JPH0928209A - マルチカット方法及びマルチカッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フイルムでマルチングされた畝に甘藷などの
苗を植付けるために、フイルムに一定の株間間隔で一定
の長さの綺麗な切れ目を方向を揃えて効率よく入れるマ
ルチカッターを得る。 【構成】 間隔を置いて並設する接地輪の間に、扇形状
のカッターを接地輪の外周より突出した状態または引っ
込んだ状態に固定可能に設けたカッター車輪を縦軸の一
端に二股を設け、他の一端を二股と同一平面内で直角に
折り曲げて横軸とし、さらに横軸と反対側で二股寄りに
縦軸に取っ手を設け、横軸と取っ手の先端部に握りを設
けたハンドルの二股の間に介在し、二股の先端部におい
て回動自在に軸支した構成のマルチカッターとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、フイルムでマル
チングされた畝に甘藷などの苗を一定の株間間隔で植付
るために、フイルムに一定の株間間隔で、苗の長さに合
わせた一定の長さの切れ目を入れるマルチカット方法及
びマルチカッターに関す。

【０００２】

【従来の技術】従来この種のマルチカッターは第４図に
示すような、マルチカッターがある。該マルチカッター
Ｃはカッター２１、マーカー２３、横軸２２、縦軸２
０、握り２５からなり、マーカー２３は横軸２２の先端
部に設けられたネジ部にナット２４，２４でカッター２
１との間隔を調節可能に固定されている。このマルチカ
ッターＣでフイルムでマルチングされた畝のフイルムに
甘藷などの苗を植えるための一定の長さの切れ目を一定
の株間間隔で入れるには、カッター２１のマーカー側の
端とカッター２１との間隔を植付ける苗の株間間隔に合
わせて固定し、マーカー２３を畝の前方に向け、握り２
５を片手で持ちマーカー２３を畝の前方に向け横軸２２
を水平に保ち畝と平行にして、カッター２１を垂直に保
ちながら畝に突き刺して、引き抜くとフイルムにカッタ
ー２１に依る切れ目とマーカー２３による孔が明けられ
る。次にカッター２１のマーカー側の端をマーカー２３
により明けられた孔に合わせてマルチカッターＣを移動
させその位置で上記と同じ要領でカッター２１をを畝に
突き刺し、引き抜きくと一定の株間間隔で一定の長さの
切れ目をフイルムに入れて行く方法が取られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、先行技術によ
ると、一つ前に明けられたマーカーの孔にマルチカッタ
ー２１のマーカー側の端を合わせてマルチカッターＣを
前進させ、その位置でマルチカッターＣを垂直に保ち畝
に突き刺して引き抜く動作を繰返しながらフイルムに一
定の長さの切れ目を一定の株間間隔で入れて行く、この
方法においては作業者にとって目や腕の疲れが大きいと
云う問題があった。特に大規模農家においてはこの方法
による作業者の負担が大きく能率が上がらない問題もあ
って改善が求められていた。またフイルムに入れられた
切れ目の切り口は綺麗ではなく、切れ目の方向や間隔は
不揃いとなる問題もあった。この発明は、上記のよう
な、従来技術がかかえていた問題点を解決することを目
的としてなされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】フイルムでマルチングし
た畝に苗を一定の株間間隔で植付るため、植付る苗の株
間間隔でフイルムにカッターで切れ目を入れて行くマル
チカット方法において、間隔を置いて並設した接地輪と
接地輪の中央部にカッターを設け、該カッターを接地輪
の外周より突出させて設けたマルチカッターのカッター
車輪を、フレームに設けた二股の間に介在させるととも
に、その先端部に回動自在に軸支し、該カッター車輪を
フイルムでマルチングした畝の上を前方に向けて転動さ
せて前進させることによりフイルムに一定長さの切れ目
を一定の株間間隔で入れて行くことを特徴とするマルチ
カット方法。

【０００５】間隔を置いて並設した接地輪の中央部に該
接地輪の外周より突出、または引っ込めた状態に固定で
きるカッター車輪を縦軸の一端を二股とし、他の一端を
二股と同一平面内で直角に折り曲げて形成された横軸
と、横軸の反対側で二股寄りに縦軸に設けられた取っ手
と、横軸と取っ手の先端部に握りを取付けて成るハンド
ルの二股の間に介在させ、二股の先端部において回動自
在に軸支したことを特徴とするマルチカッターとした。

【０００６】上記カッター車輪の接地輪は外周の長さ
を、苗を植付る株間間隔の一倍または複数倍数とし、そ
の株間間隔毎にフイルムに設ける切れ目の長さのカッタ
ーを接地輪の外周より突出した位置またわ引っ込めた位
置に固定できるように設ける。さらに接地輪の外周より
突出した位置にカッターを固定したカッター車輪を可移
動しカッターの通過する位置にカッターの両面を摺擦る
回転ブラシを設けることが挙げられる。

【０００７】上記のようにマルチカッターは構成されて
いるので、カッターを接地輪の外周より突出させた位置
に固定したカッター車輪を畝の上えに載置し、ハンドル
を持って畝の前方に向けて押し進めると、カッター車輪
は外周でフイルムを押さえながら転動して畝の上を進
み、接地輪の外周より突出しているカッターが畝に食い
込む毎にフイルムにはカッターの長さの切れ目が株間間
隔で入れらる。間隔を置いて並設した接地輪がフイルム
を押さえながらカッターで切れ目を入れて行くので、フ
イルムに入れられた切れ目の切り口は綺麗で、間隔、長
さ、方向は一定に揃ったものとなる。またカッターを接
地輪の外周より引っ込めた状態に固定すれば、マルチカ
ッターはカッターの刃を傷めずに路上をカッター車輪を
転動しながら移動させることが可能となり、保管すると
きもカッターで傷つく恐れはなく安全に保管できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１〜図３を参照して説明すると。マルチカッターＡはハ
ンドル１と、カッター車輪２から構成される。

【０００９】ハンドル１は、縦軸１ａの一端に二股１ｂ
を設け、他の一端は二股１ｂと同一平面内で直角に折り
曲げて横軸１ｃとし、該横軸１ｃと反対側で、二股寄り
に縦軸１ａに取っ手１ｄを設け、横軸１ｃと取っ手１ｄ
の先端部には握り１４が取り付けられている。また二股
１ｂの先端部には車軸穴１ｅ，１ｅが穿設されている。

【００１０】カッター車輪２は苗の植付株間間隔の一倍
また複数倍数（本実施例では２倍の株間間隔の場合を示
す）の外周長のリム３ａとリム３ａを支持するアーム３
ｂから成る接地輪３，３を間隔を置いて並設し、接地輪
３，３の中心は管状のボス１０に固着されている。また
カッター車輪２にはフイルム２に切れ目を入れるための
扇形状のカッター６，６がカッター取付板５にネジ９，
９で固定されていて、該カッター取付板５に植設された
ガイドピン５ａと植込ボルト５ｂがカッター支持板４の
長孔４ａに挿入され、植込ボルト５ｂに座金７を挿通し
蝶ナット８でカッター支持板４に固定されている。蝶ナ
ット７を緩めてカッター取付板５を動かせばカッター６
は接地輪３の外周から突出した作業位置から接地輪３の
外周から引っ込んだ収納位置の範囲を長孔４ａに沿って
平行移動し蝶ナット７を締付ければ、両方の位置におい
て固定できる。カッター支持板４は接地輪３，３のリム
３ａと直交し、カッター６が間隔を置いて並設された接
地輪３，３の中間部に位置するようにボス１０に固着さ
れている。扇形状に形成されたカッター６は外側の円弧
部分は鋸歯状に形成した刃とすることが好ましい。

【００１１】カッター車輪２はハンドル１の二股１ｂの
間に介在させて、管状のボス１０に両端にピン穴を設け
た車軸１１を嵌通するとともに二股１ｂの先端部に設け
た車軸穴１ｅ，１ｅに挿通し両端から座金１２，１２を
はめピン１３，１３で固定し、回動自在に設けられてい
る。回転ブラシ１６，１６はハンドル１の二股１ｂの中
間部にがあって、カッター６，６を接地輪３の外周より
突出した作業位置に固定した状態のカッター車輪２を回
動し通過するカッター６，６の両側面を摺擦自在に設け
られている。

【００１２】次にマルチカッターＡの操作について説明
する。蝶ナット８を弛めカッター６，６を接地輪３の外
周から突出した作業位置に移動し、蝶ナット８を締めて
固定する。マルチカッターＡをフイルム１５でマルチイ
ングされた畝Ｂの上面に置き、カッター車輪２を畝Ｂの
前方に向に合わせて畝Ｂの中央に置き握り１４，１４を
持ち第１図に示す状態でマルチカッターＡを畝の前方に
向かって真直ぐに前進させるとカッター車輪２は畝の上
面を転動しながら進みカッター６，６が交互に畝に突き
刺さる毎にフイルム１５を切り込んで切れ目を入れて行
く。カッター６，６に付着した土は回転ブラシ１６，１
６により除去される。またマルチカッターＡを移動した
り、保管するときは蝶ナット８，８を緩めてカッター
６，６を接地輪３の外周から引っ込めた収納位置にして
蝶ナット８，８を締めて固定すれば、カッター車輪２を
回転させながら安全で容易に所定の場所へ移動できる。
また保管をする時もカッターが引っ込んでいるので安全
に行なえる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、接地輪３，３は外周長
が植付ける苗の株間間隔の一倍または複数倍数に合わで
作られていて、該外周長の株間間隔の各位置にフイルム
に設ける切れ目の大きさに合わせた扇形状のカッター
６，６を設け、カッター６，６を接地輪３の外周より突
出した位置に固定した状態のカツター車輪２を畝の上を
転動させてカッター６，６を畝に食い込ませてながら切
れ目を入れて行くので、フイルムに設けられた切れ目は
植付ける苗の株間間隔と一致し、切れ目の長さと方向も
一定に揃った切れ目を効率よく容易に設ける効果があ
る。また間隔を置いて並設した接地輪３，３でフイルム
を押さえながら切れ目を入れるので綺麗な切れ目を入れ
ることが出来る効果もある。さらにまたマルチカッター
Ａのハンドル１の握り１４を持って第１図の状態で畝Ｂ
の上をカッター車輪２を回転させながら前進させるだけ
で所定の長さの切れ目を所定の株間間隔でフイルム１５
に入れられるので、従来のマルチカッターＢに依りフイ
ルム１５に孔を明ける従来の方法のように腕や目の疲れ
ることも殆どなく、作業労力が軽減されるとともに作業
能率も大きく増大することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に関わる使用状態における側面図であ
る。

【図２】同じく平面図である。

【図３】図１のＸ−Ｘ断面図である。

【図４】従来のマルチカッターの側面図である。

【符号の説明】

Ａ、Ｃ マルチカッター Ｂ 畝 １ ハンドル ２ カッター車輪 ３ 接地輪 ４ カッター支持板 ５ カッター取付板 １０ ボス １１ 車軸 １４ 握り １５ フイルム １６ 回転ブラシ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フイルムでマルチングされた畝に甘藷な
   どの苗を一定の株間間隔で植付けるために、フイルムに
   植付ける苗の株間間隔で一定の長さの切れ目を入れるマ
   ルチカット方法であって、カッターを一定間隔で接地輪
   の外周より突出させた状態のカッター車輪をフイルムで
   マルチングした畝の上を転動させて、突出したカッター
   をフイルムを切り込みながら畝に刺さり抜け出させる方
   法によりフイルムに一定間隔で一定長さの切れ目を入れ
   て行くことを特徴とするマルチカット方法。
2. 【請求項２】 カッター車輪の並設された接地輪でフイ
   ルムを押さえながらカッターでフイルムに切れ目を入れ
   て行くことを特徴とする請求項１に記載されたマルチカ
   ット方法。
3. 【請求項３】 間隔を置いて並設する接地輪の中間部
   に、接地輪の外周より突出させてカッターを設けたカッ
   ター車輪を、ハンドルの先端に回動自在に軸支したこと
   を特徴とするマルチカッター。
4. 【請求項４】 カッターは扇形状であって、その外側の
   円弧部が鋸歯状の刃になっていて接地輪の外周より突出
   した位置または引っ込んだ位置に固定されることを特徴
   とするマルチカッター。
5. 【請求項５】 カッター車輪はハンドルの一端に設けら
   れた二股の間に介在させ、該二股の先端部に回動自在に
   軸支されていることを特徴とする請求項３又は４に記載
   されたマルチカッター。