JPH09285310A - 運動靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 路面状況の変化に対応して靴底のグリップ
特性を変更することのできる機能を具備せしめる。 【解決手段】 靴本体と、靴底２表面に凹設した装着
穴６内に対して交換可能に嵌装する複数種類のブロック
体３，３’とから成り、上記各ブロック体３，３’は、
装着穴６内に嵌係合する係合構造を有し、且つ、それぞ
れの表面に固有のブロックーパターンを突出形成して構
成し、路面状況に応じて上記装着穴内に装着するブロッ
クを交換する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は運動靴に関し、さ
らに詳しくは、靴底のグリップ特性及びクッション性を
路面状況に応じて変更し得る運動靴に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ランニングシューズ等の運動靴の
中には、靴底の踵や爪先部分に、特に滑り止め効果の高
いブロックパーンを配置したり、クッション体やスパイ
ク体を部分的に埋め込む形で設けることにより、用途に
適したグリップ性を確保したり、接地時の衝撃を効果的
に分散吸収し得るように構成してある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した運動
靴は、用途に合わせて特殊なブロックパターンを設けた
り、クッション体を埋め込む等、使用状況を特定してデ
ザインしているため、例えば雨や降雪等により路面状況
が大きく変化した場合等には、グリップ力が極端に低下
し、通常の汎用靴と同様、もしくはそれ以下となって大
変滑りやすくなるため、歩行やランニングに危険が伴う
ことさえある。

【０００４】本発明の目的は、従来の運動靴に対し、路
面状況の変化に対応して靴底のグリップ特性を変更でき
る機能を具備せしめることにより、色々な路面状況にお
いて常時高いグリップ性とクッション性とを発揮させる
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の運動靴は、ゴム若しくは樹脂製の靴底
を有する靴本体と、上記靴底表面の所定箇所に凹設した
装着穴内に対して交換可能に嵌装する複数種類のブロッ
ク体とから成り、上記各ブロック体は、靴底表面の装着
穴内に嵌係合する係合構造を具有すると共に、それぞれ
の表面に固有のブロックーパターンを突出形成したもの
である。上記運動靴は、ブロック体の材質を各ブロック
体の間で相違させるとよい。

【０００６】以上の手段によれば、以下に記する如き作
用を伴う。靴本体の靴底の所定箇所には装着穴が凹設し
てあり、この装着穴内にブロック体を嵌装せしめてあ
る。上記ブロック体は、表面のブロックパターンが異な
るものを複数種類用意し、その中の一つを上記靴底の所
定箇所に設けた装着穴内に対し交換可能に嵌装してあ
る。また、複数種類用意される各ブロック体は、そのも
の固有のブロックパターンが突出形成してある。よっ
て、上記靴底の装着穴に嵌装するブロック体を交換する
ことにより、靴底所定箇所におけるブロックパターンが
変更され、靴底のグリップ特性を路面状況に応じて適合
することができる。

【０００７】上記ブロック体の間で材質を変えたものに
おいては、ブロック体の交換により、ブロックパターン
の変更と同時に、ブロック体の機械的特性を変更するこ
とができ、これにより、靴底の所要部分におけるグリッ
プ特性と共に、クッション性をも変更することができ
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図１乃至図３にて示す運動靴は、甲
皮１の底面に肉厚状の靴底２を設け、該靴底２の踵部に
凹設した装着穴６内に、ブロック体３及び３’を交換可
能に装着するように構成してある。

【０００９】上記靴底２は、中底４にて塞がれる甲皮１
の底面に直接的に接着されるクッション層２ａと、該ク
ッション層２ａの下面に接着される表面層２ｂとを重ね
合わせて一体的に接着することにより構成してある。

【００１０】上記クッション層２ａは接地時に靴底に加
わる衝撃を緩衝するものであり、ＥＶＡ発泡材等、良好
な衝撃吸収性を有する発泡材を、上記甲皮１の底面形状
に合わせて肉厚状に成形し、甲皮１底面に対して接着せ
しめてある。また、上記クッション層２ａは、土踏まず
部２ｃを凹状に形成し、該土踏まず部２ｃを除く表面に
表面層２ｂ，２ｂ’を分割する形で貼着してある。

【００１１】靴底２の接地面となる表面層２ｂ，２ｂ’
は、ＰＶＣ等、弾力性があり、且つ耐摩耗性に優れた材
質から成り、上記クッション層２ａの下面に接着材を介
して接着してある。上記表面層２ｂ，２ｂ’の表面に
は、靴底の各部分に適したブロックパターンを凹凸形成
してある（図２）。

【００１２】また、踵部側の表面層２ｂ’は幾分肉厚状
に形成し、表面における踵部直下の位置に装着穴６を凹
設し、該装着穴６にブロック体３を嵌装してある。ブロ
ック体は、靴底２の踵部分の中央に独立する形でブロッ
クパターンを構成すると共に、同部分におけるクッショ
ン材として機能するものであり、本実施例の場合、２種
類のブロック体３及び３’を用意してある。上記した両
ブロック体３，３’は、適宜な硬度と弾性とを有するＰ
ＶＣ若しくはゴム材等を用いて構成する。

【００１３】図３にて示すように、一方のブロック体３
は、略長方形の周囲４辺を円弧状に形成したブロック形
に形成し、その周面に沿って係合片７ａを一体に周設し
てある。また、上記ブロック体３の表面には上記周面よ
りも一回り大きな蓋面３ａを一体形成し、該蓋面３ａの
表面にスパイク状のブロックパターン８を突出形成して
ある。もう一方のブロック体３は、上記ブロック体３と
略同様に形成してあるが、蓋面３ａの表面に線状の凹凸
を交互に繰り返すブロックパターン８’を形成してあ
る。

【００１４】また、両ブロック体３，３’は、ブロック
パターンを変えるだけではなく、両者の間で素材を変え
ることにより、硬度や弾性、耐摩耗性等、機械的な特性
に差異を持たせてある。その結果、例えばブロック体３
は、乾燥したアスファルト路面に適し、ブロック体３は
雨で濡れた路面において良好なグリップを得る等、各ブ
ロック体別にグリップ特性を変更することができる。

【００１５】一方、上記ブロック体３，３’を嵌装する
装着穴６は、踵側の靴底表面層２ｂの踵部直下に形成し
た凹穴であり、ブロック体３，３’における蓋面３ａの
裏面よりも係合片７ａ側の外形と合致するように凹設形
成してある。よって、図３にて示すように、ブロック体
３，３’を装着穴６内に押し込むことにより、両部材は
互いに弾性変形し、最終的には、図１にて示すように完
全に嵌合した状態となる。

【００１６】上記したようにブロック体３，３’が装着
穴６内に完全に嵌合すると、ブロック体３，３’の係合
片７ａが装着穴６内周に形成した係合溝６ａ内に入り込
み、この係合関係により装着穴６内からブロック体３，
３’が脱落するのを防止することができる。上記したよ
うに装着穴６内に嵌装したブロック体３は、図１にて示
すように、蓋面３ａのブロックパターン８が靴底２表面
のブロックパターンと略同じ高さとなり、靴底踵部にお
いて独立するブロックパターンを構成する（図２）。

【００１７】尚、ブロック体と装着穴との係合構造は、
上記した係合片７ａと係合溝７ｂとの嵌合構造に限定す
るものではなく、装着穴に対するブロック体の着脱が簡
単に行え、且つ、通常の使用の範囲において脱落するこ
とのない係合構造であればどのような構造を使用しても
よい。

【００１８】上記したように構成した運動靴は、靴底２
の踵部に嵌装するブロック体３，３’を交換することに
より、靴底のグリップ特性を容易に変更することができ
る。例えば、使用時に路面が乾燥している場合には、乾
燥路面で良好なグリップ特性を発揮するブロック体３を
使用し、また、降雨により路面が濡れいてる場合には、
濡れた路面に適合するグリップ体３’と換装することに
より、安全にランニングすることができる。さらに、ブ
ロック体３，３’の交換作業も簡単に行うことができる
ので、降雨等により路面が急変した場合にも、ブロック
体３，３’の交換により、靴底のグリップ特性を濡れた
路面に適合するように変更することができる。

【００１９】上記実施例の運動靴は、靴底２の踵部に１
個のブロック体３を嵌装するように構成したが、靴底２
に対するブロック体３の装着個数や装着する位置は任意
に設定してよく、例えば、図４にて示す運動靴のよう
に、靴底の踵部と踏みつけ部とにそれぞれブロック体３
を嵌装してもよい。また、図４にて示した運動靴のよう
に靴底２に複数のブロック体３を嵌装したものにおいて
は、それぞれのブロック装着位置においてブロック体の
種類を変えてもよい。

【００２０】また、装着穴に対するブロック体３の嵌装
形態は、図５にて示す運動靴のように構成してもよい。
この運動靴は、装着穴６’の底面部を幾分深く形成し、
ブロック体３を嵌装した状態において、ブロック体３裏
面と装着穴６の底面との間に空気室９が形成されるよう
に構成してある。上記したように構成した運動靴におい
ては、靴底の踵部が接地した際に、上記空気室９がシリ
ンダ室のように圧縮され、これにより、接地時における
衝撃を効果的に吸収することができる。

【００２１】尚、上記実施例の運動靴においては、２種
類のブロック体３，３’を用意したが、ブロック体の種
類は２種類以上何種類用意してもよく、それぞれのブロ
ック体における材質やブロックパターンの組み合わせも
自由に設定してよい。また、上記ブロック体は係合片７
ａから上側の部分と、同片７ａから下側の部分とを対称
的に形成することによりリバーシブルとし、裏表両面を
選択的に使用することもできる。この際、ブロック体の
表面側と裏面側とに形成するブロックパターンは同一で
あっても、異なっていてもよい。さらに、上記ブロック
体には必要に応じてスパイクピンを設けてもよく、これ
により、凍結路面に対する滑り止め効果をより向上する
ことができる。尚、上記したように靴底にブロック体を
着脱自在に装備する構造は、靴本体が長靴，防寒靴等で
あっても同様に実施することが可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の運動靴
は、靴本体と、該靴本体の靴底に凹設した装着穴内に嵌
装する複数種類のブロック体とから構成し、それぞれに
固有のブロックパターンを有するブロック体を、靴底の
装着穴に対して交換可能に嵌装するように構成したもの
であるから、例えば、雨や降雪、凍結等により歩行路面
の状態が大きく変化した場合においても、上記ブロック
体を、その時の路面状態に適応するブロックパターンの
ものに交換することにより、靴底のグリップ特性を路面
状況に応じて適合させ、ランニングや歩行時の安全を確
保することができる。

【００２３】また、各ブロック体の間において材質を相
違させたものにおいては、上記したようにブロック体を
交換することにより、ブロックパターンの変更と同時
に、固さや弾力特性、耐摩耗性等を変更することがで
き、これにより、靴底のグリップ特性と共に、クッショ
ン性をも効果的に変更することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を実施した運動靴を示す一部切欠側
面図。

【図２】 同運動靴の底面図。

【図３】 靴底の装着穴部分を示す斜視図。

【図４】 靴底に２個のブロック体を嵌装した運動靴
を示す底面図。

【図５】 ブロック体裏面と装着穴底面との間に空気
室を設けた運動靴の踵部を示す縦断面図。

【符号の説明】

１・・・甲皮 ２・・・靴底 ３・・・ブロック体 ６・・・装着穴 ７ａ・・・係合片 ７ｂ・・・係合溝 ８，８’・・・ブロックパターン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴム若しくは樹脂製の靴底を有する靴
   本体と、上記靴底表面の所定箇所に凹設した装着穴内に
   対して交換可能に嵌装する複数種類のブロック体とから
   成り、上記各ブロック体は、靴底表面の装着穴内に嵌係
   合する係合構造を具有すると共に、それぞれの表面に固
   有のブロックーパターンを突出形成したことを特徴とす
   る靴。
2. 【請求項２】 上記ブロック体の材質を各ブロック体
   の間で相違させたことを特徴とする請求項１記載の運動
   靴。