JPH09273986A - 表面エネルギー分布測定装置及び測定方法 - Google Patents

表面エネルギー分布測定装置及び測定方法

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JPH09273986A
JPH09273986A JP9021661A JP2166197A JPH09273986A JP H09273986 A JPH09273986 A JP H09273986A JP 9021661 A JP9021661 A JP 9021661A JP 2166197 A JP2166197 A JP 2166197A JP H09273986 A JPH09273986 A JP H09273986A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面エネルギーの面内分布を定量化する装置を
実現することにより、半導体デバイスや液晶ディスプレ
イの製造プロセスにおけるプロセス条件を最適化し、安
定した歩留まりを確保する。 【解決手段】表面エネルギー分布測定装置及び測定方法
においては、被検基板を水面中に挿入し、被検基板と水
面との接触部に生じるメニスカスの状態を代表するパラ
メータを水面に沿って測定する。この測定を、被検基板
を下降または上昇させながら行うことにより、上記パラ
メータを被検面の全面に亘って測定し、被検面の表面エ
ネルギーの面内分布を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本装置は半導体デバイスや液
晶ディスプレイの製造において、プロセス条件を最適化
し且つ管理を簡易にするために用いられる表面エネルギ
ー分布測定装置及び測定方法に関し、特に、液晶ディス
プレイのTFT及びセル形成プロセスにおいて、洗浄、
表面処理、レジスト塗布や剥離、配向膜塗布や焼成、ラ
ビング等の処理を評価するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスや液晶ディスプレイの製
造において、洗浄、表面処理、レジスト塗布、剥離等の
処理を受ける基板被処理面のぬれ性を制御することは、
目的のデバイス構造やデバイス特性を得るために重要な
要件となる。例えば、液晶ディスプレイにおけるTFT
形成プロセスのように、大型基板上に多くの半導体デバ
イスが並ぶ場合には、ぬれ性の面内分布を均一に確保す
ることが求められている。また、通常の液晶セルは、配
向膜の表面状態を制御することにより、液晶を一定方向
に配向させることを原理上の特徴としている。このた
め、安定した配向を得るため、表面エネルギーの均一性
を確保することが重要な課題となっている。
【0003】これまで、基板表面エネルギーを反映する
ぬれ性の評価法としては、「液滴法」及び「呼気法」が
用いられてきた。「液滴法」とは、基板上に少量の液滴
(多くの場合水滴)を滴下したときに生じる液滴と基板
面との接触角を測定するものである。「液滴法」は、接
触角を定量的に測定できることが特徴である反面、滴下
した部分の界面での接触角しか求められないという欠点
がある。従って、基板面全面に亘って表面エネルギーを
測定するためには、1滴づつ滴下、測定の作業を繰り返
す必要があり、目的の分解能(液晶ディスプレイでいえ
ば画素サイズ)で面内分布を定量化することは実質的に
困難である。
【0004】一方、「呼気法」は基板全面に水蒸気を接
触させることにより、基板全面に微小な水滴を付着させ
るものである。基板面内の表面エネルギーの違いにより
付着のしかた(接触角、水滴サイズ、水滴密度)が異な
るため、光散乱特性の違いを目視により判断し、ぬれ性
のムラを見ることができる。この方法は面内分布を一目
で見れるという特徴がある反面、水滴を一つ一つ定量的
に測定できないので、定量的なデータが得られないとい
う欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の表
面エネルギー評価方法では、表面エネルギーの面内分布
を定量的に求めることが困難である。本発明は上記問題
に鑑みてなされたもので、基板の表面エネルギー分布を
基板面内に亘って、定量的に容易に評価する装置及びそ
の方法を提供することを目的とする。
【0006】本発明の第1の視点は、表面エネルギー分
布測定装置において、被検面を有する被検基板を浸漬す
るための液体を、液面を形成するように収納する液だめ
と、前記被検基板を支持すると共に、前記液面に対して
前記被検面が交差する状態で前記液だめ内の前記液体に
前記被検基板を浸漬するための支持手段と、前記被検面
と前記液面との接触部に生じるメニスカスの状態を代表
するパラメータを水平方向に沿って光学的に測定するた
めの測定手段と、前記液体と前記被検基板とを垂直方向
に相対的に移動させるための移動手段と、前記パラメー
タの測定値若しくは前記測定値から算出された変換値
の、前記被検面上における面内分布を形成するための分
布形成手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】本発明の第2の視点は、第1の視点の表面
エネルギー分布測定装置において、前記変換値が前記メ
ニスカスの接触角であることを特徴とする。本発明の第
3の視点は、第2の視点の表面エネルギー分布測定装置
において、前記パラメータが前記液面からの前記メニス
カスの高さであり、下記の式に基づいて前記接触角が算
出されることを特徴とする。
【0008】 sin θ=1−h2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 h:メニスカスの高さ ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 本発明の第4の視点は、第3の視点の表面エネルギー分
布測定装置において、前記被検基板が透明であり、前記
測定手段が、前記被検面とは反対側の面から前記被検基
板を透かして前記メニスカスの状態を代表する前記パラ
メータを測定することを特徴とする。
【0009】本発明の第5の視点は、第3の視点の表面
エネルギー分布測定装置において、前記測定手段が前記
被検面の水平方向の幅の全体に亘って存在する光検出部
を有し、前記幅の全体に亘るパラメータを一括して検出
することを特徴とする。
【0010】本発明の第6の視点は、第2の視点の表面
エネルギー分布測定装置において、前記パラメータが前
記メニスカスの表面の曲線形状に沿った複数箇所の2次
元座標(x,z)であり、下記の式に基づいて前記接触
角が算出されることを特徴とする。
【0011】 sin θ=1−{z(x)}2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 x:被検面と直角な方向における液体/基板界面からの
水平距離 z:液面からの垂直距離 本発明の第7の視点は、第2、3、4及び6の視点のい
ずれかの表面エネルギー分布測定装置において、前記測
定手段が前記メニスカスに沿って水平方向に移動可能な
光検出部を有することを特徴とする。
【0012】本発明の第8の視点は、第1乃至7の視点
のいずれかの表面エネルギー分布測定装置において、前
記液体の表面張力を検出するための手段が前記液だめに
配設されることを特徴とする。
【0013】本発明の第9の視点は、表面エネルギー分
布測定方法において、被検面を有する被検基板を液体に
浸漬する工程と、前記液体の液面に対して前記被検面が
交差する状態で、前記被検面と前記液面との接触部に生
じるメニスカスの状態を代表するパラメータを水平方向
に沿って光学的に測定する工程と、前記液体と前記被検
基板とを垂直方向に相対的に移動させる工程と、前記パ
ラメータの測定値若しくは前記測定値から算出された変
換値の、前記被検面上における面内分布を形成する工程
と、を具備することを特徴とする。
【0014】本発明の第10の視点は、第9の視点の表
面エネルギー分布測定方法において、前記変換値が前記
メニスカスの接触角であることを特徴とする。本発明の
第11の視点は、第10の視点の表面エネルギー分布測
定方法において、前記パラメータが前記液面からの前記
メニスカスの高さであり、下記の式に基づいて前記接触
角が算出されることを特徴とする。
【0015】 sin θ=1−h2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 h:メニスカスの高さ ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 本発明の第12の視点は、第10の視点の表面エネルギ
ー分布測定方法において、前記パラメータが前記メニス
カスの表面の曲線形状に沿った複数箇所の2次元座標
(x,z)であり、下記の式に基づいて前記接触角が算
出されることを特徴とする。
【0016】 sin θ=1−{z(x)}2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 x:被検面と直角な方向における液体/基板界面からの
水平距離 z:液面からの垂直距離
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、被検基板の被検面を液
体に浸したときに生じるメニスカスの基板との接触角の
「線」の情報を、被検基板を上昇または下降させること
によりメニスカスの位置を時々刻々と変化させ、この
「線」の時系列の情報を全面に亘って測定するものであ
る。具体的には、図1(a)に示すように、被検基板1
を水等の液体2中に挿入し、液体の液面に生じるメニス
カスを測定する。例えば、被検基板と液面との接触角θ
を基板と液面との界面即ち線の情報として測定する。次
に、被検基板1を上下方向に移動することにより、基板
全面に亘ってメニスカスの状態(この場合角θ)を定量
的に測定することで、基板全面に亘って表面エネルギー
分布状態を定量的に評価することが可能となる。
【0018】図1(b)に示すように、被検基板1を上
下方向にスキャンしている時にメニスカスの変化する部
分FPが観測されたとする。この場合、「線」の情報を
上下方向に連続させることにより、図2に示すように、
変化部分FPの「面」の情報であるムラPFPを得るこ
とができる。図2は、メニスカスの状態から接触角θを
算出し、接触角θの面内分布を可視化した例を示す。
【0019】以下に接触角測定の原理について説明す
る。図3に示すように、液体2中に被検基板1を挿入す
ると、気体4、固体(被検基板)1、液体2の3つの状
態が接触する3重点において、液体の形状が変化する。
この3重点での液体の形状は「メニスカス」3と呼ばれ
る。メニスカス3が一定の形を保っているとき、気体4
/固体1、気体4/液体2、液体2/固体1での界面張
力が、メニスカス3の角度θでつり合う。このときの3
重点での力の平衡の関係(Youngの式)を以下に示
す。
【0020】γSV=γLV cosθ+γSL cos θ=(γSV−γSL)/γLV ただし、 γSL:液体/固体界面での界面張力 γLV:気体/液体界面での界面張力 γSV:気体/固体界面での界面張力 θ:液体/固体の接触角 界面張力は界面自由エネルギーの面積微分である。即
ち、メニスカスの形状を代表するパラメータを測定する
ことは、界面エネルギーの大小関係を測定していること
になる。「表面エネルギー」は気体との界面エネルギー
である。即ち、メニスカスの形状を代表するパラメータ
を測定することは、液体をプローブとして表面エネルギ
ーの大小関係を測定していることにほかならない。
【0021】Youngの式においては、メニスカスの
形状のパラメータとして接触角θが入っている。接触角
θの測定方法としては、図3のように3重点から液体界
面に沿って接線を引きθを求める方法が最も一般的であ
る。以下に示すメニスカスの高さh(=z(0))と接
触角θとの関係の式(Neumann,A.W.,Z.
Phys.Chem.,41,339−352(196
4))を用いてθを求めることも可能である。
【0022】z(x)=[2γLV(1−sin θ)/(ρ
L −ρV )g]1/2 sin θ=1−{z(x)}2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 h:メニスカスの高さ ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 x:被検面と直角な方向における液体/基板界面からの
水平距離 z:液面からの垂直距離 ここで、(x,z)はメニスカス表面の位置の座標で、
z(x)は被検面からの距離xに存在するメニスカス表
面のある位置の液面からの高さを表す。従って、x=0
時のzの値が被検面上におけるメニスカス表面の位置、
即ち平らな液面からメニスカスの先端までの高さhとな
る。気体及び液体の組成、温度、圧力一定の条件のもと
で、z(x)はθのみの関数となる。
【0023】メニスカスの表面の曲線形状[複数の
(x,z)座標の組]からθを求める場合には、γLV
同時に求めることが可能である。換言すれば、メニスカ
スの表面の曲線形状からθを求めるとは、メニスカス表
面の曲線に沿った複数箇所の2次元座標を測定し、これ
に基づいてθを算出することをいう。また、γLV測定用
の基板(後に述べるWilhelmy Plate)を
用い、γLVに実験値を代入することで測定精度を向上さ
せることができる。
【0024】この他に、θを間接的に測定する方法とし
て、基板を引っ張る力Fを測定する方法がある。以下
に、基板を引っ張る力Fより接触角θを求める方法につ
いて説明する。
【0025】図4に示すように、液体2中に挿入した被
検基板1が一定位置に保たれているとき、力の平衡が成
立している。このときの基板にかかる力を表す式(Ne
umannの式)を示す。
【0026】F=Mg−δV+LγLVcos θ ただし、 F:平衡を保つための上向きの力 Mg:重力 δV:浮力 γLV:気体/液体界面での界面張力 θ:液体/基板の接触角 L:基板の周囲長 力の平衡の式において、Mg、Lは定数、δVは基板の
浸かっている体積が一定のものとに定数、またγLVにつ
いても、液体及び気体の組成(分圧)、温度一定の条件
のもとには定数となり、Fはθのみに依存する。よって
Fの測定よりθを求めることが可能である。
【0027】基板を引っ張る力の測定法は、接触角θの
みならずγLVを求める手段としても使うことができる。
その際には、γLVを測定するための基板(Wilhel
myPlate)を別途用意し、本発明の表面エネルギ
ー分布測定装置に追加することが有効である。
【0028】以下に接触角測定に必要なハードウェアの
基本構成について説明する。まず、接触角測定に不可欠
な液体及び気体について述べる。測定原理より分かるよ
うに、液体及び気体は被検基板の表面エネルギーを測定
するためのプローブにすぎない。よって、本発明に用い
る液体及び気体の種類は測定原理において限定されるこ
とはない。液体としては気体の雰囲気を一定に保つため
に揮発性の低いものが望ましい。揮発性の高い液体を用
いる場合には、気体の雰囲気(温度、分圧)を一定に保
つためのユニットが必要である。気体としては、基板に
吸着してγSVが変化することを避けるために、不活性気
体が望ましい。取り扱いの容易さを考慮すると、液体と
しては水、気体としてはN2 または空気が望ましい。液
体については、アルカン、エチレングリコール、水銀、
液晶を使うこともできる。液体は、温度を一定に保つた
めの温調ユニットにつながれていることが望ましい。以
下に、本発明に用いる液体で、常圧の空気との界面張力
が既知であるものについてその値を示す。
【0029】
【表1】
【0030】さらに、表面張力の分散力成分(γL
d )、双極子成分(γL p )、水素結合成分(γL h
が既知の3つ以上の液体を用い、同一の被検基板につい
てそれぞれの液体について接触角分布を測定することに
より、被検基板の表面張力の分散力成分(γL d )、双
極子成分(γL p )、水素結合成分(γL h )を求める
ことができる。この用途で使える液体としては、例え
ば、n−ヘキサン、n−ヘキサデカン、α−ブロモナフ
タレン、ヨウ化メチレン、ホルムアミド、水等がある。
特に水、ヨウ化メチレン、α−ブロモナフタレンの3種
の液体を用いることが実用上有効である。以下に、この
3種の液体の20℃における表面張力の各成分を示す。
【0031】
【表2】
【0032】次に、液だめの素材について述べる。液だ
めとしては、不純物(特に金属イオン等)の溶出を避け
るための材質を用いる。具体的にはフッ素系の材質また
はフッ素系樹脂の表面コートを用いることが望ましい。
無アルカリガラスまたは石英ガラスにシラン処理等を施
して疎水化したものも有効である。振動に敏感なメニス
カスを測定するため、液だめは防振台の上に載せる。液
表面を常に清浄に保つために、表面の汚染した液を吸い
上げる「液面洗浄ユニット」を設けることが望ましい。
【0033】次に、基板支持ユニットの上下移動機構に
ついて説明する。ここでの基板支持ユニットは、基板の
上端を支持するもので、モータにつながれており、基板
を支持した状態で上昇及び下降する機能を有する。測定
中の基板の移動速度は一定とすることを基本とする。基
板の上下移動速度は100[mm/s]以下、移動速度
のぶれは±0.1[%]以内とすることが望ましい。
【0034】次に、表面エネルギーの分布の表示パラメ
ータについて説明する。本発明においては、基板の上昇
/下降により、メニスカスの基板における位置をスキャ
ンするため、厳密には動的な接触角を測定する。基板下
降時の接触角θa は「前進接触角」、基板上昇時の接触
角θr は「後退接触角」と呼ばれ、一般的にθa >θr
である。本発明における表面エネルギーの面内分布の表
示方法としては、θa 、θr のいずれか一方を測定し、
θa 、θr またはcos θa 、cosθr のいずれか一方の
面内分布として表示することも可能であるし、「前進接
触角」と「後退接触角」の差の平均 (cos θr −cos θa )/2またはarccos[(cos θr
−cos θa )/2] の面内分布として表示することも有効である。γLVが既
知の場合には、 γLVcos θr 、γLVcos θa 、γLV(cos θr −cos θ
a )/2 の3つのパラメータのいずれかで表示することも有効で
ある。
【0035】以下に被検基板の表面張力の分散力成分
(γL d )、双極子成分(γL p )、水素結合成分(γ
L h )の計算方法について述べる。計算式の導出方法に
ついては文献(表面張力の理解のために 井元稔著 高
分子刊行会(1992))を参照されたい。
【0036】γL (1+cos θ)=2(γL d ×γS d
+γL p ×γS p +γL h ×γS h ) γL d :液体の表面張力(分散力成分) γL p :液体の表面張力(双極子力成分) γL h :液体の表面張力(水素結合成分) γS d :固体の表面張力(分散力成分) γS p :固体の表面張力(双極子力成分) γS h :固体の表面張力(水素結合成分) 被検基板の各座標についてγL d 、γL p 、γL h を計
算し、γS d 、γS p、γS h それぞれについて面内分
布を表示することが有効である。
【0037】また接触角θの測定方法としては、前述の
通り、メニスカスの高さを測定する方法、メニスカスの
形状(メニスカスの表面の曲線に沿った複数箇所の2次
元座標)を測定する方法がある。これらの測定は、光学
的測定部材を用い、メニスカスにおける明るさのコント
ラストを観測することにより行うことができる。
【0038】メニスカスの高さを測定する方法におい
て、光学的測定部材が被検面の幅の全体に亘って存在す
る光検出部を有する場合は、「線」の情報を一括して得
ることができる。図5(a)はメニスカスのエッジ線方
向(メニスカスの先端により規定される実質的に水平な
線における支配的な方向)と平行に配列した複数の光セ
ンサ素子5eのグループからの情報をモニタディスプレ
イMDで画像処理することにより、「線」の情報を一括
して得るシステムを示す。図5(b)はメニスカスのエ
ッジ線方向と平行に光ファイバー6を配置し、光センサ
を内蔵するモニタディスプレイMDに「線」の情報を一
括入力するシステムを示す。
【0039】メニスカスの高さを測定する方法におい
て、光学的測定部材が点状の光検出部を有する場合は、
これをメニスカスのエッジ線方向に沿って移動させなが
ら「点」の情報を逐次入力することにより、「線」の情
報を得ることができる。例えば、図6に示すように、モ
ニタディスプレイMDに接続された単一の光センサ5
を、横方向に移動可能なホルダに支持させ、スキャンニ
ング操作可能とする。
【0040】一方、メニスカスの形状を測定する方法
は、例えば、メニスカスの表面に対して斜め横から光を
照射し、その反射光を光学的測定部材で検出することに
より行うことができる。
【0041】図7(a)、(b)はその一例の夫々横断
平面図及び縦断側面図を示す。ここでライン光源7がメ
ニスカスのエッジ線方向に対して直角に且つ水面に対し
て約45度に配設される。また、メニスカス表面からの
反射光を受けるように光センサ8が配設される。ライン
光源7及び光センサ8が対をなした状態で、これらを一
体的にメニスカスのエッジ線方向に移動することによ
り、「線」の情報を得ることができる。なお、ライン光
源7からの光を平行光とすると共に、被検部にのみ光を
照射するようにするため、コリメータレンズ7a及びス
リット7bが配設される。図8(a)、(b)は光セン
サ8に代え、後述のPSDアレイ9を使用した場合の夫
々横断平面図及び縦断側面図を示す。
【0042】光学的測定部材の検出端子としては、フォ
トダイオードを用いることが有効である。より具体的に
は、2次元に分割されたフォトダイオードを用いた固体
イメージセンサであるCCD(Charge Coup
led Device)、CPD(Charge Pr
iming Device)、MOS(MetalOx
ide Semiconductor)、PSD(Po
sition Sensitive Detector
s)を用いる。
【0043】図8(a)、(b)に示すように、PSD
アレイを用いる場合には、PSDアレイと同等の大きさ
のライン光源をエッジ線方向と直角に配置することが望
ましい。この場合、各々のPSDの長辺はエッジ線方向
に沿って配置し、このライン光源と2次元PSDとを一
体としてエッジ線方向に移動させる。この場合も、検出
端子を支持する部材等をモータに接続し、モータを一定
速度で動かすことによりスキャン操作を行う。
【0044】光ファイバーとして、図9(a)〜(c)
に示すような、バンドルファイバーBFを用いることが
できる。図9(a)はバンドルファイバーBFの全体を
示す模式図、図9(b)はその先端の入射口DP内を拡
大して示す縦断正面図、図9(c)は入射口DP内にお
ける光ファイバーOFの状態を更に拡大して示す縦断正
面図である。
【0045】入射口DPを有するケースCA内に複数の
光ファイバーOFが収納される。入射口DPは長さL、
幅Wを有し、その長さLの長辺がメニスカスと平行とな
るように配置される。光ファイバーOFの他端部は光セ
ンサSEに接続される。光ファイバーOFは仕切棚PP
で区切られて規則正しく並べられ、充填剤FIにより固
定される。なお、図中FS、FCは夫々光ファイバーの
コア及びクラッドを示す。
【0046】本発明において、液面の高さ方向の分解能
は高いことが必要であるが、水平方向はもともと水の重
力の影響で原理上分解能が制限されている。従って、仕
切棚PPにより水平方向に光ファイバーを間引いても、
実質的な問題が生じるようなことはない。
【0047】光センサとしては前述のフォトダイオード
類のうちCCD、CPD、MOSを用いることが有効で
ある。光源としては、メニスカス全体を照射可能なもの
を用いることが望ましい。またファイバーとメニスカス
との間に、メニスカスのエッジ線方向に沿ってシリンド
リカルレンズを追加することにより焦点合わせを行い、
メニスカスの高さ方向の分解能を上げることが有効であ
る。光ファイバーの長さは、測定する基板の長さに合わ
せて設定する。光ファイバーの幅は100[μm]以上
あることが望ましい。
【0048】[実施例1]図10は、本発明の表面エネ
ルギー分布測定装置の実施例1のシステム構成を表した
ものである。以下に各々の部品について説明する。
【0049】水平な載置面を有する防振台11上に液だ
め10が配設されている。液だめ10はアルミニウムブ
ロックをくりぬいて作られ、表面はフッ素コートされて
いる。液だめ10は純水(またはイオン交換水)からな
る液体2で満たされ、液体温調ユニット12につながれ
ている。液体温調ユニット12は、温度調節機能と循還
機能を持つもので、これにより液だめ10の温度は±
0.5[℃]の精度で一定に保たれる。
【0050】Wilhelmy Plate13は液体
の表面張力を測定するための板である。Wilhelm
y Plate13としては、完全ぬれ性(接触角θ=
0°)の材質が用いられる。具体的には濾紙、すりガラ
スを用いる。このWilhelmy Plate13に
かかる力をWilhelmy Plate13につなが
れた差動トランス(またはひずみゲージ)14により測
定し、すでに述べたNeumannの式にθ=0°を代
入した下式 F=Mg−δV+LγLV γLV:液体の表面張力 F :Wilhelmy Plateが水に浸された状態で差動トラン
スにかかる力 Mg:Wilhelmy Plateが空気中にある状態で差動トラン
スにかかる力 L :基板の水にひたされている周囲長 を用いてγLVを求める。濾紙を用いる場合にはδVは無
視できる。
【0051】液面洗浄ユニット15は、ロータリーポン
プ16と液ビン17とノズル18とを組み合わせたもの
で、バルブ19を開くことによりノズル18が液体表面
を汚れごと吸い込み、吸い込んだ液を液ビン17にため
る。液面洗浄ノズル20の高さを調節することにより、
液面の高さを調節することが可能である。液面の高さと
しては、液だめの端面より1−3[mm]盛り上がるよ
うにする(水の表面張力を利用する)。
【0052】液面の洗浄は、基板を水に浸す直前に行
う。洗浄の際には、仕切り板21をX軸モータ22をコ
ントローラ22aを介して制御することによりWilh
elmy Plate13の手前まで移動させ、その状
態で液面洗浄ノズル20で液体表面を汚れごと吸い込
む。Wilhelmy Plate13にかかる力から
計算される水のγLVが表1の値(72.75)に近くな
った(=表面の汚れがとれた)ことを確認した後に、再
び仕切り板21をX軸モータ22により液だめ10左端
近傍まで移動させた後に測定に入る。
【0053】被検基板1はその上端を基板支持ユニット
23により保持される。基板支持ユニット23はZ軸モ
ータ24につながれる。Z軸モータ24の移動はコント
ローラにより制御される。
【0054】メニスカスの形状は、図11に示すように
ライン光源25とCCD26とを組み合わせることによ
り観測される。ライン光源25とCCD26とは一体と
してY軸モータ27につながれ、Z軸モータ24を動か
しつつY軸モータ27も動かされる。Y軸のスキャン速
度はZ軸のスキャン速度に比べ十分大きくなるよう設定
される。Y軸及びZ軸における位置及びその位置におけ
るメニスカスの形状の情報は画像処理装置を内蔵するC
PU50に順次送られ、手段に述べた下式により接触角
θが計算される。
【0055】z(x)=[2γLV(1−sin θ)/(ρ
L −ρV )g]1/2 z(x)の基準となる液面(z=0)については、レー
ザー変位計51により水平面での液面の高さを測定する
ことにより求められる。本実施例においては、Y軸モー
タ27のがたつきを補正する目的で、レーザー変位計5
1はCCDにつながれて一体となっていることが望まし
い。
【0056】CCD26からの信号から算出された接触
角θの「線」の情報は、Z軸のスキャン操作に従って垂
直方向に順に蓄積される。CPU50は「線」の情報を
蓄積に基づいて、接触角θの被検面上における面内分
布、即ち表面エネルギー分布を形成し、これをモニタデ
ィスプレイMD上に表示する。
【0057】[実施例2]図12は、本発明の表面エネ
ルギー分布測定装置の実施例2のシステム構成を表した
ものである。以下に各々の部品について説明する。
【0058】実施例1と共通である仕切り板21及びそ
の制御系、液体温調ユニット12、液面洗浄ユニット1
5、防振台11、Wilhelmy Plate13及
び差動トランス14については説明を省略する。液体と
しては、実施例1と同様水を用いている。
【0059】本実施例においては、接触角測定機構とし
てメニスカスの高さを測定する。その他については実施
例1と同様である。メニスカスの高さの測定方法を図1
2、図13、図14に示す。光源としては、基板と同程
度の長さのライン光源を用いる。ライン光源としては、
φ2−4[mm]の冷陰極管蛍光灯28に0.1−1.
0[mm]のスリット付き反射カバー29を巻いたもの
を用いる。基板としては、ガラス基板などの透明基板を
用いる。このライン光源を基板端より入射させることに
より空気/基板界面と水/基板界面との屈折率差(n
(空気)=1.0、n(ガラス基板)=1.5、n
(水)=1.33)による全反射角の違いを利用してコ
ントラスト差を得、メニスカスの高さを測定する。コン
トラストをかせぐ目的で、液だめとしては、フッ素樹脂
(たとえばテフロン、ポリフロン等)の白色素材をくり
ぬいて用いる。
【0060】Y軸及びZ軸における位置及びその位置に
おけるメニスカスの高さの情報は画像処理装置を内蔵す
るCPU50に順次送られ、下式により接触角θが計算
される。
【0061】 sin θ=1−h2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 h:メニスカスの高さ ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 CCD26からの信号から算出された接触角θの「線」
の情報は、Z軸のスキャン操作に従って垂直方向に順に
蓄積される。CPU50は「線」の情報を蓄積に基づい
て、接触角θの被検面上における面内分布、即ち表面エ
ネルギー分布を形成し、これをモニタディスプレイMD
上に表示する。
【0062】[実施例3]図15は、本発明の表面エネ
ルギー分布測定装置の実施例3のシステム構成を表した
ものである。以下に各々の部品について説明する。
【0063】本実施例においても、実施例2と同様、接
触角測定機構としてメニスカスの高さを測定する。本実
施例の装置は、測定のための光学系を除いて実施例2の
装置と同様である。液だめ10の材料として、疎水性が
高く且つ白色素材であるテフロンを用い、光源として光
ファイバー光源31を用いている。
【0064】本実施例では、液体の表面張力を利用し
て、液面を液だめ10から盛り上がらせる。また、被検
基板1の裏面1b(被検面1aの反対側)とテフロン壁
面10aとの距離を数mm以内とすることにより、疎水
性の壁面10aの影響で裏面側のメニスカスの高さが被
検面側のメニスカスの高さよりも低くなるようにする。
この様にして、透明な被検基板を透かして被検面1a側
のメニスカスを裏面1b側から観察できるようにしてい
る。
【0065】また、白色素材の壁面での拡散反射および
基体/液体界面での全反射を利用し、液体側が明るくな
ることを利用し、十分なコントラストを得ている。更
に、CCD26を多数配設することにより、メニスカス
の高さを一括入力可能としている。なお、各CCD26
と被検基板1との間にはレンズ32を配設している。C
CD26からのメニスカスの高さ情報は、画像処理装置
を内蔵するCPU50に順次送られ、実施例2と同様な
処理を受けることにより、接触角θの被検面上における
面内分布が形成される。
【0066】[実施例4]図16は、本発明の表面エネ
ルギー分布測定装置の実施例4のシステム構成を表した
ものである。以下に各々の部品について説明する。CC
Dの入力が光ファイバーであることを除いては実施例2
と同様である。光ファイバーとして、図9(a)〜
(c)に示すようなバンドルファイバーBFを用いる。
光ファイバーの長さは被検基板1の長さと同一とし、光
ファイバーの幅は1[mm]とする。
【0067】Z軸位置及びその位置におけるメニスカス
の高さの「線」としての情報は画像処理装置に順次送ら
れ、下式により接触角θが計算される。 sin θ=1−h2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 h:メニスカスの高さ ρ :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 [実施例5]図17は、本発明の表面エネルギー分布測
定装置の実施例5のシステム構成を表したものである。
以下に各々の部品について説明する。実施例1と共通で
ある仕切り板21及びその制御系、液体温調ユニット1
2、液面洗浄ユニット15、防振台11、Wilhel
my Plate13及び差動トランス14については
説明を省略する。液体としては、実施例1と同様水を用
いる。
【0068】本実施例においては、接触角測定機構とし
て被検基板1にかかる力を測定している。その他につい
ては実施例1と同様である。基板にかかる力は、基板支
持ユニット23につながれた電子天秤36にかかる荷重
により測定する。電子天秤36全体はZ軸モータ24に
つながれる。Z軸モータ24の移動はコントローラによ
り制御される。Z軸における位置及びその位置において
基板にかかる力Fの情報は画像処理装置に順次送られ
る。
【0069】次に基板の浸隻方向を90°回転させ、同
様の測定を行う。Fの測定結果を用い下式(Neuma
nnの式)から接触角θが計算される。 F=Mg−δV+LγLVcos θ ただし、 Mg:基板が空気中にある状態での電子天秤
の読み δV:(水中にある基板の体積)×[(水の比重)−(基
板の比重)] F:基板にかかる力(電子天秤の読み) L:基板の水に浸されている周囲長 γLV:液体の表面張力 次に、実験1から実験3に、本発明の表面エネルギー分
布測定装置を液晶ディスプレイのセル製造ラインにおい
て、不良解析に用いた例を示す。
【0070】[実験1]実施例2の表面エネルギー分布
測定装置を、液晶ディスプレイのセル製造ラインにおけ
るPVA(Polyvinylalchol)剥離工程
の評価に用い、PI(Polyimide)はじき不良
との対応を求めた。被検基板及び測定条件は以下の通り
とした。
【0071】被検基板 360 [mm]×460 [mm],0.7 t,カラーフィルタ基板(2
面取り) 測定条件 水温 :20±0.5[℃] Z軸移動速度 :1.0 [mm/s] Z軸分解能 3.6[mm] Y軸移動速度 :100 [mm/s] Z軸分解能 3.6[mm] Y軸サンプリング数:64 ポイント/LINE Y軸分解能 5.6[mm] 図18(a)は実験1において得られた接触角の面内分
布を前進接触角θa を用いて示す。図18(b)はPI
はじき部41が発生した基板のPIはじき状態のスケッ
チを示す。
【0072】図18(a)、(b)より、前進接触角θ
a が20°以上でPIはじきが起こることが分かる。即
ち、PIはじきを防ぐためには、前進接触角θa を20
°未満となるよう管理すればよい。
【0073】[実験2]実施例4の表面エネルギー分布
測定装置を、液晶ディスプレイのセル製造ラインにおけ
るPI(Polyimide)焼成工程の評価に用い、
液晶セル組立後のプレチルト角のムラとの対応を求め
た。プレチルト角とは、液晶の長軸方向と基板とのなす
角を意味する。プレチルト角の測定は、日本電子製のレ
ーザー顕微鏡を用いたプレチルト角測定装置により行っ
た。被検基板及び測定条件は以下の通りとした。
【0074】被検基板 360 [mm]×460 [mm],0.7 t,TFT基板(2面取り) 測定条件 サンプリング :60回/S 水温 :20±0.5[℃] Z軸移動速度 :1.0 [mm/s] Z軸分解能 0.017[mm] Y軸サンプリング数:500 ポイント/LINE Y軸分解能 0.72 [mm] 図19(a)は実験2において得られた接触角の面内分
布を、下式で定義される前進接触角と後退接触角の平均
θavで示す。図19(b)はプレチルト角の面内分布を
示す。
【0075】 θav=arccos[(cos θr −cos θa )/2] 図19(a)、(b)より、θavが80°以上でプレチ
ルトムラが生じることが分かる。即ち、プレチルトムラ
不良を防ぐためには、θavを80°未満となるよう管理
すればよい。
【0076】[実験3]実施例5の表面エネルギー分布
測定装置を、液晶ディスプレイのセル製造ラインにおけ
るラビング工程の評価に用い、液晶セル組立後の表示不
良との対応を求めた。被検基板及び測定条件は以下の通
りとした。
【0077】被検基板 360 [mm]×460 [mm],0.7 t,カラーフィルタ基板(2
面取り) 測定前に有機溶剤により裏面洗浄 測定条件 水温 :20±0.5[℃] Z軸移動速度 : 50 [mm/s] ラビング方向RDに平行及び垂直の二方向で測定(図2
2(a)、(b)参照) 図21(a)、(b)に、基板にかかる力Fを基板の周
囲長Lで割った結果を示す。これらのグラフにおいて横
軸は基板の浸水深さDを示す。基板をラビング方向RD
と平行に移動した時、周期paで基板にかかる力が小さ
くなる領域が現れた。基板をラビング方向RDと垂直に
移動した時(図21(b))、このような領域は現れな
かった。
【0078】図21(a)、(b)における基板の浸水
深さDに対応する傾きから浮力を求め、下式で定義され
る前進接触角と後退接触角の平均θav cos θav=(cos θr −cos θa )/2 を用い、面内分布として表した結果を図20(a)に示
す。また、図20(b)に、液晶セル組立後の表示不良
のスケッチを示す。接触角の異常領域42が表示不良部
43に対応していることが分かる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明による表面エ
ネルギー分布測定装置を用いることにより、半導体デバ
イスや液晶ディスプレイの製造プロセス、特に大型基板
を用いるプロセスにおいて、デバイス特性から要求され
る表面エネルギーの制御を工程毎に最適化することが可
能となる。各工程毎にデバッグ(debug)処理が可
能なため、プロセス条件の最適化のための立ち上げコス
トが下がる。また、量産時において、本発明を抜き取り
検査用、また全数検査に用いることにより、安定した歩
留りを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は本発明の表面エネルギー分布
の測定方法を説明するための概念図。
【図2】接触角の面内分布を示す図。
【図3】気体、液体、基板の三重点での力の平衡を示す
図。
【図4】基板にかかる力を示す図。
【図5】(a)、(b)は本発明の異なる実施の形態に
係る表面エネルギー分布測定装置を示す図。
【図6】本発明の更に別の実施の形態に係る表面エネル
ギー分布測定装置を示す図。
【図7】(a)、(b)は本発明の更に別の実施の形態
に係る表面エネルギー分布測定装置の要部を示す横断平
面図及び縦断側面図。
【図8】(a)、(b)は本発明の更に別の実施の形態
に係る表面エネルギー分布測定装置の要部を示す横断平
面図及び縦断側面図。
【図9】(a)〜(c)は光ファイバーとして使用され
るバンドルファイバーの構造を示す図。
【図10】本発明の実施例1に係る表面エネルギー分布
測定装置のシステム構成図。
【図11】図10に示す装置におけるメニスカスの形状
の観測方法を示す図。
【図12】本発明の実施例2に係る表面エネルギー分布
測定装置のシステム構成図。
【図13】図12に示す装置におけるメニスカスの高さ
の測定方法を示す図。
【図14】図12に示す装置のライン発光光源としての
細管蛍光灯の構造を示す図。
【図15】本発明の実施例3に係る表面エネルギー分布
測定装置のシステム構成図。
【図16】本発明の実施例4に係る表面エネルギー分布
測定装置のシステム構成図。
【図17】本発明の実施例5に係る表面エネルギー分布
測定装置のシステム構成図。
【図18】(a)、(b)は実験1における液晶ディス
プレイ用基板のPI前洗浄の評価結果を示す図。
【図19】(a)、(b)は実験2における液晶ディス
プレイ用配向膜の焼成条件の評価結果を示す図。
【図20】(a)、(b)は実験3における液晶ディス
プレイ用配向膜のラビング条件の評価結果を示す図。
【図21】(a)、(b)は実験3における基板にかか
る力の測定結果を示す図。
【図22】(a)、(b)は実験3における液晶ディス
プレイ用配向膜のラビング条件の評価方法を示す図。
【符号の説明】
1…被検基板 2…液体 3…メニスカス 4…気体 5…光センサ 6…光ファイバー 7…ライン光源 8…光センサ 9…PSDアレイ 10…液だめ 11…防振台 12…液体温調ユニット 13…Wilhelmy Plate 14…作動トランス 15…液面洗浄ユニット 16…ロータリーポンプ 17…液ビン 18…ノズル 19…バルブ 20…液面洗浄ノズル 21…仕切り板 22…X軸モータ 23…基板支持ユニット 24…Z軸モータ 25…ライン光源 26…CCD 27…Y軸モータ 28…蛍光灯 29…反射カバー 31…光ファイバー光源 32…レンズ 36…電子天秤

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検面を有する被検基板を浸漬するための
    液体を、液面を形成するように収納する液だめと、 前記被検基板を支持すると共に、前記液面に対して前記
    被検面が交差する状態で前記液だめ内の前記液体に前記
    被検基板を浸漬するための支持手段と、 前記被検面と前記液面との接触部に生じるメニスカスの
    状態を代表するパラメータを水平方向に沿って光学的に
    測定するための測定手段と、 前記液体と前記被検基板とを垂直方向に相対的に移動さ
    せるための移動手段と、 前記パラメータの測定値若しくは前記測定値から算出さ
    れた変換値の、前記被検面上における面内分布を形成す
    るための分布形成手段と、を具備することを特徴とする
    表面エネルギー分布測定装置。
  2. 【請求項2】前記変換値が前記メニスカスの接触角であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の表面エネルギー分
    布測定装置。
  3. 【請求項3】前記パラメータが前記液面からの前記メニ
    スカスの高さであり、下記の式に基づいて前記接触角が
    算出されることを特徴とする請求項2に記載の表面エネ
    ルギー分布測定装置。 sin θ=1−h2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 h:メニスカスの高さ ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力
  4. 【請求項4】前記被検基板が透明であり、前記測定手段
    が、前記被検面とは反対側の面から前記被検基板を透か
    して前記メニスカスの状態を代表する前記パラメータを
    測定することを特徴とする請求項3に記載の表面エネル
    ギー分布測定装置。
  5. 【請求項5】前記測定手段が前記被検面の水平方向の幅
    の全体に亘って存在する光検出部を有し、前記幅の全体
    に亘るパラメータを一括して検出することを特徴とする
    請求項3に記載の表面エネルギー分布測定装置。
  6. 【請求項6】前記パラメータが前記メニスカスの表面の
    曲線形状に沿った複数箇所の2次元座標(x,z)であ
    り、下記の式に基づいて前記接触角が算出されることを
    特徴とする請求項2に記載の表面エネルギー分布測定装
    置。 sin θ=1−{z(x)}2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 x:被検面と直角な方向における液体/基板界面からの
    水平距離 z:液面からの垂直距離
  7. 【請求項7】前記測定手段が前記メニスカスに沿って水
    平方向に移動可能な光検出部を有することを特徴とする
    請求項2、3、4及び6のいずれかに記載の表面エネル
    ギー分布測定装置。
  8. 【請求項8】前記液体の表面張力を検出するための手段
    が前記液だめに配設されることを特徴とする請求項1乃
    至7のいずれかに記載の表面エネルギー分布測定装置。
  9. 【請求項9】被検面を有する被検基板を液体に浸漬する
    工程と、 前記液体の液面に対して前記被検面が交差する状態で、
    前記被検面と前記液面との接触部に生じるメニスカスの
    状態を代表するパラメータを水平方向に沿って光学的に
    測定する工程と、 前記液体と前記被検基板とを垂直方向に相対的に移動さ
    せる工程と、 前記パラメータの測定値若しくは前記測定値から算出さ
    れた変換値の、前記被検面上における面内分布を形成す
    る工程と、を具備することを特徴とする表面エネルギー
    分布測定方法。
  10. 【請求項10】前記変換値が前記メニスカスの接触角で
    あることを特徴とする請求項9に記載の表面エネルギー
    分布測定方法。
  11. 【請求項11】前記パラメータが前記液面からの前記メ
    ニスカスの高さであり、下記の式に基づいて前記接触角
    が算出されることを特徴とする請求項10に記載の表面
    エネルギー分布測定方法。 sin θ=1−h2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 h:メニスカスの高さ ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力
  12. 【請求項12】前記パラメータが前記メニスカスの表面
    の曲線形状に沿った複数箇所の2次元座標(x,z)で
    あり、下記の式に基づいて前記接触角が算出されること
    を特徴とする請求項10に記載の表面エネルギー分布測
    定方法。 sin θ=1−{z(x)}2 (ρL −ρV )g/2γLV ただし、 θ:接触角 ρV :気体の比重 ρL :液体の比重 g:重力の加速度 γLV:気体/液体界面での界面張力 x:被検面と直角な方向における液体/基板界面からの
    水平距離 z:液面からの垂直距離
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