JPH09278696A - フェノール誘導体およびその製造方法 - Google Patents

フェノール誘導体およびその製造方法

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JPH09278696A
JPH09278696A JP8496796A JP8496796A JPH09278696A JP H09278696 A JPH09278696 A JP H09278696A JP 8496796 A JP8496796 A JP 8496796A JP 8496796 A JP8496796 A JP 8496796A JP H09278696 A JPH09278696 A JP H09278696A
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isopropenylphenol
reaction
phenol
linear polymer
solvent
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JP8496796A
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Hidekazu Takada
英一 高田
Yuzo Ono
有三 小野
Mizuo Ito
瑞男 伊藤
Osamu Sato
治 佐藤
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1,3,3−トリメチル−1−(4−ヒドロキ
シフェニル)−5−(α,α−ジメチル−4−ヒドロキ
シベンジル)−インダン−6−オールおよびその製造方
法を提供する。 【解決手段】反応溶媒中で酸性触媒の存在下、4−イソ
プロペニルフェノールおよび4−イソプロペニルフェノ
ールの線状重合体からなる群から選ばれた少なくとも一
種のフェノール化合物を反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1,3,3−トリメ
チル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(α,α
−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−インダン−6
−オールおよびその製造方法に関する。
【0002】本発明で得られる1,3,3−トリメチル
−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(α,α−ジ
メチル−4−ヒドロキシベンジル)−インダン−6−オ
ールはポリカーボネート、ポリエステルなどの枝分かれ
剤、レジスト用の感放射線性成分の原料、エポキシ樹脂
の原料およびエポキシ樹脂の硬化剤として有用な化合物
である。
【0003】
【従来の技術】本発明は新規の多価フェノール化合物で
あって、これに関する公知文献は一切見出されていな
い。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、1,
3,3−トリメチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)
−5−(α,α−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)
−インダン−6−オールおよびその製造方法を提案する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、反応溶媒中で酸性触媒
の存在下、4−イソプロペニルフェノールおよびその線
状重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種のフェ
ノール化合物を反応させること、あるいは反応溶媒中で
酸性触媒の存在下、4−イソプロペニルフェノールの環
状二量体と4−イソプロペニルフェノールおよびその線
状重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種のフェ
ノール化合物を反応させることにより、新規な多価フェ
ノール化合物が得られることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は下記構造式(1)[化
2]
【0006】
【化2】 で表される1,3,3−トリメチル−1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−5−(α,α−ジメチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−インダン−6−オールである。他の発
明は反応溶媒中で酸性触媒の存在下、4−イソプロペニ
ルフェノールおよび4−イソプロペニルフェノールの線
状重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種のフェ
ノール化合物を反応させることである。
【0007】そして、本発明の上記化合物を製造するた
めの第一の方法は、反応溶媒中で酸性触媒の存在下、4
−イソプロペニルフェノールおよびその線状重合体から
なる群から選ばれた少なくとも一種のフェノール化合物
(4−イソプロペニルフェノールの線状重合体のモル数
は4−イソプロペニルフェノール単位で算出する)を反
応させることを特徴とする方法である。
【0008】そして、第二の方法は、反応溶媒中で酸性
触媒の存在下、4−イソプロペニルフェノールの環状二
量体に対し、4−イソプロペニルフェノールおよび4−
イソプロペニルフェノールの線状重合体からなる群から
選ばれた少なくとも一種のフェノール化合物を反応させ
ることを特徴とする方法である。
【0009】そして、第三の方法は、反応溶媒中で酸性
触媒の存在下、4−イソプロペニルフェノールを一旦、
オリゴマー化させて、4−イソプロペニルフェノールの
線状重合体を生成させて、反応させることを特徴とする
方法である。
【発明の実施の形態】
【0010】以下本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明の製造方法に用いられるフェノール
類および4−イソプロペニルフェノールの環状二量体は
例えば、4−イソプロペニルフェノールの線状二量体と
フェノールの混合物であるパーマノール(三井東圧化学
(株)製)より製造される。またはパーマノールからフ
ェノールを留去した4−イソプロペニルフェノールの線
状二量体を主成分とする原料を使用しても良い。または
場合によっては市販の2,2ービス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと称する)や
ビスフェノールA製造工程内で得られるビスフェノール
Aやその異性体およびその他、副生成物の混合物を開裂
することで得られる開裂生成物より製造される。4−イ
ソプロペニルフェノールは例えば、特公昭61−268
92号に記載されている方法で製造される。即ち、4−
イソプロペニルフェノールのオリゴマーを含む混合物か
らフェノールを留去した上記混合物を温度150〜26
0℃、圧力50〜100mmHgの条件下で加熱と、4
−イソプロペニルフェノールのガスが発生する。発生し
た4−イソプロペニルフェノールのガスは不安定なた
め、そのままでは、すぐに二量体および三量体以上の4
−イソプロペニルフェノールの線状重合体に変わりやす
い。そこで4−イソプロペニルフェノールをモノマーと
して安定に取り出すために、発生した4−イソプロペニ
ルフェノールをガス状のまま、または凝縮直後に極性溶
剤と接触せしめて、4−イソプロペニルフェノールを捕
集する。
【0012】本発明の製造方法に用いられる4−イソプ
ロペニルフェノールの線状重合体は、前述のパーマノー
ルを用いてもよいし、上述の開裂混合物等より製造して
もよい。例えば、線状二量体は特公昭52−10869
号の様な方法で製造される。即ち、ビスフェノールAの
開裂によって得られるフェノール、4−イソプロペニル
フェノールおよび4−イソプロペニルフェノールの線状
重合体の混合物からフェノールを留去することでフェノ
ールの含有割合が10重量%以下の混合物が得られる。
本混合物を80〜150℃に加熱して、4−イソプロペ
ニルフェノールの二量化反応と同時に4−イソプロペニ
ルフェノールの三量体以上の重合体の解離反応とフェノ
ール以外の開裂物の二量化を行うことで4−イソプロペ
ニルフェノールの線状重合体の混合物が得られる。それ
をベンゼン溶媒で再結晶することにより更に高純度の線
状二量体が得られる。
【0013】尚、線状二量体は4−メチル−2,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−ペンテン−1、あるい
は4−メチル−2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ペンテン−2、およびこれらの混合物であっても
よい。
【0014】また、4−イソプロペニルフェノールの線
状重合体は線状二量体および三量体以上の重合体の混合
物である。例えば、三量体の線状重合体は市販のパーマ
ノールからフェノールを留去した4−イソプロペニルフ
ェノールの線状重合体を原料として、酸性触媒存在下で
極性溶媒と無極性溶媒との混合溶媒下で合成される。
【0015】本発明の製造方法に用いられる4−イソプ
ロペニルフェノールの環状二量体は、化学名1,3,3
−トリメチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−イン
ダン−6−オールであり、例えば、特公昭56−193
33号の様な方法で製造される。即ち、上記記載の4−
イソプロペニルフェノールおよび4−イソプロペニルフ
ェノールの線状重合体で構成される化合物群のうち少な
くとも一種を原料とし、シリカーアルミナ、活性白土、
酸性白土などの酸強度10-6〜10-4程度の酸化物であ
る固体酸を触媒として、ベンゼン、トルエンなどの無極
性溶媒単独あるいはアルコール類、ケトン類、エステル
類等の極性溶媒と前記した無極性溶媒の混合溶媒中で合
成される。本反応液を冷却し、メタノールを添加して目
的物と触媒とを分離させる。分離した母液からメタノー
ルを留去した後、冷却することで析出してくる結晶を濾
過することにより4−イソプロペニルフェノールの環状
二量体が得られる。
【0016】本発明の製造方法において用いられる4−
イソプロペニルフェノール、4−イソプロペニルフェノ
ールの線状重合体および、4−イソプロペニルフェノー
ルの環状二量体またはそれらの混合物を反応させるに際
し、使用する酸性触媒としては、塩酸、臭化水素酸、硝
酸、硫酸、燐酸などの無機酸、ジエチル硫酸、メタンス
ルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸および
陽イオン交換樹脂、ゼオライト、モンモリロナイト等の
固体酸が用いられる。その中でも、臭化水素酸、塩酸、
硝酸あるいは硫酸が好ましい。
【0017】触媒の使用量は使用する反応溶媒の種類に
もよるが、反応混合物に対し、0.01〜5.0重量%
が好ましく、更に好ましくは0.05〜1.2重量%の
範囲である。触媒量が0.01%未満の場合は反応時間
が長くなり、また、過剰の触媒は触媒コストが高いばか
りでなく不純物の生成も多くなる。
【0018】本発明の反応は溶媒中で行うのが好まし
い。反応溶媒としては、例えばヘプタン、ヘキサンなど
の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化
水素、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素および、メタノール、エタノール等のアルコール類が
挙げられる。これら反応溶媒は単独または2種以上混合
して用いる事が出来る。2種以上混合する場合は非極性
溶媒と極性溶媒との混合系が好ましい。
【0019】溶媒の使用量は、(1) 4−イソプロペ
ニルフェノール、および4−イソプロペニルフェノール
の線状重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種の
フェノール化合物、(2) 4−イソプロペニルフェノ
ールの環状二量体に対し、(1)の単独もしくは(1)
+(2)の混合物のいずれかの重量に対し、重量ベース
で1倍以上が好ましく、更に好ましくは3〜8倍であ
る。1倍未満は、反応時の攪拌が難しくなる。また、過
剰量の溶媒使用量は回収コストがかさむことになる。
【0020】反応温度は0〜150℃が好ましく、更に
好ましくは40〜100℃である。温度が0℃未満の場
合は反応時間が長くなり、実際的でない。また、反応温
度を高くすると反応時間は短くなるが、不純物の生成が
多くなり好ましくない。
【0021】本発明の第一の方法により、上記構造式
(1)[化1]で表される1,3,3−トリメチル−1
−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(α,α−ジメチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)−インダン−6−オール
を1モル製造するに当たって、反応機に供給する4−イ
ソプロペニルフェノールおよびその線状重合体の量は4
−イソプロペニルフェノール単位で1.0〜30モルが
良く、更に好ましくは3.0〜20モルである。過剰の
モル数は未反応物回収のコストがかさむばかりでなく、
4−イソプロペニルフェノールのオリゴマー化合物や4
−イソプロペニルフェノールの環状二量体および高沸点
化合物等の副生成物が多く生成する。
【0022】また、本発明の第二の方法においては、4
−イソプロペニルフェノール環状二量体1モルに対し、
4−イソプロペニルフェノールおよびその線状重合体
(4−イソプロペニルフェノールの線状重合体のモル数
は4−イソプロペニルフェノール単位で算出する)の合
計モル数は0.1〜10モルが好ましく、更に好ましく
は0.5〜2.0モルが好ましい。例えば、1モルの4
−イソプロペニルフェノール環状二量体に対し、4−イ
ソプロペニルフェノールおよびその線状重合体のモル数
が2モルを超える場合、未反応の4−イソプロペニルフ
ェノールおよびその線状重合体が多くなり、その後の精
製工程が煩雑となり、逆に2モルの4−イソプロペニル
フェノール環状二量体に対し、4−イソプロペニルフェ
ノールおよびその線状重合体のモル数が1モル未満の場
合は未反応の4−イソプロペニルフェノール環状二量体
が残り、その後の精製、分離が困難になる。
【0023】また、本発明の第三の方法においては、通
常の反応様式は4−イソプロペニルフェノールと反応溶
媒を一括に仕込み溶解後、酸性触媒を添加して一定時間
反応させた後、反応混合物は晶析やカラム分離等の方法
で分離精製され、目的物を得る。しかし、4−イソプロ
ペニルフェノール、あるいは4−イソプロペニルフェノ
ールの線状重合体の混合物を用いる場合は4−イソプロ
ペニルフェノールのオリゴマー化により発熱が激しいた
め、分割あるいは連続装入がよいが、この操作は煩雑で
ある。4−イソプロペニルフェノール、あるいは4−イ
ソプロペニルフェノールの線状重合体の混合物を一括装
入の場合は、先に4−イソプロペニルフェノールを少量
の酸性触媒存在下で一旦、オリゴマー化した後、反応に
必要な酸性触媒の使用量を添加して反応させる方が急激
な発熱を制御でき好ましい。
【0024】4−イソプロペニルフェノールオリゴマー
化条件としては、例えば4−イソプロペニルフェノー
ル、あるいは4−イソプロペニルフェノールの線状重合
体の混合物を反応溶媒に溶解して、温度30〜60℃に
保ち、酸性触媒の使用量は反応溶媒の種類によるが、反
応液の重量に対し、臭化水素酸は0.0005〜0.0
5重量%、塩酸は0.001〜0.1重量%を添加し、
10〜30分間保ちオリゴマー化した後、反応に必要な
酸性触媒の使用量を添加して反応させる。
【0025】得られた反応混合物は晶析やカラム分離等
の方法で分離精製される。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0027】実施例 1 市販のパーマノールからフェノールを留去して得られる
4−イソプロペニルフェノールの線状重合体(4−イソ
プロペニルフェノール二量体 78%)を温度250
℃、圧力50mmHgの条件下に加熱して4−イソプロ
ペニルフェノールを200g/hrの速度で留出させ、
充填塔式の吸収塔の塔頂のやや下部にガス状で導入し
た。一方、2ーエチルヘキサノールを200g/hrで
吸収塔の塔頂に装入して流下させ、4−イソプロペニル
フェノールと55℃で接触させて捕集することで4−イ
ソプロペニルフェノール濃度49重量%の溶液を得た。
この溶液を冷却槽に4時間かけて5℃まで冷却し、析出
した結晶を遠心分離機で分離した。分離した母液に5g
の新規の2ーエチルヘキサノールを加えて、発生する4
−イソプロペニルフェノールの捕集に循環使用した。上
記の操作を連続して6時間実施し、純度98重量%以上
の4−イソプロペニルフェノールを約1kg得られた。
還流器、温度計および攪拌機を備えた500mlのセパ
ラブルフラスコに前記の方法で得られた4−イソプロペ
ニルフェノール40.2g(0.3モル)とベンゼン2
15g(250ml)をフラスコに仕込み、攪拌下、6
0℃で溶解した後、47重量%臭化水素酸0.07gを
添加して20分間攪拌し、4−イソプロペニルフェノー
ルをオリゴマー化させる。次いで温度を80℃に昇温
し、更に47%臭化水素酸1.33gを添加して、同温
度で更に4時間攪拌し反応させた。反応液からベンゼン
溶媒を除いた濃縮物をクロマト分離(カラム:YMC
社、SH−343−10、紫外可視分光検出器:UV2
80nm、日本分光液体クロマトグラフィー800型、
溶媒:アセトニトリル)して分取させ、白色結晶0.1
gが得られた。
【0028】得られた結晶について元素分析、質量分
析、融点、13C核磁気共鳴、プロトン核磁気共鳴および
を測定し、下記式(1)[化3]
【0029】
【化3】 で1,3,3−トリメチル−1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−5−(α,α−ジメチル−4−ヒドロキシベン
ジル)−インダン−6−オールであることが確認され、
液体クロマトグラフィーによる純度は99.0重量%だ
った。
【0030】<元素分析> 元素分析の結果は、実測値
C=80.7%、H=7.9%、N=0.5%以下(理
論値C=80.5%、H=7.5%) 他に灰分(65
0℃、3h)0.05%以下であった。
【0031】<質量分析> 質量分析(DI−MS)の
結果、M+ =402であった。
【0032】<融点> 融点を測定した結果237.4
℃〜237.6℃であった。
【0033】< 1H−核磁気共鳴スペクトル>溶媒とし
てCD3 COCD3 (アセトン−d6 )、化学シフト基
準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いたプ
ロトン核磁気共鳴分析の結果は以下に示す。 δ(ppm、TMS基準) 帰属* 1.05(s,3H) (a) 1.34(s,3H) (b) 1.56(s,3H) (c) 1.70(s,6H) (d) 2.0−2.5(q, 2H) (e) 6.2−7.4(q,13H) (f) <注>*式1 [化3]の水素原子の記号を示す。
【0034】<13C−核磁気共鳴スペクトル>溶媒とし
てCD3 SOCD3 (DMSO−d6 )化学シフト基準
物質としてテトラメチルシラン(TMS)をそれぞれ用
い、用いたプロトン核磁気共鳴分析の結果は[表1]に
示す。下記式(2)[化4]
【0035】
【化4】
【0036】
【表1】 <注>*式2 [化4]の水素原子の記号を示す。
【0037】実施例 2 還流器、温度計および攪拌機を備えた500mlのセパ
ラブルフラスコに実施例1で得られた4−イソプロペニ
ルフェノール40.2g(0.3モル)とベンゼン21
5g(250ml)を80℃にて溶解させ、その後、4
7重量%臭化水素酸1.40gをゆっくり添加して、同
温度で更に4時間攪拌し反応させた。反応終了後、反応
液を液体クロマトグラフィーで分析したところ、1,
3,3−トリメチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)
−5−(α,α−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)
−インダン−6−オールは1.5重量%であった。
【0038】実施例 3 実施例2で市販のパーマノールからフェノールを留去し
た4−イソプロペニルフェノールの線状重合体(4−イ
ソプロペニルフェノール単位で0.3モル)51.5g
とベンゼン215gをフラスコに仕込み、温度80℃に
て溶解させ、47重量%臭化水素酸1.40gを添加
し、同温度で更に4時間反応させた。全反応混合物中の
目的生成物は液体クロマトグラフィー分析により2.0
重量%だった。
【0039】実施例 4 還流器、温度計および攪拌機を備えた500mlのセパ
ラブルフラスコに、実施例1と同様に4−イソプロペニ
ルフェノール40.2g(0.3モル)とトルエン22
0g(250ml)をフラスコに仕込み、攪拌下、70
℃で溶解した後、47重量%臭化水素酸0.07gを添
加して20分間攪拌し、4−イソプロペニルフェノール
をオリゴマー化させた。次いで温度を85℃に昇温し、
更に47%臭化水素酸1.33gを添加して、同温度で
更に5時間攪拌し反応させた。全反応混合物中の目的生
成物は液体クロマトグラフィーにより2.6重量%であ
った。
【0040】実施例 5 実施例3の市販のパーマノールからフェノールを留去し
た4−イソプロペニルフェノールの線状重合体(4−イ
ソプロペニルフェノール二量体78%)64gとシリカ
ーアルミナ5gをフラスコに仕込み、ベンゼン溶媒25
0g中で全体を攪拌しながら加熱還流させる。30分反
応させると結晶が析出する。冷却後、メタノールを60
g添加して目的物を溶解し、触媒を分離させ、分離した
母液よりメタノールを留去させた。冷却すると結晶が析
出してくる。その結晶を濾過することにより、4−イソ
プロペニルフェノールの環状二量体41gが得られる。
その4−イソプロペニルフェノールの環状二量体26.
8g(0.1モル)と4−イソプロペニルフェノール1
3.4g(0.1モル)およびベンゼン215gをフラ
スコに仕込み、攪拌下、60℃に保ち、36重量%塩酸
0.02gを添加し、20分間攪拌しオリゴマー化させ
た。その後、温度を80℃に昇温し、80℃に安定した
所で36重量%塩酸を0.52gを添加し、同温度で更
に5時間反応させた。全反応混合物中の目的生成物は液
体クロマトグラフィーにより0.2重量%であった。
【0041】実施例 6 実施例5において4−イソプロペニルフェノールのかわ
りに市販のパーマノールからフェノールを留去した4−
イソプロペニルフェノールの線状重合体(4−イソプロ
ペニルフェノール単位で0.1モル)17.2gと4−
イソプロペニルフェノールの環状二量体26.8g
(0.1モル)とベンゼン215gフラスコに仕込み、
攪拌下、温度を80℃にて36重量%塩酸0.85gを
添加し、同温度で更に5時間反応させた。全反応混合物
中の目的生成物は液体クロマトグラフィーにより0.1
重量%であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法により、1,3,3−トリ
メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(α,
α−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−インダン−
6−オールが得られる。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 治 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式(1)[化1] 【化1】 で表されるフェノール誘導体。
  2. 【請求項2】反応溶媒中で酸性触媒の存在下、4−イソ
    プロペニルフェノールおよび4−イソプロペニルフェノ
    ールの線状重合体からなる群から選ばれた少なくとも一
    種のフェノール化合物を反応させることを特徴とする請
    求項1記載のフェノール誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】反応溶媒中で酸性触媒の存在下、4−イソ
    プロペニルフェノールを一旦、オリゴマー化させて4−
    イソプロペニルフェノールの線状重合体を生成させた
    後、反応させることを特徴とする請求項2記載のフェノ
    ール誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】反応溶媒中で酸性触媒の存在下、4−イソ
    プロペニルフェノールの環状二量体と、4−イソプロペ
    ニルフェノールおよび4−イソプロペニルフェノールの
    線状重合体からなる群から選ばれた少なくとも一種のフ
    ェノール化合物を反応させることを特徴とする請求項1
    記載のフェノール誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】4−イソプロペニルフェノールの環状二量
    体1モルに対し、0.5〜1.5モルのフェノール化合
    物を反応させることを特徴とする請求項4記載のフェノ
    ール誘導体の製造方法。
JP8496796A 1996-04-08 1996-04-08 フェノール誘導体およびその製造方法 Pending JPH09278696A (ja)

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