JPH09269A - 乳酸菌産生エキソポリサッカライド - Google Patents

乳酸菌産生エキソポリサッカライド

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JPH09269A
JPH09269A JP8041635A JP4163596A JPH09269A JP H09269 A JPH09269 A JP H09269A JP 8041635 A JP8041635 A JP 8041635A JP 4163596 A JP4163596 A JP 4163596A JP H09269 A JPH09269 A JP H09269A
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    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/04Polysaccharides, i.e. compounds containing more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic bonds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳酸菌における本来のEPS産生の修復また
は安定化、さらにEPSの構造の修飾手段の提供。 【解決手段】 EPSの生合成に関与する少なくとも1
種の酵素をコードするゲノム起源のDNAフラグメント
であり、これを乳酸菌にトランスフォーメーションする
ことにより、EPSを最初から産生しない細菌における
EPSの産生の回復または細菌が最初から産生している
EPSの構造の修飾が可能になる。染色体によってコー
ドされ、組成Glc:Gal:GalNac=1:2:
1を有するEPSの生合成に関与する好熱性乳酸連鎖球
菌(Streptococcus thermophi
lus)株CNCM I−1590のタンパク質、なら
びにEPSの生合成に関与する少なくとも1種の酵素を
全体的または部分的にコードするDNAフラグメントを
ベクター中にクローニングし、他のEPSを産生してい
る乳酸菌を組換えベクターでトランスフォームし、新し
いEPSを産生する乳酸菌を選択する新しいEPSの製
造方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エキソポリサッカ
ライドの生合成に関与する少なくとも1種の酵素をコー
ドする乳酸菌の染色体DNAフラグメントの使用、なら
びにこれらのフラグメントによってコードされる酵素に
関する。
【0002】
【従来の技術】乳酸菌はそれらの培養培地中に2種類の
ポリサッカライド、すなわち単一糖の反復アッセンブリ
ーから構成されるデキストランもしくはレバンのような
ホモポリサッカライド、および反復単位を形成する数種
の異なる糖のアッセンブリーから構成され一般にエキソ
ポリサッカライドもしくはEPS(EPSは「エキソポ
リサッカライド」の略号である)と呼ばれるヘテロポリ
サッカライドを産生できることが知られている(Cer
ning J.,Bacteries,〔乳酸菌〕,第
1巻,Rossart H.& Luquet F.
M.著,Lorica,309−329頁,199
4)。
【0003】EPSを産生する乳酸菌は、酸性化したミ
ルクへ粘着性および/または滑らかなクリーム様の舌ざ
わりを付与できる(Cerningら,FEMS Mi
crobiol.,87,113−130,199
0)。EPSはまた、ヒトまたは動物の健康にとくに有
利な生物活性、たとえば抗腫瘍活性もしくはプロバイオ
ティックな活性を発揮することもできる(Oda M.
ら,Agric.Biol.Chem.,47,162
3−1625,1983;EP94870139.
6)。
【0004】さらに、その工業は乳酸菌内でのEPSの
生合成の遺伝的不安定性の問題に直面している。これは
一般に、すべてまたは一部の乳酸菌によるEPS産生の
発酵時の損失として現れる(上記”Cerning
J.”参照)。したがって、工業的発酵産物はそのEP
S含量が変動しやすく、常に許容できるものとは限らな
い。これらの問題を除去するため、工業的製造に際し現
在では、最初の性質を失った細菌を分離できるように、
細菌を単離し周期的に性質を調べる方法に頼っている。
【0005】好中温乳酸菌、すなわち至適増殖温度28
〜37℃の乳酸菌におけるEPS生合成には、糖の連結
を行う少なくとも1種の酵素が関与する。このような酵
素をコードする好中温乳酸菌の染色体またはプラスミド
遺伝子の同定および配列決定はまだ行われていないが、
EPSの生合成に関与するプラスミドは知られている。
【0006】すなわち、WO 92/02142には、
発酵乳の粘度を増大させることができる物質を乳酸連鎖
球菌の亜種(Lactococcus lactis
subsp.lactis;好中温菌)内で産生させる
プラスミドpHV67の存在が開示されている.US
5,066,588には、乳酸連鎖球菌(Strept
ococcus lactis)に増粘特性を付与でき
るStreptococcus cremoris(好
中温菌)の株に由来する2つのプラスミドが記載されて
いる。同様に、Vescovoらは、チーズ乳酸桿菌の
亜種(Lactobacillus casei su
bsp.casei株;好中温菌)から、いわゆる細胞
外のシックナーの産生に関連する機能、Muc+表現型
をコードするプラスミドを証明している(Vescov
oら,BiotechnologyLetters,V
ol.2,709−712,1989)。
【0007】最後に、Van der Bergらは、
清酒乳酸菌(Lactobacillus sake;
好中温菌)からEPSの生合成に関与する染色体遺伝子
群の単離を探究している(Van der Berg
D.J.C.ら, FirstInternationa
l Conference on Polusacch
aride Engineering,Trondhe
im,Norway,1994年6月6〜8日)。しか
しながら、遺伝子はまだ同定も配列決定もされていな
い。
【0008】さらに、好熱乳酸菌、すなわち至適増殖温
度37〜45℃の乳酸菌におけるEPSの生合成はまだ
よく知られていない、しかしながら、プラスミドに関連
しないことはわかっている。すなわち、Vescovo
らは、乳酸桿菌の亜種(Lactobacillus
delbrueckii subsp.Bulgari
cus株201;好熱菌)のMuc+表現型が染色体機
能に連結していることを示している(Vescovo
ら, Biotechnology Letters,V
ol.2,709−712,1989)。
【0009】すなわち、今日まで、好中温または好熱乳
酸菌のEPSをコードする染色体またはプラスミド遺伝
子または遺伝子群は,同定も配列決定もされていない。
【0010】したがって、乳酸菌における本来のEPS
産生を修復または安定化する手段を提供することはきわ
めて有益である。さらに、EPSの構造を修飾する手段
を提供し、有利な性質を有する新たなEPSを創製する
ことは有益である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ビボおよびインビトロにおけるEPSの合成を制御、修
飾および/または修復する新規な手段を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発
明は、リピート構造
【化4】 (式中、nは>1であり、Aはβ−D−Galp,β−
D−Glcpならびにそれらのアセチルおよびホスファ
チル誘導体からなる群より選ばれ、xおよびyは2,
3,4,5または6である。ただしx=yではない)を
もつEPSの生合成に関与する少なくとも1種の酵素を
コードする染色体起源の乳酸菌DNAに関する。
【0013】本発明の他の課題は、本発明のDNAフラ
グメントからなる組換えベクターに関する。
【0014】本発明の他の課題は、リピート構造
【化5】 を有するEPSの生合成に関与可能なタンパク質であっ
て、配列番号:2,配列番号:3,配列番号:4,配列
番号:5,配列番号:6,配列番号:7,配列番号:
8,配列番号:9,配列番号:10,配列番号:11,
配列番号:12,配列番号:13および配列番号:14
の配列ならびにその相同配列からなる群より選ばれるア
ミノ酸配列をもつタンパク質に関する(配列は以下の配
列表に示す)。
【0015】本発明の他の課題は、本発明のDNAフラ
グメントをゲノム内にインテグレートされてまたは複製
可能なプラスミドの補助によって有する乳酸菌に関す
る。
【0016】本発明の他の課題は、(1)本発明の酵素
をコードするDNAフラグメントを、宿主細胞内での自
動複製または宿主細胞へのインテグレートを可能にする
配列からなるベクター中にクローニングし、(2)宿主
細胞を上記ベクターでトランスフォームし、ついで
(3)トランスフォームされた宿主細胞をEPSの産生
に適当な条件下に培養する、EPSの製造方法に関す
る。
【0017】本発明はまた、(1)EPSの生合成に関
与する少なくとも1種の酵素をコードするDNAフラグ
メントをベクター中にクローニングし、(2)乳酸菌を
上記ベクターでトランスフォームし、次いで(3)トラ
ンスフォームされた乳酸菌を新たなEPSの産生に適当
な条件下に培養する、新たなEPSを製造する他の方法
に関する。
【0018】したがって、本発明は、乳酸菌におけるE
PSの産生の修復または修飾のために、本発明のDNA
フラグメントの利用の可能性の道を開くものである。す
なわち、たとえば、液状デザート、ヨーグルト、スー
プ、乳製アイスクリーム、コーヒークリーム、ソースま
たはマヨネーズのような飲料または食品の増粘およびク
リーム化の目的でのEPSの製造のために、本発明のD
NAの乳酸菌内における発現または過剰発現を企図する
ことが可能である。
【0019】本発明はまた、EPSの生合成に関与する
乳酸菌の染色体遺伝子を同定する新規な手段の提供を可
能にするものである。
【0020】最後に、本発明はまた、上述のEPSの生
合成に関与する新規な酵素を提供する。すなわちこれら
の酵素はたとえば、ポリサッカライドたとえばオリゴサ
ッカライドまたはEPSのインビトロ合成または修飾に
有利に使用することができる(Ichikawa,Y.
ら, American Chemical Socie
ty,114,9283−9289,1992)。
【0021】
【発明の実施の形態】以下の記述において、「EPS」
の語は,反復単位を形成する数種の異なる糖のアッセン
ブリーから構成され、乳酸菌によって産生されるエキソ
ポリサッカライドを意味する。
【0022】アセチルおよびホスファチル誘導体の語
は、糖の環上の位置C2 〜C6 に、少なくとも1個のア
セチルおよびホスファチル基を有するガラクトースまた
はグルコースを意味して使用される。
【0023】本発明の目的では、「相同配列」は、本発
明の配列とは少数の核酸またはアミノ酸ベース、たとえ
ば1〜500塩基対(bp)または1〜150のアミノ
酸の置換、欠失または付加の点でのみ異なるが同一の機
能を有する核酸またはアミノ酸配列を意味するものと理
解される。
【0024】この場合、遺伝子コードの縮重の結果とし
て、同一のポリペプチドをコードする2つのDNA配列
はとくに相同であると考えてよい。同様に、同一の抗体
によって認識されるタンパク質であって、2つのタンパ
ク質の認識の強度を示す値の比が1000、好ましくは
100を越えない2つのタンパク質はたとえば、相同で
あるとみなされることになる。
【0025】配列が、本発明の配列と70%以上とくに
80%または90%以上のホモロジーを示す場合も相同
であると考えられることになる。この場合、ホモロジー
は、本発明の配列の場合と同一である相同配列の塩基ま
たはアミノ酸の数と本発明の上記配列の塩基またはアミ
ノ酸の総数の比によって決定される。
【0026】本発明の目的では、「ハイブリダイズする
フラグメント」とは、本発明のフラグメントとサザンブ
ロッティング法(Sambrookら, Molecul
arCloning,A Laboratory Ma
nual,Cold Spring Harbor L
aboratory Press,U.S.A.,19
89,9.31〜9.58章)によってハイブリダイズ
できる配列を意味するものと理解される。ハイブリダイ
ゼーションは、非特異的なおよび不安定なハイブリダイ
ゼーションを回避できるように、緊縮条件下に行われる
ことが好ましい。
【0027】最後に、「フラグメント」または「DNA
フラグメント」の語は、合成、インビトロでのたとえば
「ポリメラーゼチェーン反応」と呼ばれる既知の方法に
よる再生、またはインビボでのたとえば大腸菌、連鎖乳
酸菌または乳酸桿菌好熱型の細菌で再生できる染色体起
源の二本鎖DNAと理解されるべきである。
【0028】本発明のDNAを選択するためには、EP
Sを産生しない乳酸菌中にEPSを産生する乳酸菌から
の大DNAフラグメントのライブラリーを構築し、つい
で、EPSを産生するクローン(単数または複数)を選
択することができる。この目的には、EPSを産生する
乳酸菌のゲノムDNAを比較的稀な制限部位に特異的な
制限酵素(BamHI,SalI,PstI)で、また
はSau3Aによる部分消化によって、たとえば消化す
る。消化産物を大フラグメントを受け入れる発現または
インテグレーションプラスミド(例IIに記載のプラス
ミドpSA3)にクローニングし、組換えプラスミドを
EPSを産生しない同種の乳酸菌に導入し、EPSを産
生するトランスフォームされた少なくとも1つのクロー
ンを選択し、ついでEPSの産生に関与するDNAフラ
グメントを旧来の方法で同定し、単離し、配列を決定す
る。
【0029】本発明のフラグメントは大サイズとするこ
とが可能で、それらはEPSの生合成に関与する遺伝子
群を含有できるという事実から、組換えプラスミドは突
然変異誘発処置(UVもしくは化学的処置またはトラン
スポゾンによる処置)によりEPSの産生能が失われて
いるという事実を除いてそれらのフラグメントの起源で
ある乳酸菌と同一の株に導入するのが好ましい。
【0030】上述の方法の別法として、たとえば、EP
Sを産生する乳酸菌株からのDNAフラグメントのプラ
スミドライブラリーを構築し、同じ乳酸菌の株をその内
部では複製不可能なプラスミドでトランスフォームし、
同種組換えによってそれらのゲノムにプラスミドがイン
テグレートされたトランスフォーマントを選択し(たと
えば、抗生物質抵抗性による選択)、EPSをもはや産
生しないトランスフォーマントを選択し、ついで選択さ
れたトランスフォーマントのインテグレートされたプラ
スミドに隣接する染色体DNAフラグメントを単離し、
配列を決定する。この目的では、トランスフォーマント
の染色体を消化し、それをライゲートし、ついでインテ
グレートされたプラスミドに特異的なプローブを使用し
て逆PCRを実施するかまたは再循環プラスミドを複製
可能な株にライゲーション産物を導入することもでき
る。
【0031】上述の選択方法の他の別法として、EPS
を産生する乳酸菌をトランスポゾンからなるプラスミド
によってトランスフォームし、この細菌を、トランスポ
ゾンがベクターから切除されてゲノム中にランダムにイ
ンテグレートされる条件に付し、EPSの産生能を失っ
た細菌のクローンを選択し、トランスポゾンがインテグ
レートされた上記クローンからゲノムDNAフラグメン
トを単離することもできる。この方法は以下の例Iに詳
細に記述する。
【0032】上に簡略に述べた選択方法はすべての既知
の乳酸菌、とくに好中温乳酸菌たとえば、Strept
ococcus cremoris,Streptoc
occus lactis,Lactobacillu
s casei subsp.caseiおよびLac
tobacillus sakeならびに好熱乳酸菌た
とえば、Streptococcus thermop
hilus,Lactobacillus delbr
uecki subsp.bulgaricusおよび
Lactobacillus helveticusに
適用できることが指摘されねばならない。この目的で
は、本技術分野の熟練者は乳酸菌の各種とくにLact
obacillus delbruecki subs
p.bulgaricusについて任意に選択できるト
ランスフォーメーション技術を有する(Sasaki
Y.ら, FEMS Microbiology Rev
iews,12,Fourth Symposium
on Lactic Acid Bacteria,N
oodwijkerhout,The Netherl
ands,1993年9月)。
【0033】さらに、上述の選択方法は、大抵、EPS
の生合成に関与する遺伝子または遺伝子群の部分のみの
単離を可能にする。しかしながら、本技術分野の熟練者
はたとえば、単離されたフラグメントに基づく核酸プロ
ーブを用い、残りの部分を含有する1または2以上のク
ローンを染色体ライブラリー中で選択することにより遺
伝子または遺伝子群の残部を容易に同定することができ
る(例I.6参照)。
【0034】したがって1995年6月7日付にてCo
llection Nationale de Cul
ture de Micro organisme
(C.N.C.M.,国立培養微生物収集機関),28
rue du Dr Roux,75724 Par
is cedex 15,Franceに寄託され、受
入番号CNCM I−1590として受理されたStr
eptococcus thermophilus株の
15.2kbのDNA配列を特徴づけることが可能であ
った。さらに、このグラム陽性株は顕微鏡下に小さい鎖
を形成する非鞭毛球菌の外観を呈する。この株は胞子を
作らず、通性嫌気性菌である。
【0035】この15.2kbの配列は、リピート構造
【化6】 を有するEPSの生合成に関与する新しい酵素をコード
する遺伝子からなる。
【0036】この15.2kbの配列のヌクレオチド6
48〜15250は以下の配列表中に配列番号:1とし
て示す。配列番号:1の核酸配列中ヌクレオチド352
〜1803, 1807〜2535, 2547〜323
9, 3249〜3995, 4051〜4731, 489
8〜5854, 6425〜7540, 7736〜821
2, 8221〜9192, 9285〜10364,10
392〜11339,11302〜12222および1
2233〜13651によって13の完全遺伝子が区切
られる。
【0037】配列番号:1のすべてまたは部分は、トラ
ンスフォーメーション後に、最初はEPSを産生しなか
った好中温または好熱乳酸菌、とくにStreptoc
occusまたはLactococcusのような宿主
細胞にEPS生合成の回復を可能にすることを示すこと
ができた。したがって一例を挙げれば、本発明のDNA
配列はEPSをもはや産生しないS.thermoph
ilus株CNCMI−1590の変異体(天然の変異
体または突然変異に起因する変異体)にEPSの産生を
回復させるために使用できる。
【0038】EPSの生合成を回復させるためには、少
なくとも上述の遺伝子からなる配列番号:1の配列の全
部または部分をEP564,966に記載の方法によっ
て宿主細胞内にインテグレートすることができる。この
方法は本発明の教示の参考として本明細書に導入する。
略述すれば、この方法は(1)宿主細胞を、その宿主細
胞に由来するオペロンの部分に機能的に(リーディング
フレームが保存されて)インテグレートされた上記プラ
スミドからなりそのドナー内では複製されないドナープ
ラスミドでトランスフォームすること、(2)全プラス
ミドがインテグレートされてなるトランスフォーマント
を同定すること、(3)本発明のフラグメントのみが染
色体中にインテグレートされ、プラスミドの他の配列は
染色体から切除されたトランスフォーマントを選択する
こと、および(4)選ばれたトランスフォーマントをE
PSの産生に適当な条件下に培養することを可能にし
た。
【0039】この方法は機能性プロモーターや翻訳アク
ティベーターを用いないことを可能にするものではない
ことに留意すべきである。さらに、EPSの産生に適当
な培養条件は本技術分野の熟練者の能力の範囲内にあ
り、本技術分野の熟練者には、使用される株に応じて、
標準培養培地の使用ならびに至適培地のpH、温度およ
び攪拌の選択が可能である。
【0040】また上記遺伝子の少なくとも1種からなる
配列番号:1の配列の全部または部分を、自己複製発現
プラスミド中の機能性プロモーターおよび翻訳アクティ
ベーターの下流、必要に応じてターミネーターの上流に
クローン化し、ついでこの組換えプラスミドで宿主細胞
をトランスフォームすることの選択も可能である。
【0041】さらに、たとえば、最初はEPSを産生し
ない連鎖乳酸菌を配列番号:1の配列でトランスフォー
ムした宿主細胞が産生するEPSは、組換え酵素によっ
て正常に合成されるEPS、この場合は株CNCM I
−1590によって産生されるEPSとは異なることが
観察される。したがって、15.2kbの配列の全部ま
たは部分の使用は上述のEPSの変異体の創製を可能に
することができる。
【0042】同様に、配列番号:1の配列の全部または
部分は、トランスフォーメーション後、宿主細胞たとえ
ば、好中温または好熱乳酸菌とくに、Streptoc
occusまたはLactococcusのような宿主
細胞によって最初に産生されるEPSのリピート構造を
修飾することを可能にすることを示すことができた。
【0043】すなわち、これらの観察は、(1)EPS
の生合成に関与する少なくとも1種の酵素を全体的また
は部分的にコードするDNAフラグメントをベクター中
にクローン化し、(2)乳酸菌をその組換えベクターで
トランスフォームし、(3)必要に応じて、新たなEP
Sを産生する乳酸菌を選択し、ついで(4)トランスフ
ォームされた乳酸菌を新たなEPSの産生に適当な条件
下に培養する、新たなEPSの新規な製造方法の提供の
可能性を開くものである。ベクターは好ましくは本発明
のタンパク質をコードする。さらに、乳酸菌は上記ベク
ターによりコードされるタンパク質によって合成される
EPS以外のEPSを産生できる。
【0044】とくに、第一のEPSの生合成に関与する
少なくとも1種の酵素を部分的にコードするDNAフラ
グメントをインテグレーションベクター中にクローン化
し、組換えベクターを必要に応じて第二のEPSを産生
できる好中温または好熱乳酸菌中に1もしくは2以上の
染色体またはプラスミド遺伝子を介して導入し、インテ
グレーションベクターがそれらの染色体中にインテグレ
ートされた細菌を単離し、ついで新たなEPSを産生す
る細菌を第二のEPSの生合成に関与する1または2以
上の遺伝子の不活性化によって選択する。好ましくは第
一および第二のEPSは同一であり、リピート単位の側
鎖への糖の付加または糖の修飾に関与する少なくとも1
種の酵素たとえば、スルホ、ホスホまたはアセチルトラ
ンスフェラーゼを部分的に(少なくとも15塩基対)コ
ードするDNAフラグメントが選択される。
【0045】同様に、第一のEPSの生合成に関与する
少なくとも1種の酵素の全体をコードするDNAフラグ
メントを複製可能な発現ベクター中にクローン化し、そ
の組換えベクターを、必要に応じて第二のEPSを1も
しくは2以上の染色体またはプラスミド遺伝子を介して
産生できる好中温または好熱乳酸菌に導入し、複製可能
なベクターを含有する細菌を単離し、ついで第一のEP
Sの生合成に関与する1または2以上の遺伝子の発現に
よって新規なEPSを産生する細菌が選択される。好ま
しくは、糖の修飾に関与する酵素たとえば、スルホ、ホ
スホもしくはアセチルトランスフェラーゼ、または糖の
リピートを付加する酵素たとえばグルコシルもしくはガ
ラクトシルトランスフェラーゼをコードするDNAフラ
グメントが選択される。
【0046】配列番号:1の配列に包含される遺伝子の
少なくとも1つを全体的にまたは部分的に使用するのが
好ましい。EPSの生合成に関与する好中温乳酸菌のプ
ラスミド遺伝子(既知のプラスミドから配列決定できる
遺伝子)の少なくとも1つも使用できる。
【0047】最後に、組換えベクターは、本発明のDN
A配列、とくに配列番号:1の配列のすべてまたは部分
からなる線状または環状、一本鎖または二本鎖、発現ま
たはインテグレーションベクターとすることができる。
EP564,966に記載の方法を使用しない場合に
は、ベクターが適当な核酸配列(プロモーター、リボソ
ーム結合部位、好ましいコドン)を介して本発明のDN
Aを発現できるように、またそれがたとえば、様々な細
菌とくに大腸菌および/または連鎖球菌からの1もしく
は2以上の複製の起源を含有するように注意する必要が
ある。
【0048】本発明はまた、配列番号:1の配列遺伝子
とくにそれらと相同な配列によってコードされる新たな
酵素に関する。したがって、これらの、オリゴサッカラ
イドまたはポリサッカライドたとえばEPSの修飾また
はインビトロ合成のための使用が考慮される。この目的
では、これらの酵素の少なくとも1種は、細菌中で旧来
法によって過剰発現させ、旧来法たとえば培養培地の沈
殿および/またはクロマトグラフィーにより精製される
ことが好ましい。
【0049】本発明の他の課題は、その染色体にインテ
グレートされてまたは複製可能なプラスミドの補助によ
り本発明のDNA配列を含む乳酸菌に関する。その配列
は好ましくは配列番号:1の配列の遺伝子の少なくとも
1つからなる。
【0050】本発明はまた、少なくとも15bpの配列
番号:1の配列のDNAフラグメントまたはその配列に
相補性配列鎖のフラグメントの、PCRを実施するため
のプライマーとしてまたはEPSの生合成に関与する乳
酸菌の遺伝子のインビトロ検出もしくはインビボ不活性
化のためのプローブとしての使用に関する。この下限
は、特異的にハイブリダイズする小フラグメントは一般
に長さ15〜25bpであるという事実により任意に設
定される。
【0051】
【実施例】本発明のDNAフラグメント、組換えプラス
ミドおよびトランスフォームされた細菌を得る実施例で
ある以下の記述により、本発明を以下にさらに詳細に説
明する。それらの記述に先立ち、培養培地を説明する。
しかしながら、これらの実施例は本発明の課題の例示の
ために記載されるもので、いかなる意味でも本発明の限
定を構成するものではないことは自明の通りである。D
NAの操作ならびに細菌細胞のクローニングおよびトラ
ンスフォーメーションは、とくに指示のない限り、上に
引用したSambrookらの著作に記載のプロトコー
ルに従って実施する。百分率はとくに指示のある場合を
除き重量%を示す。
【0052】培地:(固体培地に1.5%のバクトアガ
ールを添加) −M17(Difco,USA):トリプトン0.5
%,ソイトン0.5%,水解ミート0.5%,酵母エキ
ス0.25%,アスコルビン酸0.05%,硫酸マグネ
シウム0.025%,β−グリセロリン酸二ナトリウム
1.9%および水 −LM17:1%ラクトース含有M17培地 −GM17:1%グルコース含有M17培地 −MSK:酵母エキス0.1%含有脱脂粉乳(10%再
構築粉末) −MAM:アミノ酸混合物(495mg/l Ala,
343mg/l Arg,682mg/l Asp,5
9mg/l Cys,1229mg/l Glu,75
9mg/l Gly,153mg/l His,215
mg/l Iso,470mg/l Leu,565m
g/l Lys,122mg/l Met,255mg
/l Phe,436mg/l Pro,68mg/l
Ser,170mg/l Thr,61mg/l T
ry,304mg/l Val,pH5に調整)10%
含有脱脂粉乳(10%再構築粉末) −HJL:トリプトン3%,牛肉エキス0.2%,酵母
エキス1%,ラクトース1%およびKH2 PO4 ,pH
6.5,0.5% −ルテニウムレッド:酵母エキス0.5%,脱脂粉乳粉
末10%,スクロース1%,アガール1.5%およびル
テニウムレッド0.08g/l(FR2,632,96
8参照)
【0053】例I:S.thermophilus株S
fi6のDNAフラグメントのクローニング I.1.EPSを産生するS.thermophilu
s株の選択: Nestleコレクションからの乳酸菌の
株をHJL液体培地中で培養し、その希釈液をルテニウ
ムレッド固体培地上にプレートアウトする。EPSは細
胞壁の染料による染色を防止するので、EPSを産生す
る株は白色に維持される。これに反して、非産生株は細
胞壁のペプチドグリカンに対する染料の親和性のために
赤色に染まる。この方法で、寄託番号CNCM I−1
590として寄託され「株Sfi6」の表示で以下の例
に指示するS.thermophilus株Sfi6が
EPS産生乳酸菌から選択された。
【0054】I.2.EPSのリピート構造:株Sfi
6によって産生されるEPSの構造は、Docoら(C
arbohyd.Res.,198,313−321,
1995)に報告されている。このEPSは組成Gl
c:Gal:GalNac=1:2:1、およびテトラ
サッカライドのリピート単位
【化7】 を有する。
【0055】I.3.トランスポゾンTn916による
突然変異誘発:ストレプトマイシン含量を20から20
00μg/mlまで増大させ補充したHJL培地に繰返
し移してSfi6株を培養し、自然に抵抗性になる株を
選択することによりストレプトマイシン抵抗性とする。
ストレプトマイシン抵抗性Sfi6株、およびトランス
ポゾンTn916(Tn916はテトラサイクリン抵抗
性遺伝子をもつことが知られている;Gawronら,
Nature,300,281−283,1982)を
もつプラスミドpAM180を含有する腸球菌フェカリ
ス(Enterococcus faecalis)株
JH2−2を接合させる。この目的では、E.faec
alis株JH2−2のM17培地中37℃での一夜培
養液1mlをSfi6株のHJL培地中42℃での一夜
培養液10mlと混合し、細胞を遠心分離し、100μ
lのHJL培地を含む試験管中に再懸濁し、懸濁液をL
M17固体培地に適用し、これを37℃で20時間イン
キュベートし、細胞を掻き落として回収し、10mlの
HJL液体培地の試験管中に再懸濁し、試験管を42℃
で時々振盪しながら4時間インキュベートし、ついで培
養液の希釈液を2.5μg/mlのテトラサイクリンお
よび2000μg/mlのストレプトマイシン補充固体
LM17培地上にプレートアウトする。平行して20の
接合実験(独立の突然変異誘導)を行うことにより、こ
の方法で2×104 のテトラサイクリンおよびストレプ
トマイシン抵抗性トランス接合体を選択することが可能
であった。
【0056】I.4.EPSをもはや産生しない〔EP
S(−)表現型〕Sfi6株変異体の選択:抵抗性トラ
ンス接合体を2.5μg/mlのテトラサイクリンおよ
び2000μg/mlのストレプトマイシンを補充した
ルテニウムレッド固体培地に移す。約10%の接合体が
EPS(−)の赤いコロニーを形成する。ついで約80
0個の赤いコロニーを選択し、2.5μg/mlのテト
ラサイクリンを補充したHJL培地200μlを含むマ
イクトタイトレーションプレート中で一夜培養する。1
00μlのHJL培養体をついで1mlのMSKミルク
中で培養する。試験した赤いコロニーの約25%がミル
ク(ミルクは粘稠でも粘着性でもなく、培養上清の分析
ではEPSは認められない)中で安定なEPS(−)表
現型を示す。他の赤いコロニーはEPS(+)表現型を
示すかまたはミルク中数回の継代培養後にEPS(+)
表現型を回復する。結論として、EPS(−)安定変異
体は、EPSの生合成に関与する染色体遺伝子中へのト
ランスポゾンTn916のインテグレーションの結果と
してEPS産生能を失ったものである。実際、EPS
(−)安定変異体をテトラサイクリンを欠く増殖培地中
で培養すると(トランスポゾンの切断および喪失)、E
PS(+)表現型を回復できる。
【0057】I.5.EPS(−)安定変異体の特性
約100個の安定変異体を、Hind IIIで消化し
たその変異体からの染色体DNAプレパレーションのサ
ザンブロッティングおよび、サザンブロットフィルター
のプラスミドpIC182(Hillら, Applie
d and Env.Micro.,54,1230−
1236,1988)由来の放射性tetM遺伝子(テ
トラサイクリン抵抗性をコードする)とのハイブリダイ
ゼーションによって分析する。分析した約85%の変異
体は、「遺伝子座A」と呼ばれる位置に相当する同一の
優位なバンドを示す。他の変異体の一部では、細胞壁の
生合成に関与する既知の遺伝子座に相当するさらに2つ
のバンド(遺伝子座BおよびC)が認められる(発表準
備中)。
【0058】I.6.遺伝子座Aの特性:インテグレー
トされたトランスポゾンTn916に近接する染色体領
域は逆PCRによって単離できる。この目的では、任意
に選択された変異体(変異体:1)からの染色体DNA
プレパレーション1μgを旧来法によりHind II
Iで4時間消化し、DNAをフェノール/クロロホルム
で抽出し、720μlの水で希釈し、希釈したDNAを
56℃に5分間加熱し、DNAを氷上で冷却し、それに
80μlの10倍濃度のライゲーション緩衝液および5
単位のT4ライガーゼ(Boehringer−Man
nheim)を加え12℃で16時間インキュベート
し、70℃に15分間加熱してライガーゼを不活性化
し、ついでブタノールに数回連続抽出して容量100μ
lに濃縮する。ライゲーション混合物10μl、100
pmolのプライマー、15mM dNTP、10μl
の緩衝液および0.2単位のSuper−Taqポリメ
ラーゼ(Stehlin GmbH)をついでPCRデ
バイスに添加する。核酸プライマーはトランスポゾンT
n916の既知配列に基づいて選択される。
【0059】配列番号:15ならびに配列番号:16の
配列を有するプライマーを用いると、PCRにより1−
kbフラグメントが単離できた。さらに、プライマー配
列番号:17および配列番号:18の配列を用いると、
4−kbフラグメントが単離できた(以下の配列表参
照)。第三の0.8−kbフラグメントも変異体:1か
ら、そのRsaIで消化した染色体DNAから配列番
号:18および配列番号:19の配列(以下の配列表参
照)を有するプライマーを用いて第二の逆PCRを実施
することにより単離できる。1−kbおよび0.8−k
bフラグメントを線状化プラスミドpGEMT(Pro
mega,USA)中にクローン化した。これらのフラ
グメントをジデオキシヌクレオチド法で配列決定〔f−
mol(登録商標)DNA Sequencing S
ystem kit,Promega〕し、整合する
と、配列番号:1の配列のヌクレオチド9933〜11
643に相当する3つのオープンリーディングフレーム
(ORF)をカバーする2つの配列を示す。
【0060】1−kbおよび4−kbフラグメントはま
た、株Sfit6のDNAフラグメントを含有するλ−
ZAP Express(Stratagene,US
A)ライブラリーのスクリーニングに使用された。この
目的では、供給者の推薦に従い、上記変異体からのDN
AプレパレーションをSau3Aで部分消化し、フラグ
メントをアガロースゲル電気泳動によって分離し、5−
〜12−kbフラグメントに相当するバンドをゲルから
切り出し、DNAを溶出し、ついで予めBamHIで消
化したλ−ZAP Expressベクターにライゲー
トする。ライゲーション産物をGigagold II
I system(Stratagene)を用いイン
ビトロでエンカプシデートし、次にファージを大腸菌X
L1Blue(Stratagene)と供給者の推薦
に従い混合し、次に混合物をペトリ皿上にプレートアウ
トする。組換えプラークをついでそれらのDNAのハイ
ブリダイゼーション、予め放射性とした(Random
Primed DNALabelling kit,
Boehringer−Mannheim)1−kbお
よび4−kbフラグメントととのHybond N m
embrane(American Life Sci
ence,UK)上へのトランスファーにより分析す
る。
【0061】3000の組換えプラークから約20の陽
性プラークをハイブリダイゼーションによって分離する
ことができ、それからついでλ−ZAP Expres
sベクターを単離し、次に染色体インサートを含有する
pCMVベクターを切り出した(供給者のStrata
geneの説明書参照)。これらの組換えベクターは以
下の実施例中においては「pFS」と呼ばれる。11の
pFSベクターの染色体インサートをついで配列決定し
た〔f−mol(登録商標)DNA Sequenci
ng System kit〕。これらはベクターpF
S14,pFS15,pFS26,pFS30,pFS
33,pFS49,pFS50,pFS65,pFS7
3,pFS80およびpFS86であり、それぞれ配列
番号:1のヌクレオチド配列,9314〜14602,
1〜3159, 7988〜11253,1702〜79
91, 1361〜7229, 4400〜8477, 64
8〜7676, 5997〜11253,8474〜13
489,3550〜7229および648〜1702に
相当するフラグメントからなる。
【0062】異なる染色体インサートの核酸配列を整合
することにより、株Sfi6の遺伝子座Aに相当する1
5.2kbの配列をこの方法で特性づけることができた
(図1A参照)。この15.2kbの配列のヌクレオチ
ド648〜15250は配列番号:1の配列中に示され
ている。
【0063】I.7.配列番号:1の配列の分析: 配列番号:1の配列は株Sfi6の全epsオペロンか
ら構成される。この配列はepsA,B,C,D,E,
F,G,H,I,J,K,LおよびMと呼ばれる同一方
向性の13の完全ORFからなる(図1A参照)。この
配列にはさらに配列の3’末端に、相補性の配列鎖によ
ってコードされる1つの完全ORFを含有する。orf
Zと呼ばれるこのORFは多分、他のORFに対するそ
の逆の方向性からオペロンの末端を標識するものであろ
う。
【0064】最初の13のORFによってコードされる
アミノ酸配列をSwiss−Protデータバンクに存
在するタンパク質の配列とソフトウエアFASTA,P
EPPLOTおよびPILEUP(GCG−softw
are,Wisconsin,USA)を使用して比較
すると、epsオペロンによってコードされる13のタ
ンパク質の機能を推定することが可能である。結果は以
下に示す。
【0065】epsA ORF(ヌクレオチド352〜
1803)は自己溶菌酵素N−アセチルムラモイル−L
−アラニン(Lazavericら,J.Gen.Mi
crobiol.,138,1949−1961,19
92)の調節に関与する枯草菌(Bacillus s
ubtilis)のLytRタンパク質と26.4%の
同一性を有するEpsAタンパク質(配列番号:2)を
コードする。したがってepsAは多分、epsオペロ
ンのレギュレータータンパク質と考えられる。さらに、
オペロンのレギュレーターORFは一般的に他のORF
の上流に見出されることからepsA遺伝子は多分、e
psオペロンの最初の遺伝子であると思われる。これ
は、ターミネーターが配列番号:1の配列のヌクレオチ
ド230〜252に、プロモーターがヌクレオチド27
4〜302に、リボソーム結合部位がヌクレオチド34
0〜345に見出される事実によって確認される。
【0066】epsB遺伝子(ヌクレオチド1807〜
2535)は、Streptococcus agal
actiaeのCpsAタンパク質と67.5%の同一
性および黄色ブドウ球菌(Staphylococcu
s aureus)のCapCタンパク質と30%の同
一性を有する(Rubensら, Mol.Microb
iol.,8,843−885,1993;Linら,
J.Bacteriol.176,7005−701
6,1994)EpsBタンパク質(配列番号:3)を
コードする。これらの遺伝子の正確な機能は、それらが
細菌の外膜のリン脂質にカップリングするポリサッカラ
イドから構成される莢膜の合成に必須であることを除い
てまだ不明である。
【0067】epsC遺伝子(ヌクレオチド2547〜
3239)は、Streptococcus agal
actiaeの莢膜の合成に関与する(Rubens
ら)CpsBタンパク質と52%の同一性を有するEp
sCタンパク質をコードする。EpsCはまた、Sal
monella typhimurium(ネズミチフ
ス菌)、Salmonella entericaおよ
び大腸菌のCLDタンパク質の配列(Batchelo
rら, J.Bacteriol.174,5228−5
236,1992;Bastinら,Mol.Micr
obiol.,7,725−734,1993)と23
%の同一性、49%の類似性およびそれに匹敵する疎水
性プロファイルを有する。CLDタンパク質はポリサッ
カライドの合成時にその鎖の長さの制御に関与すること
が指摘されねばならない。
【0068】epsD遺伝子(ヌクレオチド3249〜
3995)は、Streptococcus agal
actiaeのCpsCタンパク質と60.5%の同一
性、Staphylococcus aureusのC
apAタンパク質と34.5%の同一性およびRhiz
obium melilotiのExoPタンパク質と
33%の同一性を有する(Rubensら, Linら,
Beckerら,Mol.Gen.Genet.,24
1,367−379,1993)EpsDタンパク質
(配列番号:5)をコードする。ExoPタンパク質
は、EPSおよび/またはEPS前駆体のトランスロケ
ーションに関与する膜タンパク質である。
【0069】epsE遺伝子(ヌクレオチド4051〜
4731)は、ガラクトシルトランスフェラーゼ活性を
有する多くのタンパク質(Rubensら)と有意なホ
モロジーを示すEpsEタンパク質(配列番号:6)を
コードする。したがって、この遺伝子はガラクトシルト
ランスフェラーゼをコードするものと思われる。
【0070】S.thermophilus Sfi6
のepsB,C,DおよびE遺伝子は、cpsA,B,
CおよびD遺伝子からなるS.agalactiaeの
オペロンの場合(Rubensら)に類似することが注
目される。しかもそれらは同じ方法で統合されている。
2つの株の莢膜のポリサッカライドおよびEPSは極め
て異なることから、これは染色体領域が多分これらの2
つの種の間で転換したことを指示するものであろう。
【0071】epsF遺伝子(ヌクレオチド4898〜
5854)は、多分ガラクトシルトランスフラーゼとし
て莢膜の生合成に関与していると考えられる(Lin
ら)S.mutansのCapHおよびCapMとそれ
ぞれ24.5%および23%の同一生を有するEpsF
タンパク質(配列番号:7)をコードする。
【0072】epsG遺伝子(ヌクレオチド6425〜
7540)は外膜のLPSポリサッカライドの生合成に
関与するSalmonella typhimuriu
mLT2のN−アセチルグルコサミントランスフェラー
ゼ(MacLachlanら, J.Bacterio
l.,173,7151−7163,1991)と2
0.5%の同一性および50%の類似性を有するEps
Gタンパク質(配列番号:8)をコードする。N−アセ
チルグルコサミンは株Sfi6のEPSの生合成には関
与しないので(アセチル化グルコースはない)、Eps
G遺伝子は多分、グリコシルトランスフェラーゼ、N−
アセチルガラクトシルトランスフェラーゼ、またはN−
アセチルグルコサミンエピメラーゼ活性を有するN−ア
セチルグリコシルトランスフェラーゼをコードするもの
と思われる。
【0073】epsH遺伝子(ヌクレオチド7736〜
8212)は、NodL−LacA−CysEアセチル
トランスフェラーゼ(Downieら, Mol.Mic
robiol.,3,1649−1651,1989)
と高いホモロジーを有するEpsHタンパク質(配列番
号:9)をコードする。したがって、EpsHタンパク
質はEPSのN−アセチルガラクトサミンの生合成に関
与するアセチルトランスフェラーゼであるものと思われ
る。
【0074】epsI遺伝子(ヌクレオチド8221〜
9192)はSalmonellatyphimuri
umのrfbクラスターのRfbV ORFによってコ
ードされる、グリコシルトランスフェラーゼと考えられ
るタンパク質(Jiangら;Liuら, J.Bact
eriol.,177,4084−4088,199
5)と24%の同一性を有するEpsIタンパク質(配
列番号:10)をコードする。
【0075】epsJ遺伝子(ヌクレオチド9285〜
10364)は、群BおよびC2サルモネラのO抗原の
ポリメラーゼにそれ自体類似するSalmonella
entericaのrfbクラスターのORFのタン
パク質(Leeら, J.Gen.Microbio
l.,138,1843−1855,1992;Mor
onaら,J.Bacteriol.,176,733
−747,1994)の場合と20%の同一性およびそ
れに匹敵する疎水性プロファイルを有するEpsJタン
パク質(配列番号:11)をコードする。EpsJ遺伝
子はしたがって、EPSのテトラサッカライド単位を重
合させることができるEPSポリメラーゼをコードする
ものと考えられる。
【0076】epsK遺伝子(ヌクレオチド10392
〜11339)は、膜のリン脂質にポリサッカライドを
カップリングさせることによっての莢膜の生合成に関与
する髄膜炎菌(Neisseria meningit
idis)のlipB遺伝子によってコードされる、タ
ンパク質(Froschら,Mol.Microbio
l.,8,483−498,1993)と18%の同一
性ならびに42%の類似性を有するEpsKタンパク質
(配列番号:12)をコードしている。S.therm
ophilusが外膜をもたないと仮定すれば(グラム
陽性菌)、epsK遺伝子は、EPS輸送分子(多分、
EpsCおよびEpsD)およびEPSを切離す酵素と
共同して膜を通過するEPSの輸送を分担する細胞膜の
リン脂質へのEPSのカップリングに関与する酵素をコ
ードすると考えることができる(Froschらによっ
て提起されたモデルと一致する)。
【0077】さらに、トランスポゾンTn916は配列
番号:1のヌクレオチド10540〜10541の間
で、epsオペロンの同定に用いられた変異体:1のe
psK遺伝子中にインテグレートされる可能性が指摘さ
れる(上記I.6.の項参照)。
【0078】epsL遺伝子(ヌクレオチド11302
〜12222)は既知のタンパク質とはホモロジーを示
さないEpsLタンパク質(配列番号:14)をコード
する。最初の38のヌクレオチドは、epsKの3’末
端と重複し、2つのタンパク質の一律発現とEPSの膜
輸送におけるEpsLタンパク質の活性が示唆される。
【0079】epsM遺伝子(ヌクレオチド12233
〜13651)は、Swiss−Protデータバンク
からの既知のタンパク質とはホモロジーを示さないEp
sMタンパク質(配列番号:13)をコードする。この
遺伝子の特異的なプロモーターが上流にないことから、
この遺伝子は明らかに株Sfi6のEPSの生合成に関
与している。
【0080】orfZ遺伝子(相補性鎖上13732〜
14305)は、epsオペロンにおける他のORFと
逆方向に存在する。したがって、株Sfi6のEPSの
生合成には多分関与していないと思われる。さらに、S
wiss−Protデータバンクの既知のタンパク質と
はホモロジーを示さない。
【0081】結論として、11のpSFベクターから単
離された染色体インサート(上記I.6.の項参照)は
EPSの生合成に明らかに関与するS.thermop
hilus株Sfi6の染色体領域をカバーする。この
ようにして、上流にepsオペロンの開始の範囲を定め
るプロモーターを含む13の完全遺伝子が同定できた。
【0082】例II:epsJ遺伝子の不活性化 epsオペロンのepsJ遺伝子を、EPSの生合成に
おけるその重要性を確認するために、相同組換えによっ
て不活性化する。この目的では、0.8−kb PCR
フラグメントを含有するプラスミドpGEMT(上記
I.6.の項参照)からDraI−SalIフラグメン
トを単離し、予めEcoRVおよびSaIIで消化した
熱感受性プラスミドpSA3(Daoら,Appl.E
nviron.Microbiol.,49,115−
119,1985)にライゲートし、大腸菌株XLl−
blueをライゲーション産物でトランスフォームし、
トランスフォーマントを選択し、組換えプラスミドを単
離し、S.thermophilus株Sfi6をSl
osら(Appl.Environ.Microbio
l.,57,1333−1339,1991)によって
記載された方法から適応された方法により組換えプラス
ミドでのエレクトロポレーションを用いてトランスフォ
ームする。細胞を2.1kV、25μFおよび400Ω
の放電に付し、1mlのHJL培地中に再懸濁し、37
℃(許容温度)で4時間インキュベートし、細胞を2.
5μg/mlのエリスロマイシンを補充したLM17固
体培地上にプレートアウトし、37℃で16時間インキ
ュベートし、ついで生存しているトランスフォームされ
たコロニーを選択する。選択されたコロニーを2.5μ
g/mlのエリスロマイシンを補充したHJL培地2m
l中で培養液の600nmにおける光学密度(O
600 )が0.2に達するまでインキュベートし、培養
液をOD600 が1.0に達するまで45℃にし(プラス
ミドはも早複製しない)、培養体の希釈液を2.5μg
/mlのエリスロマイシン補充LM17固体培地上にプ
レートアウトし、45℃で12時間インキュベートす
る。
【0083】生存したコロニーのepsJ遺伝子に組換
えプラスミドpSA3 をインテグレートする。これは、
生存コロニーをEcoRIで消化した(pSA3を1箇
所でのみ切断する)染色体DNAプレパレーションのサ
ザンブロッティングおよびサザンブロットフィルターの
上述の放射性DraI−SalIフラグメントとのハイ
ブリダイゼーションにより確証する。プラスミドpSA
3がインテグレートされたコロニーはサザンブロットフ
ィルター上に2つのバンドを示す。さらに、epsJ遺
伝子に組換えプラスミドpSA3がインテグレートされ
たコロニーはルテニウムレッド固体培地上でEPS
(−)の表現型を示し、MSKミルク中でそれらの粘着
性は喪失した(上記例I.4.参照)。
【0084】例III:epsA,B,C,D,E,
F,G,H,I,J,K,LおよびM遺伝子の不活性化 例IおよびIIに、トランスポゾンまたはインテグレー
トされるプラスミドの挿入によるepsKおよびeps
J遺伝子の不活性化は株Sfi6におけるEPS生合成
を遮断することを示した。同様に株Sfi6のepsオ
ペロンの他の遺伝子は相同組換えによって不活性化さ
れ、したがってEPS生合成の遮断が観察できる。この
目的では、上記例I.6.に記載の11個のpFSベク
ターの一つに由来するORFのフラグメントをPCRで
増幅する。それをプラスミドpSA3にクローン化し、
ついで前の例における記載と同一条件下に、株Sfi6
にトランスフォームおよびインテグレートする。
【0085】例IV:EPS産生の修復 pFS30をEcoRIで切断し、フラグメントを分離
し、5.5−kbフラグメントを予めEcoRIで消化
したpFS14にライゲートし、XL1−blue細胞
をライゲーション産物でトランスフォームし、トランス
フォームされ挿入体が正しい方向性を示すクローンを選
択し、pFS30−14と呼ばれるプラスミドを単離
し、pFS65中央のEcoRIフラグメントを、予め
EcoRIで切断したpFS30−14にライゲート
し、XL1−blue細胞をライゲーション産物でトラ
ンスフォームし、トランスフォームされ、挿入体が正し
い方向性を示すクローンをついで選択する。pFS30
−65−14と呼ばれる得られた組換えプラスミドは配
列番号:1の配列のヌクレオチド1702〜14602
からなる。
【0086】pFS30−65−14をついでSalI
およびSmaIで切断し、12.9kbフラグメントを
分離し、予めEcoRVとSalIで切断したpSA3
にライゲート、XL1−blue細胞をライゲーション
産物でトランスフォームし、トランスフォームされたク
ローンを選択し、組換えpSA3プラスミドを単離す
る。
【0087】1993年3月29日付で寄託されたS.
thermophilus株CNCM I−1292を
組換えpSA3プラスミドでエレクトロポレーションに
よりトランスフォームする。このグラム陽性株は、顕微
鏡下に小さい鎖を形成する非鞭毛球菌の外観を呈し、胞
子は作らず、通性嫌気性菌であり、EPSを産生せず、
そのゲノムにはepsオペロンの5’末端に相当するそ
のゲノム1000bpを有する。したがって組換えpS
A3プラスミドは株CNCM I−1292のゲノムに
インテグレートされる。一部のトランスフォームされた
クローンはルテニウムレッド固体培地上でEPS(+)
の表現型を示し、MSKミルク内で粘着性を有する。
【0088】例V:EPS産物の修復 株Sfi6の染色体を、配列番号:1の配列を切断はし
ない酵素(BamHI,SalI,NruI,Stu
I)で消化し、消化産物をアガロースゲル上で分離し、
15−〜25−kbのバンドを溶出し、適当な制限酵素
で予め切断したpSA3中にライゲートし、S.the
rmophilus株CNCM I−1292をエレク
トロポレーションによりトランスフォームし、トランス
フォーマントはついでフィルター上へのコロニーのトラ
ンスファーついでそれらのDNAの予め放射性としたp
FS14とのハイブリダイゼーションにより選択する。
トランスフォームされた一部のクローンはルテニウムレ
ッド固体培地上でEPS(+)の表現型を示し、MSK
ミルク内で粘着性を有する。
【0089】例VI:EPSの修飾 1994年5月18日付で寄託されたS.thermo
philus株CNCM I−1422を例Vの組換え
pSA3プラスミドでエレクトロポレーションによりト
ランスフォームする。このグラム陽性株は、顕微鏡下に
小さい鎖を形成する非鞭毛球菌の外観を呈し、胞子は作
らず、通性嫌気性菌であり、組成Glc:Gal=2:
2を有するEPSを産生する。
【0090】例VII:EPSの修飾 1993年8月5日付で寄託されたS.thermop
hilus株CNCMI−1351を例Vの組換えpS
A3プラスミドでのエレクトロポレーションによってト
ランスフォームする。このグラム陽性株は、顕微鏡下に
小さい鎖を形成する非鞭毛球菌の外観を呈して、胞子は
作らず、通性嫌気性菌であり、組成Glc:Gal:R
ha=1:3:2を有するEPSを産生する。
【0091】例VIII:EPSの修飾 株CNCM I−1590の染色体DNAは、Slos
ら(Appl.Environ.Microbio
l.,57,1333−1339,1991)の方法に
よって単離される。DNAプレパレーションはSacI
およびBamHIで消化し、DNAフラグメントは0.
7%アガロースゲル上電気泳動によって分離し、12−
〜16−kbフラグメントを溶出し、抽出されたDNA
を予めSacIおよびBamHIで消化しついで脱リン
酸化したベクターpJIM2279(P.Renaul
t,INRA,Jouy−en−Josas,Pari
s,Franceから入手)にライゲートする。GM1
7培地上30℃にて培養したLactococcus
lactis株 MG1363(J.Bacterio
l.,154,1−9,1983)をDe Vosら
(Gene,85,169−176,1989)の方法
によりトランスフォームする。トランスフォームされた
クローンを、クローンのゲノムDNAと配列番号:1
5, 16, 17, 18および19の配列を有するプロー
ブの一つとのハイブリダイゼーションにより選択する。
400個のトランスフォーマント中、6つの陽性クロー
ンが選択され、その一つが図1Cに示すpFS101と
呼ばれるプラスミドを含有する。
【0092】プラスミドpFS101が組換えEPSの
産生を誘導できるか否かを決定するために、L.lac
tis株MG1363をpFS101でトランスフォー
ムし、ルテニウムレッド固体培地上に直接プレートアウ
トする。比較のために、プラスミドpJIM2279で
トランスフォームされたL.lactis株 MG13
63をついでルテニウムレッド固体培地上に直接プレー
トアウトする。結果はpJIM2279を含むコロニー
がすべて赤い表現型〔3000EPS(−)コロニー〕
であるが、pFS101を含有するコロニーの99.5
%以上が白色の表現型〔800EPS(+)コロニー、
2コロニーを除く〕を示す。したがって、pFS101
でトランスフォームされたL.lactis株MG13
63は組換えEPSを産生する。
【0093】pFS101でトランスフォームされた
L.lactis株 MG1363のEPSの産生は生
物体をMAM培地中、pH5.5、30℃において、6
0rpmで電磁攪拌しながら培養することによって行わ
れる。組換えEPSは培養培地を40%のトリクロロ酢
酸と混合し、混合物を8000gで20分間遠心分離
し、沈殿を等容量のアセトンと混合し、混合物を4℃で
12時間インキュベートし、混合物を10000gで1
時間沈殿させ、沈殿を水中に懸濁させ混合物のpHを7
に調整し、水に対して24時間透析し、100,000
gで1時間超遠心し、上清を回収し、上清を凍結乾燥さ
せる。比較のために、pJIM2279でトランスフォ
ームされたL.lactis株 MG1363を同一条
件で培養し、同様にして糖を単離する。
【0094】中性糖の総量はDuboisら(Ana
l.Chem.,28,350−356,1956)の
方法によって測定する。結果は、pFS101でトラン
スフォームされた株がグルコース当量で表して10mg
/mlの糖を産生するのに対し、pJIM2279でト
ランスフォームされた株では痕跡(<1mg/l)の糖
を産生するにすぎない。
【0095】組換えEPSの分子量は予め市販のデキス
トラン(Sigma)2×106 〜5×103 ダルトン
(Da)で検量したFPLCシステム(Pharmac
ia)に接続したSuperose−6(Pharma
cia)ゲルろ過カラム上クロマトグラフィーによって
評価する。この目的では、250μgの中性糖からなる
サンプル0.25〜1mlをカラムに適用し、流速0.
5ml/分の50mMリン酸緩衝液pH7.2で溶出す
る。比較のためにpJIM2279でトランスフォーム
された株によって産生された糖も同様に分離する。図2
に示す結果は、pJIM2279でトランスフォームさ
れた株は明らかに細胞壁に由来する異種ポリサッカライ
ドを少量(2〜0.5×106 Da;分画8〜15)お
よび低分子量のオリゴサッカライド(モノおよびジサッ
カライド;分画20〜22)を大量に産生する。これに
対し、pFS101でトランスフォームされた株では高
分子量の組換えEPS約2×106 Da(分画9)が明
らかに認められる。
【0096】組換えEPSの糖組成はNeeserら
(Anal.Biochem.,142,58−67,
1984)の方法によってガスクロマトグラフィーで測
定する。結果は、pFS101でトランスフォームされ
た株の培養培地には、モル比でGlc:Galが1:3
で含まれる。細胞壁に由来する痕跡のラムノースが検出
される。これに対し、GalNacは検出されない。
【0097】pFS101でトランスフォームされた
L.lactis株 MG1363によって産生される
EPSの組成は、S.thermophilus株 C
NCMI−1590によって産生されるEPSの組成と
は異なる。組換えEPSの構造は、GalNacがガラ
クトースによって置換されている以外は、株 CNCM
I−1590のEPSの構造と同じであると考えるの
が妥当である。
【0098】
【配列表】
(1)配列番号:1 配列の長さ:14602塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ゲノムDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:352..1803 他の情報:/産物=”epsA” 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1807..2535 他の情報:/産物=”epsB" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:2547..3239 他の情報:/産物=”epsC" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:3249..3995 他の情報:/産物=”epsD" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:4051..4731 他の情報:/産物=”epsE" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:4898..5854 他の情報:/産物=”epsF" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:6425..7540 他の情報:/産物=”epsG" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:7736..8212 他の情報:/産物=”epsH" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:8221..9192 他の情報:/産物=”epsI" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:9285..10364 他の情報:/産物=”epsJ" 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:10392..11339 他の情報:/産物=”epsK" 配列の特徴 特徴を表す記号:misc.feature 存在位置:11302..12222 他の情報:/産物=ヌクレオチド10392−1133
9CDS(epsK)を包含するCDS(epsL) 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:12233..13651 他の情報:/産物=”epsM" 配列の特徴 特徴を表す記号:misc.feature 存在位置:13732..14305 他の情報:/”機能=相補鎖上CDS"/産物=”or
fz" 配列の特徴 特徴を表す記号:terminator 存在位置:230..252 配列の特徴 特徴を表す記号:promoter 存在位置:274..302 配列の特徴 特徴を表す記号:RBS 存在位置:340..345 配列
【0099】
【化8】
【0100】
【化9】
【0101】
【化10】
【0102】
【化11】
【0103】
【化12】
【0104】
【化13】
【0105】
【化14】
【0106】
【化15】
【0107】
【化16】
【0108】
【化17】
【0109】
【化18】
【0110】
【化19】
【0111】
【化20】
【0112】
【化21】
【0113】
【化22】
【0114】(2)配列番号:2 配列の長さ:484アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0115】
【化23】
【0116】
【化24】
【0117】(3)配列番号:3 配列の長さ:243アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0118】
【化25】
【0119】(4)配列番号:4 配列の長さ:231アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0120】
【化26】
【0121】(5)配列番号:5 配列の長さ:249アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0122】
【化27】
【0123】(6)配列番号:6 配列の長さ:227アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質
【0124】
【化28】
【0125】(7)配列番号:7 配列の長さ:319アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0126】
【化29】
【0127】(8)配列番号:8 配列の長さ:372アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0128】
【化30】
【0129】(9)配列番号:9 配列の長さ:159アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0130】
【化31】
【0131】(10)配列番号:10 配列の長さ:324アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0132】
【化32】
【0133】(11)配列番号:11 配列の長さ:360アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0134】
【化33】
【0135】(12)配列番号:12 配列の長さ:316アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0136】
【化34】
【0137】(13)配列番号:13 配列の長さ:473アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0138】
【化35】
【0139】
【化36】
【0140】(14)配列番号:14 配列の長さ:307アミノ酸 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列
【0141】
【化37】
【0142】(15)配列番号:15 配列の長さ:32塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(desc=”oligonuc
leotide”) 配列
【0143】
【化38】
【0144】(16)配列番号:16 配列の長さ:30塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(desc=”oligonuc
leotide”) 配列
【0145】
【化39】
【0146】(17)配列番号:17 配列の長さ:31塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(desc=”oligonuc
leotide”) 配列
【0147】
【化40】
【0148】(18)配列番号:18 配列の長さ:31塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(desc=”oligonuc
leotide”) 配列
【0149】
【化41】
【0150】(19)配列番号:19 配列の長さ:31塩基対 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(desc=”oligonuc
leotide”) 配列
【0151】
【化42】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1A:S.thermophilus株CN
CM I−1590のEPSの生合成に関与するオペロ
ンの物理的地図。プロモーターおよびターミネーターは
それぞれ、旗およびヘアピンで示す。縦の矢印はトラン
スポゾンTn916の挿入部位の位置を指示する。水平
の矢印は可能性のあるオープンリーディングフレーム
(ORF)の存在を指示する。ORFに相当する遺伝子
の名称はその矢印の下に表示する。制限酵素は略号によ
り示す(S=SacI;H=Hind III;E=E
coRI;B=BamHI)。 図1B:11pFSベクター中に存在する株 CNCM
I−1590の染色体インサートの表示。P1,P2
およびP3はスクリーニング時に用いられるプローブの
位置を指示する。 図1C:pJIM2279中にクローニングされるSa
cIからBamHI制限部位までの全epsオペロンか
らなるゲノムインサートpFS101の表示。
【図2】pFS101またはpJIM2279でトラン
スフォームしたLactococcus lactis
株 MG1363によって産生された糖からなるゲルろ
過クロマトグラフィーのフラクションの485nmにお
ける光学密度のグラフ。フラクション9:2×106
ルトン(Da);フラクション11〜13:5×105
Da;フラクション14〜16:7.2×104 Da;
フラクション17〜18:4×104 Da;フラクショ
ン19以上:<5×103 Da。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/68 9453−4B C12Q 1/68 A //(C12N 1/21 C12R 1:46) (C12P 19/04 C12R 1:46)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リピート構造 【化1】 (式中、nは>1であり、Aはβ−D−Galp、β−
    D−Glcpならびにそれらのアセチルおよびホスファ
    チル誘導体からなる群より選ばれ、xおよびyは2,
    3,4,5または6である。ただしx=yではない)を
    有するエキソポリサッカライド(以下、エキソポリサッ
    カライドをEPSともいう)の生合成に関与する少なく
    とも1種の酵素をコードする染色体起源の乳酸菌DN
    A。
  2. 【請求項2】 リピート構造 【化2】 を有するEPSの生合成に関与する少なくとも1種の酵
    素をコードする「請求項1」に記載のDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号:1の核酸配列からなる「請求
    項1」に記載のDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号:1の核酸配列中ヌクレオチド
    352〜1803,1807〜2535, 2547〜3
    239, 3249〜3995, 4051〜4731, 4
    898〜5854, 6425〜7540, 7736〜8
    212, 8221〜9192, 9285〜10364,
    10392〜11339,11302〜12222およ
    び12233〜13651によって区切られた遺伝子の
    群より選ばれる少なくとも1種の遺伝子からなる「請求
    項2」に記載のDNA。
  5. 【請求項5】 「請求項3および4」のいずれかに記載
    のDNAと相同であるかまたはそれとハイブリダイズす
    る「請求項2」に記載のDNA。
  6. 【請求項6】 「請求項1〜5」の一つに記載のDNA
    からなる組換えベクター。
  7. 【請求項7】 リピート構造 【化3】 を有するEPSの生合成に関与可能であって、配列番
    号:2,配列番号:3,配列番号:4,配列番号:5,
    配列番号:6,配列番号:7,配列番号:8,配列番
    号:9,配列番号:10,配列番号:11,配列番号:
    12,配列番号:13および配列番号:14の配列なら
    びにそれらの機能性相同配列からなる群より選ばれるア
    ミノ酸配列をもつタンパク質。
  8. 【請求項8】 「請求項1」に記載のDNAフラグメン
    トをゲノムにインテグレートされてまたは複製可能なプ
    ラスミドの補助により有する乳酸菌。
  9. 【請求項9】 (1)「請求項7」に記載のEPSの生
    合成に関与する酵素をコードするDNAフラグメント
    を、宿主細胞内での自動複製または宿主細胞へのインテ
    グレートを可能にする配列からなるベクター中にクロー
    ニングし、(2)宿主細胞を上記ベクターでトランスフ
    ォームし、(3)トランスフォームされた宿主細胞をE
    PSの産生に適当な条件下に培養するEPSの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 ベクターはさらに、宿主細胞中で機能
    性のプロモーター配列および翻訳アクティベーター配列
    からなる「請求項9」に記載の方法。
  11. 【請求項11】 (1)EPSの生合成に関与する少な
    くとも1種の酵素をコードするDNAフラグメントをベ
    クター中にクローニングし、(2)他のEPSを必要に
    応じて産生する乳酸菌を上記ベクターでトランスフォー
    ムし、(3)トランスフォームされた乳酸菌を次いで新
    たなEPSの産生に適当な条件下に培養するEPSの製
    造方法。
  12. 【請求項12】 「請求項2〜5」の一つに記載のDN
    Aフラグメントをベクター中にクローニングする「請求
    項9〜11」の一つに記載の方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも15bpを有する配列番
    号:1の配列のDNAフラグメントまたはその相補性配
    列鎖からなる、PCR反応に使用可能なプライマーまた
    はEPSの生合成に関与する乳酸菌の遺伝子のインビト
    ロ検出もしくはインビボ不活性化のためのプローブ。
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