光学系8にて発
光されたレーザ光81を照射すると、レーザ光81は、
透光性導電層12を透過して感光層14に到達する。感
光層14のうち電荷発生層は、電界の存在下で光を吸収
するとキャリア対を生成する。生成されたキャリア対の
内、フリー化したキャリアはそれぞれ逆極性の対向する
電極方向へ移動する。このときフリー化した正のキャリ
アは電荷輸送層内を通って放電電極16に移動する。こ
れにより、放電電極16と像担持ベルト2の表面の空隙
間の電界が上昇する。この電界がパッション則で決まる
しきい値を越えたとき放電が発生して、静電記録ヘッド
5の露光位置に対応した像担持ベルト2の誘電層25表
面が帯電して静電潜像が形成される。
【0028】ここで、像担持ベルト2の導電体のベース
21と、対向導電層13は共に接地されているが、放電
電極16と像担持ベルト2との間に放電が発生して、放
電電極16と対向導電層13の間に放電が発生しないの
は、放電電極16と導電体のベース21との間には空隙
の部分が存在し、この空隙の部分で放電が発生してベー
ス21表面に形成された誘電体の薄層(誘電層23)に
キャリアが移動するのに対し、放電電極16と対向導電
層13の間は誘電体(誘電体層15)が充填されている
ので、放電電極16とベース21との間で放電を発生す
るのに必要な電位差に比べて、放電を発生させるために
はより大きな電位差が必要になる。よって、放電電極1
6と像担持ベルト2の間にのみ放電が発生して潜像が形
成されることになる。
【0029】続いて、潜像形成後の過程について説明す
る。像担持ベルト2に形成された静電潜像は、駆動ロー
ラ3及び加熱ローラ4の回転により現像装置6と対向す
る現像部に搬送され、現像装置6によりトナー現像され
る。その後、像担持ベルト2上に形成されたトナー像
は、さらに駆動ローラ3及び加熱ローラ4の回転によっ
て搬送され、加熱ローラ4内部に設けられた発熱体11
により加熱されると同時に転写ローラ7により、記録紙
Sに転写される。このときトナー像は、溶融して転写さ
れるので、像担持ベルト2にトナーが残留せず、ほぼ完
全に記録紙Sに転写されるとともに、同時に定着され
る。
【0030】本実施形態においては、一般に熱の影響を
受けやすい感光層14を像担持ベルト2に対向して配置
しておらず、放電電極16を対向させているので、像担
持ベルト2の加熱ローラ4に熱を加えた際に、感光層1
4を対向して配置するのに比べ感光層14への影響が小
さくなり、配置構成の自由度が増すと共に、感光層14
の熱による劣化を防止でき、且つ、材料の選択範囲につ
いても広がる。
【0031】前述した静電記録ヘッド5としては、以下
の方法によって製造されたものを用いる。まず、誘電体
層15となる略板形状のポリカーボネイトの基板にマス
クシートを密着させた状態でアルミニウムを蒸着させ、
その後マスクシートを除去することにより、図3に示す
ようなスリットパターンの放電電極16を形成する。
【0032】次に、このスリットパターンの放電電極1
6が形成された誘電体層15上に下記構造式(化1)で
示されるヒドラゾン化合物8重量部、オレンジ色素0.
1重量部、ポリカーボネイト樹脂10重量部をテトラヒ
ドロフラン180重量部からなる溶媒中に溶解させた塗
液をデッピング法を用いて塗布し、乾燥させて、膜厚2
1μmの電荷輸送層を形成する。
【0033】
【化1】
【0034】続いて、電荷輸送層上に電荷発生層を以下
に示す感光塗料をディッピング法を用いて乾燥後の膜厚
が0.15μmとなるように塗布して感光層14を形成
する。電荷発生層に用いる感光塗料は、τ(タウ)型無
金属フタロシアニン1重量部、ポリビニルブチラール樹
脂2重量部、及びテトラヒドフラン100重量部をボー
ルミルポットに入れて24時間分散したものである。こ
のときの感光塗料の粘度は20℃で15cpである。ま
た、ポリビニルブチラール樹脂としては、アセチル化度
3モル%以下、ブチル化度70モル%、重合度1000
のものである。尚、電荷発生層は、溶剤に感光材料を溶
かしたものを塗布して形成するようにしたが、感光材料
を蒸着させて形成するようにしても良い。
【0035】前記感光層14上に、注入防止膜として約
0.5μmのポリアミド樹脂をディッピング法により塗
布し、ITO膜を公知のイオンプレーティング法により
約0.2μm(ITO膜の面積抵抗は、約100Ω/□
とする)形成して透光性導電層12を形成する。
【0036】一方、誘電体層15となるポリカーボネイ
トの下面には、感光層14と対向する位置にアルミニウ
ムを蒸着させて対向導電層13を形成する。
【0037】感光層14に関して言えば、電荷発生材
料、電荷輸送材料、結着樹脂、添加剤等も、公知の材料
を目的に応じて、適宜選択すれば良い。加えて、感光材
料についても有機材料に限られるものでなく、酸化亜
鉛、硫化カドミウム、セレン系合金、非晶質ケイ素系合
金、非晶質ゲルマニウム合金等の無機材料を使用しても
良い。また、帯電性能、画質、基体への接着性等を改善
する目的で、公知の下引層を設けても良い。
【0038】透光性導電層12に用いたITO膜に代え
て、透光性のある導電材を用いても良い。ただし、電圧
降下を避けるため、面積抵抗が1000Ω/□以下の材
料とすることが好ましい。導電層の形成方法についても
前述した方法に限るものでなく、イオンプレーティング
法、蒸着に変えて、印刷、スパッタリング等の方法によ
り導電材の層を形成するようにしても良い。また、注入
防止層についてもポリアミド樹脂に限るものでなく、透
光性を有する公知材料を用いても良い。
【0039】前記誘電体層15や誘電層23についても
前述したポリカーボネイトやポリエチレンテレフタレー
トに限られるものでなく、アクリル、ポリプロピレン等
の公知の誘電体材料を用いても良い。ただし、前記誘電
層23の材料の電気抵抗率は、帯電電位の時間経過に伴
う低下を防止するために1011Ωcm以上とすることが望
ましい。又、誘電層23の厚さについて強度が実用上の
取り扱いや、耐久性の点で問題にならない範囲であれば
特に限定を受けないが、一般的には2〜100μm程度
が適当と考えられる。
【0040】尚、静電記録ヘッド5の他の製造方法とし
て、ガラス等の露光する光に対して透明な基板で支持体
となる透光性の基板を用いて、そのうえに、透光性導電
層12、感光層14、放電電極16、誘電体層15、対
向導電層13を順次積層していくようにしても良い。
【0041】図6に本発明の第2の実施の形態である静
電記録ヘッド50を示す。この図6は前記実施の形態の
図2に対応するものである。図6に示す静電記録ヘッド
50は、光電変換部5aと、放電部5bとから構成され
ている。光電変換部5aは、前記実施の形態とほぼ同一
の構成を有しており、同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0042】放電部5bは、光電変換部5aから独立し
て配置されている。この放電部5bは、矩形の保持ベー
ス25に前記放電電極16と合致する数の凹部26が列
設され、凹部26の底にそれぞれ放電端子18が設けら
れている。さらに、凹部26の開口縁部には、放電端子
18からの放電を促すためのリング状の加速電極19を
設けている。放電端子18は、光電変換部5aの放電電
極16と導電体で接続されており、放電電極16と等電
位となる。加速電極19の形状は、リング形状に限られ
るものでなく、放電端子18との間で放電を発生させ、
その放電された電荷の一部が像担持ベルト2に至るよう
な形状であれば、網目状や図8に示すように平行ライン
状に作成するようにしても良い。
【0043】以上のように構成した静電記録ヘッド50
の透光性導電層12には、1.2kvの電圧VCを印加
し、対向導電層13及び加速電極19はそれぞれ接地し
ておき、そして、像担持ベルト2の導電体のベース21
には、マイナス1kvを印加する。
【0044】このように加速電極19を設けて前記各電
位を保った状態で、感光層14にレーザ光が照射される
と、放電端子18を含め放電電極16の電位が上昇して
放電端子18と加速電極19との間で放電が発生し、そ
の一部が像担持ベルト2に引かれて誘電層23上に静電
潜像を形成することになる。このような加速電極19を
設けることにより、放電電極16の放電端子18と像担
持ベルト2の間の距離が広く取れると共にその許容幅も
広がるので、像担持ベルト2のムラや変形等によって放
電端子18と像担持ベルト2との距離が多少変化しても
許容される。よって、設計段階及び製造段階での作業が
容易となり、低コスト化が図れる。また、放電電極16
の放電端子18と放電を発生する他方の電極(加速電極
19)との距離が常に一定となるので、さらに安定した
放電が得られる。
【0045】加えて、静電記録ヘッド5の本体と放電端
子18とを分離させたことにより、静電記録ヘッド50
の光電変換部5aの配置を自由にできるため、設計の自
由度が広がるとともに前記第1の実施の形態よりも像担
持ベルト2の熱の影響を受けにくくすることができ、転
写同時定着の際に高温にすることができ、材料の選択範
囲が広がるなど、設計が容易になったり、低コスト化を
はかることが可能となる。
【0046】また、第2の実施の形態では、放電部5b
を静電記録ヘッド5本体から独立させ、かつ加速電極1
9を設けた構成としたが、第2の実施形態において、加
速電極19を設けない構成、即ち、放電端子18を光電
変換部5aから独立させた構成であっても良い。加え
て、第1の実施の形態で示した静電記録ヘッド5の放電
電極16の端部161の近傍に加速電極19を設けた構
成としても良い。
【0047】尚、静電記録ヘッド5,50を露光する光
源として半導体レーザを示したが、これに限られるもの
でなく、静電記録ヘッド5を適切に露光できるものであ
れば、LED方式、液晶シャッタ方式、PLZT方式等
の公知の露光方法を用いることができる。また、現像剤
の特性等を切り替えることにより、露光部を現像せずに
非露光部について現像させることが可能なことは言うま
でもない。
【0048】尚、以上のいずれの実施の形態において
も、静電記録ヘッドを用いた画像形成装置を示したが、
これに限られるものでなく、液晶をオン−オフさせるマ
イクロスイッチや、静電気によって記憶させるメモリな
どにも用いることができる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、互いに対向する第1の電極と第2の電極との間
に、光の照射によりキャリアを発生する光電変換材を設
けると共に、前記第1の電極と第2の電極のいずれにも
導通しない導電体からなる放電電極を前記光電変換材に
当接して設け、該放電電極の一端部と対向する被記録部
に放電させることにより、光信号に対応して被記録部に
記録するように構成したので、対向する第1と第2の電
極により、光電変換材に強く安定した電界を印加してお
くことができ、光情報に対応して安定した放電が行わ
れ、所望の静電記録が可能となる。又、放電電極の端部
を屈曲等をさせることが可能となり、光源等に対して静
電記録ヘッドの配置自由度が広がる。さらに、静電記録
ヘッドと被記録部との間の空隙の設定が放電電極の端部
と被記録部との間で行えば良いので、その設定が容易で
あり、低コスト化を図ることができる。
【0050】加えて、加速電極を設けた構成とした場合
には、放電電極の端部と被記録部との空隙を広く設定す
ることができ、また、設定許容幅広くなるので、さら
に、設計の自由度が増し、生産性を向上することがで
き、安定した画像の形成を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像形成装置の概略構成図を示
す図である。
【図2】 図1に示す画像形成装置の要部拡大図を示す
図である。
【図3】 (a)は、図2に示す概略図を正面図とした
ときの上面図を示す図であり、(b)は、その側面図を
示す図である。
【図4】 本発明の静電記録ヘッド5に所定の電圧を印
加したときの電位分布を示す図である。
【図5】 比較例として、対向導電層を有しない静電記
録ヘッドの電位分布を示す図である。
【図6】 第2の実施の形態を示す要部の概略を示す図
である。
【図7】 第2の実施の形態における放電部の像担持ベ
ルト対向面を示す図である。
【図8】 図7に示す放電部の他の実施例を示す図であ
る。
【図9】 従来例の画像形成装置を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…像担持ベルト(被記録部)、5
…静電記録ヘッド、6…現像装置、12…透光性導電層
(第1の電極)、13…対向導電層(第2の電極)、1
4…感光層(光電変換材)、16…放電電極、17…第
1電源、18…放電端子、19…加速電極、21…ベー
ス(導電体)、23…誘電層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する第1の電極と第2の電極
    との間に、光の照射によりキャリアを発生する光電変換
    材を設けると共に、 前記第1の電極と第2の電極のいずれにも導通しない導
    電体からなる放電電極を前記光電変換材に当接して設
    け、 該放電電極の一端部と対向する被記録部に放電させるこ
    とにより、光信号に対応して被記録部に記録するように
    したことを特徴とする静電記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第1の電極を前記光源から照射され
    る光を透過させる透明材で形成したことを特徴とする請
    求項1に記載の静電記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記放電電極の端部に放電を加速させる
    ための加速電極を設けたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の静電記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記被記録部は、導電層基板と、該導電
    層基板上に形成した誘電層とを有する像担持体からな
    り、 該像担持体の誘電層を前記放電電極の一端部と対向さ
    せ、光信号に対応して前記像担持体に静電潜像を記録す
    ることを特徴とする請求項1乃至3に記載の静電記録ヘ
    ッド。
JP10215296A 1996-04-24 1996-04-24 静電記録ヘッド Pending JPH09286132A (ja)

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US08/842,066 US5801741A (en) 1996-04-24 1997-04-23 Electrostatic recording apparatus

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