JPH09274607A - コンピュータ・システムおよびその運用方法 - Google Patents

コンピュータ・システムおよびその運用方法

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JPH09274607A
JPH09274607A JP8084942A JP8494296A JPH09274607A JP H09274607 A JPH09274607 A JP H09274607A JP 8084942 A JP8084942 A JP 8084942A JP 8494296 A JP8494296 A JP 8494296A JP H09274607 A JPH09274607 A JP H09274607A
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computer
stack
user
basic software
terminal
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JP8084942A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Masuoka
義政 増岡
Toyohiko Kagimasa
豊彦 鍵政
Fumio Noda
文雄 野田
Katsuyoshi Kitai
克佳 北井
Shigekazu Inohara
茂和 猪原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F9/00Arrangements for program control, e.g. control units
    • G06F9/06Arrangements for program control, e.g. control units using stored programs, i.e. using an internal store of processing equipment to receive or retain programs
    • G06F9/44Arrangements for executing specific programs
    • G06F9/4401Bootstrapping
    • G06F9/4406Loading of operating system

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer And Data Communications (AREA)
  • Multi Processors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザが利用するアーキテクチャおよび基本
ソフトを容易に新規導入できる計算機システムを提供す
る。 【解決手段】 ユーザインタフェースを実行する一つ以
上の第1計算機と、アプリケーション(AP)を実行す
る1つ以上の第2計算機と、第2計算機を管理する第3
計算機を設ける。ユーザが初期化した第1計算機からの
指令で、第3の計算機は、APを制御する基本ソフトを
実行する第2の計算機を第1の計算機に割当てる。 【効果】 ユーザ要求時に、APを実行する基本ソフト
を実行する計算機を割り当てるので、基本ソフト、計算
機の導入、管理運用が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワークを利
用した情報処理システムに関し、特にネットワークを利
用した複数の計算機を含む情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在一般に知られているコンピュータ・
システムの形態には、次の2種類がある。
【0003】1つは、各ユーザの手元に、そのユーザ専
用の計算機(一般にパーソナル・コンピュータ、略して
PCと呼ばれる)を配置し、ユーザは専らその計算機上
で所望のアプリケーションを実行するという形態のコン
ピュータ・システムである。ユーザが実行しようとする
アプリケーション、および同ユーザがアクセスする個人
ファイルなどは、同ユーザに配置されたPC内の記憶装
置(磁気ディスクなど)に格納され、前記アプリケーシ
ョンは、同ユーザの司令によりPCの主記憶装置(メモ
リなど)内に読み込まれ、実行される。本明細書では、
この形態のコンピュータ・システムを「PCシステム」
と呼ぶ。
【0004】PCシステムをユーザが利用しようとする
ときは、自分の手元にあるPCの電源を入れればよい。
この時、当該PC内の記憶装置から基本ソフト(アプリ
ケーションの実行や入出力などを管理・制御するソフト
ウェアで、オペレーティング・システムを含む)がPC
の主記憶装置に読み込まれて実行され、ユーザの所望す
るアプリケーションを実行できるようになる。
【0005】もう1つは、Nabajyoti Bar
kakati, “X Window System
Programming, Second Editi
on,” SAMS Publishing, pp.
3−20に述べられている、各ユーザの手元にある計算
機(X端末と呼ばれる)とは別の計算機を動作させ、両
者をネットワークで接続し、アプリケーションはすべて
当該別の計算機(サーバ)で実行させ、各ユーザの手元
にある計算機(端末装置)は、ユーザ・インタフェース
(入力装置および出力装置の制御、およびアプリケーシ
ョンと当該入力装置および出力装置との間の通信の仲
介)の役割のみを果たすという形態のコンピュータ・シ
ステムである。ユーザが実行しようとするアプリケーシ
ョン、および同ユーザがアクセスする個人ファイルなど
は、すべて前記サーバの記憶装置(磁気ディスクなど)
に格納され、前記アプリケーションは、同ユーザの司令
により、前記計算機の主記憶装置内に読み込まれ、実行
される。本明細書では、この形態のコンピュータ・シス
テムを「X端末システム」と称する。
【0006】X端末システムをユーザが利用しようとす
るときの動作を図5に示す。図5では、1つ以上の端末
装置510,510’,…が、サーバ520にネットワ
ーク580で接続されている。図5には図示していない
が、端末装置510,510’,…およびサーバ520
はプロセッサおよび主記憶装置を有する計算機である。
【0007】端末装置510,510’,…は、ローダ
511および端末ID512を有する。ローダ511
は、端末装置510が電源投入などにより初期化された
とき、当該端末装置510のプロセッサによって直ちに
実行されるプログラムであり、サーバ520内のプログ
ラムを自端末装置へ取り込む機能を有する。端末ID5
12は、1つ以上の前記端末装置を区別するための識別
番号であり、この端末IDを指定することにより、サー
バ520で実行されているプログラムは当該端末IDを
有する端末装置510で実行されているプログラムと、
ネットワーク580を経由して通信することができる。
また、各端末装置510,510’,…には1つ以上の
入力装置17,17’,…と、1つ以上の出力装置1
8,18’,…が接続されている。
【0008】サーバ520はサーバ側基本ソフト56
0、磁気ディスク装置(記憶装置として働く)570を
有する。サーバ側基本ソフト560は、サーバ520の
プロセッサによって実行されているプログラムである。
磁気ディスク装置570には、端末装置510で実行さ
れるプログラムである端末側起動プログラム545、お
よび1つ以上の個人ファイル541,541’,…が格
納されている。この端末側起動プログラム545は、端
末装置側では端末側基本ソフトとして実行される。
【0009】図5のX端末システムをユーザが利用しよ
うとするときの動作は次の通りである。まず、ユーザは
端末装置510を初期化する。この時ローダ511が直
ちに実行され、端末ID512が読み出され、サーバ側
基本ソフト560に送信される(500)。端末ID5
12を受信したサーバ側基本ソフト560は、磁気ディ
スク装置570に要求して(509)、端末側起動プロ
グラム545を読み出してローダ511に送信する。そ
して、ローダ511は送信されてきた端末側起動プログ
ラム545を受信し、端末装置510の主記憶装置に書
き込み、端末側基本ソフト550として実行する。以上
の手順のあと、ユーザは、所望するアプリケーションを
サーバ上で実行できるようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術の項で挙げた、2種類の従来のコンピュータ・シス
テムは、次のような問題を有する。
【0011】PCシステムは、アプリケーションを新規
に導入する場合、各ユーザに配置されたすべてのPCの
記憶装置にアプリケーションを格納しなくてはならな
い。このように、PCシステムは、管理が困難であると
いう問題がある。
【0012】一方、X端末システムは、アプリケーショ
ンはすべて図5のサーバ520上で実行されるので、新
規にアプリケーションを導入するときは、同サーバ52
0の磁気ディスク装置570に当該アプリケーションの
プログラムを格納すればよい。これにより、当該アプリ
ケーションは各ユーザから直ちに利用できるようにな
る。
【0013】しかし、X端末システムでは、各ユーザの
すべてのアプリケーションが、同一の計算機(サーバ)
上の、同一の基本ソフト(サーバ側基本ソフト)上で動
作する。そのため、各ユーザのアーキテクチャや基本ソ
フトに対する要求が異なる場合、またユーザが計算機を
占有してアプリケーションを実行したい場合など、すべ
てのユーザの要求に応えることができないという問題が
ある。
【0014】本発明の第1の目的は、管理運用が容易な
コンピュータ・システムを提供することである。より具
体的には、アプリケーションやハードウェアの新規導入
や交換の際に要する時間や労力の少ないコンピュータ・
システムを提供することである。
【0015】本発明の第2の目的は、すべてのユーザの
要求に、幅広く応えることのできるコンピュータ・シス
テムを提供することである。より具体的には、各ユーザ
が、自分の指定するアプリケーションを実行するため
に、特定のアーキテクチャ上で、特定の基本ソフトを実
行することを要求しており、しかも各ユーザの要求する
前記アーキテクチャおよび基本ソフトが多様であるとき
に、各ユーザの要求を満たすことのできるコンピュータ
・システムを提供することである。また、各ユーザが、
あたかも自分の指定した基本ソフトが動作するPCであ
るかのように、アプリケーションを実行することができ
るコンピュータ・システムを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のコンピュータ・
システムは、ユーザ・インタフェース機能を実行する1
つ以上の第1の計算機と、アプリケーションを実行する
1つ以上の第2の計算機と、前記第2の計算機を管理す
る第3の計算機から構成される。
【0017】本発明のコンピュータ・システムのユーザ
が、前記1つ以上の第1の計算機の中の1つを初期化し
た時、当該第1の計算機と前記第3の計算機が通信し、
前記1つ以上の第2の計算機の中から、当該ユーザの要
求を満たす1つを割当てる。当該第2の計算機は、前記
第3の計算機によって割当てられた後で、当該第3の計
算機と通信し、当該ユーザの要求する基本ソフトを実行
し、アプリケーションを実行できる状態になる。また、
当該第3の計算機は、当該第1の計算機と通信し、当該
第1の計算機が、当該第2の計算機と通信できるように
する。
【0018】また、1つ以上の第1の計算機と、1つ以
上の第2の計算機と、1つの第3の計算機と、それぞれ
をお互いに接続するネットワークから構成され、且つ、
1人以上のユーザがアプリケーションを実行するコンピ
ュータ・システムにおいて、当該ユーザが、前記1つ以
上の第1の計算機の中の1つを初期化した時、当該第1
の計算機から当該第3の計算機へ当該ユーザからの要求
を通信するステップと、当該第3の計算機が、当該ユー
ザの要求する基本ソフトを知るステップと、前記第3の
計算機が、前記1つ以上の第2の計算機の中から、当該
ユーザからの要求を満たす1つの第2の計算機を割当て
るステップと、前記第3の計算機が、当該第2の計算機
を割当てた後、当該第2の計算機と通信するステップ
と、当該第2の計算機上で、当該ユーザの要求する基本
ソフトを起動するステップと、当該第3の計算機が、当
該第1の計算機と通信し、当該第1の計算機と当該第2
の計算機とが通信できるようにするステップとを有する
ようにする。
【0019】また、コンピュータシステムが、ユーザが
アプリケーションを実行制御するためのソフトを指定す
るユーザ・インタフェース機能を実行する、1つ以上の
第1の計算機と、前記アプリケーションを実行する1つ
以上の第2の計算機と、前記ソフトを実行する第2の計
算機を前記1つ以上の第2の計算機から決定する第3の
計算機と、前記第1の計算機と前記第2の計算機と前記
第3の計算機を相互接続するネットワークとを有するよ
うにする。
【0020】本発明によれば、ユーザインタフェース機
能は当該第1の計算機で、アプリケーションは当該第2
の計算機で実行される。従って、当該第2の計算機を集
中的に管理することができ、コンピュータ・システムの
運用管理が容易となる。
【0021】また、本発明の特徴によれば、当該ユーザ
は当該第2の計算機で実行される基本ソフトを指定でき
る。従って、本発明のコンピュータ・システムは、当該
コンピュータ・システムの各ユーザの、利用する基本ソ
フトに関する要求に、幅広く応えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、
図面を参照しながら説明する。なお、本明細書中では
「発明の実施の形態」を「実施例」と呼ぶことにする。
【0023】(1)ハードウェア構成 図7は、本実施例のコンピュータ・システムのハードウ
ェア構成を示す。本実施例のコンピュータ・システム5
は、1つ以上のアクセス端末10,10’,…と、アプ
リケーションを実行するプロセッサである1つ以上のア
プリケーションエンジン3(図7には1つしか図示して
いない)から構成されている。アプリケーションエンジ
ン3については後述する。
【0024】アクセス端末10は、ユーザが本実施例の
コンピュータ・システム5を使うためのユーザ・インタ
フェースを提供する装置である。各アクセス端末10
は、マウスやキーボードなどの1つ以上の入力装置1
7,17’,…およびディスプレイやスピーカなどの1
つ以上の出力装置18,18’,…を備えている。ユー
ザがこれらの入力装置17,17’,…を用いて入力し
た情報はユーザが実行しているアプリケーションに送信
され、アプリケーションの出力した情報は出力装置1
8,18’,…から出力され、ユーザに伝達される。
【0025】また、各アクセス端末10は、アプリケー
ションエンジン3のネットワーク1に接続される(以下
適宜このことを「アクセス端末はアプリケーションエン
ジンに接続される」と、ネットワークを省いて表記す
る)。コンピュータ・システムが複数のアプリケーショ
ンエンジンから構成されている場合は、各アクセス端末
10はそれぞれ、複数のアプリケーションエンジンのい
ずれかに接続される。
【0026】図7には図示していないが、アクセス端末
10は、1つ以上のプロセッサ、および主記憶装置を備
えた計算機であり、主記憶装置にプログラムを読み込ん
で実行することができる。
【0027】アプリケーションエンジン3は、本実施例
において、ユーザが所望のアプリケーションを実行する
ための計算機である。各アプリケーションエンジン3
は、基本的にはネットワーク1とケーブル2によって相
互接続される数種類の「スタック」と呼ばれる装置、お
よび、これらに電源を供給する当該アプリケーションエ
ンジン内(当該1つの筐体内)に格納される主電源装置
701より電源供給線705を介して供給される。スタ
ックには、1つのベーススタック20、1つ以上のスト
レージスタック40、1つ以上のコンピューティングス
タック30,30’,…がある。各スタックは、図示し
ていないが、それぞれ1つ以上のプロセッサ、および主
記憶装置を備えた計算機であり、アクセス端末10と同
様、主記憶装置にプログラムを読み込んで、当該プログ
ラムを実行することができる。
【0028】コンピューティングスタック30は、ユー
ザの所望のアプリケーションを実行する。本コンピュー
ティングスタック30は、それぞれがあるアーキテクチ
ャ(プロセッサの種類などのハードウェア構造)を有し
ており、同じアプリケーションエンジン3に接続された
複数のコンピューティングスタック30は、互いに異な
るアーキテクチャを有していてもよい。
【0029】ベーススタック20は、アプリケーション
エンジン3のネットワーク1に接続された全てのスタッ
クの状態を、ネットワーク1を介して管理情報等を各ス
タックと送受信することにより、一元的に管理する。そ
してユーザがアクセス端末を起動するときに、空いてい
る(どのユーザも使用していない)コンピューティング
スタック30を同ユーザのために割り当てる。また、ベ
ーススタック20は、スタックの状態を一元的に管理す
るため、停電などの障害が発生すると、コンピュータ・
システム自体に大きな影響を与える。そこで、ベースス
タックは、図7に示されるベーススタック20のよう
に、前記主電源装置701とは別に、当該ベーススタッ
ク20専用の予備電源装置703を設けている。これに
より、電源に対する信頼性を高めると共に、停電時等の
電源障害に対する影響を小さくしている。
【0030】ストレージスタック40は、コンピュータ
・システム5を利用するユーザの個人的なファイルや、
アクセス端末10および前記のコンピューティングスタ
ック30に読み込んで実行させる基本ソフト、そしてコ
ンピューティングスタック30上で実行させるアプリケ
ーションなどが格納されている前記スタックであり、例
えば磁気ディスクなどの大容量の記憶装置710等を有
する。
【0031】このストレージスタック40は、ベースス
タック20と同様、障害が発生すると、コンピュータ・
システムに大きな影響を与えるので、予備電源装置70
2を設けたりすることによって、ストレージスタック4
0内の記憶装置の信頼性を高める処置が施される。
【0032】なお、本実施例ではストレージスタック4
0とベーススタック20は独立してネットワーク1に接
続された別々の装置として扱っているが、両者が1つの
装置となっていても差し支えはない。
【0033】ネットワーク1は、アクセス端末10、ア
プリケーションエンジン3のベーススタック20、コン
ピューティングスタック30、およびストレージスタッ
ク40を相互接続する。また、コンピュータ・システム
に別のアプリケーションエンジン3Bが存在するとき
は、前記アプリケーションエンジン3のネットワーク1
と、前記別のアプリケーションエンジン3Bのネットワ
ーク1B間も接続される。即ち、ネットワーク1は、ア
プリケーションエンジン3内の各スタック間の信号路と
して使用されると共に、アクセス端末と各スタック間の
通信路や他のアプリケーションエンジン3Bとの通信路
としても使用することができる。なお、図7上では、本
ネットワーク1はアプリケーションエンジン3、3Bの
中にあるように示されているが、本アプリケーションエ
ンジンの外にも直接広がっていてもかまわない。この場
合、アプリケーションエンジン3とアプリケーションエ
ンジン3Bが一つのネットワークを共有する形も可能で
ある。
【0034】ネットワークへの接続についてより具体的
に述べると、前記各装置は、それぞれネットワーク・イ
ンタフェース(図7では図示していない)を有し、この
ネットワーク・インタフェースがネットワーク1に接続
されている。
【0035】それぞれのネットワーク・インタフェース
には、一意なネットワーク・アドレス(以下「アドレ
ス」と略す)を割り当てる。このアドレスにより、アク
セス端末10とベーススタック20、あるいはベースス
タック20とコンピューティングスタック30との間の
通信などは、次のように実現される。すなわち、送信す
る側が送り先のアドレスと、送りたいデータを格納して
いる主記憶装置上の領域を指定して、自分のネットワー
ク・インタフェースに司令を送ることにより、1つ(ま
たは、アプリケーションエンジンが複数ある場合にはそ
れ以上)のネットワークを経由して、前記送り先のアド
レスを割り当てられたネットワーク・インタフェースに
よって受信され、受信する側で指定した主記憶装置上の
領域に書き込まれる。
【0036】以上の、「各ネットワーク・インタフェー
スに一意のアドレスを割り当てたとき、送信側が送り先
のアドレスを指定することによって、送信したいデータ
が、指定したアドレスを割り当てられたネットワーク・
インタフェースを有する装置に正しく届けられる」とい
う機能を実現する通信方式についてのより具体的な説明
は、文献W. Richard Stevens,“U
NIX Network Programming”,
Prentice−Hall, pp.171−19
6に述べられている。本実施例のコンピュータ・システ
ムにおいては、当該通信方式が確立しているものとし、
本明細書では、当該通信方式についてのこれ以上の詳細
な説明は省略する。
【0037】図8は、本実施例における、前記アドレス
の割り当て方法を示す。本方法によれば、各アクセス端
末および各スタックのネットワーク・インタフェースに
一意のアドレスを割り当てることができる。
【0038】アドレスは、基本的に次の3つの項目の組
み合わせで定義される。 (エンジンID,識別符号,通し番号) ここでエンジンIDは、1つ以上のアプリケーションエ
ンジンが存在するコンピュータ・システムにおいて、各
アプリケーションエンジンを識別するための情報であ
る。エンジンIDとしては、各アプリケーションエンジ
ンの製造番号を用いても、あるいは何らかの通し番号を
割り当ててもよいが、それぞれのエンジンIDが互いに
異なる番号(情報)である必要がある。
【0039】以下、アクセス端末のアドレス(端末I
D)、スタックのアドレス、ベーススタックのアドレス
について説明する(図8のユーザIDに関しては後述す
る)。
【0040】アクセス端末のアドレスは、図8の811
のように表される。エンジンID802としては、その
アクセス端末が接続されているアプリケーションエンジ
ンのエンジンIDを用いる。なお、各アクセス端末はそ
れぞれ、コンピュータ・システム内に存在するアプリケ
ーションエンジンのいずれかに接続されているものとす
る。また、識別符号805としては、本アドレスがアク
セス端末のアドレスであることを示す「1」が用いられ
る。更に、同一のアプリケーションエンジンに接続され
ているアクセス端末の間で、アクセス端末同士を識別す
るため情報として用いる通し番号を割り当てる。この通
し番号を割り当てる方法は、本実施例の説明では問題に
しない。
【0041】アプリケーションエンジンを構成する各ス
タックのアドレスは、図8の812のように表される。
エンジンID803は、そのスタックが格納されている
アプリケーションエンジンのエンジンIDである。ま
た、識別符号807としては、本アドレスがアプリケー
ションエンジンのアドレスであることを示す「0」が用
いられる。更に、1つのアプリケーションエンジン内で
各スタックを区別するための識別番号であるスタックI
D808を用いる。従って、スタックID808は、同
じアプリケーションエンジン内では異なるスタックID
808を持つ。特に、ベーススタックのアドレス813
においては、ベーススタックのスタックID810の値
として常に「0」を用いる。従って、あるアプリケーシ
ョンエンジンのエンジンIDだけで、同アプリケーショ
ンエンジンのベーススタックのアドレスはただちに定ま
る。なお、エンジンID804および識別符号809
は、エンジンID803および識別符号809と同様で
ある。
【0042】以上の方法により、複数のアプリケーショ
ンエンジンを含むコンピュータ・システムのもとで、各
アクセス端末、および各スタックに一意のアドレスを割
り当てることができる。これにより、各アクセス端末、
および各スタックは、送信先のアドレスを知っていれ
ば、データを送信先に正しく送ることができる。
【0043】(2)ソフトウェア構成 図1を用いて、本実施例のコンピュータ・システム5の
ソフトウェア構成(実行されるプログラム、およびデー
タ)を説明する。
【0044】アクセス端末10では、端末側ローダ11
および端末側基本ソフト50が実行される。端末側ロー
ダ11は、アクセス端末10内の主記憶装置の不揮発性
記憶装置に書き込まれていて、アクセス端末10の電源
を入れると直ちに実行されるプログラムである。なお、
以下の説明で「アクセス端末の電源を入れる」というと
き、単に電源の切れていたアクセス端末に電源を入れる
行為のみに限定しているのではなく、ソフトウェア的ま
たはハードウェア的にアクセス端末を初期化する行為を
すべて含むものとする。端末側ローダ11の主な役割
は、アクセス端末10が起動する時に、ユーザID14
および端末ID12をベーススタック20内のスタック
マネージャ21に送信し、コンピューティングスタック
30の割当てを要求することと、ストレージスタック4
0内のファイルサーバ41から送信されてきたプログラ
ムを受信し、主記憶装置に書き込んで端末側基本ソフト
50として実行することである。
【0045】また、各アクセス端末10は、端末ID1
2をデータとして持つ。端末ID12の内容は、すでに
図8の811を用いて説明したアクセス端末のアドレス
と同じである。端末ID12は、ユーザがアクセス端末
10の電源を入れた時に、端末側基本ソフトの送信先の
アクセス端末のアドレスを知らせるため、ベーススタッ
ク21に送信される。端末側ローダ11と同様、端末I
D12は主記憶装置内の不揮発性記憶装置に書き込まれ
ており、アクセス端末の電源が切られてもその内容は失
われない。
【0046】更に、各アクセス端末10は、ユーザID
14をデータとして持つ。ユーザID14は、コンピュ
ータシステム5の各ユーザを識別する識別番号であり、
図8の814に示す通り、エンジンID801と通し番
号815から成る。ここで、エンジンIDは、同ユーザ
の個人ファイル42が格納されたストレージスタックを
格納しているアプリケーションエンジン3のエンジンI
Dである。また、通し番号815は、同じエンジンID
801を有する複数のユーザを区別するための数であ
る。通し番号815は、当該複数のユーザ間で異なる数
であれば十分であり、具体的な割当て方法は、本実施例
の説明では問題にしない。
【0047】ユーザID814がエンジンID801を
含んでいるのは、複数のアプリケーションエンジンが存
在するコンピュータ・システムにおいて、どのアプリケ
ーションエンジンからでも、同ユーザの個人ファイルに
アクセスできるようにするためである。
【0048】端末側基本ソフト50は、ストレージスタ
ック40の記憶装置に格納され、アクセス端末10の起
動時に、ファイルサーバ41から送信され、アクセス端
末10の主記憶装置に書き込まれて実行されるプログラ
ムである。前記アクセス端末の起動時に送信される端末
側基本ソフト50は、そのアクセス端末を起動したユー
ザによって異なる。端末側基本ソフト50は、ユーザに
よるアクセス端末10の起動後、同ユーザが当該アクセ
ス端末の利用を終了するまで、当該アクセス端末上で動
作し、後に図3を用いて説明するように、当該アクセス
端末10に接続された入力装置17からの入力を、コン
ピューティングスタック30上で動作しているアプリケ
ーション7に転送したり、同アプリケーション7からの
出力を、出力装置18に出力したりする。
【0049】コンピューティングスタック30,3
0’,…上では、スタック側ローダ31とスタック側基
本ソフト60が実行される。スタック側ローダ31の主
な役割は、アクセス端末10が起動する時に、ファイル
サーバ41から送信されてきたプログラムを受信し、前
記コンピューティングスタック30の主記憶装置に書き
込んだ上で、スタック側基本ソフト60として実行する
ことである。スタック側ローダ31は、コンピューティ
ングスタック30の主記憶装置内の、不揮発性記憶装置
に書き込まれており、コンピューティングスタック30
に電源が入れられると直ちに実行される。
【0050】スタック側基本ソフト60は、ストレージ
スタック40の記憶装置に格納され、アクセス端末10
の起動時に、ファイルサーバ41から送信され、コンピ
ューティングスタック30の主記憶装置に書き込まれて
実行されるプログラムである。前記アクセス端末10の
起動時に送信されるスタック側基本ソフト60は、その
アクセス端末を起動したユーザによって異なる。スタッ
ク側基本ソフト60は、ユーザによるアクセス端末10
の起動後、同ユーザが当該アクセス端末10の利用を終
了するまで、前記コンピューティングスタック30上で
動作し、コンピューティングスタック30上のアプリケ
ーション7の実行を管理すると同時に、同アプリケーシ
ョン7の入出力をファイルサーバ41や端末側基本ソフ
ト50へ転送する。
【0051】ストレージスタック40では、ファイルサ
ーバ41が実行されている。ファイルサーバの主な役割
は、次の3つである。
【0052】第1に、アクセス端末10の起動時に、ス
タックマネージャ21(後述する)から送信されたユー
ザIDを受信し、そのユーザIDを持つユーザの個人フ
ァイル42および基本ソフト47を見て、同ユーザが指
定した基本ソフトの名称である基本ソフト名44と当該
基本ソフトを実行することのできるコンピューティング
スタックのアーキテクチャ名45とをスタックマネージ
ャ21に送信する。
【0053】第2に、同じくアクセス端末10の起動時
に、スタックマネージャ21から送信された端末ID、
スタックID、および基本ソフト名を受信し、記憶装置
(図7の710。図1には図示していない)に格納され
た基本ソフト(端末側プログラムおよびスタック側プロ
グラム)を読み出して、端末IDとスタックIDに基づ
いて、アクセス端末10へ端末側プログラムを、コンピ
ューティングスタック30へスタック側プログラムを送
信する。
【0054】第3に、スタック側基本ソフト60から送
信されたファイル入出力要求を受信して、記憶装置に対
して要求されたファイル入出力を実行し、実行結果をス
タック側基本ソフト60に送信する。
【0055】ストレージスタック40の記憶装置(図7
の710。図1には図示していない)には、1つ以上の
個人ファイル42,42’,…、1つ以上の基本ソフト
47,47’,…がデータとして格納されている。
【0056】個人ファイル42は、あるユーザがアクセ
スするファイルの集合であるユーザファイルシステム4
6と、同ユーザが利用する基本ソフトの名称である基本
ソフト名44と、同ユーザのユーザID43からなる。
ここで基本ソフト名44には、コンピュータ・システム
5を利用する時に実行して欲しい基本ソフトとして、同
ユーザが指定した基本ソフトの名称が格納される。後述
するように、同ユーザがアクセス端末10を起動した時
には、この基本ソフト名44が参照され、ユーザの指定
した基本ソフトがアクセス端末10およびコンピューテ
ィングスタック30へ送信され、実行される。
【0057】基本ソフト47は、端末側プログラム4
8、スタック側プログラム49、アーキテクチャ名4
5、および基本ソフト名54から成る。基本ソフト47
の、端末側プログラム48およびスタック側プログラム
49は、アクセス端末10の起動時に同基本ソフトが指
定された時、それぞれアクセス端末10とコンピューテ
ィングスタック30に送信されて実行されるプログラム
である。すでに述べたように、アプリケーションエンジ
ン3に搭載された1つ以上のコンピューティングスタッ
ク30はそれぞれ異なるアーキテクチャを有しており、
そのためある基本ソフト47のスタック側プログラム4
9は、すべてのコンピューティングスタックに送信して
実行可能であるとは限らない。そのため、同基本ソフト
47のスタック側プログラム49を実行できるアーキテ
クチャの名称を、アーキテクチャ名45に格納する。基
本ソフト名54には、同基本ソフト47の名称が格納さ
れる。
【0058】ユーザは、コンピュータ・システム5を利
用する際に実行して欲しい基本ソフト47を、同基本ソ
フト47の基本ソフト名54を自分の個人ファイル42
の基本ソフト名44に格納することで指定することがで
きる。
【0059】ベーススタック20では、スタックマネー
ジャ21が実行される。スタックマネージャ21の主な
役割は、アプリケーションエンジン3に搭載された各ス
タックの状態を常に把握することと、図9を用いて後述
するように、ユーザがアクセス端末10を起動した時
に、同ユーザの指定した基本ソフトを実行可能で、かつ
その時点でどのユーザからも利用されていないコンピュ
ーティングスタック30を見出し、それを同ユーザが利
用するコンピューティングスタックとして割当てること
である。
【0060】アプリケーションエンジン3に搭載された
各スタックの状態は、スタックテーブル22に反映され
る。前記各スタックの状態に変化が生じた時は、スタッ
クマネージャ21はこのスタックテーブル22を更新
し、それにより前記各スタックの状態を常に把握する。
【0061】スタックテーブル22の構造を図2に示
す。図2で、スタックテーブル22の各エントリ206
が、1つ1つのスタックに対応する。エントリ206
は、スタックID201、スタックの種類202、ハー
ドウェアアーキテクチャ203、基本ソフト204、端
末ID205から成る。エントリ206のスタックID
201には、同エントリに対応するスタックのスタック
IDが格納される。すでに述べたように、スタックID
201とエンジンIDとを組合わせることにより、その
スタックのアドレスを知ることができる。すなわち、ス
タックマネージャ21は、スタックテーブル22を参照
することにより、同じアプリケーションエンジンに搭載
されたすべてのスタックにデータを送信することができ
る。また、ベーススタック20のスタックIDは0と決
められているので、ベーススタック20に対応するエン
トリ206のスタックID201は常に0である。
【0062】スタックの種類202には、そのエントリ
206に対応するスタックの種類の名称(ベーススタッ
ク、コンピューティングスタック、ストレージスタッ
ク、等)が格納される。アーキテクチャ名203、基本
ソフト名204、端末ID205はこのスタックの種類
202が「コンピューティングスタック」である時に限
り意味を持つ。ハードウェアアーキテクチャであるアー
キテクチャ名203は、対応するコンピューティングス
タック30の有するアーキテクチャの名称が格納され
る。スタックマネージャ21は、ユーザによるアクセス
端末10の起動時に、同ユーザの指定する基本ソフト4
7のアーキテクチャ名45を知り、それを当該アーキテ
クチャ名203と照合することにより、同ユーザが指定
する基本ソフト47を実行可能なコンピューティングス
タック30を検索できる。
【0063】基本ソフト名204、および端末ID20
5は、そのエントリ206に対応するコンピューティン
グスタック30がアクセス端末10に割当てられている
時、それぞれ、実行されている基本ソフトの名称、同ア
クセス端末10の端末IDが格納される。さもなけれ
ば、同エントリに対応するコンピューティングスタック
30はどのユーザからも利用されていないことを示すた
め、「空」が格納される。スタックマネージャ21は、
アクセス端末10の起動時に、基本ソフト名204およ
び端末ID205が「空」のエントリ206を検索し、
同エントリに対応するコンピューティングスタック30
を同アクセス端末10に割当てる。
【0064】(3)ユーザによるアクセス端末の起動 本実施例において、ユーザがアクセス端末を起動し、同
ユーザが指定する基本ソフトが実行され、コンピュータ
・システムの利用を開始するまでの手順を、図1を用い
て説明する。
【0065】始めに、前記手順の概略を説明する。最初
にユーザは、アクセス端末10の電源を入れる。する
と、端末側ローダ11が実行され、ユーザID14と端
末ID12がスタックマネージャ21に送信される(1
01)。ここで、ユーザID14を送信するのは、アプ
リケーションエンジン3にどの基本ソフトを実行するべ
きかを知らせるためであり、端末ID12を送信するの
は、端末側基本ソフトとして動作する端末側プログラム
をどのアクセス端末に送信すればよいかを知らせるため
である。
【0066】通信101を受信したスタックマネージャ
21は、ファイルサーバ41に司令して、同ユーザの個
人ファイル42、および基本ソフト47を探させ、同ユ
ーザの指定した基本ソフト名44、およびアーキテクチ
ャ名45を知る。次にスタックマネージャ21はスタッ
クテーブル22を検索し、コンピューティングスタック
30,30’,…の中で、ユーザの指定したアーキテク
チャを持ち、かつ「空」の状態であるコンピューティン
グスタックを見出す。そして、ファイルサーバ41に司
令し、前記のアクセス端末10に同ユーザの指定した基
本ソフト47の端末側プログラム48を送信し(10
5)、前記のコンピューティングスタック30にスタッ
ク側プログラム49を送信し(106)、それぞれ端末
側基本ソフト50、スタック側基本ソフト60として実
行させる。
【0067】ここまでの手順により、同ユーザが起動し
たアクセス端末10にはそのユーザの指定した端末側基
本ソフト50が、そしてアプリケーションエンジン3で
は同ユーザの指定したスタック側基本ソフト60が、同
スタック側基本ソフト60を実行可能なアーキテクチャ
を持つ、コンピューティングスタック30で実行され
る。これ以後ユーザはコンピュータ・システムの利用を
開始し、自分が所望するアプリケーションを実行する
(図3を用いて後述する)。
【0068】次に、上記手順を、図1および図9を用い
てより詳細に説明する。図9は、アクセス端末10の起
動時におけるスタックマネージャ21の動作を示す流れ
図である。
【0069】まず、ユーザはアクセス端末10の電源を
入れる。すると、端末側ローダ11が実行される。次
に、ユーザは自分のユーザID14を入力する。入力が
終わったら、端末側ローダ11は、ユーザID14と、
端末ID12を読み出す。
【0070】電源を入れてから端末側ローダ11がユー
ザID14を読み出すまでのより具体的な手順として
は、アクセス端末10の電源が入れられた後で、端末側
ローダ11がキーボードなどしかるべき入力装置17か
らの入力を待ち、ユーザがその入力装置17にユーザI
D14を入力することによる方法や、あるいはアクセス
端末10にカードリーダのような入力装置17を設け、
カードを挿入した時点でアクセス端末10に自動的に電
源が入るようにし、前記カードに記録されたユーザID
14を端末側ローダ11が読み出すことによる方法が挙
げられる。なお、アクセス端末の端末IDは、当該アク
セス端末が接続先であるアプリケーションエンジンを考
慮した上で、当該アクセス端末内に予め設定される。
【0071】次に、端末側ローダ11は、読み出したユ
ーザID14と端末ID12を、ベーススタック20の
スタックマネージャ21に送信する(100、10
1)。端末側ローダ11は、当該ベーススタック20の
アドレスを、端末ID12から知ることができる(ベー
ススタックアドレスのエンジンIDは端末ID内のエン
ジンIDであり、ベーススタックアドレスの識別符号お
よびスタックIDは「0」であるため)。端末側ローダ
11は、スタックマネージャへの通信100の後、通信
が来るのを待つ。
【0072】一方、図9のステップ901において端末
側ローダ11からの通信100を受信したスタックマネ
ージャ21は、受信したユーザID14を調べ(90
2)、そのエンジンID801がベーススタック20の
アドレスのエンジンID802と一致するときは、同ユ
ーザID14をストレージスタック40のファイルサー
バ41に送信する(102、903)。ここで、ストレ
ージスタック40のアドレスは、スタックテーブル22
を検索し、スタックの種類202(図2)が「ストレー
ジスタック」に該当するエントリ206のスタックID
201を読み出すことにより知ることができる。なお、
受信したユーザID14のエンジンID801が、ベー
ススタック20のアドレスのエンジンID802と異な
る場合の手順については、図6を用いて後述する。
【0073】スタックマネージャ21からの通信102
を受信したファイルサーバ41は、ストレージスタック
40に格納された複数の個人ファイル42,42’,…
の中から、ユーザID43が、受信したユーザID14
と一致するものを探す。そして、該当する個人ファイル
42を見出したら、その個人ファイルの基本ソフト名4
4を読みだす。
【0074】次にファイルサーバ41は、ストレージス
タック40に格納された複数の基本ソフト47の中か
ら、基本ソフト名54が、今読み出した基本ソフト名4
4と一致するものを探す。そして、該当する基本ソフト
47を見出したら、その基本ソフト47のアーキテクチ
ャ名45を読み出し、読み出したアーキテクチャ名45
と基本ソフト名54を、スタックマネージャ21に送信
する(108)。
【0075】ステップ904においてファイルサーバ4
1からの通信108を受信したスタックマネージャ21
は、スタックテーブル22を検索する(905)。スタ
ックテーブル22についてはすでに図2を用いて説明し
た。検索の条件は、スタックの種類202が「コンピュ
ーティングスタック」であって、かつハードウェアアー
キテクチャ203が受信したアーキテクチャ名55と一
致しており、かつ端末ID205が「空」であることで
ある。
【0076】スタックマネージャ21は、検索条件に合
致するエントリ206を見出したら、そのエントリ20
6の基本ソフト204に、先にファイルサーバ41から
受信した基本ソフト名54を書き込む。また、同じエン
トリ206の端末ID205に、先に端末側ローダ11
から受信した端末ID12を書き込む(906)。その
後で、同じエントリ206のスタックID201を読み
出し、読み出したスタックID201に該当するコンピ
ューティングスタック30のスタック側ローダ31に、
ユーザID14および端末ID12を送信する(10
7、907)。さらに、先に読み出した前記スタックI
D201と、エンジンIDを組み合わせることにより、
前記コンピューティングスタック30のアドレスを生成
し、このアドレスをアクセス端末10の端末側ローダ1
1に送信する(図1には図示せず。図9では908)。
その後で、前記スタックID201と、前記端末ID1
2と、前記基本ソフト名54を、ファイルサーバ41へ
送信する(109、909)。
【0077】スタックマネージャ21からの通信107
を受信したスタック側ローダ31は、ファイルサーバ4
1からの通信104を待つ。
【0078】スタックマネージャ21からの通信109
を受信したファイルサーバ41は、受信した基本ソフト
名54を持つ基本ソフト47を、ストレージスタック4
0に格納された基本ソフトから検索し、該当する基本ソ
フト47の端末側プログラム48を読み出し、受信した
端末ID12に該当するアクセス端末10の端末側ロー
ダ11に端末側プログラム48を送信する(103)。
その後で、同じ基本ソフト47のスタック側プログラム
49を読み出し、受信したスタックID201に該当す
るコンピューティングスタック30のスタック側ローダ
31にスタック側プログラム49を送信する(10
4)。
【0079】ファイルサーバ41からの通信103を受
信した端末側ローダ11は、受信した内容を、端末側基
本ソフト50として、アクセス端末10の主記憶装置に
書き込む。書き込みが終了したら、端末側基本ソフト5
0を実行する。
【0080】また、ファイルサーバ41からの通信10
4を受信したスタック側ローダ31は、受信した内容
を、スタック側基本ソフト60として、コンピューティ
ングスタック30の主記憶装置に書き込む。書き込みが
終了したら、スタック側基本ソフト60を実行する。
【0081】ここまでの手順により、ユーザが起動した
アクセス端末10にはそのユーザの指定した端末側基本
ソフト50が、そしてアプリケーションエンジン3では
同ユーザの指定したスタック側基本ソフト60が、同ス
タック側基本ソフト60を実行可能なアーキテクチャを
持つコンピューティングスタック30で実行される。こ
れ以後、同ユーザはコンピュータ・システムの利用を開
始し、自分が所望するアプリケーションを実行する(図
3を用いて後述する)。
【0082】これまでの説明により明らかなように、本
実施例は次の3つの特長を有する。
【0083】第1に、アクセス端末10のそれぞれは、
電源を入れた直後、ユーザID14を入力されることに
より、初めて実行される端末側基本ソフト50が決定さ
れる。従って、あるユーザが利用していたアクセス端末
10を、別のユーザが使うことになり、前記ユーザが指
定する基本ソフトと、前記別のユーザが指定する基本ソ
フトが異なる場合でも、同アクセス端末10自体に何ら
変更を加える必要はない。すなわち、1つ1つのアクセ
ス端末10は、どのユーザでも使うことができる。
【0084】第2に、アプリケーションエンジン3を構
成するスタックの状態はベーススタック20のスタック
テーブル22によって一元的に管理されているため、ア
プリケーションエンジン3の構成変更を容易に行うこと
ができる。例えば新規にコンピューティングスタック3
0をネットワーク1に接続した場合、スタックテーブル
22にエントリ206を追加し、そのエントリのスタッ
クの種類202に「コンピューティングスタック」と書
き込み、スタックID201、ハードウェアアーキテク
チャ203にもあらかじめわかっている内容を書き込
み、基本ソフト204、および端末ID205に「空」
と書き込めばよい。すると、ユーザがアクセス端末10
を起動するとき、スタックマネージャ21において、図
9のステップ905にて当該エントリ206が見出さ
れ、同ユーザのアプリケーションを実行するコンピュー
ティングスタック30として、直ちに利用可能となる。
【0085】また、あるコンピューティングスタック3
0を、故障のため、あるいはより高性能化するためなど
の理由で、当該コンピューティングスタック30と同じ
アーキテクチャを持つ別のコンピューティングスタック
と交換する場合は、次のようにすればよい。当該コンピ
ューティングスタック30がどのユーザからも使われて
いない状態となるのを、つまり当該コンピューティング
スタック30に対応する、スタックテーブル22のエン
トリ206における、端末ID205が「空」となるの
を待ち、「空」以外の値を書き込む。これにより、スタ
ックマネージャ21は、当該コンピューティングスタッ
ク30を使うことができなくなる。その後で当該コンピ
ューティングスタック30をネットワーク1より切り離
し、前記別のコンピューティングスタックを接続し、前
記エントリ206を修正して端末IDに「空」を書き込
めばよい。前述のコンピューティングスタックの追加の
場合と同様、前記別のコンピューティングスタックは直
ちに利用可能となる。これらの例からも、本実施例にお
いては、アプリケーションエンジンの構成変更が容易
に、特にアプリケーションエンジン自体を停止させるこ
となく行え、従って図1に示すコンピュータ・システム
5の管理運用は、非常に容易である。
【0086】また、第3に、ユーザがどの基本ソフトを
指定しているかについての情報は、アクセス端末10内
ではなく、アプリケーションエンジン3内のストレージ
スタック40に格納されている。従って、あるユーザ
が、これまで使っていたアクセス端末とは別のアクセス
端末を起動したときも、自分のユーザID14を入力す
ることにより、これまで使っていたアクセス端末とまっ
たく同様に利用することができる。すなわち、各ユーザ
は、どのアクセス端末10の電源を入れても、自分の指
定する基本ソフトを既に述べたように実行させて、まっ
たく同じように利用することができるのである。
【0087】前記第3の点について、さらに説明する。
本実施例では、ユーザが起動したアクセス端末10は、
特定のアプリケーションエンジン3のベーススタック2
0にユーザID14と端末ID12を送信する(10
1)。ここで、これまでの説明では、この後通信101
を受信したスタックマネージャ21は、同じアプリケー
ションエンジン3内のストレージスタック40のファイ
ルサーバ41と通信し、同ユーザの個人ファイル42を
探させる。従って、これまでの説明では、同ユーザの個
人ファイル42が当該ベーススタック20と同じアプリ
ケーションエンジン3内のストレージスタック40に格
納されていることを前提としており、同ユーザの個人フ
ァイル42が別のアプリケーションエンジン内にある場
合については考えていなかった。この場合の、ユーザが
アクセス端末に電源を入れてから基本ソフトが実行され
るまでの手順を、図6および図9を用いて示す。
【0088】図6は、2つのアプリケーションエンジン
3Aおよび3Bが存在するコンピュータ・システムであ
り、アプリケーションエンジン3Aおよび3Bは図1の
アプリケーションプロセッサと同様の構成をとる。ここ
で、アプリケーションエンジン3Aのネットワーク1A
およびアプリケーションエンジン3Bのネットワーク1
Bは、図ではケーブル2により接続されているが、一般
のネットワークを介して接続されても良いし、更には、
1つのネットワークに2つのアプリケーションエンジン
3Aおよび3Bが直接接続されていてもかまわない。な
お、以下示す手順は、アプリケーションエンジンが3つ
以上の場合でも同様である。
【0089】図6のコンピュータ・システムにおいて、
ユーザがアクセス端末10Aの電源を入れ、ベーススタ
ック20Aのスタックマネージャ21AにユーザID1
4と端末ID12が送られた時に、アプリケーションエ
ンジン3Bのストレージスタック40Bに同ユーザの個
人ファイル42Bが格納されている時(図9のステップ
902における検査結果が偽となる)は、スタックマネ
ージャ21Aは、スタックマネージャ21BにユーザI
D14と端末ID12を転送する(601、910)。
ステップ910において、スタックマネージャ21Bが
実行されているベーススタック20Bのアドレスは、ユ
ーザID14のエンジンID801(図8)を見ること
によって知ることができる。
【0090】スタックマネージャ21Bは、受信したユ
ーザIDと一致するユーザID43Bを持つ個人ファイ
ル42Bを、ファイルサーバ41Bに司令して検索させ
(602)、同ユーザの指定する基本ソフト名44B、
およびアーキテクチャ名45Bを知る(44Bおよび4
5Bは図6中には図示していない)。この検索のやり方
は、すでに図1を用いて詳細に説明した手順と同じであ
る。次にスタックマネージャ21Bは、スタックマネー
ジャ21Aに基本ソフト名44B、およびアーキテクチ
ャ名45Bを送信する(603)。スタックマネージャ
21Aからの通信を受信した(911)スタックマネー
ジャ21Aは、以後すでに説明したのと同じ手順で図9
のステップ905以降を実行する。即ち、しかるべきコ
ンピューティングスタック30Aを決め、ファイルサー
バ41に端末IDなどを送信し(109)、同ユーザの
指定した基本ソフト47Aがアクセス端末10Aおよび
コンピューティングスタック30Aに送信される(10
5、106)。
【0091】以上から明らかなように、本実施例におい
ては、ユーザが電源を入れたアクセス端末10Aが最初
に通信するアプリケーションエンジン3A内に、同ユー
ザの個人ファイルが存在しなくても、スタックマネージ
ャ21Aとスタックマネージャ21Bとの通信により、
3A内に同ユーザの個人ファイルがある時とまったく同
様に、同ユーザの指定した基本ソフトをアクセス端末1
0Aにおいて実行させることができる。すなわち、本実
施例においては、各アプリケーションエンジン間のネッ
トワークを接続し、互いに一意のアドレスによって通信
できるようにすることにより、ユーザはどのアクセス端
末もまったく同じように利用することができ、例えば場
所を移動した際でも、直ちにこれまでどおりコンピュー
タ・システムを使った業務を行うことができる。
【0092】以上が本実施例におけるアクセス端末の起
動方法であるが、本方法は、いくつかの変形が可能であ
る。次に変形例の各々を述べるが、これらの変形は、別
々に行うことも、一緒に行うこともできる。なお、簡単
のために、当該変形を行う前のアクセス端末の起動方法
を、単に「変形前」と称する。
【0093】変形例の1つは、端末側ローダ11からス
タックマネージャ21にユーザID14を送るステップ
(図1の100)に関する。ここで、本変形例では、ユ
ーザID14だけでなく、ユーザの指定する基本ソフト
名も合わせてスタックマネージャ21に送信するように
する。そのため、ユーザによって電源を入れられたアク
セス端末10の端末側ローダ11は、ユーザにユーザI
D14だけでなく、ユーザが指定する基本ソフト名も問
い合わせる。また、ユーザID14と前記基本ソフト名
を受信したスタックマネージャ21は、図9のステップ
903に相当するステップで、ファイルサーバ41に当
該基本ソフト名を送信する(ステップ910に相当する
ステップでも同様)。そして、受信したファイルサーバ
41は、基本ソフト47を検索し、当該基本ソフト名を
有する基本ソフト47を実行できるアーキテクチャ名4
5をスタックマネージャ21に送信し、スタックマネー
ジャ21はステップ904に相当するステップでこれを
受信する(ステップ911に相当するステップでも同
様)。これ以外の動作は変形前と同じである。本変形例
では、ユーザはアクセス端末10の電源を入れる際に、
利用する基本ソフトを選択することができる。そのた
め、同ユーザが利用したい基本ソフトが複数ある時便利
である。
【0094】別の変形例は、どのユーザにも割り当てら
れていないコンピューティングスタック30の取り扱い
に関する。本変形例では、アプリケーションエンジン3
に電源制御装置を設け、スタックマネージャ21が各コ
ンピューティングスタック30への電源の供給を制御で
きるようにする。そして、スタックマネージャ21は、
どのユーザにも割り当てられていないコンピューティン
グスタック30、すなわちスタックテーブル22の基本
ソフト名が「空」のエントリに対応するスタックには電
源を供給しない。さらに、スタックマネージャ21は、
変形前の実施例におけるステップ906に相当するステ
ップで、ステップ906の後に、見出したエントリ20
6に対応するスタックへの電源供給を開始させる。これ
以外の動作は変形前と同じである。本変形例では、どの
ユーザにも割り当てられていないコンピューティングス
タックには電源を供給しないことにより、アプリケーシ
ョンエンジン3の、ひいてはコンピュータ・システム5
の消費電力を小さくすることができる。
【0095】(4)アクセス端末起動後の、ユーザによ
るコンピュータ・システムの利用 本実施例において、ユーザがアクセス端末10を起動し
た後、同アクセス端末10の起動時に割り当てられたコ
ンピューティングスタック30上でアプリケーションを
実行して、コンピュータ・システム5を利用する時の動
作を説明する。理解を容易にするため、まず始めに、ユ
ーザが一般の計算機システムを利用する時、当該計算機
システムがどのような動作をするかを図4を用いて説明
する。
【0096】図4で、ユーザは、アプリケーション7を
実行し、計算機システム400を利用している。なお、
図示していないが、計算機システム400は、1つ以上
の計算機から構成されており、アプリケーション7、お
よび基本ソフト401は前記1つ以上の計算機のどれか
の主記憶装置内に読み込まれて、その計算機内の1つ以
上のプロセッサによって実行されている。また、同ユー
ザの個人ファイル411が、前記1つ以上の計算機のど
れかの記憶装置410内に格納されている。
【0097】基本ソフト401は、一般に、別のプログ
ラムであるデバイスドライバ408を中に組み込むこと
ができる。そして、基本ソフト401は、実際は、デバ
イスドライバ408は、複数の独立したプログラムから
構成されているのが普通であるが、ここではそれらのプ
ログラムの集合として扱う。基本ソフト401内に組み
込まれた前記デバイスドライバ408と、同基本ソフト
401内のそれ以外のプログラムとの間のインタフェー
スは、基本ソフト401によって決められているが、そ
れを守る限り、既存の基本ソフト401とは別途開発し
たデバイスドライバ408を基本ソフト401の機能を
損なうことなく組み込むことができる。そして、ユーザ
の扱うキーボードやマウスなどの入力装置17,1
7’,…からの入力(入力イベント)402の基本ソフ
ト401への伝達や、基本ソフト401からのディスプ
レイやスピーカなどの出力装置18,18’,…への出
力(メディア出力)403、記憶装置410への入出力
(ファイル入出力)404は、基本ソフト401が直接
行うのではなく、基本ソフト401によって決められた
前記インタフェースを用いて、組み込まれたデバイスド
ライバ408を経由して行われる。
【0098】アプリケーション7は、基本ソフト401
に管理されて実行されている。まずユーザは入力装置1
7を用いて、実行したいアプリケーションを基本ソフト
401に伝達する。それを受けて基本ソフト401は、
アプリケーション7を主記憶装置内に読み込み、起動す
る(405)。アプリケーション7の起動後、入力装置
17からの入力イベント402は、基本ソフト401を
経由してユーザインタフェース406としてアプリケー
ション7に伝達され、またアプリケーション7からの出
力は、ユーザインタフェース406として基本ソフト4
01に伝えられ、メディア出力403として出力装置1
8に伝達され、実際の出力が行われる。また、アプリケ
ーション7がファイルアクセス407を行う場合も、同
様に基本ソフト401を経由して、記憶装置410に格
納された、前記個人ファイル411のユーザファイルシ
ステム48との間でのファイル入出力404により、ア
プリケーション7が所望のファイルアクセスが実行され
る。
【0099】次に、本実施例において、ユーザがアクセ
ス端末10を起動した後、同アクセス端末10の起動時
に割り当てられたコンピューティングスタック30上
で、アプリケーションを実行して、コンピュータ・シス
テム5を利用する時の動作を、図3を用いて説明する。
すでに図1および図9を用いて説明したように、ユーザ
がアクセス端末10の電源を入れ、アクセス端末の起動
が完了した時点で、アクセス端末10にはコンピューテ
ィングスタック30が割り当てられ、アクセス端末10
では端末側基本ソフト50が、コンピューティングスタ
ック30スタック側基本ソフト60が実行されている。
端末側基本ソフト50には、図9のステップ908によ
ってスタックマネージャ21から送信されたアドレス
が、スタックアドレス51として格納される。
【0100】また、スタック側基本ソフト60には、デ
バイスドライバ8が組み込まれており、図9のステップ
907によってスタックマネージャ21から送信された
ユーザIDおよび端末IDが、それぞれユーザID8
1、および端末アドレス82として格納される。デバイ
スドライバ8は、はじめからスタック側基本ソフト60
に組み込まれていても、あるいは、既に述べたアクセス
端末10の起動の際、スタック側基本ソフト60がまず
デバイスドライバ8を持たない状態で実行され、その後
でスタック側基本ソフト60が自分で同デバイスドライ
バ8を組み込んでもよい。
【0101】本実施例において、ユーザがアプリケーシ
ョンを実行して、コンピュータ・システム5を利用する
時の動作は次の通りである。
【0102】アプリケーション7は、スタック側基本ソ
フト60に管理されて実行されている。まずユーザは入
力装置17を用いて、実行したいアプリケーションを指
定する。この時一連の入力イベント302が端末側基本
ソフト50に伝えられ、当該端末側基本ソフト50は同
入力イベントを、ネットワーク1経由で送信できるデー
タに変換し、デバイスドライバ8に送信する(30
1)。この時、送信する相手のアドレスとして、スタッ
クアドレス51が用いられる。デバイスドライバ8は、
送信されてきたデータを入力イベントに変換し、スタッ
ク側基本ソフト60に伝達する。それを受けてスタック
側基本ソフト60は、アプリケーション7を主記憶装置
内に読み込み、起動する(305)。
【0103】アプリケーション7の起動後、入力装置1
7からの入力イベント302は、アプリケーション7の
起動の時と同様に、端末側基本ソフト50、デバイスド
ライバ8、スタック側基本ソフト60を経由して、ユー
ザインタフェース306としてアプリケーション7に伝
達される。またアプリケーション7からの出力は、ユー
ザインタフェース306としてスタック側基本ソフト6
0に伝えられ、スタック側基本ソフト60により、メデ
ィア出力としてデバイスドライバ8に伝達される。デバ
イスドライバ8は伝達されたメディア出力をネットワー
ク1経由で送信できるデータに変換し、端末側基本ソフ
ト50に送信する(301)。この時、送信する相手の
アドレスとして、端末アドレス82が用いられる。端末
側基本ソフト50は、送信されてきたデータを変換し、
メディア出力403として出力装置18に伝達し、これ
により実際の出力が行われる。
【0104】また、アプリケーション7がファイルアク
セス307を行う場合も、同様にスタック側基本ソフト
60、およびデバイスドライバ8を経由して、ストレー
ジスタック40のファイルサーバ41に要求が送信され
る(304)。ただしこの時、ユーザID81、および
コンピューティングスタック30のアドレスも合わせて
送られる。そして、要求を受信したストレージスタック
40のファイルサーバ41により、ストレージスタック
の記憶装置(図3には図示せず)に格納された、個人フ
ァイル42のユーザファイルシステム48に対し、アプ
リケーション7が所望するファイルアクセスが実行され
る。実行結果は、ファイルサーバ41、デバイスドライ
バ8、スタック側基本ソフト60を経由して、アプリケ
ーション7に伝達される。
【0105】図3と図4の比較から、本実施例が次の3
つの特長を有することは明らかである。
【0106】第1に、ユーザからの入力やアプリケーシ
ョン7からの出力は、端末側基本ソフト50およびデバ
イスドライバ8によって、自動的にそれぞれアプリケー
ション7および出力装置18に転送される。しかも、ア
プリケーション7は、アクセス端末10のアーキテクチ
ャとは関係なく、ユーザの指定した基本ソフトを実行で
きるアーキテクチャを有するコンピューティングスタッ
ク30上で実行されている。従って、コンピュータ・シ
ステム5のユーザからは、アクセス端末10が、同ユー
ザの要求する基本ソフトを実行できるアーキテクチャを
有し、同ユーザが所望するアプリケーションを実行でき
る計算機に見える。
【0107】第2に、図3と図4の対比から明らかなよ
うに、端末側基本ソフト50とデバイスドライバ8を本
実施例のコンピュータ・システム5向けに開発すれば、
既存の基本ソフトをそのままスタック側基本ソフトとし
て使用することができる。従って、本実施例のコンピュ
ータ・システム5は、アクセス端末10のアーキテクチ
ャに関係なく、当該アクセス端末10を利用するユーザ
に、同ユーザが指定する基本ソフトの選択肢として多様
な基本ソフトを提供でき、ユーザの要求に幅広く応える
ことができる。
【0108】第3に、アクセス端末10は、入力イベン
ト302やメディア出力303を転送する機能を持つ端
末側基本ソフト50を実行することができる程度の性能
を持つ計算機であれば十分である。そのため、アクセス
端末10自体を低価格にすることができるだけでなく、
将来ユーザの要求により、例えばより高性能なコンピュ
ーティングスタック30を導入する必要が生じたとして
も、アクセス端末10自体はそのまま、長期にわたり使
い続けることができる。従って、長期的な管理運用に伴
うコストを考慮すると、コンピュータ・システム5に要
する費用は、例えば従来の技術の項で挙げた他のコンピ
ュータ・システムと比較しても、小さく押さえることが
可能である。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、アプリケーションやア
プリケーションを実行する計算機の新規導入が簡単で、
管理運用が容易なコンピュータ・システムを実現でき
る。また、本発明によれば、多様な基本ソフトおよびア
ーキテクチャを提供でき、また、各ユーザが、あたかも
自分の指定した基本ソフトが動作するPCであるかのよ
うに、アプリケーションを実行することができる。その
ため、ユーザの要求に幅広く応えることのできるコンピ
ュータ・システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるコンピュータ・システ
ム5のソフトウェア構成、およびアクセス端末が起動す
る時の動作を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における、スタックテーブル2
2の構造と内容を示す図である。
【図3】本発明の実施例におけるコンピュータ・システ
ム5において、ユーザがアプリケーションを実行してい
る時の、当該コンピュータ・システムの動作を示すブロ
ック図である。
【図4】一般の計算機システムにおいて、ユーザがアプ
リケーションを実行している時の、当該計算機システム
の動作を示すブロック図である。
【図5】従来の技術において、ネットワーク端末装置が
起動する時の動作を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例のコンピュータ・システムにお
いて、当該コンピュータ・システムが複数のアプリケー
ションエンジンを含む場合に、アクセス端末が起動する
時の動作を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例におけるコンピュータ・システ
ム5のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例における、アクセス端末および
各スタックのネットワーク・アドレスの内容、およびユ
ーザIDの内容を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例においてアクセス端末が起動す
る時の、スタックマネージャ21の動作を示す流れ図で
ある。
【符号の説明】
1 ネットワーク 3 アプリケーションエンジン 5 コンピュータ・システム 8 デバイスドライバ 10 アクセス端末 11 端末側ローダ 17 入力装置 18 出力装置 20 ベーススタック 21 スタックマネージャ 22 スタックテーブル 30 コンピューティングスタック 31 スタック側ローダ 40 ストレージスタック 41 ファイルサーバ 50 端末側基本ソフト 60 スタック側基本ソフト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北井 克佳 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 猪原 茂和 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1人以上のユーザがアプリケーションを実
    行するコンピュータ・システムであって、 ネットワークで接続された、1つ以上の第1の計算機
    と、1つ以上の第2の計算機と、1つの第3の計算機か
    ら構成され、 前記第1の計算機がユーザ・インタフェース機能を実行
    し、前記第2の計算機がアプリケーションを実行し、前
    記第3の計算機が前記1つ以上の第2の計算機を管理
    し、前記第2の計算機では、当該第2の計算機を利用す
    る前記ユーザが指定した基本ソフトが実行されることを
    特徴とするコンピュータ・システム。
  2. 【請求項2】前記1つ以上の第2の計算機と、前記第3
    の計算機が、同じ筐体に格納されている、請求項1に記
    載のコンピュータ・システム。
  3. 【請求項3】前記第3の計算機が、前記1つ以上の第2
    の計算機とは独立した電源を備えている、請求項1また
    は請求項2に記載のコンピュータ・システム。
  4. 【請求項4】前記第3の計算機が、前記1つ以上の第2
    の計算機の電源を制御する手段を備えている、請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載のコンピュータ・システ
    ム。
  5. 【請求項5】複数の前記コンピュータ・システムと、互
    いの前記コンピュータシステムを相互接続するネットワ
    ークから構成される、請求項1乃至請求項4のいずれか
    に記載のコンピュータ・システム。
  6. 【請求項6】1つ以上の第1の計算機と、1つ以上の第
    2の計算機と、1つの第3の計算機と、それぞれをお互
    いに接続するネットワークから構成され、且つ、1人以
    上のユーザがアプリケーションを実行するコンピュータ
    ・システムの運用法方であって、 当該ユーザが、前記1つ以上の第1の計算機の中の1つ
    を初期化した時、当該第1の計算機から当該第3の計算
    機へ当該ユーザからの要求を通信するステップと、 当該第3の計算機が、当該ユーザの要求する基本ソフト
    を知るステップと、 前記第3の計算機が、前記1つ以上の第2の計算機の中
    から、当該ユーザからの要求を満たす1つの第2の計算
    機を割当てるステップと、 前記第3の計算機が、当該第2の計算機を割当てた後、
    当該第2の計算機と通信するステップと、 当該第2の計算機上で、当該ユーザの要求する基本ソフ
    トを起動するステップと、 当該第3の計算機が、当該第1の計算機と通信し、当該
    第1の計算機と当該第2の計算機とが通信できるように
    するステップとを有することを特徴とするコンピュータ
    ・システムの運用方法。
  7. 【請求項7】前記基本ソフトは、第2の計算機のオペレ
    ーティングシステムであることを特徴とする請求項1乃
    至請求項5記載のコンピュータシステム。
  8. 【請求項8】ユーザがアプリケーションを実行制御する
    ためのソフトを指定するユーザ・インタフェース機能を
    有する、1つ以上の第1の計算機と、 前記アプリケーションを実行する1つ以上の第2の計算
    機と、 前記ソフトを実行する第2の計算機を前記1つ以上の第
    2の計算機から決定する第3の計算機と、 前記第1の計算機と前記第2の計算機と前記第3の計算
    機を相互接続するネットワークから構成されるコンピュ
    ータ・システム。
  9. 【請求項9】前記第3の計算機は、決定された第2の計
    算機へ前記ソフトを供給する第4の計算機を含んでいる
    請求項8記載のコンピュータ・システム。
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