JP3385842B2 - 偏心レンズ保持鏡筒 - Google Patents

偏心レンズ保持鏡筒

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JP3385842B2
JP3385842B2 JP10793796A JP10793796A JP3385842B2 JP 3385842 B2 JP3385842 B2 JP 3385842B2 JP 10793796 A JP10793796 A JP 10793796A JP 10793796 A JP10793796 A JP 10793796A JP 3385842 B2 JP3385842 B2 JP 3385842B2
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保 久米
靖昌 澤井
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏心レンズを保持
するための鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】球面からなる二つのレンズ面が一つの共
通軸を有して与えられるような、所謂軸対称な形状のレ
ンズでは、レンズは何枚であってもレンズ面の軸心は鏡
筒の軸心と一致している。
【0003】このようなレンズでは、レンズの近傍でレ
ンズ面の保護を損なわない位置で鏡筒の開口部を軸心に
対して垂直な面でカットする方法が一般的に採用されて
いる。
【0004】従って、軸対称なレンズでは、上述したよ
うにカットさえすれば、そもそも光軸をけるといった問
題は発生しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、偏心レンズ
を備える保持鏡筒に偏心レンズを組み込んで光学系を構
成した場合、特に、偏心レンズの片方のレンズ面を基準
として心取り軸を決定し、該心取り軸を鏡筒の軸心と一
致させて保持する偏心レンズ保持鏡筒においては、上述
したような、軸対称な形状のレンズと同様に鏡筒開口部
をカットすると、レンズを保持しない部分(100A:図
6参照)により、光束がけられてしまう。本発明は、上
述のような技術的課題に鑑み為されたものであり、偏心
レンズの片方のレンズ面を基準として心取り軸を決定
し、該心取り軸を鏡筒の軸心と一致させて保持する偏心
レンズ保持鏡筒において、上記基準としなかった他方の
レンズ面側で光束のけられがないようにした偏心レンズ
保持鏡筒を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
偏心レンズ保持鏡筒は、それぞれ有限の曲率を有する第
1レンズ面及び第2レンズ面を備え前記第1レンズ面と
第2レンズ面のそれぞれの曲率中心と面頂点を結ぶ直線
が一致しない偏心レンズを保持する偏心レンズ保持鏡筒
であって、第1レンズ面を基準として心取り軸を決定
し、該心取り軸を鏡筒の軸心と一致させて保持し、第1
レンズ面の鏡筒開口部は、心取り軸に対して垂直な面で
カットされており、上記第2レンズ面の鏡筒開口部は、
上記軸心と垂直な面に対して傾斜させた面でカットされ
ていることを特徴とする。
【0007】請求項2に係る本発明の偏心レンズ保持鏡
筒は、それぞれ有限の曲率を有する第1レンズ面及び第
2レンズ面を備え前記第1レンズ面と第2レンズ面のそ
れぞれの曲率中心と面頂点を結ぶ直線が一致しない偏心
レンズを保持する偏心レンズ保持鏡筒であって、第1レ
ンズ面を基準として心取り軸を決定し、該心取り軸を鏡
筒の軸心と一致させて保持し、偏心レンズは、周囲部分
に前記心取り軸に対して対称であって、心取り軸に対し
て直交する平面をなす環状平坦面を有し、上記第2レン
ズ面の鏡筒開口部は、上記軸心と垂直な面に対して傾斜
させた面でカットされていることを特徴とする。
【0008】請求項3に係る本発明の偏心レンズ保持鏡
筒は、それぞれ有限の曲率を有する第1レンズ面及び第
2レンズ面を備え前記第1レンズ面と第2レンズ面のそ
れぞれの曲率中心と面頂点を結ぶ直線が一致しない偏心
レンズを保持する偏心レンズ保持鏡筒であって、第1レ
ンズ面を基準として心取り軸を決定し、該心取り軸を鏡
筒の軸心と一致させて保持し、上記第2レンズ面側であ
って、第2レンズ面の有効光路を含まない偏心レンズの
一部が、前記心取り軸に対して斜めにカットされてお
り、上記第2レンズ面の鏡筒開口部は、上記軸心と垂直
な面に対して傾斜させた面でカットされていることを特
徴とする。
【0009】請求項4に係る本発明の偏心レンズ保持鏡
筒は、請求項1乃至3のいずれかに記載の偏心レンズ保
持鏡筒において、上記傾斜面は、第2レンズ面の光軸と
垂直な面であることを特徴とする。請求項5に係る本発
明の偏心レンズ保持鏡筒は、請求項1乃至3のいずれか
に記載の偏心レンズ保持鏡筒において、上記傾斜面は、
第2レンズ面の面取り軸と垂直な面であることを特徴と
する。なお、通常軸対称なレンズでは、光軸が鏡筒の中
心に位置させるべく、光軸を心取り軸としてレンズの周
囲を研削加工している。
【0010】一方、偏心レンズでは、図4に示すよう
に、非軸対称な二つのレンズ面A及びBが与えられる。
例えばレンズ面Aを基準レンズ面とする場合の心取り軸
は、次のようにして決められる。レンズ面Aの曲率中心
をCAとし、レンズ面Aにおける有効光路領域をDA、レ
ンズ面Bの有効光路領域をDBとするとき、領域DAを内
包するレンズ面A上の任意の円をP(図5参照)、その
中心をCSとし、CAとCS とを結ぶ直線Lを軸心として
円Pを含む円筒Sの内側に領域DBも含まれていれば、
そのような直線Lを心取り軸とすることができる。すな
わち、両レンズ面の有効光路領域を内包する円筒を考え
て、その円筒の軸心が一方のレンズ面の曲率中心を通る
ように円筒を設定すれば、そのような条件を満たす円筒
の軸心は全て心取り軸となり得る。したがって、心取り
軸は無数に設定できるが、実際には、この偏心レンズを
含む光学系全体の構成を考慮して他のレンズとの位置関
係が最適となるように、その中の1本が心取り軸として
設定される。
【0011】
【発明の実施形態】図6は、本発明における基本的な考
え方の概要を示す図である。
【0012】L110は偏心レンズであり、第1レンズ
面111と第2レンズ面112を備えている。該偏心レ
ンズでは、第1レンズ面111を基準にして心取り軸が
決定され、該心取り軸を鏡筒の軸心(不図示)と一致さ
せて保持されている。第1レンズ面の曲率中心C111と
面頂点P111とを結んだ線分で与えられる面取り軸は該
鏡筒の軸心と一致している。添字の数字は、それぞれの
レンズ面の参照符号に一致させている。
【0013】基準にしなかった第2レンズ面112の曲
率中心C112は上記軸心からずれた位置にあり、該曲率
中心C112と第2レンズ面の面頂点P112とを結んだ線分
で与えられる第2レンズ面の面取り軸204は、鏡筒の
軸心からずれている。115の傾斜面は、該面取り軸2
04に垂直な面(以下、面取り軸切断面)で与えられ、
116の傾斜面は、図示された光軸Xと垂直な面(光軸
垂直切断面)で与えられている。
【0014】基準にしなかった第2レンズ面112側の
鏡筒開口部を偏心レンズ保持部の近傍でレンズの保護を
損なわない位置で、上記116(光軸垂直切断面)で鏡
筒をカットする場合には、鏡筒開口部で均等に光束がけ
られるように鏡筒開口部をカットすることができるの
で、特定領域を通過する光束だけが鏡筒によって極端に
けられるといった問題は回避できるとともに、鏡筒の無
駄な部分がカットされるので、鏡筒の軽量化も達成でき
る。
【0015】一方、基準にしなかった第2レンズ面11
2側の鏡筒開口部を、偏心レンズ保持部の近傍でレンズ
の保護を損なわない位置で、上記115(面取り軸垂直
切断面)で鏡筒をカットする場合には、全く光束がけら
ない構成を提供できるとともに、鏡筒の無駄な部分がカ
ットされるので、鏡筒の軽量化も達成できる。
【0016】図1に、上記図6にて説明した基本的な考
え方に基づいて形成された偏心レンズ保持鏡筒の第1の
実施形態を示す。図1では、1つの偏心レンズを鏡筒に
保持した場合における偏心レンズの保持鏡筒である。
【0017】図中10は偏心レンズであり、第1レンズ
面11と第2レンズ面12とを有している。第1レンズ
面11および第2レンズ面12の曲率中心はそれぞれ点
C11および点C12である。添字の数字は、それぞれのレ
ンズ面の参照符号に一致させている。この偏心レンズ1
0は、第1レンズ面11を基準にして心取り軸L11が決
められており、該心取り軸L11を鏡筒の軸心(不図示)
と一致させて保持されている。第1レンズ面の曲率中心
C11と面頂点P11とを結んだ線分で与えられる面取り軸
は該鏡筒の軸心と一致している。
【0018】基準としなかった第2レンズ面12の曲率
中心C12は、上記軸心からずれた位置にあり、該曲率中
心C12と第2レンズ面12の面頂点P12とを結んだ線分
で与えられる第2レンズ面の面取り軸M12は、鏡筒の軸
心からずれている。また、図1では、光軸Xが、一点鎖
線にて図示されており、第1、第2レンズ面の有効光路
は、それぞれのレンズ面上にて太線で示されている。
【0019】偏心レンズ10は、第2レンズ面12側の
周囲部分が、心取り軸L11を中心にして環状に除去され
ており、その除去によって径方向において平坦な環状平
坦面14が、第2レンズ面12に対して段差をなすよう
に形成されている。そしてこの環状平坦面14は、心取
り軸L11に直交する平面内に存している。したがって、
この環状平坦面14は、心取り軸L11に関して軸対称な
形状となっている。また、第1レンズ面11は、その曲
率中心C11が心取り軸L11上に存しているので、この心
取り軸L11に関して軸対称である。このように、レンズ
10は偏心レンズであるが、軸対称な形状のレンズが鏡
筒内に通常に保持される場合と同様、レンズがその周縁
部分で厚さ方向に挟持されるために互いに反対方向に向
いた二つの軸対称な面を有している。なお、この除去部
分は、研磨等の加工によって得られてもよいが、成型時
にレンズの形状として最初から成形されていてもよい。
鏡筒13には、その内周面から径方向内方へ突出して円
環状のレンズ受け部15が形成されている。この実施形
態では、偏心レンズ10の第1レンズ面11の周縁部分
がこのレンズ受け部15に支承される。また、環状平坦
面14に対して固定用ワッシャ16が当接する。ワッシ
ャ16は、レンズ10をレンズ受け部15に押し付ける
ように環状平坦面14に当接すると共に、鏡筒13に対
しては固定されており、結果として偏心レンズ10は、
鏡筒13のレンズ受け部15とワッシャ16との間に挟
み付けられて固定保持される。このワッシャ16に替わ
るレンズ固定手段としては、例えば、鏡筒の内周面に螺
合する外螺子を備えたリング状部材などを用いることも
可能である。
【0020】普通、偏心レンズではレンズ厚さが周囲に
わたって一定ではないため、そのようなレンズを従来の
軸対称な形状のレンズの保持手法で鏡筒に保持すること
は不可能であるが、上述のように基準レンズ面を設定し
て心取り軸を決め、この心取り軸に直交する環状平坦面
を形成すれば、どのような偏心レンズであっても簡単に
鏡筒内に、その軸方向への移動を規制するように保持す
ることができる。
【0021】基準にしなかった第2レンズ面12の曲率
中心C12は、上記鏡筒の軸心からずれた位置にあり、該
曲率中心C12と第2レンズ面の面頂点P12とを結んだ線
分で与えられる第2レンズ面の面取り軸M12は、鏡筒の
軸心からずれている。40の傾斜面は、該面取り軸M12
に垂直な面(以下、面取り軸切断面)で与えられ、41
の傾斜面は、図示された光軸Xと垂直な面(以下、光軸
垂直切断面)で与えられている。
【0022】基準にしなかった第2レンズ面12側の鏡
筒開口部を偏心レンズ保持部の近傍でレンズの保護が損
なわない位置で、上記41(光軸垂直切断面)で鏡筒を
カットする場合には、鏡筒開口部で均等に光束がけられ
るように鏡筒開口部をカットすることができるので、特
定領域を通過する光束だけが鏡筒によって極端にけられ
るといった問題は回避できるとともに、鏡筒の無駄な部
分がカットされるので、鏡筒の軽量化も達成できる。
【0023】一方、基準にしなかった第2レンズ面12
側の鏡筒開口部を、偏心レンズ保持部の近傍でレンズの
保護が損なわない位置で、上記40(面取り軸垂直切断
面)で鏡筒をカットする場合には、全く光束がけらない
構成を提供できるとともに、無駄な部分がカットされる
ので、鏡筒の軽量化も達成できる。
【0024】なお、鏡筒の設計事情等によっては、上述
した面取り軸垂直切断面や光軸垂直切断面で切断する方
法を採用できない場合があるが、事情が許す限り、上記
面取り軸垂直切断面や上記光軸垂直切断面になるべく近
い傾斜面で鏡筒を切断すればそれぞれの傾斜面における
上述したような利点を享受できることは言うまでもな
い。言い換えると、偏心レンズ保持部の近傍でレンズの
保護が損なわれない位置で上記面取り軸垂直切断面がな
す角度と上記光軸垂直切断面がなす角度との間の角度で
鏡筒を切断すればよい。
【0025】図2に、本発明に係るレンズ保持鏡筒の第
2の実施形態を示す。図2では、2つの偏心レンズを備
え、図示された偏心レンズ20、30の有効光路(太線
にて図示)とは無関係な部分(光学的にカットしても問
題のない部分)をカットした偏心レンズを備える場合の
実施形態を示すものである。図2では、上述したよう
に、有効光路とは無関係な部分(A部、B部)がカット
された偏心レンズを使用しているので、上述の図6の基
本的な考え方を応用した考え方を採用した実施形態を示
すものである。
【0026】偏心レンズ20は、第1レンズ面21およ
び第2レンズ面22を有し、それぞれの曲率中心は点C
21および点C22である。偏心レンズ30は、第1レンズ
面31と、第2レンズ面32とを有し、それぞれの曲率
中心は、点C31および点C32である。添字の数字は、そ
れぞれのレンズ面の参照符号に一致させている。また、
偏心レンズ20の第2レンズ面22と、偏心レンズ30
の第2レンズ面32とが鏡筒開口部側に存している。ま
た、この2つのレンズに共通の心取り軸L21はそれぞ
れの2つの曲率中心から1つずつを選び出しそれを結ぶ
ことにより定めることができ、本実施形態では、偏心レ
ンズ20から曲率中心C21と、偏心レンズ30から曲率
中心C31を結ぶ線分により与えられている。この心取り
軸L21は鏡筒の軸心(不図示)と一致させて保持され
ている。基準としなかったレンズ面22の曲率中心C22
とレンズ面32の曲率中心C32は、結果として、この心
取り軸L21から外れた位置に取られている。
【0027】基準としなかった偏心レンズ30の第2レ
ンズ面32の曲率中心C32と第2レンズ面32の面頂点
P32とを結んだ面取り軸M32とが与えられている。光軸
Xが一点鎖線にて図示され、さらに、偏心レンズ30の
第2レンズ面32と偏心レンズ20の第1レンズ面22
の有効光路がそれぞれのレンズ面に太線で示されてい
る。
【0028】偏心レンズ20は、第1レンズ面22の有
効光路(図示太線部)とは無関係な部分(A部)を除去
した形状で、第2レンズ面22側から周囲部分が、心取
り軸L21を中心に環状に除去されており、その除去に
よって径方向において平坦な環状平坦面24が、第2レ
ンズ面22に対して段差をなすように形成されている。
そしてこの環状平坦面24は、心取り軸L21に直交す
る平面内に存している。したがって、この環状平坦面2
4は、心取り軸L21に関して軸対称な形状となってい
る。また第1レンズ面21は、その曲率中心C21が心取
り軸L21上に存しているので、この心取り軸L21に
関して軸対称な形状になっている。このように、レンズ
20は偏心レンズであるが、軸対称な形状のレンズが鏡
筒内に通常に保持される場合と同様、レンズがその周縁
部分で厚さ方向に挟持されるために互いに反対方向に向
いた二つの軸対称な面を有している。なお、この除去部
分は、研磨等の加工によって得られてもよいが、成型時
にレンズの形状として最初から成形されていてもよい。
【0029】鏡筒33には、その内周面から径方向内方
へ突出して円環状のレンズ受け部25が形成されてい
る。この実施形態では、偏心レンズ20の第1レンズ面
21の周縁部分がこのレンズ受け部25に支承される。
また、環状平坦面24に対して、固定用ワッシャ26が
当接する。ワッシャ26は、レンズ20をレンズ受け部
25に押し付けるように環状平坦面24に当接すると共
に、鏡筒33に対して固定されており、結果として偏心
レンズ20は、鏡筒33のレンズ受け部25とワッシャ
26との間に挟み付けられて固定保持される。このワッ
シャ26に替わるレンズ固定手段としては、例えば、鏡
筒の内周面に螺合する外螺子を備えたリング状部材など
を用いることも可能である。
【0030】偏心レンズ30は、第2レンズ面32の有
効光路(図示太線部)とは無関係な部分(B部)を除去
した形状で、第2レンズ面32側から周囲部分が、心取
り軸L21を中心に環状に除去されており、その除去に
よって径方向において平坦な環状平坦面34が、第2レ
ンズ面32に対して段差をなすように形成されている。
そしてこの環状平坦面34は、心取り軸L31に直交す
る平面内に存している。したがって、この環状平坦面3
4は、心取り軸L31に関して軸対称な形状となってい
る。また第1レンズ面31は、その曲率中心C31が心取
り軸L31上に存しているので、この心取り軸L21に
関して軸対称である。このように、レンズ30は偏心レ
ンズであるが、軸対称な形状のレンズが鏡筒内に通常に
保持される場合と同様、レンズがその周縁部分で厚さ方
向に挟持されるために互いに反対方向に向いた二つの軸
対称な面を有している。なお、この除去部分は、研磨等
の加工によって得られてもよいが、成型時にレンズの形
状として最初から成形されていてもよい。
【0031】鏡筒33には、その内周面から径方向内方
へ突出して円環状のレンズ受け部35が形成されてい
る。この実施形態では、偏心レンズ30の第1レンズ面
31の周縁部分がこのレンズ受け部35に支承される。
また、環状平坦面34に対して、固定用ワッシャ36が
当接する。ワッシャ36は、レンズ30をレンズ受け部
35に押し付けるように環状平坦面34に当接すると共
に、鏡筒33に対しては固定されており、結果として偏
心レンズ30は、鏡筒33のレンズ受け部35とワッシ
ャ36との間に挟み付けられて固定保持される。このワ
ッシャ36に替わるレンズ固定手段としては、例えば、
鏡筒の内周面に螺合する外螺子を備えたリング状部材な
どを用いることも可能である。
【0032】偏心レンズ30の基準にしなかった第2レ
ンズ面32側に関し、50、60の傾斜面は、図示され
た光軸Xと垂直な面(以下、光軸垂直切断面)で与えら
れている。
【0033】偏心レンズ30が点線を含んだ形状(B部
をカットしていない形状)であるならば、偏心レンズ3
0の基準にしなかった第2レンズ面32側の鏡筒開口部
を偏心レンズ保持部の近傍でレンズの保護を損なわない
位置で、上記50(光軸垂直切断面)で鏡筒をカットす
る場合には、特定領域を通過する光束だけが鏡筒によっ
て極端にけられるといった問題は回避できるとともに、
鏡筒の無駄な部分がカットされるので、鏡筒の軽量化も
達成できる。
【0034】偏心レンズ30が点線を含まない形状であ
るならば、偏心レンズ30の基準にしなかった第2レン
ズ面32側の鏡筒開口部を偏心レンズ保持部の近傍でレ
ンズの保護を損なわない位置で、上記60(光軸垂直切
断面)で鏡筒をカットする場合には、50の光軸垂直切
断面で鏡筒をカットした場合よりも、さらなる鏡筒の軽
量化が達成できる。
【0035】また、偏心レンズ20の基準にしなかった
第2レンズ面22側に関し、70の傾斜面は、図示され
た光軸Xと垂直な面(以下、光軸垂直切断面)で与えら
れている。
【0036】偏心レンズ20が点線を含んだ形状(A部
をカットしていない形状)であるならば、偏心レンズ2
0の基準にしなかった第2レンズ面22側の鏡筒開口部
を偏心レンズ保持部の近傍でレンズの保護を損なわない
位置で、上記70(光軸垂直切断面)で鏡筒をカットす
る場合には、特定領域を通過する光束だけが鏡筒によっ
て極端にけられるといった問題は回避できるとともに、
鏡筒の無駄な部分がカットされるので、鏡筒の軽量化も
達成できる。
【0037】偏心レンズ20のA部はカットされている
ので、図示した軸心に対して垂直な面80で鏡筒を切断
して、より一層の軽量化をはかるようにすることも可能
である。
【0038】図3は、オーバーヘッドプロジェクター
(以下OHP)に本発明の偏心レンズ保持鏡筒を用いた
場合の装置全体の斜視図を示す。本体1に対し上述した
本実施例に示したような鏡筒が設置され(2)、その上
方にミラー3を有する。投影面はスクリーン4である。
本体1上面に原稿をおくと、本体からの照明により原稿
面はレンズ保持鏡筒2に保持されている光学系によって
投影される。投影方向はミラー3によって、スクリーン
4に向けられる。
【0039】このとき、鏡筒2が面取り軸垂直切断面に
てカットされている場合には、光束がけられることな
く、スクリーンに映像を映すことが可能となり、鏡筒2
が光軸垂直切断面にてカットされている場合には、光束
が均等にけられるので、局所的に光束がけられるといっ
た問題は回避でき、スクリーンに照明される映像に対す
る違和感が少なくなる。
【0040】
【発明の効果】本発明に係るレンズ保持鏡筒では、偏心
レンズの片方のレンズ面を基準として心取り軸を決定
し、該心取り軸を鏡筒の軸心と一致させて保持する偏心
レンズ保持鏡筒において、上記基準としなかった他方の
レンズ面側の鏡筒開口部は、上記軸心と垂直な面に対し
て傾斜させた面(傾斜面)でカットされているので、レ
ンズを保持しない無駄な部分により光束がけられること
を防止できる。
【0041】さらに、上記傾斜面を面取り軸と垂直な面
とすると、完全に光束のけられを防止でき、上記傾斜面
を光軸と垂直な面とすると、光束が均等にけられるの
で、局所的に光束がけられるといった問題は回避でき、
さらに、光軸に合わせて取り付けられる、光学系性能測
定器、面形状測定器が汎用のまま取り付けることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレンズ保持鏡筒の第1の実施形
態を示す断面図。
【図2】 本発明に係るレンズ保持鏡筒の第2の実施形
態を示す断面図。
【図3】 本発明のレンズ保持鏡筒をOHP装置に適用
した場合の全体斜視図。
【図4】 偏心レンズの心取り軸の取り方を説明する
図。
【図5】 偏心レンズの心取り軸の取り方を説明する
図。
【図6】 本発明の基本的な考え方の概要を説明する図
【符号の説明】
L110 偏心レンズ 10 偏心レンズ 20 偏心レンズ 30 偏心レンズ 111 第1レンズ面 112 第2レンズ面 11 第1レンズ面 12 第2レンズ面 21 第1レンズ面 22 第2レンズ面 31 第1レンズ面 32 第2レンズ面 C111 第1レンズ面の曲率中心 C112 第2レンズ面の曲率中心 C11 第1レンズ面の曲率中心 C12 第2レンズ面の曲率中心 C21 第1レンズ面の曲率中心 C22 第2レンズ面の曲率中心 C31 第1レンズ面の曲率中心 C32 第2レンズ面の曲率中心 P111 第1レンズ面の面頂点 P112 第2レンズ面の面頂点 P11 第1レンズ面の面頂点 P12 第2レンズ面の面頂点 P21 第1レンズ面の面頂点 P22 第2レンズ面の面頂点 P31 第1レンズ面の面頂点 P32 第2レンズ面の面頂点 L111 心取り軸(軸心) L11 心取り軸(軸心) L21 心取り軸(軸心) 100 鏡筒 13 鏡筒 33 鏡筒 14 環状平坦面 24 環状平坦面 34 環状平坦面 15 レンズ受け部 25 レンズ受け部 35 レンズ受け部 16 ワッシャ 26 ワッシャ 36 ワッシャ X 光軸 204 面取り軸 M12 面取り軸 M32 面取り軸 201 軸心に対して垂直な面 202 軸心に対して垂直な面 115 面取り軸垂直切断面(傾斜面) 116 光軸垂直切断面(傾斜面) 40 面取り軸垂直切断面(傾斜面) 50 光軸垂直切断面(傾斜面) 60 光軸垂直切断面(傾斜面) 70 光軸垂直切断面(傾斜面) 100A レンズを保持しない無駄な部分

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ有限の曲率を有する第1レンズ面
    及び第2レンズ面を備え前記第1レンズ面と第2レンズ
    面のそれぞれの曲率中心と面頂点を結ぶ直線が一致しな
    い偏心レンズを保持する偏心レンズ保持鏡筒であって、 第1レンズ面を基準として心取り軸を決定し、該心取り
    軸を鏡筒の軸心と一致させて保持し、 第1レンズ面の鏡筒開口部は、心取り軸に対して垂直な
    面でカットされており、 上記第2レンズ面の鏡筒開口部は、上記軸心と垂直な面
    に対して傾斜させた面でカットされていることを特徴と
    する偏心レンズ保持鏡筒。
  2. 【請求項2】それぞれ有限の曲率を有する第1レンズ面
    及び第2レンズ面を備え前記第1レンズ面と第2レンズ
    面のそれぞれの曲率中心と面頂点を結ぶ直線が一致しな
    い偏心レンズを保持する偏心レンズ保持鏡筒であって、 第1レンズ面を基準として心取り軸を決定し、該心取り
    軸を鏡筒の軸心と一致させて保持し、 偏心レンズは、周囲部分に前記心取り軸に対して対称で
    あって、心取り軸に対して直交する平面をなす環状平坦
    面を有し、 上記第2レンズ面の鏡筒開口部は、上記軸心と垂直な面
    に対して傾斜させた面でカットされていることを特徴と
    する偏心レンズ保持鏡筒。
  3. 【請求項3】それぞれ有限の曲率を有する第1レンズ面
    及び第2レンズ面を備え前記第1レンズ面と第2レンズ
    面のそれぞれの曲率中心と面頂点を結ぶ直線が一致しな
    い偏心レンズを保持する偏心レンズ保持鏡筒であって、 第1レンズ面を基準として心取り軸を決定し、該心取り
    軸を鏡筒の軸心と一致させて保持し、 上記第2レンズ面側であって、第2レンズ面の有効光路
    を含まない偏心レンズの一部が、前記心取り軸に対して
    斜めにカットされており、 上記第2レンズ面の鏡筒開口部は、上記軸心と垂直な面
    に対して傾斜させた面でカットされていることを特徴と
    する偏心レンズ保持鏡筒。
  4. 【請求項4】 上記傾斜面は、第2レンズ面の光軸と垂
    直な面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の偏心レンズ保持鏡筒。
  5. 【請求項5】 上記傾斜面は、第2レンズ面の面取り軸
    と垂直な面であることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の偏心レンズ保持鏡筒。
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