JPH09281002A - アフォーカル光学系のmtf測定装置 - Google Patents

アフォーカル光学系のmtf測定装置

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JPH09281002A
JPH09281002A JP8953696A JP8953696A JPH09281002A JP H09281002 A JPH09281002 A JP H09281002A JP 8953696 A JP8953696 A JP 8953696A JP 8953696 A JP8953696 A JP 8953696A JP H09281002 A JPH09281002 A JP H09281002A
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JP
Japan
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optical system
afocal optical
diaphragm
solid
light
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Application number
JP8953696A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ueda
健 上田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固体撮像素子の受光エレメントのピッチに起因
する側帯波の影響を除去して、常に正確なMTF測定を
可能にする。 【解決手段】スリットを通った光束をコリメータ15に
より平行光束化し、この平行光束を被検アフォーカル光
学系0に入射させ、被検アフォーカル光学系0からの射
出光束を結像レンズ系41,43により受光面45Aに
結像させ、受光面45A上の像に基づき被検アフォーカ
ル光学系のMTFを求める装置であって、結像レンズ系
の前側焦点位置に絞りSを配備し、光源からの光束にお
ける最短波長:λ、結像レンズ系41.43の焦点距
離:fF、絞りSの絞り径:D、測定したい最大角度周
波数:Fmaxθ、撮像素子における受光エレメントのピ
ッチ:Tが、条件:T<λ・fF・tan(1/Fmaxθ)/
{λ+D・tan(1/Fmaxθ)}を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はアフォーカル光学
系のMTF測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アフォーカル光学系は望遠鏡、双眼鏡、
カメラのファインダ等に利用される光学系で「1組の物
点と像点が無限遠にある光学系」として定義される。ア
フォーカル光学系のMTF測定は、スリットを通った光
束をコリメータにより平行光束とし、得られる平行光束
を被検アフォーカル光学系に入射させ、被検アフォーカ
ル光学系からの射出光束を結像レンズ系により固体撮像
素子の受光面に結像させ、結像した像に基づきMTFを
求めることにより行なわれる。
【0003】上記受光面に結像する像は「被検アフォー
カル光学系と結像レンズ系との合成系」による像であ
り、上記像から直接に求まるMTFは上記「合成系」の
MTFであり、被検アフォーカル光学系のMTFは、
「合成系のMTF」を「結像レンズ系のMTF」により
除して求める。
【0004】上記「合成系のMTF」を求める演算には
FFT(高速フーリエ変換)が含まれているため、フー
リエ変換された結果に、固体撮像素子における受光エレ
メントのピッチに応じた側帯波が生じ、この側帯波が本
来測定の対象となるべきベースバンド成分に重なると測
定誤差の原因となる。
【0005】また、MTFを測定すべきアフォーカル光
学系がカメラのファインダ等のように目視用の光学系で
ある場合には、光学系を完全なアフォーカル光学系にす
るのでなく、適当な視度範囲(一般に+2〜−4dp
t)で視度を調整して「見やすく」することが行なわれ
ており、このような目視用のアフォーカル光学系では、
上記視度範囲でMTFの測定を行なう必要があるが、上
記視度範囲をカバーしてMTF測定を行なうためには、
固体撮像素子を結像レンズ系の光軸方向へ変位させなば
ならなず、結像レンズ系によっては、固体撮像素子の変
位量が著しく大きくなってしまう場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述した事
情に鑑み、アフォーカル光学系のMTF測定において、
固体撮像素子の受光エレメントのピッチによる側帯波に
起因する誤差の発生無しに適正なMTF測定を可能なら
しむることを課題とする。
【0007】この発明の別の課題は、目視用のアフォー
カル光学系の所望の視度範囲におけるMTF測定に伴う
固体撮像素子の変位量を有効に小さくすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のア
フォーカル光学系のMTF測定装置は「スリットを通っ
た光束をコリメータにより平行光束化し、この平行光束
を被検アフォーカル光学系に入射させ、被検アフォーカ
ル光学系からの射出光束を結像レンズ系により固体撮像
素子の受光面に結像させ、固体撮像素子の出力に対して
FFTを含む所定の演算を行なって被検アフォーカル光
学系のMTFを求める装置」であって、以下の点を特徴
とする。
【0009】即ち、結像レンズ系の前側焦点位置に絞り
が配備される。また、上記光束における最短波長をλ、
結像レンズ系の焦点距離をfF、絞りの絞り径をD、測
定したい最大角度周波数をFmaxθ、撮像素子における
受光エレメントのピッチをTとするとき、これらは条
件: T<λ・fF・tan(1/Fmaxθ)/{λ+D・tan(1/Fmaxθ)} (1) を満足する。
【0010】請求項2記載の発明のアフォーカル光学系
のMTF測定装置は、光源装置と、回転ステージと、Y
方向ステージおよびX方向ステージと、固体撮像素子
と、結像レンズ系と、絞りと、保持手段と、回転機構
と、演算手段とを有する。「光源装置」は、光源と、こ
の光源からの光束を通過させるスリット部材と、このス
リット部材のスリットを通過した光束を平行光束化する
コリメートレンズとを有する。上記光源は、最短波長:
λの光を放射する。
【0011】「回転ステージ」は、光源装置を保持し、
XY平面内で回転可能である。「Y方向ステージ」は、
回転ステージをY方向へ移動可能に保持する。「X方向
ステージ」は、Y方向ステージに直交し、被検アフォー
カル光学系を、その光軸がXY面内でX方向に平行にな
るように保持する。
【0012】「固体撮像素子」は、受光エレメントのピ
ッチ:Tを有する。「結像レンズ系」は、焦点距離:f
Fを有し、被検アフォーカル光学系からの射出光束を固
体撮像素子の受光面上に結像させる。「絞り」は、結像
レンズ系の前側焦点位置に配備され、絞り径:Dを有す
る。
【0013】「保持手段」は、固体撮像素子と結像レン
ズ系と絞りとを保持する。
【0014】「回転機構」は、保持手段を絞りの位置を
中心としてXY面に直交する軸の回りに回転可能ならし
める機構である。「演算手段」は、固体撮像素子の出力
に基づきFFTを含む所定の演算を行なって、被検アフ
ォーカル光学系のMTFを演算算出する。
【0015】請求項2記載の発明のMTF測定装置は、
測定したい最大角度周波数:Fmaxθに対し、上記λ、
T、fF、Dが条件: T<λ・fF・tan(1/Fmaxθ)/{λ+D・tan(1/Fmaxθ)} (1) を満足することを特徴とする。
【0016】上記請求項1または2記載のアフォーカル
光学系のMTF測定装置において、「絞りの配備位置」
は、被検アフォーカル光学系を覗くときの目の瞳と同位
置とすることができる(請求項3)。即ち、請求項3記
載の発明においては、被検アフォーカル光学系はファイ
ンダ等の「目視用のアフォーカル光学系」である。
【0017】この請求項3記載の「目視用のアフォーカ
ル光学系」のMTF測定装置においては、結像レンズ系
を「結像レンズと拡大レンズ」で構成し、被検アフォー
カル光学系からの射出光束を、結像レンズにより一旦結
像させ、さらに拡大レンズにより拡大して固体撮像素子
の受光面に結像させるように、かつ「拡大レンズと固体
撮像素子とを一体として、結像レンズ系の光軸方向へ移
動可能」とすることができる(請求項4)。この請求項
4記載の発明の場合において、絞りの絞り径:Dを略3
mm、光源の最短波長:λを略400nmとし、拡大レ
ンズの倍率を4倍以上とすることができる(請求項
5)。
【0018】上記請求項2または3または4または5記
載のMTF測定装置において、光源装置の保持するスリ
ット部材が、スリット幅の異なる2以上のスリットを選
択可能であるようにすることができる(請求項6)。
【0019】上記のように、この発明のアフォーカル光
学系のMTF測定装置では、「結像レンズ系の前側焦点
位置に絞り」が配備される。このように「絞り」が前側
焦点位置に配備される結果、結像レンズ系は「テレセン
トリックレンズ」となる。
【0020】一般に結像レンズ系の「有効Fナンバ」
は、「倍率」をm、「射出瞳径/入射瞳径」をψ、「物
体位置無限遠におけるFナンバ」をF/No.として、 「有効Fナンバ」={1+m×(1/ψ)}×F/N
o. で表される。上記のように結像レンズ系の前側焦点位置
に「絞り」を置くと、結像レンズ系はテレセントリック
レンズとなって「入射瞳径は絞り径」となり「射出瞳径
は無限大」となる。従って、1/ψ=0となって有効F
ナンバはF/No.に固定され、倍率:mに依存しなく
なる。従って、被検アフォーカル光学系の性能によりス
リット像の位置が変動しても、結像レンズ系の性能は影
響を受けず、全系のMTFを除する除数としての「結像
レンズ系のMTF」が変動しないので、良好なMTF測
定が可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1にこの発明の実施の1形態を
示す。光源装置10は、光源ランプ1とフィルタ2、ス
リット部材3と、コリメータとしてのコリメートレンズ
4とを相互に所定の位置関係に配備してハウジングによ
り一体化したものである。スリット部材3は「円板状」
であって互いに幅の異なる複数のスリットを有し、スリ
ット部材3を回転させることにより、測定に適した所定
の幅のスリットを選択して使用位置へ設定できるように
なっている(請求項6)。勿論、簡易な測定装置に於い
ては「スリットが1個のもの」を用いることができる。
【0022】光源ランプ1は白色光源であり、これを点
灯させると、放射された白色光はフィルタ2を透過し、
スリット部材3のスリットを通過し、コリメートレンズ
4により平行光束化されて射出する。フィルタ2は測定
光の「スペクトル調整」を行なうために設けられてお
り、主として最短波長:λを設定するのに用いられる。
【0023】光源装置10は回転ステージ20に保持さ
れており、図面に平行なXY面内で正・逆任意の方向に
回転可能となっている。符号30で示すステージは、Y
方向ステージ31とX方向ステージ32とを「十字架」
状に組み合わせて成り、回転ステージ20は、Y方向ス
テージ31上をガイドライン311に沿ってY方向へ移
動可能になっている。
【0024】X方向ステージ32は被検体保持部321
を有し、この被検体保持部321により適宜の保持方法
で、被検アフォーカル光学系0を、その光軸が「XY面
内でX方向に平行」になるように保持する。
【0025】X方向ステージ32にはまた、第2の回転
ステージ322が設けられ、この回転ステージ322に
保持手段40の一端部側が固定されている。保持手段4
0は「細長い板状」であって、その表面側に、絞りS
と、結像レンズ41および拡大レンズ43と、固体撮像
素子45とを保持している。固体撮像素子45は「少な
くともY方向の走査機能」を持つラインセンサもしくは
エリアセンサ(例えばCCD)である。
【0026】結像レンズ41はレンズ保持体42に保持
され、拡大レンズ43は別のレンズ保持体44に保持さ
れる。結像レンズ41と拡大レンズ43は「結像レンズ
系」を構成し、光軸合わせされた状態で保持される。
【0027】絞りSは「結像レンズ系の前側焦点位置」
に固定的に配備され、回転ステージ322の回転軸Pは
絞りSの配備位置を通る。X方向ステージの端部側に
は、ガイドレール33が上記回転軸Pの位置を中心とす
る円弧状に設けられ、保持手段40の自由端部側の裏面
に設けられた「回転コロ(図示されず)」と係合してい
る。第2の回転ステージ322とガイドレール33と上
記図示されない回転コロとは「保持手段40を、絞りS
の位置を中心としてXY面に直交する軸Pの回りに回転
可能ならしめる回転機構」を構成している。
【0028】図1は被検アフォーカル光学系0の「光軸
に対して角:θin傾いた方向のMTF」を測定する状態
を示している。被検アフォーカル光学系0を図の如くセ
ットして光源ランプ1を点灯すると、放射された光はフ
ィルタ2を透過してスペクトル調整され、スリット部材
3のスリット(測定に適した幅のものが選択されてお
り、その長手方向は図1の図面に直交する方向である)
を通り、コリメートレンズ4により平行光束化されて光
源装置10から射出し、被検アフォーカル光学系0に、
光軸に対し角:θin傾いて入射する。
【0029】被検アフォーカル光学系0から射出した光
束は絞りSを通過し、結像レンズ41により一旦結像
し、拡大レンズ43によるその拡大像が固体撮像素子5
4の受光面45Aに結像される。固体撮像素子45の受
光面45Aと結像レンズ系との位置関係は、予め上記結
像が行なわれるように位置調整されている。この位置調
整は、図示されないビュワー(半透鏡)により結像光束
を分離して結像状態を目視もしくはモニタにより観察し
ながら行なわれる。
【0030】固体撮像素子45は、結像された像の光強
度分布を走査して出力し、この出力は演算手段100
(マイクロコンピュータである)へ送られる。演算手段
100は入力される上記「像の光強度分布」に対し以下
の演算を行なう。即ち、先ず光強度分布をFFTにより
フーリエ変換する。フーリエ変換の結果は「被検アフォ
ーカル光学系と結像レンズ系との合成系のOTF」であ
る。この結果が、予め測定されて既知となっている「結
像レンズ系のOTF」で除算される。除算の結果は「被
検アフォーカル光学系のOTF」であり、このOTFの
「絶対値」が求めるMTFとして算出される。このよう
にして、被検アフォーカル光学系0のMTFが得られ
る。
【0031】アフォーカル光学系は前述の如く望遠鏡や
顕微鏡、カメラのファインダ等に用いられるから通常そ
の使用状態は「アフォーカル光学系を覗く」ことであ
る。
【0032】図1の実施の形態において、絞りSの配備
位置は「被検アフォーカル光学系0を覗くときの目の瞳
と同位置」に設定され(請求項3)、さらに絞りSの
「径」は「被検アフォーカル光学系を覗くときの目の瞳
径(予め標準的な測定光強度における瞳径を実測して定
める)と同じ」に定められている。
【0033】このようにして測定を行なうと、被検アフ
ォーカル光学系0の「実使用に近い状態」でMTFの測
定ができて都合が良い。一般に、「目」はものを見る場
合、見ようとするものの方向に瞳を向けている。光学系
を覗く場合も同様であり、軸外の対象物を見ようとする
ときは、瞳(絞りSに対応する)から網膜(固体撮像素
子45の受光面45Aが対応する)までを像方向に向け
て見ている。そこで、図1に示すように軸外のMTFを
測定するときは、「被検アフォーカル光学系0の軸外の
対象物を見る時の目の状態」を図1のようにして再現し
ている。回転ステージ20を図のようにY方向ステージ
31に沿ってY方向へ移動させ(このときの移動量(L
Yとする)は、Y方向ステージ31の一方の側縁部31
0に印されたスケールで知ることができる)、回転ステ
ージ20を回転させ、光源装置10からの平行光束が被
検アフォーカル光学系0に入射するようにする。
【0034】ガイドライン311と被検アフォーカル光
学系0の配備位置との距離(LXとする)は一定である
ので、入射平行光束と被検アフォーカル光学系0の光軸
との成す角:θinは、tanθin=LY/LXの関係か
ら知ることができる。説明中の実施の形態において角:
θinは最大40度まで設定可能である。
【0035】一方、絞りSの位置を中心として保持手段
40を図2のように回転させることにより「絞りSから
固体撮像素子45の受光面45Aに到る構成」を、絞り
Sを中心として回転させ、被検アフォーカル光学系0か
ら射出した光束が結像レンズ系によって固体撮像素子4
5の受光面45Aに結像させるようにする。この状態
で、上記の如くMTFの測定を行なうことにより、実使
用に近い状態で軸外のMTF測定を行なうことができ
る。
【0036】さて、固体撮像素子45の出力に対してF
FTを行なうと、図2に示す如く、フーリエ変換:X
(F)には、受光面45A上の強度分布のフーリエ変換
である「ベースバンド成分」とともに、固体撮像素子4
5における受光エレメントのピッチ:Tに起因して、上
記ベースバンド成分と1/Tだけずれた「側帯波」が現
れる。ピッチ:Pが大きいと、図2の横軸の1/Tは小
さくなり、ベースバンド成分と側帯波との重なりが大き
くなり、高空間周波数に対するMTFの誤差が大きくな
る。
【0037】図2に示すように、受光面45A上の強度
分布のフーリエ変換における最大の周波数をFCとする
と、上記側帯波による誤差なしに計れる周波数範囲は、
図2の周波数:FL(側帯波が0となる周波数)までで
ある。従って、測定したい最高周波数をFmaxとする
と、測定値に側帯波による誤差が入らない条件は、 Fmax<FL=(1/T)−FC (2) 即ち、 T<1/(Fmax+FC) (3) であることになる。
【0038】周波数:FCは、被検アフォーカル光学系
0と結像レンズ系との「遮断周波数」で、被検アフォー
カル光学系0と結像レンズ系41,43との合成のF
値:F/NoTOTALと光源装置10から放射される光束中
の最短波長:λとを用いて、 FC=1/(λ・F/NoTOTAL) (4) と書ける。
【0039】「F/NoTOTAL」は、アフォーカル光学系
0と結像レンズ系41,43との合成焦点距離:fFF
上記合成系の入射瞳径:DFF、絞りSの絞り径:D、ア
フォーカル光学系0の倍率:M、結像レンズ系41,4
3の焦点距離:fFを用いて F/NoTOTAL=fFF/DFF=(fF/M)/(D/M)=fF/D (5) となる。一般に、アフォーカル光学系のMTFは「角度
周波数」に対して示されるから、測定したい最高角度周
波数を「Fmaxθ」とすると、Fmaxθと上記Fmaxとの
間には、 1/Fmax=fF・tan(1/Fmaxθ) (6) 成る関係があり、式(4)〜(6)を用いると上記
(3)は、 T<λ・fF・tan(1/Fmaxθ)/{λ+D・tan(1/F
maxθ)} 即ち(1)式になる。従って、条件(1)満足すること
により(請求項1〜6)、上記側帯波に伴う誤差を発生
させることなく適正なMTF測定を行なうことができ
る。
【0040】次に、図1の実施の形態で、アフォーカル
光学系1が目視用の光学系(ファインダ等)である場合
(すでに説明したように、このような場合を想定して、
絞りSを目の位置に配備している)には、光源装置10
から放射させるべき光束の分光特性は肉眼の視感度曲線
に合わせるのがよく、その場合、前記最短波長:λは略
400nmが適切である。
【0041】絞りSは目の位置に設けられるから、絞り
径:Dは平均的な目の瞳系:略3mmが適切である。固
体撮像素子として一般的なCCDは、標準的なものでは
受光エレメントのピッチ:T=14μmである。最高角
度周波数はファインダ等では一般に30(本/deg)
が適当である。
【0042】このような数値を条件式(1)に代入する
と、結像レンズ系の焦点距離:fFはfF>129mmに
なる。仮に、焦点距離:130mmのレンズのみで「結
像レンズ系」を構成し、被検アフォーカル光学系0から
の光束を、この結像レンズ系で固体撮像素子の受光面に
結像させた場合を想定してみる。
【0043】この想定において、目視用のアフォーカル
光学系の視度範囲:+2〜−4dptでMTF測定を行
なおうとすると、結像レンズ系の後側焦点と受光面との
間の距離:lと、結像レンズ系の前側焦点から物体(ア
フォーカル光学系による虚像の位置)までの距離:ξ
と、結像レンズ系の焦点距離(130mm):fFとの
間には関係: ξ・l=fF 2 (7) が成り立つから、視度:+2dptのとき、ξ=+50
0mm,fF=130mmからl=−33.8mm、視
度:−4dpiのとき、ξ=−250mm,fF=13
0mmからl=67.6mmになる。
【0044】即ち、視度範囲:+2〜−4dptでMT
F測定を行なおうとすると、視度の変化に応じて、固体
撮像素子の受光面は33.8+67.6=101.4m
m変位する必要があり、固体撮像素子の移動機構が大型
化し、このような大きな距離を精度良く変位させるには
高価なスケールが必要となる。
【0045】そこで請求項4記載のように、結像レンズ
系を「結像レンズと拡大レンズ」で構成し、被検アフォ
ーカル光学系からの射出光束を結像レンズにより一旦結
像させ、さらに拡大レンズにより拡大して固体撮像素子
に受光面に結像させるようにし、かつ、拡大レンズと固
体撮像素子とを一体として、結像レンズ系の光軸方向へ
移動可能にする(図1の形態では、拡大レンズ系43と
固体撮像素子45とは一体として、保持手段40に対し
て変位するようになっている)と、結像レンズの焦点距
離を有効に縮小でき、結像レンズによる結像位置の「視
度変化に伴う変位量」を有効に小さくできるので、固体
撮像素子の変位量を有効に縮小できる。
【0046】1例として、図1における上記拡大レンズ
43の倍率を4倍とすると、合成焦点距離:130mm
の結像レンズ系を構成するには、結像レンズ41として
焦点距離:32.5mmのものを用いれば良く、この結
像レンズ41を用いると、前記距離:lは、視度:+2
dpiに対して−2.1mm、視度:−4に対して+
4.2mmとなるから、拡大レンズ43と一体に変位さ
せるべき固体撮像素子45の変位量は6.3mmですむ
ことに成り、変位機構を有効に小型化できると共に、精
度のよい変位が可能になる。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ばアフォーカル光学系の新規なMTF測定装置を実現で
きる。
【0048】請求項1〜6記載の発明によれば、アフォ
ーカル光学系のMTFを、アフォーカル光学系の性能に
拘り無く、また固体撮像素子における受光エレメントの
ピッチに起因する側帯波による誤差の発生無く、常に適
正に測定することが可能である。請求項3〜6記載の発
明によれば、目視用のアフォーカル光学系のMTFを、
実使用に近い状態で所望の視度範囲にわたって測定する
ことができ、所望の視度範囲にわたるMTF測定の際の
固体撮像素子の変位量を有効に小さくできる。
【0049】また請求項6記載の発明によれば、被検ア
フォーカル光学系に応じた適正な幅のスリットを選択で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の1形態を示す図である。
【図2】固体撮像素子の受光エレメントのピッチに起因
する側帯波とベースバンドとの関係を説明するための図
である。
【符号の説明】
0 被検アフォーカル光学系 10 光源装置 S 絞り 41 結像レンズ 43 拡大レンズ(結像レンズ41とともに結像レ
ンズ系を構成する) 45 固体撮像素子 45A 受光面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スリットを通った光束をコリメータにより
    平行光束化し、この平行光束を被検アフォーカル光学系
    に入射させ、上記被検アフォーカル光学系からの射出光
    束を結像レンズ系により固体撮像素子の受光面に結像さ
    せ、上記固体撮像素子の出力に対してFFTを含む所定
    の演算を行なって被検アフォーカル光学系のMTFを求
    める装置であって、 上記結像レンズ系の前側焦点位置に絞りを配備し、 上記光束における最短波長をλ、上記結像レンズ系の焦
    点距離をfF、上記絞りの絞り径をD、測定したい最大
    角度周波数をFmaxθ、撮像素子における受光エレメン
    トのピッチをTとするとき、これらが条件: T<λ・fF・tan(1/Fmaxθ)/{λ+D・tan(1/F
    maxθ)} を満足することを特徴とするアフォーカル光学系のMT
    F測定装置。
  2. 【請求項2】最短波長:λの光を放射する光源と、この
    光源からの光束を通過させるスリット部材と、このスリ
    ット部材のスリットを通過した光束を平行光束化するコ
    リメートレンズとを有する光源装置と、 この光源装置を保持し、XY平面内で回転可能な回転ス
    テージと、 この回転ステージをY方向へ移動可能に保持するY方向
    ステージと、 Y方向ステージに直交し、被検アフォーカル光学系を、
    その光軸がXY面内でX方向に平行になるように保持す
    るX方向ステージと、 受光エレメントのピッチ:Tを有する固体撮像素子と、 焦点距離:fFを有し、上記被検アフォーカル光学系か
    らの射出光束を上記固体撮像素子の受光面上に結像させ
    る結像レンズ系と、 この結像レンズ系の前側焦点位置に配備され、絞り径:
    Dを有する絞りと、 上記固体撮像素子と結像レンズ系と絞りとを保持する保
    持手段と、 この保持手段を上記絞りの位置を中心としてXY面に直
    交する軸の回りに回転可能ならしめる回転機構と、 上記固体撮像素子の出力に基づきFFTを含む所定の演
    算を行なって、被検アフォーカル光学系のMTFを演算
    算出する演算手段とを有し、 測定したい最大角度周波数:Fmaxθに対し、上記λ、
    T、fF、Dが条件: T<λ・fF・tan(1/Fmaxθ)/{λ+D・tan(1/F
    maxθ)} を満足することを特徴とするアフォーカル光学系のMT
    F測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のアフォーカル光学
    系のMTF測定装置において、 絞りの配備位置を、被検アフォーカル光学系を覗くとき
    の目の瞳と同位置とすることを特徴とするアフォーカル
    光学系のMTF測定装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載のアフォーカル光学系のMT
    F測定装置において、 結像レンズ系を、結像レンズと拡大レンズとで構成し、
    被検アフォーカル光学系からの射出光束を上記結像レン
    ズにより一旦結像させ、さらに上記拡大レンズにより拡
    大して固体撮像素子の受光面に結像させるように、か
    つ、上記拡大レンズと固体撮像素子とを一体として、上
    記結像レンズ系の光軸方向へ移動可能としたことを特徴
    とするアフォーカル光学系のMTF測定装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のアフォーカル光学系のMT
    F測定装置において、 絞りの絞り径:Dが略3mm、光源の最短波長:λが略
    400nmであり、拡大レンズの倍率が4倍以上である
    ことを特徴とするアフォーカル光学系のMTF測定装
    置。
  6. 【請求項6】請求項2または3または4または5記載の
    MTF測定装置において、 光源装置の保持するスリット部材は、スリット幅の異な
    る2以上のスリットを選択可能であることを特徴とする
    アフォーカル光学系のMTF測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110320009A (zh) * 2019-06-25 2019-10-11 歌尔股份有限公司 光学性能检测方法及检测装置

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