JPH09276445A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JPH09276445A
JPH09276445A JP8119658A JP11965896A JPH09276445A JP H09276445 A JPH09276445 A JP H09276445A JP 8119658 A JP8119658 A JP 8119658A JP 11965896 A JP11965896 A JP 11965896A JP H09276445 A JPH09276445 A JP H09276445A
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JP
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golf ball
coating film
hardness
cover
ball
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JP8119658A
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Inventor
Hiroshi Masutani
寛 増谷
Keisuke Ihara
敬介 井原
Hirotaka Shimozaka
浩貴 下坂
Michio Inoue
道夫 井上
Atsunori Kasashima
厚紀 笠嶋
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Bridgestone Sports Co Ltd
Original Assignee
Bridgestone Sports Co Ltd
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Publication date
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    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
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    • A63B37/12Special coverings, i.e. outer layer material
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
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    • A63B37/0051Materials other than polybutadienes; Constructional details
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    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
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    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0072Characteristics of the ball as a whole with a specified number of layers
    • A63B37/0076Multi-piece balls, i.e. having two or more intermediate layers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴルフボール全体の構造やコア硬度とカバー
硬度との関係を考慮することなく、ゴルフボールに所望
の表面硬度、表面摩擦係数を付与することができ、した
がってゴルフボールの設計の自由度、とりわけ表面硬
度、表面摩擦係数の設計の自由度を大きくすることがで
きるゴルフボールを提供する。 【解決手段】 表面部に厚さが50〜700μmの塗膜
を有するゴルフボールとする。例えば、内層カバー4a
と外層カバー4bとからなる2層構造のカバー材4をソ
リッドコア2に被覆し、カバー材4表面にマークスタン
プを行った後、ボール最外層に厚さ50〜700μmの
熱可塑性樹脂の透明塗膜8を形成したスリーピースゴル
フボールとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面部に塗膜(塗
装による皮膜)を有するゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】ツーピースゴルフボール、スリーピース
ゴルフボール等のマルチピースゴルフボールや、糸巻き
ゴルフボールは、通常、圧縮成形又は射出成形によって
ソリッドコアや糸巻きコアにカバー材を被覆してディン
プルを形成した後、カバー材表面に塗装を行い、さらに
転写印刷法によるマークスタンプを行ってからボール最
外層の塗装を施すことにより製造されている。また、マ
ークスタンプの前にカバー材表面への塗装を行うことな
く、カバー材表面に直接マークスタンプを行ってからボ
ール最外層の塗装を施すこともある。ワンピースゴルフ
ボールは、圧縮成形又は射出成形によってディンプル付
きのソリッドコアを成形した後、このソリッドコアにマ
ークスタンプ、ボール最外層の塗装を順次施すことによ
り製造されている。
【0003】この場合、従来のゴルフボールにおいて、
前述したカバー材表面の塗膜やボール最外層の塗膜は、
厚さが15〜35μm程度であり、非常に薄く形成され
ている。このようにゴルフボール表面部の塗膜を薄くし
ているのは、主に下記の理由からである。 (a)カバー材表面への塗装やボール最外層の塗装は、汚
れや傷付きからのゴルフボールの保護及びゴルフボール
の美観向上を目的として行われるものであり、かかる目
的のためには15〜35μm程度の厚さの塗膜で足り
る。 (b)ディンプル成形後に塗装を行う場合、ディンプル上
に塗膜が形成されるので、塗膜を厚くするとディンプル
が浅くなったり、ディンプルエッジがシャープにならな
かったりして、ディンプルの精度が設計値に対して低下
する。したがって、塗膜によってディンプル精度が低下
することを防止するために塗膜は極力薄くする必要があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、表面部の塗膜
を厚さ15〜35μm程度に薄く形成した従来のゴルフ
ボールには、次のような問題があった。すなわち、表面
部の塗膜が薄いため、塗膜はボールの特性にほとんど影
響を与えない。そのため、ゴルフボールの表面硬度はカ
バーの硬度によって決定され、ゴルフボールの表面硬度
と相関を有するゴルフボール表面の摩擦係数もカバー表
面の摩擦係数によって決定される。その結果、カバーの
硬度が高いとゴルフボールの表面摩擦係数は小さくな
り、カバーの硬度が低いとゴルフボールの表面摩擦係数
は大きくなる。
【0005】一方、ゴルフボールのカバーは、ソリッド
コアや糸巻きコアの周囲に直接射出成形を行って形成す
るか、予め射出成形により製造した半球状のカバー材
(ハーフカップ)をソリッドコアや糸巻きコアに被せて
圧縮成形することにより形成しており、その厚さはいく
ら薄くしても1.2〜1.3mm程度が限界であり、圧
縮成形や射出成形によってそれ以上薄いカバーを設ける
ことは困難である。
【0006】そのため、硬度が低く表面摩擦係数が大き
いカバー(例えばショアD硬度55程度)を設けた高ス
ピンタイプのゴルフボールでは、柔らかく厚みのあるカ
バーによってゴルフボール自体の反発性が低下すること
を防止するためにコアを硬くする必要があり、その結果
打撃時のフィーリングが硬いフィーリングになってい
た。また、硬度の低いコアを有するソフトタイプのゴル
フボールでは、コアの柔らかさによってゴルフボール自
体の反発性が低下することを防止するためにカバーを硬
くする(例えばショアD硬度65程度)必要があり、そ
の結果ゴルフボールの表面摩擦係数が小さくなるため、
低スピン特性にしかなり得なかった。
【0007】すなわち、従来のゴルフボールでは、塗膜
が薄いために該塗膜がボールの特性にほとんど影響を与
えず、ゴルフボールの表面硬度、表面摩擦係数はカバー
の表面硬度、表面摩擦係数によって支配されていた。そ
のため、ゴルフボールの表面硬度、表面摩擦係数の設計
においては、前記高スピンタイプゴルフボールやソフト
タイプゴルフボールの例のように、ゴルフボール全体の
構造やコア硬度とカバー硬度との関係を考慮して設計を
行わなければならず、ゴルフボールの設計の自由度、特
に表面硬度、表面摩擦係数の設計の自由度が小さかっ
た。その結果、高スピンタイプのゴルフボールで打撃時
に硬いフィーリングを与えたり、ソフトタイプのゴルフ
ボールで低スピン特性にしかなり得なかったりすること
を改善できないものであった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ゴルフボール全体の構造やコア硬度とカバー硬度と
の関係を考慮することなく、ゴルフボールに所望の表面
硬度、表面摩擦係数を付与することができ、したがって
ゴルフボールの設計の自由度、とりわけ表面硬度、表面
摩擦係数の設計の自由度を大きくすることができるゴル
フボールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、表面部に厚さが50〜700μmの塗膜を
有することを特徴とするゴルフボールを提供する。
【0010】本発明のゴルフボールでは、表面部の塗膜
の厚さを50〜700μmと厚くしたので、該塗膜がボ
ールの特性に大きく影響を与え、その結果ゴルフボール
の表面硬度、表面摩擦係数を塗膜の選択によって設定す
ることが可能となる。したがって、ゴルフボール全体の
構造やコア硬度とカバー硬度との関係を考慮することな
く、塗膜の特性を適宜選択することによってゴルフボー
ルの表面硬度、表面摩擦係数を選択することができるた
め、ゴルフボールの設計の自由度、とりわけ表面硬度、
表面摩擦係数の設計の自由度が大きくなる。
【0011】また、本発明で採用した厚さ50〜700
μmの厚い塗膜によれば、ゴルフボール体積中における
塗膜体積の割合を大きくして塗膜の特性がゴルフボール
の飛行性能やスピン、フィーリングに影響を及ぼすよう
にすることができる。したがって、本発明のゴルフボー
ルでは、塗膜の種類及び塗膜の厚さを選択し、塗膜の特
性を選択することにより、該塗膜にゴルフボールの飛行
性能やスピン、フィーリングに寄与する機能を付与する
ことが可能となる。
【0012】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明では、ゴルフボールの表面部に厚さが50〜700
μmの塗膜を設ける。塗膜の厚さが50μmより薄い
と、塗膜がボールの特性に影響を与えにくくなり、塗膜
の特性によってゴルフボールの表面硬度、表面摩擦係数
を設定することが困難になって、ゴルフボールの設計の
自由度が低下する。また、塗膜の厚さが700μmより
厚いと、ひび割れ、液だれ等によって安定した塗膜が得
られないため、ゴルフボールの性能が低下する。ゴルフ
ボール表面部の塗膜のより好ましい範囲は100〜40
0μm、特に150〜250μmである。なお、ゴルフ
ボール表面部に塗膜を2層以上設ける場合(例えば後記
図1)には、各塗膜の厚さを50〜700μmの範囲と
すればよい。
【0013】塗膜の形成方法に限定はなく、任意の塗装
方法を採用することができるが、好ましい塗装方法とし
ては、例えば、ディップ塗装法、粉体塗装法、ディスパ
ージョン塗装法、ホットメルトディスペンサー(ホット
メルトスプレーガン)による塗装法などが挙げられる。
粉体塗装法は、無溶剤型塗料の一種である粉末状の粉体
塗料を被塗装面に付着させ、これを加熱融合させたり、
さらに架橋反応を生じさせたりすることによって塗膜を
形成する方法である。ディスパージョン塗装法は、樹脂
粉末を適当な添加剤とともに水又は有機溶剤に分散さ
せ、これを吹き付け法や浸漬法で素材表面に塗布し、乾
燥後一定温度に加熱して皮膜を形成する方法である。ホ
ットメルトディスペンサーによる塗装法は、ホトメルト
ディスペンサーから熱可塑性樹脂を線状、らせん状、噴
霧状、シート状等に吐出させ、この熱可塑性樹脂を被塗
装面に付着させる方法である。
【0014】本発明において、塗膜の形成に用いる塗料
の種類に限定はないが、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂
を主体とするものを用いることが適当であり、例えば酢
酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂、EVA(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂)、アクリル酸エステル
(共)重合樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ウレタン樹
脂、熱可塑性ウレタン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、不
飽和ポリエステル系樹脂等を主体としたものを使用する
ことができる。これらの中で特に好ましいのはエポキシ
樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、
アクリル酸エステル(共)重合樹脂であり、中でも熱可
塑性ウレタン樹脂がディンプル加工時の成形性と塗膜耐
久性に優れている点で好適である。
【0015】塗膜を熱可塑性樹脂により形成した場合、
該塗膜は加熱加圧により容易に変形するので、塗膜を形
成した後に加熱加圧によるディンプル加工を行うことが
可能となり、そのため高精度な形状のディンプルを得る
ことができるという利点が得られる。すなわち、従来の
塗装は主に2液硬化性塗料を用いて行われているが、こ
の塗料による塗膜は加熱加圧により容易に変形しないの
で、塗膜形成後にディンプル加工を行うことは困難であ
り、そのため塗装はディンプル加工の後に行っていた。
したがって、ディンプル上に塗膜が形成されるため、塗
膜によってディンプル形状の精度が低下することがあっ
た。これに対し、塗膜を熱可塑性樹脂により形成した場
合には、塗膜形成後にディンプル加工を行うことができ
るため、塗膜によるディンプル形状の精度低下を生じさ
せることなく高精度のディンプルを得ることができる。
【0016】また、塗料として熱硬化性樹脂を主体とす
るものを用いた場合、塗料塗布後に加熱圧縮成形を行う
ことにより塗膜を通してカバー材にディンプルを加工す
ると同時に塗膜を硬化させることによって高精度のディ
ンプルを得ることができるという利点がある。
【0017】したがって、本発明ゴルフボールの製造方
法としては、ディンプル加工が施されていないゴルフボ
ール主体の表面に塗装により厚さが50〜700μmの
熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂の塗膜を形成した
後、該塗膜上から圧縮成形によりディンプル加工を行う
方法を好適に採用することができる。これにより、塗膜
によるディンプルの精度低下を生じさせることなく、高
精度な形状及びシャープなエッジを有するディンプルを
設けることができ、ボールの飛行性能の向上を図ること
ができる。ここで、ゴルフボール主体とは、ツーピース
ゴルフボール、スリーピースゴルフボール等のマルチピ
ースゴルフボールの場合にはソリッドコアにカバーを被
覆したもの、糸巻きゴルフボールの場合には糸巻きコア
にカバーを被覆したもの、ワンピースゴルフボールの場
合にはソリッドコアを意味する。
【0018】本発明のゴルフボールにおいて、厚さ50
〜700μmの塗膜を形成するのは例えば下記の箇所で
あるが、これに限定されるものではない。 ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール
等のマルチピースゴルフボール、糸巻きゴルフボールに
おいて、カバー材表面に塗装を行い、さらにマークスタ
ンプを行ってからボール最外層の塗装を施す場合には、
カバー材表面の塗膜及びボール最外層の塗膜の一方又は
両方を厚さ50〜700μmの塗膜とする。 ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール
等のマルチピースゴルフボール、糸巻きゴルフボールに
おいて、マークスタンプの前にカバー材表面への塗装を
行わず、カバー材表面に直接マークスタンプを行ってか
らボール最外層の塗装を施す場合には、ボール最外層の
塗膜を厚さ50〜700μmの塗膜とする。 ワンピースゴルフボールでは、ボール最外層の塗膜を
厚さ50〜700μmの塗膜とする。
【0019】本発明のゴルフボールでは、塗膜の特性を
選択することにより、該塗膜に飛行性能やスピン、フィ
ーリングに寄与する様々な機能を付与することができ
る。例えば、ツーピースゴルフボール、スリーピースゴ
ルフボール等のマルチピースゴルフボール、糸巻きゴル
フボールにおいては、ボール最外層の塗膜を厚さ50〜
700μmの塗膜にするとともに、この塗膜の硬度をカ
バーの硬度より低くすることにより、該塗膜にゴルフボ
ールのスピン特性に寄与するという機能を持たせること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図5はそれぞれ本発明の一
実施形態例に係るゴルフボールを模式的に示す一部拡大
断面図である。図1はスリーピースゴルフボール、図2
〜図4はツーピースゴルフボール、図5はワンピースゴ
ルフボールの例である。糸巻きゴルフボールは、図1〜
図4のマルチピースゴルフボールと同様の構成とするこ
とができる。なお、図1〜図5においてマークスタンプ
によるマーク及びディンプルは図示を省略したが、ディ
ンプルの成形はカバー成形時に行ってもよく、塗膜形成
後に行ってもよい。
【0021】図1のスリーピースゴルフボールは、内層
カバー4aと外層カバー4bとからなる2層構造のカバ
ー材4をソリッドコア2に被覆し、カバー材4表面にマ
ークスタンプを行った後、ボール最外層に厚さ50〜7
00μmの熱可塑性樹脂の透明塗膜8を形成したもので
ある。
【0022】図2のツーピースゴルフボールは、ソリッ
ドコア2に単層構造のカバー材4を被覆し、カバー材4
表面に厚さ50〜700μmの熱可塑性樹脂の白色塗膜
6を形成した後、塗膜6上にマークスタンプを行ってか
らボール最外層に厚さ50〜700μmの熱硬化性樹脂
の透明塗膜8を形成したものである。なお、図2のツー
ピースゴルフボールでは、塗膜6を熱硬化性樹脂、塗膜
8を熱可塑性樹脂で形成したり、塗膜6、8をいずれも
熱可塑性樹脂で形成したり、塗膜6、8をいずれも熱硬
化性樹脂で形成したりしてもよい。
【0023】図3のツーピースゴルフボールは、ソリッ
ドコア2に単層構造のカバー材4を被覆し、カバー材4
表面に厚さ50〜700μmの熱可塑性樹脂の白色塗膜
6を形成した後、さらに塗膜6上にマークスタンプを行
ってからボール最外層に従来と同様の厚さ15〜35μ
m程度のクリア塗膜10を形成したものである。
【0024】図4のツーピースゴルフボールは、ソリッ
ドコア2に単層構造のカバー材4を被覆し、カバー材4
表面に従来と同様の厚さ15〜35μm程度の2液硬化
性塗料による白色塗膜12を形成した後、塗膜12上に
マークスタンプを行ってからボール最外層に厚さ50〜
700μmの熱可塑性樹脂の透明塗膜8を形成したもの
である。
【0025】図5のワンピースゴルフボールは、ソリッ
ドコア2表面にマークスタンプを行ってからボール最外
層に厚さ50〜700μmの熱可塑性樹脂の透明塗膜8
を形成したものである。
【0026】
【実施例】図1に示したスリーピースゴルフボール(ゴ
ルフボールA)を製造し、このゴルフボールAと、2層
構造のカバー材を有する従来のソフトタイプのスリーピ
ースゴルフボール(ゴルフボールB)とを比較した。従
来のゴルフボールBは、内層カバー(ショアD硬度4
0)とそれより硬い外層カバー(ショアD硬度61)と
からなる2層構造のカバー材を硬度の低いソリッドコア
(ショアD硬度48)に被覆すると同時にディンプルを
形成した後、ボール最外層に2液硬化性ウレタン塗料に
より厚さ20μmの塗膜を形成したものである。本発明
のゴルフボールAは、ゴルフボールBに用いたのと同じ
2層構造のカバー材をゴルフボールBに用いたのと同じ
ソリッドコアに被覆した後、熱可塑性水系ウレタン樹脂
粉末を用いたディスパージョン塗装法によってボール最
外層に厚さ200μmの塗膜(ショアD硬度38)を形
成したものである。ゴルフボールAでは、コアにカバー
材を被覆してディンプルを形成した段階の従来の未塗装
ディンプルと同等の高精度な形状、シャープなエッジを
有するディンプルが得られた。なお、ゴルフボールAの
製造においては、カバー形成後にカバー表面を研磨する
ことにより、ゴルフボールAの外径がゴルフボールBの
外径と等しくなるようにした。
【0027】ゴルフボールA及びゴルフボールBのスピ
ン特性を調べた。この場合、打撃試験機を用いて表1に
示すクラブ、ヘッドスピードで打撃試験を行い、そのと
きのスピン量を調べた。結果を表1及び図6に示す。
【0028】
【表1】
【0029】従来のソフトタイプのゴルフボールである
ゴルフボールBでは、硬い外層カバーによってゴルフボ
ールの表面摩擦係数が支配され、そのためあらゆるクラ
ブで低スピン特性になるものであった。これに対し、表
面に厚さ200μmの低硬度の塗膜を形成したゴルフボ
ールAでは、この塗膜の特性がゴルフボールの表面摩擦
係数に影響を及ぼし、ショートアイアンでの打撃時にス
ピン量が増すという特性が得られていた。したがって、
本実験により、本発明によれば、塗膜がボールの特性に
大きく影響を与え、ゴルフボールの表面硬度、表面摩擦
係数を塗膜の特性によって設定することができ、ゴルフ
ボールの設計の自由度、とりわけ表面硬度、表面摩擦係
数の設計の自由度が大きくなることが認められた。
【0030】
【発明の効果】本発明のゴルフボールによれば、ゴルフ
ボール全体の構造やコア硬度とカバー硬度との関係を考
慮することなく、塗膜の特性を選択することによりゴル
フボールに所望の表面硬度、表面摩擦係数を付与するこ
とができ、ゴルフボールの設計の自由度、とりわけスピ
ン特性に優れたゴルフボールを得るための表面硬度、表
面摩擦係数の設計の自由度が大きくなる。また、本発明
のゴルフボールによれば、塗膜にゴルフボールの飛行性
能やスピン、フィーリングに寄与する機能を付与するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係るゴルフボールを示
す一部拡大断面図である。
【図2】本発明の一実施形態例に係るゴルフボールを示
す一部拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態例に係るゴルフボールを示
す一部拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態例に係るゴルフボールを示
す一部拡大断面図である。
【図5】本発明の一実施形態例に係るゴルフボールを示
す一部拡大断面図である。
【図6】本発明のゴルフボール及び従来のゴルフボール
の打撃試験における打撃条件とスピン量との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
2 ソリッドコア 4 カバー材 6 厚さ50〜700μmの塗膜 8 厚さ50〜700μmの塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 道夫 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内 (72)発明者 笠嶋 厚紀 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面部に厚さが50〜700μmの塗膜
    を有することを特徴とするゴルフボール。
JP8119658A 1996-04-17 1996-04-17 ゴルフボール Pending JPH09276445A (ja)

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JP8119658A JPH09276445A (ja) 1996-04-17 1996-04-17 ゴルフボール
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