JPH09280378A - フローティングシール装置 - Google Patents

フローティングシール装置

Info

Publication number
JPH09280378A
JPH09280378A JP11830496A JP11830496A JPH09280378A JP H09280378 A JPH09280378 A JP H09280378A JP 11830496 A JP11830496 A JP 11830496A JP 11830496 A JP11830496 A JP 11830496A JP H09280378 A JPH09280378 A JP H09280378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sliding
seal ring
ring
seal
fitting groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11830496A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Tanaka
潔 田中
Takeshi Ichiyanagi
健 一柳
Hiroshi Gomyo
廣志 後明
Kazuyoshi Hatano
和好 波多野
Takashi Takahashi
巍 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP11830496A priority Critical patent/JPH09280378A/ja
Publication of JPH09280378A publication Critical patent/JPH09280378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動体がシールリング本体から離脱するのを
確実に防止でき、かつ製造コストを低減できるようにす
る。 【解決手段】 シールリング本体22の対向面22Aを
加圧して外周側保持部25Aと内周側保持部25Bとを
形成し、このときにシールリング本体22の一部を摺動
リング23に向けて塑性変形させることにより、外周側
保持部25Aと内周側保持部25Bとの間で摺動リング
23を全周に亘って圧着する構成とする。これにより、
例えば摺動リング23を接着剤のみによってシールリン
グ本体22の端面に固着する場合に比較して、摺動リン
グ23が摩擦によって高温となった場合でも、摺動リン
グ23がシールリング本体22から離脱するのを確実に
防止でき、フローティングシール装置の信頼性を向上す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ルや油圧クレーン等の装軌式車両に用いられるフローテ
ィングシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルや油圧クレーン等の装軌式
車両において、履帯を案内する上,下の案内ローラ、遊
動輪、駆動輪に設けられる走行用減速機等、過酷な条件
下で使用される回転部と固定部との間には、一般に、フ
ローティングシール装置が設けられている。
【0003】そこで、この種の従来技術によるフローテ
ィングシール装置として、図11に油圧ショベル等の走
行用減速機に用いられるフローティングシール装置を例
に挙げて示す。
【0004】図において、1は油圧ショベル等の機枠に
ねじ穴1Aを介して固着される円筒状の固定側ケーシン
グで、該ケーシング1の一端側には走行用モータとして
の油圧モータ2がボルト3を介して固着され、該油圧モ
ータ2には回転出力を導出する出力軸2Aが設けられて
いる。4は該出力軸2Aからの回転出力を減速する減速
機で、該減速機4は固定側ケーシング1の他端側に軸受
5,5を介して回転自在に支持された回転側ケーシング
6と、該回転側ケーシング6に内蔵された1段または複
数段の遊星歯車減速機構(図示せず)とからなり、回転
側ケーシング6は所定の減速度で回転駆動される。
【0005】7は回転側ケーシング6のフランジ部6A
にボルト8を介して固着されたスプロケットで、該スプ
ロケット7は履帯(図示せず)のトラックリンクに噛合
し、該履帯を駆動することによって油圧ショベルを地面
上で走行させるものである。
【0006】9は固定側ケーシング1,回転側ケーシン
グ6の相対向する端部1B,6Bの内周側に装着された
フローティングシール装置で、該フローティングシール
装置9は各ケーシング1,6内のオイルが外部に漏洩す
るのを防止すると共に、土砂、泥水および雨水等が各ケ
ーシング1,6内に侵入するのを防止している。
【0007】ここで、フローティングシール装置9は図
12に示すように、固定側ケーシング1,回転側ケーシ
ング6の相対向する端部1B,6Bの内周側に配設され
た一対のシールリング10,10と、該各シールリング
10と各ケーシング1,6の端部1B,6Bとの間に挟
持された一対のOリング11,11とからなり、各シー
ルリング10の軸方向で対向する対向面には摺動面10
A,10Aが設けられ、該各摺動面10Aの内周側は所
定の面圧を確保すると共に各摺動面10Aへのオイルに
よる潤滑性を確保するためにテーパ状に形成されてい
る。
【0008】そして、各ケーシング1,6の端部1B,
6Bの内周面1C,6Cと各シールリング10の外周面
10B,10Bは、それぞれ傾斜して形成され、その間
にOリング11を介装したときに、該Oリング11の弾
性力によって各摺動面10Aが所定の面圧をもって摺接
することにより、シール性が確保できるようになってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
フローティングシール装置9では、高い面圧に耐えられ
るように摺動面10Aの耐摩耗性を向上すべく、例えば
チル鋳物等の硬度の高い材料によってシールリング10
を形成した場合には、材料費が高くなるばかりでなく、
材料が硬いためにシールリング10の加工性が悪くな
り、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0010】これに対し、例えばアルミニウム合金等か
らなるシールリング本体と、例えばセラミック材のよう
に耐摩耗性に優れた材料から薄肉の環状に形成され、各
シールリング本体の互いに対向する面に固着して設けら
れた摺動体とからなるシールリングが知られている(例
えば、実開昭56−118188号)。
【0011】このようなシールリングを用いた場合に
は、摺動体が固着されるシールリング本体を硬度の低い
安価なアルミニウム合金等によって形成することによ
り、材料費の削減、およびシールリングの加工性の向上
を図ることができ、製造コストを低減することができ
る。
【0012】しかし、このようなシールリングでは、摺
動体がシールリング本体の互いに対向する面に接着剤の
みによって固着されるから、各摺動体が摩擦によって高
温になることによりシールリング本体から離脱し易くな
る傾向があり、信頼性に欠けるという問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、摺動体がシールリング本体から離脱する
のを確実に防止することにより信頼性を向上でき、かつ
製造コストを低減できるフローティングシール装置を提
供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、相対回転するケーシングの内面側に
それぞれ配設され、軸方向で互いに対向する面を摺動す
ることによってシールを行う一対のシールリングと、該
各シールリングの外周面と各ケーシングの内周面との間
にそれぞれ挟持され、該各シールリングに押付力を付与
するOリングとを備えてなるフローティングシール装置
に適用される。
【0015】そして、請求項1の発明の特徴は、前記各
シールリングは、互いに対向する面に環状の摺動体嵌合
溝が設けられたシールリング本体と、該シールリング本
体の摺動体嵌合溝に嵌合され前面側が摺動面となった環
状摺動体と、摺動体嵌合溝内に該環状摺動体を嵌合した
状態で前記シールリング本体を塑性変形させることによ
り該シールリング本体に形成された摺動体保持部とから
構成したことにある。
【0016】上記構成によれば、摺動体嵌合溝内に環状
摺動体を嵌合した状態でシールリング本体を塑性変形さ
せることにより、塑性変形したシールリング本体の一部
からなる摺動体保持部が形成され、この摺動体保持部に
よって環状摺動体を堅固に保持することができる。
【0017】また、請求項2の発明は、前記摺動体保持
部は、前記環状摺動体よりも径方向外側に位置して前記
シールリング本体を環状に塑性変形させて形成した外周
側保持部と、前記環状摺動体よりも径方向内側に位置し
て前記シールリング本体を環状に塑性変形させて形成し
た内周側保持部とからなり、該内周側保持部と前記外周
側保持部との間で前記環状摺動体を挟持する構成とした
ことにある。
【0018】上記構成によれば、シールリング本体に外
周側保持部を形成することにより、摺動体嵌合溝の外周
縁が環状摺動体の径方向内側に向けて塑性変形を生じ、
また、シールリング本体に内周側保持部を形成すること
により、摺動体嵌合溝の内周縁が環状摺動体の径方向外
側に向けて塑性変形を生じるから、環状摺動体の外周縁
と内周縁とを外側変形部と内側変形部との間で全周に亘
って挟持することができる。
【0019】さらに、請求項3の発明は、前記各環状摺
動体の周縁部には、塑性変形した前記シールリング本体
の一部を食込ませるための係合凹部を設けたことにあ
る。
【0020】上記構成によれば、シールリング本体を塑
性変形させて摺動体保持部を形成するときに、環状摺動
体に向けて塑性変形を生じたシールリング本体の一部が
環状摺動体の周縁部に設けた係合凹部に食込むことによ
り、環状摺動体を堅固に保持することができる。
【0021】そして、請求項4の発明は、前記シールリ
ング本体に設けた摺動体嵌合溝の底面には接着剤を塗布
したことにある。
【0022】上記構成によれば、摺動体嵌合溝に嵌合し
た環状摺動体は、摺動体保持部と摺動体嵌合溝内に塗布
した接着剤とによって堅固に保持される。
【0023】また、請求項5の発明は、前記シールリン
グ本体に設けた摺動体嵌合溝の底面にはリング嵌合溝を
設け、該リング嵌合溝内にはOリングを嵌着したことに
ある。
【0024】上記構成によれば、環状摺動体が摺動体嵌
合溝に嵌合した状態で摺動体保持部によって保持された
とき、環状摺動体と摺動体嵌合溝との間をOリングによ
って封止することにより、該環状摺動体と摺動体嵌合溝
との間からオイルが漏洩するのを防止できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
ないし図10を参照しつつ説明する。
【0026】まず、図1ないし図5は本発明によるフロ
ーティングシール装置の第1の実施例を示している。な
お、本実施例では、上述した従来技術によるフローティ
ングシール装置と同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略する。
【0027】図において、21,21は固定側ケーシン
グ1の端部1Bおよび回転側ケーシング6の端部6Bの
内周側に配設された一対のシールリングを示し、該各シ
ールリング21は、固定側ケーシング1の端部1Bおよ
び回転側ケーシング6の端部6Bとの間に挟持された各
Oリング11と共にフローティングシール装置を構成し
ている。
【0028】22は各シールリング21を構成するシー
ルリング本体で、該シールリング本体22は図2に示す
ように、例えばアルミニウム合金、亜鉛合金等の耐食性
および加工性に優れた軽合金材料から全体として環状に
形成されている。ここで、各シールリング本体22の軸
方向で対向する対向面22Aには、全周に亘って「コ」
字状の断面形状を有する環状の摺動体嵌合溝22Bが形
成されており、該摺動体嵌合溝22B内には後述の摺動
リング23が嵌合するようになっている。
【0029】また、各シールリング本体22の外周面2
2Cは図3に示すように、対向面22A側に向けて漸次
拡径するように傾斜し、かつ凹湾曲状に形成されてお
り、該各外周面22Cと固定側ケーシング1の内周面1
Cおよび回転側ケーシング6の内周面6Cとの間にOリ
ング11を介装したときに、該Oリング11の弾性力に
よって各摺動リング23が所定の面圧をもって摺接する
ようになっている。
【0030】23はシールリング本体22の摺動体嵌合
溝22Bに嵌合して圧着された環状摺動体としての摺動
リングを示し、該摺動リング23は、チル鋳物(例え
ば、炭素を3.5%、クロムを15.0%、モリブデン
を3.5%含有し、残りが鉄からなる合金鋳鉄)、ある
いは高速度工具鋼(例えば、炭素を0.7〜1.5%、
タングステンを5〜20.0%、モリブデンを0.5〜
7.0%、バナジウムを0.8〜6.0%、クロムを
3.5〜4.5%、コバルトを4.5〜10.0%含有
し、残りが鉄からなる特殊合金鋼)等の耐摩耗性に優れ
た金属材料から形成されている。
【0031】ここで、該摺動リング23は図4に示すよ
うに、幅寸法Sが6〜9mm、厚さ寸法tが1〜3mm
の薄肉の環状に形成され、平坦状の摺動面23Aと、該
摺動面23Aに潤滑用のオイルを導くため、傾斜角度θ
が5〜10°に設定されたテーパ面23Bとを有してい
る。
【0032】なお、摺動リング23のテーパ面23Bは
必ずしも必要ではなく、例えば幅寸法Sが3mm、厚さ
寸法tが1〜3mmに形成し、摺動面23Aのみを有す
る摺動リングとしてもよい。
【0033】24はシールリング本体22に設けた摺動
体嵌合溝22Bの底面に塗布したニトリルゴム系の接着
剤で、該接着剤24は、摺動リング23を摺動体嵌合溝
22Bに接着すると共に、該摺動リング23と摺動体嵌
合溝22Bとの間を液密に封止し、摺動リング23の摺
動面23Aに供給されるオイルが外部に漏洩するのを防
止している。
【0034】25Aは摺動リング23よりも径方向外側
に位置して各シールリング本体22の対向面22Aに全
周に亘って形成された外周側保持部、25Bは摺動リン
グ23よりも径方向内側に位置して各シールリング本体
22の対向面22Aに全周に亘って形成された内周側保
持部をそれぞれ示し、該外周側保持部25Aと内周側保
持部25Bとは、シールリング本体22の対向面22A
に摺動リング23を保持する摺動体保持部を構成するも
のである。
【0035】ここで、外周側保持部25Aおよび内周側
保持部25Bは図5に示すように、摺動体嵌合溝22B
内に摺動リング23を嵌合した状態で、シールリング本
体22の対向面22Aを加圧して塑性変形させることに
より形成されており、以下、シールリング本体22の対
向面22Aに外周側保持部25Aおよび内周側保持部2
5Bを形成する方法について、図6を参照して説明す
る。
【0036】図6において、31はシールリング本体2
2の対向面22Aに外周側保持部25Aおよび内周側保
持部25Bを形成するプレス装置を示し、該プレス装置
31は、摺動リング23を上向きにした状態でシールリ
ング本体22が装着される受台32と、該受台32の上
側に位置して上,下方向に移動するパンチ33とからな
り、パンチ33の下端面には、摺動リング23の外径よ
りも若干大きな直径を有する大径環状突起33Aと、摺
動リング23の内径よりも若干小さな直径を有する小径
環状突起33Bとが同心円状に設けられている。
【0037】そして、シールリング本体22の摺動体嵌
合溝22Bに接着剤24を塗布し、摺動リング23を嵌
合させた状態で、該摺動リング23を上向きにしてシー
ルリング本体22をプレス装置31の受台32に装着し
た後、パンチ33を下降させる。これにより、シールリ
ング本体22の対向面22Aが大径環状突起33Aと小
径環状突起33Bとに加圧されて塑性変形し、摺動リン
グ23よりも径方向外側が環状に陥没してなる外周側保
持部25Aと、摺動リング23よりも径方向内側が環状
に陥没してなる内周側保持部25Bとが形成される。
【0038】ここで、外周側保持部25Aが形成される
ときには、シールリング本体22に設けた摺動体嵌合溝
22Bの外周縁部が、摺動リング23の径方向内側に向
けて塑性変形を生じ、また、内周側保持部25Bが形成
されるときには、摺動体嵌合溝22Bの内周縁部が、摺
動リング23の径方向外側に向けて塑性変形を生じる。
この結果、図5に示すように外周側保持部25Aと内周
側保持部25Bとの間で、摺動リング23を全周に亘っ
て圧着し堅固に挟持することができる。
【0039】かくして、本実施例によれば、シールリン
グ本体22の対向面22Aを加圧して外周側保持部25
Aと内周側保持部25Bとを形成し、このときにシール
リング本体22の一部を摺動リング23に向けて塑性変
形させることにより、外周側保持部25Aと内周側保持
部25Bとの間で摺動リング23を全周に亘って挟持す
る構成としたから、例えば従来技術で述べた如く、摺動
リングを接着剤のみにによってシールリング本体の端面
に固着する場合に比較して、摺動リング23が摩擦によ
って高温となった場合でも、該摺動リング23がシール
リング本体22の対向面22Aから離脱するのを確実に
防止でき、フローティングシール装置の信頼性を向上す
ることができる。
【0040】また、アルミニウム合金等の軽合金からな
るシールリング本体22と、チル鋳物等の耐摩耗性材料
からなる摺動リング23とからシールリング21を構成
することにより、シールリング全体を耐摩耗性材料から
形成する場合に比較して、材料費の削減および加工性の
向上を図ることができ、シールリング全体の製造コスト
を低減することができる。
【0041】次に、図7は本発明による第2の実施例を
示している。なお、本実施例では、上述した第1の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略する。
【0042】図において、22Dはシールリング本体2
2の摺動体嵌合溝22B底面に全周に亘って凹設したリ
ング嵌合溝を示し、該リング嵌合溝22D内には、Oリ
ング41が嵌着している。
【0043】そして、該Oリング41は、摺動リング2
3がシールリング本体22の対向面22Aに形成された
外周側保持部25Aと内周側保持部25Bとの間で挟持
された状態で、摺動リング23とリング嵌合溝22Dと
の間で弾性変形することにより、摺動体嵌合溝22Bと
摺動リング23との間を液密に封止している。
【0044】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、摺動リング23のテーパ面23Bに案内されて摺動
面23Aに供給されるオイルが、摺動リング23とシー
ルリング本体22の摺動体嵌合溝22Bとの間に流込ん
だとしても、このオイルをOリング41によって封止す
ることにより、外部に漏洩してしまうのを防止すること
ができる。
【0045】この結果、摺動リング23の摺動面23A
を常時適切に潤滑することができ、摺動面23Aの焼付
き等を防止することにより、フローティングシール装置
の信頼性を向上することができる。
【0046】次に、図8ないし図10は本発明による第
3の実施例を示している。なお、本実施例では、上述し
た第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略する。
【0047】図において、51は上述した第1の実施例
に用いた摺動リング23に代えて本実施例に適用される
環状摺動体としての摺動リングを示し、該摺動リング5
1は、耐摩耗性に優れた金属材料から第1の実施例によ
る摺動リング23と同様の薄肉の環状に形成され、摺動
面51Aとテーパ面51Bとを有している。
【0048】52,52,…は摺動リング51の外周縁
および内周縁に均等なピッチをもって形成された複数の
三角形状の係合凹部で、該各係合凹部52は、シールリ
ング本体22の対向面22Aを加圧して外周側保持部2
5Aおよび内周側保持部25Bを形成したとき、塑性変
形したシールリング本体22の一部を食込ませるための
ものである。
【0049】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、シールリング本体22の対向面22Aに形成した外
周側保持部25Aと内周側保持部25Bとの間で摺動リ
ング51を挟持する構成については、上述した第1の実
施例と格別差異はない。
【0050】然るに、本実施例によれば、摺動リング5
1の外周縁と内周縁とに複数の係合凹部52を設けるこ
とにより、シールリング本体22の対向面22Aに外周
側保持部25Aおよび内周側保持部25Bを形成したと
き、図9および図10に示すように、塑性変形したシー
ルリング本体22の一部が摺動リング51の各係合凹部
52に食込んで食込み部53,53,…を形成する。
【0051】かくして、本実施例によれば、シールリン
グ本体22の対向面22Aに形成した外周側保持部25
Aと内周側保持部25Bとの間で摺動リング51を全周
に亘って圧着して挟持できることに加え、塑性変形した
シールリング本体22の一部が摺動リング51の各係合
凹部52に食込んで食込み部53,53,…を形成する
ことにより、摺動リング51をシールリング本体22の
対向面22Aに一層確実に挟持することができる。
【0052】なお、前記第2の実施例では、摺動リング
51の外周縁および内周縁に均等なピッチをもって複数
の係合凹部52を設けた場合を例に挙げたが、本発明は
これに限るものではなく、例えば摺動リングの外周縁の
みに係合凹部を設けてもよく、内周縁のみに係合凹部を
設ける構成としてもよい。
【0053】また、前記各実施例では、油圧ショベル等
の走行用減速機に用いられるフローティングシール装置
を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、装
軌式車両の履帯を案内する上,下の案内ローラ、遊動
輪、車輪類等にも適用することができ、さらに各種の産
業機械の軸支持装置にも広く適用することができる。
【0054】さらに、シールリング21に押付力を付与
するOリング11、シールリング本体22のリング嵌合
溝22D内に嵌着されるOリング41は、必ずしも真円
状である必要はなく、例えば楕円形状、多角形状等の非
円形状としてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、シールリング本体の互いに対向する面に設けた摺
動体嵌合溝に環状摺動体を嵌合させた状態で、シールリ
ング本体を塑性変形させることにより摺動体保持部を形
成し、該摺動体保持部によって環状摺動体を圧着保持す
る構成としたから、例えば環状摺動体を接着剤のみによ
ってシールリング本体に固着する場合に比較して、環状
摺動体が摩擦によって高温となった場合でも、該環状摺
動体がシールリング本体から離脱するのを確実に防止で
き、フローティングシール装置の信頼性を向上すること
ができる。また、環状摺動体をシールリング本体とは別
体に形成して接合することにより、例えばシールリング
全体を耐摩耗性材料から形成する場合に比較して、材料
費の削減および加工性の向上を図ることができ、シール
リング全体の製造コストを低減することができる。
【0056】また、請求項2の発明によれば、摺動体保
持部を外周側保持部と内周側保持部とから構成すること
により、シールリング本体に外周側保持部を形成すると
きには、摺動体嵌合溝の外周縁が環状摺動体の径方向内
側に向けて塑性変形を生じさせ、また、シールリング本
体に内周側保持部を形成するときには、摺動体嵌合溝の
内周縁が環状摺動体の径方向外側に向けて塑性変形を生
じさせる構成としたから、環状摺動体の外周縁と内周縁
とを全周に亘って圧着し確実に挟持することができる。
【0057】さらに、請求項3の発明によれば、環状摺
動体の周縁部に係合凹部を設けることにより、環状摺動
体に向けて塑性変形を生じたシールリング本体の一部を
環状摺動体の周縁部に設けた係合凹部に食込ませること
ができ、環状摺動体を一層堅固に挟持することができ
る。
【0058】そして、請求項4の発明によれば、シール
リング本体に設けた摺動体嵌合溝の底面に接着剤を塗布
することにより、摺動体嵌合溝に嵌合した環状摺動体
を、摺動体保持部と摺動体嵌合溝内に塗布した接着剤と
によって堅固に保持することができる。
【0059】また、請求項5の発明によれば、シールリ
ング本体に設けた摺動体嵌合溝の底面にリング嵌合溝を
設け、該リング嵌合溝内にOリングを嵌着することによ
り、環状摺動体が摺動体嵌合溝に嵌合した状態で摺動体
保持部によって保持されたとき、環状摺動体と摺動体嵌
合溝との間をOリングによって封止することにより、該
環状摺動体と摺動体嵌合溝との間からオイルが漏洩する
のを防止できる。この結果、環状摺動体の摺動面を常時
適切に潤滑することができ、該摺動面の焼付き等を防止
することにより、フローティングシール装置の信頼性を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるフローティングシ
ール装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中のシールリング本体と摺動リングとを示
す分解斜視図である。
【図3】図1中のシールリング本体、摺動リング等を拡
大して示す断面図である。
【図4】摺動リングを示す断面図である。
【図5】シールリング本体に摺動リングを挟持した状態
を示す断面図である。
【図6】プレス装置によりシールリング本体に外周側保
持部と内周側保持部とを形成した状態を示す一部破断の
外観図である。
【図7】第2の実施例によるシールリング本体と摺動リ
ングとを示す図5と同様の断面図である。
【図8】第3の実施例によるシールリング本体と摺動リ
ングとを示す分解斜視図である。
【図9】第3の実施例による摺動リングがシールリング
本体に挟持された状態を示す平面図である。
【図10】図9中の矢示X−X方向からみた断面図であ
る。
【図11】従来技術によるフローティングシール装置が
適用された減速機を示す一部破断の外観図である。
【図12】図11中のフローティングシール装置を拡大
して示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定側ケーシング 6 回転側ケーシング 11 Oリング 21 シールリング 22 シールリング本体 22A 対向面 22B 摺動体嵌合溝 22D リング嵌合溝 23,51 摺動リング(環状摺動体) 23A,51A 摺動面 24 接着剤 25A 外周側保持部(摺動体保持部) 25B 内周側保持部(摺動体保持部) 41 Oリング 52 係合凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 和好 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 高橋 巍 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転するケーシングの内面側にそれ
    ぞれ配設され、軸方向で互いに対向する面を摺動するこ
    とによってシールを行う一対のシールリングと、該各シ
    ールリングの外周面と各ケーシングの内周面との間にそ
    れぞれ挟持され、該各シールリングに押付力を付与する
    Oリングとを備えてなるフローティングシール装置にお
    いて、 前記各シールリングは、互いに対向する面に環状の摺動
    体嵌合溝が設けられたシールリング本体と、該シールリ
    ング本体の摺動体嵌合溝に嵌合され前面側が摺動面とな
    った環状摺動体と、摺動体嵌合溝内に該環状摺動体を嵌
    合した状態で前記シールリング本体を塑性変形させるこ
    とにより該シールリング本体に形成された摺動体保持部
    とから構成したことを特徴とするフローティングシール
    装置。
  2. 【請求項2】 前記摺動体保持部は、前記環状摺動体よ
    りも径方向外側に位置して前記シールリング本体を環状
    に塑性変形させて形成した外周側保持部と、前記環状摺
    動体よりも径方向内側に位置して前記シールリング本体
    を環状に塑性変形させて形成した内周側保持部とからな
    り、該内周側保持部と前記外周側保持部との間で前記環
    状摺動体を挟持する構成としてなる請求項1に記載のフ
    ローティングシール装置。
  3. 【請求項3】 前記各環状摺動体の周縁部には、塑性変
    形した前記シールリング本体の一部を食込ませるための
    係合凹部を設けてなる請求項1または2に記載のフロー
    ティングシール装置。
  4. 【請求項4】 前記シールリング本体に設けた摺動体嵌
    合溝の底面には接着剤を塗布してなる請求項1,2また
    は3に記載のフローティングシール装置。
  5. 【請求項5】 前記シールリング本体に設けた摺動体嵌
    合溝の底面にはリング嵌合溝を設け、該リング嵌合溝内
    にはOリングを嵌着してなる請求項1,2または3に記
    載のフローティングシール装置。
JP11830496A 1996-04-16 1996-04-16 フローティングシール装置 Pending JPH09280378A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11830496A JPH09280378A (ja) 1996-04-16 1996-04-16 フローティングシール装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11830496A JPH09280378A (ja) 1996-04-16 1996-04-16 フローティングシール装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09280378A true JPH09280378A (ja) 1997-10-28

Family

ID=14733376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11830496A Pending JPH09280378A (ja) 1996-04-16 1996-04-16 フローティングシール装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09280378A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101942998A (zh) * 2010-09-02 2011-01-12 三一重型装备有限公司 一种掘进机及其浮动密封装置
CN108730522A (zh) * 2018-08-06 2018-11-02 湖北金稽山机械科技有限公司 一种大型浮封副的浮动密封环及制造方法
CN109578582A (zh) * 2018-12-10 2019-04-05 武汉鑫华封机械制造有限责任公司 大直径铁塑组合超耐磨高强度浮动油封环及其制造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101942998A (zh) * 2010-09-02 2011-01-12 三一重型装备有限公司 一种掘进机及其浮动密封装置
CN108730522A (zh) * 2018-08-06 2018-11-02 湖北金稽山机械科技有限公司 一种大型浮封副的浮动密封环及制造方法
CN108730522B (zh) * 2018-08-06 2023-09-26 湖北金稽山机械科技有限公司 一种大型浮封副的浮动密封环及制造方法
CN109578582A (zh) * 2018-12-10 2019-04-05 武汉鑫华封机械制造有限责任公司 大直径铁塑组合超耐磨高强度浮动油封环及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104736891B (zh) 带轮臂的支点轴承装置
JP5318843B2 (ja) 履帯ブシュおよび履帯リンク装置
US7108337B2 (en) Roller for a crawler type traveling vehicle
KR101147797B1 (ko) 씰 장치
CN102639333A (zh) 车轮用轴承装置
CN102026824A (zh) 车轮用轴承装置及轴模块
JP4142112B2 (ja) 金属製リングシール
US20090293252A1 (en) Method for retrofitting an existing idler assembly
CN102933864A (zh) 车轮轴承装置
JP2011080575A (ja) 車輪用軸受装置
EP0716975A2 (en) Seal assembly having resilient load rings
JPH08178080A (ja) 自動車用の単一の車軸シール
JP2001099172A (ja) 駆動輪支持装置
US20210285550A1 (en) Traveling Device for Construction Machine
JPS6130951B2 (ja)
JP2009068506A (ja) 減速装置
JPH09280378A (ja) フローティングシール装置
JP4116187B2 (ja) 履帯
JP2007510878A (ja) シールを備えるベアリング組立体
WO2017096037A1 (en) Load ring for seal assembly and seal assembly of machine
JP2011069458A (ja) 車輪用軸受装置
US11592111B2 (en) Torque resistant seal
KR102451021B1 (ko) 밀봉장치 및 밀봉장치에 의한 밀봉방법
JP3745498B2 (ja) 装軌式車両のローラ装置およびローラ装置用転輪体の製造方法
WO2018221056A1 (ja) メカニカルシール装置