JPH09279497A - サイジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法 - Google Patents

サイジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法

Info

Publication number
JPH09279497A
JPH09279497A JP11711996A JP11711996A JPH09279497A JP H09279497 A JPH09279497 A JP H09279497A JP 11711996 A JP11711996 A JP 11711996A JP 11711996 A JP11711996 A JP 11711996A JP H09279497 A JPH09279497 A JP H09279497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chitosan
filamentous fungus
sizing
paper
sizing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11711996A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideomi Matsuoka
英臣 松岡
Kaoru Kondo
薫 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON P M C KK
Japan PMC Corp
Original Assignee
NIPPON P M C KK
Japan PMC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON P M C KK, Japan PMC Corp filed Critical NIPPON P M C KK
Priority to JP11711996A priority Critical patent/JPH09279497A/ja
Publication of JPH09279497A publication Critical patent/JPH09279497A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定供給が可能で、簡単に得られ、環境汚染
問題がなく、従来より少量のサイズ剤量でサイズ効果、
歩留り効果等が優れ、経済的に得られるキトサンを利用
した操業性、経済性の良いサイジング紙及びその製造方
法を提供する。 【構成】 キトサンを菌体の構成成分として有する糸状
菌、これから分離したキトサン及びその中間処理物の少
なくとも1種と、サイズ剤成分(サイズ剤)を含有する
サイジング紙(サイズ剤)。キトサンを菌体の構成成分
として有する糸状菌、これから分離したキトサン及びそ
の中間処理物の少なくとも1種と、サイズ剤を併用する
サイジング紙の製造方法。 【効果】 上記目的を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キトサンを菌体の
構成成分として有する糸状菌を利用したサイジング紙、
サイズ剤及びサイジング紙の製造方法に係わり、その利
用によりサイズ剤と併用した場合にそのサイズ効果を向
上させることができ、これによりそのサイズ剤の使用量
を低減できることから、経済的に有利であるのみなら
ず、サイズ剤に起因する製紙系の汚れを改善でき,さら
に歩留り、ろ水性、紙力を向上できるサイジング紙、サ
イズ剤及びサイジング紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙や板紙の製紙方法において、こ
れら紙にサイズ性、防水性、耐水性等の機能を付与する
ためにサイジングが行われている。このサイジング方法
としては、酸性製紙用ロジンサイズ剤と硫酸バンドを用
いてpH4.5〜6.5の酸性域でサイジングする酸性
サイジング、およびロジンエステル類を含有する中性系
製紙用ロジンサイズ剤またはアルキルケテンダイマー系
サイズ剤やアルケニル無水コハク酸系サイズ剤のような
反応性サイズ剤を用いて、pH6.5〜9の中性ないし
弱アルカリ性領域でサイジングする、いわゆる中性サイ
ジング方法が行われている。しかし、紙質の向上への要
求が高まる中で、古紙の利用率の増加、抄紙系のクロー
ズド化、さらには生産性向上のための抄紙機の高速化に
より、上記サイズ剤では満足できるサイズ効果を発揮す
ることができない。
【0003】その改善策として、サイズ剤とキトサンを
併用することによりサイズ効果を向上させることが提案
されている。例えば、特開昭63−92799号公報に
はアルキルケテンダイマー系サイズ剤やアルケニル無水
コハク酸系サイズ剤のような中性サイズ剤とキトサンを
併用することによってサイズ効果が向上することが記載
されている。また、特願平7−123054号公報には
ロジンエステル類を含有する中性製紙用ロジンサイズ剤
とキトサンを併用することによってサイズ効果が向上す
ることが記載されている。また、特開平6−28018
7号公報にはセルロース繊維と改質剤の歩留りを向上さ
せるためにキトサンの水溶性酸液、水溶性高分子物質お
よびキトサンを不溶性とする塩類を添加して抄紙するこ
とが記載されている。これらの方法に用いられているキ
トサンは、カニ、エビ等の甲殻類を酸およびアルカリで
脱カルシウム及び脱タンパク処理をして得られるキチン
を高濃度のアルカリ加水分解処理により脱アセチル化し
て製造されている。
【0004】一方、糸状菌の菌体を製紙に用いる方法も
提案されており、例えば、特公昭57−10240号公
報には工業廃水を培養液として繁殖した糸状菌の菌体を
製紙原料として使用する方法が開示されている。また、
特開平3−27279号公報、特開平4−112794
号公報には、パルプなどの繊維状物を含む培地中で菌糸
状生物を生育させることで、叩解工程なしで強度の高い
紙を製造する方法が開示されている。また、特開平4−
202890号公報には菌糸体離解物を繊維シートの強
度向上剤、機能性シートのバインダーとして使用するこ
とが開示されている。しかし、ここでは糸状菌をパルプ
の増量剤として、あるいはシートの強度を向上させる目
的で使用することが述べられており、紙のサイズ度向上
のために用いることについては何らの記載もない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のカニ等の甲殻類
から得られるキトサンは、製造工程が煩雑であるのみな
らず、処理工程で排出される廃液は生物化学的酸素要求
量(BOD値)が高いため、そのまま河川や海に放流す
ると環境汚染の問題を生じるので好ましくない。また、
原料としてカニ、エビ等の甲殻類を利用しているため、
キトサンの価格や供給がカニなどの漁獲量により左右さ
れ、キトサンの価格が高くなり、供給が不安定であるた
め実際の製紙工程では安定的に使用することができない
という問題がある。それのみならず、甲殻類から得られ
るキトサンをサイズ剤と併用した場合にそのサイズ剤の
向上効果は不十分であった。本発明の第1の目的は、安
定供給が可能であり、簡単な操作で得られるキトサンを
利用することができるサイジング紙、サイズ剤及びサイ
ジング紙の製造方法を提供することにある。本発明の第
2の目的は、環境汚染問題を生じることなく得られるキ
トサンを利用することができるサイジング紙、サイズ剤
及びサイジング紙の製造方法を提供することにある。本
発明の第3の目的は、最近の要求に応えることができる
ようなサイズ性能向上効果に優れ、歩留り、濾水性及び
紙力増強効果に優れたサイジング紙、サイズ剤及びサイ
ジング紙の製造方法を提供することにある。本発明の第
4の目的は、従来より少量のサイズ剤の使用で所定のサ
イズ度を得ることができ、経済的に有利であるばかりで
なく、製紙装置の汚れの問題も改善することができるサ
イジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法を提
供することにある。本発明の第5の目的は、歩留り、濾
水性を向上させることにより、製紙工程の操業性を改善
することができるサイジング紙、サイズ剤及びサイジン
グ紙の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ムコラセ
アエ(Mucoraceae)科に属する糸状菌は、細
胞壁成分としてキチンとともに多量のキトサンを含有し
ていることが報告されている(日本農芸化学会誌No.
10第1463頁(1988年))ことを知り、上記問
題点を解決するために鋭意検討した結果、この糸状菌か
ら得られるキトサンにより上記目的を達成することがで
きることを見出し、本発明をするに至ったものである。
したがって、本発明は、(1)、キトサンを菌体の構成
成分として有する糸状菌、該糸状菌から分離されたキト
サン及び該糸状菌からキトサンを分離するまでの中間処
理物の少なくとも1種と、サイズ剤成分を含有するサイ
ジング紙を提供するものである。また、本発明は、
(2)、キトサンを菌体の構成成分として有する糸状菌
がムコラセアエ(Mucoraceae)科に属する菌
である上記(1)のサイジング紙、(3)、キトサンを
菌体の構成成分として有する糸状菌がアブシデイア属
(Absidia属)、リゾプス属(Rhizopus
属)、ムコール属(Mucor属)、ザイゴエンカス属
(Zygorhynchus属)の群から選ばれる少な
くとも1種である上記(2)のサイジング紙、(4)、
キトサンを菌体の構成成分として有する糸状菌がアブシ
デイア コエルレア(Absidia coerule
a)である上記(3)のサイジング紙、(5)、キトサ
ンを菌体の構成成分として有する糸状菌がリゾプス オ
リザエ(Rhizopus oryzae)である上記
(3)のサイジング紙、(6)、サイズ剤成分にロジン
系物質、アルキルケテンダイマー又はアルケニル無水コ
ハク酸を有する上記(1)ないし(5)のいずれかのサ
イジング紙、(7)、キトサンを菌体の構成成分として
有する糸状菌、該糸状菌から分離されたキトサン及び該
糸状菌からキトサンを分離するまでの中間処理物の少な
くとも1種と、サイズ剤成分を含有するサイズ剤、
(8)、キトサンを菌体の構成成分として有する糸状菌
が上記(2)ないし(5)のいずれかの糸状菌であり、
サイズ剤成分が上記(6)のサイズ剤成分である上記
(7)のサイズ剤、(9)、キトサンを菌体の構成成分
として有する糸状菌及び該糸状菌からキトサンを分離す
る処理を施した各段階のキトサン分離処理物の少なくと
も1種と、サイズ剤を併用してサイジングする工程を有
し上記(1)ないし(6)のいずれかのサイジング紙を
製造するサイジング紙の製造方法、(10)、キトサン
分離処理物がキトサンを菌体の構成成分として有する糸
状菌からタンパク質を除去する処理を施し、さらにその
タンパク質の除去処理をされた残部にキトサンを遊離さ
せる酸処理を施した段階の処理物である上記(9)のサ
イジング紙の製造方法、(11)、キトサン分離処理物
が上記(10)の酸処理を施した段階の処理物について
分別処理されることにより得られたキトサンである上記
(9)のサイジング紙の製造方法、(12)、糸状菌か
らキトサンを分離する処理を施した各段階は、キトサン
生産用の糸状菌をアルカリ条件下で70〜130℃で処
理する段階と、そのアルカリ不溶物質を酸水溶液中で攪
拌して処理する段階の少なくとも1つを有する上記
(9)ないし(11)のいずれかのサイジング紙の製造
方法、(13)、サイズ剤が酸性ないし中性領域のパル
プスラリーに添加されて使用されるロジン系サイズ剤で
ある上記(9)ないし(12)のいずれかのサイジング
紙の製造方法、(14)、サイズ剤が中性ないしアルカ
リ性領域のパルプスラリーに添加されて使用されるロジ
ンエステル類を含有するロジン系サイズ剤、アルキルケ
テンダイマー系サイズ剤及びアルケニル無水コハク酸系
サイズ剤の少なくとも1種である上記(9)ないし(1
3)のいずれかのサイジング紙の製造方法、(15)、
パルプスラリーが填料を含有する上記(9)ないし(1
4)のいずれかのサイジング紙の製造方法、(16)、
填料が炭酸カルシウム又はタルクである上記(15)の
サイジング紙の製造方法を提供するものである。
【0007】本発明で使用するキトサンを菌体の構成成
分として有する糸状菌としては、その増殖によりそれぞ
れの菌体がキトサンを生産できるものであればいずれも
使用できるが、ムコラセアエ(Mucoraceae)
科に属する糸状菌が好ましく、特にキトサン含有量の多
いアブシデイア属(Absidia属)、リゾプス属
(Rhizopus属)、ムコール属(Mucor属)
及びザイゴエンカス属(Zygorhynchus属)
の群から選ばれる少なくとも1種であることが好まし
い。特にアブシディア コエルレア、リゾプス オリザ
エが好ましい。これらの糸状菌の培養方法は、通常の糸
状菌を培養する方法で培養すれば良い。また、これらの
糸状菌は醗酵により生産物を得る際に利用されている
が、その際に生成する糸状菌の菌体を利用することも可
能である。
【0008】上記の糸状菌からキトサンを分離して利用
することが本発明の一つの方法であるが、そのキトサン
を得るためには、キトサンを菌体の構成成分として有す
る糸状菌をアルカリ条件下に加熱処理をし、そのアルカ
リ不溶物質を酸水溶液で処理し、さらに弱アルカリ性で
析出させることにより得られる。すなわち、まず糸状菌
の菌体を粉砕し、タンパク質を除去するためにアルカリ
条件下で加熱処理して、濾過あるいは遠心分離によりア
ルカリ不溶解物質を回収する。その際使用するアルカリ
溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム、水酸化アンモニウム等の1〜10%
(w/v、すなわち100ml中の重量%、以下同様)
溶液が好ましく、加熱処理は90〜130℃で10〜1
20分間行うことが好ましい。また、必要があればエタ
ノールあるいはメタノールのような有機溶剤で菌体から
脂質を除去しても良い。次に、回収したアルカリ不溶物
質を水洗して中和した後、酸水溶液中で加温して糸状菌
の菌体からキトサンを遊離させる。キトサンを遊離させ
る酸の種類としては、酢酸、クエン酸、シュウ酸、乳
酸、リンゴ酸、蟻酸あるいは塩酸、硫酸が好ましく、特
に酢酸が好ましい。その際の酸濃度は、0.5〜10%
(w/v)が好ましい。さらに、濾過あるいは遠心分離
により不溶物質を除去した後、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム等
を添加して弱アルカリ性にすることによってキトサンを
析出させ、この析出物を分別する。このようにして糸状
菌から分離したキトサンを得ることができる。
【0009】上記は糸状菌から分離したキトサンを得た
が、キトサンを菌体の構成成分として有する糸状菌をそ
のまま使用し、キトサンを分離する処理を施さない状態
で使用しても良いが、その処理をする各段階のものを使
用しても良く、上記したようにその糸状菌をアルカリ条
件下に加熱処理をした段階のタンパク質を除去した段階
の処理物を用いても良いが、特にそのアルカリ不溶物質
を酸処理することによりキトサンを遊離させ菌体を分別
しない段階の処理物を用いることが好ましい。このよう
に糸状菌とキトサンを分離せずに、例えば上記の酸処理
でキトサンを遊離させた状態、すなわちキトサンを分別
しないで用いると、その分別のための析出工程を省略す
ることができるので、より一層の製造コストの低減化が
図られる。
【0010】上記の糸状菌から分離したキトサンの使用
方法には特に制限はないが、そのキトサンの水溶液を用
いることが最も簡単である。例えばキトサンを塩酸のよ
うな無機酸、あるいは酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン
酸、蟻酸等の有機酸を用い、pH6.5以下に調節した
水溶液にする例が挙げられる。通常使用される他の製紙
用薬品をキトサンの水溶液を作る際に共存させ、あるい
はキトサンを水溶液とした後に加えても良い。その製紙
用薬品としては、例えばカチオン化、アニオン化又は両
性の変性澱粉、ポリビニルアルコール、カチオン性、ア
ニオン性又は両性のポリ(メタ)アクリルアミド系樹
脂、硫酸バンドやポリ塩化アルミニウム、ポリアルミニ
ウムシリケートサルフェート等の水溶性アルミニウム塩
等を挙げることができる。キトサンを菌体の構成成分と
して有する糸状菌、上記タンパク質を除去した段階の処
理物、上記の酸処理することによりキトサンを遊離させ
た状態の処理物を用いる場合にもこれに準じて用いるこ
とができる。
【0011】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
状菌から分離したキトサンの脱アセチル化度は、キトサ
ンの水溶液を得る点から40%以上が好ましい。脱アセ
チル化度が40%より少ないとそのキトサンを水溶液に
して使用する場合に、水に不溶の部分が残ってしまい、
取り扱い難い場合がある。このような場合、あるいは糸
状菌をキトサンと分離しないで用いる場合には、分散剤
を用いて水性分散液の安定性を良くするようにできる。
なお、キトサンの脱アセチル化度の測定法については、
「キチン,キトサン実験マニュアル」等の文献に記載さ
れている。
【0012】また、キトサンを菌体の構成成分として有
する糸状菌から分離されたキトサンに、サイズ効果に影
響を及ぼさない範囲で化学修飾をすることができる。例
えば、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、カ
ルボキシメチル化、リン酸化、硫酸化、アルキル化、あ
るいは3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキ
ルアンモニウムクロライド、グリシジルトリアルキルア
ンモニウムクロライド、ジアルキルアミノアルキルクロ
ライド等によるカチオン化等の化学修飾が可能である。
【0013】本発明で使用するサイズ剤は、酸性抄紙用
ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤
やアルケニル無水コハク酸系サイズ剤等の中性製紙用サ
イズ剤、ロジンエステル類を含有する中性製紙用ロジン
サイズ剤が使用でき、さらに特公平2−53555号公
報、特開昭63−92799号公報、特願平7−123
054号公報に記載されているサイズ剤をいずれも使用
することができる。また、通常用いられている填料も同
様に用いることもでき、例えば炭酸カルシウム、タル
ク、酸化チタン、クレー、尿素樹脂等が挙げられる。特
に炭酸カルシウム、タルクが好ましい。また、製紙工程
では、通常、アニオン性阻害物質の封鎖、あるいはサイ
ズ効果を高めるための助剤として水溶性アルミニウム塩
が用いられるが、本発明の場合にも同様に用いることが
でき、その使用法としては上記したようにキトサン等と
一緒に混合することができ、その種類も上記と同様であ
るが、別体として加えることもでき、その場合にはサイ
ズ剤に加えてもよく、単独で製紙工程の適当な箇所に加
えてもよい。
【0014】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
状菌、該糸状菌から分離されたキトサン及びその中間の
各段階の処理物、すなわち該糸状菌からキトサンを分離
するまでの中間処理物は、上記したように水溶液あるい
は水性分散液に調製されるが、これらが製紙工程で使用
されるときは、上記サイズ剤と別体、あるいは一体で用
いることができる。一体で用いる場合には、サイズ剤の
水性分散液にこれらの各対象物を混合して用いることが
できる。このことから、「キトサンを菌体の構成成分と
して有する糸状菌、該糸状菌から分離されたキトサン及
び該糸状菌からキトサンを分離するまでの中間処理物の
少なくとも1種と、サイズ剤成分を含有するサイズ剤」
とすることもできるが、サイズ剤成分としては、上述の
サイズ剤の主成分、あるいはその主成分と他の添加剤成
分が挙げられる。なお、本発明のサイジング紙のサイズ
剤成分もこれと同様である。その使用割合としては、サ
イズ剤100重量部に対してキトサン換算で0.1〜1
00重量部、好ましくは1〜70重量部であり、その固
形分は任意であり、粘度は100cps以下(多くても
100cps)(ブルックフィールド粘度計25℃にお
ける固形分5%時の粘度)が好ましい。別体に用いる場
合には、これらの各対象物の水溶液あるいは水性分散液
をサイズ剤と同時、あるいはその順序を問わず順次に製
紙工程の同じ場所、あるいは異なる場所に添加して用い
ることができる。一体、別体のいずれの場合も、その添
加場所としては、特に制限はないが、例えばパルプスラ
リー中に添加する、いわゆる内添でもよく、あるいはサ
イズプレス、キャレンダー等の表面塗布液に添加する、
いわゆる外添として用いてもよく、両者を併用してもよ
い。内添で使用する場合、具体的には、ミキシングチェ
スト、マシンチェスト、種箱、ファン・ポンプ、スクリ
ーン等に添加することができるが、酸性抄紙用サイズ剤
と併用する場合にはミキシングチェスト、マシンチェス
ト、種箱等に添加することが好ましく、中性抄紙用サイ
ズ剤と併用する場合にはファン・ポンプ、スクリーン等
に添加することが好ましい。
【0015】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
状菌、該糸状菌から分離されたキトサン及び該糸状菌か
らキトサンを分離するまでの中間処理物の各使用量につ
いては、特に制限はなく、所定のサイズ度を得るための
必要量を加えれば良いが、一般的にはサイズ剤を対パル
プ0.01〜5.0重量%、上記対象物をキトサン換算
で対パルプ0.001〜5.0重量%が上記内添、外添
のいずれの場合もサイズ度の点から好ましい。なお、上
記水溶性アルミニウム塩を使用する場合には、その添加
率は対パルプ0.01〜3.0重量%が好ましい。ま
た、これらの場合、炭酸カルシウムを填料として併用す
る場合には、その添加量は対パルプ乾燥重量に対して1
〜30重量%使用し、pH7〜9で抄紙することができ
る。このようにして得られるサイジング紙は、添加剤の
歩留りを考慮してサイズ剤の固形分0.004〜5重量
%、好ましくは0.01〜5重量%、上記対象物をキト
サン換算で0.0004〜5重量%、好ましくは0.0
01〜5重量%含有される。また、甲殻類から得られる
キトサンに比べて、上記対象物を使用した場合、同じ添
加率のサイジング紙では、サイズ度を10%、好ましく
は50%向上でき、後述の填料含有率、濾水性、歩留り
向上効果についてもそれぞれ向上できる。逆に、同じサ
イズ度、後述の填料含有率、濾水性、歩留り向上効果に
ついは、甲殻類から得られるキトサンに比べ、上記対象
物を使用するとキトサン換算で減らすことができる。
【0016】本発明に係わる製紙方法は、水溶性アル
ミニウム塩の添加量の多い酸性抄紙系での紙質の優れた
紙・板紙の製造のみならず、古紙原料からの炭酸カルシ
ウムが混入する抄紙系、例えば石膏ボード原紙、コート
原紙、中質紙、一般ライナー及び中芯、硫酸バンドを
使用できないか、その使用量が少量に限定される抄紙
系、例えば中性純白ロール紙、中性ライナー、防錆ライ
ナー及び金属合紙、定着剤の使用量が限定される抄紙
系、例えばクラフト紙などにおいても使用することがで
きる。また、填料として炭酸カルシウムを使用する抄
紙系、例えば中性印刷筆記用紙、中性コート原紙、中性
PPC用紙、中性感熱用紙、中性感圧原紙、中性インク
ジェット用紙及び中性情報用紙等の製造の際にも用いる
ことができる。
【0017】パルプ原料としては、クラフトパルプある
いはサルファイトパルプ等の晒あるいは未晒化学パル
プ、砕木パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカル
パルプ等の晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑
誌古紙、段ボール古紙あるいは脱墨古紙等の古紙パルプ
のいずれも使用することができる。また、上記パルプ原
料と石綿、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維との
混合物も使用することができる。
【0018】原紙中には必要に応じて、通常使用される
程度の製紙用薬品として、例えば上記したもののほか
に、澱粉、上記のほかの各種変性澱粉、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリアミドポリアミン−エピクロルヒド
リン樹脂等の紙力増強剤、歩留り向上剤、染料、蛍光染
料、スライムコントロール剤、消泡剤等の紙及び板紙の
製造で使用される添加剤を使用することができる。ま
た、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレー
ドコーター、キャレンダー等で澱粉、ポリビニルアルコ
ール、染料、コーティングカラー、防滑剤等を必要に応
じて紙及び板紙に塗布することができる。これらの場合
にも、上記したキトサンを菌体の構成成分として有する
糸状菌、該糸状菌から分離されたキトサン及び該糸状菌
からキトサンを分離するまでの中間処理物を併用するこ
とができ、少量のサイズ剤で所定のサイズ度を得ること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】後述の表1の糸状菌について、水
酸化ナトリウム溶液により100℃〜130℃で1時間
タンパク質除去処理をしてアルカリ不溶物質を分別し、
ついでこれを0.5〜10%酢酸水溶液による処理によ
りキトサンを遊離させる。このようにして中間段階のキ
トサン分離処理物としての糸状菌とキトサンの混合物で
ある糸状菌スラリーを得、好ましくはこれを利用する
が、さらにキトサンを分別してその単体を酢酸の水溶液
として用いても良い。サイズ剤としては酸性ロジン系サ
イズ剤、中性ロジン系サイズ剤をパルプに対し0.01
〜5重量%用い、これにパルプに対して上記キトサンを
0.001〜5重量%又は上記糸状菌スラリーをキトサ
ン換算で0.001〜5重量%又は上記糸状菌そのもの
を0.1〜20重量%併用する。また、サイズ剤として
アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系
の反応性サイズ剤をパルプに対し0.01〜5重量%用
い、これに上記キトサンを0.001〜5重量%又は上
記糸状菌スラリーをキトサン換算で0.001〜5重量
%又は上記糸状菌そのものを0.1〜20重量%併用す
る。この際、填料としてタルク、炭酸カルシウムを1〜
30重量%添加することもある。なお、通常用いる製紙
用薬品は適宜併用する。サイズ剤と上記キトサン、糸状
菌スラリーを一体で用いる場合には、サイズ剤(酸性ロ
ジン系サイズ剤、中性ロジン系サイズ剤、あるいはアル
キルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系の反
応性サイズ剤等)100重量部に対してキトサン換算で
1〜70重量部混合して用いることができる。この際、
填料として炭酸カルシウムを1〜30重量%添加するこ
ともある。また、通常用いる製紙用薬品は適宜併用する
こともある。パルプに対する添加量は上記と同様に配合
する。このような配合のパルプスラリーを用いて抄紙す
ると、ステキヒトサイズ度、填料歩留り、紙力としての
裂断長等は糸状菌、糸状菌スラリー、これから分離した
キトサンの併用により顕著に優れる。このようにして得
られるサイジング紙は、サイズ剤の固形分0.004〜
5重量%、好ましくは0.01〜5重量%、上記キトサ
ン、上記糸状菌スラリー、上記糸状菌そのもの(以下、
上記キトサン等という)をキトサン換算で0.0004
〜5重量%、好ましくは0.001〜5重量%含有され
る。甲殻類から得られるキトサンに比べて、上記キトサ
ン等を使用した場合、同じ添加率のサイジング紙では、
サイズ度を10%、好ましくは50%向上し、後述の填
料含有率、濾水性、歩留り向上効果についてもそれぞれ
向上できる。このようにサイズ度等が優れるのは、従来
の甲殻類から得られるキトサンに比べ、温和な処理によ
って得られることや、化学処理でキチンから製造された
キトサンと、糸状菌が生産するキトサンではその構造が
異なるためであると考えられるが、詳細は明らかではな
く、この考え方に拘束されるものではない。さらに詳細
は以下の実施例で説明する。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例、応用例により具体的に
説明する。以下において部、%とあるのは、特に断りの
ない限りすべて固形分重量部、固形分重量%をそれぞれ
意味するものとする。 (糸状菌の培養) 培養例1 表1に示した各々の糸状菌(A〜H)について、水道水
1リットルに対して、グルコース 20g、ペプトン
10g、酵母エキス 1g、硫酸アンモニウム5g、リ
ン酸水素2カリウム 1g、塩化ナトリウム 1g、硫
酸マグネシウム(7水和物) 0.5g、塩化カルシウ
ム(2水和物) 0.1gを含む培地をpH5に調整
し、加熱滅菌後に冷却した後、各々の糸状菌の胞子を接
種し、25℃、振とう速度100rpmで7日間振とう
培養を行った。
【0021】
【表1】
【0022】(キトサン及びキトサン分離処理物の製造
方法) 製造例1 上記培養例1で得られたそれぞれの糸状菌をミキサーで
粉砕した後、菌体(湿潤重量)に対して10倍量の2%
水酸化ナトリウム中で115℃で1時間タンパク除去処
理し、遠心分離(30,000×g,30分間)を行い
アルカリ不溶物質を得た。その後、中性になるまで洗浄
し、菌体を1%酢酸水溶液に懸濁させて、60℃で3時
間、振とう速度150rpmで振とうしてキトサンを遊
離させた。その後、遠心分離(30,000×g,30
分間)により酢酸不溶物質を除去した後、得られた上澄
液を水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整してキ
トサンを析出させた。析出したキトサンを遠心分離で回
収し、水洗した後、凍結乾燥してそれぞれのキトサンを
菌体の構成成分として有する糸状菌から分離したそれぞ
れのキトサンの粉末を得た。
【0023】製造例2 上記培養例1で得られた糸状菌をミキサーで粉砕した
後、菌体(湿潤重量)に対して10倍量の2%水酸化ナ
トリウム中で115℃で1時間タンパク除去処理し、遠
心分離(30,000×g,30分間)を行いアルカリ
不溶物質を得た。その後、中性になるまで洗浄し、菌体
を1%酢酸水溶液に懸濁させて、60℃で3時間、振と
う速度150rpmで振とうしてキトサンを遊離させ
た。酢酸処理後の状態で糸状菌の菌体を含有したままの
糸状菌スラリーを得た。
【0024】(キトサン水溶液の製造例) 製造例3 攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた1リットルの4
つ口フラスコに、上記製造例1のキトサン 2.5部、
酢酸 5.0部、イオン交換水 492.5部を仕込
み、攪拌しながら60℃で3時間保持する。その後室温
まで冷却し、キトサン固形分濃度0.5%のキトサン水
溶液を得た。
【0025】製造例4(比較例用) 攪拌機、温度計及び還流冷却管を備えた1リットルの4
つ口フラスコに、カニ等の甲殻類から製造されたキミツ
キトサンL(君津化学工業社製)2.5部、酢酸 5.
0部、イオン交換水 492.5部を仕込み、攪拌しな
がら60℃で3時間保持する。その後室温まで冷却し、
キトサン固形分濃度0.5%のキトサン水溶液を得た。
【0026】(キトサンの性状の測定)糸状菌A(Ab
sidia coerulea IFO 4011株)
から得られた上記製造例3のキトサン水溶液及び上記製
造例4のキトサンLの水溶液について、B型粘度計で測
定した粘度及び「キチン、キトサン実験マニュアル」
(キチン、キトサン研究会編、技報堂出版)の第51頁
に記載された方法で測定した脱アセチル化度を表2に示
す。
【0027】
【表2】
【0028】(実施例及び比較例)以下において、製紙
用薬品の添加量はすべてパルプに対する添加量(%)で
ある。 実施例1 晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対4
の混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になる量の硬度
100ppmの希釈用水で、ビーターを用いて400m
lのカナディアンスタンダードフリーネスまで叩解し
た。このパルプスラリーに、タルク(日本タルク社製N
Dタルク)15%を添加し、糸状菌Aからの製造例3の
キトサン水溶液を0.2%、硫酸バンド1.5%、酸性
ロジンサイズ剤(日本PMC社製AL120)0.3%
を添加後、pH4.5の希釈水でこのパルプスラリー濃
度を0.25%まで希釈し、定着剤としてカチオン性ポ
リアクリルアミド系歩留り向上剤(ハイモ社製ハイモロ
ックNR12MLS)を0.01%添加した。このとき
のパルプスラリーのpHは4.3であった。次いで、ノ
ーブルアンドウッド抄紙機で抄紙し、坪量65g/m2
の試験紙を得た。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用
いて80℃で120秒間の条件で行った。得られた試験
紙を恒温恒湿(20℃、60%相対湿度)環境下で24
時間調湿した後、サイズ度をステキヒト法で測定した。
その結果を表3に示す。
【0029】比較例1 実施例1において、糸状菌Aからの製造例3のキトサン
水溶液の代わりに、従来の甲殻類からの製造方法による
製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外は
同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した
結果を表3に示す。
【0030】比較例2 実施例1において、糸状菌Aからの製造例3のキトサン
水溶液を使用しないこと以外は同様にして抄紙し、その
試験紙について同様に試験した結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3の結果から、サイズ度はキトサンを併
用しないものより従来の甲殻類からの製造法によるキト
サンを併用した方が約20%優れ、糸状菌から得られる
キトサンを併用した場合にはさらに50%以上、その併
用のないものに比べ約2倍優れることが分かる。
【0033】実施例2 実施例1において、糸状菌Aからの製造例3のキトサン
水溶液の代わりに、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーをキトサン分として0.2%用い、酸性ロジンサ
イズ剤(日本PMC社製AL120)を0.3%の代わ
りに0.2%添加し、さらにタルクを添加しなかったこ
と以外は同様にして抄紙し、その試験紙について同様に
試験した結果を表4に示す。
【0034】比較例3 実施例2において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーの代わりに、従来の甲殻類からの製造方法による
製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外は
同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した
結果を表4に示す。
【0035】比較例4 実施例2において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーを使用しないこと以外は同様にして抄紙し、その
試験紙について同様に試験した結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4の結果から、糸状菌スラリーを用いた
場合、そこから分別したキトサンを用いる場合と同様に
サイズ度が向上することがわかる。
【0038】実施例3 実施例2において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーを添加する前に、タルク(日本タルク社製NDタ
ルク)15%を添加し、酸性ロジンサイズ剤(日本PM
C社製AL120)を0.2%の代わりに0.3%添加
したこと以外は同様にして抄紙し、その試験紙について
ステキヒトサイズ度及び填料含有率の測定を行った結果
を表5に示す。なお、填料含有率の測定はJIS P−
8128の方法に準じて行った。た。
【0039】比較例5 実施例3において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーの代わりに、従来の甲殻類からの製造方法による
製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外は
同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した
結果を表5に示す。
【0040】比較例6 実施例3において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーを使用しないこと以外は同様にして抄紙し、その
試験紙について同様に試験した結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】表5の結果から、糸状菌スラリーを用いた
ものはキトサンLを用いたものに比べ、サイズ度が向上
し、填料含有率が約25%大きいことが分かる。
【0043】実施例4〜8 実施例3において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーの代わりに、糸状菌B〜F(実施例4〜8にそれ
ぞれ対応)のそれぞれからの製造例2の糸状菌スラリー
をそれぞれ使用すること以外は同様にして抄紙し、その
それぞれの試験紙について同様に試験した結果を表6に
示す。
【0044】比較例7、8 実施例4〜8において、糸状菌B〜Fのそれぞれからの
製造例2の糸状菌スラリーの代わりに、糸状菌G、H
(比較例7、8にそれぞれ対応)のそれぞれからの製造
例2の糸状菌スラリーを用いたこと以外は同様にして抄
紙し、その試験紙について同様に試験した結果を表6に
示す。
【0045】比較例9 実施例4〜8において、糸状菌B〜Fのそれぞれからの
製造例2の糸状菌スラリーを使用しないこと以外は同様
にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した結果
を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】表6の結果から、キトサンを菌体の構成成
分として有するムコラセアエ科に属する糸状菌は、サイ
ズ度及び填料含有率を向上させるが、ムコラセアエ科に
属さない糸状菌にはその効果がないことがわかる。
【0048】実施例9 広葉樹晒クラフトパルプをパルプ濃度が2.5%になる
量の硬度100ppmの希釈用水で、ビーターを用いて
400mlのカナディアンスタンダードフリーネスまで
叩解した。このパルプスラリーに、炭酸カルシウム(奥
多摩工業社製タマパール121S)20%を添加し、硫
酸バンド1.5%、中性ロジンサイズ剤(日本PMC社
製CC164K)0.7%を添加後、pH8.0の希釈
水で、このパルプスラリー濃度を0.25%まで希釈
し、糸状菌Aからの製造例3のキトサン水溶液を0.2
%添加した。このときのパルプスラリーのpHは7.7
であった。次いで、ノーブルアンドウッド抄紙機で抄紙
(パルプスラリー温度は40℃)し、坪量65g/m2
の試験紙を得た。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用
いて100℃で80秒間の条件で行った。得られた試験
紙を恒温恒湿(20℃、60%相対湿度)環境下で24
時間調湿した後、上記と同様にしてステキヒトサイズ度
の測定を行った。その結果を表7に示す。
【0049】比較例10 実施例9において、糸状菌Aからの製造例3のキトサン
水溶液の代わりに、従来の甲殻類からの製造方法による
製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外は
同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した
結果を表7に示す。
【0050】比較例11 実施例9において、糸状菌Aからの製造例3のキトサン
水溶液を使用しないこと以外は同様にして抄紙し、その
試験紙について同様に試験した結果を表7に示す。
【0051】
【表7】
【0052】表7の結果から、中性ロジンサイズ剤を併
用する場合には、糸状菌から得られるキトサンの併用の
ない場合よりサイズ度は3倍より多く優れ、キトサンL
を使用するよりさらに15%ほど優れることがわかる。
【0053】実施例10 実施例9において、パルプスラリー濃度を0.25%ま
で希釈した後、糸状菌Aからの製造例3のキトサン水溶
液の代わりに、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌スラリ
ーをキトサン分として0.2%用い、その後カチオン性
ポリアクリルアミド系歩留り向上剤(ハイモ社製ハイモ
ロックNR12MLS)を0.01%添加したこと以外
は同様にして抄紙し、その試験紙についてステキヒトサ
イズ度及び填料含有率(%)を調べた結果を表8に示
す。
【0054】比較例12 実施例10において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌
スラリーの代わりに、従来の甲殻類からの製造方法によ
る製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外
は同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験し
た結果を表8に示す。
【0055】比較例13 実施例10において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌
スラリーを使用しないこと以外は同様にして抄紙し、そ
の試験紙について同様に試験した結果を表8に示す。
【0056】
【表8】
【0057】表8の結果から、糸状菌スラリーを用いた
場合、そこから分別したキトサンを用いる場合と同様に
サイズ度が向上し、さらに填料含有率も向上することが
わかる。
【0058】実施例11 実施例9と同様なパルプスラリーに、炭酸カルシウム
(奥多摩工業社製タマパール121S)20%を添加
し、硫酸バン土1.5%、カチオン化澱粉(ナショナル
スターチアンドケミカル社製Cato3210)0.6
%添加し、中性ロジンサイズ剤(日本PMC社製CC1
64K)100部に対し、糸状菌Aからの製造例2の糸
状菌スラリーをキトサン分で28部混合したサイズ剤を
0.9%添加(中性ロジンサイズ剤分として0.7%、
キトサン分として0.2%添加に相当)後、pH8.0
の希釈水でこのパルプスラリー濃度を0.25%まで希
釈した。次いで、ノーブルアンドウッド抄紙機で抄紙
(パルプスラリー温度は40℃)し、坪量65g/m2
の試験紙を得た。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用
いて100℃で80秒間の条件で行った。得られた試験
紙を恒温恒湿(20℃、60%相対湿度)環境下で24
時間調湿した後、ステキヒトサイズ度及び填料含有率の
測定を行った。結果を表9に示す。
【0059】実施例12 実施例9と同様なパルプスラリーに、炭酸カルシウム
(奥多摩工業社製タマパール121S)20%を添加
し、硫酸バン土1.5%、カチオン化澱粉(ナショナル
スターチアンドケミカル社製Cato3210)0.6
%、中性ロジンサイズ剤(日本PMC社製CC164
K)0.7%添加後、pH8.0の希釈水でこのパルプ
スラリー濃度を0.25%まで希釈し、糸状菌Aからの
製造例2の糸状菌スラリーをキトサン分で0.2%添加
し、実施例11と同様にして抄紙し、ステキヒトサイズ
度及び填料含有率の測定を行った。結果を表9に示す。
【0060】比較例14 糸状菌Aからの製造例2の糸状菌スラリーを添加しない
こと以外は実施例12と同様に抄紙し、ステキヒトサイ
ズ度及び填料含有率の測定を行った。結果を表9に示
す。
【0061】
【表9】
【0062】表9の結果から、糸状菌スラリーとサイズ
剤を一液で添加した場合、糸状菌スラリーとサイズ剤を
別々に添加した場合と同様にサイズ度が向上し、さらに
填料含有率も向上することがわかる。
【0063】実施例13 実施例9において、炭酸カルシウム(奥多摩工業社製タ
マパール121S)を20%の代わりに10%、その添
加後カチオン化澱粉(ナショナルスターチアンドケミカ
ル社製Cato3210)0.6%、硫酸パンド1.5
%添加し、中性ロジンサイズ剤(日本PMC社製CC1
64K)を0.7%の代わりに0.5%を添加し、糸状
菌Aからの製造例3のキトサン水溶液を0.2%の代わ
りに、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌スラリーをキト
サン分として0.1%用い、さらにカチオン性ポリアク
リルアミド系歩留り向上剤(ハイモ社製ハイモロックN
R12MLS)を0.01%添加したこと以外は同様に
して抄紙し、その試験紙について裂断長の測定を行い、
その結果を表10に示す。なお、裂断長の測定はJIS
P−8113の方法に準じて行った。
【0064】比較例15 実施例13において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌
スラリーの代わりに、従来の甲殻類からの製造方法によ
る製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外
は同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験し
た結果を表10に示す。
【0065】比較例16 実施例13において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌
スラリーを使用しないこと以外は同様にして抄紙し、そ
の試験紙について同様に試験した結果を表10に示す。
【0066】
【表10】
【0067】表10の結果から、裂断長、すなわち紙力
も優れることがわかる。
【0068】実施例14〜18 実施例10において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌
スラリーの代わりに、糸状菌B〜F(実施例14〜18
にそれぞれ対応)のそれぞれからの製造例2の糸状菌ス
ラリーをそれぞれ使用すること以外は同様にして抄紙
し、そのそれぞれの試験紙について同様に試験した結果
を表11に示す。
【0069】比較例17、18 実施例14〜18において、糸状菌B〜Fのそれぞれか
らの製造例2の糸状菌スラリーの代わりに、糸状菌G、
H(比較例17、18にそれぞれ対応)のそれぞれから
の製造例2の糸状菌スラリーを用いたこと以外は同様に
して抄紙し、その試験紙について同様に試験した結果を
表11に示す。
【0070】比較例19 実施例14〜18において、糸状菌B〜Fのそれぞれか
らの製造例2の糸状菌スラリーを使用しないこと以外は
同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した
結果を表11に示す。
【0071】
【表11】
【0072】表11の結果から、表6の結果と同様にキ
トサンを菌体の構成成分として有するムコラセアエ科に
属する糸状菌は、サイズ度及び填料含有率を向上させる
が、ムコラセアエ科に属さない糸状菌にはその効果がな
いことがわかる。
【0073】実施例19 晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対4
の混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になる量の硬度
100ppmの希釈用水で、ビーターを用いて400m
lのカナディアンスタンダードフリーネスまで叩解し
た。このパルプスラリーに、炭酸カルシウム(奥多摩工
業社製タマパール121S)10%、硫酸バンド0.3
%、カチオン化澱粉(ナショナルスターチアンドケミカ
ル社製Cato3210)0.5%、糸状菌Aからの製
造例2の糸状菌スラリーをキトサン分として0.2%、
アルキルケテンダイマー系サイズ剤(日本PMC社製A
S261)0.1%を添加後、pH7.5の希釈水でこ
のパルプスラリー濃度を0.25%まで希釈し、カチオ
ン性ポリアクリルアミド系歩留り向上剤(ハイモ社製ハ
イモロックNR12MLS)0.01%添加した。この
ときのパルプスラリーのpHは7.5であった。このパ
ルプスラリーについて濾水性(DDT)、及び填料及び
微細繊維の歩留り(RDDT)の測定を行った。その結
果を表12に示す。次いで、ノーブルアンドウッド抄紙
機で抄紙し、坪量65g/m2 の試験紙を得た。湿紙の
乾燥は、ドラムドライヤーを用いて80℃で100秒間
の条件で行った。得られた試験紙を恒温恒湿(20℃、
60%相対湿度)環境下で24時間調温調湿した後、ス
テキヒトサイズ度及び填料含有率(%)の測定を行っ
た。その結果を表12に示す。
【0074】なお、DDT及びRDDTは下記の方法に
準じて行った。 DDT・・・Tappi journal 第56巻,
第10号(1973年)の第46頁に記載されている
「Dynamic Drainage Jar」と同様
な装置を用いて、パルプスラリー500mlを直径7.
5cmのJarに注ぎ、800rpmの攪拌をさせなが
ら下部コックを開き、100メッシュの金網にて濾過さ
せ、濾液量が一定になるまでの時間を測定するものであ
り、濾水性の評価に用いることができる。ここでは、濾
液量が300gになるまでの時間を測定した。すなわ
ち、濾液量が300gになるまでの時間が短い程、濾水
性が良いことを示す。 RDDT・・・Tappi Papermakers
conference(1985年)の第171頁に記
載されているModified Hercules D
ynamic Drainage Testerと同様
の装置(直径約7.5cmのJarにパルプスラリーを
注ぎ、800rpmの撹拌下マットを形成しないように
下部から空気を送り、撹拌および送気を停止すると同時
に濾過される構造)を用いて、パルプスラリー500m
lをJarに注ぎ、その濾液50mlを採取し、その濾
液の620nmにおけるTransmission
(T.M.;%)を測定する。First Pass
RetentionのParameterとして、この
T.M.(%)を用いた。すなわちT.M.(%)が高
い程、濾液が透明であることを示し、填料及び微細繊維
の歩留りが高いことを示す。
【0075】比較例20 実施例19おいて、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーの代わりに、従来の甲殻類からの製造方法による
製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外は
同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した
結果を表12に示す。
【0076】比較例21 実施例19において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌
スラリーを使用しないこと以外は同様にして抄紙し、そ
の試験紙について同様に試験した結果を表12に示す。
【0077】
【表12】
【0078】表12の結果から、アルキルケテンダイマ
ー系サイズ剤と併用すると、糸状菌スラリーはキトサン
Lに比べ、サイズ度が約45%向上し(その併用のない
場合の約3倍)、DDTも約30%ほど優れ填料含有率
が向上することがわかる。
【0079】実施例20 実施例19おいて、アルキルケテンダイマー系サイズ剤
の代わりに、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤(日本
PMC社製AS290)を0.075%添加したこと以
外は同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験
した結果を表13に示す。なお、DDTは濾液量が20
0gになるまでの時間を測定した。
【0080】比較例22 実施例20おいて、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌ス
ラリーの代わりに、従来の甲殻類からの製造方法による
製造例4のキトサンLのキトサン水溶液を用いた以外は
同様にして抄紙し、その試験紙について同様に試験した
結果を表13に示す。
【0081】比較例23 実施例20において、糸状菌Aからの製造例2の糸状菌
スラリーを使用しないこと以外は同様にして抄紙し、そ
の試験紙について同様に試験した結果を表13に示す。
【0082】
【表13】
【0083】表13の結果から、表12の場合とほぼ同
様の傾向があることが分かる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、キトサンを菌体の構成
成分として有する糸状菌、これから得られるキトサン、
その中間処理物の少なくとも1つをサイズ剤成分ととも
に用いたサイジング紙及びその製造方法を提供すること
ができるので、安定供給が可能であり、簡単な操作で得
られ、しかも環境汚染問題を生じることなく得られるキ
トサンを利用することができ、サイズ効果の向上に優
れ、歩留り、濾水性及び紙力増強効果に優れたサイジン
グ紙及びその製造方法を提供することができる。また、
従来より少量のサイズ剤の使用で所定のサイズ度を得る
ことができる結果、経済的に有利であるばかりでなく、
製紙装置の汚れの問題も改善することができる。また、
歩留り、濾水性も向上するため、製紙工程の操業性を改
善することができる。特に、糸状菌とキトサンを分別せ
ずに用いると、その分別の作業が省略でき、一層生産性
を高め、コスト低減に寄与することができる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌、該糸状菌から分離されたキトサン及び該糸状菌か
    らキトサンを分離するまでの中間処理物の少なくとも1
    種と、サイズ剤成分を含有するサイジング紙。
  2. 【請求項2】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌がムコラセアエ(Mucoraceae)科に属す
    る菌である請求項1に記載のサイジング紙。
  3. 【請求項3】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌がアブシデイア属(Absidia属)、リゾプス
    属(Rhizopus属)、ムコール属(Mucor
    属)、ザイゴエンカス属(Zygorhynchus
    属)の群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に
    記載のサイジング紙。
  4. 【請求項4】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌がアブシデイアコエルレア(Absidia co
    erulea)である請求項3に記載のサイジング紙。
  5. 【請求項5】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌がリゾプス オリザエ(Rhizopus ory
    zae)である請求項3に記載のサイジング紙。
  6. 【請求項6】サイズ剤成分にロジン系物質、アルキルケ
    テンダイマー又はアルケニル無水コハク酸を有する請求
    項1ないし5のいずれかに記載のサイジング紙。
  7. 【請求項7】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌、該糸状菌から分離されたキトサン及び該糸状菌か
    らキトサンを分離するまでの中間処理物の少なくとも1
    種と、サイズ剤成分を含有するサイズ剤。
  8. 【請求項8】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌が請求項2ないし5のいずれかに記載された糸状菌
    であり、サイズ剤成分が請求項6に記載されたサイズ剤
    成分である請求項7に記載のサイズ剤。
  9. 【請求項9】キトサンを菌体の構成成分として有する糸
    状菌及び該糸状菌からキトサンを分離する処理を施した
    各段階のキトサン分離処理物の少なくとも1種と、サイ
    ズ剤を併用してサイジングする工程を有し請求項1ない
    し6のいずれかに記載のサイジング紙を製造するサイジ
    ング紙の製造方法。
  10. 【請求項10】キトサン分離処理物がキトサンを菌体の
    構成成分として有する糸状菌からタンパク質を除去する
    処理を施し、さらにそのタンパク質の除去処理をされた
    残部にキトサンを遊離させる酸処理を施した段階の処理
    物である請求項9に記載のサイジング紙の製造方法。
  11. 【請求項11】キトサン分離処理物が請求項10の酸処
    理を施した段階の処理物について分別処理されることに
    より得られたキトサンである請求項9に記載のサイジン
    グ紙の製造方法。
  12. 【請求項12】糸状菌からキトサンを分離する処理を施
    した各段階が、キトサン生産用の糸状菌をアルカリ条件
    下で70〜130℃で処理する段階と、そのアルカリ不
    溶物質を酸水溶液中で攪拌して処理する段階の少なくと
    も1つを有する請求項9ないし11のいずれかに記載の
    サイジング紙の製造方法。
  13. 【請求項13】サイズ剤が酸性ないし中性領域のパルプ
    スラリーに添加されて使用されるロジン系サイズ剤であ
    る請求項9ないし12のいずれかに記載のサイジング紙
    の製造方法。
  14. 【請求項14】サイズ剤が中性ないしアルカリ性領域の
    パルプスラリーに添加されて使用されるロジンエステル
    類を含有するロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマ
    ー系サイズ剤及びアルケニル無水コハク酸系サイズ剤の
    少なくとも1種である請求項9ないし13のいずれかに
    記載のサイジング紙の製造方法。
  15. 【請求項15】パルプスラリーが填料を含有する請求項
    9ないし14のいずれかに記載のサイジング紙の製造方
    法。
  16. 【請求項16】填料が炭酸カルシウム又はタルクである
    請求項15に記載のサイジング紙の製造方法。
JP11711996A 1996-04-16 1996-04-16 サイジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法 Pending JPH09279497A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11711996A JPH09279497A (ja) 1996-04-16 1996-04-16 サイジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11711996A JPH09279497A (ja) 1996-04-16 1996-04-16 サイジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09279497A true JPH09279497A (ja) 1997-10-28

Family

ID=14703906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11711996A Pending JPH09279497A (ja) 1996-04-16 1996-04-16 サイジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09279497A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021136882A1 (en) 2019-12-30 2021-07-08 Kemira Oyj Animal free chitosan and methods and uses related thereto

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021136882A1 (en) 2019-12-30 2021-07-08 Kemira Oyj Animal free chitosan and methods and uses related thereto

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2258569C (en) Process for producing paper and cardboard
CA2108028C (en) A process for the manufacture of paper
JP2818677B2 (ja) 製紙用保持助剤及び排水助剤
JPH026684A (ja) パルプ脱水方法
US6835282B2 (en) Paper web with pre-flocculated filler incorporated therein
JP2000506486A (ja) 酸耐性炭酸カルシウム組成物およびその使用
JPH04333698A (ja) 異物質を含有する紙料から紙、板紙および厚紙を製造する方法
US6468393B1 (en) Patterned paper
JPH10511746A (ja) 填料含有紙の漂白
US3620913A (en) A process of making paper and paper made therefrom using starch anthranilate
US6602389B2 (en) Process for treating a fibrous slurry of coated broke
JPH09279497A (ja) サイジング紙、サイズ剤及びサイジング紙の製造方法
CA2195300C (en) Method for preparation of pigmented paper fibers and fiber products
CN115058923B (zh) 一种烟花管用原纸及制造方法
JP2006118093A (ja) 中性新聞印刷用紙の製造方法
JP2003504534A (ja) プロセス液における有害物質を除去するための方法
CN110656539B (zh) 一种格拉辛原纸、其生产方法及生产系统
JP3023679B2 (ja) 紙の内添サイジング方法
JP2021195663A (ja) 紙の製造方法
JPH0617399A (ja) 印刷用塗工紙用原紙
CA2409047A1 (en) Process for making paper
JP2000027092A (ja) 中性紙
JP3407029B2 (ja) 抄紙用粘剤、およびそれを使用した抄造方法
JP3149954B2 (ja) 保持率と排水性とを改善するためのナフタリンスルホン酸塩およびポリエチレンオキシドを包含する方法および使用
CA1075944A (en) Filled paper