JPH09270270A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH09270270A
JPH09270270A JP8079974A JP7997496A JPH09270270A JP H09270270 A JPH09270270 A JP H09270270A JP 8079974 A JP8079974 A JP 8079974A JP 7997496 A JP7997496 A JP 7997496A JP H09270270 A JPH09270270 A JP H09270270A
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JP
Japan
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battery
mixed
aqueous solvent
solvent
secondary battery
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Application number
JP8079974A
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English (en)
Inventor
Tokuo Komaru
篤雄 小丸
Akira Yamaguchi
晃 山口
Masayuki Nagamine
政幸 永峰
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温環境下においても電池内圧が上昇するこ
となく、高い信頼性と高エネルギー密度を有する非水電
解液二次電池の提供する。 【解決手段】 正極、負極、及び混合非水溶媒に電解質
を溶解してなる非水電解液とから構成され、上記非水溶
媒は、化1で示される溶媒を1〜60体積%なる割合で
含有する混合非水溶媒である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液二次電
池に関し、特に非水電解液の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR(ビデオテー
プレコーダ)、携帯電話、ラップトップコンピューター
等の新しいポータブル電子機器が次々に出現し、ますま
すその小型軽量化が図られている。それに伴って、携帯
可能なポータブル電源として二次電池が脚光を浴び、さ
らに高いエネルギー密度を得るために、活発な研究開発
がなされている。従来、使用されている鉛電池や、ニッ
ケルカドミウム等の水系電解液二次電池よりも高いエネ
ルギー密度を有する二次電池としては、リチウムイオン
二次電池等の非水電解液二次電池が提案され、実用化が
始まっている。
【0003】このリチウムイオン二次電池の電池形態と
しては、スパイラル状に巻回した電極を円筒形ケースに
収納した円筒形電池と、折り込んだ電極や矩形状積層電
極または楕円状に巻回した電極を角形のケースに収納し
た角形電池とがある。角形電池は、円筒形電池よりもス
ペース効率が高いため、近年の機器薄形化に伴い益々そ
の需要が高まっている。
【0004】ところで、これらリチウムイオン二次電池
の非水電解液としては、高イオン導電性の液となるため
に、高誘電率、低粘度であり、また電池の作動温度範囲
を広くするために高沸点で低融点であるものが好まし
い。これら条件を満たすものとしては、これまでプロリ
ピレンカーボネート(以下、PCと称す。)等との混合
溶液が多く用いられている。また、PC等の高誘電率溶
媒が混合された混合溶媒は、単独溶媒系よりも高い電気
伝導度が得られる。そのため、例えば、高温環境下にお
いても正極活物質の安定性が高いジエチルカーボネート
(以下、DECと称す。)等の鎖状炭酸エステルが合わ
せて使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
DEC等の鎖状炭酸エステルは、沸点が130℃と低く
高温での非水溶媒の蒸気圧が高い。そのため、例えば、
PC(沸点:240℃)とDECとが等体積比で混合さ
れた非水電解液を用いた円筒形電池においては、90℃
での保存下においても容器の変形が見られなかったが、
一方、角形電池においては、高温に放置されると電池容
器の膨張が起きていた。これは、角形電池が、一般に、
円筒形電池に比べて電池内圧力により変形しやすく、電
池容器の形状が力学的に弱いからである。このような電
池の膨張は、特に、電池が高温環境下で放置された時に
顕著となる。そのため、角形電池においては、円筒形電
池で使用可能であった非水溶媒が同様の温度条件下にお
いても使用不可能となることがある。例えば、電極と端
子の集電を金属同士の接触で行う角形電池の場合には、
容器の膨張により接触抵抗が高まって良好な電池特性が
得られない。
【0006】勿論、変形を小さくする目的で、電池容器
の板厚を大きくして機械的強度を上げることも可能であ
るが、一方で電池内の体積が減少することにより、電池
内に収納できる活物質量が減少して電池容量が低下して
しまう。
【0007】そこで、本発明は、上述した問題を解決す
るために提案されたものであり、高温環境下においても
電池内圧が上昇することなく、高い信頼性と高エネルギ
ー密度を有する非水電解液二次電池の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る非水電解液
二次電池は、正極、負極、及び混合非水溶媒に電解質を
溶解してなる非水電解液とから構成され、上記非水溶媒
は、化3で示される溶媒を1〜60体積%なる割合で含
有する混合非水溶媒である。
【0009】
【化3】
【0010】化3で示される非水溶媒は、高温での正極
活物質の安定性が高く、かつ分子量が大きいため、高沸
点で高温での蒸気圧が低くなる。このため、この非水溶
媒を所定量含有する混合非水溶媒からなる電解液を使用
した非水電解液二次電池は、高温環境下においても、混
合非水溶媒の蒸気圧が低いため電池内圧が上昇するのを
抑制する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る非水電解液二次電池
は、正極、負極、及び化4で示される溶媒を含有する混
合非水溶媒に電解質を溶解した非水電解液とからなるも
のである。化4で示される非水溶媒の混合比は、上記混
合非水溶媒に対して1〜60体積%である。
【0012】
【化4】
【0013】ここで、先ず本発明に係る非水電解液二次
電池の非水電解液について説明する。
【0014】化4で示される非水溶媒は、炭酸エステル
の構造をもつため高温での正極活物質の安定性が高く、
かつ分子量が大きいために沸点が240〜250℃と高
く、高温での蒸気圧が低くなる。このため、この混合非
水溶媒からなる非水電解液を使用した角形電池において
は、高温に放置した場合においても電池容器の膨張が起
こらず、接触不良などによる電圧以上が起こらず高い信
頼性が得られる。また、円筒形電池においては、90℃
以上の温度においても電池内圧上昇にともなって作動す
る電流遮断装置等が作動することがなく、より高温で電
池を使用することができ、従来よりも使用温度範囲を広
げることができる。
【0015】なお、化4で示される非水溶媒において、
1及びR4で示されるアルキル鎖は、CH3、C25
37が好ましい。これ以上炭素数の多いアルキル鎖R
1、R4を使用した場合には、非水溶媒の分子量が大きく
なり、その結果、粘度が大きくなって非水電解液として
の導電率が低下するため好ましくない。
【0016】また、R2及びR3で示されるアルキル鎖
は、CH2、CH−CH3、CH−C25、C−(C
32が好ましい。これ以上炭素数の多いアルキル鎖R
2、R3を使用した場合には、分子量が大きくなり、その
結果、粘度が大きくなって非水電解液としての導電率が
低下するため好ましくない。また、アルキル鎖同士の立
体障害のために、化合物自体が不安定なものとなってし
まうため好ましくない。
【0017】この化4で示される非水溶媒は、従来の非
水電解液と同様にPC等の高誘電率溶媒と混合すること
により、単独溶媒系よりも高い電気伝導度が得られる。
さらに、低温特性等の改善のために、他の1つ以上の低
粘度溶媒を混合して使用することもできる。このとき化
4で示される非水溶媒の混合比は、、混合非水溶媒全体
量に対して1〜60体積%とするのが好ましく、10〜
50体積%とするのがより好ましい。この混合比は、電
池内圧上昇を抑える効果を充分に活かし、電池に要求さ
れる特性を満足するように選択される。
【0018】すなわち、化4で示される非水溶媒の混合
比が1体積%未満である場合には、上述した高温環境下
においての電池内圧上昇を抑える効果が見られない。ま
た、この混合比が60体積%を越えた場合には、特に低
温下において電池容量の低下がみられて、電池に要求さ
れる特性を満足しない。
【0019】なお、化4で示される非水溶媒と混合する
溶媒としては、以下のような溶媒が使用できる。高誘電
率溶媒としては、プロピレンカーボネイト(PC)、エ
チレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、
ビニレンカーボネート、スルホラン類、ブチロラクトン
類、バレロラクトン類等が好適である。低粘度溶媒とし
ては、ジエチルカーボネイト(DEC)、ジメチルカー
ボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート、メチ
ルプロピルカーボネート等の対称あるいは非対称の鎖状
炭酸エステル類が好適であり、さらにカルボン酸エステ
ル類、リン酸エステル類も使用可能である。
【0020】なお、負極に黒鉛を使用する場合には、黒
鉛によって分解され難いECを高誘電率溶媒として用い
るのが望ましく、その場合、ECの混合比は10〜70
体積%であることが好ましい。
【0021】上記混合非水溶媒に添加される電解質とし
ては、LiPF6が好適であるが、この種の電池に用い
られるものであればいずれも使用可能であり、例えば、
LiClO4、LiAsF6、LiPF6 、LiBF4
LiB(C654、LiCl、LiBr、LiSO3
3、LiSO3CF3、LiN(SO2CF32、LiC
(SO2CF33等が挙げられる。その濃度は0.5〜
2.0mol/lが好ましい。
【0022】一方、本発明の非水電解液二次電池の正
極、負極としては、以下のようなものが用いられる。
【0023】まず、上記正極は、特に限定されないが、
十分なリチウムを含んでいることが好ましく、例えば、
LixMOy(但し、MはCo,Ni,Mn,Fe,A
l,V,Tiの少なくとも1種である。x,yはリチウ
ム、酸素のそれぞれの組成比である。)で表せるリチウ
ムと遷移金属からなる複合金属酸化物や、リチウムを含
んだ層間化合物等が好適である。
【0024】また、上記負極の炭素材料は、これまで従
来の二次電池に用いられているものがいずれも使用可能
であるが、特に以下に列挙される炭素材料が好適であ
る。
【0025】この炭素材料としては、有機材料を焼成等
の手法により炭素化して得られる炭素質材料がある。出
発原料となる有機材料としては、フェノール樹脂、アク
リル樹脂、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセチレ
ン、ポリ(p−フェニレン)等の共役系樹脂、セルロー
スおよびその誘導体、任意の有機高分子系化合物を使用
することができる。その他、ナフタレン、フェナントレ
ン、アントラセン、トリフェニレン、ピレン、ペリレ
ン、ペンタフェン、ペンタセン等の縮合多環炭化水素化
合物、その他誘導体(例えば、これらのカルボン酸、カ
ルボン酸無水物、カルボン酸イミド等)、上記各化合物
の混合物を主成分とする各種ピッチ、アセナフチレン、
インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリ
ン、キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、アクリ
ジン、フェナジン、フェナントリジン等の縮合複素環化
合物、その誘導体も使用可能である。
【0026】また、特にフルフリルアルコールあるいは
フルフラールのホモポリマー、コポリマーよりなるフラ
ン樹脂も好適である。このフラン樹脂を炭素化した炭素
質材料は、(002)面の面間隔が0.370nm以
上、真密度1.7g/cm3以下、かつ示差熱分析(以
下、DTAと称す。)で700℃以上に酸化発熱ピーク
を持たず、電池の負極材料として非常に良好な特性を示
す。これら有機材料を焼成する温度としては、出発原料
によっても異なり、通常は500〜2000℃とされ
る。
【0027】さらに、上記有機材料としては、特定のH
/C原子比を有する石油ピッチに酸素を含む官能基を導
入(いわゆる酸素架橋)したものも上記フラン樹脂と同
様、炭素化したときに優れた特性を発揮することから使
用可能である。上記石油ピッチは、コールタール、エチ
レンボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール
類、アスファルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、
スチーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作
によって得られる。このとき、石油ピッチのH/C原子
比が重要で、難黒鉛化炭素とするためにはこのH/C原
始比を0.6〜0.8とする必要がある。
【0028】これらの石油ピッチに酸素を含む官能基を
導入する具体的な手段には、例えば硝酸、混酸、硫酸、
次亜塩素酸等の水溶液による湿式法、あるいは酸化性ガ
ス(空気、酸素)による乾式法、さらに硫黄、硝酸アン
モニア、過硫酸アンモニア、塩化第二鉄等の固体試薬に
よる反応を用いたもの等がある。これら手法により石油
ピッチに酸素を導入した場合には、炭素化の過程(40
0℃以上)で溶融することなく固相状態で最終の炭素質
材料が得られ、それは難黒鉛化炭素の生成過程に類似す
る。
【0029】これら手法による炭素化の際の条件は、特
に問われないが、(002)面の面間隔が0.370n
m以上、真密度1.7g/cm3以下、かつDTAで7
00℃以上に酸化発熱ピークを持たないという特性を満
足する炭素質材料が得られるように設定すればよい。そ
の結果、単位重量あたりのリチウムドープ量の大きなも
のが得られる。例えば、石油ピッチを酸素架橋した前駆
体の酸素含有量を10重量%以上とすることで、(00
2)面の面間隔を0.370nm以上とすることが出来
る。したがって、上記前駆体の酸素含有量は10重量%
以上にすることが好ましく、実用的には10〜20重量
%の範囲である。
【0030】また、上述した有機材料を用いて炭素質材
料を得る場合には、例えば、窒素気流中300〜700
℃で炭化した後、窒素気流中、昇温速度毎分1〜20
℃、到達温度900〜1300℃、到達温度での保持時
間0〜5時間程度の条件で焼成すれば良い。勿論、場合
によっては炭化操作を省略しても良い。
【0031】さらに、上記フラン樹脂や石油ピッチ等を
炭素化する際には、リン化合物或いはホウ素化合物を添
加して、リチウムドープ量の大きな特殊な負極化合物を
得てもよい。
【0032】リン化合物としては、五酸化リンなどのリ
ンの酸化物や、オルトリン酸等のオキソ酸やその塩等が
挙げられるが、取扱いやすさ等の点からリン酸化物及び
リン酸が好適である。添加するリン化合物の量は、有機
材料もしくは炭素質材料に対してリン換算で0.2〜3
0重量%、好ましくは0.5〜15重量%、また負極材
料中に残存するリンの割合は0.2〜9.0重量%、好
ましくは0.3〜5重量%とする。
【0033】ホウ素化合物としては、ホウ素の酸化物或
いは水溶液の形をとったホウ酸が好適である。添加する
ホウ素化合物の量は、有機材料もしくは炭素質材料に対
してホウ素換算で0.2〜30重量%、好ましくは0.
5〜15重量%、また負極材料中に残存するホウ素の割
合は0.2〜9.0重量%、好ましくは0.3〜5重量
%とする。
【0034】また、黒鉛類は、炭素材料として、コーク
スやガラス状炭素等の低温処理炭素質材料と比較して真
密度が高いので、活物質としての電極充填性が高く、設
計上において高エネルギー密度の二次電池が可能とな
る。そのなかでも、黒鉛類は、より高い電極充填性を得
るために、その真密度が2.1g/cm3以上であるこ
とが好ましく、2.18g/cm3以上であることがさ
らに好ましい。そのような真密度を得るには、X線回折
法で得られる(002)面の面間隔が好ましくは0.3
39nm未満、さらに好ましくは0.335nm以上、
0.337nm以下を満足し、(002)面のC軸結晶
子厚みが16.0nm以上であることが必要である。
【0035】上記物性を示す炭素質材料の代表として
は、天然黒鉛があげられる。また、有機材料を炭素化し
さらに高温処理された人造黒鉛も、上記結晶構造パラメ
ータを示す。
【0036】上記人造黒鉛を生成するに際して出発原料
となる有機材料としては、石炭やピッチが代表的であ
る。ピッチとしては、コールタール、エチレンボトム
油、原油等の高温熱分解で得られるタール類、アスファ
ルトなどより蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸
留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によって得
られるものや、その他木材乾留時に生成するピッチ等も
ある。さらに、ピッチとなる出発原料としては、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチ
ラート、3,5−ジメチルフェノール樹脂等がある。
【0037】これら石炭やピッチは、炭素化の途中にお
いて最高400℃程度の温度で液状で存在し、その温度
を保持することで芳香環同士が縮合、多環化して積層配
向した状態となる。その後、500℃程度以上の温度に
なると固体の炭素前駆体、すなわちセミコークスを形成
する。このような過程を液相炭素化過程と呼び、易黒鉛
化炭素の典型的な生成過程である。
【0038】その他、有機材料としては、ナフタレン、
フェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、ピレ
ン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン等の縮合多環
炭化水素化合物、その他誘導体(例えばこれらのカルボ
ン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イミド等)、或い
は混合物も使用可能である。また、アセナフチレン、イ
ンドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、
キノキサリン、フタラジン、カルバゾール、アクリジ
ン、フェナジン、フェナントリジン等の縮合複素環化合
物、さらにはその誘導体も使用可能である。
【0039】以上の有機材料を出発原料として所望の人
造黒鉛を生成するには、例えば、上記有機材料を窒素等
の不活性ガス気流中300〜700℃で炭化した後、不
活性ガス気流中、昇温速度毎分1〜100℃、到達温度
900〜1500℃、到達温度での保持時間0〜30時
間程度の条件で焼成し、さらに2000℃以上好ましく
は2500℃以上で熱処理すればよい。勿論、場合によ
っては炭化操作を省略しても良い。これら高温で熱処理
された炭素質材料あるいは黒鉛材料は、粉砕・分級され
て負極材料に供されるが、この粉砕は、炭化操作、高温
熱処理の前後あるいは昇温過程の間のいずれで行っても
良い。
【0040】以上のような負極材料及び正極材料は、例
えば、帯状の集電体の表面に保持され、負極及び正極と
して形成される。そして、この負極及び正極は、多孔質
セパレータを介して積層された状態で、上記非水電解液
とともに電池缶内に収納される。
【0041】
【実施例】以下、本発明を適用した偏平角形リチウムイ
オン二次電池の好適な実施例について、図面を参照しな
がら詳細に説明する。なお、本発明に係る非水電解液二
次電池は、本実施例に限定されるものではないことは言
うまでもない。
【0042】まず、以下の実施例で用いた非水溶媒の一
般式を化5に、また、各実施例におけるR1、R2
3、R4を表1に示す。
【0043】
【化5】
【0044】
【表1】
【0045】実施例1 まず、図1に示される負極1を次のようにして作製し
た。
【0046】H/C原子比が0.6〜0.8の範囲から
適当に選んだ石油ピッチを粉砕し、空気気流中で酸化処
理して炭素前駆体を得た。この炭素前駆体のキノリン不
溶分(JIS速心法:K2425−1983)は80%
であり、また酸素含有率(有機元素分析法による)は1
5.4重量%であった。そして、この炭素前駆体を窒素
気流中で1000℃に昇温して熱処理した後、粉砕し、
平均粒径10μmの炭素材料粉末とした。なお、このと
き得られた難黒鉛化炭素材料粉末についてX線回折測定
を行った結果、(002)面の面間隔は0.381nm
であり、真密度は1.54g/cm3であった。
【0047】この負極活物質である難黒鉛化炭素材料粉
末90重量部を、バインダーであるポリフッ化ビニリデ
ン10重量部と混合して負極混合物を調製し、この負極
混合物を溶剤であるN−メチル−2一ピロリドンに分散
させてスラリー状にし、負極スラリーを調製した。
【0048】このようにして得られた負極スラリーを負
極集電体となる厚さ10μmの帯状銅箔の両面に均一に
塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮成形し、
帯状電極を作製した。そして、この帯状電極を矩形状に
切断し負極1を得た。
【0049】次に、図1及び図2に示される正極2を以
下のようにして作製した。
【0050】炭酸リチウムと炭酸コバルトを0.5モ
ル:1.0モルなる比率で混合し、900℃で5時間空
気中で焼成してLiCoO2を得た。そして、この正極
活物質であるLiCoO291重量部を、導電材である
グラファイト6重量部及びバインダーであるポリフッ化
ビニリデン3重量部と混合して正極混合物を調製し、こ
の正極混合物を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン
に分散させてスラリー状にし、正極スラリーを調製し
た。
【0051】このようにして得られた正極スラリーを正
極集電体となる厚さ20μmの帯状アルミ箔の両面に均
一に塗布し、乾燥させた後、ロールプレス機で圧縮成形
し、帯状電極を作製した。そして、この帯状電極を図2
の点線で示される矩形状に切断し正極2を得た。ここ
で、斜線部分は、正極活物質未塗布の正極リード2aを
示す。
【0052】次に、微孔性ポリプロピレンフィルムより
なるセパレータ3で正極2を挟み、図2に示す部分3a
で熱融着した。そして、図1に示すように、負極1、セ
パレータ3、正極2、セパレータ3をこの順に積層し
て、これを電極積層体とした。この時、負極リード1a
と正極リード2aは、接触を避けるため互い違いに配置
される。さらに、この電極積層体を2枚のステンレスス
チール板4で挟み、粘着テープ5を巻き付け固定した。
【0053】ここで、上記電極積層体の負極リード1a
を束ね、一方のステンレススチール板4に熔接した。ま
た、正極リード2aも束ね、サブリード6に熔接した。
そして、厚み300μmのステンレススチール製の偏平
角形電池容器7の底に絶縁シート8を敷き、その中へ上
記電極積層体をバネ板9とともに挿入した。また、サブ
リード6を予めガスケット10を介して容器蓋11に取
付けられた正極端子12に熔接した。
【0054】そして、電解液として、表1で示される非
水溶媒30体積%、PC40体積%、DMC30体積%
の割合でなる混合非水溶媒にLiPF61モル/lを溶
解させて調製した。なお、この表1で示される非水溶媒
を非水溶媒Xと称す。
【0055】このような組成からなる非水電解液を電池
容器7の中に注入し、レーザ熔接で容器蓋11を電池容
器7に固定して、厚さ8.3mm、幅34mm、高さ4
8mmの偏平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0056】実施例2〜実施例10 表1に示されるようなアルキル基R1,R2,R3,R4
有する非水溶媒Xをそれぞれ使用して混合非水溶媒を調
整した。これ以外は、実施例1と全く同様にして偏平角
形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0057】比較例1 PC50容量%とDEC50容量%の割合で調整された
混合非水溶媒を用いた。これ以外は実施例1と同様にし
て偏平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0058】比較例2 PC50容量%とDMC50容量%の割合で調整された
混合非水溶媒を用いた。これ以外は実施例1と同様にし
て偏平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0059】比較例3 PC70容量%とDMC30容量%の割合で調整された
混合非水溶媒を用いた。これ以外は実施例1−1と同様
にして偏平角形リチウムイオン二次電池を作製した。
【0060】以上のように作製された実施例1〜実施例
10、比較例1〜比較例3の偏平角形リチウムイオン二
次電池の各20個について、4.2Vで充電後、200
mAの定電流で放電し、2.75Vまでの電池容量を測
定した。その結果の平均値を表2に示した。
【0061】
【表2】
【0062】また、実施例1〜実施例10、比較例1、
比較例2、比較例3の偏平角形リチウムイオン二次電池
の各20個について、それぞれ4.2Vで充電後、90
℃で保存した。そして、開回路電圧異常が発生した電池
数と保存時間との関係を調査した。開回路電圧異常は、
電池容器7の膨れによる負極接触不良から生じると考え
られる。その結果を図3及び図4に示した。
【0063】表2と図3及び図4の結果から、非水溶媒
Xを所定量含有する混合非水溶媒からなる電解液を使用
した実施例1〜実施例10の偏平角形リチウムイオン二
次電池は、電池容量に優れると供に、高温保存時におい
ても高い信頼性が得られることがわかった。
【0064】混合非水溶媒の混合比の検討 化5で示されるR1がCH3、R2がCH−CH3、R3
CH−CH3、R4がCH3である非水溶媒Xと、PC
と、DMCとからなる混合非水溶媒を表3に示すような
混合比で調製した非水電解液を用いた。これ以外は、実
施例1と同様にして偏平角形リチウムイオン二次電池を
作製した。
【0065】
【表3】
【0066】これら偏平角形リチウムイオン二次電池の
各20個について、それぞれ4.2Vで充電後、90℃
で30時間保存し、負極接触不良が発生した電池数を調
査した。そして、これを良品率として求め、その結果を
図5に示した。
【0067】また、これら偏平角形リチウムイオン二次
電池について、それぞれ4.2Vで充電後、−10℃に
おいて400mAの定電流で放電し、2.75Vまでの
電池容量を測定した。そして、非水溶媒Xが含有されな
い電池の容量を1として容量比率を求め、その結果を図
5に示した。
【0068】図5からの結果から、混合溶媒の混合比が
60体積%以下の範囲にあると、電池の良品率は、非水
溶媒Xの混合比に依存して高くなる。このことから、非
水溶媒Xを用いることは、電池の良品率を上げるうえで
有効であることがわかる。但し、非水溶媒Xの混合比が
60体積%を越えた場合には、低温における容量比率が
低下するため、電池に求められる特性を満足しない。
【0069】このことから、商品率を向上させながら低
温特性も確保するには、非水溶媒Xの混合比は、1〜6
0体積%、より好ましくは10〜50体積%とするのが
よく、これにより、高容量、高い良品率、優れた低温特
性を満たすとともに、高温環境下においても電池内圧が
それほど上昇することがなく安定した。つまり、非水溶
媒Xを所定量含有する非水電解液を用いた場合には、特
に電池内圧の上昇により変形の起こりやすい角形電池に
おいても、電池容器の膨張が起こらず高い良品率が得ら
れるようになる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る非水電解液二次電池では、電解液の非水溶媒と
して所定の構造を有する非水溶媒を含有する混合非水溶
媒を用いる。この非水溶媒は、高温での正極活物質の安
定性が高く、高沸点で高温での蒸気圧が低いので、高温
環境下においても電池内圧上昇を抑制し、高い信頼性と
高エネルギー密度を有する電池が実現する。特に電池内
圧の上昇により変形の起こりやすい角形電池において
は、高温に放置しても電池容器の膨張が起こらず、接触
不良の発生が減少する。また、円筒形電池においては、
90℃以上の温度においても電池内圧に伴って作動する
電流遮断装置等が作動せず、より高温で電池を使用する
ことができ従来よりも使用温度範囲が広くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した偏平角形リチウムイオン二次
電池の概略縦断面図である。
【図2】上記偏平角形リチウムイオン二次電池における
正極の平面図である。
【図3】偏平角形リチウムイオン二次電池を90℃で保
存した場合の保存時間と開回路電圧異常が発生した電池
数との関係を示す特性図である。
【図4】偏平角形リチウムイオン二次電池を90℃で保
存した場合の保存時間と開回路電圧異常が発生した電池
数との関係を示す特性図である。
【図5】偏平角形リチウムイオン二次電池の非水溶媒X
の混合比に対する容量比率と良品率とを示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 負極、1a 負極リード、2 正極、2a 正極リ
ード、3 セパレータ、4 ステンレススチール板、5
粘着テープ、6 サブリード、7 電池容器、8 絶
縁シート、9 バネ板、10 ガスケット、11 容器
蓋、12 正極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永峰 政幸 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1番地 の1 株式会社ソニー・エナジー・テック 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極、及び混合非水溶媒に電解質
    を溶解してなる非水電解液とからなる非水電解液二次電
    池において、 上記非水溶媒は、化1で示される非水溶媒を1〜60体
    積%なる割合で含有する混合非水溶媒であることを特徴
    とする非水電解液二次電池。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記正極がLixMOy(但し、MはC
    o,Ni,Mn,Fe,Al,V,Tiの少なくとも1
    種である。x、yは、リチウムと酸素のそれぞれ組成比
    である。)よりなり、 上記非水溶媒は、化2で示される非水溶媒を10〜50
    体積%なる割合で含有する混合非水溶媒であることを特
    徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。 【化2】
  3. 【請求項3】 正極と負極とが多孔質セパレータを介し
    て積層された積層電極体素子が、非水電解液とともに角
    形電池缶内に収納されてなることを特徴とする請求項1
    に記載の非水電解液二次電池。
JP8079974A 1996-04-02 1996-04-02 非水電解液二次電池 Pending JPH09270270A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004079426A (ja) * 2002-08-21 2004-03-11 Nec Corp 二次電池
WO2009102069A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Ube Industries, Ltd. 非対称カーボネート化合物、及びその製造方法

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