JPH09270735A - スペクトル拡散通信受信方法 - Google Patents

スペクトル拡散通信受信方法

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JPH09270735A
JPH09270735A JP20991796A JP20991796A JPH09270735A JP H09270735 A JPH09270735 A JP H09270735A JP 20991796 A JP20991796 A JP 20991796A JP 20991796 A JP20991796 A JP 20991796A JP H09270735 A JPH09270735 A JP H09270735A
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直樹 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速伝送を可能にしかつ誤り率の劣化を向上
し得るスペクトル拡散通信受信方法を提供する。 【解決手段】 アンテナ21で受信した信号を周波数変
換部23でベースバンド信号に変換した後、コリレータ
25で相関をとってラッチ部32にラッチし、相関処理
部33で自己相関による劣化をキャンセルした相関出力
を得て、この相関出力を分配器20で分配し、ラッチ部
27,28でラッチした後、差動部30で差をとり、判
別部31で判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はスペクトル拡散通
信受信方法に関し、特に、無線通信あるいは有線通信に
おいて、直接拡散を用いたスペクトル拡散通信方法に関
し、ディジタルデータの伝送に広く用いられるようなス
ペクトル拡散通信受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、スペクトル拡散通信方式は、新し
い通信方式として注目されている。一般のデータ通信に
用いられる変調方式は、狭帯域変調方式であり、比較的
小型の回路で実現できるが、室内(オフィス,工場な
ど)のように、マルチパスや狭帯域の有色雑音に対して
は弱いという欠点がある。
【0003】これに対して、スペクトル拡散通信方式
は、データのスペクトルを拡散符号によって拡散し、広
帯域で伝送するため、これらの欠点を解消できるという
利点がある。
【0004】しかしながら、反面、データの伝送速度に
対して、スペクトル拡散通信方式では幅広い帯域を必要
とするため、高速のデータ伝送が困難であった。たとえ
ば、11チップの拡散符号で拡散して伝送する場合でQ
PSK変調を用いて伝送する場合を考えると、2MBP
Sのデータ伝送に対して、22MHzの帯域が必要とな
る。もし、10MBPSのデータを送る場合には、11
0MHzの帯域が必要になることになる。しかし、無線
で伝送できる帯域は限られているので、高速データの伝
送は困難となっていた。
【0005】そこで、本願発明者は、限られた帯域で高
速伝送を行なう方法として、拡散した信号を遅延して多
重する方式(以下、遅延多重方式と称する)を、特願平
7−206159において提案した。この方式を用いる
ことによって、限られた帯域で高速伝送ができるように
なる。この提案した方法では、2多重すると4MBPS
のデータが、5多重すると10MBPSのデータが通信
できるようになる。
【0006】図1は上述の提案した構成に、乗算器と遅
延素子の並列系を1つ増やしたものである。図1におい
て、データ発生部1で発生されたデータは差動符号化部
2で差動符号化され、その後、シリアル−パラレル変換
部(S−P変換部)5で多重する数にパラレル変換され
る。各パラレル信号は乗算器4〜8に与えられてPN発
生器14からのPN符号と乗算されて拡散される。その
後、遅延素子9〜13によってそれぞれ遅延され、合波
器15によって合波されて多値のディジタル信号とな
る。このディジタル信号は変調器16によって変調さ
れ、周波数変換部18で周波数変換された後、電力増幅
部19で電力増幅され、アンテナ20を介して送信され
る。
【0007】ここで、一例として、拡散符号に11チッ
プのバーカ符号を用いて5多重した場合について考え
る。この場合、PN符号発生器14にバーカ符号が用意
される。なお、バーカ符号とは、(101101110
00)の11チップで構成され、一般によく知られた符
号である。
【0008】また、遅延素子9〜13では、11チップ
を5多重に分けることを考えて、4つが2チップの遅延
で、1つが3チップの遅延となる。ここで、仮にチップ
を順に各々遅延差を2,2,2,2,3チップずつとす
ると、1番目の遅延素子9は0チップの遅延でよく(つ
まり遅延素子は不要である)、各々2,3,4,5番目
の遅延素子10〜13は、2,4,6,8の遅延時間を
持つこととなる。その結果、各々が2,2,2,3のチ
ップ遅延を持つことになる。
【0009】図2は上述のごとく遅延多重した信号を受
信する受信機の構成を示すブロック図である。図2にお
いて、アンテナ21で受信した信号は、周波数変換部2
2によって中間周波数信号に変換された後、周波数変換
部23で局部発振器24からの局部発振信号に基づいて
ベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号
はコリレータ25によって相関がとられ、分配器26で
分配され、ラッチコントローラ29からの信号に基づい
てラッチ部27,28にラッチされる。そのラッチ出力
は差動部30で差動分が抽出され、判別部31によって
判別されて復調される。ここで、前述の具体例によれ
ば、ラッチ部27,28に2チップ,3チップでラッチ
されることになる。このようにすることにより、遅延多
重した通信システムにおいて、多重した信号を復調する
ことができ、高速のデータ通信を行なうことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の図1および図2
に示した例を用いることにより、限られた帯域で高速伝
送が可能になるものの、誤り率特性が劣化するという欠
点がある。これについて以下に詳細に説明する。
【0011】バーカ符号は、11チップで構成されるの
で、単一の多重しない信号を考えた場合、相関をとる
と、相関スパイクにおける相関値は11を得ることがで
きる。ここで、相関スパイクとは、スペクトル拡散にお
いて相関がとれたときの相関信号やタイミングをいう。
しかし、遅延多重した場合は、この相関値にばらつきが
生じてしまう問題点がある。その理由について図3を参
照しながら説明する。図3はディジタル値としてバーカ
符号の1に1を与え、0に−1を与えて、任意のデータ
を乗算し、5多重して相関をとり、それぞれの相関スパ
イク時点での相関値の絶対値を示したものであり、横軸
が時間列を示し、縦軸が相関スパイクでの相関値を示し
ている。図3から明らかなように、本来11の相関値を
得るはずのものが、7,9,11,13,15の5値を
とっていることがわかる。この理由について説明する。
【0012】図4はバーカ符号の自己相関特性を示す図
である。ここで、データのとり方として、(1,1),
(−1,−1),(1,−1),(−1,1)の4通り
が考えられる。この場合、各々の違った自己相関値を示
す。なお、ここでEVENとは偶相関のことで、ODD
とは奇相関のことである。遅延多重する場合を考える
と、拡散して多重するが、スペクトル拡散においては線
形和が保たれるので、多重した信号を逆拡散した場合、
各々の相関値も線形和となっている。すなわち、多重し
た場合、各々の自己相関の線形和が相関器出力として得
ることができることになる。つまり、自己相関のサイド
ローブと呼ばれる11または−11以外の相関のとれて
いないところが悪影響を及ぼす。
【0013】図5はその例を示す図である。図5(a)
〜(e)がそれぞれの本来得られる相関出力とする。そ
れぞれは2または3チップずつ遅延している。そして、
その線形和した信号を合計として示したのが図5(f)
である。したがって、遅延多重した場合の復調器におけ
る信号は、この信号に相当する。この結果として、相関
スパイク時の信号が7,9,11,13,15(絶対
値)となることがわかる。
【0014】図6は上述のごとく相関値がばらついた場
合に、QPSK変調を用いたときの信号点分布を示す図
である。これは逆拡散後の信号点をI,Q軸上の位相面
に示したものであり、そのうちの第1象限のみを示して
いる。
【0015】本来、11の相関値であれば、二重丸の点
に信号がくるはずであるが、先ほどの説明のように、提
案された例では、図6に示すように広く信号点が広がる
ことになってしまう。このときの広がりは39.96°
になる。
【0016】さて、位相変調を復調する場合において、
データの判別は、その位相角によって行なわれる。たと
えば、QPSKにおいては、その位相角が0−90°の
ときにはデータは(1,1),90−180°のときに
は、データは(−1,1)…と判断する。したがって、
本来、信号点は(1,1)のときには、45°の点に信
号があるので、雑音に対する余裕度Δθは+45°から
−45°までとなる。しかし、先ほどの提案した例にお
いて多重した場合、たとえば(15,7)の相関出力の
信号点の場合、その角度は25.02°に信号点がある
ことになり、雑音に対する余裕度Δθは−側が−25.
2°となり、特性の劣化を引き起こしていた。図1に示
した例では、DQPSK方式を用いているので、差動後
の角度広がりは39.96×2=79.92°となり、
角度余裕度がさらに小さくなってしまう。
【0017】図7はその状態における誤り率の劣化を示
す図である。このときの劣化は、たとえばBER=10
E−4で(17.2−3.4=)13.8dBになる。
このうち、7dB分は1信号当りの電力が1/5になっ
た分であるので、信号点が広がった、すなわち、相関出
力が自己相関による劣化によって7−15に変化したこ
とによる劣化は6.8dBである。このように、前述の
提案した例における遅延多重方式は、高速伝送が可能に
なるものの、誤り率が劣化するという問題点があった。
【0018】それゆえに、この発明の主たる目的は、高
速伝送が可能であってしかも誤り率の少ないスペクトル
拡散通信受信方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
直接拡散をするスペクトル拡散通信において、同一の拡
散符号で拡散した信号を任意の数チップずつ遅延多重し
て送信するシステムであって、その拡散符号は自己相関
のサイドローブが奇相関、偶相関にかかわらず、前デー
タまたは後データの一方の値により一義的に決まる符号
を用いるシステムにおいて、キャンセルを施す相関を中
心として、その前後に各々(多重数−1)分のデータタ
イミングの相関を保持し、前データ,後データの選択を
行なって一義的に決まる前データ,後データの相関値を
選択して加算し、拡散率にて除算し、キャンセルを施す
相関値に加減算することによって、自己相関のサイドロ
ーブをキャンセルするように構成される。
【0020】請求項2に係る発明は、請求項1の相関値
を多重数分だけブロック化し、ブロック化したデータの
1つにキャンセルを施す場合において、それ以外の前デ
ータ,後データの組合せがすべてブロック内のデータで
処理できるように遅延量を制御し、相関の保持はブロッ
ク分だけ保持し、その相関値の中からキャンセルを施す
信号以外の相関値を選択して加算し、拡散率にて除算
し、キャンセルを施す相関値に加減算することによっ
て、自己相関のサイドローブをキャンセルする。
【0021】請求項3に係る発明では、バーカ符号を用
いる場合に自己相関のサイドローブが相関のキャンセル
に用いる基準となる信号に異符号になる11チップの符
号を用いるときには、除算する値はk多重の場合には1
1−k+2で除算し、自己相関のサイドローブが相関の
キャンセルに用いる基準となる信号に同符号になる13
チップの符号を用いる場合には、除算する値はk多重の
ときには13+k−2で除算することによって、キャン
セル符号の相関値が一定値となり、さらに特性を向上で
きる。
【0022】請求項4に係る発明では、請求項1または
2の発明において、PDIを用いて復調する場合におい
て、PDIに用いる復調タイミングにおいても、自己相
関のサイドローブをキャンセルするために、キャンセル
を施すPDIに対応する相関を中心として、前記その前
後に各々(多重数)分のデータタイミングの相関を保持
し、前データ,後データの選択を行なって、一義的に決
まる前データ,後データの相関値を選択して加算し、拡
散率にて除算し、キャンセルを施すPDIのタイミング
の相関値に加減算することによって、自己相関のサイド
ローブをキャンセルすることにより、PDI時の特性を
向上できる。
【0023】請求項5に係る発明では、請求項1の相関
値を多重数分だけブロック化し、ブロック化したデータ
の1つにキャンセルを施す場合において、キャンセルさ
れるデータが属するブロックのすべてのデータを加算
し、拡散率にて除算し、キャンセルを施す相関値に加算
することによって自己相関のサイドローブをキャンセル
する。
【0024】請求項6に係る発明では、請求項5の除算
はバーカ符号を用いる場合に、自己相関のサイドローブ
が相関のキャンセルに用いる基準となる信号に異符号に
なる11チップの符号を用いるときには、除算する値は
k多重の場合には11−k+1で除算し、自己相関のサ
イドローブが相関のキャンセルに用いる基準となる信号
に同符号になる13チップの符号を用いる場合には、除
算する値はk多重のときには13+k−1で除算する。
【0025】請求項7に係る発明では、11チップのバ
ーカ符号を用いる場合には除算する値を8とし、下位3
ビットを除去して3ビットずつデータをシフトすること
で除算演算し、13チップのバーカ符号を用いる場合に
は、除算する値を16として、下位4ビットを除去して
4ビットずつデータをシフトする。
【0026】請求項8に係る発明では、さらに利得を可
変して受信信号の振幅レベルを制御し、その出力をディ
ジタル化して量子化し、その相関出力を用いて利得制御
し、その基準とする相関出力には請求項1の自己相関の
サイドローブをキャンセルしたキャンセル後の相関出力
を用いる。
【0027】
【発明の実施の形態】図8はこの発明の第1の実施の形
態の受信系を示す図である。なお、送信系は図1に示し
たものが用いられる。図8において、アンテナ21で受
信した信号は周波数変換部23によって局部発振器24
からの局部発振信号に基づいて周波数変換されてベース
バンド信号に変換された後、コリレータ25によって相
関がとられる。この相関は相関スパイクのタイミングで
ラッチ部32にラッチされ、その後相関処理部33によ
って自己相関による劣化がキャンセルされ、その相関出
力は分配器26に与えられて分配され、ラッチコントロ
ーラ29からの制御信号によりラッチ部27,28にラ
ッチされる。ここで、前述の具体例によれば、ラッチ部
27,28に2チップまたは3チップでラッチされる。
ラッチ部27,28の出力は差動部30によって差動が
とられ、その後、判別部31で判別されて復調される。
【0028】図9は図8に示した相関処理部の具体例を
示すブロック図である。この図9に示した相関処理部3
3は5多重している場合の例である。また、図9では1
系列しか示していないが、図8に示した例のようにする
には2系列必要とされる。
【0029】入力された信号は入力ビット数に応じたシ
フトレジスタ34に入力され、所望とするデータ復調タ
イミングの相関スパイクに対して、前後4つずつの相関
スパイクが保持される。これらの信号はタイミング発生
器36から発生されるタイミング信号に基づいて、セレ
クト機能付演算器35によって演算される。なお、タイ
ミング発生器36は、入力信号と出力信号のタイミング
を、図示していない相関同期回路の信号によって合わせ
ている。
【0030】図10は図9に示したセレクト機能付演算
器35の具体的な構成を示す図である。図10におい
て、セレクト機能付演算器35はセレクタ351〜35
4と加算器355と除算器356とタイミングコントロ
ーラ357とラッチ部358と加減算器359とを含
む。
【0031】図11は図10に示したセレクト機能付演
算部の動作を説明するためのタイミング図である。図1
1において、求めたい相関スパイクを図11のEの信号
とすると、この信号の相関スパイクの値を変化させてい
るサイドローブは、1−4の信号のそれぞれの所望の信
号を挟んで4つずつである。すなわち、図11(a)に
示す信号のAとF,図11(b)に示す信号のBとG,
図11(c)に示す信号のCとH,図11(d)に示す
信号のDとIである。これらの4つの信号の組合せ(E
VEN,ODD)によってEのタイミングの自己相関サ
イドローブ(E1,E2,E3,E4)が決まり、その
結果、Eにこれらの信号が加算されて図11(f)に示
すE′の信号となる。ここで、各信号E1,E2,E
3,E4についてさらに詳細に検討してみる。
【0032】前述のごとく図4にバーカ符号の自己相関
特性を示したが、注意深く見てみると、自己相関を決め
る前後のデータを前データ,後データと呼ぶとすると、
相関スパイクのタイミングに対して、偶数チップ後は後
データにかかわらず、前データに対して異符号で絶対値
が1の自己相関となり、一方、奇数チップに対しては前
データにかかわらず、後データに対して異符号で絶対値
が1の自己相関特性となる。
【0033】これを信号E1について考えてみると、E
1はAの相関スパイクから偶数チップ(8チップ)後の
信号であるので、Aのデータに対して異符号であり−1
となる。また、信号E2について考えてみると、E2は
Bの相関スパイクから偶数チップ(6チップ)後の信号
であるので、Bのデータに対して異符号であり−1とな
る。これをE3について考えてみると、E3はCの相関
スパイクから偶数チップ後の信号であるので、Cのデー
タに対して異符号であり−1となる。これをE4につい
て考えてみると、E4はDの相関スパイクから偶数チッ
プ後の信号であるので、Dのデータに対して異符号であ
り−1となる。
【0034】これらのことから、E′の信号をEに戻す
には、E′からE1,E2,E3,E4を引くこと、す
なわち、A,B,C,Dの異符号成分で、1/11の値
を引けばよいことになる。このことは、A,B,C,D
を加算したものに1/11の処理をしてE′加えたこと
に等しい。
【0035】再び図10を参照して、セレクタ351に
はAとF,セレクタ352にはBとG,セレクタ353
にはCとH,セレクタ354にはDとIの信号が入力さ
れている。前述の例では、セレクタ351〜354は信
号A,B,C,Dを選ぶことになる。その後、信号A,
B,C,Dは加算器355によって加算され、その後除
算器356によって1/11の除算が行なわれ、その信
号が加減算器359によってE′に加算される処理が行
なわれ、その後ラッチ部358にラッチされて出力され
る。
【0036】図11に示した例では、すべて2チップず
つのずれであったために、すべて前データを使えばよか
ったが、これが奇数チップである場合には、後データを
使うことになる。たとえば、基準をFにとれば、BとF
は9チップ離れているので、後データつまりGを使えば
よいことになる。このように、前データを使うか、後デ
ータを使うかは、求めたいデータとその前後の重なって
いる各々4つ分のデータとの遅延関係に依存してくる。
【0037】図12は図10に示したセレクタを切換え
るタイミングの決め方を示したフローチャートである。
図12において、まずN=0に初期化し、その後N+1
し、相関スパイク位置判別処理で奇数チップであるかあ
るいは偶数チップかを判別し、次の処理で前データを使
うか後データを使うかを決定し、これにより各セレクタ
351〜354をいずれに合わせればよいかを決定す
る。これを全セレクタ分決めてからセレクタを切換える
動作が行なわれる。
【0038】このタイミングは、外部からのタイミング
発生器によって、現在の受信データの遅延多重処理によ
り行なう。この遅延多重情報は、多重数,遅延量をシス
テムで一義的に決めることによって偶数チップの遅延か
あるいは奇数チップの遅延であるかによって決まってく
る。また、セレクタ351〜354の決定は図12に示
すフローチャートで示したが、実際には毎回判別処理な
どをする必要がなく、たとえば5多重時の遅延量はシス
テムで決めた固定値になるので、順次繰返しで決められ
た順序でセレクタ351〜354を切換えるような回路
が実際的である。
【0039】図13は前述のごとく処理したときの相関
スパイクの相関出力の絶対値を示す図である。この図1
3から明らかなように、前述の図3に示した例に比べて
11に近づくことがわかる。ここで、完全に11になっ
ていないのは、前後のデータの加算に用いたデータが、
実際にはA,B,C,Dではなく、A′,B′,C′,
D′であり、これ自体も11から変化していることによ
る誤差が含まれているためである。次に、この発明をD
QPSKに適用した場合について説明する。
【0040】図14はこの発明の説明に用いる位相面上
のベクトルを示す図であり、図15は多重時のベクトル
変化を示した図である。
【0041】自己相関のサイドローブによる影響がない
と仮定すると、データは図14に示すように、各ベクト
ルA,B,C,D,Eで表わされる。実際は自己相関の
サイドローブがあるために図15に示すようになる。こ
こで、前提条件として、前述の例のように前データのみ
が影響する偶数チップに遅延している場合を考える。ま
た、簡単のためベクトルA,B,C,Dは11の出力を
得ていて、各々が変化していることは無視するものとす
る。各ベクトルA,B,C,Dにより、自己相関のサイ
ドローブにより発生するベクトルはEA,EB,EC,
EDであり、これとEの合成ベクトルとなり、E′のベ
クトルとして現われる。
【0042】ここで、I,Q軸に対して、各々Aは(1
1,11),B、C、Dは(−11,11)の信号であ
るので、そのサイドローブにより発生するベクトルも
(−1,−1),(1,−1)となる。このことから、
図8に示すように、I,Qを独立して演算することがで
き、その結果のI,Q成分の独立した演算でベクトル
E′をベクトルEに戻せることがわかる。
【0043】図16はこの発明の一実施形態における位
相面上のベクトルを示した図であり、位相面が傾いてい
る場合のベクトル図であり、図17は位相面が傾いてい
る場合の多重時のベクトル変化を示した図であって、図
16は図14に相当し、図17は図15に相当する。こ
れは非同期システムで受信した場合に位相面が傾いてい
るときのものである。
【0044】図16および図17に示した例において、
信号の軸は傾いているものの、ベクトルとして考える
と、やはりA,B,C,Dと同一軸上にあることがわか
る。ベクトルの演算において、同一軸上であれば、I,
Q別々に1/11にして異符号化すれば、各ベクトルE
A,EB,EC,EDになることから、図8〜図10の
回路において、自己相関のサイドローブの影響をキャン
セルできることがわかる。
【0045】図18はこの発明の一実施形態の誤り率の
改善を示した図である。この図18は、DQPSKのシ
ステムにおいて、提案された例とこの発明を用いたとき
の違いをシミュレーションにより求めたものである。横
軸はC/Nで、縦軸は誤り率を示している。この発明の
一実施形態を用いることにより、BER=1.0E−0
4付近で6dB改善していることがわかる。また、今回
の実施形態においては、自己相関のサイドローブが前デ
ータまたは後データの一方のみで決まることを利用して
処理している。しかし、自己相関のサイドローブ一方の
みで決まらない場合、すなわち、前データと後データの
組合せによって決まる場合を考える。Aのベクトルに対
して、Fのベクトルが後データとすると、Fのベクトル
のとり得る場合4つ各々に対して、キャンセルすべきベ
クトルが異なってくるので、そのベクトルを求める必要
がある。その場合、ベクトルはAベクトルの軸上にのら
ないこともあるので、A,Fのベクトルから演算してキ
ャンセルすべきベクトルを求める必要がある。これは非
同期システムのように信号の軸が不明な場合には、さら
に軸を推定して求めなくてはいけないので、さらに困難
となる。
【0046】また、雑音により軸が分散を持つ場合も、
同様に演算は困難となる。しかし、この発明の一実施形
態においては、Aの軸上の演算だけでよく、図8〜図1
0の回路で実現でき、回路は簡単となる。
【0047】上述のごとく、この発明の一実施形態を用
いることによって、自己相関のサイドローブの影響によ
る信号振幅の変化を減ずることができ、誤り率を飛躍的
に向上できるようになる。また、この発明の一実施形態
においては、拡散符号の特性に着目し、前データまたは
後データのどちらかを判定して、そのベクトル成分から
処理するために重なっている4つのデータの前後を加味
してベクトル的に処理する必要がなく、加算するのは受
信信号の信号のみでよいので、回路の簡易化が図れる。
また、非同期システムにおいても、前後の受信した信号
に対して処理するだけでよいので、軸推定などせずにそ
のまま適用できるという特徴がある。
【0048】なお、上述の説明は、拡散符号としてバー
カ符号の5多重のみについて説明したが、これは他の符
号でも他の多重数でも可能である。このときの符号の条
件は、自己相関のサイドローブが前データまたは後デー
タによって一義的に決まればよい。これはバーカ符号の
ようにサイドローブすべての遅延量にわたって前デー
タ,後データによって決まる必要がなく、前データ,後
データのみによって決まる位置に遅延した信号の相関ス
パイクがくるようにすればよい。この例を15チップで
構成されるm系列を用いて説明する。
【0049】図19は15チップのm系列の自己相関を
示す図である。この図19に示した符号は(11110
1011001000)で表わされる。図19も同じよ
うに見てみると、5チップ目については、後データと異
符号で大きさが1となり、10チップ目については前デ
ータと異符号で大きさが1となる。
【0050】図20はm系列の信号を遅延して多重した
ときの相関値を数値で示したものであり、図5のような
相関出力を数値として示したものである。各々の相関ス
パイクである15または−15のときには、多重してい
る信号は1または−1であり、前データ,後データから
一義的に符号が決まることから、この発明を使えること
がわかる。このように、この発明においては、上述の条
件を満たす符号において幅広く応用できることがわか
る。また、前述の例では、異符号になっていたが、次に
同符号の例を示す。この例として13チップのバーカ符
号を例に示す。13チップのバーカ符号は、(1,0,
1,0,1,1,0,0,1,1,1,1,1)で示さ
れる。
【0051】図21は13チップのバーカ符号の自己相
関を示した図である。図21において、相関スパイクの
タイミングに対して、偶数チップ符号は、後データにか
かわらず、前データに対して同符号で絶対値が1の自己
相関となり、一方、奇数チップに対しては前データにか
かわらず、後データに対して同符号で絶対値が1の自己
相関特性となる。このことから、前述の例とは反対に減
算すればよいことがわかる。このとき、図10に示した
加減算器は減算動作となる。
【0052】次に、この発明の第2の実施形態について
説明する。その例として、先ほどと同様に11チップの
バーカ符号を用いて5多重する場合を考える。
【0053】図22はこの発明の第2実施形態における
相関処理部のブロック図である。まず、回路構成を説明
する前に、遅延量を2,2,2,2,3とした場合の自
己相関のキャンセルに用いるデータについて検討する。
図11において、F′のキャンセルに用いるのはG′,
H′,I′,J′のデータであり、G′のキャンセルに
用いるのはF′,H′,I′,J′のデータであり、
H′のキャンセルに用いるのはF′,G′,I′,J′
のデータである。
【0054】一方、I′のキャンセルに用いるのは
F′,G′,H′,J′のデータであり、J′のキャン
セルに用いるのはF′,G′,H′,I′のデータであ
る。つまり、F′,G′,H′,I′,J′の5つのデ
ータを1ブロックとして各々必要とする信号に対して、
それを除いた4つを用いればよいことになる。したがっ
て、回路構成は5データ分しか必要としないので、図9
に比べて図22に示すように5データ分のデータをシフ
トする回路構成でよくなる。すなわち、図22に示した
ように、相関処理部43は5ビットのシフトレジスタ4
4とラッチ回路45スイッチ45とセレクト機能付演算
器46、タイミング発生器47とから構成される。
【0055】図23は図22に示したセレクト機能付演
算器46の内部構成を示す図である。図23において、
入力された5つの信号は、それぞれスイッチ451〜4
55に入力される。ここでは、必要とする信号以外の4
つの信号はオンにされ、必要とされる信号はオフとして
通過しない。その結果、加算器461は、必要とする信
号以外の4つの信号を加算する。また、セレクタ466
には5つの信号が入力され、必要とする信号のみ選ばれ
る。それ以外の動作は前述の図10と同じである。この
ように、この実施形態では、前後のデータのすべてをセ
レクタ466で選ぶ必要がなく、1つのブロックとして
処理できるようになる。このようにするためには、用い
る符号と遅延量を選ぶ必要がある。
【0056】第1の実施形態で説明したように、この発
明では、前データ,後データの一方のみ使うことを特徴
としている。したがって、ブロック化したデータの1つ
目のキャンセルには、残りの多重波の後データを用い、
2つ目のデータのキャンセルには、1つ目の前データと
残りの後データを使うようにすればよい。このように、
順次3つ目,4つ目,…が条件を満たせばよい。たとえ
ば、11チップのバーカ符号であれば、連続した偶数チ
ップの遅延量と1つの奇数チップの遅延量とから構成さ
れればよい。このような条件を満たすことによって、図
22および図23に示した回路構成で自己相関のサイド
ローブをキャンセルできるようになる。
【0057】次に、この発明の第3の実施形態について
説明する。11チップのバーカ符号を用いた場合、第1
および第2の実施形態では、拡散に用いた符号長11で
割ってから加算した。これは、図11に示したように、
Aに対してE1が1/11だったからである。しかし、
現実の回路においては、図10に示すように、相関出力
であるA′から演算するので、図13のように完全には
11に戻らず、残留成分が存在した。
【0058】そこで、変化した相関値とそれ以外のデー
タの加算値について注目する。前述のごとく、5多重し
た場合を考えると、相関値は7,9,11,13,15
と、−7,−9,−11,−13,−15をとる。この
ときのそれ以外の4つの加算値は、各々28,12,−
4,−20,−36と、−28,−12,4,20,3
6となる。このことから、各々は等差の値でその差は1
6であることがわかる。したがって、データ2の変化に
対して、−16の変化であるので、8で割ると、すべて
同一の値に収束することがわかる。したがって、前述の
5多重の例では、11で割る代わりに、8で割ることに
よってすべてが10.5の値に集約することになる。
【0059】これを数学的に説明すると、バーカ符号の
自己相関のサイドローブは、連続する相関スパイクの相
関値をCork ,Cork+1 とすると、次式で表わされ
る。
【0060】
【数1】
【0061】したがって、5多重した信号において、各
遅延時間差が2,2,2,2,3であることから、干渉
を受けた1〜5系列の相関スパイク値は、次式となる。
【0062】
【数2】
【0063】ここで、Corl , k は、本来の相関スパ
イク値である。したがって、この実施形態のように8で
割ると、次式となる。
【0064】
【数3】
【0065】この結果、10.5になることがわかる。
これは順同期方式にも適用できる。順同期方式において
は、送受信間の周波数は、ほぼ一致しているものの位相
までは一致していないため、受信機におけるI,Q軸に
対して、受信信号のベクトルのとる位相は不定である。
このときの受信信号にホワイトノイズが重畳している場
合について考える。
【0066】図24は受信信号にホワイトノイズが重畳
している場合のベクトルを示す図である。このときの受
信信号をベクトルで示すと、送信位相に対して位相がθ
ずれ、本来の自己相関信号のベクトルと、ホワイトノイ
ズベクトルと、多重している残りの4波のサイドローブ
ベクトルのベクトル和となる。サイドローブベクトル
は、ブロック化した4波の自己相関成分の1/11であ
る。
【0067】このとき、加算するのは、前後の4つの受
信信号ベクトルであるので、各々にノイズを含んだもの
となっている。位相のずれをθとすると、順同期方式に
より、I相,Q相の相関器に出力される信号は次式のよ
うになる。
【0068】
【数4】
【0069】これを用いて、この発明における相関改善
方法を各々、I相,Q相独立に処理を施す。
【0070】
【数5】
【0071】同様に
【0072】
【数6】
【0073】この結果、値は10.5となり、干渉とな
る多重波の自己相関のサイドローブが順同期復調方式に
おいても完全に除去できることがわかる。
【0074】図25はこの第3の実施形態における相関
スパイクの相関値の絶対値を示したものであり、図13
に対応しており、すべて10.5になっていることがわ
かる。その結果、キャンセル後の位相は、第1の実施形
態ではまだばらつきが残っていたものが1点になること
になり、位相誤差を小さくすることができる。その結果
を図26に示す。この図26は図18に対応するもので
あり、この第3の実施形態を用いることによってさらに
誤り率が改善していることがわかる。このように、第3
の実施形態では、11の代わりに8で割ることによっ
て、さらに誤り率を改善できる特徴がある。
【0075】なお、上述の説明では、5多重のみ説明し
たが、これが4多重のときには、−18の等差となり、
9で割ればよいことになる。同様に、3多重,2多重の
ときには、各々10,11で割れば、すべて1つの位相
に集約する。
【0076】次に、13チップのバーカ符号を用いた場
合について考える。ここで、6多重した場合を考える
と、相関値は8,10,12,14,16,18と、−
8,−10,−12,−14,−16,−18をとる。
このときのそれ以外の5つの加算値は各々−80,−4
6,−12,22,56,90と、80,46,12,
−22,−56,−90となる。このことから、各々は
等差の値でその差は34であることがわかる。したがっ
て、データ2の変化に対して34の変化であるので、1
7で割るとすべて同一の値に収束することがわかる。し
たがって、6多重の例では、13で割る代わりに、17
で割ることによってすべてが12.7の値に集約するこ
とになる。また、これが5多重のときには、16で割れ
ばよく、同様に4多重,3多重,2多重のときには、各
々15,14,13で割れば、すべて1つの位相に集約
する。このように、11値のバーカ符号のように異符号
に自己相関のサイドローブが発生する場合は、多重数が
増えるごとに割る数を1ずつ減らし、一方、13チップ
のバーカ符号のように同符号に自己相関のサイドローブ
が発生する場合は、多重数が増えるごとに割る数を1ず
つ増やしていけばよい。
【0077】次に、この発明の第4の実施形態として、
スペクトル拡散において、PDIと呼ばれる技術が用い
られる場合への適用例について説明する。
【0078】図27はPDI回路の構成を示す図であっ
て、“スペクトル拡散通信システム”横山光雄著・科学
技術出版社に記載されたものである。図27において、
受信信号は整合フィルタ51に入力され、その出力には
到来時間と信号強度に応じて複数のピークを持つパルス
列が現われる。これらのパルス列はトランスバーサルフ
ィルタ52に入力される。このトランスバーサルフィル
タ52の遅延線の時間長は最大の遅延広がりに合わせら
れている。トランスバーサルフィルタ52の出力と制御
フィルタ51の出力は乗算器53に与えられて乗算さ
れ、同期検波が行なわれる。この乗算により、パルス列
のピーク値が強調され、低レベルの雑音成分が弱められ
る。乗算器53の出力は積分器54に与えられ、TM
時間積分されて、遅延広がりで時間的に分散している信
号が寄せ集められる。この操作によって、ダイバーシテ
ィが実現される。そして、判定回路55によって信号成
分が判定される。このように、PDI技術においては、
遅延波によって広がった信号をすべて復調に使う技術で
あり、フェージング状況下での誤り率を改善できるとい
う特徴がある。
【0079】図28はPDIの説明のための相関出力を
示す図である。図28の点線で示す理想的な状態で、遅
延波のない状態の相関波形を示したものであり、これに
遅延波が1波加わった場合の状態を図29に示す。図2
9において、aが元の相関波形であり、bが遅延波であ
り、cが合成した波形である。本来のPDIでは、図2
7に示したように、積分器54で積分するが、ここでは
簡易のために2つのサンプル点での信号を復調に用いる
とすると、図29(1)で元の信号が復調され、(2)
で遅延波成分を復調でき、PDIを使うことでPDIを
使わない単一の場合に比べて性能が向上することがわか
る。
【0080】そこで、今回の多重した場合について考え
る。この場合、実際の相関出力は図27の実線のように
なり、点線の理想状態から変化している。これは、自己
相関のサイドローブが相関スパイク以外のところでも影
響しているためである。
【0081】図30はPDIの説明のための相関出力を
示したものであって、自己相関のサイドローブの影響で
変化している様子を示したものである。図30に示すb
の相関のときにaの相関が0でないために合成した出力
cは(1)のサンプル点でも、(2)のサンプル点でも
元の出力から下がってしまう。誤り率はこの出力の信号
成分と雑音成分の比(C/N比)で決まってくるため
に、誤り率が劣化するという問題が生じていた。
【0082】これを解決するには、この発明における自
己相関のサイドローブをキャンセル手法を元の相関スパ
イクだけでなく、PDIで用いる遅延波の相関スパイク
の点においても用いればよい。
【0083】図31はこの発明をPDI受信機に適用し
た例を示すブロック図である。この図31は以下の点を
除いて前述の図8と同じである。すなわち、コリレータ
25の出力が遅延波のタイミングでPDI用ラッチ部6
1にラッチされ、このPDI用ラッチ部61の出力がP
DI用相関処理部62に入力され、ラッチ部32にラッ
チされていた相関スパイクの相関出力信号もPDI用相
関処理部62に与えられ、相関処理部33からタイミン
グ信号がPDI用相関処理部62に与えられる。PDI
用相関処理部62の出力と相関処理部33の出力は合成
部63によって合成され、分配器20に与えられる。さ
らに、差動部30の出力にはPDI部64が設けられ、
PDI処理された後判別部31に与えられる。
【0084】図32は図31に示したPDI用相関処理
部の構成を示すブロック図である。PDI用相関処理部
62はシフトレジスタ621,622とセレクト機能付
演算器623とから構成される。
【0085】PDIは遅延波の相関スパイクのタイミン
グでのキャンセルを行なう必要があるが、その影響を及
ぼしているのは元の相関スパイクタイミングでの信号の
サイドローブと、遅延波自体の自己相関のサイドローブ
である。したがって、キャンセルの基準とするものは、
元の相関スパイクタイミングでの相関信号とPDI用の
遅延波の相関スパイクのタイミングと2つある。この場
合、PDI用の遅延波の相関スパイクから受けるサイド
ローブは、前記相関スパイクのサイドローブのキャンセ
ルの仕方と全く同一である。つまり、遅延波を中心とし
た遅延波のタイミングでラッチした信号の前後各々(k
−1)個の遅延波の相関スパイクからキャンセルする。
【0086】一方、元の相関スパイクのキャンセルの場
合、前述の図4を例にとると、奇数遅延後は後データに
依存し、偶数遅延後は前データに依存する。このことか
ら、PDIタイミングにおいて影響を及ぼしている元の
信号が奇数遅延後か、偶数遅延後かを判断し、セレクタ
を切換えることによって、PDIタイミングにおいてキ
ャンセルすることができるようになる。
【0087】なお、この場合、第1の実施形態と異なる
のは、キャンセルを施す相関スパイクの前後の多重信号
に対してのみ加算するのではなく、すべての多重信号
(5多重なら5)について加算することである。これ
は、PDIがそれ自身の元となる相関スパイクの信号自
身のサイドローブの影響を受けているためである。
【0088】その結果、PDI用相関処理部62では、
図32に示すように、遅延波の信号の相関スパイクを2
(k−1)+1だけシフトレジスタ621で保持し、元
の相関スパイク2kをシフトレジスタ622で保持す
る。
【0089】図33は図32に示したセレクト機能付演
算器の構成を示すブロック図である。図33に示すよう
に、セレクト機能付演算器623は遅延波用演算器62
4と元の相関スパイクのサイドローブのためのサイドロ
ーブ用演算器625を含む。遅延波用演算器624は前
述の図10と同じである。このように構成することによ
って、遅延波の自己相関のキャンセルを行なってから、
元の信号のサイドローブをキャンセルできる。
【0090】なお、図33には、2つの演算器624と
625を別々に示したが、実際の処理には一体化するこ
とで、タイミングコントロール,加減算器,ラッチ回路
の共通を図ることができる。また、回路の小型化のため
に、どちらかの演算器だけ用いても性能を向上できる。
さらに、PDIに使う遅延波が2波以上の場合には、そ
の数だけ遅延波用の回路を用意すればよい。
【0091】図35は相関処理部の他の例を示すブロッ
ク図である。図35において、Dタイプフリップフロッ
プ100〜108がシリアルに接続されてシフトレジス
タが構成され、Dタイプフリップフロップ100の出力
とDタイプフリップフロップ105の出力がセレクタ1
12に入力され、Dタイプフリップフロップ101の出
力とDタイプフリップフロップ106の出力とがデータ
セレクタ111に入力され、Dタイプフリップフロップ
102の出力とDタイプフリップフロップ107の出力
とがデータセレクタ112に入力され、Dタイプフリッ
プフロップ103の出力とDタイプフリップフロップ1
08の出力とがデータセレクタ113に入力される。デ
ータセレクタ110と111の選択出力は加算器120
で加算され、データセレクタ112の選択出力とデータ
セレクタ113の選択出力が加算器122で加算され、
加算器120の加算出力と加算器122の加算出力とが
加算器121で加算される。加算器121の加算出力は
除算器130によって除算され、その除算結果とDタイ
プフリップフロップ104の出力とが加算器123によ
って加算される。
【0092】図36は図35の相関処理部を動作させる
ためのクロック信号を示すタイムチャートである。特
に、図36(a)はシステムクロック信号CLKであっ
て、(b)はブロックを構成するデータの先頭を示すB
SCLK信号であり、(c)は相関を示すSCLK信号
である。
【0093】次に、図35の動作について5多重を例に
して説明する。5多重の場合、図36(c)に示すよう
に、相関を示すSCLK信号としてBSCLK信号が出
力される間に5個のパルスが出力される。遅延チップ数
の組合せは、(2,2,2,2,3)とする。最初の2
チップ遅延のデータがDタイプフリップフロップ104
に入力されたとき、すなわちブロックの先頭を示すBS
CLK信号がアクティブになったとき、データセレクタ
110〜113の制御信号がリセットされ、各セレクタ
110〜113の入力側がすべてに接続される。次の
相関信号でセレクタ110が側に切換えられ、次の相
関信号でセレクタ111がに切換えられる。さらに次
の相関信号でセレクタ112が側に切換えられ、次の
相関信号でセレクタ113が側に切換えられる。この
時点で1つのブロックが終了し、セレクタ110〜11
3は側に接続される。次の相関信号が入力されるとき
には、BSCLK信号もアクティブになるので、セレク
タ110〜113はすべてに接続される。この繰返し
によって、自己相関部がキャンセルされる。
【0094】しかしながら、図35に示した例では、n
ビットのデータセレクタが必要となり、相関のパターン
でセレクタ110〜113を切換えなければならない。
【0095】次に、図35の構成を簡略化した実施形態
について説明する。図37は相関処理部のさらに他の例
を示すブロック図である。図37に示した実施形態は、
ブロックを構成するすべてのデータを加算し、同一のブ
ロックの間は復調したいデータにその加算合計を適当な
値で除算したものを加えるものである。
【0096】図37によって、Dタイプフリップフロッ
プ200〜205がそれぞれシリアルに接続され、Dタ
イプフリップフロップ203の出力とDタイプフリップ
フロップ204の出力が加算器223で加算され、加算
器223の加算出力とDタイプフリップフロップ202
の出力が加算器222で加算される。加算器222の加
算出力とDタイプフリップフロップ201の出力が加算
器221で加算され、加算器221の加算出力とDタイ
プフリップフロップ200の出力が加算器220で加算
される。加算器220の加算出力は除算器230によっ
て除算され、その除算出力がDタイプフリップフロップ
206にラッチされ、このラッチ出力とDタイプフリッ
プフロップ205の出力とが加算器224で加算されて
出力される。
【0097】BSCLK信号がアクティブになったと
き、加算器220〜223はそれぞれDタイプフリップ
フロップ200〜204にラッチされている加算値を加
算する。そして、加算器220の加算結果がたとえば拡
散符号長により除算器230によって除算され、Dタイ
プフリップフロップ206にラッチされる。そして、D
タイプフリップフロップ206にラッチされた値が加算
器224によってDタイプフリップフロップ205の復
調したい相関値に加算される。その結果、自己相関のサ
イドローブがキャンセルされる。そして、再びBSCL
K信号がアクティブになったときは、Dタイプフリップ
フロップ200〜204にラッチされているデータが次
のブロックのデータになっているので、再び加算結果が
更新され、同じ操作を繰返すことになる。これにより、
キャンセルに使用するデータを選択する必要がなくな
り、図35で示したようなデータセレクタ110〜11
3を不要にでき、その制御も必要なくなることになる。
【0098】ここで、わかりやすくするために実際の復
調データについて検証する。たとえば、ノイズなど、自
己相関のサイドローブ以外の影響が全くない場合の相関
器出力を列挙すると次のようになる。 …、−11、13、−11、−11、13、−9、−
9、15、−9、−9、7、7、7、7、7、… これらをわかりやすくするために、ブロックごとに()
で区切ると、 …、)(−11、13、−11、−11、13、)(−
9、−9、15、−9、−9、)(7、7、7、7、
7、)(… といったようになる。ここに記述したデータのサイドロ
ーブをキャンセルする要素は次のようになる。
【0099】最初のブロック、すなわち(−11、1
3、−11、−11、13、)が復調されるとき、図3
7の加算器220の合計は−7であり、たとえば拡散符
号長の11で除算すると、その値は約−0.64とな
る。これを相関値のそれぞれに加えると、最初のブロッ
クは(−11.64、12.36、−11.64、−1
1.64、12.36)となる。同様に次のブロックで
は加算合計が−21で除算結果は約−1.91である。
これを相関値に加えると、(−10.91、−10.9
1、13.09、−10.91、−10.91)とな
る。また、次のブロックでは演算後(10.18、1
0.18、10.18、10.18、10.18)とな
り、明らかに改善効果の得られることがわかる。
【0100】なお、上述の説明では、除算器230で合
計を拡散符号長の11で除算するようにしたが、7で除
算すると、キャンセル後のデータはすべてその絶対値が
12となり、自己相関のサイドローブの影響を完全に取
除くことができる。
【0101】前述の実施形態においては、多重数によっ
て11チップのバーカ符号を用いた場合では、相関値を
11−k+2で除算し、13チップのバーカ符号を用い
た場合には相関値を13+k−2で除算した。しかし、
この除算のための回路の規模が大きくなる恐れがある。
たとえば、相関器の出力である各データが8ビットで表
わされるときに、仮に多重した他局の干渉を消すため
に、3つのデータを加算する場合を考える。このとき、
加算後のビット数は2ビット増えて10ビットとなる。
このビット数のデータを除算する場合、11−3+2=
10で除算することになるが、この除算には2つの点で
問題がある。
【0102】その1つには、データを10で除算するこ
とは、かなりの演算、たとえばCPUによる処理が必要
となり、回路規模の増大,高速演算の困難さが生じる。
もう1つの理由として、正確に算出するには、10ビッ
ト以上の演算結果となる。この後にデータ復調の演算を
行なうが、その演算がこの除算結果の値をそのまま用い
ると、多ビット(10ビット以上)で動作するデータ復
調部が必要となる。その結果、復調部の回路規模が大き
くなってしまう。これを防ぐためには、10で割った結
果を再び四捨五入などの手法によって桁数を8ビットな
どに直すなどの処理が必要となる。
【0103】図38は上述の問題を解消する実施形態を
示す図である。図38において、加算器250から出力
されたkビットの信号は下位3ビットを除いてk−3ビ
ット分が図34に示した加減算器359に入力される。
2ビットの演算において、下位1ビットを削ることは2
で割ることに等しく、2ビットを削ることは4で割るこ
とに等しい。したがって、3ビット削ることは8で割る
ことに等しくなる。このように、加算器250を設ける
ことによって、大幅な回路の小型化が可能となる。下位
3ビットを削ったことによって、キャンセルの性能は多
少劣化するものの、除算演算を大幅に簡易化できるとい
う利点がある。また、13チップのバーカ符号を用いる
場合には、4ビット削り、16で割ればよい。
【0104】図39はこの発明のさらに他の実施形態を
示す図である。図39において、図示しないアンテナで
受信されたスペクトル拡散信号は利得制御増幅器302
に与えられ、受信信号の振幅レベルが一定に保たれる。
利得制御増幅器302の出力は周波数変換器303,3
04に与えられ、発振器24からのローカル信号によっ
て周波数変換され、I,Qのベースバンド信号となり、
さらにA/D変換器306,307によってディジタル
データとなって相関器308,309に与えられ、相関
ピークが検出される。相関器308,309の出力は演
算部310によって二乗和の平方根が求められ、相関同
期およびラッチ部311に与えられる。相関器308,
309の出力も相関同期およびラッチ部311に与えら
れる。
【0105】データ処理部317は前述のデータ処理を
行ない、その出力が比較器313に与えられて最適値と
比較される。比較器313の出力はフィルタ315を介
してコントロール回路316に与えられ、利得制御増幅
器302の利得が制御される。
【0106】この実施形態では、従来7から15までば
らついていた相関出力のばらつきが小さくなる、あるい
はすべて同一の値に集約することができ、AGCに関わ
る残留変動を小さくあるいはなくすことができる。
【0107】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、キャ
ンセルを施す相関を中心として、その前後に各々(多重
波−1)分のデータタイミングの相関を保持し、前デー
タ,後データを選択して加算し、拡散率にて除算するこ
とによって、サイドローブ成分の逆ベクトル方向を算出
できるので、キャンセルを施す相関値に加減算すること
によって、自己相関のサイドローブをキャンセルでき
る。その結果、相関出力の位相面での広がりが小さくな
り、その結果、位相変調する場合において誤り率の改善
を図ることができる。
【0108】また、データ処理をすべてブロック外のデ
ータで処理できるようにすることによって、ブロック処
理できる利点がある。
【0109】また、バーカ符号を用いる場合に、11チ
ップの符号を用いるときには除算する値はk多重の場合
には11−k+2で除算し、13チップの符号を用いる
場合には除算する値はk多重の場合には13+k−2で
除算することにより、キャンセル後の相関値が一定値と
なり、位相広がりがなくなり、一点に集中してさらに特
性が向上できる。
【0110】PDIを用いて復調する場合には、相関ス
パイク以外の点でも自己相関のサイドローブをキャンセ
ルすることによって、PDI時の特性を向上できる。
【0111】相関長多重数分だけブロック化し、ブロッ
ク化したデータの1つにキャンセルを施すことにより、
キャンセルに使用するデータを選択する必要がなく、デ
ータセレクタを不要にでき、その制御も不要にできる。
【0112】また、バーカ符号を用いる場合に、11チ
ップの符号を用いるときには除算する値はk多重の場合
には11−k+1で除算し、13チップの符号を用いる
場合には除算する値はk多重のときには13+k−1で
除算することにより、キャンセル後の相関値が一定値と
なり、位相広がりがなくなり、一点に集中してさらに特
性が向上できる。
【0113】さらに、11チップのバーカ符号を用いる
場合には除算する値を8とし、下位3ビットを除去して
3ビットずつデータをシフトし、13チップのバーカ符
号を用いる場合には、除算する値を16とし、下位4ビ
ットを除去して4ビットずつデータをシフトすることに
より、除算回路を大幅に簡易化でき、回路規模の小型
化,低消費電力化を実現できる。
【0114】さらに、相関出力を用いて利得を可変して
受信信号の振幅レベルを制御することにより、残留誤差
を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明者らが先に提案したスペクトル拡散通
信方式の送信機を示すブロック図である。
【図2】本願発明者らが先に提案したスペクトル拡散通
信方式の受信機のブロック図である。
【図3】図2に示した受信機における相関スパイクの相
関出力の絶対値を示した図である。
【図4】バーカ符号の自己相関の値を示す図である。
【図5】多重時における相関出力の様子を示す図であ
る。
【図6】多重時の位相面を示す図である。
【図7】誤り率の特性を示す図である。
【図8】この発明の第1の実施形態を示す受信機のブロ
ック図である。
【図9】図8に示した相関処理部のブロック図である。
【図10】図9に示したセレクト機能付演算器の具体的
なブロック図である。
【図11】この発明の一実施形態における多重時の相関
出力の様子を示す図である。
【図12】図10に示したセレクタを切換えるタイミン
グを説明するためのフローチャートである。
【図13】この発明の第1の実施形態における相関スパ
イクの相関出力の絶対値を示す図である。
【図14】この発明の第1の実施形態における位相面上
のベクトルを示す図である。
【図15】この発明の第1の実施形態における位相面上
のベクトルを示す図であって、多重時のベクトル変化を
示したものである。
【図16】この発明の第1の実施形態に用いる位相面上
のベクトルを示した図であって、位相面が傾いている場
合のベクトル図である。
【図17】この発明の一実施形態に用いる位相面が傾い
ている場合の多重時のベクトル変化を示した図である。
【図18】この発明の一実施形態を用いた場合の誤り率
の改善を示す図である。
【図19】15チップのm系列の自己相関を示す図であ
る。
【図20】m系列の信号を遅延して多重したときの相関
値を数値で示した図である。
【図21】13チップのバーカ符号の自己相関を示す図
である。
【図22】この発明の第2の実施形態の相関処理部のブ
ロック図である。
【図23】図22に示したセレクト機能付演算器のブロ
ック図である。
【図24】受信信号にホワイトノイズが重畳している場
合のベクトル図である。
【図25】この発明の第2の実施形態における相関スパ
イクの相関値の絶対値を示す図である。
【図26】この発明の第2の実施形態における誤り率の
改善を示す図である。
【図27】PDIの構成を示すブロック図である。
【図28】PDIの説明に用いる相関出力を示す図であ
る。
【図29】PDIの説明に用いる相関出力を示したもの
であって、合成したときの相関出力を示す図である。
【図30】PDIの説明に用いる相関出力を示したもの
であって、自己相関のサイドローブの影響で変化してい
る様子を示す図である。
【図31】PDIのときのこの発明の実施形態を示すブ
ロック図である。
【図32】図31におけるPDI用相関処理部の構成を
示すブロック図である。
【図33】図32におけるセレクト機能付演算器の構成
を示すブロック図である。
【図34】図33におけるセレクト機能付演算器の構成
を示すブロック図である。
【図35】この発明のPDI用相関処理部の他の実施形
態を示すブロック図である。
【図36】図35におけるPDI用相関処理部の復調で
必要とされるクロック信号のタイミングチャートであ
る。
【図37】この発明のさらに他の実施形態におけるPD
I用相関処理部の構成を示すブロック図である。
【図38】この発明の他の実施形態における除算回路を
示す図である。
【図39】この発明のさらに他の実施形態を示す受信機
のAGC構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 受信アンテナ 23,303,304 周波数変換部 24 局部発振器 25 コリレータ 26 分配器 27,28,32 ラッチ部 29 ラッチコントローラ 30 差動部 31 判別部 33 相関処理部 34 シフトレジスタ 35 セレクト機能付演算器 36 タイミング発生器 51 整合フィルタ 52 トランスバーサルフィルタ 53 乗算器 54 積分器 55 判定回路 61 PDIラッチ部 62 PDI相関処理部 63 合成部 64 PDI部 100〜108,200〜206 Dタイプフリップフ
ロップ 110〜113 データセレクタ 120〜123,220〜223,250 加算器 130,230 除算器 302 利得制御増幅器 306,307 A/D変換器 308,309 相関器 310 演算部 311 相関同期およびラッチ部 313 比較器 315 フィルタ 316 コントロール回路 317 データ処理部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接拡散をするスペクトル拡散通信にお
    いて、同一の拡散符号で拡散した信号を、任意の数チッ
    プずつ遅延多重して送信するシステムであって、前記拡
    散符号は自己相関のサイドローブが、奇相関、偶相関に
    かかわらず、前データまたは後データの一方の値により
    一義的に決まる符号を用いるシステムにおいて、 キャンセルを施す相関を中心として、その前後に各々
    (多重数−1)分のデータタイミングの相関を保持し、
    前データ,後データの選択を行なって、一義的に決まる
    前データ,後データの相関値を選択して加算し、拡散率
    にて除算し、キャンセルを施す相関値に加減算すること
    によって、自己相関のサイドローブをキャンセルするこ
    とを特徴とする、スペクトル拡散通信受信方法。
  2. 【請求項2】 前記相関値を多重数分だけブロック化
    し、ブロック化したデータの1つにキャンセルを施す場
    合において、それ以外の前データ,後データの組合せが
    すべてブロック内のデータで処理するように遅延量を制
    御し、 前記相関の保持はブロック分だけ保持し、その相関値の
    中から、キャンセルを施す信号以外の相関値を選択して
    加算し、拡散率にて除算し、キャンセルを施す相関値に
    加減算することによって、自己相関のサイドローブをキ
    ャンセルすることを特徴とする、請求項1のスペクトル
    拡散通信受信方法。
  3. 【請求項3】 前記除算は、バーカ符号を用いる場合
    に、自己相関のサイドローブが相関のキャンセルに用い
    る基準となる信号に異符号になる11チップの符号を用
    いるときには、除算する値はk多重の場合には11−k
    +2で除算し、 前記自己相関のサイドローブが相関のキャンセルに用い
    る基準となる信号に同符号になる13チップの符号を用
    いる場合には、除算する値はk多重のときには13+k
    −2で除算することを特徴とする、請求項1または2の
    スペクトル拡散通信受信方法。
  4. 【請求項4】 さらに、PDIを用いて復調する場合に
    おいて、PDIに用いる復調タイミングにおいても、前
    記自己相関のサイドローブをキャンセルするために、キ
    ャンセルを施すPDIに対応する相関を中心として、前
    記その前後に各々(多重数)分のデータタイミングの相
    関を保持し、一義的に決まる前データ,後データの相関
    値を選択して加算し、拡散率にて除算し、キャンセルを
    施すPDIのタイミングの相関値に加減算することによ
    って、自己相関のサイドローブをキャンセルすることを
    特徴とする、請求項1のスペクトル拡散通信受信方法。
  5. 【請求項5】 前記相関値を多重数分だけブロック化
    し、ブロック化したデータの1つにキャンセルを施す場
    合において、キャンセルされるデータが属するブロック
    のすべてのデータを加算し、拡散率にて除算し、キャン
    セルを施す相関値に加算することによって、自己相関の
    サイドローブをキャンセルすることを特徴とする、請求
    項1のスペクトル拡散通信受信方法。
  6. 【請求項6】 前記除算は、バーカ符号を用いる場合
    に、自己相関のサイドローブが相関のキャンセルに用い
    る基準となる信号に異符号になる11チップの符号を用
    いるときには、除算する値はk多重の場合には11−k
    +1で除算し、 前記自己相関のサイドローブが相関のキャンセルに用い
    る基準となる信号に同符号になる13チップの符号を用
    いる場合には、除算する値はk多重のときには13+k
    −1で除算することを特徴とする、請求項5のスペクト
    ル拡散通信受信方法。
  7. 【請求項7】 前記11チップのバーカ符号を用いる場
    合には、前記除算する値を8とし、下位3ビットを除去
    して3ビットずつデータをシフトすることで除算演算
    し、 前記13チップのバーカ符号を用いる場合には、除算す
    る値を16とし、下位4ビットを除去して4ビットずつ
    データをシフトすることで除算演算をすることを特徴と
    する、請求項3のスペクトル拡散通信受信方法。
  8. 【請求項8】 さらに、利得を可変して受信信号の振幅
    レベルを制御し、その出力をディジタル化して量子化
    し、 前記相関出力を用いて利得制御し、その基準とする相関
    出力には前記自己相関のサイドローブをキャンセルした
    キャンセル後の相関出力を用いることを特徴とする、請
    求項1のスペクトル拡散通信受信方法。
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WO1998042094A1 (fr) * 1997-03-18 1998-09-24 Sharp Kabushiki Kaisha Systeme de communication directe a spectre disperse correspondant au mode multiplex temporise, et procede de communication utilisant le systeme
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