JPH09274032A - 二酸化窒素ガス検出法および検出材料 - Google Patents
二酸化窒素ガス検出法および検出材料Info
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- JPH09274032A JPH09274032A JP16732896A JP16732896A JPH09274032A JP H09274032 A JPH09274032 A JP H09274032A JP 16732896 A JP16732896 A JP 16732896A JP 16732896 A JP16732896 A JP 16732896A JP H09274032 A JPH09274032 A JP H09274032A
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Abstract
量化、後処理および測定簡易化を解決するNO2 ガス検
出法および検出材料を提供することにある。 【解決手段】本発明のNO2 ガス検出法は、NO2 ガス
を、透明な吸着剤である多孔体のNO2 検出用試験片3
の孔中に導入または吸着した検知剤と反応させた後、分
光光度計により検知剤透過の可視UV吸収スペクトルを
測定し、NO2 の量を検出することを特徴とする。
Description
であるNO2 を導入または吸着・反応させて濃度を測定
するNO2 ガス検出法および検出材料に関するものであ
る。
響が問題とされている。SO2 ,NOx は化石燃料の燃
焼により発生し、酸性雨や光化学スモッグの原因となっ
ている。日本ではこれらの汚染物質について環境基準が
設定され、各地で常時監視局での自動測定法によるガス
濃度測定が行われている。これらのガス濃度測定器は数
ppbの微量なガスの測定が可能であるが、高価で且つ
メンテナンスを必要とする。また、自動測定する場合に
は電力等膨大な経費がかかる上、電源や設置場所の確保
が必要である等制約が多い。しかし、ガス濃度の分布調
査や地球環境影響評価を精度良く行うためには、観測点
を多くし全国規模で環境の監視を行う必要がある。その
ために、安価、小型、且つ使い方が簡便なガスセンサー
或いは簡易測定法(あるいはモニタリング装置)を1週
間、1カ月、および1年等の長期間の蓄積的なデータを
取るために利用することが考えられる。
スセンサー、電気化学式ガスセンサー、水晶発振式ガス
センサーなど幅広く開発が進んでいる。しかし、これら
は短時間での応答を評価するために開発されたものであ
ってデータの蓄積が必要な監視用に開発されたものは少
ない。また、検出感度が1ppm程度であるために実環
境の濃度(例えばNOx では約10ppb)には対処で
きない。
も、その場での短時間での測定を目的として開発された
ものであり、蓄積的な使用は難しい。さらに、測定者が
現場に行かなければならないこと、および色を読みとる
際に個人差がでる等の問題がある。
空気を取り込み、NO2 ガスをサンプリングバッグに直
接捕集(直接捕集法)、固体の吸着剤で捕集(固体捕集
法)、或いは吸収液中に捕集(液体捕集法)し、集めた
ガスをガスクロマトグラフィで分析する方法が一般的で
ある。しかし、いずれの方法もサンプルだけでなくポン
プ等周辺機器の運搬が必要となる。直接捕集法について
は、サンプリングバッグの大きさに限りがあるために、
蓄積することが難しい。固体捕集法および液体捕集法に
ついては、捕集したガスを分析するための処理が必要等
の問題がある。
方法として、環境測定用の受動式(パッシブ)サンプラ
ーの利用が注目されている。NO2 用の受動式サンプラ
ーとしては、ナイトレーションプレート法やトリエタノ
ールアミン(TEA)バッヂ法がある。風速、温度およ
び湿度についてその影響を検討し定量性を検討してい
る。一方、サンプリング後の測定は、サンプルを洗浄し
て溶液として、イオンクロマトグラフィ、吸光光度法に
より分析する方法が一般的であった。しかし、これらの
サンプラーは、回収後、分析を行うまでに、洗浄等の手
間が掛かることが問題である。
点に鑑み、小型化、高感度化、高蓄積容量化、後処理お
よび測定簡易化を解決するNO2 ガス検出法および検出
材料を提供することを目的とする。
に本発明のNO2 ガス検出法は、NO2 ガスを、透明な
吸着剤である多孔体の孔中に導入または吸着した検知剤
と反応させた後、分光光度計により検知剤透過の可視U
V吸収スペクトルを測定し、NO2 の量を検出すること
を特徴とする。
な多孔体の孔中にNO2 ガスと反応して可視UV波長領
域(200〜2000nm)で吸収変化を示す検知剤が
導入または吸着されていることを特徴とするものであ
る。
ストローム以下の透明な多孔体を用いることを特徴とす
る。前記検知剤として、化合物自体、そのニトロソ誘導
体、そのニトロ誘導体、そのアゾ色素、或いはその酸化
物が可視UV波長領域(200〜2000nm)に吸収
を持つ化合物を用いることを特徴とする。
の形態例を詳細に説明する。本発明者らは鋭意研究を重
ねた結果、本発明のNO2 ガス検出法および検出材料に
至った。
NO2 ガスを、透明な吸着剤である多孔体の孔中に導入
または吸着した検知剤と反応させた後、分光光度計によ
り検知剤透過の可視UV吸収スペクトルを測定すること
によりNO2 の量を検出することを特徴とする。
な多孔体の孔中にNO2 ガスと反応して可視UV波長領
域(200〜2000nm)で吸収変化を示す検知剤が
導入または吸着されていることを特徴とするものであ
る。
波長領域(200〜2000nm)での透過スペクトル
を測定した結果、平均孔径200オングストローム以下
では殆どスペクトルの変化がなかったが、それ以上の孔
径のものでは可視領域(350〜800nm)で急激な
透過率の減少が観測された。従って、本発明で用いる多
孔体の平均孔径は200オングストローム以下で、20
0〜2000nmの可視UV波長領域で透明な多孔体を
使用する。多孔体の比表面積は1g当たり100m2 以
上である。例えばガラス多孔体または有機高分子多孔体
を用いる。なお、この明細書における多孔体の形状とし
ては、ファイバ(コアおよびクラッド)、光導波路をは
じめ透過で可視UV吸収スペクトル測定が可能な形状の
ものをすべて含む。
ム以下とする根拠として、図9に孔径と透過率の関係を
実測したデータを示す。すなわち、透過率が10%程度
あれば、検出可能なことから、本発明で用いる多孔体の
孔径は200オングストローム以下とする。
誘導体、そのニトロ誘導体、或いはその酸化物が可視U
V波長領域(200〜2000nm)に吸収を持つ化合
物を用いる。例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニ
ル、アントラセン等のアミン、カルボン酸、スルフォン
酸等の化合物で室温で揮散しないものを使用する。
せる方法として、検知剤を単独もしくは他の化合物と混
合して溶液として多孔体に含浸させて孔中に導入または
吸着し乾燥する方法、検知剤を単独でもしくは他の化合
物と混合して蒸着して孔中に導入または吸着する方法、
検知剤を単独でもしくは他の化合物と混合して溶融して
孔中に導入または吸着する方法、および検知剤を単独で
もしくは他の化合物と混合してゾルゲル法により多孔体
を作製する際に孔中に導入または吸着する方法がある。
とにより吸着面積を増大し、従来の方法に比較して感度
および蓄積容量を増大させることができる。それに伴
い、小型なNO2 検出用試験片等でのサンプリングが可
能となる。
で透明、且つ検知剤がそれ自体またはそのニトロソ誘導
体、そのニトロ誘導体、そのアゾ色素、或いはその酸化
物が可視UV波長領域(200〜2000nm)に吸収
を持つために、試料を後処理することなくそのまま透過
の可視UV吸収スペクトルを測定することができる。
する。 [実施例1]図1は本発明で用いるNO2 検出用試験片
の作製過程を示す。すなわち、多孔体チップ1を検知剤
溶液2に所定時間含浸させた後、風乾し、その後、例え
ば10-6Torrで真空乾燥することによりNO2 検出
用試験片3が得られる。
ローム、サイズ8mm×8mm×1mmtの多孔性ガラ
スチップを、NO2 と反応性のあるo−トリジンの0.
3Mメタノール溶液に2時間含浸させた後、真空乾燥す
ることによりNO2 検出用試験片が得られた。このNO
2 検出用試験片の可視・UV透過スペクトルを図2に示
す。NO2 検出用試験片および含浸前の多孔性ガラスチ
ップとも、水の吸収と思われる吸収が1350nm付近
と1900nm付近にあり、湿度および放置時間により
変化した。NO2 検出用試験片では、340nm以下の
o−トリジンの吸収が強く、多孔性ガラスチップよりも
長波長領域でしか使用できない。このNO2 検出用試験
片の有効な測定波長範囲は350〜1000nmと判断
した。
pmNO2 ガス中に暴露した場合の吸収スペクトルを図
3に示す。NO2 ガス中1時間放置することにより、4
40nm付近の吸収が顕著に現れる。これらの化合物は
o−トリジンが一旦ニトロソ化した後、窒素、酸素を放
出して分解し、生成した化合物だと推定される。このニ
トロソ化反応は溶液反応では酸性下で起こる反応である
が、多孔体の中では容易に気体−固体反応が実現した。
既知濃度のNO2 を含む標準ガスについて吸光度の差と
濃度の間の検量線を求め、屋内空気の測定を行った結
果、NO2 暴露量250ppb・dayが明らかになっ
た。このことから、サブppmレベルでのNO2 の検出
が可能であることが明らかになった。測定は吸光光度計
の薄膜測定用のホルダに暴露したNO2 検出用試験片を
入れるだけであり、簡単に行うことができた。
露した吸収スペクトルも示した。吸収は飽和することな
く増加しており、反応生成物が試験片内に蓄積されてい
ることが分かる。NO2 の標準的な濃度が10ppbと
すれば、10ppm−20時間の暴露は10ppb−2
0000時間(約800日)の暴露に相当し、高蓄積容
量であることが分かる。
チップに、検知剤としてジフェニルアミンを含浸させた
例を示した。NO2 検出用試験片は多孔性ガラスチップ
を0.3Mジフェニルアミンのメタノール溶液に含浸さ
せて作製した。実施例1と同様にNO2 検出用試験片の
透過スペクトルを測定し、有効な測定波長範囲340〜
1000nmを決定した。図4には、50ppmNO2
に1時間暴露した際の吸収スペクトルを示した。NO2
との反応により生じた生成物は406nmに吸収極大を
持つことが分かった。この場合も、従来溶液反応では酸
性下で初めて起こる反応が、多孔体中で容易に実現され
た。50ppmで吸光度1.9程度と高く、検知剤にジ
フェニルアミンを使用しても高感度なサブppmレベル
のNO2 の分析が可能なことが分かった。
チップに、検知剤としてクロモトロープ酸ナトリウムを
含浸させた例を示した。NO2 検出用試験片は多孔性ガ
ラスチップを0.1Mクロモトロピック酸ナトリウム水
溶液に含浸させて作製した。図5には、60ppmNO
2 に1時間暴露後の吸収スペクトルを示した。通常、比
色定量に用いられるニトロ化反応は濃硫酸存在下で起こ
るのに対して、多孔体の中では容易に起こることが確認
された。60ppmで吸光度0.8程度あり、検知剤に
クロモトロープ酸ナトリウムを使用してもppmレベル
のNO2 の分析が十分可能なことが分かった。
チップに、検知剤としてサリチル酸ナトリウムを含浸さ
せた例を示した。NO2 検出用試験片は多孔性ガラスチ
ップを0.3Mサリチル酸ナトリウムのメタノール溶液
に含浸させて作製した。図6には、60ppmNO2 に
1時間暴露後の吸収スペクトルを示した。この場合も実
施例3と同様に多孔体のニトロ化反応の促進作用が現れ
る。検知剤にサリチル酸ナトリウムを使用してもppm
レベルのNO2 の分析が可能なことが分かった。
に、検知剤としてスルファニル酸と1−ナフチルエチレ
ンジアミン塩酸塩の水溶液を含浸させた例を示した。N
O2 検出用試験片はガラス試験片を0.02Mのスルフ
ァニル酸および0.005Mの1−ナフチルエチレンジ
アミン塩酸塩を含む水溶液を含浸させて作製した。図7
には、10ppmNO2 に1時間暴露後の吸収スペクト
ルを示した。420nm及び540nm付近に新しい吸
収が現れた。540nm付近の吸収はスルファニル酸と
1−ナフチルエチレンジアミン塩酸塩がカップリングし
たものと考えられる。
ン法で用いられる反応スキームを示した。反応はまず、
スルファニル酸がNO2 - と反応してジアゾニウム塩が
生成する反応が起こり(ジアゾ化反応)、次にこのジア
ゾニウム塩と1−ナフチルエチレンジアミン塩酸塩がカ
ップリング反応を起こす。生成したアゾ色素は545n
mに吸収波長を有することが知られている。図7の54
0nm付近の吸収を持つ化合物はこのアゾ色素だと推定
できる。このことから、2段階反応で且つ酸触媒の必要
なザルツマン法で用いる反応が、多孔体の中では無触媒
で起こることが確認された。10ppmの吸光度0.3
程度と高く、検知剤にスルファニル酸と1−ナフチルエ
チレンジアミン塩酸塩ジフェニルアミンを使用しても高
感度なサブppmレベルのNO2 の分析が可能なことが
分かった。
の吸光度が高い理由として、o−トリジンはNO2 との
反応性が他よりも高くて速やかに反応して酸化物に変わ
る。つまり、反応収率が高い。従って、同じ量のNO2
に曝しても、吸光度の変化が大きくなることが考えられ
る。また、検出に必要な吸光度の絶対値として、測定装
置の安定性によるが、この実施例で用いた装置の場合
0.02以上の吸光度差があれば検出可能である。
ス検出法および検出材料によれば、吸着剤として多孔体
と検知剤の組み合わせを用いることにより吸着面積を増
大し、従来の方法に比較して感度および蓄積容量が優
れ、且つ同時にサンプリング系を小型化できる。試料を
後処理することなくそのまま透過の可視UV吸収スペク
トルを測定することができ、従来の後処理が不要である
とともに、測定の簡易化が図れる。
ス種に選択的に反応する検知剤の選択、電磁波の吸収・
放出を組み合わせることによっても他のガス種への応用
が可能なことは自明である。
作製過程の一例を示すフローチャートである。
孔中に吸着したNO2 検出用試験片の透過スペクトルの
一例を示す特性図である。
孔中に吸着したNO2 検出用試験片を10ppmNO2
ガスに1時間放置した際の吸収スペクトルの一例を示す
特性図である。
孔体孔中に吸着したNO2 検出用試験片を50ppmN
O2 ガスに1時間放置した際の吸収スペクトルの一例を
示す特性図である。
リウムを多孔体孔中に吸着したNO2 検出用試験片を6
0ppmNO2 ガスに1時間放置した際の吸収スペクト
ルの一例を示す特性図である。
を多孔体孔中に吸着したNO2検出用試験片を60pp
mNO2 ガスに1時間放置した際の吸収スペクトルの一
例を示す特性図である。
ナフチルエチレンジアミン塩酸塩を多孔体孔中に吸着し
たNO2 検出用試験片を10ppmNO2 ガスに1時間
放置した際の吸収スペクトルの一例を示す特性図であ
る。
キームの一例を示す説明図である。
す説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 二酸化窒素(以下NO2 という)ガス
を、透明な吸着剤である多孔体の孔中に導入または吸着
した検知剤と反応させた後、分光光度計により検知剤透
過の可視UV吸収スペクトルを測定し、NO2 の量を検
出することを特徴とするNO2 ガス検出法。 - 【請求項2】 多孔体として平均孔径が200オングス
トローム以下の透明な多孔体を用いることを特徴とする
請求項1記載のNO2 ガス検出法。 - 【請求項3】 検知剤として、化合物自体、そのニトロ
ソ誘導体、そのニトロ誘導体、そのアゾ色素、或いはそ
の酸化物が可視UV波長領域(200〜2000nm)
に吸収を持つ化合物を用いることを特徴とする請求項1
記載のNO2ガス検出法。 - 【請求項4】 透明な多孔体の孔中にNO2 ガスと反応
して可視UV波長領域(200〜2000nm)で吸収
変化を示す検知剤が導入または吸着されていることを特
徴とするNO2 ガス検出材料。 - 【請求項5】 多孔体が平均孔径が200オングストロ
ーム以下の透明な多孔体であることを特徴とする請求項
4記載のNO2 ガス検出材料。 - 【請求項6】 検知剤が、化合物自体、そのニトロソ誘
導体、そのニトロ誘導体、そのアゾ色素、或いはその酸
化物が可視UV波長領域(200〜2000nm)に吸
収を持つ化合物であることを特徴とする請求項4記載の
NO2 ガス検出材料。
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JP2133396 | 1996-02-07 | ||
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ID=26358366
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Country | Link |
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