JPH09284165A - 携帯無線機のヒンジ装置 - Google Patents

携帯無線機のヒンジ装置

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JPH09284165A
JPH09284165A JP8098570A JP9857096A JPH09284165A JP H09284165 A JPH09284165 A JP H09284165A JP 8098570 A JP8098570 A JP 8098570A JP 9857096 A JP9857096 A JP 9857096A JP H09284165 A JPH09284165 A JP H09284165A
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cam
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slide piece
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Toshiya Inubushi
俊也 犬伏
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒンジ装置のがたつきが大きい。板ばねを用
いており、設計計算値と実物実力値の差が大きい。 【解決手段】 無線機本体51(または本体カバー)に
設けられたヒンジ本体63と、本体カバー52(または
無線機本体)に設けられヒンジ本体63に軸支されたヒ
ンジ軸77と、軸方向にスライド可能なスライド駒85
と、スライド駒85を軸方向に付勢してヒンジ軸77と
当接させる弾性部材91とを含む。ヒンジ軸77または
スライド駒85の両当接部の一方にカム部が、他方に従
動部が設けられ、このカム部は、本体カバー52が開状
態および/または閉状態で保持されるように弾性部材9
1の付勢力をヒンジ軸77に伝達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯無線機のヒンジ
装置、特に、無線機本体に対して本体カバーを開閉可能
に軸支する携帯無線機のヒンジ装置に関する。ここで、
携帯無線機とは、携帯無線電話機、コードレス電話機、
PHS、無線通信装置、そのほか携帯形の情報処理端末
装置といった携帯可能な装置をいう。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯無線機の携帯性を高めるべ
く、無線機本体に本体カバーを設け、この本体カバーを
無線機本体に軸支したタイプが数多く用いられている。
このタイプでは、不使用時に本体カバーを閉状態にし
て、無線機本体の一部または全部を覆い、スイッチ等を
保護する。また使用時に本体カバーを開状態にして、露
出したスイッチ等を操作する。本体カバーによりスイッ
チ等が保護されるので、携帯無線機の持ち運びが容易と
なる。以下、この本体カバーをフリップという。
【0003】フリップの軸支部に設けられるヒンジ装置
としては、使い勝手を向上するために、フリップを閉状
態および開状態に保持する機能を備えたヒンジ装置が各
種提案されている。以下、このような機能を有するヒン
ジ装置の一例を説明する。
【0004】図12は、従来のヒンジ装置を携帯無線機
に取り付けた状態を示す断面図である。図12におい
て、無線機本体の本体ケース1は、樹脂材料からなるモ
ールド成形品である。本体ケース1には、フリップ3を
取り付けるための取付台5が形成されており、この取付
台5の両側の壁面6には第一ヒンジ軸7が突設されてい
る。この第一ヒンジ軸7は、円筒形状のボスであり、中
央部にヒンジ装置9を取り付けるためのヒンジ取付穴1
1として四角形の凹部が設けられている。
【0005】図13は、ヒンジ装置9の構成を示す側面
図である。カムシャフト13は、ヒンジ取付部15とカ
ム部17をカム軸方向に一体に連結して形成されてい
る。ヒンジ取付部15は、図12に示すようにヒンジ取
付穴11に内挿されている。ヒンジ取付部15は四角柱
形状であり、この四角柱の外側面がヒンジ取付穴11の
内側面と係合している。従って、ヒンジ取付部15は本
体ケース1に対して回転しないようになっている。図1
4は、カム部17のカム形状(断面形状)を示してい
る。同図に示すように、本従来装置では、図12の2つ
のヒンジ装置9において、カム部17のカム形状がそれ
ぞれ異なっている。すなわち、一方のヒンジ装置9のカ
ム部17は図14(a)のアクションカムであり、他方
のカム部17は図14(b)の保持カムである。カムシ
ャフト13の中心部には、図13に示すように貫通穴1
9が設けられている。貫通穴19にはシャフト21が貫
通して挿入され、このシャフト21のヒンジ取付部15
側に突出した部分が、かしめ加工によりヒンジ取付部1
5に固定されている。シャフト21の他端には、円板形
状の第二ヒンジ軸23が一体に形成されている。
【0006】板ばね25の中央部には取付穴26が設け
られていて、板ばね25は、この取付穴26にて上記の
シャフト21に遊嵌されており、カム部17と第二ヒン
ジ軸23の間に位置している。この板ばね25は、3枚
のばね鋼を積層して形成されている。そして板ばね25
は取付穴26の両側でゆるやかに折り曲げられており、
板ばね25の先端部分27がばね自身の弾性力によりカ
ム部17のカム面に圧接している。さらに板ばね25の
中央部には、ばね方向に対して直角方向に、つば形状の
係止爪29が一体に設けられている。シャフト21に
は、さらに、板ばね25と第二ヒンジ軸23の間に位置
するようにワッシャ31が遊嵌されている。ワッシャ3
1は、板ばね25が第二ヒンジ軸23に対して回転した
時に第二ヒンジ軸23が摩耗するのを防止するために設
けられている。
【0007】フリップ3は、図12に示すようにフリッ
プ本体33とフリップカバー35からなる分割構造であ
る。フリップ本体33およびフリップカバー35も本体
ケース1と同様に樹脂材料のモールド成形品である。そ
してフリップ本体33およびフリップカバー35は、本
体ケース1の第一ヒンジ軸7およびヒンジ装置9をはさ
み込むように取り付けられ、固定ねじ37により固定さ
れている。フリップ3には、第一ヒンジ軸7に対応する
位置に第一軸受部39が、第二ヒンジ軸23に対応する
位置に第二軸受部41が各々設けられている。またフリ
ップ3には、図示しない板ばね保持部が設けられてお
り、この板ばね保持部が板ばね25の係止爪29と係合
している。従って、板ばね25は、フリップ3に対して
回転しないようになっている。
【0008】次に、上記の従来のヒンジ装置の動作につ
いて説明する。フリップ3が開閉動作する時、フリップ
3は第一ヒンジ軸7および第二ヒンジ軸23を軸として
回転する。ここで、前述のようにカムシャフト13は本
体ケース1に、板ばね25はフリップ3に、それぞれ回
転不能に取り付けられている。従って、フリップ3が開
閉動作すると、板ばね25がカムシャフト13に対して
回転する。
【0009】図15(a)はフリップ3の開状態を示し
ており、同図(b)は、この開状態におけるアクション
カムと板ばね25の位置関係である。ここで、図示のよ
うに、アクションカムを挟み込む板ばね25の先端部分
27の一方を25a、他方を25bとする。同図におい
て、アクションカムは、カム高さ(中心からカム外周面
までの距離)の最も低い位置で板ばね25と接してい
る。この時、同図(c)に示すように、保持カムは、外
周の平坦部で板ばね25と接している。フリップ3は、
保持カムの働きにより、がたつかない状態で保持されて
いる。
【0010】同図(d)は、フリップ3が同図(a)の
点線mの位置にある時(すなわちフリップ3の開角度が
αである時)のアクションカムと板ばね25の状態を示
している。ここで、開角度とは、フリップ3が本体カバ
ー1となす角度である。同図(d)では、同図(c)か
ら板ばね25がアクションカムに対して回動し、アクシ
ョンカムにより板ばね25が押し広げられ、そして板ば
ね25の弾性力がアクションカムに作用している。この
状態からフリップ3を解放すると、板ばね25はアクシ
ョンカムから受ける反作用力により回転する。この回転
方向は、アクションカムのカム面の設定に従い、フリッ
プ3が開動作するような方向である。そしてフリップ3
が開状態の位置に達すると、前述の保持カムの機能によ
り開状態に保持される。
【0011】同図(e)は、フリップ3が同図(a)の
点線nの位置(開角度β)にある時のアクションカムと
板ばね25の状態を示している。この場合、同図(d)
と比較して、カム面と板ばね25の接触位置がカム頂点
aの反対側となっている。同図(e)の状態からフリッ
プ3を解放すると、フリップ3は板ばね25の弾性力に
より閉動作し、本体ケース1に当接して停止する。この
停止した状態が閉状態である。
【0012】フリップ3が図15(a)の一点鎖線lの
位置にある時、板ばね25はアクションカムのカム頂点
aと接している。フリップ3は、一点鎖線lより開角度
が大きい位置にある時に、同図(d)について説明した
ように開動作する。また一点鎖線lより開角度が小さい
位置にある時に、同図(e)について説明したように閉
動作する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記に説明した従来の
ヒンジ装置には、以下に示すように、装置構造に起因し
た不利な点がある。
【0014】(1)従来装置では、板ばね25は、カム
部17の側面に形成されたカム面に対してばね自身の弾
性力により圧接され、この圧接状態下で回転する。そし
て、板ばね25は、カム面の形状に応じてカム部17に
回転トルクを与え、この回転トルクの反作用をカム部1
7から受ける。この反作用は係止爪29からフリップ3
に伝えられる。
【0015】ここで、板ばね25の設計計算時の設定値
と実物実力値には差が生じやすく、また板ばね25の実
物実力値は加工状態によってばらつきやすい。従って、
板ばね25を用いた構成の場合、実物を作ってみなけれ
ばヒンジ装置の性能を確かめられない。
【0016】また、板ばね25がカム部17から受ける
反作用がフリップ3に伝わるので、板ばね25の係止爪
29がフリップ3の板ばね保持部を変形させてしまうこ
とがあり、この変形によりがたつきが発生する場合があ
るという問題がある。
【0017】さらに従来のヒンジ装置では、前述の如
く、板ばね25と第二ヒンジ軸23の間に、第二ヒンジ
軸23の摩耗を防止するためのワッシャ31を設ける必
要がある。板ばね25を用いた構成では、このように部
品点数を追加しなければならないという問題がある。
【0018】さらに従来のヒンジ装置では、小型化が困
難である。小型化に際しては、カム径を小さくするとと
もにばね圧を上げる必要があるが、板ばね25を用いた
構成では、ばね圧の増加に限界があるからである。
【0019】(2)従来のヒンジ装置には、以下に説明
するように、構造が複雑で軸ずれを起こしやすく、がた
つきが発生しやすいという問題がある。すなわち、従来
装置の構造では、(a)本体ケース1のヒンジ取付穴1
1とカムシャフト13の隙間、および(b)カムシャフ
ト13とシャフト21の隙間があるので、第一ヒンジ軸
7と第二ヒンジ軸23の中心がずれてしまう。フリップ
3の軸受部の寸法はこの両軸のずれを考慮して設定され
ている。従って軸受部分の隙間が大きくとられており、
この部分にがたつきが発生しやすい。また同様に、板ば
ね25とカム部17の位置関係にもずれが生じやすく、
この部分のずれも、がたつきの発生原因となる。
【0020】また、従来装置では、カムシャフト13と
シャフト21をかしめ加工にて固定している。従って、
かしめ加工のための治工具が必要であり、また、かしめ
加工を組み付け作業時に行うために作業性が悪くなり、
さらに、かしめ加工部分に寸法ばらつきが発生しやすい
という問題がある。
【0021】(3)従来装置では、フリップ3を開閉動
作させるだけでなく、開状態に保持してがたつきを抑え
るように構成されている。ここで、アクションカムを設
けただけでは、フリップ3を開状態で保持することがで
きないので、アクションカムと保持カムの2種類のカム
が設けられている。
【0022】このように2種類のカムを設けているため
に、携帯無線機の組立時の仕分け作業等が必要であり生
産性が低いという問題がある。また、ヒンジ装置が最低
2個必要であり、部品点数の削減ができない点で不利で
ある。
【0023】「本発明の目的」本発明は、上記に説明し
たような課題を解決するためになされたものである。本
発明の目的は、以下のような利点を有し、小型で低価格
であり、がたつきの発生が少なく生産性および組付け性
に優れるヒンジ装置を提供することにある。
【0024】(1)板ばねがカム軸の側面に圧接される
構造ではなく、弾性部材の弾性力が軸方向に作用する構
造とする。従って弾性部材として、設計計算の設定と実
物実力の差の少ない弾性部材を用いることができる。ま
た弾性部材が他の部材を変形させることがない。さらに
弾性部材の小型化が容易である (2)構造が簡単であり、がたつきの発生が少ない。そ
して組み付けが容易で生産性が高い (3)一種類のカム形状でフリップに所望の動作をさせ
ることができる。
【0025】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、無線機本体に対して本体カバーを開閉
可能に軸支する携帯無線機のヒンジ装置において、無線
機本体または本体カバーの一方に回転不能に設けられた
ヒンジ本体と、本体カバーまたは無線機本体の他方に回
転不能に設けられ、前記ヒンジ本体に対して回転自在に
軸支されたヒンジ軸と、前記ヒンジ本体の中で軸方向に
スライド可能に設けられたスライド駒と、前記ヒンジ本
体に設けられ、前記スライド駒を軸方向に付勢して前記
ヒンジ軸と当接させる弾性部材とを含み、前記ヒンジ軸
または前記スライド駒の両当接部の一方にカム部が、他
方に従動部が設けられ、このカム部は、前記本体カバー
が開状態および/または閉状態で保持されるように前記
弾性部材の付勢力を前記ヒンジ軸に伝達する設定のカム
面を有する。
【0026】上記構成によれば、ヒンジ軸がヒンジ本体
に軸支されており、このヒンジ軸に対し、弾性部材によ
り軸方向に付勢されたスライド駒が当接している。弾性
部材とは、例えば、ばねやゴム部材など、弾性力により
スライド駒を軸方向に付勢することが可能な部材であ
り、従来技術のような板ばねを使う必要はない。そし
て、ヒンジ軸とスライド駒の当節部にカム機構が設けら
れている。このカム機構は、弾性部材の軸方向の付勢力
をヒンジ軸に伝達するように設けられ、例えば好適な態
様として端面カムを用いることできる。カム機構の設定
に従い、本体カバーが開状態および/または閉状態で保
持される。
【0027】(2)また本発明では、前記カム面は、さ
らに、前記本体カバーの開角度に応じて、前記本体カバ
ーを開動作または閉動作させるように前記弾性部材の付
勢力を前記ヒンジ軸に伝達する設定でもよい。
【0028】ここで、開角度とは、前述の如く本体カバ
ーが無線機本体となす角度をいう。カム機構は、弾性部
材の軸方向の付勢力をヒンジ軸に伝達するとともに、こ
の付勢力を回転トルクに変換するように設定されてい
る。そしてカム機構は、本体カバーの開角度に応じて、
本体カバーが開動作または閉動作するような回転トルク
をヒンジ軸に与える設定となっている。このような設定
は、例えば、前述の端面カムを用いた場合、カム面の傾
斜角度の設定によって実現される。なお、上記カム機構
の設定は、本体カバーが開状態および/または閉状態に
あるときにはヒンジ軸に回転トルクを与えないように設
定されている。
【0029】(3)また本発明では、前記弾性部材は、
一端を前記ヒンジ本体に取り付けられ、他端を前記スラ
イド駒に取り付けられたコイルばねでよい。コイルばね
は、従来技術に示した板ばねと比較して、設計計算値と
実物実力値の差が少なく、また品質ばらつきも少ないと
いう利点がある。
【0030】(4)さらに本発明では、前記コイルばね
が並列して複数設けられていてもよい。ここで、コイル
ばねを並べて配置してもよく、また直径の異なるコイル
ばねを同軸に配置してもよい。コイルばねを複数とする
ことにより、ヒンジ本体の全長が短縮されて、ヒンジ装
置が小型化する。
【0031】(5)また本発明では、前記ヒンジ本体
は、前記スライド駒が挿嵌されるガイド部を有し、前記
スライド駒の外側面の形状が多角柱側面形状であり、前
記ガイド部の内側面が該多角柱側面形状と係合するよう
に形成され、前記スライド駒の外側面と前記ガイド部の
内側面が係合することにより前記スライド駒の回転が抑
制されていてもよい。上記により、簡単かつ製造容易な
構造によりスライド駒の回転を抑制することができる。
【0032】(6)また本発明では、前記従動部は、前
記ヒンジ軸または前記スライド駒の端面に突設された従
動ピンであってもよい。従動ピンはカム面との接触面が
小さいので、カム面から受ける摩擦力が少ない。従っ
て、本体カバーを開閉させるときの抵抗力が小さくな
る。
【0033】(7)また本発明では、前記ヒンジ軸に
は、前記無線機本体と前記本体カバーを接続するケーブ
ルを通すケーブル通路が設けられていてもよい。上記ケ
ーブル通路により、無線機本体と本体カバーの間にケー
ブルが導かれる。
【0034】(8)また本発明では、前記ヒンジ本体ま
たは前記ヒンジ軸の少なくとも一方が、前記無線機本体
または前記本体カバーと一体に設けられていてもよい。
上記により、部品点数が削減し、また組付け作業が容易
となる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。
【0036】「実施形態1」図1は、本実施形態のヒン
ジ装置を適用する携帯無線機の斜視図である。同図に示
すように、無線機本体の本体ケース50に設けられた取
付台51をフリップ52が両側から挟み込んでいる。フ
リップ52は、取付台51に設けられたヒンジ装置53
(図1には示されていない)を用いて軸支されている。
【0037】図2は、携帯無線機の部分断面図でありヒ
ンジ装置の構成を示している。なお、本実施形態のヒン
ジ部分の構造は図12の従来技術と同様に左右対称形状
であり、取付台51の反対側にも同様のヒンジ装置53
が設けられている。また、図3は、ヒンジ装置53を図
2と垂直方向から見た断面図である。本体ケース50は
樹脂材料のモールド成形品であり、従来技術と同様に、
中央部に取付台51が設けられている。この取付台51
の壁面55には取付穴57として八角形の凹部が設けら
れており、また取付台51には、突当壁59がケース内
部へ突設されている。
【0038】ヒンジ装置53のヒンジ本体63は、樹脂
製のヒンジ本体筒65と底面板67からなる。ヒンジ本
体筒65は筒形状からなり、外側面が上記取付穴57と
係合するような八角柱側面であり、内側面が後述するス
ライド駒85と係合するように六角柱をくりぬいた形状
である。ヒンジ本体筒65の一端付近の側面上には係合
穴69が4箇所に設けられており、他端には、中心軸へ
向けてヒンジ軸突当壁71が立設されている。一方、底
面板67は、ヒンジ本体筒65の内側面形状に対応した
六角形の板である。底面板67の縁部には、4箇所に柱
状の係合部72が立設されている。この係合部72はヒ
ンジ本体内部へ向けて設けられ、各係合部72の先端に
は、外側へ向けて係止爪73が設けられている。対向す
る係合部72間の距離は、後述するヒンジばね91の外
径よりも若干大きく設定されている。
【0039】上記に説明した底面板67の係止爪73が
ヒンジ本体筒65の係合穴69に係止されてヒンジ本体
63が形成されている。ヒンジ本体63は、本体ケース
50の取付穴57に内挿されている。この際、ヒンジ本
体筒65の外側面が取付穴57と係合するとともに、底
面板67が突当壁59に突き当たっている。また突当壁
59の段部59aは、図示のように、ヒンジ本体63を
軸直角方向に支持している。このようにしてヒンジ本体
63は、本体ケース50に回転不能に取り付けられてい
る。
【0040】ヒンジ軸77は樹脂材料からなり、ヒンジ
本体筒65に軸支されている。図4は、ヒンジ軸77の
平面図、正面図および底面図である。同図に示すよう
に、ヒンジ軸77は円柱形状の軸部79を備えており、
この軸部79がヒンジ本体筒65内面の軸受面(六角柱
をくりぬいた形状の内側面の一部)と摺動するように軸
支されている。また、軸部79の一方の端面80がヒン
ジ軸突当壁71と当接することにより、ヒンジ軸77が
軸方向に位置決めされている。軸部79の端面80の中
央部には、四角柱形状の軸取付ボス81が突設されてい
る。また、軸部79の他方の端面82には2本の従動ピ
ン83が突設されており、各従動ピン83は円柱形状で
あってピン先端が半球形状になっている。これらの軸部
79、軸取付ボス81および従動ピン83は一体に成形
されている。
【0041】ヒンジ本体63には、さらに樹脂材料から
なるスライド駒85が内挿されており、ヒンジ軸77と
ヒンジ本体底面の間に配置されている。図5は、スライ
ド駒85の平面図、正面図および底面図である。同図に
示すように、スライド駒85は六角柱形状の部材であ
り、この六角柱の側面がヒンジ本体筒65の内側面と係
合することにより、スライド駒85は軸方向にスライド
可能であるとともに軸回りに回転しないようになってい
る。スライド駒85の一方の端面87の中央部には、ば
ね取付ボス89が突設されている。ばね取付ボス89に
は、コイルばねからなるヒンジばね91の一端がはめ込
まれており、ヒンジばね91の他端は、底面板67の係
合部72の間にはめ込まれている。ヒンジばね91は、
図2の取付状態において圧縮状態となるように設定され
ている。従って、スライド駒85はヒンジばね91の弾
性力(圧縮反力)により付勢され、ヒンジ軸77と圧接
している。
【0042】スライド駒85のヒンジ軸77と当接する
側の端面には、端面カム93が形成されている。「端面
カム」とは、軸等の端面に形成され、周方向にカム高さ
が変化するカムをいう。ここで端面カムの場合、「カム
高さ」とは、図5(b)に示されるように、基準位置か
らの軸方向の高さをいう。図6は、端面カム93のカム
形状を示している。同図の横軸は、図5(a)における
二点鎖線zの円に沿って点pから点q方向への距離であ
り、縦軸は、二点鎖線z上の各位置におけるカム高さで
ある。図6には、90度の範囲のみが示されているが、
端面カム93のカム形状は直線xおよび直線yに対して
対称である。図6に示すように、端面カム93は傾斜角
45度の直線カムである。
【0043】ここで、傾斜角の設定を45度とすること
には以下の意義がある。本実施形態では、後述するよう
に、端面カム93の傾斜面と従動ピン83が接している
ときは、この接触部でヒンジばね91の弾性力がヒンジ
軸77を回転させる回転トルクに変換されている。ここ
で弾性力に基づき端面カム93から従動ピン83に作用
する力をP、力Pの作用点とスライド駒85中心(ヒン
ジ軸77の中心軸)との距離をr、カムの傾斜角をθと
すると、回転トルクTは下式で得られる。
【0044】
【数1】T = P・r・sin 2θ/2 従って、傾斜角θを45度に設定すると、同一の弾性力
に対して最大の回転トルクTが得られる。以上に本実施
形態のヒンジ装置53の構成を説明した。
【0045】フリップ52は、本体ケース50と同様に
樹脂材料のモールド成形品である。フリップ52には、
本体ケース50の壁面55と対向するように壁面97が
設けられ、この壁面97にヒンジ軸取付穴99として四
角形の凹部が設けられている。そしてこのヒンジ軸取付
穴99に軸取付ボス81が内挿されている。ヒンジ軸取
付穴99の内側面と軸取付ボス81の外側面が係合して
いるので、ヒンジ軸77はフリップ52に対して回転し
ない(回り止めされている)。なお、図2の状態におい
て、前述のようにフリップ52は本体ケース50の取付
台51を挟み込んでいる。従ってフリップ52は、取付
台51の両側の壁面55により軸方向に位置決めされて
いる。
【0046】次に、図2に示した携帯無線機の組立順序
について説明する。ヒンジ本体筒65にヒンジ軸77を
挿入し、さらにスライド駒85を挿入する。スライド駒
85のばね取付ボス89にヒンジばね91の一端をはめ
込み、ヒンジばね91の他端を底面板67の係合部72
の間にはめ込む。そして、底面板67をヒンジ本体筒6
5に押しつけ、底面板67の係止爪73をヒンジ本体筒
65の係合穴69に係止させる。以上により、ヒンジ装
置53が完成する。このヒンジ装置53を取付穴57か
ら挿入して突当壁59に突き当てる。次に、ヒンジ軸7
7をヒンジ本体63の内部に押し込み、フリップ52を
図示位置に配置する。すると、ヒンジ軸77がヒンジば
ね91の反力により押し出され、ヒンジ軸77の軸取付
ボス81が、フリップ52のヒンジ軸取付穴99に入り
込む。以上により図2の状態となる。
【0047】次に、本実施形態のヒンジ装置の動作を説
明する。前述したように、ヒンジ本体63は本体ケース
50に、ヒンジ軸77はフリップ52に各々回転しない
ように取り付けられている。従って、フリップ52を回
転させると、ヒンジ軸77の軸部79がヒンジ本体筒6
5と摺動しながら回転する。この際、ヒンジ軸77の回
転に応じてスライド駒85が軸方向へスライドする。
【0048】図7(a)は、前述の図15(a)と同様
に、フリップ52の開状態を示している。図7(b)
は、この開状態におけるスライド駒85とヒンジ軸77
の位置関係である。同図(b)に示すように、端面カム
93における最もカム高さの低い場所pに従動ピン83
が位置している。この状態では、ヒンジばね91の縮み
変形量が最小である。外部からフリップ52に回転力が
働くと、この回転力がヒンジ軸77に作用しスライド駒
85がヒンジばね91を縮ませる方向(図中矢印X)に
移動しようとする。ここで、スライド駒85はヒンジば
ね91から反力を受け、この反力はスライド軸77の回
転の抵抗力として働く。フリップ52は、このようにし
て、がたつかないように保持されている。
【0049】同図(c)は、フリップ52が同図(a)
の点線mの位置(開角度α)にある時のスライド駒85
とヒンジ軸77の位置関係を示している。同図(c)で
は、上記の開状態に対しヒンジ軸77の角度位置が異な
っている。そしてスライド駒85はカム面の設定に従い
従動ピン83に押されて移動した状態にある。ヒンジば
ね91は開状態の時よりもさらに圧縮され、この圧縮分
の反力をスライド駒85に及ぼしている。従動ピン83
と端面カム93がカム面の斜面上で接触しているので、
従動ピン83には、ヒンジばね91の反力に基づく回転
トルクが作用している。この回転トルクは図中矢印Yの
方向である。この状態からフリップ52を解放すると、
ヒンジ軸77が矢印Y方向に回転し、ヒンジ軸77に係
合されたフリップ52が開動作する。そして、同図
(a)の開状態の位置に達すると、前述のごとく開状態
に保持される。
【0050】同図(d)は、フリップ52が同図(a)
の点線nの位置(開角度β)にある時のスライド駒85
とヒンジ軸77の位置関係を示している。この場合、上
記同図(c)と比較して、カム面と従動ピン83の接触
位置がカム頂点qの反対側となっている。この状態から
フリップ52を解放すると、ヒンジ軸77が図中矢印Z
の方向に回転し、フリップ52が閉動作する。そしてフ
リップ52が、本体ケース50に当接した位置で停止し
て閉状態となる。
【0051】フリップ52が図7(a)の一点鎖線lの
位置にある時、従動ピン83は端面カム93のカム頂点
qと接している。フリップ52は、一点鎖線lより開角
度が大きい位置にある時に、同図(c)について説明し
たように開動作する。また一点鎖線lより開角度が小さ
い位置にある時に、同図(d)について説明したように
閉動作する。
【0052】以上に説明した本実施形態のヒンジ装置
は、以下に示すような利点を有する。
【0053】(1)ヒンジ装置53に所望の動作をさせ
る弾性部材として、コイルばねからなるヒンジばね91
が用いられている。このコイルばねは軸方向に変形する
ように取り付けられている。コイルばねの設計計算時の
設定値は実物実力値とよく一致する。またコイルばねの
品質ばらつきは、板ばね等と比べて小さい。従って、コ
イルばねを用いることにより、ヒンジ装置の機能をより
正確に発揮させることができる。
【0054】またヒンジばね91は、ヒンジ本体63の
内部に収納され、圧縮および伸長動作する。ヒンジばね
91は、他の部材と圧接しながら摺動するといった構成
ではない。従ってヒンジばね91が要因となって他の部
材が変形したり摩耗することはない。
【0055】さらに、コイルばねのばね定数は、線径、
サイズ、巻数等の変更により容易に調整でき、ばね定数
を大きくすることも容易である。従ってコイルばねを小
さくしてヒンジ装置全体を小型化することができる。
【0056】(2)ヒンジ本体63の内側面が軸受とな
り、ヒンジ軸77の軸部79が回転軸となる。回転部の
がたは、このヒンジ本体63および軸部79の間に発生
する。このように、構造が簡単であり、がたつきの発生
原因となるような部品の取付関係が少ない。従って、フ
リップ52と本体ケース50の間にがたつきが発生しに
くい。
【0057】(3)ヒンジ装置53の組立ては、ヒンジ
本体筒65にヒンジ軸77、スライド駒85、ヒンジば
ね91、底面板67を順次組み付けるようにして行われ
る。組付け方向が一方向であり、組付けが容易で、従来
技術のようなかしめ加工も不要である。従ってロボット
を用いた自動組付けも容易に行うことができる。
【0058】(4)ヒンジ装置53およびフリップ52
の組付けは、本体ケース50の取付穴57にヒンジ装置
53を挿入し、ヒンジ軸77を押し込むとともにフリッ
プ52を組付け位置にあてがうことにより行われる。従
来技術では、フリップを分割構造に構成し、ヒンジ装置
を上下からはさみこんでねじ止め固定していた。しか
し、上記のように、本ヒンジ装置53を用いた場合、フ
リップを分割構造とすることも、組付け時にねじ止め作
業をすることも不要である。
【0059】なお、ヒンジ軸77の軸取付ボス81をボ
ス頂点に向けて断面が小さくなる形状(例えば図2に示
したような多角錘の台形状)とすることにより、フリッ
プの取り外しを容易に行うことができる。
【0060】(5)一種類のカムにより、フリップ52
を開状態に保持するとともに、フリップ52に所望の開
動作、閉動作を行わせることができる。従来のように、
アクションカム、保持カムの2種類のカムが必要な場合
と比較して、部品点数が少なくなり、また、ヒンジ装置
を一個のみとすることも可能になる。
【0061】(6)ヒンジ装置53は、本体ケース50
の取付穴57を設けた壁部と突当壁59とにより支持さ
れている。フリップ52に外力が作用した場合、この外
力がヒンジ軸77の軸取付ボス81に作用する。このよ
うに、支持位置と外力の作用位置が近接している。従っ
て、フリップ52への外力によりヒンジ装置53に作用
する曲げモーメントが小さいので、強度上、有利であ
る。
【0062】「実施形態1の変形例」以上に説明した実
施形態1に対しては、例えば以下のような変形が可能で
ある。
【0063】(1)ヒンジ本体63をフリップ52に、
ヒンジ軸77を本体ケース50に取り付けるように構成
してもよい。この場合、ヒンジ装置53の取付関係が図
2と正反対になる。
【0064】(2)端面カム93をヒンジ軸77の端面
82に設け、従動ピン83をスライド駒85に設けても
よい。
【0065】(3)従動ピン83の形状を図8(a)
(b)に示すように変形してもよい。
【0066】(4)端面カム93のカム形状を図8
(c)のように変形してもよい。この場合、カム形状に
対応して、図4に対し従動ピンを一本に変更することが
好ましい。
【0067】(5)ヒンジ本体筒65の外側面形状を八
角柱側面と異なる角数の多角形側面形状としてもよい。
この場合、本体ケース50の取付穴57の内側面形状に
も対応した変形を行うとよい。
【0068】同様の変形は、スライド駒85の外側面お
よびヒンジ本体筒65の内側面の形状について行っても
よい。また、同様の変形はヒンジ軸77の軸取付ボス8
1とフリップ52のヒンジ軸取付穴99の形状について
行ってもよい。
【0069】「実施形態2」図9(a)は、本実施形態
のヒンジ装置101の構成を示す断面図である。本実施
形態において、前述の実施形態1と同様の構成について
は説明を省略する。
【0070】実施形態2では、実施形態1に対する相違
点として、2本のヒンジばね103が設けられている。
そして、この2本のヒンジばね103を取り付けられる
ように、スライド駒105に2個のばね取付ボス106
が設けられている。また底面板107にも、同様のばね
取付ボス108が2箇所に設けられている。なお、本実
施形態において底面板107の係合部72は、実施形態
1に対して位相を45度ずらして設けられており、従っ
て係合部72は図9(a)に示されていない。図9
(b)はスライド駒105の底面図であり、2本のヒン
ジばね103の位置関係を示している。
【0071】本実施形態では、複数のヒンジばね103
を設けたことにより、ばね反力が大きくなる。従って、
同一サイズのヒンジ装置で、より大きなばね反力をスラ
イド駒に作用させることできる。また同じ大きさのばね
反力をスライド駒に作用させる設定において、ばねが一
本の場合よりも、各ばねの長さを短くすることができ
る。このように、ヒンジばねを複数としたことにより、
ヒンジ装置を小型化することが可能となる。
【0072】「実施形態3」図10は、本実施形態のヒ
ンジ装置111の構成を示す断面図である。本実施形態
において、前述の実施形態1と同様の構成については説
明を省略する。
【0073】ヒンジ本体113は、実施形態1のヒンジ
本体筒と底面板を一体化した形状である。実施形態1と
異なり、ヒンジ軸突当壁は設けられていない。また、底
面の中央部に円形の開口部115が設けられている。
【0074】ヒンジ軸117の従動ピン83側の端面に
は円筒形状のケーブル管119が立設されている。前述
のようにヒンジ軸117は樹脂製であり、ケーブル管1
19はヒンジ軸117と一体に形成されている。ケーブ
ル管119の先端部分120は、開口部115にてヒン
ジ本体113の底面を突き抜けており、この先端部分1
20には円周溝121が設けられている。そして円周溝
121には、C型止め輪122が取り付けられている。
C型止め輪122がヒンジ本体113の底面に突き当た
ることにより、ヒンジ軸117がヒンジ本体113から
飛び出さないように位置決めされている。また、ヒンジ
軸117の中心には、ケーブル通路123が設けられて
いる。ケーブル通路123は、軸取付ボス124からケ
ーブル管119の先端部分120までヒンジ軸117を
貫通するように設けられている。このケーブル通路12
3にはケーブル125が通されている。
【0075】スライド駒131は、実施形態1と同様の
構成であるが、中心部にケーブル管119を通すための
円形の開口部133が設けられている。この開口部13
3の内径は、ケーブル管119の外径よりも十分に大き
く設定されている。
【0076】その他、図10には示されていないが、本
体ケース50およびフリップ52にもケーブル125を
通すための開口部が設けられており、この開口部よりケ
ーブル125が本体ケース50およびフリップ52に導
かれる。
【0077】次に、本実施形態のヒンジ装置111の組
付け順序を説明する。ヒンジ軸117のケーブル管11
9を、スライド駒131の中央穴およびヒンジばね91
に順次はめ込む。この状態で、ヒンジ軸117をヒンジ
本体113に挿入し、ケーブル管119の先端部分12
0をヒンジ本体113底面の開口部115から突き出さ
せる。そして、上記先端部分120の円周溝121にC
型止め輪122を組み付けることにより、ヒンジ装置1
11が完成する。このヒンジ装置111は、実施形態1
と同様にして、本体ケース50およびフリップ52に組
み付けられる。なお、ケーブル125をケーブル通路1
23に通すのは、上記組み付け工程において何時行って
もよい。
【0078】本実施形態のヒンジ装置は、前述の実施形
態1と同様に動作する。本実施形態によれば、ケーブル
125にて、無線機本体の機器とフリップ52に設けら
れた機器を接続することができる。従って、例えば、フ
リップ52にマイクロフォンを設けた構成において、ケ
ーブル配線を容易に行うことができる。
【0079】「実施形態4」図11は、本実施形態のヒ
ンジ装置141の構成を示す断面図である。本実施形態
において、前述の実施形態1と同様の構成については説
明を省略する。
【0080】本実施形態では、ヒンジ本体143が、無
線機本体の本体ケース145と一体に形成されている。
すなわち、ヒンジ本体143は、本体ケース145の取
付台147の壁部149に、ケース内部方向へ突設され
た円柱形状のボスからなる。そして、この円柱ボス形状
のヒンジ本体143には、実施形態1と同様に六角柱を
くりぬいた形状の凹部150が形成されている。凹部1
50の底面の中央には、本体内部に向けて、ばね取付ボ
ス151が突設されている。
【0081】また、ヒンジ軸152は、フリップ153
と一体に形成されている。すなわち、フリップ153に
は、本体ケース145の壁部149と対向するように壁
部155が形成されており、ヒンジ軸152は、この壁
部155に突設された円柱形状のボスからなる。ヒンジ
軸152の端面には、実施形態1と同様の2本の従動ピ
ン83が設けられている。
【0082】次に、本実施形態のヒンジ装置141の組
付け順序を説明する。凹部150のヒンジばね取付ボス
151にヒンジばね91の一端を取り付け、他端をスラ
イド駒85のヒンジばね取付ボス89に取り付ける。そ
して、スライド駒85およびヒンジ軸152を順次、凹
部150に挿入する。フリップ153を図示しない位置
決め手段により、軸方向に位置決めする。
【0083】本実施形態によれば、ヒンジ本体143お
よびヒンジ軸152を、各々本体ケース145およびフ
リップ153と一体化したので、部品点数が減少する。
なお、ヒンジ本体143を本体ケース145と一体化
し、ヒンジ軸152は実施形態1の構成としてもよく、
また、その逆に構成してもよい。
【0084】
【発明の効果】
(1)本発明のヒンジ装置では、ヒンジ本体、ヒンジ
軸、スライド駒および弾性部材を設け、ヒンジ軸とスラ
イド駒の間にカム機構を設けた構成としたので、構造が
簡単であり部品点数も少なくできる。従って小型で低価
格となり、がたつきの発生が少なくなり、生産性および
組付け性が向上する。
【0085】また本発明によれば、本体カバーにばね力
を作用させる弾性部材が、スライド駒を軸方向に付勢す
るように設けられているので、従来技術の板ばねを廃す
ることができる。上記弾性部材は、従来技術の板ばねの
如く他部材と圧接しながら回転する構成ではないので、
弾性部材による他部材の摩耗、変形等を抑えることがで
き、がたつきの発生を回避することができる。
【0086】(2)さらに本発明によれば、カム面の設
定の調整に従い、本体カバーの開角度に応じて、本体カ
バーが開動作または閉動作するので、一種類のカムにて
本体カバーに所望の動作をさせることが容易にできる。
【0087】(3)また本発明では、上記弾性部材とし
てコイルばねを用いることにより、設計計算値と実物実
力値の差を少なくすることができ、また品質ばらつきを
抑えることができるので、ヒンジ装置の性能を向上させ
ることができる。
【0088】(4)また本発明では、上記弾性部材とし
て複数のコイルばねを並列して設けることにより、ばね
の長さを短くできるので、ヒンジ装置をさらに小型化す
ることが可能となる。
【0089】(5)また本発明では、スライド駒の外側
面の形状を多角柱側面形状とし、ガイド部の内側面を上
記多角柱側面形状と係合するように形成することによ
り、簡単かつ製造容易な構造にてスライド駒の回転を抑
制することができるので、製造コストを低減すること可
能となる。
【0090】(6)また本発明では、上記従動部を、ヒ
ンジ軸またはスライド駒の端面に突設した従動ピンとす
ることにより、従動ピンとカム面の摩擦抵抗が低減する
ので、本体カバーを開閉させるときの抵抗力を小さくす
ることができる。
【0091】(7)また本発明では、ヒンジ軸にケーブ
ル通路を設けたことにより、無線機本体と本体カバーの
間にケーブルを導くことができるので、本体カバーに電
気機器等を設けた場合の配線等が容易になる。
【0092】(8)また本発明では、ヒンジ本体または
ヒンジ軸の少なくとも一方を、無線機本体または本体カ
バーと一体に設けたことにより、部品点数が削減し、ま
た組付け作業が容易となるので製造コストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のヒンジ装置を備えた
携帯無線機の斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のヒンジ装置を備えた
携帯無線機の部分断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のヒンジ装置を図2と
垂直方向から見た断面図である。
【図4】 ヒンジ軸の平面図、正面図および底面図であ
る。
【図5】 スライド駒の平面図、正面図および底面図で
ある。
【図6】 スライド駒の端面に設けられた端面カムのカ
ム形状を示す説明図である。
【図7】 図2のヒンジ装置の動作時のカムと従動ピン
の位置関係を示す説明図である。
【図8】 第1実施形態の変形例のヒンジ軸およびスラ
イド駒の形状を示す説明図である。
【図9】 本発明の第2実施形態のヒンジ装置の断面図
である。
【図10】 本発明の第3実施形態のヒンジ装置の断面
図である。
【図11】 本発明の第4実施形態のヒンジ装置の断面
図である。
【図12】 従来のヒンジ装置を携帯無線機に取り付け
た状態を示す断面図である。
【図13】 従来のヒンジ装置の構成を示す側面図であ
る。
【図14】 従来のヒンジ装置のカム形状を示すカム部
の断面図である。
【図15】 従来のヒンジ装置の動作時のカム部と板ば
ねの位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
50 本体ケース、51 取付台、52 フリップ、5
3 ヒンジ装置、63ヒンジ本体、65 ヒンジ本体
筒、67 底面板、77 ヒンジ軸、79 軸部、81
軸取付ボス、83 従動ピン、85 スライド駒、8
9 ばね取付ボス、91 ヒンジばね、93 端面カ
ム。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線機本体に対して本体カバーを開閉可
    能に軸支する携帯無線機のヒンジ装置において、 前記無線機本体または前記本体カバーの一方に回転不能
    に設けられたヒンジ本体と、 前記本体カバーまたは前記無線機本体の他方に回転不能
    に設けられ、前記ヒンジ本体に対して回転自在に軸支さ
    れたヒンジ軸と、 前記ヒンジ本体の中で軸方向にスライド可能に設けられ
    たスライド駒と、 前記ヒンジ本体に設けられ、前記スライド駒を軸方向に
    付勢して前記ヒンジ軸と当接させる弾性部材と、 を含み、 前記ヒンジ軸または前記スライド駒の両当接部の一方に
    カム部が、他方に従動部が設けられ、このカム部は、前
    記本体カバーが開状態および/または閉状態で保持され
    るように前記弾性部材の付勢力を前記ヒンジ軸に伝達す
    る設定のカム面を有することを特徴とする携帯無線機の
    ヒンジ装置。
  2. 【請求項2】 前記カム面は、さらに、前記本体カバー
    の開角度に応じて、前記本体カバーを開動作または閉動
    作させるように前記弾性部材の付勢力を前記ヒンジ軸に
    伝達する設定であることを特徴とする請求項1に記載の
    携帯無線機のヒンジ装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材は、一端を前記ヒンジ本体
    に取り付けられ、他端を前記スライド駒に取り付けられ
    たコイルばねであることを特徴とする請求項1、2のい
    ずれかに記載の携帯無線機のヒンジ装置。
  4. 【請求項4】 前記コイルばねが並列して複数設けられ
    ていることを特徴とする請求項3に記載の携帯無線機の
    ヒンジ装置。
  5. 【請求項5】 前記ヒンジ本体は、前記スライド駒が挿
    嵌されるガイド部を有し、前記スライド駒の外側面の形
    状が多角柱側面形状であり、前記ガイド部の内側面が該
    多角柱側面形状と係合するように形成され、前記スライ
    ド駒の外側面と前記ガイド部の内側面が係合することに
    より前記スライド駒の回転が抑制されることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の携帯無線機のヒンジ
    装置。
  6. 【請求項6】 前記従動部は、前記ヒンジ軸または前記
    スライド駒の端面に突設された従動ピンであることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の携帯無線機の
    ヒンジ装置。
  7. 【請求項7】 前記ヒンジ軸には、前記無線機本体と前
    記本体カバーを接続するケーブルを通すケーブル通路が
    設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の携帯無線機のヒンジ装置。
  8. 【請求項8】 前記ヒンジ本体または前記ヒンジ軸の少
    なくとも一方が、前記無線機本体または前記本体カバー
    と一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載の携帯無線機のヒンジ装置。
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