JPH09278973A - カチオンポリマー水系分散液 - Google Patents
カチオンポリマー水系分散液Info
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- JPH09278973A JPH09278973A JP11976196A JP11976196A JPH09278973A JP H09278973 A JPH09278973 A JP H09278973A JP 11976196 A JP11976196 A JP 11976196A JP 11976196 A JP11976196 A JP 11976196A JP H09278973 A JPH09278973 A JP H09278973A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高濃度であっても低粘度を保ち、自動化、省力
化の点で取り扱い性に優れ、経時安定性が良好であり、
排水処理用の凝集剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる
製紙用薬剤などとして優れた効果を示すカチオンポリマ
ー水系分散液を提供する。 【解決手段】アンモニウム基を有するメタクリレート系
モノマーの単位5〜40モル%、アンモニウム基を有す
るアクリレート系モノマーの単位5〜80モル%及びア
クリルアミド系モノマーの単位1〜90モル%を有する
カチオンポリマー10〜30重量%並びに無機酸のアル
カリ金属塩又はアンモニウム塩10〜40重量%を含有
することを特徴とするカチオンポリマー水系分散液。
化の点で取り扱い性に優れ、経時安定性が良好であり、
排水処理用の凝集剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる
製紙用薬剤などとして優れた効果を示すカチオンポリマ
ー水系分散液を提供する。 【解決手段】アンモニウム基を有するメタクリレート系
モノマーの単位5〜40モル%、アンモニウム基を有す
るアクリレート系モノマーの単位5〜80モル%及びア
クリルアミド系モノマーの単位1〜90モル%を有する
カチオンポリマー10〜30重量%並びに無機酸のアル
カリ金属塩又はアンモニウム塩10〜40重量%を含有
することを特徴とするカチオンポリマー水系分散液。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオンポリマー
水系分散液に関する。さらに詳しくは、本発明は、排水
処理用の凝集剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる製紙
用薬剤などとして優れた効果を示す、粒子の沈殿がな
く、低粘度で取り扱いやすく、経時安定性に優れたカチ
オンポリマー水系分散液に関する。
水系分散液に関する。さらに詳しくは、本発明は、排水
処理用の凝集剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる製紙
用薬剤などとして優れた効果を示す、粒子の沈殿がな
く、低粘度で取り扱いやすく、経時安定性に優れたカチ
オンポリマー水系分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、汚泥脱水剤などに使用される
カチオンポリマーは、主として粉末の形態で商品化さ
れ、取り扱われてきた。しかし、粉末状のポリマーは取
り扱いに際して粉塵が発生するため作業の安全性に問題
があり、また使用形態である水溶液とするための溶解作
業に時間と手間がかかるなどの問題がある。そのため、
カチオンポリマーの液状品が要求され、種々の製品が提
案されている。例えば、特開昭54−102388号公
報には、アンモニウム基を有するアクリル系モノマーの
水溶液をn−ヘキサンなどの疎水性有機溶剤中で乳化重
合して得られる油中水型エマルションが提案されてい
る。また、特開平2−222404号公報には、N−ビ
ニルアミドを水及び高沸点の炭化水素混合物などの混合
溶剤中で乳化重合し、さらにN−ビニルアミド単位を加
水分解してN−ビニルアミン単位とした油中水型エマル
ションが提案されていいる。しかし、このような油中水
型エマルションは、重量として約半量が油であり、かか
る油中水系エマルションを使用すると、油による大気汚
染、水質汚濁などの二次的な環境破壊を惹起するおそれ
がある。油を使用しないカチオンポリマー水系分散液の
製造方法として、特開平2−105809号公報には、
ベンジルアンモニウム基を有するアクリル系モノマー
を、多価アニオン塩水溶液中で重合するにあたり、多価
アニオン塩水溶液に不溶な水溶性カチオンポリマーと多
価アニオン塩水溶液に可溶な水溶性カチオンポリマーを
共存させる方法が提案されている。しかし、このような
方法は、分散剤として2種類の水溶性カチオンポリマー
を用いるため、製造工程が複雑となるという問題があ
る。
カチオンポリマーは、主として粉末の形態で商品化さ
れ、取り扱われてきた。しかし、粉末状のポリマーは取
り扱いに際して粉塵が発生するため作業の安全性に問題
があり、また使用形態である水溶液とするための溶解作
業に時間と手間がかかるなどの問題がある。そのため、
カチオンポリマーの液状品が要求され、種々の製品が提
案されている。例えば、特開昭54−102388号公
報には、アンモニウム基を有するアクリル系モノマーの
水溶液をn−ヘキサンなどの疎水性有機溶剤中で乳化重
合して得られる油中水型エマルションが提案されてい
る。また、特開平2−222404号公報には、N−ビ
ニルアミドを水及び高沸点の炭化水素混合物などの混合
溶剤中で乳化重合し、さらにN−ビニルアミド単位を加
水分解してN−ビニルアミン単位とした油中水型エマル
ションが提案されていいる。しかし、このような油中水
型エマルションは、重量として約半量が油であり、かか
る油中水系エマルションを使用すると、油による大気汚
染、水質汚濁などの二次的な環境破壊を惹起するおそれ
がある。油を使用しないカチオンポリマー水系分散液の
製造方法として、特開平2−105809号公報には、
ベンジルアンモニウム基を有するアクリル系モノマー
を、多価アニオン塩水溶液中で重合するにあたり、多価
アニオン塩水溶液に不溶な水溶性カチオンポリマーと多
価アニオン塩水溶液に可溶な水溶性カチオンポリマーを
共存させる方法が提案されている。しかし、このような
方法は、分散剤として2種類の水溶性カチオンポリマー
を用いるため、製造工程が複雑となるという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高濃度であ
っても低粘度を保ち、自動化、省力化の点で取り扱い性
に優れ、経時安定性が良好であり、排水処理用の凝集
剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる製紙用薬剤などと
して優れた効果を示すカチオンポリマー水系分散液を提
供することを目的としてなされたものである。
っても低粘度を保ち、自動化、省力化の点で取り扱い性
に優れ、経時安定性が良好であり、排水処理用の凝集
剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる製紙用薬剤などと
して優れた効果を示すカチオンポリマー水系分散液を提
供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アンモニウム基を
有するメタクリレート系モノマー単位、アンモニウム基
を有するアクリレート系モノマー単位及びアクリルアミ
ド系モノマー単位を特定の比率で有するカチオンポリマ
ーは、無機酸塩水溶液中において安定な水系分散液を形
成することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、(1)一般式
[1]で表されるモノマーの単位5〜40モル%、一般
式[2]で表されるモノマーの単位5〜80モル%及び
一般式[3]で表されるモノマーの単位1〜90モル%
を有するカチオンポリマー10〜30重量%並びに無機
酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩10〜40重量
%を含有することを特徴とするカチオンポリマー水系分
散液、
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アンモニウム基を
有するメタクリレート系モノマー単位、アンモニウム基
を有するアクリレート系モノマー単位及びアクリルアミ
ド系モノマー単位を特定の比率で有するカチオンポリマ
ーは、無機酸塩水溶液中において安定な水系分散液を形
成することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、(1)一般式
[1]で表されるモノマーの単位5〜40モル%、一般
式[2]で表されるモノマーの単位5〜80モル%及び
一般式[3]で表されるモノマーの単位1〜90モル%
を有するカチオンポリマー10〜30重量%並びに無機
酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩10〜40重量
%を含有することを特徴とするカチオンポリマー水系分
散液、
【化4】
【化5】
【化6】 (ただし、式中、R1及びR2は炭素数1〜3のアルキル
基であり、R3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基で
あり、R4はベンジル基又は炭素数4〜10のアルキル
基であり、R5及びR6は水素、炭素数1〜3のアルキル
基若しくはシクロヘキシル基又は−NR5R6がピロリド
ニル基であり、Aは酸素又はNHであり、Bは炭素数2
〜4のアルキレン基又は2−ヒドロキシ−1,3−プロ
ピレン基であり、X-はアニオン性対イオンである。)
を提供するものである。また、本発明の好ましい態様と
して、(2)アルコールを含有する第(1)項記載のカチ
オンポリマー水系分散液、(3)アルコールの含有量
が、1〜10重量%である第(2)項記載のカチオンポリ
マー水系分散液、(4)アルコールが、水に可溶なアル
コールである第(2)項又は第(3)項記載のカチオンポリ
マー水系分散液、(5)水に可溶なアルコールが、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール又は
グリセリンである第(4)項記載のカチオンポリマー水系
分散液、を挙げることができる。さらに、本発明のカチ
オンポリマー水系分散液は、(6)無機酸のアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩の水溶液中において、一般式
[1]で表されるモノマー5〜40モル%、一般式
[2]で表されるモノマー5〜80モル%、一般式
[3]で表されるモノマー1〜90モル%を含有するモ
ノマー混合物を、撹拌下に共重合する第(1)項記載のカ
チオンポリマー水系分散液の製造方法、(7)一般式
[1]で表されるモノマー5〜40モル%、一般式
[2]で表されるモノマー5〜80モル%、一般式
[3]で表されるモノマー1〜90モル%を含有するモ
ノマー混合物を、水溶液共重合したのち、得られたカチ
オンポリマーの水溶液に無機酸のアルカリ金属塩又はア
ンモニウム塩を添加して、カチオンポリマーを分散状態
に析出させる第(1)項記載のカチオンポリマー水系分散
液の製造方法、(8)水溶液が、アルコールを含有する
第(6)項又は第(7)項記載のカチオンポリマー水系分散
液の製造方法、(9)アルコールの含有量が、カチオン
ポリマー水系分散液の1〜10重量%となる第(8)項記
載のカチオンポリマー水系分散液の製造方法、(10)
アルコールが、水に可溶なアルコールである第(8)項又
は第(9)項記載のカチオンポリマー水系分散液の製造方
法、及び、(11)水に可溶なアルコールが、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール又はグ
リセリンである第(10)項記載のカチオンポリマー水系
分散液の製造方法、により好適に製造することができ
る。
基であり、R3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基で
あり、R4はベンジル基又は炭素数4〜10のアルキル
基であり、R5及びR6は水素、炭素数1〜3のアルキル
基若しくはシクロヘキシル基又は−NR5R6がピロリド
ニル基であり、Aは酸素又はNHであり、Bは炭素数2
〜4のアルキレン基又は2−ヒドロキシ−1,3−プロ
ピレン基であり、X-はアニオン性対イオンである。)
を提供するものである。また、本発明の好ましい態様と
して、(2)アルコールを含有する第(1)項記載のカチ
オンポリマー水系分散液、(3)アルコールの含有量
が、1〜10重量%である第(2)項記載のカチオンポリ
マー水系分散液、(4)アルコールが、水に可溶なアル
コールである第(2)項又は第(3)項記載のカチオンポリ
マー水系分散液、(5)水に可溶なアルコールが、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール又は
グリセリンである第(4)項記載のカチオンポリマー水系
分散液、を挙げることができる。さらに、本発明のカチ
オンポリマー水系分散液は、(6)無機酸のアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩の水溶液中において、一般式
[1]で表されるモノマー5〜40モル%、一般式
[2]で表されるモノマー5〜80モル%、一般式
[3]で表されるモノマー1〜90モル%を含有するモ
ノマー混合物を、撹拌下に共重合する第(1)項記載のカ
チオンポリマー水系分散液の製造方法、(7)一般式
[1]で表されるモノマー5〜40モル%、一般式
[2]で表されるモノマー5〜80モル%、一般式
[3]で表されるモノマー1〜90モル%を含有するモ
ノマー混合物を、水溶液共重合したのち、得られたカチ
オンポリマーの水溶液に無機酸のアルカリ金属塩又はア
ンモニウム塩を添加して、カチオンポリマーを分散状態
に析出させる第(1)項記載のカチオンポリマー水系分散
液の製造方法、(8)水溶液が、アルコールを含有する
第(6)項又は第(7)項記載のカチオンポリマー水系分散
液の製造方法、(9)アルコールの含有量が、カチオン
ポリマー水系分散液の1〜10重量%となる第(8)項記
載のカチオンポリマー水系分散液の製造方法、(10)
アルコールが、水に可溶なアルコールである第(8)項又
は第(9)項記載のカチオンポリマー水系分散液の製造方
法、及び、(11)水に可溶なアルコールが、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール又はグ
リセリンである第(10)項記載のカチオンポリマー水系
分散液の製造方法、により好適に製造することができ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のカチオンポリマー水系分
散液は、一般式[1]で表されるアンモニウム基を有す
るメタクリレート系モノマーの単位5〜40モル%、一
般式[2]で表されるアンモニウム基を有するアクリレ
ート系モノマーの単位5〜80モル%及び一般式[3]
で表されるアクリルアミド系モノマーの単位1〜90モ
ル%を有するカチオンポリマーを含有する。本発明に用
いるカチオンポリマーは、必要に応じて、一般式[1]
で表されるモノマー、一般式[2]で表されるモノマー
及び一般式[3]で表されるモノマーと共重合可能な他
のモノマーの単位を有することができる。
散液は、一般式[1]で表されるアンモニウム基を有す
るメタクリレート系モノマーの単位5〜40モル%、一
般式[2]で表されるアンモニウム基を有するアクリレ
ート系モノマーの単位5〜80モル%及び一般式[3]
で表されるアクリルアミド系モノマーの単位1〜90モ
ル%を有するカチオンポリマーを含有する。本発明に用
いるカチオンポリマーは、必要に応じて、一般式[1]
で表されるモノマー、一般式[2]で表されるモノマー
及び一般式[3]で表されるモノマーと共重合可能な他
のモノマーの単位を有することができる。
【化7】 一般式[1]において、R1及びR2は炭素数1〜3のア
ルキル基であり、R3は水素又は炭素数1〜3のアルキ
ル基であり、Aは酸素又はNHであり、Bは炭素数2〜
4のアルキレン基又は2−ヒドロキシ−1,3−プロピ
レン基であり、X-はアニオン性対イオンである。一般
式[1]で表されるアンモニウム基を有するメタクリレ
ート系モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートの塩化メチル四級化物、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの塩酸塩、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートの硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタ
クリルアミドの塩化メチル四級化物、ジメチルアミノエ
チルメタクリルアミドの塩酸塩、ジメチルアミノエチル
メタクリルアミドの硫酸塩などを挙げることができる。
本発明に用いるカチオンポリマーは、一般式[1]で表
されるモノマーの単位5〜40モル%を有する。一般式
[1]で表されるモノマーの単位が5モル%未満である
と、水系分散液中のポリマー粒子が安定化せず、ポリマ
ー粒子同士が吸着して粒径の大きい粒子となって沈殿す
るおそれがある。一般式[1]で表されるモノマーの単
位が40モル%を超えると、カチオンポリマーが無機酸
塩によって塩析されにくく、カチオンポリマー水系分散
液の粘度が十分低下しないおそれがある。
ルキル基であり、R3は水素又は炭素数1〜3のアルキ
ル基であり、Aは酸素又はNHであり、Bは炭素数2〜
4のアルキレン基又は2−ヒドロキシ−1,3−プロピ
レン基であり、X-はアニオン性対イオンである。一般
式[1]で表されるアンモニウム基を有するメタクリレ
ート系モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートの塩化メチル四級化物、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの塩酸塩、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートの硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタ
クリルアミドの塩化メチル四級化物、ジメチルアミノエ
チルメタクリルアミドの塩酸塩、ジメチルアミノエチル
メタクリルアミドの硫酸塩などを挙げることができる。
本発明に用いるカチオンポリマーは、一般式[1]で表
されるモノマーの単位5〜40モル%を有する。一般式
[1]で表されるモノマーの単位が5モル%未満である
と、水系分散液中のポリマー粒子が安定化せず、ポリマ
ー粒子同士が吸着して粒径の大きい粒子となって沈殿す
るおそれがある。一般式[1]で表されるモノマーの単
位が40モル%を超えると、カチオンポリマーが無機酸
塩によって塩析されにくく、カチオンポリマー水系分散
液の粘度が十分低下しないおそれがある。
【0006】一般式[2]において、R1及びR2は炭素
数1〜3のアルキル基であり、R4はベンジル基又は炭
素数4〜10のアルキル基であり、Aは酸素又はNHで
あり、Bは炭素数2〜4のアルキレン基又は2−ヒドロ
キシ−1,3−プロピレン基であり、X-はアニオン性対
イオンである。一般式[2]で表されるアンモニウム基
を有するアクリレート系モノマーとしては、例えば、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化−t−ブ
チル四級化物、ジエチルアミノエチルアクリレートの塩
化−2−エチルヘキシル四級化物、2−ヒドロキシ−3
−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートの塩化ベンジ
ル四級化物、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリルア
ミドの塩化ベンジル四級化物などを挙げることができ
る。本発明に用いるカチオンポリマーは、一般式[2]
で表されるモノマーの単位5〜80モル%を有する。一
般式[2]で表されるモノマーの単位が5モル%未満で
あると、カチオンポリマーが無機酸塩によって塩析され
にくく、カチオンポリマー水系分散液の粘度が十分低下
しないおそれがある。一般式[2]で表されるモノマー
の単位が80モル%を超えると、水系分散液中のポリマ
ー粒子が安定化せず、ポリマー粒子同士が吸着して粒径
の大きい粒子となって沈殿するおそれがある。一般式
[1]及び一般式[2]において、X-で表されるアニ
オン性対イオンとしては、例えば、Cl-、Br-、HS
O4 -、NO3 -、CH3COO-などを挙げることができ
る。
数1〜3のアルキル基であり、R4はベンジル基又は炭
素数4〜10のアルキル基であり、Aは酸素又はNHで
あり、Bは炭素数2〜4のアルキレン基又は2−ヒドロ
キシ−1,3−プロピレン基であり、X-はアニオン性対
イオンである。一般式[2]で表されるアンモニウム基
を有するアクリレート系モノマーとしては、例えば、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化−t−ブ
チル四級化物、ジエチルアミノエチルアクリレートの塩
化−2−エチルヘキシル四級化物、2−ヒドロキシ−3
−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートの塩化ベンジ
ル四級化物、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリルア
ミドの塩化ベンジル四級化物などを挙げることができ
る。本発明に用いるカチオンポリマーは、一般式[2]
で表されるモノマーの単位5〜80モル%を有する。一
般式[2]で表されるモノマーの単位が5モル%未満で
あると、カチオンポリマーが無機酸塩によって塩析され
にくく、カチオンポリマー水系分散液の粘度が十分低下
しないおそれがある。一般式[2]で表されるモノマー
の単位が80モル%を超えると、水系分散液中のポリマ
ー粒子が安定化せず、ポリマー粒子同士が吸着して粒径
の大きい粒子となって沈殿するおそれがある。一般式
[1]及び一般式[2]において、X-で表されるアニ
オン性対イオンとしては、例えば、Cl-、Br-、HS
O4 -、NO3 -、CH3COO-などを挙げることができ
る。
【0007】一般式[3]において、R5及びR6は水
素、炭素数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基で
あり、あるいは−NR5R6としてピロリドニル基を形成
する。一般式[3]で表されるモノマーとしては、例え
ば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−
エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−シクロプロ
ピルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチル
アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミ
ド、ビニルピロリドンなどを挙げることができる。本発
明に用いるカチオンポリマーは、一般式[3]で表され
るモノマーの単位1〜90モル%を有する。一般式
[3]で表されるモノマーの単位が1モル%未満である
と、析出粒子の安定性が損なわれるおそれがある。一般
式[3]で表されるモノマーの単位が90モル%を超え
ると、析出粒子の安定性が損なわれるおそれがある。本
発明に用いるカチオンポリマーは、一般式[1]で表さ
れるモノマーの単位、一般式[2]で表されるモノマー
の単位及び一般式[3]で表されるモノマーの単位の他
に、必要に応じて、これらのモノマーと共重合可能な他
のモノマーの単位を有することができる。このような共
重合可能な他のモノマーとしては、例えば、スチレン、
メチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリロニト
リルなどのノニオン性モノマー、(メタ)アクリル酸のア
ルカリ金属塩、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸
などのスルホン酸基を有するモノマー又はそれらのアル
カリ金属塩などのアニオン性モノマーなどを挙げること
ができる。本発明に用いるカチオンポリマーにおいて
は、一般式[1]で表されるモノマーの単位、一般式
[2]で表されるモノマーの単位、一般式[3]で表さ
れるモノマーの単位及びこれらのモノマーと共重合可能
な他のモノマーの単位は、それぞれ1種類のみとするこ
とができ、あるいは、2種類以上とすることができる。
素、炭素数1〜3のアルキル基又はシクロヘキシル基で
あり、あるいは−NR5R6としてピロリドニル基を形成
する。一般式[3]で表されるモノマーとしては、例え
ば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−
エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−シクロプロ
ピルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチル
アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミ
ド、ビニルピロリドンなどを挙げることができる。本発
明に用いるカチオンポリマーは、一般式[3]で表され
るモノマーの単位1〜90モル%を有する。一般式
[3]で表されるモノマーの単位が1モル%未満である
と、析出粒子の安定性が損なわれるおそれがある。一般
式[3]で表されるモノマーの単位が90モル%を超え
ると、析出粒子の安定性が損なわれるおそれがある。本
発明に用いるカチオンポリマーは、一般式[1]で表さ
れるモノマーの単位、一般式[2]で表されるモノマー
の単位及び一般式[3]で表されるモノマーの単位の他
に、必要に応じて、これらのモノマーと共重合可能な他
のモノマーの単位を有することができる。このような共
重合可能な他のモノマーとしては、例えば、スチレン、
メチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリロニト
リルなどのノニオン性モノマー、(メタ)アクリル酸のア
ルカリ金属塩、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸
などのスルホン酸基を有するモノマー又はそれらのアル
カリ金属塩などのアニオン性モノマーなどを挙げること
ができる。本発明に用いるカチオンポリマーにおいて
は、一般式[1]で表されるモノマーの単位、一般式
[2]で表されるモノマーの単位、一般式[3]で表さ
れるモノマーの単位及びこれらのモノマーと共重合可能
な他のモノマーの単位は、それぞれ1種類のみとするこ
とができ、あるいは、2種類以上とすることができる。
【0008】本発明のカチオンポリマー水系分散液は、
カチオンポリマー10〜30重量%を含有する。カチオ
ンポリマーの含有量が10重量%未満であると、水系分
散液中のカチオンポリマーの濃度が低く、所要量のカチ
オンポリマーを得るために必要な水系分散液の量が多く
なる。カチオンポリマーの含有量が30重量%を超える
と、水系分散液中のカチオンポリマーの粒子が凝集しや
すく、水系分散液の安定性が低下するおそれがある。本
発明のカチオンポリマー水系分散液は無機酸のアルカリ
金属塩又はアンモニウム塩10〜40重量%を含有す
る。無機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩は、所
望の濃度までの水溶性を有する塩であれば特に制限なく
使用することができる。このような無機酸のアルカリ金
属塩及びアンモニウム塩としては、例えば、硝酸ナトリ
ウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムなどの硝酸塩、
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫
酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素アンモ
ニウムなどの硫酸塩、リン酸カリウム、リン酸水素二カ
リウム、リン酸二水素カリウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン
酸アンモニウムなどのリン酸塩、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カ
リウム、臭化アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化
カリウム、ヨウ化アンモニウムなどのハロゲン化物など
を挙げることができる。無機酸のアルカリ金属塩及びア
ンモニウム塩は、水媒体中においてカチオンポリマーを
塩析し、安定なカチオンポリマー水系分散液を形成す
る。本発明のカチオンポリマー水系分散液においては、
1種の無機酸の塩を単独で使用することができ、2種以
上の無機酸の塩を混合して使用することができる。水へ
の溶解度が比較的小さい無機酸の塩を使用するときは、
カチオン成分若しくはアニオン成分のいずれか一方又は
両方が異なる2種以上の無機酸の塩を併用することによ
り、水系分散液中の無機酸の塩の含有量を高めることが
できる。無機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の
含有量が10重量%未満であると、水系分散液中のカチ
オンポリマーの塩析が起こりにくく、粘度低下も起こら
ないおそれがある。粘度が低く、安定なカチオンポリマ
ー水系分散液を得るためには、無機酸のアルカリ金属塩
又はアンモニウム塩の含有量が40重量%あれば十分で
あり、通常は40重量%を超える無機酸の塩は不要であ
る。
カチオンポリマー10〜30重量%を含有する。カチオ
ンポリマーの含有量が10重量%未満であると、水系分
散液中のカチオンポリマーの濃度が低く、所要量のカチ
オンポリマーを得るために必要な水系分散液の量が多く
なる。カチオンポリマーの含有量が30重量%を超える
と、水系分散液中のカチオンポリマーの粒子が凝集しや
すく、水系分散液の安定性が低下するおそれがある。本
発明のカチオンポリマー水系分散液は無機酸のアルカリ
金属塩又はアンモニウム塩10〜40重量%を含有す
る。無機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩は、所
望の濃度までの水溶性を有する塩であれば特に制限なく
使用することができる。このような無機酸のアルカリ金
属塩及びアンモニウム塩としては、例えば、硝酸ナトリ
ウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムなどの硝酸塩、
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫
酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素アンモ
ニウムなどの硫酸塩、リン酸カリウム、リン酸水素二カ
リウム、リン酸二水素カリウム、リン酸ナトリウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン
酸アンモニウムなどのリン酸塩、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、塩化アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カ
リウム、臭化アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化
カリウム、ヨウ化アンモニウムなどのハロゲン化物など
を挙げることができる。無機酸のアルカリ金属塩及びア
ンモニウム塩は、水媒体中においてカチオンポリマーを
塩析し、安定なカチオンポリマー水系分散液を形成す
る。本発明のカチオンポリマー水系分散液においては、
1種の無機酸の塩を単独で使用することができ、2種以
上の無機酸の塩を混合して使用することができる。水へ
の溶解度が比較的小さい無機酸の塩を使用するときは、
カチオン成分若しくはアニオン成分のいずれか一方又は
両方が異なる2種以上の無機酸の塩を併用することによ
り、水系分散液中の無機酸の塩の含有量を高めることが
できる。無機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩の
含有量が10重量%未満であると、水系分散液中のカチ
オンポリマーの塩析が起こりにくく、粘度低下も起こら
ないおそれがある。粘度が低く、安定なカチオンポリマ
ー水系分散液を得るためには、無機酸のアルカリ金属塩
又はアンモニウム塩の含有量が40重量%あれば十分で
あり、通常は40重量%を超える無機酸の塩は不要であ
る。
【0009】本発明のカチオンポリマー水系分散液は、
アルコールを含有することが好ましく、特にアルコール
の含有量が1〜10重量%であることが好ましい。アル
コールを含有することにより、カチオンポリマー水系分
散液の安定性が向上する。アルコールの含有量が1重量
%未満であると、安定性向上の効果が十分に発揮されな
いおそれがある。安定なカチオンポリマー水系分散液を
得るためには、アルコールの含有量が10重量%あれば
十分であり、通常は10重量%を超えるアルコールは不
要である。本発明のカチオンポリマー水系分散液が含有
するアルコールは水に可溶なアルコールであることが好
ましく、このようなアルコールとしては、例えば、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコールなどの2価アルコール、グリセリンな
どの多価アルコールなどを挙げることができる。本発明
のカチオンポリマー水系分散液は、無機酸のアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩の水溶液中において、一般式
[1]で表されるモノマー、一般式[2]で表されるモ
ノマー、一般式[3]で表されるモノマー、及び、必要
に応じて共重合可能な他のモノマーを共重合することに
より得ることができる。純水に所望量の各モノマー、無
機酸の塩及び必要に応じてアルコールを添加し、雰囲気
を不活性ガスで置換したのち重合温度まで昇温し、重合
開始剤を添加して、撹拌下に加熱を続けることにより重
合を進めることができる。重合の進行に伴い、生成した
カチオンポリマーは共存する無機酸のアルカリ金属塩又
はアンモニウム塩により塩析されて微細な粒子となって
析出し、本発明の安定なカチオンポリマー水系分散液が
得られる。重合開始剤としては、水溶性のラジカル重合
開始剤であれば特に制限なく使用することができ、この
ような重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2'−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)などを挙げることができる。これらの中で、アゾ系
重合開始剤を特に好適に使用することができる。
アルコールを含有することが好ましく、特にアルコール
の含有量が1〜10重量%であることが好ましい。アル
コールを含有することにより、カチオンポリマー水系分
散液の安定性が向上する。アルコールの含有量が1重量
%未満であると、安定性向上の効果が十分に発揮されな
いおそれがある。安定なカチオンポリマー水系分散液を
得るためには、アルコールの含有量が10重量%あれば
十分であり、通常は10重量%を超えるアルコールは不
要である。本発明のカチオンポリマー水系分散液が含有
するアルコールは水に可溶なアルコールであることが好
ましく、このようなアルコールとしては、例えば、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロ
ピレングリコールなどの2価アルコール、グリセリンな
どの多価アルコールなどを挙げることができる。本発明
のカチオンポリマー水系分散液は、無機酸のアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩の水溶液中において、一般式
[1]で表されるモノマー、一般式[2]で表されるモ
ノマー、一般式[3]で表されるモノマー、及び、必要
に応じて共重合可能な他のモノマーを共重合することに
より得ることができる。純水に所望量の各モノマー、無
機酸の塩及び必要に応じてアルコールを添加し、雰囲気
を不活性ガスで置換したのち重合温度まで昇温し、重合
開始剤を添加して、撹拌下に加熱を続けることにより重
合を進めることができる。重合の進行に伴い、生成した
カチオンポリマーは共存する無機酸のアルカリ金属塩又
はアンモニウム塩により塩析されて微細な粒子となって
析出し、本発明の安定なカチオンポリマー水系分散液が
得られる。重合開始剤としては、水溶性のラジカル重合
開始剤であれば特に制限なく使用することができ、この
ような重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2'−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)などを挙げることができる。これらの中で、アゾ系
重合開始剤を特に好適に使用することができる。
【0010】本発明のカチオンポリマー水系分散液は、
水を媒体として、一般式[1]で表されるモノマー、一
般式[2]で表されるモノマー、一般式[3]で表され
るモノマー、及び、必要に応じて共重合可能な他のモノ
マーを水溶液重合し、得られたカチオンポリマー水溶液
に無機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を添加し
てカチオンポリマーを塩析することにより得ることがで
きる。必要に応じて、重合媒体としての水又は重合によ
って得られるカチオンポリマー水溶液にアルコールを添
加することができる。また、重合媒体としての水に、重
合中にカチオンポリマーが析出しない程度の無機酸のア
ルカリ金属塩又はアンモニウム塩を添加することができ
る。水溶液重合は、純水に所望量の各モノマー及び必要
に応じてアルコールを添加し、雰囲気を不活性ガスで置
換したのち重合温度まで昇温し、重合開始剤を添加し
て、撹拌下に加熱を続けることにより重合を進めること
ができる。重合開始剤としては、水溶性のラジカル重合
開始剤であれば特に制限なく使用することができ、この
ような重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2'−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)などを挙げることができる。これらの中で、アゾ系
重合開始剤を特に好適に使用することができる。重合終
了後、得られたカチオンポリマー水溶液に無機酸のアル
カリ金属塩又はアンモニウム塩を添加すると、カチオン
ポリマーは塩析されて微細な粒子となって析出し、本発
明の安定なカチオンポリマー水系分散液が得られる。本
発明のカチオンポリマー水系分散液に含有されるカチオ
ンポリマーは、高分子量であることが好ましく、0.1
N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した
固有粘度が、1dl/g以上であることが好ましい。0.
1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定し
た固有粘度が1dl/g未満であると、排水処理用の凝集
剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる製紙用薬剤などと
して使用したとき、十分な効果が発揮されないおそれが
ある。
水を媒体として、一般式[1]で表されるモノマー、一
般式[2]で表されるモノマー、一般式[3]で表され
るモノマー、及び、必要に応じて共重合可能な他のモノ
マーを水溶液重合し、得られたカチオンポリマー水溶液
に無機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を添加し
てカチオンポリマーを塩析することにより得ることがで
きる。必要に応じて、重合媒体としての水又は重合によ
って得られるカチオンポリマー水溶液にアルコールを添
加することができる。また、重合媒体としての水に、重
合中にカチオンポリマーが析出しない程度の無機酸のア
ルカリ金属塩又はアンモニウム塩を添加することができ
る。水溶液重合は、純水に所望量の各モノマー及び必要
に応じてアルコールを添加し、雰囲気を不活性ガスで置
換したのち重合温度まで昇温し、重合開始剤を添加し
て、撹拌下に加熱を続けることにより重合を進めること
ができる。重合開始剤としては、水溶性のラジカル重合
開始剤であれば特に制限なく使用することができ、この
ような重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2'−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)などを挙げることができる。これらの中で、アゾ系
重合開始剤を特に好適に使用することができる。重合終
了後、得られたカチオンポリマー水溶液に無機酸のアル
カリ金属塩又はアンモニウム塩を添加すると、カチオン
ポリマーは塩析されて微細な粒子となって析出し、本発
明の安定なカチオンポリマー水系分散液が得られる。本
発明のカチオンポリマー水系分散液に含有されるカチオ
ンポリマーは、高分子量であることが好ましく、0.1
N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した
固有粘度が、1dl/g以上であることが好ましい。0.
1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定し
た固有粘度が1dl/g未満であると、排水処理用の凝集
剤、汚泥の脱水剤、製紙工程に用いる製紙用薬剤などと
して使用したとき、十分な効果が発揮されないおそれが
ある。
【0011】本発明のカチオンポリマー水系分散液は、
一般式[1]で表されるアンモニウム基を有するメタク
リレート系モノマーの単位、一般式[2]で表されるア
ンモニウム基を有するアクリレート系モノマーの単位及
び一般式[3]で表されるアクリルアミド系モノマーの
単位を有するカチオンポリマーが、無機酸のアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩とともに水系媒体中に共存し、
カチオンポリマーが無機塩により塩析されて微細粒子を
形成し、安定なカチオンポリマー水系分散液を形成した
ものである。一般式[1]で表されるモノマーと、一般
式[2]で表されるモノマー及び一般式[3]で表され
るモノマーは共重合性が悪く、生成するカチオンポリマ
ー中には、一般式[1]で表されるモノマーの単位を多
量に有するポリマーと、一般式[2]で表されるモノマ
ーの単位及び一般式[3]で表されるモノマーの単位を
多量に有するポリマーが含まれていると考えられる。一
般式[1]で表されるモノマーの単位を多量に有するポ
リマーは塩析されにくいが、一般式[2]で表されるモ
ノマーの単位及び一般式[3]で表されるモノマーの単
位を多量に有するポリマーは塩析されやすい。本発明の
カチオンポリマー水系分散液は、塩析された一般式
[2]で表されるモノマーの単位及び一般式[3]で表
されるモノマーの単位を多量に有するポリマーの粒子の
まわりに、一般式[1]で表されるモノマーの単位を多
量に有するポリマーが保護コロイドを形成するために優
れた安定性を示すものと推定される。
一般式[1]で表されるアンモニウム基を有するメタク
リレート系モノマーの単位、一般式[2]で表されるア
ンモニウム基を有するアクリレート系モノマーの単位及
び一般式[3]で表されるアクリルアミド系モノマーの
単位を有するカチオンポリマーが、無機酸のアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩とともに水系媒体中に共存し、
カチオンポリマーが無機塩により塩析されて微細粒子を
形成し、安定なカチオンポリマー水系分散液を形成した
ものである。一般式[1]で表されるモノマーと、一般
式[2]で表されるモノマー及び一般式[3]で表され
るモノマーは共重合性が悪く、生成するカチオンポリマ
ー中には、一般式[1]で表されるモノマーの単位を多
量に有するポリマーと、一般式[2]で表されるモノマ
ーの単位及び一般式[3]で表されるモノマーの単位を
多量に有するポリマーが含まれていると考えられる。一
般式[1]で表されるモノマーの単位を多量に有するポ
リマーは塩析されにくいが、一般式[2]で表されるモ
ノマーの単位及び一般式[3]で表されるモノマーの単
位を多量に有するポリマーは塩析されやすい。本発明の
カチオンポリマー水系分散液は、塩析された一般式
[2]で表されるモノマーの単位及び一般式[3]で表
されるモノマーの単位を多量に有するポリマーの粒子の
まわりに、一般式[1]で表されるモノマーの単位を多
量に有するポリマーが保護コロイドを形成するために優
れた安定性を示すものと推定される。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化
物[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液27g、
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級
化物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液45
g、アクリルアミド57g及び硫酸アンモニウム117
gを秤取し、純水333g及びエタノール20gの混合
溶媒に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45
℃まで昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2
−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬
(株)、V−50]の2.7重量%水溶液5mlを添加し
て、撹拌下10時間重合を行った。乳白色のカチオンポ
リマー水系分散液が得られた。得られた分散液は、粘度
が12,000cPであり、流動性を有するものであっ
た。40℃で1カ月間保存後も状態に変化はなく、経時
的にも安定であった。 実施例2 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液20g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液79g、
アクリルアミド53g及び硫酸アンモニウム63gを秤
取し、純水230g及びエタノール15gの混合溶媒に
溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで
昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−
50]の2.7重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下1
0時間重合を行った。乳白色のカチオンポリマー水系分
散液が得られた。得られた分散液は、粘度が3,000
cPであり、流動性を有するものであった。40℃で1
カ月間保存後も状態に変化はなく、経時的にも安定であ
った。 実施例3 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液13g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液23g、
アクリルアミド28g及び硫酸アンモニウム87gを秤
取し、純水212g及びエタノール14gの混合溶媒に
溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで
昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−
50]の1.4重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下1
0時間重合を行った。乳白色のカチオンポリマー水系分
散液が得られた。得られた分散液は、粘度が5,000
cPであり、流動性を有するものであった。40℃で1
カ月間保存後も状態に変化はなく、経時的にも安定であ
った。 実施例4 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液13g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液23g及
びアクリルアミド28gを秤取し、純水262gに溶解
した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで昇温
し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチルプ
ロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−5
0]の1.4重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下10
時間重合を行った。さらに、得られたポリマー溶液に、
硫酸アンモニウム82gを撹拌しながら加え、乳白色の
カチオンポリマー水系分散液を得た。得られた分散液
は、粘度が3,500cPであり、流動性を有するもの
であった。40℃で1カ月間保存後も状態に変化はな
く、経時的にも安定であった。 比較例1 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四級化物
[DAA(MeCl)]の78重量%水溶液27g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液45g、
アクリルアミド57g及び硫酸アンモニウム117gを
秤取し、純水333g及びエタノール20gの混合溶媒
に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃ま
で昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メ
チルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V
−50]の2.7重量%水溶液5mlを添加して、撹拌下
10時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水系
分散液から、粒径5mm程度の粒子が沈殿していた。 比較例2 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液3g、ジメ
チルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化物
[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液22g、ア
クリルアミド31g及び硫酸アンモニウム78gを秤取
し、純水164g及びエタノール15gの混合溶媒に溶
解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで昇
温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−5
0]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下10
時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水系分散
液から、粒径5mm程度の粒子が沈殿していた。 比較例3 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化
物[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液67g、
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級
化物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液67
g、アクリルアミド7g及び硫酸アンモニウム160g
を秤取し、純水318g及びエタノール33gの混合溶
媒に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃
まで昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、
V−50]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌
下10時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水
系分散液から、粒径8mm程度の粒子が沈殿していた。 比較例4 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液27g、ア
クリルアミド28g及び硫酸アンモニウム98gを秤取
し、純水157g及びエタノール16gの混合溶媒に溶
解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで昇
温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−5
0]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下10
時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水系分散
液は、流動性を有していたが、その粘度は90,000
cPであった。 比較例5 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化
物[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液11g、
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級
化物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液180
g、アクリルアミド2g及び硫酸アンモニウム126g
を秤取し、純水462g及びエタノール42gの混合溶
媒に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃
まで昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、
V−50]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌
下10時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水
系分散液から、粒径8mm程度の粒子が沈殿していた。実
施例1〜4及び比較例1〜5の結果を、まとめて第1表
に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化
物[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液27g、
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級
化物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液45
g、アクリルアミド57g及び硫酸アンモニウム117
gを秤取し、純水333g及びエタノール20gの混合
溶媒に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45
℃まで昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2
−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬
(株)、V−50]の2.7重量%水溶液5mlを添加し
て、撹拌下10時間重合を行った。乳白色のカチオンポ
リマー水系分散液が得られた。得られた分散液は、粘度
が12,000cPであり、流動性を有するものであっ
た。40℃で1カ月間保存後も状態に変化はなく、経時
的にも安定であった。 実施例2 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液20g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液79g、
アクリルアミド53g及び硫酸アンモニウム63gを秤
取し、純水230g及びエタノール15gの混合溶媒に
溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで
昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−
50]の2.7重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下1
0時間重合を行った。乳白色のカチオンポリマー水系分
散液が得られた。得られた分散液は、粘度が3,000
cPであり、流動性を有するものであった。40℃で1
カ月間保存後も状態に変化はなく、経時的にも安定であ
った。 実施例3 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液13g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液23g、
アクリルアミド28g及び硫酸アンモニウム87gを秤
取し、純水212g及びエタノール14gの混合溶媒に
溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで
昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−
50]の1.4重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下1
0時間重合を行った。乳白色のカチオンポリマー水系分
散液が得られた。得られた分散液は、粘度が5,000
cPであり、流動性を有するものであった。40℃で1
カ月間保存後も状態に変化はなく、経時的にも安定であ
った。 実施例4 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液13g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液23g及
びアクリルアミド28gを秤取し、純水262gに溶解
した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで昇温
し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチルプ
ロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−5
0]の1.4重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下10
時間重合を行った。さらに、得られたポリマー溶液に、
硫酸アンモニウム82gを撹拌しながら加え、乳白色の
カチオンポリマー水系分散液を得た。得られた分散液
は、粘度が3,500cPであり、流動性を有するもの
であった。40℃で1カ月間保存後も状態に変化はな
く、経時的にも安定であった。 比較例1 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四級化物
[DAA(MeCl)]の78重量%水溶液27g、ジ
メチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化
物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液45g、
アクリルアミド57g及び硫酸アンモニウム117gを
秤取し、純水333g及びエタノール20gの混合溶媒
に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃ま
で昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メ
チルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V
−50]の2.7重量%水溶液5mlを添加して、撹拌下
10時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水系
分散液から、粒径5mm程度の粒子が沈殿していた。 比較例2 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液3g、ジメ
チルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級化物
[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液22g、ア
クリルアミド31g及び硫酸アンモニウム78gを秤取
し、純水164g及びエタノール15gの混合溶媒に溶
解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで昇
温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−5
0]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下10
時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水系分散
液から、粒径5mm程度の粒子が沈殿していた。 比較例3 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化
物[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液67g、
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級
化物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液67
g、アクリルアミド7g及び硫酸アンモニウム160g
を秤取し、純水318g及びエタノール33gの混合溶
媒に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃
まで昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、
V−50]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌
下10時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水
系分散液から、粒径8mm程度の粒子が沈殿していた。 比較例4 撹拌機を備えた500mlのセパラブルフラスコに、ジメ
チルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化物
[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液27g、ア
クリルアミド28g及び硫酸アンモニウム98gを秤取
し、純水157g及びエタノール16gの混合溶媒に溶
解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃まで昇
温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチル
プロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、V−5
0]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌下10
時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水系分散
液は、流動性を有していたが、その粘度は90,000
cPであった。 比較例5 撹拌機を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジ
メチルアミノエチルメタクリレートの塩化メチル四級化
物[DAM(MeCl)]の78重量%水溶液11g、
ジメチルアミノエチルアクリレートの塩化ベンジル四級
化物[DAA(BzCl)]の60重量%水溶液180
g、アクリルアミド2g及び硫酸アンモニウム126g
を秤取し、純水462g及びエタノール42gの混合溶
媒に溶解した。次いで、窒素置換を行ったのち、45℃
まで昇温し、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−
メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩[和光純薬(株)、
V−50]の3.3重量%水溶液1mlを添加して、撹拌
下10時間重合を行った。重合後のカチオンポリマー水
系分散液から、粒径8mm程度の粒子が沈殿していた。実
施例1〜4及び比較例1〜5の結果を、まとめて第1表
に示す。
【0013】
【表1】
【0014】実施例1〜4の本発明のカチオンポリマー
水系分散液は、いずれも低粘度で良好な流動性を有し、
取り扱いが容易であり、経時安定性にも優れている。こ
れに対して、一般式[1]で表されるモノマーの単位を
有しない比較例1のカチオンポリマー水系分散液、一般
式[1]で表されるモノマーの単位の少ない比較例2の
カチオンポリマー水系分散液及び一般式[1]で表され
るモノマーの単位が多すぎる比較例3のカチオンポリマ
ー水系分散液は、いずれも粒子の沈殿が生じ、安定な水
系分散液が得られない。一般式[2]で表されるモノマ
ーの単位を有しない比較例4のカチオンポリマー水系分
散液は、高粘度であり、取り扱いが容易でないものであ
る。一般式[2]で表されるモノマーの単位が多すぎる
比較例5のカチオンポリマー水系分散液は、粒子の沈殿
が生じ、安定な水系分散液が得られない。
水系分散液は、いずれも低粘度で良好な流動性を有し、
取り扱いが容易であり、経時安定性にも優れている。こ
れに対して、一般式[1]で表されるモノマーの単位を
有しない比較例1のカチオンポリマー水系分散液、一般
式[1]で表されるモノマーの単位の少ない比較例2の
カチオンポリマー水系分散液及び一般式[1]で表され
るモノマーの単位が多すぎる比較例3のカチオンポリマ
ー水系分散液は、いずれも粒子の沈殿が生じ、安定な水
系分散液が得られない。一般式[2]で表されるモノマ
ーの単位を有しない比較例4のカチオンポリマー水系分
散液は、高粘度であり、取り扱いが容易でないものであ
る。一般式[2]で表されるモノマーの単位が多すぎる
比較例5のカチオンポリマー水系分散液は、粒子の沈殿
が生じ、安定な水系分散液が得られない。
【0015】
【発明の効果】本発明のカチオンポリマー水系分散液
は、粘度が低く、凝集物の発生がなく、経時的に安定
で、取り扱い性、経済性、安全性に優れ、汚泥の凝集
剤、脱水剤、製紙用薬剤などとして好適に用いることが
できる。
は、粘度が低く、凝集物の発生がなく、経時的に安定
で、取り扱い性、経済性、安全性に優れ、汚泥の凝集
剤、脱水剤、製紙用薬剤などとして好適に用いることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/14 LJG C08L 33/14 LJG
Claims (1)
- 【請求項1】一般式[1]で表されるモノマーの単位5
〜40モル%、一般式[2]で表されるモノマーの単位
5〜80モル%及び一般式[3]で表されるモノマーの
単位1〜90モル%を有するカチオンポリマー10〜3
0重量%並びに無機酸のアルカリ金属塩又はアンモニウ
ム塩10〜40重量%を含有することを特徴とするカチ
オンポリマー水系分散液。 【化1】 【化2】 【化3】 (ただし、式中、R1及びR2は炭素数1〜3のアルキル
基であり、R3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基で
あり、R4はベンジル基又は炭素数4〜10のアルキル
基であり、R5及びR6は水素、炭素数1〜3のアルキル
基若しくはシクロヘキシル基又は−NR5R6がピロリド
ニル基であり、Aは酸素又はNHであり、Bは炭素数2
〜4のアルキレン基又は2−ヒドロキシ−1,3−プロ
ピレン基であり、X-はアニオン性対イオンである。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11976196A JPH09278973A (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | カチオンポリマー水系分散液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11976196A JPH09278973A (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | カチオンポリマー水系分散液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278973A true JPH09278973A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=14769529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11976196A Pending JPH09278973A (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | カチオンポリマー水系分散液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09278973A (ja) |
-
1996
- 1996-04-17 JP JP11976196A patent/JPH09278973A/ja active Pending
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