JPH09285300A - 遺伝子の塩基置換の検査法 - Google Patents

遺伝子の塩基置換の検査法

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JPH09285300A
JPH09285300A JP13937196A JP13937196A JPH09285300A JP H09285300 A JPH09285300 A JP H09285300A JP 13937196 A JP13937196 A JP 13937196A JP 13937196 A JP13937196 A JP 13937196A JP H09285300 A JPH09285300 A JP H09285300A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長さが異なることによって識別される複数の
プライマー、またはプローブを遺伝子の特定部位と反応
させ、残った未反応のプライマー、またはプローブを検
出することで遺伝子の塩基置換を検査する方法。 【構成】 遺伝子の各塩基置換に対応し、長さによって
識別できるプライマー、またはプローブを合成し、それ
ぞれの混合物を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR反
応)、あるいはハイブリダイゼーションを行い、残った
未反応のプライマー、またはプローブを電気泳動によっ
て分離し、特定することによって、遺伝子の塩基置換、
塩基の挿入、欠損による個体差を検査する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、長さが異なることに
よって識別できる多数のプライマー、またはプローブの
混合物を、遺伝子上の各塩基置換に対応して設定し、こ
れを遺伝子と反応させ、残った未反応のプライマー、ま
たはプローブを検出することで遺伝子の塩基置換を検査
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プライマーによるポリメラーゼ連
鎖反応(PCR反応)や、プローブを用いたハイブリダ
イゼーションによる遺伝子の検査方法は広範囲に実施さ
れている。しかし、それらはいずれも、反応後の生成物
を検査するものであり、未反応のプライマーやプローブ
を特定するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来法には次のような
欠点があった。 (イ) 分子量の大きいPCR反応生成物は増幅されに
くく、鋳型となる遺伝子が分解している場合には、正常
なPCR反応生成物が得られない。 (ロ) 分子量が大きいPCR反応生成物の、一塩基の
違いを電気泳動法で検出することは困難である。 (ハ) PCR反応では、しばしば間違った塩基の取り
込み反応が起こることが知られており、得られた反応生
成物が単一とは限らない。 (ニ) PCR反応や、ハイブリダイゼーションによっ
て遺伝子の塩基置換を検出するには、検査する部位ごと
に分析条件(電気泳動条件、制限酵素の種類、ハイブリ
ダイゼーションの温度と時間など)を変えなければなら
ないため煩雑である。 (ホ) 一回の検査で検出できる遺伝子の塩基置換部位
は限られているので、個人識別を行うには、多くの検査
回数が必要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの欠点
を除くために次のような手段で検査を行う。遺伝子の塩
基置換に対応したプライマー、またはプローブの5’末
端に本来の塩基配列と非相補的な塩基配列を持つヌクレ
オチドを結合させ、各プライマー、またはプローブが鎖
長によって区別できるように設定する。この様に特定の
塩基数を持つ多数のプライマー、またはプローブの混合
物を遺伝子と反応させると、遺伝子上の塩基置換に対応
したプライマー、またはプローブのみが反応し、より高
分子の反応生成物ができる。そこで、残った未反応のプ
ライマー、またはプローブを電気泳動によって検出す
る。
【0005】
【作用】本検査法では、PCR反応や、ハイブリダイゼ
ーションによって生成した物質を分析するのではなく、
未反応のプライマー、またはプローブを分析するもので
あるから、分析条件は常に一定でよい。また、本来プラ
イマーやプローブの分子量は小さいので、一塩基でも鎖
長に違いがあれば、電気泳動によって充分区別すること
ができる。しかも、鋳型となる遺伝子が多少分解してい
たり、PCR反応に間違いが生じても、未反応のプライ
マー、またはプローブが反応生成物と区別できれば検査
に影響しない。さらに、本検査法では、反応生成物の大
きさは問題にならないので、分析できる遺伝子上の塩基
置換部位が広がる。21塩基(mer)から60塩基
(mer)まで1塩基(mer)づつ長さの異なる40
種類のプライマー、またはプローブを用いれば、その組
み合わせは2の40乗(約1兆)となり、高度の個人識
別が可能となる。用いるプライマーやプローブの数は、
必要に応じて増減できる。
【0006】
【実施例】ヒト第9染色体のABO式血液型遺伝子座の
エクソン6にある2箇所の点変異部位(塩基番号261
番のグアニンの欠損部位と、塩基番号297番のアデニ
ンとグアニンの置換部位)に対応して鎖長の異なる4つ
の特異プライマーを合成した。(プライマー1;27塩
基(mer)、プライマー2;26塩基(mer)、プ
ライマー3;18塩基(mer)、プライマー4;17
塩基(mer)、プライマー1と2からA型遺伝子、プ
ライマー1と3からB型遺伝子、プライマー2と4、お
よび3と4からO型の2つの遺伝子が、それぞれ増幅さ
れる。) 各プライマー20ピコモルを混合したものを含むPCR
反応液と、血液型がA型、B型、AB型、O型のヒトの
DNAを用いてPCR反応を行い、反応液を20%=
T、5%=Cのポリアクリルアミドゲルで200Vで2
時間電気泳動し、銀染色を行った。遺伝子型が、AA型
ではプライマー3、4が検出され、BB型ではプライマ
ー2、4が検出され、AB型ではプライマー4のみが検
出され、OO型ではプライマー1、2が検出された試料
とプライマー1、3が検出された試料、プライマー1の
みが検出された試料に分かれた。同様にして、ITI遺
伝子座、EsD遺伝子座、Gc遺伝子座、AHSG遺伝
子座、HLA遺伝子座における塩基置換部位の検出を行
った。この方法で、プライマーによって識別できる遺伝
子上のすべての変異点、およびプローブによって特定さ
れる特異配列部位を検査することができる。また、各プ
ライマー、またはびプローブを識別するために結合させ
るオリゴヌクレオチドは、塩基部分を修飾して4つの塩
基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)と相補性
をもたなくしたものや、塩基自体を取り除いたものでも
よく、ペプチドや、オリゴ糖など分子量を区別できる化
合物でもよい。そして、それらの化合物の一部に蛍光物
質、あるいは色素を結合させて、自動シークエンサー
や、キャピラリーシークエンサー、キャピラリー電気泳
動装置を用いて未反応のプライマー、またはブローブを
検出してもよい。さらに、未反応のプローブだけでな
く、ハイブリダイゼーションで、一度遺伝子と結合した
プローブを分離し、加熱することによって解離してきた
プローブを検査することで、塩基置換部位の検出を行う
こともできる。
【0007】
【発明の効果】この発明によれば、様々な生物の遺伝子
上の複数の塩基置換部分を同時に検査でき、各個体にお
ける遺伝子の違いや型を知ることができる。また、生物
の遺伝子における塩基置換を調べることによって、高い
精度で個体識別が可能である。なお、検査すべき遺伝子
が一部分解していても、本法による検査は可能なので、
分解や腐敗の進んだ試料から抽出された遺伝子の検査に
も適している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遺伝子の各塩基置換に対応し、鎖長の違
    いによって特定できるプライマーの混合物を用いてポリ
    メラーゼ連鎖反応(PCR反応)を行い、残った未反応
    のプライマーを検出することによって、遺伝子の塩基置
    換を検査する方法。
  2. 【請求項2】 遺伝子の各塩基配列の違いに対応し、鎖
    長の違いによって特定できるプローブの混合物を遺伝子
    とハイブリダイズし、残った未反応のプローブを検出す
    ることによって、遺伝子の塩基置換を検査する方法。
JP8139371A 1996-04-23 1996-04-23 遺伝子の塩基置換の検査法 Expired - Fee Related JP3057553B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008007571A1 (fr) * 2006-07-10 2008-01-17 Olympus Corporation Procédé de détection d'acide nucléique

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