JPH09269959A - 経路遅延故障の検査容易化設計方法及び検査系列生成方法 - Google Patents

経路遅延故障の検査容易化設計方法及び検査系列生成方法

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JPH09269959A
JPH09269959A JP8223593A JP22359396A JPH09269959A JP H09269959 A JPH09269959 A JP H09269959A JP 8223593 A JP8223593 A JP 8223593A JP 22359396 A JP22359396 A JP 22359396A JP H09269959 A JPH09269959 A JP H09269959A
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JP
Japan
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flop
logical value
delay fault
scan flip
input terminal
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Application number
JP8223593A
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English (en)
Inventor
Toshinori Hosokawa
利典 細川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面積オーバーヘッドの大幅な増大を招くこと
無く高い故障検出率を得ることができる、経路遅延故障
のための検査容易化設計方法を提供する。 【解決手段】 ステップS11において、与えられた集
積回路内の未処理の経路遅延故障を選択する。選択され
た経路遅延故障に対し、ステップS12において初期パ
ターンを生成し、各スキャンフリップフロップに設定さ
れた論理値をステップS13において記憶する。また選
択された経路遅延故障に対し、ステップS14において
遷移パターンを生成する。ステップS15において、初
期パターンと遷移パターンとで論理値が矛盾するスキャ
ンフリップフロップが存在するか否かを判断する。ステ
ップS16において、論理値が矛盾するスキャンフリッ
プフロップの出力信号線にDラッチを挿入する。このD
ラッチによって論理値の矛盾が解消され、経路遅延故障
の検査が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路の検査容
易化設計方法及び検査系列生成方法に関するものであ
り、特に、経路遅延故障の検査を容易にする検査容易化
設計方法、及び前記検査容易化設計方法によって検査容
易化が行われた集積回路に対する検査系列を生成する検
査系列生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路の集積度の向上に伴い、優れた
検査容易化設計方法及び検査系列生成方法が要求されて
いる。特に、経路遅延故障の検査を容易にする検査容易
化設計方法及び検査系列生成方法のニーズが高まってい
る。
【0003】経路遅延故障の検査方法として代表的なも
のは、次の3つである。 (1) スキャンフリップフロップのシフト動作のみに
よって、初期パターン及び遷移パターンを生成する。 (2) スキャンフリップフロップのシフト動作によっ
て初期パターンを生成し、その後、通常動作によって遷
移パターンを生成する。 (3) (1)の方法に加えて、スキャンフリップフロ
ップの出力にDフリップフロップを接続した専用のスキ
ャンフリップフロップセルを使用する。
【0004】従来の経路遅延故障の検査系列生成方法及
び検査容易化設計方法は、“Design-for-Testability f
or Path Delay Faults in Large Combinational Circui
ts Using Test-Points”(I.Pomeranz,S.M.Reddy, 19
94年、デザインオートメーションカンファレンス)及
びこの文献の参考文献に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
経路遅延故障の検査方法には、以下のような問題があ
る。
【0006】まず、(1)の方法では、初期パターン及
び遷移パターンをスキャンフリップフロップのシフト動
作のみでは生成できない場合が多い。したがって、経路
遅延故障の検出率が悪い。
【0007】また、(2)の方法によると、一般的には
(1)の方法に比べて故障検出率は改善されるが、初期
パターンと遷移パターンとで共通のスキャンフリップフ
ロップに論理値を設定する場合、このスキャンフリップ
フロップにおいて論理値に矛盾が生じ、初期パターン又
は遷移パターンの生成に失敗する可能性がある。このよ
うな場合、故障検出率はかえって低下する。
【0008】さらに、(3)の方法では、スキャンフリ
ップフロップセル内のDフリップフロップに遷移パター
ンを保持させるようにスキャンインを行うので、(1)
及び(2)の方法に比べて故障検出率は改善される。し
かし、専用のスキャンフリップフロップセルを用いるた
め、集積回路の面積オーバーヘッドが大幅に増大する。
また、1つのスキャンフリップフロップセルに2つのフ
リップフロップが含まれているため、スキャンインのた
めに要するテストパターン数が(1)又は(2)の方法
に比べて2倍になり、テストパターン数が増大する。
【0009】前記の問題に鑑み、本発明は、集積回路の
面積オーバーヘッド及び検査に要するテストパターン数
の大幅な増大を招くこと無く,高い故障検出率を得るこ
とができる、経路遅延故障のための検査容易化設計方法
及び検査系列生成方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、請求項1の発明が講じた解決手段は、与えられた集
積回路に対して経路遅延故障の検査が容易になるよう設
計変更を行う経路遅延故障の検査容易化設計方法とし
て、検査のために生成された初期パターン及び遷移パタ
ーンにおいて共に論理値が設定され且つ設定された論理
値が初期パターンと遷移パターンとで矛盾するスキャン
フリップフロップが集積回路回路内に存在するとき、入
力されたデータを外部からの指示に従って一旦保持する
機能を有する値保持素子を、前記集積回路内の当該スキ
ャンフリップフロップの出力データが保持可能である位
置に配置するものであり、これにより、前記スキャンフ
リップフロップの論理値の矛盾が解消され、初期パター
ン及び遷移パターンの生成の失敗を未然に防ぐことがで
きるので、高い故障検出率を得ることができる。
【0011】請求項2の発明が講じた解決手段は、請求
項1の発明を具体化したものであり、フルスキャン設計
された集積回路に対し、外部入力端子又はスキャンフリ
ップフロップのデータ出力端子を始点とすると共に外部
出力端子又はスキャンフリップフロップの通常モードに
おけるデータ入力端子を終点とし,始点から終点まで組
み合わせ回路のみによって構成された任意の信号経路に
おける、始点から出力された信号が終点に到達するまで
にクロック周期以上の時間を要する経路遅延故障の有無
を、容易に検査できるよう設計変更を行う経路遅延故障
の検査容易化設計方法として、信号経路の始点から出力
された信号が立ち上がり信号である経路遅延故障を立ち
上がり遅延故障とし、信号経路の始点から出力された信
号が立ち下がり信号である経路遅延故障を立ち下がり遅
延故障とすると、検査対象の経路遅延故障が立ち上がり
遅延故障であるときは、経路遅延故障が想定された信号
経路の始点に論理値“0”を設定する一方、立ち下がり
遅延故障であるときは前記信号経路の始点に論理値
“1”を設定し、さらに、前記信号経路が活性化される
ように、前記信号経路の始点以外の外部入力端子又はス
キャンフリップフロップのデータ出力端子に論理値を設
定することによって、初期パターンを生成する第1の処
理と、前記第1の処理によって生成された初期パターン
においてデータ出力端子に論理値が設定された各スキャ
ンフリップフロップの、当該論理値を各々記憶する第2
の処理と、前記検査対象の経路遅延故障が立ち上がり遅
延故障であるときは、前記信号経路の始点に論理値
“1”を設定する一方、立ち下がり遅延故障であるとき
は前記信号経路の始点に論理値“0”を設定し、前記信
号経路の始点がスキャンフリップフロップのデータ出力
端子であるときは、該スキャンフリップフロップの通常
モードにおける入力データが設定された論理値に一致す
るように外部入力端子又はスキャンフリップフロップの
データ出力端子に論理値を設定し、さらに、前記初期パ
ターンにおいてデータ出力端子に論理値が設定された前
記信号経路の始点以外のスキャンフリップフロップの通
常モードにおける入力データが前記第2の処理によって
記憶された論理値に各々一致するように、外部入力端子
又はスキャンフリップフロップのデータ出力端子に論理
値を設定することによって、遷移パターンを生成する第
3の処理と、前記初期パターン及び遷移パターンにおい
て共に論理値が設定され且つ設定された論理値が初期パ
ターンと遷移パターンとで矛盾するデータ出力端子を有
するスキャンフリップフロップが集積回路内に存在する
か否かを判断し、存在するときは、入力されたデータを
外部からの指示によって一旦保持する機能を有する値保
持素子を、前記集積回路内の当該スキャンフリップフロ
ップの出力データが保持可能である位置に配置する第4
の処理とを備えている構成とするものである。
【0012】請求項2の発明により、まず、第1の処理
によって、与えられた集積回路に対し、経路遅延故障の
有無を検査するための初期パターンが生成される。第2
の処理によって、初期パターンにおいて各スキャンフリ
ップフロップのデータ出力端子に設定された論理値が記
憶される。次に、第3の処理によって、与えられた集積
回路に対し、経路遅延故障の有無を検査するための遷移
パターンが生成される。第4の処理によって、初期パタ
ーンと遷移パターンとでデータ出力端子に設定された論
理値が矛盾するスキャンフリップフロップが存在するか
否かが判断され、存在するときは、当該スキャンフリッ
プフロップの出力データが保持可能である位置に、入力
されたデータを外部からの指示によって一旦保持する機
能を有する値保持素子が配置される。このことにより、
スキャンフリップフロップのデータ出力端子における論
理値の矛盾が解消され、初期パターン及び遷移パターン
の生成の失敗を未然に防ぐことができるので、高い故障
検出率を得ることができる。また、この値保持素子は実
際に矛盾を起こす箇所にのみ配置されるので、ハードウ
ェアのわずかな増加によって故障検出率を向上させるこ
とができる。
【0013】ここで、請求項3の発明は、前記請求項2
の発明に係る経路遅延故障の検査容易化設計方法におけ
る第4の処理が、前記値保持素子としてDラッチを前記
集積回路内に配置し、配置したDラッチのイネーブル入
力端子を前記集積回路の外部入力端子に接続する処理を
備えているものとする。
【0014】また、請求項4の発明は、前記請求項2の
発明に係る経路遅延故障の検査容易化設計方法における
第4の処理が、前記値保持素子としてトライステート素
子を前記集積回路内に配置し、配置したトライステート
素子のイネーブル入力端子を前記集積回路の外部入力端
子に接続する処理を備えているものとする。
【0015】さらに、請求項5の発明は、前記請求項2
の発明に係る経路遅延故障の検査容易化設計方法におけ
る第4の処理が、前記値保持素子としてスキャンフリッ
プフロップ又はDフリップフロップを前記集積回路内に
配置し、配置したスキャンフリップフロップ又はDフリ
ップフロップを前記集積回路内にすでに構成されている
スキャンチェーンに接続する処理を備えているものとす
る。
【0016】請求項5の発明によると、集積回路に新た
に外部端子を付加する必要がない。また、検査容易化が
行われた回路は、従来と同様の方法によって、検査系列
の生成を行うことができる。
【0017】そして、請求項6の発明では、前記請求項
5の経路遅延故障の検査容易化設計方法における第4の
処理は、前記初期パターン及び遷移パターンにおいて共
に論理値が設定され且つ設定された論理値が初期パター
ンと遷移パターンとで矛盾するデータ出力端子を有する
スキャンフリップフロップの出力データ及び前記スキャ
ンフリップフロップの出力データが保持可能である位置
に前記値保持素子として配置されたスキャンフリップフ
ロップ又はDフリップフロップの出力データのいずれか
一方を、選択出力するセレクタを前記集積回路内に配置
する処理を備えているものとする。
【0018】請求項7の発明が講じた解決手段は、請求
項3に記載の経路遅延故障の検査容易化設計方法による
検査容易化設計が行われた集積回路に対し、任意の信号
経路における経路遅延故障の有無を検出するための検査
系列を生成する検査系列生成方法として、信号経路の始
点から出力された信号が立ち上がり信号である経路遅延
故障を立ち上がり遅延故障とし、信号経路の始点から出
力された信号が立ち下がり信号である経路遅延故障を立
ち下がり遅延故障とすると、検査容易化設計によって配
置されたDラッチを、2つのデータ入力端子のうち一方
が前記Dラッチのデータ入力端子が接続されていたスキ
ャンフリップフロップの出力端子に接続され、他方が架
空の外部入力端子に接続されたセレクタに変換し、さら
に、各セレクタの選択信号入力端子を架空の選択信号外
部入力端子に接続することによって、検査系列生成用の
回路モデルを生成する第1の処理と、前記第1の処理に
よって生成された回路モデルに対し、検査系列生成対象
の経路遅延故障が立ち上がり遅延故障であるときは該経
路遅延故障が想定された信号経路の始点に論理値“0”
を設定する一方、立ち下がり遅延故障であるときは前記
信号経路の始点に論理値“1”を設定し、さらに、前記
信号経路が活性化されるように、前記信号経路の始点以
外の外部入力端子又はスキャンフリップフロップの出力
端子に論理値を設定することによって、初期パターンを
生成する第2の処理と、前記第1の処理によって生成さ
れた回路モデルに対し、前記検査系列生成対象の経路遅
延故障が立ち上がり遅延故障であるときは、前記信号経
路の始点に論理値“1”を設定する一方、立ち下がり遅
延故障であるときは前記信号経路の始点に論理値“0”
を設定し、前記信号経路の始点がスキャンフリップフロ
ップのデータ出力端子であるときは、該スキャンフリッ
プフロップの通常モードにおける入力データが設定され
た論理値に一致するように外部入力端子又はスキャンフ
リップフロップのデータ出力端子に論理値を設定し、さ
らに、前記初期パターンにおいてデータ出力端子に論理
値が設定された前記信号経路の始点以外のスキャンフリ
ップフロップの通常モードにおける入力データが前記初
期パターンにおいて設定された論理値に各々一致するよ
うに、外部入力端子又はスキャンフリップフロップのデ
ータ出力端子に論理値を設定することによって、遷移パ
ターンを生成する第3の処理と、前記集積回路に対し、
前記回路モデルにおける各セレクタのデータ入力端子が
接続された架空の外部入力端子における論理値を、各セ
レクタのもう一方のデータ入力端子が接続されたスキャ
ンフリップフロップのデータ出力端子に設定し、さら
に、前記検査容易化設計によって配置されたDラッチの
イネーブル入力端子が接続された外部入力端子における
論理値を、前記Dラッチがデータスルーモードになるよ
うに設定するスキャンインパターンを生成する第4の処
理と、前記集積回路に対し、前記初期パターン及び遷移
パターンにおいて設定された論理値を各スキャンフリッ
プフロップのデータ出力端子に各々設定し、さらに、前
記Dラッチのイネーブル入力端子が接続された外部入力
端子の論理値を、前記Dラッチがデータ保持モードにな
るように設定するスキャンインパターンを生成する第5
の処理とを備えている構成とするものである。
【0019】請求項7の発明により、請求項3に記載の
検査容易化設計方法による検査容易化設計が行われた集
積回路に対し、配置されたDラッチをセレクタと見なす
ことによって、経路遅延故障のための検査系列を容易に
生成することができる。
【0020】請求項8の発明が講じた解決手段は、請求
項4に記載の経路遅延故障の検査容易化設計方法による
検査容易化設計が行われた集積回路に対し、任意の信号
経路における経路遅延故障の有無を検出するための検査
系列を生成する経路遅延故障の検査系列生成方法とし
て、信号経路の始点から出力された信号が立ち上がり信
号である経路遅延故障を立ち上がり遅延故障とし、信号
経路の始点から出力された信号が立ち下がり信号である
経路遅延故障を立ち下がり遅延故障とすると、検査容易
化設計によって配置されたトライステート素子を、2つ
のデータ入力端子のうち一方が前記トライステート素子
のデータ入力端子が接続されていたスキャンフリップフ
ロップの出力端子に接続され、他方が架空の外部入力端
子に接続されたセレクタに変換し、さらに、各セレクタ
の選択信号入力端子を架空の選択信号外部入力端子に接
続することによって、検査系列生成用の回路モデルを生
成する第1の処理と、前記第1の処理によって生成され
た回路モデルに対し、検査系列生成対象の経路遅延故障
が立ち上がり遅延故障であるときは、前記信号経路の始
点に論理値“0”を設定する一方、立ち下がり遅延故障
であるときは前記信号経路の始点に論理値“1”を設定
し、さらに、前記信号経路が活性化されるように、前記
信号経路以外の外部入力端子又はスキャンフリップフロ
ップの出力端子に論理値を設定することによって、初期
パターンを生成する第2の処理と、前記第1の処理によ
って生成された回路モデルに対し、前記検査系列生成対
象の経路遅延故障が立ち上がり遅延故障であるときは、
前記信号経路の始点に論理値“1”を設定する一方、立
ち下がり遅延故障であるときは前記信号経路の始点に論
理値“0”を設定し、前記信号経路の始点がスキャンフ
リップフロップのデータ出力端子であるときは、該スキ
ャンフリップフロップの通常モードにおける入力データ
が設定された論理値に一致するように外部入力端子又は
スキャンフリップフロップのデータ出力端子に論理値を
設定し、さらに、前記初期パターンにおいてデータ出力
端子に論理値が設定された前記信号経路の始点以外のス
キャンフリップフロップの通常モードにおける入力デー
タが前記初期パターンにおいて設定された論理値に各々
一致するように、外部入力端子又はスキャンフリップフ
ロップのデータ出力端子に論理値を設定することによっ
て、遷移パターンを生成する第3の処理と、前記集積回
路に対し、前記回路モデルにおける各セレクタのデータ
入力端子が接続された架空の外部入力端子における論理
値を、各セレクタのもう一方のデータ入力端子が接続さ
れたスキャンフリップフロップのデータ出力端子に設定
し、さらに、前記検査容易化設計によって配置されたト
ライステート素子のイネーブル入力端子が接続された外
部入力端子における論理値を、前記トライステート素子
がデータスルーモードになるように設定するスキャンイ
ンパターンを生成する第4の処理と、前記集積回路に対
し、前記初期パターン及び遷移パターンにおいて設定さ
れた論理値を各スキャンフリップフロップのデータ出力
端子に各々設定し、さらに、前記トライステート素子の
イネーブル入力端子が接続された外部入力端子の論理値
を、前記トライステート素子がデータ保持モードになる
ように設定するスキャンインパターンを生成する第5の
処理とを備えている構成とするものである。
【0021】請求項8の発明により、請求項4に記載の
経路遅延故障の検査容易化設計方法による検査容易化設
計が行われた集積回路に対し、配置されたトライステー
ト素子をセレクタと見なすことによって、経路遅延故障
のための検査系列を容易に生成することができる。
【0022】請求項9の発明が講じた解決手段は、経路
遅延故障の有無の検査のために生成された初期パターン
及び遷移パターンにおいて共に論理値が設定され且つ設
定された論理値が初期パターンと遷移パターンとで矛盾
するスキャンフリップフロップを有し、経路遅延故障の
有無の検査が容易になるよう設計変更された集積回路と
して、入力されたデータを外部からの指示に従って一旦
保持する機能を有する値保持素子を、前記スキャンフリ
ップフロップの出力データが保持可能である位置に配置
したものである。
【0023】ここで、請求項10の発明では、前記請求
項9の発明に係る集積回路に、配置された値保持素子
は、イネーブル入力端子が外部入力端子に接続されたD
ラッチであるものとする。
【0024】また、請求項11の発明では、前記請求項
9の発明に係る集積回路に、配置された値保持素子は、
イネーブル入力端子が外部入力端子に接続されたトライ
ステート素子であるものとする。
【0025】さらに、請求項12の発明では、前記請求
項9の発明に係る集積回路に、配置された値保持素子
は、設計変更前にすでに構成されていたスキャンチェー
ンに接続されたスキャンフリップフロップ又はDフリッ
プフロップであるものとする。そして、請求項13の発
明では、前記請求項12の発明に係る集積回路に、前記
スキャンフリップフロップの出力データ及び前記値保持
素子として配置されたスキャンフリップフロップ又はD
フリップフロップの出力データのいずれか一方を選択出
力するセレクタを配置したものとする。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)本発明の第1の実施形態は、経路遅
延故障の検査が容易になるように集積回路の設計を変更
する検査容易化設計方法に関するものである。ここで、
経路遅延故障とは、外部入力端子又はスキャンフリップ
フロップのデータ出力端子を始点とすると共に外部出力
端子又はスキャンフリップフロップの通常モードにおけ
るデータ入力端子を終点とし、始点から終点まで組み合
わせ回路のみによって構成された信号経路において、信
号が始点から出力されてから終点に到達するまでにクロ
ック周期以上の時間を要する故障のことをいう。また、
始点から出力された信号が立ち上がり信号であるとき
は、その経路遅延故障を立ち上がり遅延故障といい、始
点から出力された信号が立ち下がり信号であるときは立
ち下がり遅延故障という。
【0027】図1は、本実施形態に係る検査容易化設計
方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】まず、ステップS11において、与えられ
た集積回路に対し、まだ処理されていない経路遅延故障
があるか否かを判断する。処理されていない経路遅延故
障があるときは、対象とする経路遅延故障を1つ選択し
てからステップS12に進み、処理されていない経路遅
延故障がないときは処理を終了する。
【0029】次に、ステップS12において、初期パタ
ーンの生成を行う。具体的には、信号経路の始点である
外部入力端子又はスキャンフリップフロップのデータ出
力端子に、選択された経路遅延故障が立ち上がり遅延故
障であるときは論理値“0”を設定し、選択された経路
遅延故障が立ち下がり遅延故障であるときは論理値
“1”を設定する。さらに、他の外部入力端子又はスキ
ャンフリップフロップのデータ出力端子に、この信号経
路が活性化されるような論理値を設定する。
【0030】次に、ステップS13において、ステップ
S12で生成された初期パターンにおいてデータ出力端
子に論理値が設定された各スキャンフリップフロップ
の、その論理値を記憶する。
【0031】次に、ステップS14において、遷移パタ
ーンの生成を行う。具体的には、選択された経路遅延故
障が立ち上がり遅延故障であるときは、経路の始点に論
理値“1”を設定し、選択された経路遅延故障が立ち下
がり遅延故障であるときは、経路の始点に論理値“0”
を設定する。また、信号経路の始点がスキャンフリップ
フロップのデータ出力端子であるとき、このスキャンフ
リップフロップの通常モードにおける入力データが、設
定した論理値に一致するように、他の外部入力端子又は
スキャンフリップフロップの論理値を設定する。さら
に、ステップS12で生成された初期パターンにおいて
データ出力端子に論理値が設定され且つ該データ出力端
子が経路の始点でないスキャンフリップフロップの,通
常モードにおけるデータ入力がステップS13で記憶し
た論理値に各々一致するように、外部入力端子又はスキ
ャンフリップフロップの値を決定する。
【0032】次に、ステップS15において、ステップ
S13で記憶された論理値とステップS14でデータ出
力端子に設定された論理値とが矛盾するスキャンフリッ
プフロップが、与えられた集積回路内に存在するか否か
を判断する。論理値が矛盾するスキャンフリップフロッ
プが存在し、且つステップS14でこのスキャンフリッ
プフロップの出力端子に論理値を設定した際に辿った信
号線が経路遅延故障を含んでいなければ、ステップS1
6に進み、それ以外の場合は、選択された経路遅延故障
の処理は終了したものとして、ステップS11に戻る。
【0033】次に、ステップS16において、論理値が
矛盾するスキャンフリップフロップに対し、ステップS
14でこのスキャンフリップフロップの出力端子に論理
値を設定した際に辿った信号線上の、このスキャンフリ
ップフロップの出力データが保持可能である位置にDラ
ッチを挿入する。また、Dラッチのイネーブル入力端子
は、新たに追加する外部入力端子又は、与えられた集積
回路に既に設けられている,スキャンモードと通常モー
ドとを切り換える外部入力端子に接続する。Dラッチを
挿入したら、選択された経路遅延故障の処理は終了した
ものとして、ステップS11に戻る。
【0034】本実施形態に係る検査容易化設計方法につ
いて、簡単な回路を対象にした場合を例にとって、さら
に詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る検査容易
化設計方法の対象となる集積回路を示す回路図である。
図2において、10a〜10gはスキャンフリップフロ
ップ、11はNORゲート、12はANDゲート、13
はインバータ、14はANDゲート、15はORゲート
である。
【0035】図2に示す集積回路に対し、まず、ステッ
プS11において、まだ処理されていない経路遅延故障
の中から処理対象の故障を選択する。ここでは、信号経
路20a,20b及び20cに想定された経路遅延故障
を選択するものとする。また、選択された経路遅延故障
は立ち上がり遅延故障であるものとする。
【0036】次に、ステップS12において、初期パタ
ーンを生成する。まず、選択された経路遅延故障は立ち
上がり遅延故障であるので、信号経路20a,20b及
び20cの始点となるスキャンフリップフロップ10d
のデータ出力端子に論理値“0”を設定する。さらに、
信号経路20bを活性化するためにスキャンフリップフ
ロップ10eに論理値“1”を設定し、信号経路20c
を活性化するためにスキャンフリップフロップ10fに
論理値“0”を設定する。図3は、ステップS12にお
いて生成された初期パターンを示す図である。
【0037】次に、ステップS13において、スキャン
フリップフロップ10dのデータ出力端子に設定された
論理値“0”、スキャンフリップフロップ10eのデー
タ出力端子に設定された論理値“1”、及びスキャンフ
リップフロップ10fのデータ出力端子に設定された論
理値“0”を、各スキャンフリップフロップに対して各
々記憶する。
【0038】次に、ステップS14において、遷移パタ
ーンを生成する。まず、選択された経路遅延故障は立ち
上がり遅延故障であるので、信号経路20a,20b及
び20cの始点となるスキャンフリップフロップ10d
のデータ出力端子に論理値“1”を設定する。また、こ
のスキャンフリップフロップ10dの通常モードにおけ
る入力データが論理値“1”になるように、スキャンフ
リップフロップ10a及び10eのデータ出力端子に各
々論理値“0”を設定する。さらに、ステップS12で
生成された初期パターンにおいてスキャンフリップフロ
ップ10eのデータ出力端子に設定された論理値“1”
が、スキャンフリップフロップ10eの通常モードにお
ける入力データとして与えられるように、スキャンフリ
ップフロップ10b及び10fのデータ出力端子に各々
論理値“1”を設定する。また、ステップS12で生成
された初期パターンにおいてスキャンフリップフロップ
10fのデータ出力端子に設定された論理値“0”が、
スキャンフリップフロップ10fの通常モードにおける
入力データとして与えられるように、スキャンフリップ
フロップ10cのデータ出力端子に論理値“1”を設定
する。
【0039】図4は、ステップS14で生成された遷移
パターンを示す図である。図4において、○で囲んだ数
字は初期パターンにおいて設定された論理値、○で囲ん
でいない数字は、遷移パターンにおいて設定された論理
値である。
【0040】次に、ステップS15において、初期パタ
ーンと遷移パターンとで論理値が矛盾するスキャンフリ
ップフロップを探す。図4において、スキャンフリップ
フロップ10e及び10fの論理値が矛盾しているのが
分かる。また、フリップフロップ10eのデータ出力端
子からNORゲート11の入力端子までの信号線、及び
フリップフロップ10fのデータ出力端子からANDゲ
ート12の入力端子までの信号線には、経路遅延故障が
想定されていないものとする。
【0041】次に、ステップS16において、論理値が
矛盾するスキャンフリップフロップ10e及び10fの
出力信号線にDラッチを挿入する。図5は、ステップS
16でDラッチが挿入された結果を示す回路図である。
図5において、スキャンフリップフロップ10eのデー
タ出力端子と、遷移パターンを生成する際に辿った信号
線上にあるNORゲート11の入力端子との間に、Dラ
ッチ30aが挿入されている。また、スキャンフリップ
フロップ10fのデータ出力端子と、遷移パターンを生
成する際に辿った信号線上にあるANDゲート12の入
力端子との間に、Dラッチ30bが挿入されている。さ
らに、挿入されたDラッチ30a及び30bのイネーブ
ル入力端子には、新たに追加された外部入力端子31が
接続されている。
【0042】以上説明したように、本実施形態に係る検
査容易化設計方法によると、初期パターンと遷移パター
ンとでデータ出力端子における論理値が矛盾するスキャ
ンフリップフロップの出力信号線にDラッチを挿入する
ことによって、論理値の矛盾を解消する。これにより、
従来では検査系列の生成に失敗していた経路遅延故障に
対しても検査系列を生成することができるようになり、
集積回路の検査容易化が実現される。しかも、論理値が
矛盾する箇所にDラッチを挿入するだけなので、従来よ
りも少ないハードウェア量で、集積回路の検査容易化を
行うことができる。
【0043】なお、Dラッチの代わりにトライステート
素子を用いてもよい。この場合、配置したトライステー
ト素子のイネーブル入力端子を、集積回路の外部入力端
子に接続すれば良い。
【0044】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態もまた、経路遅延故障の検査容易化設計方法に関する
ものである。第1の実施形態と異なるのは、論理値が矛
盾する箇所に挿入するのがDラッチではなく、フリップ
フロップである点である。
【0045】図6は、本実施形態に係る検査容易化設計
方法における処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS21〜S25は、図1に示したステップS1
1〜S15と同様の処理である。
【0046】まず、ステップS21において、与えられ
た集積回路に対し、まだ処理されていない経路遅延故障
があるか否かを判断する。処理されていない経路遅延故
障があるときは、対象とする経路遅延故障を1つ選択し
てステップS22に進み、処理されていない経路遅延故
障がないときは処理を終了する。
【0047】次に、ステップS22において、初期パタ
ーンの生成を行う。具体的には、信号経路の始点である
外部入力端子又はスキャンフリップフロップのデータ出
力端子に、選択された経路遅延故障が立ち上がり遅延故
障であるときは論理値“0”を設定し、選択された経路
遅延故障が立ち下がり遅延故障であるときは論理値
“1”を設定する。さらに、他の外部入力端子又はスキ
ャンフリップフロップのデータ出力端子に、この信号経
路が活性化されるような論理値を設定する。
【0048】次に、ステップS23において、ステップ
S22で生成された初期パターンにおいてデータ出力端
子に論理値が設定された各スキャンフリップフロップ
の、その論理値を記憶する。
【0049】次に、ステップS24において、遷移パタ
ーンの生成を行う。具体的には、選択された経路遅延故
障が立ち上がり遅延故障であるときは、経路の始点に論
理値“1”を設定し、選択された経路遅延故障が立ち下
がり遅延故障であるときは、経路の始点に論理値“0”
を設定する。また、信号経路の始点がスキャンフリップ
フロップのデータ出力端子であるとき、このスキャンフ
リップフロップの通常モードにおける入力データが設定
した論理値に一致するように、他の外部入力端子又はス
キャンフリップフロップの論理値を設定する。さらに、
ステップS22で生成された初期パターンにおいてデー
タ出力端子に論理値が設定され且つ該データ出力端子が
経路の始点でないスキャンフリップフロップの,通常モ
ードにおけるデータ入力がステップS23で記憶した論
理値に各々一致するように、外部入力端子又はスキャン
フリップフロップの値を決定する。
【0050】次に、ステップS25において、ステップ
S23で記憶された論理値とステップS24でデータ出
力端子に設定された論理値とが矛盾するスキャンフリッ
プフロップが、与えられた集積回路内に存在するか否か
を判断する。論理値が矛盾するスキャンフリップフロッ
プが存在し、且つステップS24でこのスキャンフリッ
プフロップの出力端子に論理値を設定した際に辿った信
号線が経路遅延故障を含んでいなければ、ステップS2
6に進み、それ以外の場合は、選択された経路遅延故障
の処理は終了したものとして、ステップS21に戻る。
【0051】次に、ステップS26において、論理値が
矛盾するスキャンフリップフロップに対し、ステップS
24でこのスキャンフリップフロップの出力端子に論理
値を設定した際に辿った信号線上の、このスキャンフリ
ップフロップの出力データが保持可能である位置に、D
フリップフロップ又はスキャンフリップフロップを挿入
する。また、挿入したDフリップフロップ又はスキャン
フリップフロップは、与えられた集積回路内にすでに構
成されているスキャンチェーンに接続する。Dフリップ
フロップ又はスキャンフリップフロップを挿入したら、
選択された経路遅延故障の処理は終了したものとして、
ステップS21に戻る。
【0052】本実施形態に係る検査容易化設計方法につ
いて、図2に示した回路を対象にした場合を例にとっ
て、さらに詳細に説明する。ステップS21〜S25に
よって、信号経路20a,20b及び20cに対する初
期パターン及び遷移パターンが生成され、図4に示すよ
うに、論理値が矛盾するスキャンフリップフロップ10
e及び10fが決定される。ここまでは、第1の実施形
態と同様である。
【0053】次に、ステップS26において、論理値が
矛盾するスキャンフリップフロップ10e及び10fの
出力信号線にスキャンフリップフロップを挿入する。
【0054】図7は、ステップS26でスキャンフリッ
プフロップが挿入された結果を示す回路図である。図7
において、スキャンフリップフロップ10eのデータ出
力端子と、遷移パターンを生成する際に辿った信号線上
にあるNORゲート11の入力端子との間に、スキャン
フリップフロップ40aが挿入されている。そして、ス
キャンフリップフロップ40aとNORゲート11との
間にセレクタ41aが挿入されており、セレクタ41a
はスキャンフリップフロップ10eの出力データ及び挿
入されたスキャンフリップフロップ40aの出力データ
のいずれか一方を、新たに付加された外部入力ピン42
から入力される信号に従って選択出力する。また、スキ
ャンフリップフロップ10fのデータ出力端子と、遷移
パターンを生成する際に辿った信号線上にあるANDゲ
ート12の入力端子との間に、スキャンフリップフロッ
プ40bが挿入されている。そして、スキャンフリップ
フロップ40bとANDゲート12との間にセレクタ4
1bが挿入されており、セレクタ41bはスキャンフリ
ップフロップ10fの出力データ及び挿入されたスキャ
ンフリップフロップ40bの出力データのいずれか一方
を、前記外部入力ピン42から入力される信号に従って
選択出力する。さらに、挿入されたスキャンフリップフ
ロップ40a及び40bは、他のスキャンフリップフロ
ップ10a〜10gによって構成されたスキャンチェー
ンに新たに接続されている。
【0055】以上説明したように、本実施形態に係る検
査容易化設計方法によると、初期パターンと遷移パター
ンとでデータ出力端子における論理値が矛盾するスキャ
ンフリップフロップの出力信号線にDフリップフロップ
又はスキャンフリップフロップを挿入することによっ
て、論理値の矛盾を解消する。これにより、従来では検
査系列の生成に失敗していた経路遅延故障に対しても検
査系列を生成することができるようになり、集積回路の
検査容易化が実現される。しかも、論理値が矛盾する箇
所にDフリップフロップ又はスキャンフリップフロップ
を挿入するだけなので、従来よりも少ないハードウェア
量で、集積回路の検査容易化を行うことができる。
【0056】また、本実施形態に係る検査容易化設計方
法によって設計変更された回路は、従来の検査系列生成
方法によって検査系列の生成を行うことができる。
【0057】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態は、第1の実施形態に係る検査容易化設計方法によっ
て経路遅延故障の検査容易化が行われた集積回路を対象
にした、検査系列生成方法を示すものである。
【0058】図8は、本実施形態に係る検査系列生成方
法における処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】まず、ステップS31において、与えられ
た集積回路を基にして検査系列生成用の回路モデルを生
成する。具体的には、第1の実施形態に係る検査容易化
設計方法によって配置されたDラッチを、2つのデータ
入力端子のうち一方はDラッチのデータ入力端子が接続
されていたスキャンフリップフロップに接続され、他方
は架空の外部入力端子に接続された、2入力のセレクタ
に変換する。また、各セレクタの選択信号入力端子は、
架空の選択信号用外部入力端子に接続されているものと
する。
【0060】次に、ステップS32において、与えられ
た集積回路に対し、まだ処理されていない経路遅延故障
があるか否かを判断する。処理されていない経路遅延故
障があるときは、対象とする経路遅延故障を1つ選択し
てステップS33に進み、処理されていない経路遅延故
障がないときは、処理を終了する。
【0061】ステップS33において、ステップS31
で生成された回路モデルに対して初期パターンを生成す
る。具体的には、選択された経路遅延故障が立ち上がり
遅延故障であるときは、この経路遅延故障が想定された
信号経路の始点に論理値“0”を設定し、立ち下がり遅
延故障であるときは、信号経路の始点に論理値“1”を
設定する。また、他の外部入力端子及びスキャンフリッ
プフロップのデータ出力端子に、この信号経路を活性化
するような論理値を設定する。
【0062】次に、ステップS34において、ステップ
S31で生成された回路モデルに対して遷移パターンを
生成する。具体的には、選択された経路遅延故障が立ち
上がり遅延故障であるときは信号経路の始点に論理値
“1”を設定し、処理対象の経路遅延故障が立ち下がり
遅延故障であるときは論理値“0”を設定する。また、
信号経路の始点がスキャンフリップフロップのデータ出
力端子であるとき、このスキャンフリップフロップの通
常モードにおける入力データが、設定した論理値に一致
するように、他の外部入力端子又はスキャンフリップフ
ロップの論理値を設定する。さらに、ステップS33で
生成された初期パターンにおいてデータ出力端子に論理
値が設定され且つ該データ出力端子が経路の始点でない
スキャンフリップフロップの,通常モードにおけるデー
タ入力が初期パターンにおいて設定された論理値に各々
一致するように、外部入力端子又はスキャンフリップフ
ロップのデータ出力端子における論理値を設定する。
【0063】次に、ステップS35において、与えられ
た集積回路に対し、ステップS31で変換されたセレク
タの2つのデータ入力端子のうち架空の外部入力端子に
接続されたデータ入力端子の論理値を、セレクタのデー
タ出力端子が接続されたスキャンフリップフロップに設
定するようなスキャンインパターンを生成する。また、
このスキャンインパターンにおいて、検査容易化設計に
よって挿入されたDラッチがデータスルーモードになる
ように、Dラッチのイネーブル入力端子に接続された外
部入力端子の論理値を設定する。
【0064】次に、ステップS36において、ステップ
S33で生成された初期パターン及びステップS34で
生成された遷移パターンにおいて設定された論理値を、
各スキャンフリップフロップのデータ出力端子に設定す
るようなスキャンインパターンを生成する。また、この
スキャンインパターンにおいて、検査容易化設計によっ
て挿入されたDラッチをデータ保持モードにするため
に、Dラッチのイネーブル入力端子に接続された外部入
力端子の論理値を設定する。
【0065】次に、ステップS37において、スキャン
モードと通常モードとを切り換える外部入力端子の論理
値を集積回路が通常モードになるように設定し、クロッ
クパルスを1つ発生させる検査パターン(通常パター
ン)を生成する。
【0066】本実施形態に係る検査系列生成方法につい
て、図5に示す回路を対象にする場合を例にとって、さ
らに詳細に説明する。第1の実施形態で説明したよう
に、図5に示す回路は、検査容易化設計によって、Dラ
ッチ30a及び30bが挿入されている。
【0067】まず、ステップS31において、図5に示
す回路を基にして検査系列生成用の回路モデルを生成す
る。図9は、図5に示す回路を基にして生成された回路
モデルを示す回路図である。図9において、Dラッチ3
0aはセレクタ50aに変換され、Dラッチ30bはセ
レクタ50bに変換されている。セレクタ50aのデー
タ入力端子のうち、一方は架空の外部入力端子51aに
接続され、他方はスキャンフリップフロップ10eのデ
ータ出力端子に接続されている。また、セレクタ50b
のデータ入力端子のうち、一方は架空の外部入力端子5
1bに接続され、他方はスキャンフリップフロップ10
fに接続されている。さらに、セレクタ50a及び50
bの選択信号入力端子は、共に架空の選択信号外部入力
端子52に接続されている。
【0068】次に、ステップS32において、まだ処理
されていない経路遅延故障のうち、信号経路20a,2
0b及び20cにおける立ち上がり遅延故障を選択す
る。
【0069】次に、ステップS33において、図9に示
す回路モデルに対し、初期パターンを生成する。まず、
経路遅延故障が想定された信号経路の始点となるスキャ
ンフリップフロップ10dのデータ出力端子に論理値
“0”を設定し、さらに、経路20b及び20cを活性
化するために、スキャンフリップフロップ10eのデー
タ出力端子に論理値“1”を設定し、スキャンフリップ
フロップ10fに論理値“0”を設定する。
【0070】次に、ステップS34において、図9に示
す回路モデルを対し、遷移パターンを生成する。まず、
信号経路の始点となるスキャンフリップフロップ10d
のデータ出力端子に論理値“1”を設定する。また、ス
キャンフリップフロップ10dの通常モードにおける入
力データとして論理値“1”を与えるため、スキャンフ
リップフロップ10aのデータ出力端子及びセレクタ5
0aのデータ出力端子に、各々論理値“0”を設定す
る。このとき、セレクタ50aは、架空の外部入力端子
51aから入力されたデータを常に選択するよう,架空
の選択信号外部入力端子52から入力される選択信号に
よって指示されているものとし、架空の外部入力端子5
1aにも論理値“0”を設定する。
【0071】また、スキャンフリップフロップ10eの
通常モードにおける入力データとして、初期パターンに
おいてデータ出力端子に設定された論理値“1”を与え
るため、スキャンフリップフロップ10bのデータ出力
端子及びセレクタ50bのデータ出力端子に、各々論理
値“1”を設定する。このとき、セレクタ50bは、架
空の外部入力端子51bから入力されたデータを常に選
択するよう,架空の選択信号外部入力端子52から入力
される選択信号によって指示されているものとし、架空
の外部入力端子51bにも論理値“1”を設定する。
【0072】さらに、スキャンフリップフロップ10f
の通常モードにおける入力データとして、初期パターン
においてデータ出力端子に設定された論理値“0”を与
えるため、スキャンフリップフロップ10cのデータ出
力端子に、論理値“1”を設定する。
【0073】次に、ステップS35において、図5に示
す実際の回路に対して、架空の外部入力端子51aに設
定された論理値“0”をスキャンフリップフロップ10
eのデータ出力端子に設定し、架空の外部入力端子51
bに設定された論理値“1”をスキャンフリップフロッ
プ10fのデータ出力端子に設定するようなスキャンイ
ンパターンを生成する。また、このスキャンインパター
ンにおいて、外部入力端子31の論理値を、Dラッチ3
0a及び30bがデータスルーモードになる値にする。
【0074】次に、ステップS36において、図5に示
す実際の回路に対して、スキャンフリップフロップ10
a,10b,10c,10d,10e及び10fに初期
パターン及び遷移パターンにおいてそれぞれ設定された
論理値が、実際に各スキャンフリップフロップに与えら
れるようなスキャンインパターンを生成する。また、こ
のスキャンインパターンにおいて、外部入力端子31の
論理値を、Dラッチ30a及び30bがデータ保持モー
ドになる値にする。
【0075】次に、ステップS37において、各スキャ
ンフリップフロップが通常のシフト動作を行うような1
クロック分の通常パターンを生成する。このとき、モー
ド切り換え用の外部入力端子の論理値を、各スキャンフ
リップフロップが通常モードになる値にする。各経路遅
延故障に対し、ステップS33〜S37を繰り返し実行
することによって、全ての経路遅延故障に対する検査系
列を生成する。
【0076】以上説明したように、本実施形態に係る検
査系列生成方法によると、Dラッチを配置することによ
って検査容易化が行われた集積回路に対して、検査系列
を容易に生成することができる。
【0077】なお、トライステート素子を配置すること
によって検査容易化が行われた回路に対しても、同様
に、検査系列を容易に生成することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る検査
容易化設計方法によると、わずかなハードウェアの追加
によって、集積回路における経路遅延故障の有無の検査
を容易にすることができる。
【0079】また、本発明に係る検査系列生成方法によ
ると、本発明に係る検査容易化設計方法によって検査容
易化された集積回路に対し、検査系列を容易に生成する
ことができる。したがって、本発明によって、面積オー
バーヘッドの大幅な増加を招くこと無く、集積回路にお
ける経路遅延故障の検出率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る,経路遅延故障
の検査容易化設計方法の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図2】本実施形態に係る検査容易化設計方法を説明す
るために用いる、検査容易化設計対象の集積回路の回路
図である。
【図3】図2に示す回路に対する初期パターンの生成を
示す回路図である。
【図4】図2に示す回路に対する遷移パターンの生成を
示す回路図である。
【図5】図2に示す回路に対するDラッチの挿入を説明
するための回路図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る,経路遅延故障
の検査容易化設計方法の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図7】図2に示す回路に対するDフリップフロップ又
はスキャンフリップフロップの挿入を説明するための回
路図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る,経路遅延故障
検出のための検査系列生成方法の処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る検査系列生成方
法において生成される回路モデルを示す回路図である。
【符号の説明】
10a〜10g スキャンフリップフロップ 20a〜20c 信号経路 30a,30b Dラッチ 31 外部入力端子 40a,40b スキャンフリップフロップ 41a,41b セレクタ 50a,50b セレクタ 51a,51b 架空の外部入力端子 52 架空の選択信号外部入力端子
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 15/60 670 G11C 11/34 341D

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 与えられた集積回路に対し、経路遅延故
    障の検査が容易になるよう設計変更を行う経路遅延故障
    の検査容易化設計方法であって、 検査のために生成された初期パターン及び遷移パターン
    において共に論理値が設定され且つ設定された論理値が
    初期パターンと遷移パターンとで矛盾するスキャンフリ
    ップフロップが集積回路内に存在するとき、入力された
    データを外部からの指示に従って一旦保持する機能を有
    する値保持素子を、前記集積回路内の当該スキャンフリ
    ップフロップの出力データが保持可能である位置に配置
    するよう設計変更することを特徴とする経路遅延故障の
    検査容易化設計方法。
  2. 【請求項2】 フルスキャン設計された集積回路に対
    し、外部入力端子又はスキャンフリップフロップのデー
    タ出力端子を始点とすると共に外部出力端子又はスキャ
    ンフリップフロップの通常モードにおけるデータ入力端
    子を終点とし,始点から終点まで組み合わせ回路のみに
    よって構成された任意の信号経路における、始点から出
    力された信号が終点に到達するまでにクロック周期以上
    の時間を要する経路遅延故障の有無を、容易に検査でき
    るよう設計変更を行う経路遅延故障の検査容易化設計方
    法であって、 信号経路の始点から出力された信号が立ち上がり信号で
    ある経路遅延故障を立ち上がり遅延故障とし、信号経路
    の始点から出力された信号が立ち下がり信号である経路
    遅延故障を立ち下がり遅延故障とすると、 検査対象の経路遅延故障が立ち上がり遅延故障であると
    きは、経路遅延故障が想定された信号経路の始点に論理
    値“0”を設定する一方、立ち下がり遅延故障であると
    きは前記信号経路の始点に論理値“1”を設定し、さら
    に、前記信号経路が活性化されるように、前記信号経路
    の始点以外の外部入力端子又はスキャンフリップフロッ
    プのデータ出力端子に論理値を設定することによって、
    初期パターンを生成する第1の処理と、 前記第1の処理によって生成された初期パターンにおい
    てデータ出力端子に論理値が設定された各スキャンフリ
    ップフロップの、当該論理値を各々記憶する第2の処理
    と、 前記検査対象の経路遅延故障が立ち上がり遅延故障であ
    るときは、前記信号経路の始点に論理値“1”を設定す
    る一方、立ち下がり遅延故障であるときは前記信号経路
    の始点に論理値“0”を設定し、前記信号経路の始点が
    スキャンフリップフロップのデータ出力端子であるとき
    は、該スキャンフリップフロップの通常モードにおける
    入力データが設定された論理値に一致するように外部入
    力端子又はスキャンフリップフロップのデータ出力端子
    に論理値を設定し、さらに、前記初期パターンにおいて
    データ出力端子に論理値が設定された前記信号経路の始
    点以外のスキャンフリップフロップの通常モードにおけ
    る入力データが前記第2の処理によって記憶された論理
    値に各々一致するように、外部入力端子又はスキャンフ
    リップフロップのデータ出力端子に論理値を設定するこ
    とによって、遷移パターンを生成する第3の処理と、 前記初期パターン及び遷移パターンにおいて共に論理値
    が設定され且つ設定された論理値が初期パターンと遷移
    パターンとで矛盾するデータ出力端子を有するスキャン
    フリップフロップが集積回路内に存在するか否かを判断
    し、存在するときは、入力されたデータを外部からの指
    示によって一旦保持する機能を有する値保持素子を、前
    記集積回路内の当該スキャンフリップフロップの出力デ
    ータが保持可能である位置に配置する第4の処理とを備
    えていることを特徴とする経路遅延故障の検査容易化設
    計方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の経路遅延故障の検査容
    易化設計方法において、 前記第4の処理は、前記値保持素子としてDラッチを前
    記集積回路内に配置し、配置したDラッチのイネーブル
    入力端子を前記集積回路の外部入力端子に接続する処理
    を備えていることを特徴とする経路遅延故障の検査容易
    化設計方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の経路遅延故障の検査容
    易化設計方法において、 前記第4の処理は、前記値保持素子としてトライステー
    ト素子を前記集積回路内に配置し、配置したトライステ
    ート素子のイネーブル入力端子を前記集積回路の外部入
    力端子に接続する処理を備えていることを特徴とする経
    路遅延故障の検査容易化設計方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の経路遅延故障の検査容
    易化設計方法において、 前記第4の処理は、前記値保持素子としてスキャンフリ
    ップフロップ又はDフリップフロップを前記集積回路内
    に配置し、配置したスキャンフリップフロップ又はDフ
    リップフロップを前記集積回路内にすでに構成されてい
    るスキャンチェーンに接続する処理を備えていることを
    特徴とする経路遅延故障の検査容易化設計方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の経路遅延故障の検査容
    易化設計方法において、 前記第4の処理は、前記初期パターン及び遷移パターン
    において共に論理値が設定され且つ設定された論理値が
    初期パターンと遷移パターンとで矛盾するデータ出力端
    子を有するスキャンフリップフロップの出力データ及び
    前記スキャンフリップフロップの出力データが保持可能
    である位置に前記値保持素子として配置されたスキャン
    フリップフロップ又はDフリップフロップの出力データ
    のいずれか一方を、選択出力するセレクタを前記集積回
    路内に配置する処理を備えていることを特徴とする経路
    遅延故障の検査容易化設計方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の経路遅延故障の検査容
    易化設計方法による検査容易化設計が行われた集積回路
    に対し、任意の信号経路における経路遅延故障の有無を
    検出するための検査系列を生成する経路遅延故障の検査
    系列生成方法であって、 信号経路の始点から出力された信号が立ち上がり信号で
    ある経路遅延故障を立ち上がり遅延故障とし、信号経路
    の始点から出力された信号が立ち下がり信号である経路
    遅延故障を立ち下がり遅延故障とすると、 検査容易化設計によって配置されたDラッチを、2つの
    データ入力端子のうちの一方が前記Dラッチのデータ入
    力端子が接続されていたスキャンフリップフロップの出
    力端子に接続され、他方が架空の外部入力端子に接続さ
    れたセレクタに変換し、さらに、各セレクタの選択信号
    入力端子を架空の選択信号外部入力端子に接続すること
    によって、検査系列生成用の回路モデルを生成する第1
    の処理と、 前記第1の処理によって生成された回路モデルに対し、
    検査系列生成対象の経路遅延故障が立ち上がり遅延故障
    であるときは該経路遅延故障が想定された信号経路の始
    点に論理値“0”を設定する一方、立ち下がり遅延故障
    であるときは前記信号経路の始点に論理値“1”を設定
    し、さらに、前記信号経路が活性化されるように、前記
    信号経路の始点以外の外部入力端子又はスキャンフリッ
    プフロップの出力端子に論理値を設定することによっ
    て、初期パターンを生成する第2の処理と、 前記第1の処理によって生成された回路モデルに対し、
    前記検査系列生成対象の経路遅延故障が立ち上がり遅延
    故障であるときは、前記信号経路の始点に論理値“1”
    を設定する一方、立ち下がり遅延故障であるときは前記
    信号経路の始点に論理値“0”を設定し、前記信号経路
    の始点がスキャンフリップフロップのデータ出力端子で
    あるときは、該スキャンフリップフロップの通常モード
    における入力データが設定された論理値に一致するよう
    に外部入力端子又はスキャンフリップフロップのデータ
    出力端子に論理値を設定し、さらに、前記初期パターン
    においてデータ出力端子に論理値が設定された前記信号
    経路の始点以外のスキャンフリップフロップの通常モー
    ドにおける入力データが前記初期パターンにおいて設定
    された論理値に各々一致するように、外部入力端子又は
    スキャンフリップフロップのデータ出力端子に論理値を
    設定することによって、遷移パターンを生成する第3の
    処理と、 前記集積回路に対し、前記回路モデルにおける各セレク
    タのデータ入力端子が接続された架空の外部入力端子に
    おける論理値を、各セレクタのもう一方のデータ入力端
    子が接続されたスキャンフリップフロップのデータ出力
    端子に設定し、さらに、前記検査容易化設計によって配
    置されたDラッチのイネーブル入力端子が接続された外
    部入力端子における論理値を、前記Dラッチがデータス
    ルーモードになるように設定するスキャンインパターン
    を生成する第4の処理と、 前記集積回路に対し、前記初期パターン及び遷移パター
    ンにおいて設定された論理値を各スキャンフリップフロ
    ップのデータ出力端子に各々設定し、さらに、前記Dラ
    ッチのイネーブル入力端子が接続された外部入力端子の
    論理値を、前記Dラッチがデータ保持モードになるよう
    に設定するスキャンインパターンを生成する第5の処理
    とを備えていることを特徴とする経路遅延故障の検査系
    列生成方法。
  8. 【請求項8】 請求項4に記載の経路遅延故障の検査容
    易化設計方法による検査容易化設計が行われた集積回路
    に対し、任意の信号経路における経路遅延故障の有無を
    検出するための検査系列を生成する経路遅延故障の検査
    系列生成方法であって、 信号経路の始点から出力された信号が立ち上がり信号で
    ある経路遅延故障を立ち上がり遅延故障とし、信号経路
    の始点から出力された信号が立ち下がり信号である経路
    遅延故障を立ち下がり遅延故障とすると、 検査容易化設計によって配置されたトライステート素子
    を、2つのデータ入力端子のうちの一方が前記トライス
    テート素子のデータ入力端子が接続されていたスキャン
    フリップフロップの出力端子に接続され、他方が架空の
    外部入力端子に接続されたセレクタに変換し、さらに、
    各セレクタの選択信号入力端子を架空の選択信号外部入
    力端子に接続することによって、検査系列生成用の回路
    モデルを生成する第1の処理と、 前記第1の処理によって生成された回路モデルに対し、
    検査系列生成対象の経路遅延故障が立ち上がり遅延故障
    であるときは、前記信号経路の始点に論理値“0”を設
    定する一方、立ち下がり遅延故障であるときは前記信号
    経路の始点に論理値“1”を設定し、さらに、前記信号
    経路が活性化されるように、前記信号経路以外の外部入
    力端子又はスキャンフリップフロップの出力端子に論理
    値を設定することによって、初期パターンを生成する第
    2の処理と、 前記第1の処理によって生成された回路モデルに対し、
    前記検査系列生成対象の経路遅延故障が立ち上がり遅延
    故障であるときは、前記信号経路の始点に論理値“1”
    を設定する一方、立ち下がり遅延故障であるときは前記
    信号経路の始点に論理値“0”を設定し、前記信号経路
    の始点がスキャンフリップフロップのデータ出力端子で
    あるときは、該スキャンフリップフロップの通常モード
    における入力データが設定された論理値に一致するよう
    に外部入力端子又はスキャンフリップフロップのデータ
    出力端子に論理値を設定し、さらに、前記初期パターン
    においてデータ出力端子に論理値が設定された前記信号
    経路の始点以外のスキャンフリップフロップの通常モー
    ドにおける入力データが前記初期パターンにおいて設定
    された論理値に各々一致するように、外部入力端子又は
    スキャンフリップフロップのデータ出力端子に論理値を
    設定することによって、遷移パターンを生成する第3の
    処理と、 前記集積回路に対し、前記回路モデルにおける各セレク
    タのデータ入力端子が接続された架空の外部入力端子に
    おける論理値を、各セレクタのもう一方のデータ入力端
    子が接続されたスキャンフリップフロップのデータ出力
    端子に設定し、さらに、前記検査容易化設計によって配
    置されたトライステート素子のイネーブル入力端子が接
    続された外部入力端子における論理値を、前記トライス
    テート素子がデータスルーモードになるように設定する
    スキャンインパターンを生成する第4の処理と、 前記集積回路に対し、前記初期パターン及び遷移パター
    ンにおいて設定された論理値を各スキャンフリップフロ
    ップのデータ出力端子に各々設定し、さらに、前記トラ
    イステート素子のイネーブル入力端子が接続された外部
    入力端子の論理値を、前記トライステート素子がデータ
    保持モードになるように設定するスキャンインパターン
    を生成する第5の処理とを備えていることを特徴とする
    経路遅延故障の検査系列生成方法。
  9. 【請求項9】 経路遅延故障の有無の検査のために生成
    された初期パターン及び遷移パターンにおいて共に論理
    値が設定され且つ設定された論理値が初期パターンと遷
    移パターンとで矛盾するスキャンフリップフロップを有
    し、経路遅延故障の有無の検査が容易になるよう設計変
    更された集積回路であって、 入力されたデータを外部からの指示に従って一旦保持す
    る機能を有する値保持素子を、前記スキャンフリップフ
    ロップの出力データが保持可能である位置に配置したこ
    とを特徴とする集積回路。
  10. 【請求項10】 配置された値保持素子は、イネーブル
    入力端子が外部入力端子に接続されたDラッチであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の集積回路。
  11. 【請求項11】 配置された値保持素子は、イネーブル
    入力端子が外部入力端子に接続されたトライステート素
    子であることを特徴とする請求項9に記載の集積回路。
  12. 【請求項12】 配置された値保持素子は、設計変更前
    にすでに構成されていたスキャンチェーンに接続された
    スキャンフリップフロップ又はDフリップフロップであ
    ることを特徴とする請求項9に記載の集積回路。
  13. 【請求項13】 前記スキャンフリップフロップの出力
    データ及び前記値保持素子として配置されたスキャンフ
    リップフロップ又はDフリップフロップの出力データの
    いずれか一方を選択出力するセレクタを配置したことを
    特徴とする請求項12に記載の集積回路。
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