JPH09282458A - 画像照合装置 - Google Patents

画像照合装置

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JPH09282458A
JPH09282458A JP8096895A JP9689596A JPH09282458A JP H09282458 A JPH09282458 A JP H09282458A JP 8096895 A JP8096895 A JP 8096895A JP 9689596 A JP9689596 A JP 9689596A JP H09282458 A JPH09282458 A JP H09282458A
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JP
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input image
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JP8096895A
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English (en)
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Kozo Kawada
耕三 河田
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Glory Ltd
Original Assignee
Glory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力画像の非剛体変形を効率良く吸収しつつ、
耐ノイズ性に優れた照合を迅速に行うことができる画像
照合装置を提供すること。 【解決手段】指紋画像入力部11が指紋の入力画像を取
り込み、幾何学的歪み補正部12が幾何学的歪みを補正
した後、位置合わせ部13が該入力画像を参照画像記憶
部16にあらかじめ記憶した参照画像と位置合わせを行
う。そして、照合部14では、入力画像の画像中心から
注目ブロックまでの距離に基づいて該注目ブロックの基
準位置を算出し、影響ブロックを変位させつつ入力画像
との相関値を求めて、該相関値が最大となる影響ブロッ
クの変位量を用いて基準位置を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的センサで読
み取った入力画像とあらかじめ登録した参照画像とを比
較して画像の照合を行う画像照合装置に関し、特に、入
力画像の非剛体変形を効率良く吸収しつつ、耐ノイズ性
に優れた照合を迅速に行う画像照合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人の指紋は万人不同及び終生不変
という特質を持つため、この指紋を用いた個人認証技術
がコンピュータセキュリティの重要な基盤技術の一つと
なっている。
【0003】ところで、従来の指紋認証システムでは、
光学系に設けた透明板上に認証対象者の指が押しつけら
れた際に、指紋の凹凸を光の反射係数の変化として光学
的に検出し、検出した入力画像をあらかじめ登録した参
照画像と比較して、指紋の照合を行うことになる。
【0004】そして、この指紋照合を行う代表的な技術
には、入力画像と参照画像をそれぞれ2値化及び細線化
して端点及び分岐点等の特徴点を算出し、算出した特徴
点の一致度、あるいは特徴点付近の画像情報の一致度に
基づいて入力画像と参照画像の照合を行う技術(以下
「特徴点照合技術」という。)がある。
【0005】ところが、実際には、入力画像から指紋に
対応する特徴点を正確に抽出することは非常に難しく、
微分処理や細線化処理等の各種画像処理を駆使する必要
があるため、かかる特徴点抽出処理には多大の時間を要
する。
【0006】このため、特開平5−242227号公報
には、2値化した参照画像からブロック毎に方向データ
を求めておき、この方向データが示す方向以外の橋や亀
裂等を除去した入力画像を作成し、該入力画像をさらに
2値化して特徴点を抽出するよう構成した指紋照合装置
が開示されている。
【0007】すなわち、この従来技術は、方向データが
示す方向以外のデータを入力画像から除くことにより、
ノイズ成分を低減し、上記特徴点照合技術を高精度化し
たものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術を用いた場合には、ノイズ成分が除去できるもの
の、入力画像から指紋の端点及び分岐点等の特徴点を抽
出するという基本的な処理が変わらないため、著しく高
精度化を図ることはできない。
【0009】なぜならば、指紋の凹凸を光の反射係数の
変化として光学的に検出する入力系では、指の密着度や
指表面の状態に応じて潰れやかすれが発生することが多
く、また、指紋の凹凸変化は人によって異なるため、必
ずしも良好な入力画像を得ることができるわけではない
からである。
【0010】このように、この従来技術を用いたとして
も、その照合に多大の処理時間を要し、また、入力画像
の劣化に対して脆弱であるという特徴点抽出技術の特性
を根本的に改善することはできない。
【0011】このため、最近では、入力画像と参照画像
をそれぞれ変形のない画像とみなして両画像の相関を求
め、その相関値を用いて入力画像と参照画像を照合する
技術(以下「相関技術」という。)が登場している。
【0012】しかしながら、実際に指紋を押す場合に
は、指の押し方によって様々な変形が生じるため、かか
る指紋の入力画像には、平行移動及び回転以外に画像の
局所的な変形(以下、変形ない画像を「剛体」と呼び、
変形のある画像を「非剛体」と呼ぶ。)が存在する。
【0013】すなわち、この相関技術では、指紋画像の
非剛体性を考慮していないため、十分な実用的な性能を
得ることができない。
【0014】そこで、本発明では、上記問題点を解決
し、指紋画像の非剛体変形を効率良く吸収しつつ、耐ノ
イズ性に優れた照合を迅速に行うことができる画像照合
装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、光学的センサで読み取った入力画像
とあらかじめ登録した参照画像とをそれぞれ複数のブロ
ックに分割し、対応するブロックの比較結果に基づいて
画像の照合を行う画像照合装置において、前記入力画像
及び参照画像の位相情報に基づいて該入力画像と参照画
像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、前記入力画像
の注目ブロックに対応する前記参照画像上の参照影響ブ
ロックと、前記入力画像の注目ブロックに対応する前記
入力画像上の入力影響ブロックとの相関値に基づいて、
当該注目ブロックのブロック位置を特定するブロック位
置特定手段と、前記ブロック位置特定手段が位置を特定
した入力画像の各ブロックと、前記参照画像の対応する
ブロックとの相関値に基づいて、入力画像と参照画像の
照合度を算出する照合度算出手段とを具備することを特
徴とする。
【0016】また、第2の発明は、前記ブロック位置特
定手段は、入力画像の画像中心から前記注目ブロックま
での距離に基づいて該注目ブロックの基準位置を算出す
る基準位置算出手段と、前記参照影響ブロックを変位さ
せつつ前記入力影響ブロックとの相関値を求め、該相関
値が最大となる影響ブロックの変位量を用いて前記基準
位置算定手段が算定した基準位置を補正する位置補正手
段とを具備することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、
本発明を指紋照合装置に適用した場合について説明す
る。
【0018】図1は、本実施の形態で用いる指紋照合装
置10の構成を示す図である。
【0019】図1に示す指紋照合装置10は、まず最初
に入力画像を変形のない剛体とみなして参照画像との位
置合わせを行った後に、入力画像の各ブロックの位置決
めを行う際に入力画像の非剛体性を吸収して、効率良く
入力画像と参照画像を照合するものである。
【0020】すなわち、指紋画像を剛体とみなして照合
処理を行うこととすると、指を押す際の圧力のばらつき
や、指が入力面に対して斜めに押さた場合の変形等によ
って照合率が低下するため、この指紋照合装置10で
は、かかる変形に対応するように入力画像の各ブロック
を位置決めすることとしている。
【0021】そして、変形を吸収するブロックの位置決
めが終了したならば、入力画像と参照画像の対応するブ
ロック間の相関値に基づいて指紋の照合を行う。
【0022】図1に示すように、この指紋照合装置10
は、指紋画像入力部11と、幾何学的歪み補正部12
と、位置合わせ部13と、基準位置算定部14a、位置
補正部14b及び照合度算定部14cを有する照合部1
4と、参照画像管理部15と、参照画像記憶部16とか
らなる。
【0023】なお、この位置合わせ部13及び照合度算
定部14cは、それぞれ請求項1記載の位置合わせ手段
及び照合度算出手段に対応し、基準位置算定部14a及
び位置補正部14bはそれぞれ請求項2記載の基準位置
算定手段及び位置補正手段に対応する。
【0024】指紋画像入力部11は、指の指紋をプリズ
ムとレンズを介してCCDで光学的に読み取る画像入力
部であり、具体的には、LEDが発光した光はプリズム
を通してプリズム面上の指に照射され、この指で拡散反
射した光の一部がレンズを介してCCDで検出される。
【0025】なお、この指紋画像入力部11が検出した
入力画像又は参照画像は、幾何学的歪み補正部12に出
力される。
【0026】幾何学的歪み補正部12は、入力画像又は
参照画像に含まれる幾何学的歪みを補正する処理部であ
り、具体的には、指とプリズムとの接触面がCCD面に
平行でないために生ずる歪みと中心投影により生ずる歪
み等を除去する処理部である。
【0027】なお、この幾何学的歪み補正部12では、
指紋画像入力部11から参照画像を受け付けた場合には
補正後の参照画像を参照画像管理部15に出力し、また
入力画像を受け付けた場合には、補正後の入力画像を位
置合わせ部13に出力するとともに、併せてキー入力さ
れた識別番号を参照画像管理部15に出力する。
【0028】位置合わせ部13は、入力画像と参照画像
の位相情報だけを用いたマッチドフィルタ(以下「SP
OMF(Symmetric Phase Only Matched Filter)」と
いう。)を用いて両画像の位置合わせを行う処理部であ
る。
【0029】なお、この位置合わせ部13では、幾何学
的歪み補正部12及び参照画像管理部15からそれぞれ
入力画像及び参照画像を受け付けたならば、両画像の位
置合わせを行った後に、この入力画像及び参照画像を照
合部14に出力する。
【0030】このため、参照画像管理部15では、幾何
学的歪み補正部12が入力画像を補正している間に、認
証者の識別情報に基づいて参照画像を特定して、参照画
像記憶部16から取り出すことになる。
【0031】照合部14は、各ブロック内については剛
体とみなして変形が存在しないものとし、該入力画像の
変形すなわち非剛体性についてはブロック間の位置関係
で吸収するよう位置決めを行い、その後入力画像と参照
画像の対応するブロック間の相関値に基づいて両画像を
照合する処理部である。
【0032】すなわち、この照合部14では、入力画像
に変形がある場合であっても、この変形を吸収するよう
に入力画像の各ブロックを配置することにより、かかる
変形に対応しつつ指紋の照合を行っている。
【0033】具体的には、まず入力画像に変形が存在し
ないと考えた場合の各ブロックの位置(以下「基準位
置」という。)を算定した後、入力画像の中央部に位置
するブロックから周辺に位置するブロックに順次波紋が
広がるように位置補正を繰り返す。
【0034】すなわち、入力画像のある注目ブロックの
位置補正を行う場合には、この注目ブロックよりも画像
の中央部に近い複数のブロック(以下「影響ブロック」
という。)を参酌して注目ブロックの基準位置を補正す
ることになる。
【0035】すなわち、この照合部14は、入力画像の
中央部に近いブロックほど精度良く参照画像に対応し、
周辺部に位置するブロックほど変形が大きいという点に
着目し、より中央部に近い影響ブロックの位置を考慮し
つつ各ブロックの位置補正を行っている。
【0036】そして、この照合部14は、基準位置算定
部14aと、位置補正部14bと、照合度算出部14c
とからなる。
【0037】基準位置算定部14aは、入力画像に変形
がないとした場合の各ブロックの基準位置を算定する処
理部であり、具体的には、あるブロックの中心画素から
該ブロックに4連接する隣接ブロックの中央部までの距
離を一定とみなして、中央部に位置するブロックの中心
部を画像全体の基準点として各ブロックの基準位置を算
定する。
【0038】位置補正部14bは、入力画像の各ブロッ
クの基準位置を画像変形に追従するよう補正することに
より、画像の非剛体性を吸収する処理部であり、具体的
には、ある注目ブロックの位置補正を行う場合には、該
注目ブロックよりも中心ブロックよりに位置する影響ブ
ロックを考慮して、該注目ブロックの基準位置の補正量
を求める。
【0039】照合度算出部14cは、位置補正部14b
により特定される入力画像の各ブロックと、参照画像の
対応するブロックとの相関係数をそれぞれ求め、その平
均値を照合度として算出する処理部である。
【0040】すなわち、上記位置補正部14bの位置補
正によって入力画像の非剛体性を吸収した後に、この照
合度算出部14cによりブロック間の照合度を求めてい
るのである。
【0041】参照画像管理部15は、入力画像の比較対
象となる参照画像を参照画像記憶部16を用いて管理す
る管理部であり、具体的には、幾何学的歪み補正部12
から参照画像を受け付けたならば、該参照画像を識別番
号と対応づけて参照画像記憶部16に登録し、またイン
ターフェース部から識別番号のみを受け付けたならば、
該識別番号に対応する参照画像を参照画像記憶部16か
ら取り出して位置合わせ部13に出力する。
【0042】このように、上記構成を有する指紋照合装
置10は、入力画像のブロック位置を特定する際に入力
画像に生じた変形を除去し、該変形を除去した入力画像
と参照画像を相関係数を用いて照合するよう構成してい
る。
【0043】次に、図1に示す指紋照合装置10の各部
の構成及び処理について具体的に説明する。
【0044】(1) 指紋画像入力部11の構成及び処
理について 図2は、図1に示す指紋画像入力部11の具体的構成を
示す図である。
【0045】図2に示すように、この指紋画像入力部1
1では、LED21a及び21bが発光した光をプリズ
ム22を介して指20に照射し、その反射光をレンズ2
3で集光してCCD24で検知する。
【0046】すなわち、指20がプリズム面と接触する
部分においては光が拡散反射し、接触していない部分に
おいては、その光が指20とプリズム22の間の空気中
に出るため、この光はスネルの法則に従って空間25に
は到達しない。したがって、かかる空間25内にレンズ
23及びCCD24を配置して、指紋の凹凸情報を入力
画像として入手している。
【0047】ところが、かかる入力方式を用いた場合に
は、指20とプリズム22との接触面がCCD24と平
行でないために投影歪みが発生するとともに、さらにレ
ンズ23の収差に起因してレンズ歪みが発生する。この
ため、かかる2種類の幾何学的歪みを許容すると、正方
形のパターンは台形に投影され、直線は曲線に歪んで画
像化されることになる。
【0048】なお、最近では、ファイバーオプティック
プレートセンサ(FOP)に代表される2種類の幾何学
的歪みを解消する技術も有るが、費用対効果の観点から
本実施の形態の対象外としている。
【0049】(2) 幾何学的歪み補正部12の処理に
ついて まず、この幾何学的歪みを補正するためには、指と接す
るプリズム平面上の領域と画像平面とを対応づける必要
がある。このため、個々の位置を明確化するためにマー
ク(基準点)を2次元的に繰り返し並べたキャリブレー
ションパターンが用いられる。
【0050】なお、このマークとしては、図3(a)に
示す円や図3(b)に示す千鳥格子が使用されることが
多いが、本実施の形態では加工が容易な図3(c)に示
す十文字状をマークとするキャリブレーションパターン
を採用することとした。ただし、パターン間隔は1mm
でその精度は10μm以下とする。
【0051】そして、このマークの画像平面上の位置は
垂直方向の直線と水平方向の直線との交点座標として検
出されるが、すでに説明したようにレンズ歪みが存在す
るため正確には直線とならない。このため、探索領域を
数パターン間隔程度にすることにより、該探索領域内で
は直線とみなしている。
【0052】なお、かかるマークを用いた場合には、射
影による直線検出技術を用いることが適当であるため、
本実施の形態では、探索領域内においてある角度方向に
射影をとり、該射影の各点近傍でのピークの鋭さを評価
するとともに、想定される角度範囲内でかかる処理を行
い、その最大点とそのときの角度から直線を推定するこ
ととした。
【0053】このようにして、指と接するプリズム平面
上の位置と画像平面とを対応づけることができるため、
次に幾何学的歪みをモデル化してそのパラメータを求め
る必要がある。
【0054】まず、投影歪みとレンズ歪みを区別するた
めに、2種類の座標系を設定する。第1の座標系はレン
ズ歪みがないと仮定したときのピンホールカメラモデル
での架空の画像座標系であり、この座標系の座標原点を
0とし、単位ベクトルをei(i=1,2,3)とし、
座標値を(x,y)とする。なお、実際の画像座標系も
ピンホールカメラ座標系と同一のものであるが、その座
標系としては(u,v)を用いる。
【0055】一方、第2の座標系は、指と接するプリズ
ム平面上での座標系であり、この座標系の座標原点を
0’とし、単位ベクトルをe’i (i=1,2,3)と
し、座標値を(X,Y)とする。
【0056】図4は、上記第1の座標系と第2の座標系
の対応関係を示す図である。
【0057】図4に示すように、プリズム平面上の点P
(X,Y)とピンホールカメラ画像平面上の点Q(x,
y)とが対応し、画像平面は原点0からe3 方向に焦点
距離fだけ離れているとし、第2座標系の原点0’が第
1座標系の(x0,y0,z0)の位置にあるとすると、 0P = 00’+0’P = x0e1+y0e2+z0e3+Xe1’+Ye2’ となる。
【0058】ここで、 e1 =(1,0,0)^t、 e2 =(0,1,0)^t、 e3 =(0,0,1)^t、 e1’=(R11,R12,R13)^t、 e2’=(R21,R22,R23)^t、 e3’=(R31,R32,R33)^t とすると、結局、第1座標系での表現における点Pの座
標は、 0P =(x0+XR11+YR21,y0+XR12+YR2
2,z0+XR13+YR23)^t となる。ただし、”^t”は転置行列を示すものとす
る。
【0059】したがって、第1座標系での表現における
点Qの座標は、 0Q=(f((x0+XR11+YR21)/(z0+XR13
+YR23)),f((y0+XR12+YR22)/(z0+
XR13+YR23)),f)^t となり、OQの第1成分と第2成分がそれぞれ(x,
y)と等しいことになる。
【0060】ここで、fの値はこの2つの成分に影響を
与えないので’1’とし、また、それらの成分は分母分
子の定数倍に影響を受けないのでz0 =1とする。これ
により、Rijは、すでに単位ベクトルの成分であるとい
うものではなく、また、x0及びy0もz0 に対する相対
的な意味しか持たない。
【0061】そこで、記法を簡略化するためにこれらの
パラメータをbi とおくことにより、 x=(b3+b1X+b2Y)/(1+b7X+b8Y) y=(b6+b4X+b5Y)/(1+b7X+b8Y) という拘束式が得られる。
【0062】次に、レンズ歪みは一般に下記の如くモデ
ル化される。
【0063】x(u,v) = u’+u’(k1γ^2
+k2γ^4)+(p1u’+p2v’+p3u’v’+p4
v^2) y(u,v) = v’+v’(k1γ^2+k2γ^4)+
(p5u’+p6v’+p7u’v’+p8v^2) ただし、γ^2 = (u’^2+v’^2)/f^2 u’ = u+u0 v’ = v+v0 とし、’^’はべき乗を示すものとする。
【0064】ここで、記法を簡略化するために、パラメ
ータu0、v0、k1、k2、p1、p2、…、p8 をai
(i=1、2、…、12)とし、これらをまとめてベク
トルaとして表現すると、 x(u,v;a)−x =0 y(u,v;a)−y =0 というレンズ歪みの拘束式が得られる。
【0065】次に、パラメータa及びbは、画像から検
出されたデータとモデルが一致するように最小2乗法を
適用して求める。まず、投影歪みの拘束式を変形する
と、 Ab = x となる。ここで、 A=((X,Y,1,0,0,0,−Xx−Yx),
(0,0,0,X,Y,1,−Xy−Yy)) b=(b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7,b8)^t x=(x,y)^t とする。
【0066】この式は、一対の対応点についての拘束式
であるから、これをN個縦に並べたものをあらためて
A,xとすると、2N×8の行列A、要素数8のベクト
ルb及び要素数2Nのベクトルxが得られ、これをbに
ついて解くことになる。なお、この数値解法としては、
修正グラム−シュミット法など各種の手法を適用するこ
とができる。
【0067】次に、レンズ歪みのパラメータを求める。
上記レンズ歪みの拘束式は非線形方程式であるため、こ
れを初期値の近傍で線形化して最小2乗法を繰り返し適
用する。ただし、初回の初期値はa=0とする。
【0068】なお、最小2乗法の収束を判定するために
は、画像座標(u,v)を計算する必要があるため、ニ
ュートン法などの数値解法を用いて連立非線形方程式を
解く必要がある。
【0069】このようにして、幾何学的歪みをモデル化
してそのパラメータを求めることができる。
【0070】なお、図5は、キャリブレーションパター
ンの原画像を示す図であり、同図に示すように、幾何学
的歪みが存在する場合には、この幾何学的歪みの影響に
よって各格子が台形状に変形する。
【0071】これに対して、図6は、図5に示すキャリ
ブレーションパターンに上記歪み補正を行った結果を示
す図であり、同図に示すように台形状の各格子が矩形格
子に変換されている。このように、同図のものは投影歪
みが除去されていることは明らかであり、またこの投影
歪みのみならずレンズ歪みについても除去されている。
【0072】(3) 位置合わせ部13の処理について 剛体画像間の位置合わせの代表的な技術として、画像の
エッジ等の特徴部分を用いるハフ変換法等があるが、指
紋画像にはエッジが至る所に存在するため、かかるハフ
変換法等には処理時間が遅延するという欠点がある。
【0073】このため、本実施の形態では、剛体画像間
の相関を用いて位置合わせを行う相関法を採用してい
る。
【0074】ところが、この相関法には、2つの画像間
に大きな位置ずれが存在する場合に探索空間が大きくな
り、計算コストが累増するという欠点がある。
【0075】そして、指紋画像の場合には、利用者の指
の太さは性別、年齢及び体格によってばらつきがあるた
め、一番指が太い利用者に合わせて装置を設計する必要
があり、また同じ利用者であっても、爪の伸び具合い等
にばらつきがあるため、いきおい探索空間が大きくな
る。
【0076】このため、本実施の形態では、参照画像の
サイズ及び探索空間がともに大きな場合に有効なマッチ
ドフィルタ(MF:Matched Filter)、特に本実施の形
態では、できるだけ正確な位置合わせを実現するため、
位相情報だけを用いたSPOMFを採用している。な
お、このマッチドフィルタとは、フーリエ変換を用いて
相関法と同様の処理を実行するものである。
【0077】具体的には、入力画像をf、参照画像をg
とした場合には、 F’=F/|F|、 G’=G/|G| となる。ここで、大文字記号は小文字記号のフーリエ変
換を意味し、スペクトルの位相情報をそれぞれF’及び
G’とする。
【0078】そして、入力画像fが参照画像gに対して
(x0,y0)だけ平行移動したものであれば、 F(u,v)=exp{−i(x0u+y0v)}G
(u,v) となるから、SPOMFの出力hは、 h(x,y)=F^-1[F’G’] =F^-1[e^(−i(x0u+y0v)] =δ(x0,y0) となる。ただし、”F^-1”は、逆フーリエ変換を示す
ものとする。
【0079】すなわち、この場合の相関出力hはデルタ
関数となるため、真の位置にシャープな相関ピークが得
られ、位置合わせを高い精度で行えることになる。
【0080】これに対して、振幅情報も考慮したマッチ
ドフィルタを用いた場合には、相関出力hが自己相関関
数となり、シャープな相関ピークが得られないため、位
置合わせ精度が低下する。
【0081】なお、このSPOMFを実装する場合に
は、離散フーリエ変換を用いることとなるが、この離散
フーリエ変換では画像が周期的であることを前提として
いるため、画像端の非連続性が相関値に影響を与えるこ
とになる。
【0082】このため、本実施の形態では、フーリエ変
換を行う前に画像に窓関数を掛けて、画像端の影響を低
減するよう構成している。
【0083】(4) 照合部14の処理について この照合部14では、指を指紋照合装置に押すときの圧
力のバラツキにより、指紋領域の端部で画像に現れたり
現れなかったりする部分と、指の角度や押す方向が斜め
向きである場合に生ずる入力画像の変形を吸収しつつ、
入力画像と参照画像を照合する。
【0084】すなわち、前者の問題については、あるブ
ロックに注目する際に、該ブロックが入力画像及び参照
画像の両方の指紋領域に存在する場合のみを考慮するこ
とにより対応し、後者の問題については、画像全体が変
形していたとしてもその変形量が少ない場合には、各ブ
ロック内を剛体とみなし画像の変形についてはブロック
間の処理で吸収するよう構成している。
【0085】したがって、本実施の形態では、入力画像
の各ブロック内には変形がなく、ブロック間にのみ変形
が存在するものとしているのである。
【0086】具体的には、上記位置合わせ部13がSP
OMFの窓関数を使って画像中央付近において入力画像
のブロック(以下「入力ブロック」という。)と参照画
像のブロック(以下「参照ブロック」という。)とが精
度良く対応づけられるため、まず最初に画像中央付近の
ブロックから照合処理を開始する。
【0087】そして、入力ブロックと参照ブロックを照
合する際には、相関係数を算定して照合度とするが、具
体的には、参照ブロックを数画素ずらしながら逐次入力
ブロックとの相関係数を算出し、その相関係数の最大値
を当該ブロックのブロック照合度とする。
【0088】すなわち、入力画像が剛体でない場合に
は、対応する入力ブロック及び参照ブロックが位置ずれ
を起こしていると考え、参照ブロックを数画素ずらしな
がら妥当な入力ブロック位置を求めるのである。
【0089】そして、画像中央付近のブロックから順次
周辺部のブロックへとかかる照合処理を進め、各入力ブ
ロックの位置決めを行いつつブロック照合度を求めるこ
ととなる。
【0090】ただし、画像中央付近に位置するブロック
以外のブロックについては、注目ブロックよりも画像中
央部に近い複数の影響ブロックを考慮してブロックの位
置決めを行う。具体的には、各影響ブロックについての
後述するブロック相関画像を重ねて、その最大点を注目
ブロックの位置とする。
【0091】そして、このようにして各ブロックのブロ
ック照合度を求めたならば、各ブロック照合度の平均値
を求めて指紋画像の照合度とし、この照合度をあらかじ
め設定したしきい値と比較して、本人か否かを判定す
る。
【0092】次に、この照合部14の処理を具体例を用
いてさらに詳細に説明する。
【0093】図7は、図1に示す照合部14の処理概念
を示す図である。なおここでは、各ブロック間の距離は
縦横ともにdだけ離隔するものとし、各ブロックを
[i,j]で表し、指標i,jのうちその絶対値の大き
な方を中央ブロックからの距離とする。ただし、必ずし
もd=wである必要はない。
【0094】図7に示すように、この照合部14では、
まず最初に、基準位置算定部14aが参照画像を大きさ
w×wのブロックに分割した後、各ブロックの基準位置
を算定する。
【0095】まず、中央ブロック[0,0]の基準位置
は入力画像の中心とし、左隣ブロック[−1,0]の基
準位置は入力画像の中心から距離dだけ左とする。同様
にして中央ブロック[0,0]から’1’の距離にある
各ブロックの基準位置が決定される。
【0096】また、中央ブロック[0,0]の2つ左隣
に位置するブロック[−2,0]は、入力画像の中心か
ら距離2dだけ左に位置するため、このブロックの基準
位置p0([−2,0])は、 p0([−2,0])=(−2d,0) となる。同様にして、この基準位置算定部14aでは、
入力画像の各ブロックの基準位置を算定する。
【0097】次に、位置補正部14bは、影響ブロック
のブロック相関画像を用いて補正量を算定する。
【0098】ここで、この影響ブロックとは、注目ブロ
ックの位置ずれに関連があるブロックを意味し、例えば
ブロック7aが注目ブロックである場合には、ブロック
7b、7c、7d、7e、7f及び7gが影響ブロック
となる。
【0099】なお、注目ブロックが[−2,0]である
場合に、該注目ブロックの影響ブロックをI([−2,
0])で示し、この影響ブロックの集合を I([−2,0])={[−1,−1],[0,−
1],[−1,0] [0,0],[−1,1],[0,1]} で示すものとする。
【0100】すなわち、この注目ブロック7aが基準位
置から位置ずれを起こしているということは、当該ブロ
ック7aと画像中心の間に位置する上記各ブロックが同
様の位置ずれを起こしていると考えることができるた
め、注目ブロックと画像中心の間に位置する上記ブロッ
クを影響ブロックとしたのである。
【0101】また、ブロック相関画像とは、参照画像の
上記影響ブロックを上下左右斜めに数画素ずらした場合
の入力画像との相関係数を示すデータであり、具体的に
は、あるブロックに注目した場合には、この参照画像の
ブロックの位置決めに影響を及ぼす影響ブロックをそれ
ぞれ8方向にずらした場合を含めて9個のブロック相関
係数が得られることになる。
【0102】そして、位置補正部14bでは、注目ブロ
ックの補正量を求める際に、 U(u,v;[i,j])= Σ[k,l] C(u,v;
[k,l]) の算定式に基づいて、影響ブロックの相関係数の総和を
求める。ただし、[k,l]はI([i,j])に属す
る。
【0103】これにより、9個の影響ブロックの相関係
数の和が得られるため、これらを比較してその値が最大
となるu,vを求め、このu’=(u,v)を注目ブロ
ックの補正量とする。
【0104】その後、この位置補正部14bでは、 p([i,j])=p0([i,j])+u’ の算定式により、注目ブロック[i,j]の正確なブロ
ック位置を求めることになる。
【0105】なお、このようにして注目ブロック[−
2,0]の正確なブロック位置を求めたならば、その後
この注目ブロックが他の注目ブロックの影響ブロックと
なるため、このブロックの相関係数を求めて上記ブロッ
ク相関画像に格納する。
【0106】その後、中央ブロックの2つ右隣りに位置
するブロック[2,0]、中央ブロックの2つ上隣りに
位置するブロック[0,−2]、中央ブロックの2つ下
に位置するブロック[0,2]について順次正確なブロ
ック位置を求めた後に、それぞれブロックの相関係数を
ブロック相関画像に格納する。
【0107】このように、中央ブロックを基準として、
波紋が広がるように順次正確なブロック位置を求めてゆ
くわけであるが、各注目ブロックの正確なブロック位置
を求めるためには、いかに影響ブロックを選択するかが
重要となる。
【0108】このため、本実施の形態では、注目ブロッ
クの近傍に位置し、該注目ブロックと中央ブロックに間
に位置する複数のブロックを影響ブロックとして選択
し、ブロック間の位置ずれを中央から順次再帰的に補正
することとした。
【0109】図8は、注目ブロックと影響ブロックの対
応関係の一例を示す図であり、同図(a)に示すよう
に、注目ブロックが[−2,0]である場合には、 I([−2,0])={[−1,−1],[0,−
1],[−1,0] [0,0],[−1,1],[0,1]} となり、同図(b)に示すように、注目ブロックが[−
2,−1]である場合には、 I([−2,−1])={[−1,−1],[0,−
1],[−1,0] [0,0],[−1,1],[0,1],[−2,
0]} となる。
【0110】すなわち、この注目ブロック[−2,−
1]の正確なブロック位置を求める際には、このブロッ
ク以前に求めた[−2,0]の正確なブロック位置及び
該ブロックの相関係数を利用することとなる。
【0111】さらに、同図(c)に示すように、注目ブ
ロックが[−2,−2]である場合には、 I([−2,−2])={[−1,−1],[0,−
1],[−1,0] [0,0],[−2,0],[−2,−1],[0,−
2],[−1,−2]} となる。
【0112】すなわち、この注目ブロック[−2,−
2]の正確なブロック位置を求める際には、このブロッ
ク以前に求めた[−2,0]、[−2,−1]、[0,
−2]、及び[−1,−2]の正確なブロック位置及び
該ブロックの相関係数を利用することとなる。
【0113】そして、このような処理を繰り返して、画
像全体について各ブロックの正確な位置と相関係数を求
めたならば、照合度算定部14cが各ブロックの相関係
数の平均値を求めて、求めた平均値を画像の照合度とす
る。
【0114】そして、この画像の照合度が所定のしきい
値以上であれば、該指紋を持つ者を本人であると認識
し、この照合度がしきい値未満である場合には、本人で
ないと認識する。
【0115】次に、上記一連の処理で用いるブロック相
関係数について具体的に説明する。
【0116】ここで、入力画像及び参照画像をそれぞれ
f(x,y)及びg(x,y)とし、参照画像の各ブロ
ック[i,j]について、そのブロック中心が画像原点
となるように座標変換を行った画像をgi,j(x,y)
とする。
【0117】そして、各ブロックの入力画像上の基準位
置が画像原点となるように座標変換を行った画像をfi,
j(x,y)とすると、ブロック相関係数C(u,v;
[i,j])は、 となる。
【0118】ただし、fi,j(x−u,y−v)は、f
i,j(x,y)を(u,v)だけ平行移動させた画像で
あり、Wはブロックの領域を示す。
【0119】また、 とする。
【0120】以上、図1に示す各部の構成及び処理につ
いて具体的に説明した。
【0121】次に、図1に示す指紋照合装置10の処理
手順について説明する。ただし、ここでは説明の便宜
上、指紋の照合対象となる参照画像の登録と指紋の照合
を引き続いて行う場合について説明する。
【0122】図9は、図1に示す指紋照合装置10の処
理手順を示すフローチャートである。
【0123】図9に示すように、この指紋照合装置10
では、まず最初に照合対象となる指紋の参照画像を登録
する。具体的には、まず最初に登録者が識別番号を入力
して指紋画像入力部11のプリズム面上に指を置いたな
らば、指紋画像入力部11が指紋に対応する参照画像を
読み取り(ステップ901)、幾何学的歪み補正部12
がこの参照画像から幾何学的歪みを除去する(ステップ
902)。そして、参照画像管理部15は、かかる歪み
を除去した参照画像を識別番号と対応づけて参照画像記
憶部16に登録する(ステップ903)。すなわち、上
記ステップ901〜903の処理(登録モードの処理)
を行うことにより、指紋の登録が完了する。
【0124】その後、この指紋照合装置10に対して識
別番号を入力して指が押されたならば、指紋画像入力部
11が入力画像を読み取り(ステップ904)、幾何学
的歪み補正部12が参照画像と同様に幾何学的歪みを補
正する(ステップ905)。
【0125】次に、位置合わせ部13は、参照画像管理
部15が識別番号に基づいて参照画像記憶部16から取
り出した参照画像と、幾何学的歪み補正部12から受け
取った入力画像との位置合わせを行い(ステップ90
6)、両画像を照合部14に出力する。
【0126】そして、基準位置算定部14aが入力画像
の各ブロックの基準位置を算出した後、該基準位置を位
置補正部14bが補正することにより、入力画像に生ず
る変形を吸収する(ステップ907)。
【0127】その後、変形を吸収した入力画像と参照画
像の各ブロック間のブロック相関係数の平均値を求め
て、これを画像の照合度とし、この照合度が所定のしき
い値以上であるか否かに応じて指紋の照合を行う(ステ
ップ908)。
【0128】そして、引き続き新たな指紋の入力がある
場合には、ステップ904に移行してステップ904〜
908の照合モードの処理を繰り返し、指紋入力がなけ
れば処理を終了する(ステップ909)。
【0129】なお、ここでは説明の便宜上、登録モード
の処理と照合モードの処理を連続して行う場合について
説明したが、実際には前もって登録モードの処理が行わ
れた後に、必要に応じて逐次照合モードの処理が繰り返
されることになる。
【0130】次に、図9に示す登録モードの処理手順を
さらに具体的に説明する。
【0131】図10は、図9に示す登録モードの具体的
な処理手順を示すフローチャートである。
【0132】図10に示すように、まず最初に画像読み
取り回数を示す変数kを初期設定した後に(ステップ1
001)、幾何学的歪み補正を行うためにレンズ歪み及
び投影歪みのパラメータからなる補正パラメータを読み
込む(ステップ1002)。
【0133】そして、指紋画像入力部11が認証者の指
を感知したならば(ステップ1003)、そのパワーが
最大となる画像から幾何学的歪みを除去した画像を第k
番目の画像として読み取る(ステップ1004〜100
6)。
【0134】そして、変数kをインクリメントした後に
(ステップ1007)、上記ステップ1003〜100
6の処理を繰り返し、この変数kの値が4以上となった
時点すなわち4枚の補正画像を得た後に(ステップ10
08)、第1番目〜第4番目の各画像の総当たりの相関
計算を行い、平均的相関値が最大となる補正画像を参照
画像として登録する(ステップ1009)。
【0135】すなわち、この参照画像は、入力画像と照
合を行うための比較対象となる基準画像であり、できる
だけ良好な画像を得ることが望ましいため、本実施の形
態では4枚の画像を取り込み、そのうち最も良い画像を
参照画像として選択する処理を行っている。
【0136】次に、図9に示す照合モードの処理手順を
さらに具体的に説明する。
【0137】図11は、図9に示す照合モードの具体的
な処理手順を示すフローチャートである。
【0138】図11に示すように、まず最初に識別番号
が入力されたならば(ステップ1101)、参照画像管
理部15が該識別番号に対応する参照画像データを参照
画像記憶部16から取り出し、位置合わせ部13に対し
て出力する(ステップ1102)。
【0139】そして、この位置合わせ部13では、この
参照画像の位相成分を示す参照位相画像と、参照ブロッ
クの有効性と、参照ブロックの平均及び分散を計算し
て、位置合わせ準備を行う(ステップ1103)。
【0140】次に、押されている指の指紋画像を入力し
(ステップ1104〜1105)、この指紋画像の幾何
学的歪みを計算して該幾何学的歪みを除去した後に(ス
テップ1106)、入力位相画像を計算して(ステップ
1107)、参照位相画像との間の位相相関に基づいて
位置合わせを行う(ステップ1108)。
【0141】その結果、入力画像に変形が少ない場合に
は、この位置合わせのみによって照合が可能となるため
ステップ1114に移行し(ステップ1109)、また
ある程度の変形が存在する場合には、入力ブロックの有
効性を計算した後(ステップ1110)に、入力画像の
各ブロックの位置決め及びブロック相関係数を算定する
(ステップ1111)。
【0142】そして、かかる計算が所定時間内に終了し
ない場合以外は(ステップ1113)、ブロック相関係
数の平均値に基づいて指紋の照合を行う(ステップ11
14)。
【0143】なお、新たな指紋入力が有る場合には、引
き続き照合処理を続行するためにステップ1104に移
行し、指紋入力がない場合には処理を終了する(ステッ
プ1115)。
【0144】このように、この照合モードでは、入力画
像に生ずる変形をブロックの位置決めにより吸収した後
に、入力画像と参照画像のブロック相関係数に基づいて
指紋の照合を行っている。
【0145】次に、図1に示す位置合わせ部13の処理
の流れについて説明する。
【0146】図12は、図1に示す位置合わせ部13の
処理の流れを示す図であり、同図に示す示すように、こ
の位置合わせ部13では、入力画像及び参照画像に対し
てそれぞれ窓関数を掛けて、画像中央部を強調した後
に、各画像をそれぞれフーリエ変換して位相成分を抽出
し、参照画像についてはさらに複素共役を算出する。
【0147】そして、両画像の位相成分の積をとり、こ
れをフーリエ逆変換することにより最大位置を算出す
る。
【0148】次に、図1に示す照合部14の処理の流れ
について説明する。
【0149】図13は、図1に示す照合部14の処理の
流れを示す図であり、同図に示すように、この照合部1
4では、まず最初に入力画像及び参照画像をそれぞれ複
数のブロックにブロック分割し、有効ブロックを検出す
る。
【0150】そして、画像中心に近いブロックから順序
づけを行った後に注目ブロックのブロック位置を該注目
ブロックよりも中心に近いブロックの相関係数から予測
し、予測位置近傍の最大相関係数を算定する。
【0151】その後、各有効ブロックについて入力画像
と参照画像の相関係数の平均値を求め、求めた平均値が
所定のしきい値以上である場合には本人として認識し、
それ以外の場合には本人ではないと認識する。
【0152】上述してきたように、本実施の形態では、
指紋画像入力部11が指紋の入力画像を取り込み、幾何
学的歪み補正部12が幾何学的歪みを補正した後、位置
合わせ部13が該入力画像を参照画像記憶部16にあら
かじめ記憶した参照画像と位置合わせを行う。そして、
照合部14では、入力画像の画像中心から注目ブロック
までの距離に基づいて該注目ブロックの基準位置を算出
し、影響ブロックを変位させつつ入力画像との相関値を
求めて、該相関値が最大となる影響ブロックの変位量を
用いて基準位置を補正するよう構成したので、指紋画像
に生ずる平行移動及び回転以外の局所的な変形すなわち
非剛体変形を効率良く吸収しつつ、耐ノイズ性に優れた
照合処理を迅速に行うことができる。
【0153】なお、本実施の形態では、本発明を指紋照
合装置に適用する場合について説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、入力画像に非剛体変形を
伴う各種画像処理装置に適用することが可能である。
【0154】
【発明の効果】上記目的を達成するため、第1の発明
は、入力画像及び参照画像の位相情報に基づいて該入力
画像と参照画像の位置合わせを行った後に、入力画像の
注目ブロックに対応する参照画像上の参照影響ブロック
と、入力画像の注目ブロックに対応する入力画像上の入
力影響ブロックとの相関値に基づいて当該注目ブロック
のブロック位置を特定し、特定した入力画像の各ブロッ
クと参照画像の対応するブロックとの相関値に基づい
て、入力画像と参照画像の照合度を算出するよう構成し
たので、下記に示す効果が得られる。
【0155】1)入力画像に生ずる平行移動及び回転以
外の局所的な変形すなわち非剛体変形を効率良く吸収す
ることが可能となる。
【0156】2)耐ノイズ性を向上し、照合率を上げる
ことが可能となる。
【0157】また、第2の発明は、入力画像の所定の基
準画素から前記注目ブロックの中心までの距離に基づい
て該注目ブロックの基準位置を算出し、影響ブロックを
変位させつつ前記入力画像との相関値を求め、該相関値
が最大となる影響ブロックの変位量を用いて基準位置を
補正するよう構成したので、一般の対応問題を解く場合
のような組み合わせの最適化問題を回避でき、迅速な照
合処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で用いる指紋照合装置の構成を示
す図。
【図2】図1に示す指紋画像入力部の具体的構成を示す
図。
【図3】図1に示す幾何学的歪み補正部が用いるマーク
を示す図。
【図4】図1に示す幾何学的歪み補正部が用いる2つの
座標系の対応関係を示す図。
【図5】キャリブレーションパターンの原画像を示す
図。
【図6】図5に示す原画像から幾何学的歪みを除去した
後のキャリブレーションパターンを示す図。
【図7】図1に示す照合部の処理概念を示す図。
【図8】注目ブロックと影響ブロックの対応関係の一例
を示す図。
【図9】図1に示す指紋照合装置の処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図10】図9に示す登録モードの具体的な処理手順を
示すフローチャート。
【図11】図9に示す照合モードの具体的な処理手順を
示すフローチャート。
【図12】図1に示す位置合わせ部の処理の流れを示す
図。
【図13】図1に示す照合部の処理の流れを示す図。
【符号の説明】
10…指紋照合装置、 11…指紋画像入力部、12…
幾何学的歪み補正部、 13…位置合わせ部、 14…
照合部、14a…基準位置算定部、 14b…位置補正
部、14c…照合度算定部、 15…参照画像管理部、
16…参照画像記憶部、20…指、 21a,21b…
LED、 22…プリズム、23…レンズ、 24…C
CD、 25…空間、7a,7b,7c,7d,7e,
7f,7g…ブロック
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態で用いる指紋照合装置の構成を示
す図。
【図2】図1に示す指紋画像入力部の具体的構成を示す
図。
【図3】図1に示す幾何学的歪み補正部が用いるマーク
を示す図。
【図4】図1に示す幾何学的歪み補正部が用いる2つの
座標系の対応関係を示す図。
【図5】キャリブレーションパターンをディスプレイ上
に表示した中間調画像を示す写真。
【図6】図5に示す画像から幾何学的歪みを除去した後
のキャリブレーションパターンをディスプレイ上に表示
した中間調画像を示す写真。
【図7】図1に示す照合部の処理概念を示す図。
【図8】注目ブロックと影響ブロックの対応関係の一例
を示す図。
【図9】図1に示す指紋照合装置の処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図10】図9に示す登録モードの具体的な処理手順を
示すフローチャート。
【図11】図9に示す照合モードの具体的な処理手順を
示すフローチャート。
【図12】図1に示す位置合わせ部の処理の流れを示す
図。
【図13】図1に示す照合部の処理の流れを示す図。
【符号の説明】 10…指紋照合装置、 11…指紋画像入力部、12…
幾何学的歪み補正部、 13…位置合わせ部、 14…
照合部、14a…基準位置算定部、 14b…位置補正
部、14c…照合度算定部、 15…参照画像管理部、
16…参照画像記憶部、20…指、 21a,21b…
LED、 22…プリズム、23…レンズ、 24…C
CD、 25…空間、7a,7b,7c,7d,7e,
7f,7g…ブロック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的センサで読み取った入力画像とあ
    らかじめ登録した参照画像とをそれぞれ複数のブロック
    に分割し、対応するブロックの比較結果に基づいて画像
    の照合を行う画像照合装置において、 前記入力画像及び参照画像の位相情報に基づいて該入力
    画像と参照画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、 前記入力画像の注目ブロックに対応する前記参照画像上
    の影響ブロックと、前記入力画像の注目ブロックに対応
    する前記入力画像上の入力影響ブロックとの相関値に基
    づいて、当該注目ブロックのブロック位置を特定するブ
    ロック位置特定手段と、 前記ブロック位置特定手段が位置を特定した入力画像の
    各ブロックと、前記参照画像の対応するブロックとの相
    関値に基づいて、入力画像と参照画像の照合度を算出す
    る照合度算出手段とを具備することを特徴とする画像照
    合装置。
  2. 【請求項2】 前記ブロック位置特定手段は、 入力画像の画像中心から前記注目ブロックまでの距離に
    基づいて該注目ブロックの基準位置を算出する基準位置
    算出手段と、 前記参照影響ブロックを変位させつつ前記入力影響ブロ
    ックとの相関値を求め、該相関値が最大となる変位量を
    用いて前記基準位置算定手段が算定した基準位置を補正
    する位置補正手段とを具備することを特徴とする請求項
    1記載の画像照合装置。
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