JPH09281373A - 三つ以上の偏心レンズの保持構造及び三つ以上の偏心レンズの位置決め方法 - Google Patents
三つ以上の偏心レンズの保持構造及び三つ以上の偏心レンズの位置決め方法Info
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- JPH09281373A JPH09281373A JP9807796A JP9807796A JPH09281373A JP H09281373 A JPH09281373 A JP H09281373A JP 9807796 A JP9807796 A JP 9807796A JP 9807796 A JP9807796 A JP 9807796A JP H09281373 A JPH09281373 A JP H09281373A
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Abstract
きる保持構造を提供する。 【解決手段】 第1、第2及び第3の偏心レンズ10,
20及び30のそれぞれに心取り軸L11,L21及びL31
を設定し、それぞれの心取り軸を一致させると共に、そ
の一致させた共通の心取り軸LCをさらに一つの鏡筒の
軸心に一致させるように、これら三つの偏心レンズを配
置させる。各偏心レンズは、心取り軸を決める基準レン
ズ面11,21及び31と、それぞれに形成された環状
平坦面14,24及び34とが、鏡筒50のレンズ受け
部15,25及び35と固定用ワッシャ16,26及び3
6との間に挟持されるかたちで、それぞれが一つの鏡筒
内に固定保持される。
Description
ンズを用いるに際して、三つ以上の偏心レンズを保持す
るための構造に関する。
光学系においてレンズを保持する構造としては、球面か
らなる二つのレンズ面が一つの共通軸を有して与えられ
るような、所謂軸対称な形状のレンズの保持構造が知ら
れている。このレンズ保持構造では、一平面内でレンズ
面に当接するリング状の構成が採用され、これら二つの
リング状構成の間に保持されるレンズをその軸方向の両
側から挟み付ける構造がとられている。
ような従来のレンズ保持構造を適用しようとすると、偏
心レンズでは、その周縁部分での厚さが一定でなく変化
するので、一平面内でレンズ面に当接するようなリング
状の構成を用いて偏心レンズを挟み付けることができ
ず、従来のレンズ保持構造を採用することはできない。
さらに、偏心レンズでは二つのレンズ面の対称軸がそれ
ぞれ異なって別々に与えられているので、レンズを鏡筒
に組みつける場合、レンズの心取り軸をどのように決定
すれば鏡筒にうまく装着できるかという点を考慮しなけ
ればならない。そしてそのような技術的課題は、偏心レ
ンズの実用化を目的とした段階では、これまで取り組ま
れていなかった。このように、偏心レンズの保持技術が
確立されていない現況にあって、さらに偏心レンズを三
つ以上組み合わせる場合に、それぞれのレンズの心取り
軸と鏡筒の軸心との位置関係をどのように設定すれば効
果的に三つ以上の偏心レンズを鏡筒に装着でき、うまく
組付けられるかという問題は、さらに複雑な技術的課題
であると言うことができる。
入れる光学装置はこれまで実用化されておらず、したが
って、偏心レンズのように周縁部分の厚さが一定でない
レンズを鏡筒に保持する技術も確立されていない。逆
に、偏心レンズの保持技術の未確立が、種々の光学装置
における偏心レンズの普及を阻んできた原因の一つとも
なっている。偏心レンズを自由に装置内に組み込むこと
ができれば、光学系の設計におけるバリエーションの広
がりは非常に大きなものとなる。
み、三つ以上の偏心レンズであっても、これらを簡便に
一つの鏡筒内に保持できる構造を提供するものである。
偏心レンズの保持構造は、対称軸が互いに異なって与え
られる二つのレンズ面をそれぞれ有する三つ以上の偏心
レンズを、鏡筒内に固定保持するための三つ以上の偏心
レンズの保持構造であって、上記各偏心レンズのいずれ
か一方のレンズ面を基準レンズ面として、それぞれの心
取り軸が一致させられると共に、その一致させた共通の
心取り軸がさらに上記鏡筒の軸心に一致するように、こ
れらの偏心レンズが配置されており、上記各偏心レンズ
は、それぞれの基準レンズ面とは反対側のレンズ面に対
して段差が付けられた環状平坦面をそれぞれ有し、これ
ら環状平坦面は上記共通心取り軸に対してそれぞれ直交
しており、上記鏡筒は、上記各偏心レンズをそれぞれ支
承するように、その内周面から径方向内方へ突出するレ
ンズ受け部を備えており、上記各偏心レンズが、それぞ
れの基準レンズ面又は環状平坦面のいずれか一方で上記
レンズ受け部に支承され、他方のレンズ面で固定手段に
当接されることにより、該レンズ受け部及び固定手段の
間に挟持される。
の位置決め方法は、対称軸が互いに異なって与えられる
二つのレンズ面をそれぞれ有する三つ以上の偏心レンズ
を、鏡筒内に位置決めするための三つ以上の偏心レンズ
の位置決め方法であって、上記三つ以上の偏心レンズの
うちの任意の二つの偏心レンズにおける合計四つのレン
ズ面の曲率中心のうち、それぞれの偏心レンズから任意
に一つずつ選び出した曲率中心を結ぶ直線をこれら二つ
の偏心レンズの共通心取り軸とし、残りの偏心レンズに
おけるそれぞれの二つのレンズ面の曲率中心のうちの一
方を、該共通心取り軸上に位置させると共に、該共通心
取り軸を上記鏡筒の軸心に一致させることにより、該鏡
筒に対する三つ以上の偏心レンズの位置を決定する。
対称な二つのレンズ面A及びBが与えられる。例えばレ
ンズ面Aを基準レンズ面とする場合の心取り軸は、次の
ようにして決められる。レンズ面Aの曲率中心をCAと
し、レンズ面Aにおける有効光路領域をDA、レンズ面
Bの有効光路領域をDBとするとき、領域DAを内側に含
むレンズ面A上の任意の円P(図3参照)の中心をCS
とし、CAとCSとを結ぶ直線Lを軸心として円Pを含む
円筒Sの内側に領域DBも含まれていれば、そのような
直線Lを心取り軸とすることができる。すなわち、両レ
ンズ面の有効光路領域を内包する円筒を考えて、その円
筒の軸心が一方のレンズ面の曲率中心を通るように円筒
を設定すれば、そのような条件を満たす円筒の軸心は全
て心取り軸となり得る。したがって、心取り軸は無数に
設定できるが、実際には、この偏心レンズを含む光学系
全体の構成を考慮して他のレンズとの位置関係が最適と
なるように、その中の1本が心取り軸として設定され
る。
心レンズの保持構造の実施形態を示す。図中10は第1
偏心レンズであり、それぞれ凸湾曲面で与えられた第1
レンズ面11と第2レンズ面12とを有している。第1
レンズ面11及び第2レンズ面12の曲率中心は点C11
及び点C12である。添字の数字は、それぞれのレンズ面
の参照符号に一致させている。第1偏心レンズ10は、
第1レンズ面11を基準レンズ面として心取り軸が決め
られており、すなわち第1レンズ面11の中心点P11と
曲率中心C11とを結ぶ直線で心取り軸L11が与えられて
いる。
面で与えられた第3レンズ面21と凹湾曲面で与えられ
た第4レンズ面22とを有している。第3レンズ面21
及び第4レンズ面22の曲率中心は点C21及び点C22で
ある。第2偏心レンズ20は、第3レンズ面21を基準
レンズ面として心取り軸が決められており、すなわち第
3レンズ面21の中心点P21と曲率中心C21とを結ぶ直
線で心取り軸L21が与えられている。
れ凸湾曲面で与えられた第5レンズ面31と第6レンズ
面32とを有している。第5レンズ面31及び第6レン
ズ面32の曲率中心は点C31及び点C32である。第3偏
心レンズ30は、第5レンズ面31を基準レンズ面とし
て心取り軸が決められており、すなわち第5レンズ面3
1の中心点P31と曲率中心C31とを結ぶ直線で心取り軸
L31が与えられている。図示するように、第1偏心レン
ズ10、第2偏心レンズ20及び第3偏心レンズ30
は、それぞれの心取り軸L11、L21及びL31が一致させ
られており(以下、共通心取り軸LCと称す)、さら
に、これら第1、第2及び第3の偏心レンズ10,20,
30を保持する円筒形状の鏡筒50の軸心にこの共通心
取り軸LCが一致させられている。基準としなかった第
2レンズ面12の曲率中心C12及び第4レンズ面22の
曲率中心C22、さらに第6レンズ面32の曲率中心C32
は、結果として、この共通心取り軸LCから外れた位置
に取られている。
として、三つの偏心レンズの心取り軸を一度に一致させ
るように考えると組立が難しくなるが、次のように考え
ることによって組立を容易にすることができる。すなわ
ち、任意の二つの偏心レンズについて、それぞれのレン
ズ面に対する曲率中心が全部で4点存在するので、それ
ぞれの偏心レンズから1点ずつ選び出した曲率中心を結
ぶことによって四通りの直線で、これら二つの偏心レン
ズの共通心取り軸を設定することができる。その中から
適宜選ばれる直線を共通心取り軸とし、その共通心取り
軸の上に、残りの偏心レンズの二つの曲率中心のうちの
一つを乗せるようにすれば、三つの偏心レンズを容易に
一つの共通心取り軸上に配置することができる。
側から周囲部分が、心取り軸L11に沿う方向で環状に除
去されており、その除去によって径方向の第1の平坦な
環状面14が、第2レンズ面12に対して段差をなすよ
うに形成されている。そしてこの環状平坦面14は、心
取り軸L11に直交する平面内に存している。したがっ
て、第1環状平坦面14は、心取り軸L11に関して軸対
称な形状となっている。また第1レンズ面11は、その
曲率中心C11が心取り軸L11上に存しているので、この
心取り軸L11に関して軸対称である。
レンズ面22側から周囲部分が、心取り軸L21に沿う方
向で環状に除去されており、その除去によって径方向の
第2の平坦な環状面24が、第4レンズ面22に対して
段差をなすように形成されている。そして第2環状平坦
面24は、心取り軸L21に直交する平面内に存してい
る。したがって、この第2環状平坦面24も、心取り軸
L21に関して軸対称な形状となっている。さらに第3レ
ンズ面21も、その曲率中心C21が心取り軸L21上に存
しているので、この心取り軸L21に関して軸対称であ
る。
6レンズ面32側から周囲部分が、心取り軸L31に沿う
方向で環状に除去されており、その除去によって径方向
の第3の平坦な環状面34が、第6レンズ面32に対し
て段差をなすように形成されている。そして第3環状平
坦面34は、心取り軸L31に直交する平面内に存してい
る。したがって、この第3環状平坦面34も、心取り軸
L31に関して軸対称な形状となっている。さらに第5レ
ンズ面31も、その曲率中心C31が心取り軸L31上に存
しているので、この心取り軸L31に関して軸対称であ
る。
レンズであるが、軸対称な形状の三つのレンズが鏡筒内
に通常に保持される場合と同様、各レンズはその周縁部
分で厚さ方向に挟持されるために互いに反対方向に向い
た二つの軸対称な面をそれぞれ有している。さらに三つ
の心取り軸L11,L21,L31が共通しているので、三つの
偏心レンズ10,20,30は共通の心取り軸LC上に配
置することが可能となっており、この点でも軸対称な形
状の三つのレンズを配置する場合と同様になっている。
なお、これらの除去部分は、研磨等の加工によって得ら
れてもよいが、成型時にレンズの形状として最初から成
形されていてもよい。
へ突出して円環状の第1レンズ受け部15が形成されて
いる。第1偏心レンズ10の基準レンズ面である第1レ
ンズ面11が、その周縁部分で第1レンズ受け部15に
支承される。また第1環状平坦面14に対して、第1の
固定用ワッシャ16が当接する。第1ワッシャ16は、
第1偏心レンズ10を第1レンズ受け部15に押し付け
るように第1環状平坦面14に当接すると共に、鏡筒5
0に対して固定されており、結果として第1偏心レンズ
10は、鏡筒50の第1レンズ受け部15と第1ワッシ
ャ16との間に挟み付けられて固定保持される。このワ
ッシャ16に替わるレンズ固定手段としては、例えば、
鏡筒の内周面に螺合する外螺子を備えたリング状部材な
どを用いることも可能である。
5とは別に第2レンズ受け部25及び第3レンズ受け部
35が形成されており、第1偏心レンズ10が第1レン
ズ受け部15に固定保持されるのと同様に、第2偏心レ
ンズ20が第2レンズ受け部25に、第3偏心レンズ3
0が第3レンズ受け部35に支承される。第2環状平坦
面24に当接するのは第2固定用ワッシャ26、第3環
状平坦面34に当接するのは第3固定用ワッシャ36で
ある。
上の偏心レンズであっても、それぞれの心取り軸を決定
した後、各偏心レンズの心取り軸を一致させて共通の心
取り軸を持たせて一つの鏡筒内に簡単に固定保持するこ
とができ、組付けも簡単である。
持構造では、三つ以上の偏心レンズのうちの任意の二つ
の偏心レンズにおける合計四つのレンズ面の曲率中心の
うち、それぞれの偏心レンズから任意に一つずつ選び出
した曲率中心を結ぶ直線をこれら二つの偏心レンズの共
通心取り軸とし、残りの偏心レンズにおけるそれぞれの
二つのレンズ面の曲率中心のうちの一方を、この共通心
取り軸上に位置させると共に、共通心取り軸を鏡筒の軸
心に一致させることにより、三つ維持用の偏心レンズを
一つの鏡筒内に位置決めして固定保持することができる
ので、このように配置された三つ以上の偏心レンズは正
確な光学系としての機能をはたすことができる。
造の実施形態を示す断面図である。
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 対称軸が互いに異なって与えられる二つ
のレンズ面(11,12,21,22,31,32)をそれ
ぞれ有する三つ以上の偏心レンズ(10,20,30)
を、鏡筒(50)内に固定保持するための三つ以上の偏
心レンズの保持構造であって、 上記各偏心レンズのいずれか一方のレンズ面を基準レン
ズ面として、それぞれの心取り軸(L11,L21,L31)が
一致させられると共に、その一致させた共通の心取り軸
(LC)がさらに上記鏡筒の軸心に一致するように、こ
れらの偏心レンズが配置されており、 上記各偏心レンズは、それぞれの基準レンズ面(11,
21,31)とは反対側のレンズ面(12,22,32)
に対して段差が付けられた環状平坦面(14,24,3
4)をそれぞれ有し、これら環状平坦面は上記共通心取
り軸(LC)に対してそれぞれ直交しており、 上記鏡筒は、上記各偏心レンズをそれぞれ支承するよう
に、その内周面から径方向内方へ突出するレンズ受け部
(15,25,35)を備えており、 上記各偏心レンズが、それぞれの基準レンズ面又は環状
平坦面のいずれか一方で上記レンズ受け部に支承され、
他方のレンズ面で固定手段に当接されることにより、該
レンズ受け部及び固定手段の間に挟持されることを特徴
とする三つ以上の偏心レンズの保持構造。 - 【請求項2】 対称軸が互いに異なって与えられる二つ
のレンズ面(11,12,21,22,31,32)をそれ
ぞれ有する三つ以上の偏心レンズ(10,20,30)
を、鏡筒(50)内に位置決めするための三つ以上の偏
心レンズの位置決め方法であって、 上記三つ以上の偏心レンズのうちの任意の二つの偏心レ
ンズにおける合計四つのレンズ面の曲率中心のうち、そ
れぞれの偏心レンズから任意に一つずつ選び出した曲率
中心を結ぶ直線をこれら二つの偏心レンズの共通心取り
軸とし、残りの偏心レンズにおけるそれぞれの二つのレ
ンズ面の曲率中心のうちの一方を、該共通心取り軸上に
位置させると共に、該共通心取り軸を上記鏡筒の軸心に
一致させることにより、該鏡筒に対する三つ以上の偏心
レンズの位置を決定することを特徴とする三つ以上の偏
心レンズの位置決め方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09807796A JP3353601B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 三つ以上の偏心レンズの保持構造及び三つ以上の偏心レンズの位置決め方法 |
US08/828,779 US5898527A (en) | 1996-03-28 | 1997-03-27 | Decentered lens holding structure and its positioning method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09807796A JP3353601B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 三つ以上の偏心レンズの保持構造及び三つ以上の偏心レンズの位置決め方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09281373A true JPH09281373A (ja) | 1997-10-31 |
JP3353601B2 JP3353601B2 (ja) | 2002-12-03 |
Family
ID=14210293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09807796A Expired - Lifetime JP3353601B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-04-19 | 三つ以上の偏心レンズの保持構造及び三つ以上の偏心レンズの位置決め方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3353601B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007199344A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Hitachi Maxell Ltd | レンズ装置 |
-
1996
- 1996-04-19 JP JP09807796A patent/JP3353601B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007199344A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Hitachi Maxell Ltd | レンズ装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3353601B2 (ja) | 2002-12-03 |
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