JPH09268172A - 新規な置換グアニジン誘導体およびその製法 - Google Patents

新規な置換グアニジン誘導体およびその製法

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JPH09268172A
JPH09268172A JP10471596A JP10471596A JPH09268172A JP H09268172 A JPH09268172 A JP H09268172A JP 10471596 A JP10471596 A JP 10471596A JP 10471596 A JP10471596 A JP 10471596A JP H09268172 A JPH09268172 A JP H09268172A
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JP
Japan
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group
formula
substituted
alkyl group
indene
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Application number
JP10471596A
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English (en)
Inventor
Masashi Kitano
正史 北野
Masahiro Takamura
昌弘 高村
Naohito Ohashi
尚仁 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナトリウム/プロトン(Na+ /H+ )交換輸
送系の亢進に起因する疾患、例えば、高血圧、不整脈、
狭心症、心肥大、糖尿病、虚血もしくは虚血再潅流によ
る臓器障害、脳虚血障害、細胞の過剰増殖が原因となる
疾患、内皮細胞の障害による疾患等の治療、予防薬とし
て有用な、新規な置換グアニジン誘導体またはその塩及
びその製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 〔式中、ZはCR6 7 、C=OまたはC=R8 9
表し、R1 、R2 、R3、R4 は互いに独立して水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子等を表
し、R5 は水素原子等を表す。〕で表わされる置換グア
ニジン誘導体またはその医薬として許容される酸付加
塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な置換グアニジ
ン誘導体またはその塩及びその製造法に関する。本発明
化合物はナトリウム/プロトン(Na+ /H+ )交換輸
送系阻害作用を有し、ナトリウム/プロトン(Na+
+ )交換輸送系の亢進に起因する疾患、例えば、高血
圧、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿病、虚血もしくは虚
血再潅流による臓器障害(例えば心筋虚血再潅流障害、
急性腎不全、外科的処置(例えば臓器移植やPTCA
(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)
)により生ずる障害など)、脳虚血障害(例えば脳梗
塞に伴う障害、脳卒中後の後遺症として起こる障害、脳
浮腫など)、細胞の過剰増殖(例えば繊維芽細胞増殖、
平滑筋細胞増殖、メサンギウム細胞増殖など)が原因と
なる疾患(例えばアテローム性動脈硬化、肺繊維症、肝
繊維症、腎繊維症、腎糸球体硬化症、器官肥大、前立腺
肥大、糖尿病合併症、PTCA後の再狭窄など)、内皮
細胞の障害による疾患等の治療、予防薬として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】ナトリウム/プロトン(Na+ /H+
交換輸送系阻害作用を有する置換グアニジン誘導体とし
ては、例えば、アミロライドに代表されるピラジノイル
グアニジン誘導体が知られている(例えば、J.Membrane
Biol.,Vo1.105,1(1988);Circulation,Vo1.79,1257(198
9))。またベンゾイルグアニジン誘導体がナトリウム/
プロトン(Na+ /H+ )交換輸送系阻害作用を有し、
抗不整脈作用を有することが報告されている(例えば、
J.Mol.Cell.Cardiol.,Vol.24,Suppl.I,S.92(1992);J.Mo
l.Cell.Cardiol.,Vol.24,Suppl.I,S.117(1992); 特開平
5-339228号公報;特開平6-9545号公報;特開平6-345715
号公報;特開平7-109251号公報)。また多環性アロイル
グアニジン誘導体がナトリウム/プロトン(Na+ /H
+ )交換輸送系阻害作用を有することが報告されている
(例えば特開平7-10839 号公報;特開平7-145149号公
報;特開平7-206823号公報)。一方、WO94/086
92においては、ある種の多環性アロイルグアニジン誘
導体がフィブリノーゲンレセプター・アンタゴニスト作
用を有することが報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ナトリウム
/プロトン(Na+ /H+ )交換輸送系阻害作用を有
し、ナトリウム/プロトン(Na+ /H+ )交換輸送系
の亢進に起因する疾患、例えば、高血圧、不整脈、狭心
症、心肥大、糖尿病、虚血もしくは虚血再潅流による臓
器障害(例えば心筋虚血再潅流障害、急性腎不全、外科
的処置(例えば臓器移植やPTCA (Percutaneous Tra
nsluminal Coronary Angioplasty))により生じる障害な
ど)、脳虚血障害(例えば脳梗塞に伴う障害、脳卒中後
の後遺症として起こる障害、脳浮腫など)、細胞の過剰
増殖(例えば繊維芽細胞増殖、平滑筋細胞増殖、メサン
ギウム細胞増殖など)が原因となる疾患(例えばアテロ
ーム性動脈硬化、肺繊維症、肝繊維症、腎繊維症、腎糸
球体硬化症、器官肥大、前立腺肥大、糖尿病合併症、P
TCA後の再狭窄など)、内皮細胞の障害による疾患等
の治療、予防薬として有用な、新規な置換グアニジン誘
導体またはその塩及びその製造法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の一般式
(1)
【化7】 〔式中、ZはCR6 7 、C=O又はC=CR8 9
表し、R1 、R2 、R3、R4 は互いに独立して水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、
シクロアルケニル基、飽和複素環基、ハロゲン原子、ニ
トロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、芳
香族基、−OR10、−NR1112、−SO2 NR
1112、−S(O)n 13(n=0、1、2)、式
(2)、
【化8】 式(3)、
【化9】 式(4)、
【化10】 または式(5)、
【化11】 を表し、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 は互いに独立し
て水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアル
キル基、シクロアルケニル基、飽和複素環基、ハロゲン
原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、芳香
族基、−OR10、−NR1112、−S(O)n 13、式
(2)、式(3)、式(4)、または式(5)を表し、
10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロ
アルキル基、シクロアルケニル基、飽和複素環基、また
は芳香族基を表し、R11、R12は互いに独立して水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、
シクロアルケニル基、飽和複素環基、芳香族基、または
式(4)を表すか、あるいはR11およびR12が互いに結
合して、これらが結合する窒素原子と共に、環中に酸素
または硫黄原子を含んでもよい飽和5〜7員環の環状ア
ミノ基を形成してもよく、その際、該環状アミノ基は、
1〜4個のアルキル基、置換アルキル基、または−OR
10により置換されていてもよい。R13はアルキル基、置
換アルキル基または芳香族基を表し、Ra 、Ra ' 、R
a ''、Rb 、Rb ' 、Rb ''、Rc 、Rc ' 、Rc ''、
Rd 、Rd ' 、Rd ''、Re 、Re ' 、Re ''、Rf 、
Rf ' 、Rf ''、Rg 、Rh 、Ri 、Rj は互いに独立
して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロア
ルキル基、シクロアルケニル基、飽和複素環基、芳香族
基、カルボキシル基、またはアルコキシカルボニル基を
表し、s 、s ' 、s ''、t 、t ' 、t ''、u 、u ' 、u
''、は0または1を表し、Rk は水素原子、アルキル
基、置換アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケ
ニル基、飽和複素環基、または芳香族基を表し、Aは酸
素原子、−S(O)n −または−NR15−を表し、
14、R15は互いに独立して水素原子、アルキル基、置
換アルキル基、または式(4)を表し、式(5)におけ
る環は3〜8員の窒素原子1個を含有する飽和複素環を
示す。〕で表わされる置換グアニジン誘導体またはその
医薬として許容される酸付加塩およびその製造法、並び
に上記化合物を含有する医薬、特にナトリウム/プロト
ン交換輸送系阻害剤に関する。
【0005】本発明における各種の基を以下に説明す
る。アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロ
ピル、2−プロピル、ブチル、2−ブチル、2−メチル
プロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチルなどの直鎖または分枝した炭素
原子数8個以下のアルキル基が挙げられる。
【0006】シクロアルキル基は、置換されていない
か、または1〜4個のアルキル基、置換アルキル基、ま
たは−OR10により置換されていてもよく、例えばシク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチル、2−メチルシクロペンチル、
3−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロヘキシ
ル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキ
シル、2−ヒドロキシシクロペンチル、3−ヒドロキシ
シクロペンチル、2−ヒドロキシシクロヘキシル、3−
ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキ
シル、2−(ヒドロキシメチル)シクロペンチル、3−
(ヒドロキシメチル)シクロペンチル、2−(ヒドロキ
シメチル)シクロヘキシル、3−(ヒドロキシメチル)
シクロヘキシル、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキ
シル、2−(アミノメチル)シクロペンチル、3−(ア
ミノメチル)シクロペンチル、2−(アミノメチル)シ
クロヘキシル、3−(アミノメチル)シクロヘキシル、
4−(アミノメチル)シクロヘキシル、2−(メトキシ
メチル)シクロペンチル、3−(メトキシメチル)シク
ロペンチル、2−(メトキシメチル)シクロヘキシル、
3−(メトキシメチル)シクロヘキシル、4−(メトキ
シメチル)シクロヘキシルなどの3〜8員環シクロアル
キル基が挙げられる。
【0007】シクロアルケニル基は、置換されていない
か、または1〜4個のアルキル基、置換アルキル基、ま
たは−OR10により置換されていてもよく、例えば1−
シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロ
ペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセ
ニル、3−シクロヘキセニルなどの3〜8員環の二重結
合を1つ有するシクロアルケニル基が挙げられる。飽和
複素環基は、置換されていないか、または1〜4個のア
ルキル基、置換アルキル基、または−OR10により置換
されていてもよく、例えば2−テトラヒドロフラニル、
3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロ−2H−
ピラニル、4−テトラヒドロ−4H−ピラニルなどの3
〜8員環の酸素原子または硫黄原子を1個有する飽和複
素環基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフ
ッ素、塩素および臭素原子が挙げられる。
【0008】アルコキシカルボニル基としては、例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、2−プロポキシカルボニルなどの直鎖また
は分枝した炭素原子数6個以下のアルコキシカルボニル
基が挙げられる。
【0009】芳香族基には置換基を有していてもよいア
リール基および置換基を有していてもよいヘテロアリー
ル基が含まれ、アリール基としては、例えばフェニル、
ナフチルなどの炭素原子数10個以下のアリール基が、
ヘテロアリール基としては、例えば2−、3−、または
4−ピリジル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾ
リル、2−、または3−フリル、2−、または3−チエ
ニル、1−、3−、または4−オキサゾリル、3−、4
−、または5−イソオキサゾリルなどの窒素原子を1〜
4個含む5〜6員ヘテロアリール基および窒素原子を0
〜2個と酸素原子を1個もしくは硫黄原子を1個を含む
5〜6員ヘテロアリール基が挙げられる。置換アリール
基および置換ヘテロアリール基における置換基にはアル
キル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、ア
ルコキシカルボニル基、カルボキシル基および−O
10、−NR1112、−CONR1112、−SO2 NR
1112、または−S(O)n 13で示される基が含まれ
る。
【0010】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 が−OR10
で示される基であり、ここでR10が芳香族基である場合
の代表的な−OR10基の例は、フェノキシ基および置換
フェノキシ基である。置換フェノキシ基の例としては、
例えばニトロ基、−NR1112基(R11およびR12とし
ては、例えば水素原子、アルキル基など)、置換アルキ
ル基(置換基としては、例えば水酸基、−NR1112
など)などで置換されたフェノキシ基が挙げられる。さ
らに具体的な置換フェノキシ基としては、例えばo−,
m−またはp−ニトロフェノキシ、o−,m−またはp
−アミノフェノキシ、o−,m−またはp−(ジメチル
アミノ)フェノキシ、o−,m−またはp−(アミノメ
チル)フェノキシ、o−,m−またはp−(ジメチルア
ミノメチル)フェノキシなどが挙げられる。
【0011】アルコキシ基としては、例えばメトキシ、
エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシなどの直鎖
または分枝した炭素原子数6個以下のアルコキシ基が挙
げられる。
【0012】R11およびR12が互いに結合して、それら
が結合する窒素原子と一緒になって形成する、環中に他
のヘテロ原子を含んでもよい飽和5ないし7員環の環状
アミノ基としては、例えば窒素原子を1〜3個含む5〜
7員環基または窒素原子1個および酸素原子1個を含む
5〜7員環基が挙げられ、さらに具体的には1−ピロリ
ジニル、1−ピペリジノ、1−ピペラジニル、モルホリ
ノ、1−(4−メチル)ピペラジニル等が挙げられる。
【0013】置換アルキル基における置換基にはハロゲ
ン原子、水酸基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シ
アノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、式
(4)で示される基、芳香族基、および−CONR16
17(R16およびR17は互いに独立して、水素原子または
アルキル基を表すか、あるいはR16およびR17が互いに
結合して、それらが結合する窒素原子とともに、環中に
他のヘテロ原子を含んでもよい飽和5ないし7員環の環
状アミノ基を表す)、−NR1112もしくは
【化12】 (R18は水素原子、アルキル基または置換アルキル基を
表し、環は3〜8員の窒素原子一つを含有する飽和複素
環であることを表す)で示される基が含まれる。特にR
1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8
9 、R10、R13、R14、R15が置換アルキル基である
場合の置換基としては、シクロアルキル基、ハロゲン原
子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、式(4)で示される基、芳香族基、お
よび−CONR1617もしくは−NR1112で示される
基などが挙げられ、R11、R12が置換アルキル基である
場合の置換基としては、シクロアルキル基、水酸基、ア
ルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、式(4)で示される基、アリール基、および−CO
NR1617もしくは−NR1617で示される基などが挙
げられる。また、置換アルキル基のアルキル部分として
は、前述したアルキル基と同様の例を挙げることができ
る。
【0014】そのような置換アルキル基としては、例え
ば炭素原子数3〜6のシクロアルキルで置換された炭素
原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のポリハ
ロアルキル基、炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル
基、炭素原子数2〜6のアルコキシアルキル基、炭素原
子数2〜6のシアノアルキル基、炭素原子数2〜6のカ
ルボキシアルキル基、炭素原子数3〜8のアルコキシカ
ルボニルアルキル基、炭素原子数3〜8のアルカノイル
アルキル基、炭素原子数16以下のアロイルアルキル
基、置換基を有していてもよいフェニルもしくはナフチ
ル−C1 〜C5 アルキル基、窒素原子が一つまたは二つ
のC1 〜C3 アルキルで置換されていてもよいカルバモ
イル−C1 〜C3 アルキル基、窒素原子が一つもしくは
二つのC1〜C3 アルキルまたはC7 〜C11アラルキル
で置換されていてもよいアミノ−C1 〜C5 アルキル
基、飽和5ないし7員環状アミノ−C1 〜C3 アルキル
基等が挙げられる。
【0015】代表的な置換アルキル基を挙げれば、トリ
フルオロメチル、トリフルオロエチル、トリクロロメチ
ルなどの炭素原子数1〜3のポリハロアルキル基、ヒド
ロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ
エチルなどの炭素原子数1〜6のヒドロキシアルキル
基、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチ
ルなどの炭素原子数1〜5のアミノアルキル基、メトキ
シエチル、エトキシエチル、メトキシプロピルなどの炭
素原子数1〜6のアルコキシアルキル基、カルボキシエ
チル、カルボキシプロピルなどの炭素原子数2〜6のカ
ルボキシアルキル基、メトキシカルボニルメチル、エト
キシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチルなど
の炭素原子数3〜7のアルコキシカルボニルアルキル
基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フ
ェニルブチル、1−もしくは2−ナフチルメチルなど
の、フェニルまたはナフチル−C1 〜C5 アルキル基
(フェニルまたはナフチル部分にC1 〜C3 アルキル
基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、C1
〜C3 アルコキシ基などの置換基を有していてもよ
い)、カルバモイルメチル、カルバモイルエチル、ジメ
チルカルバモイルメチルなどの、窒素原子が一つもしく
は二つのC1 〜C3 アルキルで置換されていてもよいカ
ルバモイル−C1 〜C3 アルキル基、アミノエチル、ア
ミノプロピル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノ
プロピル、ジエチルアミノエチル、N−メチル−N−ベ
ンジルアミノなどの、窒素原子が一つもしくは二つのC
1 〜C3 アルキルまたはC7 〜C11アラルキルで置換さ
れていてもよいアミノ−C1 〜C5 アルキル基、1−ピ
ロリジニルエチル、ピペリジノエチルなどの飽和5ない
し7員環状アミノ−C1 〜C3 アルキル基等が挙げら
れ、R11およびR12においてはフェニルエチルなどのフ
ェニル−C1 〜C5 アルキル基が挙げられる。
【0016】R16およびR17が互いに結合して形成す
る、環中に他のヘテロ原子を含んでもよい飽和5ないし
7員環の環状アミノ基としては、前記のR11およびR12
が形成する環状アミノ基の場合と同様の例を挙げること
ができる。
【0017】−S(O)n 13で表される基としては、
例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロ
ピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基などの炭
素原子数8以下のアルキルスルホニル基および対応する
アルキルスルフィニル基、アルキルチオ基を挙げること
ができる。式(5)
【化13】 で表される基としては例えば、
【化14】 で表される基が挙げられ、好ましくは、(ピペリジン−
3−イル)オキシ、(ピペリジン−4−イル)オキシ、
(1−メチルピペリジン−3−イル)オキシ、(1−メ
チルピペリジン−4−イル)オキシ、(ピロリジン−3
−イル)オキシ、(1−メチルピロリジン−3−イル)
オキシ、(ピペリジン−3−イル)チオ、(ピペリジン
−4−イル)チオ、(1−メチルピペリジン−3−イ
ル)チオ、(1−メチルピペリジン−4−イル)チオ、
(ピロリジン−3−イル)チオ、(1−メチルピロリジ
ン−2−イル)チオ、(ピペリジン−3−イル)アミ
ノ、(ピペリジン−4−イル)アミノ、(1−メチルピ
ペリジン−3−イル)アミノ、(1−メチルピペリジン
−4−イル)アミノ、(ピロリジン−3−イル)アミ
ノ、(1−メチルピロリジン−3−イル)アミノが挙げ
られる。
【0018】さらに、本発明は、化合物(1)を製造す
る方法に関するものであり、そして該方法は、式(6)
【化15】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、Zは前記と同
じ意味を有し、Jは容易に求核試薬によって置換しうる
脱離基を表わす。)で表されるカルボン酸の反応性誘導
体をグアニジンと反応させて式(1)において示したグ
アニジノカルボニル基(−C(=0)N=C(NH2
2 基)を形成させ、そして必要に応じて生成物を薬理学
的に許容し得る塩に変換することからなる。なお、本反
応においては、式(6)に示した酸誘導体が水酸基やア
ミノ基のような、反応に活性な基を有する場合には、こ
れらの基を予め適当な保護基で保護しておき、本反応を
実施した後に保護基を除去することにより、目的とする
アシルグアニジン誘導体(1)を製造することができ
る。式(6)で表されるカルボン酸の反応性誘導体とし
ては、酸ハロゲン化物、酸無水物(混合酸無水物を含
む)あるいはエステル誘導体が挙げられ、具体的には、
酸ハロゲン化物としては酸クロリドまたは酸ブロミド、
混合酸無水物としてはエチルオキシカルボニルクロリ
ド、イソブチルオキシカルボニルクロリドなどのアルキ
ルオキシクロリド型、および塩化ジエチルアセチル、塩
化トリメチルアセチルなどのα−ポリアルキル置換カル
ボン酸塩化物型化合物との混合酸無水物、エステル誘導
体としてはp−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキ
シスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエ
ステルなどの活性エステルおよびメチルエステル、エチ
ルエステルなどの一般のエステルが挙げられる。このよ
うなカルボン酸の反応性誘導体は、通常行われる一般的
方法に従って、対応するカルボン酸から容易に得ること
ができる。
【0019】酸ハロゲン化物または酸無水物(混合酸無
水物を含む)と反応させる場合には、塩基または過剰の
グアニジンの存在下、溶媒中で冷却下ないし室温で実施
することができる。塩基としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウムなどの無機塩基、およびトリエチルアミ
ン、ピリジンなどの有機塩基が、溶媒としてはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、などの芳香族炭化水素系溶
媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエ
ーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド系溶媒、ピリジンなどの塩基性溶媒、またはそれらの
混合溶媒が挙げられる。
【0020】エステル誘導体と反応させる場合には、等
モルないし過剰のグアニジンの存在下、溶媒中で冷却な
いし加熱しながら行われる。活性エステルの場合は、例
えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなど
のエステル系溶媒、ジメチルホルムアミドまたはそれら
の混合溶媒中で、他のエステルの場合には、たとえば、
メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアル
コール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキ
シエタン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ジメチル
ホルムアミドまたはそれらの混合溶媒中で反応させるこ
とが好ましい。場合によっては溶媒留去後、130℃付
近にて短時間加熱することも可能である。
【0021】また本発明化合物(1)は、一般式(8)
【化16】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、Zは前記と同
じ意味を有する。)で表されるカルボン酸とグアニジン
とを好ましくは縮合剤の存在下、不活性溶媒中、室温ま
たは加熱下反応させることによって得ることができる。
なお、本反応においては、式(8)に示した化合物がカ
ルボキシル基や水酸基、アミノ基のような、反応に活性
な基を有する場合には、これらの基を予め適当な保護基
で保護しておき、本反応を実施した後に保護基を除去す
ることにより、目的とするインドロイルグアニジン誘導
体(1)を製造することができる。
【0022】反応は、たとえば、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド
(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)−カルボジイミド(WSC)、ベンゾトリア
ゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニ
ウム・ヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、ジフェニ
ルホスホニルアジド(DPPA)、N,N−カルボニル
ジイミダゾール(Angew.Chem.Int.Ed.Engl., Vol. 1, 35
1(1962) などの縮合剤の存在下、場合によっては、たと
えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−
ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロー1,2,
3−ベンゾトリアジン(HOObt)などの添加剤を加
えて、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化
炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミドなどのアミド系溶媒、ピリジンなどの塩基性溶
媒、またはそれらの混合溶媒中で行なうことが好まし
い。
【0023】なお、前記製法において、式(6)で示さ
れた酸誘導体のいくつかは、グアニジンとの反応の際、
用いる反応の条件(例えば、使用するグアニジンの当量
数あるいは反応温度など)によっては式(9)に示すジ
アシル体
【化17】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、Zは前記と同
じ意味を有する。〕を与える場合があるが、この式
(9)に示されたジアシル体は、過剰のグアニジン存在
下、適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドなど)
中で、室温ないし加熱下にて反応することにより、容易
に目的とする式(1)の化合物へ変換することができ
る。前記製造において、反応に活性な水酸基、アミノ
基、カルボキシル基などを保護する保護基としては、有
機合成化学の分野で使われる通常の保護基を用いればよ
く、このような保護基の導入および除去は通常の方法に
従って行うことができる(例えば、Protective Groups
in Organic Synthesys, JOHN WILLEY & SONS,1991
年)。例えば、水酸基の保護基としては、メトキシメチ
ル基、テトラヒドロピラニル基などが挙げられ、アミノ
基の保護基としてはtert−ブチルオキシカルボニル基な
どが挙げられる。このような水酸基の保護基は、例え
ば、塩酸、硫酸、または酢酸などの酸の存在下、含水メ
タノール、含水エタノール、含水テトラヒドロフランな
どの溶媒中で反応させることにより除去することがで
き、アミノ基の保護基は、例えば、塩酸、トリフルオロ
酢酸などの酸の存在下、含水テトラヒドロフラン、塩化
メチレン、クロロホルム、含水メタノールなどの溶媒中
で反応させることにより除去することができる。
【0024】カルボキシル基を保護する場合の保護の形
態としては、例えばtert−ブチルエステル、オルトエス
テル、酸アミドなどが挙げられる。このような保護基の
除去は、tert−ブチルエステルの場合は、例えば塩酸の
存在下、含水溶媒中で反応させることにより行われ、オ
ルトエステルの場合は、例えば、含水メタノール、含水
テトラヒドロフラン、含水1,2−ジメトキシエタンな
どの溶媒中で酸で処理し、引き続いて水酸化ナトリウム
などのアルカリで処理することにより行われ、酸アミド
の場合は、例えば、塩酸、硫酸などの酸の存在下、水、
含水メタノール、含水テトラヒドロフランなどの溶媒中
で反応させることにより行うことができる。
【0025】前記の製法の原料化合物となる、一般式
(6)に示されたカルボン酸類の若干は既知であり文献
に示されているか、または、既知の化合物と同様にして
合成することができる。例えば、インデン−2−カルボ
ン酸類(一般式(6)においてZはCR6 7)は文献
(例えば、特開昭61−143366号公報;Indian J
ounal of Chemistry (1983), 22B, 230-233 ; J. Che
m. Soc. (C), (1970)、 920-922 ; J. Chem. Soc., Per
kin Trans. 1 (1993), (4), 405-410など)に記載され
ている方法を用いることにより合成することができる。
また、1−オキソ−インデン−2−カルボン酸類(一般
式(6)においてZはC=O)は文献(例えば、J. Het
erocyclic Chem. (1979), 16, 235-237 ; 特開平2−1
24859号公報;特表平7−501322号公報;Te
trahedron Letters. (1983),24, 3071-3074 ;J. Org.
Chem. (1994), 59, 5347-5357 ; J. Organometallic, C
hem. (1992) C9−C12など)に記載されている方法を
用いることにより合成することができる。また、一般式
(6)においてZがC=CR8 9 であるカルボン酸類
は、例えば、1−オキソ−インデン−2−カルボン酸類
(一般式(6)においてZがC=O)からWittig
反応または、Wittig−Horner−Emmon
s反応などの方法を用いることにより、容易に合成する
ことができる。
【0026】上記のようにして製造される一般式(1)
で表わされる化合物としては例えば下記の化合物があげ
られる。
【化18】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH3 CH2 H CH3 H H CH3 CH2 H H CH3 H CH3 CH2 H H H CH3 CH3 CH2 Cl H H H CH3 CH2 H Cl H H CH3 CH2 H H Cl H CH3 CH2 H H H Cl CH3 CH2 F H H H CH3 CH2 H F H H CH3 CH2 H H F H CH3 CH2 H H H F CH3 CH2 CF3 H H H CH3 CH2 H CF3 H H CH3 CH2 H H CF3 H CH3 CH2 H H H CF3 CH3 CH2 OCH3 H H H CH3 CH2 H OCH3 H H CH3 CH2 H H OCH3 H CH3 CH2 H H H OCH3 CH3 CH2 ───────────────────────────────────
【0027】
【表2】 表2 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH3 −CH(CH3 )− H CH3 H H CH3 −CH(CH3 )− H H CH3 H CH3 −CH(CH3 )− H H H CH3 CH3 −CH(CH3 )− Cl H H H CH3 −CH(CH3 )− H Cl H H CH3 −CH(CH3 )− H H Cl H CH3 −CH(CH3 )− H H H Cl CH3 −CH(CH3 )− F H H H CH3 −CH(CH3 )− H F H H CH3 −CH(CH3 )− H H F H CH3 −CH(CH3 )− H H H F CH3 −CH(CH3 )− CF3 H H H CH3 −CH(CH3 )− H CF3 H H CH3 −CH(CH3 )− H H CF3 H CH3 −CH(CH3 )− H H H CF3 CH3 −CH(CH3 )− OCH3 H H H CH3 −CH(CH3 )− H OCH3 H H CH3 −CH(CH3 )− H H OCH3 H CH3 −CH(CH3 )− H H H OCH3 CH3 −CH(CH3 )− ───────────────────────────────────
【0028】
【表3】 表3 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH3 −C(CH3 2 − H CH3 H H CH3 −C(CH3 2 − H H CH3 H CH3 −C(CH3 2 − H H H CH3 CH3 −C(CH3 2 − Cl H H H CH3 −C(CH3 2 − H Cl H H CH3 −C(CH3 2 − H H Cl H CH3 −C(CH3 2 − H H H Cl CH3 −C(CH3 2 − F H H H CH3 −C(CH3 2 − H F H H CH3 −C(CH3 2 − H H F H CH3 −C(CH3 2 − H H H F CH3 −C(CH3 2 − CF3 H H H CH3 −C(CH3 2 − H CF3 H H CH3 −C(CH3 2 − H H CF3 H CH3 −C(CH3 2 − H H H CF3 CH3 −C(CH3 2 − ───────────────────────────────────
【0029】
【表4】 表4 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH2 CH3 −CH2 − H CH3 H H CH2 CH3 −CH2 − H H CH3 H CH2 CH3 −CH2 − H H H CH3 CH2 CH3 −CH2 − Cl H H H CH2 CH3 −CH2 − H Cl H H CH2 CH3 −CH2 − H H Cl H CH2 CH3 −CH2 − H H H Cl CH2 CH3 −CH2 − F H H H CH2 CH3 −CH2 − H F H H CH2 CH3 −CH2 − H H F H CH2 CH3 −CH2 − H H H F CH2 CH3 −CH2 − CF3 H H H CH2 CH3 −CH2 − H CF3 H H CH2 CH3 −CH2 − H H CF3 H CH2 CH3 −CH2 − H H H CF3 CH2 CH3 −CH2 − ───────────────────────────────────
【0030】
【表5】 表5 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H CH3 H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H CH3 H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H H CH3 CH2 CH3 −CH(CH3 )− Cl H H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H Cl H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H Cl H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H H Cl CH2 CH3 −CH(CH3 )− F H H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H F H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H F H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H H F CH2 CH3 −CH(CH3 )− CF3 H H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H CF3 H H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H CF3 H CH2 CH3 −CH(CH3 )− H H H CF3 CH2 CH3 −CH(CH3 )− ───────────────────────────────────
【0031】
【表6】 表6 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH3 −CO− H CH3 H H CH3 −CO− H H CH3 H CH3 −CO− H H H CH3 CH3 −CO− Cl H H H CH3 −CO− H Cl H H CH3 −CO− H H Cl H CH3 −CO− H H H Cl CH3 −CO− F H H H CH3 −CO− H F H H CH3 −CO− H H F H CH3 −CO− H H H F CH3 −CO− CF3 H H H CH3 −CO− H CF3 H H CH3 −CO− H H CF3 H CH3 −CO− H H H CF3 CH3 −CO− ───────────────────────────────────
【0032】
【表7】 表7 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH2 CH3 −CO− H CH3 H H CH2 CH3 −CO− H H CH3 H CH2 CH3 −CO− H H H CH3 CH2 CH3 −CO− Cl H H H CH2 CH3 −CO− H Cl H H CH2 CH3 −CO− H H Cl H CH2 CH3 −CO− H H H Cl CH2 CH3 −CO− F H H H CH2 CH3 −CO− H F H H CH2 CH3 −CO− H H F H CH2 CH3 −CO− H H H F CH2 CH3 −CO− CF3 H H H CH2 CH3 −CO− H CF3 H H CH2 CH3 −CO− H H CF3 H CH2 CH3 −CO− H H H CF3 CH2 CH3 −CO− ───────────────────────────────────
【0033】
【表8】 表8 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH3 −CH(OCH3 )− H CH3 H H CH3 −CH(OCH3 )− H H CH3 H CH3 −CH(OCH3 )− H H H CH3 CH3 −CH(OCH3 )− Cl H H H CH3 −CH(OCH3 )− H Cl H H CH3 −CH(OCH3 )− H H Cl H CH3 −CH(OCH3 )− H H H Cl CH3 −CH(OCH3 )− F H H H CH3 −CH(OCH3 )− H F H H CH3 −CH(OCH3 )− H H F H CH3 −CH(OCH3 )− H H H F CH3 −CH(OCH3 )− CF3 H H H CH3 −CH(OCH3 )− H CF3 H H CH3 −CH(OCH3 )− H H CF3 H CH3 −CH(OCH3 )− H H H CF3 CH3 −CH(OCH3 )− ───────────────────────────────────
【0034】
【表9】 表9 ─────────────────────────────────── R1 2 3 4 5 Z ─────────────────────────────────── CH3 H H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H CH3 H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H CH3 H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H H CH3 CH2 CH3 −CH(OCH3 )− Cl H H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H Cl H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H Cl H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H H Cl CH2 CH3 −CH(OCH3 )− F H H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H F H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H F H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H H F CH2 CH3 −CH(OCH3 )− CF3 H H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H CF3 H H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H CF3 H CH2 CH3 −CH(OCH3 )− H H H CF3 CH2 CH3 −CH(OCH3 )− ───────────────────────────────────
【0035】一般式(1)の化合物は、光学的非対称中
心を有するものも含まれ、したがって、これらはセラミ
体としてまたは、光学活性の出発材料が用いられた場合
には光学活性型で得ることができる。必要であれば、得
られたセラミ体を、物理的にまたは化学的に自体公知の
方法によってそれらの光学対掌体に分割することができ
る。好ましくは、光学活性分割剤を用いる反応によって
セラミ体からジアステレオマーを形成する。異なるかた
ちのジアステレオマーは、例えば分別結晶などの自体公
知の方法によって分割することができる。
【0036】一般式(1)で表される化合物は、必要に
応じて医薬として許容される無機酸または有機酸との酸
付加塩とすることができる。そのような酸付加塩として
は、たとえば塩基、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの鉱
酸との塩;ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ
酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸などの有機カルボン酸との塩;メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ジヒドロキシベンゼン
スルホン酸などのスルホン酸との塩等が挙げられる。ま
た、一般式(1)で表される化合物およびその酸付加塩
は、それらの無水物、水和物または溶媒和物であっても
よい。
【0037】本発明化合物は、ナトリウム/プロトン
(Na+ /H+ )交換輸送系阻害作用を有し、ナトリウ
ム/プロトン(Na+ /H+ )交換輸送系の異常に起因
する疾患、例えば、高血圧、虚血もしくは虚血再潅流に
よる臓器障害、不整脈、狭心症、糖尿病、心肥大、脳虚
血障害、細胞の過剰増殖が原因となる疾患または内皮細
胞の障害による疾患等の治療、予防薬として有用であ
る。
【0038】本発明化合物は、これらを医薬として用い
るにあたり経口的または非経口的に投与することができ
る。すなわち通常用いられる投与形態、例えば粉末、顆
粒、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で
経口的に投与することができ、あるいは、例えば、その
溶液、乳剤、懸濁液の剤型にしたものを注射の型で非経
口投与することができる。坐剤の型で直腸投与すること
もできる。前記の適当な投与剤型は、例えば、許容され
る通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤、希釈剤に活性
化合物を配合することにより製造することができる。注
射剤型で用いる場合には、例えば、許容される緩衝剤、
溶解補助剤、等張剤を添加することもできる。投与量お
よび投与回数は、例えば、対象疾患、症状、年齢、体
重、投与形態によって異なるが、通常は成人に対し1日
あたり0.1 〜2000mg好ましくは1〜200mg を1回または
数回に分けて投与することができる。
【0039】
【実施例】以下に本発明を、参考例、実施例および実験
例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよ
りこれに限定されるものではない。 実施例1: N-( アミノイミノメチル)-3,7-ジメチル-1H-インデン-2
- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩 (a) 2-(2-メチルベンジル) -3- オキソ酪酸 エチルエ
ステルの合成 窒素雰囲気下、アセト酢酸エチル(4.6g)のアセトン(80m
l)溶液に炭酸カリウム(14.5g) を加え,室温で撹拌しな
がら塩化2-メチルベンジル(5.0g)のアセトン(20ml)溶液
を30分かけて滴下後9時間加熱還流した。放冷した後不
溶物を濾去し溶媒を減圧留去してから残渣を酢酸エチル
(100ml) に溶解させ,飽和リン酸二水素ナトリウム水溶
液(100ml) および飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) で
洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留
去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製す
ることにより2-(2- メチルベンジル) -3- オキソ酪酸
エチルエステル(5.5g,収率;67%) を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.13〜7.09 (4H,m), 4.14 (2H,q,J
=7.3Hz), 3.77 (1H,t,J=7.3Hz), 3.17 (2H,m), 2.33
(3H,s), 2.19 (3H,s), 1.20 (3H,t,J=7.3Hz) (b) 3,7-ジメチル-1H-インデン-2- カルボン酸の合成 窒素雰囲気下、10℃に冷却した濃硫酸(8ml) に2-(2- メ
チルベンジル) -3- オキソ酪酸 エチルエステル(5.3g)
を反応温度が15℃を超えないように滴下後,室温で3時
間撹拌した。氷冷した飽和塩化ナトリウム水溶液(200m
l) に撹拌しながら反応液を注入し,50%THF/ 酢酸エチ
ル(200ml×3 回) で抽出した。有機層を飽和リン酸二水
素ナトリウム水溶液(100ml) および飽和塩化ナトリウム
水溶液(100ml) で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を減圧留去して得られた残渣を30% クロロホ
ルム/THFで再結晶することにより3,7-ジメチル-1H-イン
デン-2- カルボン酸(2.4g,収率;55%) を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.38 (1H,d,J=7.6Hz), 7.29 (1
H,t, J=7.6Hz), 7.17(1H,d,J=7.6Hz), 3.50 (2H,q,J=2.
3Hz), 2.47 (3H,t,J=2.3Hz), 2.34 (3H,s) 融点 239 〜241 ℃ (c) 3,7-ジメチル-1H-インデン-2- カルボン酸 メチル
エステルの合成 窒素雰囲気下、−10℃に冷却した3,7-ジメチル-1H-イ
ンデン-2- カルボン酸(3.8g)のメタノール(80ml)懸濁液
に,撹拌しながら塩化チオニル(2.9ml) を30分かけて滴
下した。さらに室温で1時間撹拌後,3時間加熱還流し
た。溶媒を減圧留去し,残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィーで精製することにより3,7-ジメチル-1H-インデン
-2- カルボン酸 メチルエステル(3.3g,収率;81%) を得
た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.36 (1H,d,J=7.6Hz), 7.30 (1H,
t,J=7.5Hz), 7.17 (1H,d,J=7.3Hz), 3.84 (3H,s), 3.55
(2H,q,J=2.3Hz), 2.55 (3H,t,J=2.3Hz), 2.39(3H,s) (d) N-( アミノイミノメチル)-3,7-ジメチル-1H-インデ
ン-2- カルボキサミドの合成 窒素雰囲気下、ナトリウム メトキシド(5.3g)のメタノ
ール(20ml)懸濁液にグアニジン塩酸塩(9.5g)を加え,氷
冷下で10分撹拌後,不溶物を濾去した。この濾液に3,7-
ジメチル-1H-インデン-2- カルボン酸 メチルエステル
(1.5g)を加え,120 ℃のオイルバス上で撹拌しながら常
圧で濃縮後、そのまま10分撹拌した。原料が消失したこ
とを確認した後,室温まで冷却し,飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(100ml) を加え,酢酸エチル(100ml×3 回)
で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100m
l) で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、つづいて
溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィーで精製することによりN-( アミノイミノメ
チル)-3,7-ジメチル-1H-インデン-2- カルボキサミド
(1.0g,収率;66%) を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 7.28〜7.19 (2H,m), 7.07 (1
H,d,J=6.9Hz), 3.48 (2H,q,J=2.3Hz),2.50 (3H,t,J=2.3
Hz), 2.32 (3H,s) (e) N-( アミノイミノメチル)-3,7-ジメチル-1H-インデ
ン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 窒素雰囲気下、N-( アミノイミノメチル)-3,7-ジメチル
-1H-インデン-2- カルボキサミド(1.0g)に水(30ml)およ
びイソプロピルアルコール(15ml)を加え撹拌しながらメ
タンスルホン酸(1.7g)を加えた。加温溶解した後,室温
まで放冷し,さらに30分氷冷した。析出した結晶を濾取
し冷水(2ml×3 回) で洗浄した。この粗結晶を水(8ml)
から再結晶することによりN-( アミノイミノメチル)-3,
7-ジメチル-1H-インデン-2- カルボキサミド・メタンス
ルホン酸塩(1.2g,収率;85%) を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 10.4 (1H,brs), 8.40 (4H,br
s), 7.50 (1H,d, J=7.3Hz), 7.36 (1H,dd,J=7.3,7.6H
z), 7.28 (1H,d,J=7.3Hz), 3.73 (2H,m), 2.56 (3H,t,J
=2.3Hz), 2.42 (3H,s), 2.39 (3H,s) 融点 237 〜238 ℃
【0040】実施例2: N-( アミノイミノメチル)-1,3-ジメチル-1H-インデン-2
- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 (a) 2- アセチル-3- フェニル酪酸 エチルエステルの
合成 窒素雰囲気下、アセト酢酸エチル(14.1g) のアセトン(2
00ml) 溶液に炭酸カリウム(44.8g) を加え,室温で撹拌
しながら(1- ブロモエチル) ベンゼン(20.0g)を滴下後
4時間加熱還流した。放冷した後不溶物を濾去し溶媒を
減圧留去してから,残渣を酢酸エチル(200ml) に溶解さ
せた。飽和リン酸二水素ナトリウム水溶液(100ml) およ
び飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) で洗浄し,無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を
シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより2-
アセチル-3- フェニル酪酸 エチルエステル(19.5g, 収
率;77%) を得た。 (b) 1,3-ジメチル-1H-インデン-2- カルボン酸の合成 窒素雰囲気下、0 ℃に冷却した濃硫酸(20ml)に2-アセチ
ル-3- フェニル酪酸エチルエステル(18.0g) を反応温度
が5 ℃を超えないように滴下し,そのまま5時間撹拌し
た。反応液を0℃以下に冷却後,水(20ml)をゆっくりと
滴下した。さらに飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml) を
注入し,酢酸エチル(100ml×2 回) で抽出した。有機層
を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml×2 回) で洗浄後,
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、つづいて溶媒を減圧留
去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(5% 酢酸を含むメタノールを,1 〜2%含有するジクロロ
メタンで溶出) で精製後,20% クロロホルム/ ヘキサン
で再結晶することにより1,3-ジメチル-1H-インデン-2-
カルボン酸(1.7g,収率;12%) を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.53〜7.35 (4H,m), 3.80 〜3.76
(1H,m), 2.59(3H,d,J=2.3Hz), 1.48 (3H,d,J=7.6Hz) 融点 131 〜132 ℃ (c) N-( アミノイミノメチル)-1,3-ジメチル-1H-インデ
ン-2- カルボキサミドの合成 N,N'- カルボニルジイミダゾール(1.7g)のDMF(15ml) 溶
液に1,3-ジメチル-1H-インデン-2- カルボン酸(1.5g)を
加え室温中1 時間撹拌した( →(i) 溶液とする) 。グア
ニジン塩酸塩(15.2g) のDMF(80ml) 溶液にカリウム ter
t-ブトキシド(17.8g) を加え室温で10分撹拌した後、10
℃以下に冷却した。撹拌しながら(i) 溶液を10℃以下で
50分かけて滴下し,さらに室温で1時間撹拌した。反応
液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml) 中に注入
し,酢酸エチル(200ml×2 回) で抽出した。有機層を飽
和NaCl水溶液(200ml×2 回) で洗浄し,無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後溶媒を減圧留去した。得られた残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより
N-( アミノイミノメチル)-1,3-ジメチル-1H-インデン-2
- カルボキサミド(1.9g ,収率〜100%) を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 7.43〜7.22 (4H,m), 3.65 (1
H,m), 2.46 (3H,d,J=2.3Hz), 1.33 (3H,d,J=7.3Hz) (d) N-( アミノイミノメチル)-1,3-ジメチル-1H-インデ
ン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 窒素雰囲気下、N-( アミノイミノメチル)-1,3-ジメチル
-1H-インデン-2- カルボキサミド(1.5g)にイソプロピル
アルコール(15ml)を加え,室温で撹拌しながらメタンス
ルホン酸(1.89g) を加えた。80℃で加温溶解後熱時濾過
し、室温まで放冷後、氷冷下で1時間撹拌した。析出し
た結晶を濾取し、氷冷したイソプロピルアルコール(5ml
×2 回) で洗浄後,室温で減圧乾燥した。この結晶を水
(30ml)から再結晶することによりN-( アミノイミノメチ
ル)-1,3-ジメチル-1H-インデン-2- カルボキサミド・メ
タンスルホン酸塩(1.32g, 収率;62%) を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 10.6 (1H,brs), 8.34 (4H,br
s), 7.63〜7.42 (2H,m), 7.48〜7.42(2H,m), 3.98 (1
H,m), 2.47 (3H,m), 2.36 (3H,s), 1.33 (3H,d,J=7.6H
z) 融点 199 〜200 ℃
【0041】実施例3: N-( アミノイミノメチル)-1,1,3-トリメチル-1H-インデ
ン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 (a) 2- ベンジル-3- オキソ酪酸 エチルエステルの合
成 窒素雰囲気下、アセト酢酸エチル(22.8g) のアセトン(3
00ml) 溶液に炭酸カリウム(72.7g) を加え,室温で撹拌
しながら臭化ベンジル(30.0g) を30分かけて滴下後4時
間加熱還流した。放冷した後不溶物を濾去し溶媒を減圧
留去してから酢酸エチル(200ml) に溶解させ,飽和リン
酸二水素ナトリウム水溶液(100ml) および飽和塩化ナト
リウム水溶液(100ml) で洗浄し,無水硫酸マグネシウム
で乾燥後,溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィーで精製することにより2-ベンジル-3- オ
キソ酪酸 エチルエステル(24.9g, 収率;65%) を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.30〜7.13 (5H,m), 4.14 (2H,q,J
=7.3Hz), 3.78 (1H,t,J=7.6Hz), 3.17 (2H,d,J=7.9H
z), 2.18 (3H,s), 1.20 (3H,t,J=7.3Hz) (b) 3-メチル-1H-インデン-2- カルボン酸の合成 窒素雰囲気下、10℃に冷却した濃硫酸(20ml)に2-ベンジ
ル-3- オキソ酪酸 エチルエステル(14.0g) を反応温度
が15℃を超えないように滴下し,室温で3時間撹拌し
た。氷冷した飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml) に撹拌
しながら反応液を注入後,酢酸エチル(100ml×3 回) で
抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml×
2回) で洗浄後,無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を減圧留去することにより3-メチル-1H-インデン-2- カ
ルボン酸を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.57〜7.51 (2H,m), 7.42 〜7.3
6 (2H,m), 3.71 (2H,q,J=2.3Hz), 2.61 (3H,t,J=2.3Hz) (c) 3-メチル-1H-インデン-2- カルボン酸 メチルエス
テルの合成 窒素雰囲気下、上記3-メチル-1H-インデン-2- カルボン
酸にメタノール(80ml)を加え,氷冷下撹拌しながら塩化
チオニル(13.9ml)を30分かけて滴下した。室温撹拌後さ
らに2時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し,残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィーで精製することにより3-メ
チル-1H-インデン-2- カルボン酸 メチルエステル(3.3
g,収率;2- ベンジル-3- オキソ酪酸 エチルエステルか
ら64%)を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ:7.53 〜7.47 (2H,m), 7.38 〜7.3
5 (2H,m), 3.84 (3H,s), 3.66 (2H,q,J=2.3Hz), 2.56
(3H,t,J=2.3Hz) (d) 1,1,3-トリメチル-1H-インデン-2- カルボン酸 メ
チルエステルの合成 窒素雰囲気下、石油エーテル(10ml)で洗浄した水素化ナ
トリウム(1.3g)をDMF(15ml) に懸濁させた後,3-メチル
-1H-インデン-2- カルボン酸メチル(3.0g)のDMF(15ml)
溶液を室温で5分かけて滴下した。さらに10分撹拌して
から氷冷し撹拌しながらヨウ化メチル(4.0ml) のDMF(10
ml) 溶液を,反応液が5℃を越えないように滴下した。
室温で3時間撹拌してから反応液を氷水に注入し、酢酸
エチル(100ml×3 回) で抽出した。飽和塩化ナトリウム
水溶液(100ml×2 回) で洗浄してから無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィーで精製することにより1,1,3-トリメ
チル-1H-インデン-2- カルボン酸 メチルエステル(2.7
g,収率;78.5%) を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.48〜7.31 (4H,m), 3.85 (3H,s),
2.51 (3H,s), 1.44 (6H,s) (e) 1,1,3-トリメチル-1H-インデン-2- カルボン酸の合
成 窒素雰囲気下、1,1,3-トリメチル-1H-インデン-2- カル
ボン酸 メチルエステル(2.1g)にエタノール(10ml)およ
び40% 水酸化ナトリウム水溶液(5ml) を加え3時間加熱
還流した。放冷後、反応液を氷冷した1規定の塩酸(200
ml) に注入し,塩化ナトリウム(20g) を加えてから,酢
酸エチル(100ml×2 回) で抽出し、有機層を飽和NaCl水
溶液(100ml×2 回) で洗浄した。無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後溶媒を減圧留去することにより1,1,3-トリ
メチル-1H-インデン-2- カルボン酸(1.9g,収率;98%) を
得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.52 (1H,d,J=6.9Hz), 7.41〜7.3
2 (3H,m), 2.59 (3H,s), 1.49 (6H,s) (f) N,N'- ビス(1,1,3- トリメチル-1H-インデン-2- カ
ルボニル) グアニジンの合成 N,N'- カルボニルジイミダゾール(1.8g)のDMF(50ml) 溶
液に1,1,3-トリメチル-1H-インデン-2- カルボン酸(1.7
g)を加え室温中1 時間撹拌した( →(i) 溶液とする) 。
グアニジン塩酸塩(4.0g)のDMF(50ml) 溶液にトリエチル
アミン(5.6ml) を加え室温で10分撹拌した後、撹拌しな
がら(i) 溶液を室温で30分かけて滴下し,さらに室温で
1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(100ml)中に注入し,50%THF/ 酢酸エチル(100ml×6
回) で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(100ml×2
回) で洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥した後溶媒
を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィーで精製することによりN,N'- ビス(1,1,3- トリ
メチル-1H-インデン-2- カルボニル) グアニジン(1.9g,
収率53%)を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 7.57〜7.30 (8H,m), 2.45 (6
H,s), 1.38 (12H,s) (g) N-( アミノイミノメチル)-1,1,3-トリメチル-1H-イ
ンデン-2- カルボキサミドの合成 窒素雰囲気下、N,N'- ビス(1,1,3- トリメチル-1H-イン
デン-2- カルボニル)グアニジン(1.8g)のDMF(100ml)溶
液にグアニジン塩酸塩(8.2g)およびトリメチルアミン(1
1.9ml)を加えてから,110 ℃で40分撹拌した( →[a] 溶
液とする) 。氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2
00ml) に飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml) を加え[a]
溶液を注入した。酢酸エチル(100ml×3 回) で抽出し、
有機層を飽和NaCl水溶液(200ml×2 回) で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後溶媒を減圧留去し
た。。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する
ことによりN-( アミノイミノメチル)-1,1,3-トリメチル
-1H-インデン-2- カルボキサミド(1.4g,収率;68%) を得
た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 7.39 〜7.35 (2H,m), 7.27
〜7.23 (2H,m), 2.46(3H,s), 1.41 (6H,s) (h) N-( アミノイミノメチル)-1,1,3-トリメチル-1H-イ
ンデン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 窒素雰囲気下、N-( アミノイミノメチル)-1,1,3-トリメ
チル-1H-インデン-2-カルボキサミド(1.0g)にイソプロ
ピルアルコール(15ml)を加え撹拌しながらメタンスルホ
ン酸(1.2g)を加えた。加温溶解した後,室温まで放冷
し,氷冷下で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し,
冷イソプロピルアルコール(5ml×2 回) で洗浄した。こ
の結晶を水(40ml)から再結晶することによりN-( アミノ
イミノメチル)-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-2- カル
ボキサミド・メタンスルホン酸塩(840mg, 収率;59%) を
得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 10.8 (1H,brs), 8.33 (4H,br
s), 7.57〜7.50 (2H,m),7.41 〜7.37 (2H,m), 2.36 (3
H,s), 2.33 (3H,s), 1.40 (6H,s) 融点 227 〜228 ℃
【0042】実施例4: N-( アミノイミノメチル)-1H- インデン-2- カルボキサ
ミド・メタンスルホン酸塩の合成 (a) 1H- インデン-2- カルボン酸の合成 窒素雰囲気下1H- インデン(10.0g) に室温下撹拌しなが
ら臭化オキザリル(6.1ml) を10分で滴下し,そのまま10
分撹拌した。さらに発熱に注意しながら90℃までゆっく
りと昇温しそのまま4時間撹拌した。放冷した後氷冷
し,撹拌しながら水(10ml)を滴下した。室温下飽和リン
酸水素二ナトリウム水溶液(200ml) を加えてジエチルエ
ーテル(200ml) で抽出した。有機層を廃棄し,水層の不
溶物を濾去後,濾液に室温下撹拌しながら飽和リン酸二
水素ナトリウム水溶液(400ml) を注入した。酢酸エチル
(200ml×2 回) で抽出し,有機層を飽和塩化ナトリウム
水溶液(100ml×2 回) で洗浄した。無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し溶媒を減圧留去することにより1H- インデン
-2- カルボン酸(4.2g,収率;31%) を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 12.5 (1H,brs), 7.17 (1H,s),
7.60〜7.53 (2H,m), 7.37 〜7.32 (2H,m), 3.63 (2H,
s) (b) N-( アミノイミノメチル)-1H- インデン-2- カルボ
キサミドの合成 N,N'- カルボニルジイミダゾール(2.0g)のDMF(50ml) 溶
液に1H- インデン-2- カルボン酸(1.5g)を加え室温中1
時間撹拌した( →(i) 溶液とする) 。グアニジン塩酸塩
(17.9g) のDMF(100ml)溶液にカリウム tert-ブトキシド
(21.0g) を加え室温で10分撹拌した後、10℃以下に冷却
した。(i) 溶液を10℃以下で1時間かけて滴下してから
室温で1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液(200ml) 中に注入し,50%THF/ 酢酸エチル(200
ml×10回) で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(200ml
×2 回) で洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥後,溶
媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ーで精製し,N-( アミノイミノメチル)-1H- インデン-2
- カルボキサミドを得た。 (c) N-( アミノイミノメチル)-1H- インデン-2- カルボ
キサミド・メタンスルホン酸塩の合成 窒素雰囲気下、上記N-( アミノイミノメチル)-1H- イン
デン-2- カルボキサミドにイソプロピルアルコール(20m
l)を加え,つづいて室温で撹拌しながらメタンスルホン
酸(1.30g) を加えた。90℃で5分撹拌してから室温まで
放冷し,さらに氷冷下1時間撹拌した。析出した結晶を
濾取し,氷冷したイソプロピルアルコール(5ml×2 回)
で洗浄後,室温で減圧乾燥した。この結晶を水(20ml)で
再結晶することによりN-( アミノイミノメチル)-1H- イ
ンデン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩(820m
g, 収率;1H-インデン-2- カルボン酸から29%)を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 11.1 (1H,brs), 8.31 (4H,br
s), 8.00 (1H,s), 7.71〜7.60 (2H,m), 7.43 〜7.40 (2
H,m), 3.78 (2H,brs), 2.41 (3H,s) 融点 231 〜233 ℃(分解)
【0043】実施例5: N-( アミノイミノメチル)-3-メチル-1H-インデン-2- カ
ルボキサミド・塩酸塩の合成 (a) 3-メチル-1H-インデン-2- カルボン酸 メチルエス
テルの合成 3-メチル-1H-インデン-2- カルボン酸(2.5g)を実施例1
(c) と同様に処理することにより3-メチル-1H-インデン
-2- カルボン酸メチル(2.7g, 収率; 〜100%) を得た。1 H NMR(CDCl3 ) δ: 7.52〜7.47 (2H,m), 7.39 〜7.32
(2H,m), 3.83 (3H,s),3.65 (2H,m), 2.56 〜2.55 (3H,
m) (b) N-( アミノイミノメチル)-3-メチル-1H-インデン-2
- カルボキサミド・塩酸塩の合成 窒素雰囲気下、ナトリウム メトキシド(7.7g)のメタノ
ール(100ml) 懸濁液にグアニジン塩酸塩(13.7g) を加
え,氷冷下30分撹拌後不溶物を濾去した。この濾液に3-
メチル-1H-インデン-2- カルボン酸 メチルエステル
(2.7g)を加えた後メタノールを減圧留去した。130 ℃の
オイルバス上で5 分撹拌し室温で1時間撹拌後,氷水を
加え,酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリ
ウム水溶液で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ーで精製することによりN-( アミノイミノメチル)-3-メ
チル-1H-インデン-2- カルボキサミドを得た。これをメ
タノール性塩酸で処理することによりN-( アミノイミノ
メチル)-3-メチル-1H-インデン-2- カルボキサミド・塩
酸塩(2.2g,収率;61%) を得た。1 H NMR(DMSO-d 6) δ: 11.1 (1H,brs), 8.73 (2H,br
s), 8.39 (2H,brs), 7.68 〜7.57 (2H,m), 7.48 〜7.41
(2H,m), 3.95 (2H,q,J=2.3Hz), 2.55 (3H,t,J=2.3Hz) 融点 263 〜264 ℃(分解)
【0044】実施例6: N-( アミノイミノメチル)-7-フルオロ-3- メチル-1H-イ
ンデン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 (a) 2-(2- フルオロベンジル)マロン酸 ジエチルエス
テルの合成 窒素雰囲気下、マロン酸ジエチル(25.4g) のアセトン(3
00ml) 溶液に炭酸カリウム(65.8g) および臭化2-フルオ
ロベンジル(30.0g) を加え,6時間加熱還流した。不溶
物を濾去し溶媒を減圧留去して得られた残渣中にDMF(10
0ml)および炭酸カリウム(22.0g) を加え,さらに60℃で
3時間撹拌した。不溶物を濾去し溶媒を減圧留去して得
られた残渣を酢酸エチル(200ml) に溶解させ,飽和リン
酸二水素ナトリウム水溶液(100ml) および飽和塩化ナト
リウム水溶液(100ml) で洗浄した。無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し溶媒を減圧留去後,残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィーで精製することにより2-(2- フルオロベン
ジル)マロン酸 ジエチルエステル(30.5g, 収率72%)を
得た。1 H NMR (CDCl 3 ) δ: 7.23〜7.17 (2H,m), 7.06 〜7.0
1 (2H,m), 4.15 (4H,q,J=7.1Hz), 3.73(1H,t,J=7.9Hz),
3.25 (2H,d,J=7.9Hz), 1.20 (6H,t,J=7.3Hz) (b) 3-(2- フルオロフェニル) プロピオン酸の合成 窒素雰囲気下,室温にて2-(2- フルオロベンジル)マロ
ン酸 ジエチルエステル(20.0g) に酢酸(30ml)および濃
塩酸(20ml)を加えた後,12時間加熱還流した。放冷後飽
和塩化ナトリウム水溶液(200ml) を加え酢酸エチル(200
ml×2 回) で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水
溶液(200ml×2 回) で洗浄してから無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサン(10ml)
を加え氷冷下撹拌後、析出した結晶を濾取しヘキサン(5
ml×2 回) で洗浄した。室温で減圧下乾燥することによ
り,3-(2- フルオロフェニル) プロピオン酸(5.2g,収率
42%)を得た。1 H NMR (CDCl 3 ) δ: 7.25〜7.17 (2H,m), 7.09 〜7.0
2 (2H,m), 2.99 (2H,t,J=7.9Hz), 2.70 (2H,t,J=7.9Hz) (c) 4-フルオロ-1- インダノンの合成 窒素雰囲気下,室温中で塩化チオニル(17ml)に3-(2- フ
ルオロフェニル) プロピオン酸(2.9g)を少量ずつ加えた
後,5時間加熱還流した。放冷した後,過剰の塩化チオ
ニルを減圧留去した。残渣にジクロロメタン(100ml) を
加え,氷冷下撹拌しながら塩化アルミニウム(3.3g)を少
量ずつ加えた後,室温で3時間撹拌した。反応液を氷冷
した飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml) にゆっくりと注
入し,酢酸エチル(100ml×2 回) で抽出した。有機層を
飽和塩化ナトリウム水溶液(200ml), 飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液(200ml),飽和塩化ナトリウム水溶液(200m
l)で順次洗浄してから無水硫酸マグネシウムで乾燥し溶
媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ
ーで精製することにより,4-フルオロ-1- インダノン
(2.2g,収率83%)を得た。1 H NMR (CDCl 3 ) δ: 7.57 (1H,d,J=7.9Hz), 7.41 〜
7.34 (1H,m), 7.30 〜7.24 (1H,m), 3.19 〜3.14 (2H,
m), 2.76 〜2.71 (2H,m) 融点 72〜73℃ (d) 7-フルオロ-3- メチル-1H-インデンの合成 氷冷した臭化メチルマグネシウムの1.0M- テトラヒドロ
フラン溶液(27ml)に4-フルオロ-1- インダノン(2.0g)の
テトラヒドロフラン(200ml) 溶液を氷冷下5時間かけて
滴下し,さらに1時間撹拌した。氷冷した飽和塩化アン
モニウム水溶液(200ml) に反応液を滴下後,ジエチルエ
ーテル(200ml×2 回) で抽出した。有機層を飽和塩化ナ
トリウム水溶液(200ml) で洗浄後,無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し,溶媒を減圧留去した。残渣にベンゼン(20m
l)および10% 硫酸(1.5ml) を加えた後,2時間加熱還流
した。飽和塩化ナトリウム水溶液(50ml)を加え酢酸エチ
ル(100ml×2 回) で抽出後,有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液(100ml) および飽和塩化ナトリウム水溶液
(100ml) で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し,
溶媒を減圧留去した後,残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィで精製することにより7-フルオロ-3- メチル-1H-イ
ンデン( 収量1.6g, 収率83%)を得た。1 H NMR (CDCl 3 ) δ: 7.32〜7.25 (1H,m), 7.12 (1H,
d,J=7.3Hz), 6.90 (1H,t, J=8.6Hz), 6.23〜6.21 (1H,
m), 3.37 〜3.34 (2H,m), 2.17 〜2.15 (3H,m) (e) 7-フルオロ-3- メチル-1H-インデン-2- カルボン酸
の合成 室温下7-フルオロ-3- メチル-1H-インデン(1.5g)に臭化
オキザリル(1.4ml) を速やかに滴下し,70℃で4時間撹
拌した。放冷後反応液をTHF(10ml) で希釈し,氷冷しな
がら水(10ml)をゆっくりと滴下した。飽和リン酸水素二
ナトリウム水溶液(100ml) を加えてから酢酸エチル(50m
l ×2 回) で洗浄した。得られた水層を2N- 塩酸水で酸
性化(pH ≒2) し,ジエチルエーテル(100ml×2 回) で
抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)
で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥し,溶媒を減圧留
去することにより7-フルオロ-3- メチル-1H-インデン-2
-カルボン酸( 収量830mg,収率43%)を得た。1 H NMR (DMSO-d 6 ) δ: 12.5(1H,brs), 7.48〜7.42 (2
H,m), 7.24 〜7.15 (1H,m), 3.65 (2H,q,J=2.3Hz), 2.4
8 (3H,t,J=2.3Hz) (f) N-( アミノイミノメチル)-7-フルオロ-3- メチル-1
H-インデン-2- カルボキサミドの合成 N,N'- カルボニルジイミダゾール(950mg) のDMF(75ml)
溶液に7-フルオロ-3-メチル-1H-インデン-2- カルボン
酸(750mg) を加え室温中1 時間撹拌した( →(i) 溶液と
する) 。グアニジン塩酸塩(7.8g)のDMF(75ml) 溶液にカ
リウム tert-ブトキシド(8.8g)を加え室温で10分撹拌し
た。氷冷後,(i) 溶液を氷冷下で1時間かけて滴下し,
そのまま3時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(300ml) 中に注入し,酢酸エチル(200ml×3
回) で抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液(100ml×3
回) で洗浄し,無水硫酸マグネシウムで乾燥した後溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
で精製することによりN-( アミノイミノメチル)-7-フル
オロ-3- メチル-1H-インデン-2- カルボキサミド(750m
g, 収率82%)を得た。1 H NMR (CD 3 OD) δ: 7.38〜7.27 (2H,m), 7.01 〜6.9
5 (1H,m), 3.68 (2H,q,J=2.3Hz), 2.51 (3H,t,J=2.3Hz) (g) N-( アミノイミノメチル)-7-フルオロ-3- メチル-1
H-インデン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の
合成 窒素雰囲気下、N-( アミノイミノメチル)-7-フルオロ-3
- メチル-1H-インデン-2- カルボキサミド(700mg) にイ
ソプロピルアルコール(10ml)を加え,室温で撹拌しなが
らメタンスルホン酸(870mg) を加えた。80℃まで昇温し
てから水(4.5ml) を滴下し,溶解したところで熱時濾過
した。放冷した後氷冷し30分撹拌した。析出した結晶を
濾取後氷冷したイソプロピルアルコール(5ml×2 回) で
洗浄し,室温で減圧乾燥した。この結晶を水(20ml)で再
結晶することによりN-( アミノイミノメチル)-7-フルオ
ロ-3- メチル-1H-インデン-2- カルボキサミド・メタン
スルホン酸塩(710mg, 収率72%)を得た。1 H NMR (DMSO-d 6 ) δ: 10.44(1H,brs), 8.35(4H,br
s), 7.56 〜7.49 (2H,m),7.32 〜7.26 (1H,m), 3.65 (2
H,q,J=2.3Hz), 2.57 (3H,t,J=2.3Hz), 2.37 (3H,s) 融点 245 〜247 ℃
【0045】実施例7: N-( アミノイミノメチル)-7-クロロ-3- メチル-1H-イン
デン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 (a) 2-(2- クロロベンジル) マロン酸 ジエチルエステ
ルの合成 窒素雰囲気下、マロン酸ジエチル(19.9g) のアセトン(1
50ml) 溶液に炭酸カリウム(51.5g) および塩化2-クロロ
ベンジル(20.0g) を加え,実施例6の(a) と同様に反応
させることにより2-(2- クロロベンジル) マロン酸 ジ
エチルエステル(30.4g, 収率86%)を得た。1 H NMR (CDCl 3 ) δ: 7.37〜7.13 (4H,m), 4.20 〜4.1
1 (4H,m), 3.83 (1H,t,J=7.9Hz), 3.33(2H,d,J=7.9Hz),
1.21 (6H,t,J=7.3Hz) (b) 3-(2- クロロフェニル) プロピオン酸の合成 窒素雰囲気下,室温中で2-クロロベンジルマロン酸ジエ
チル(30.0g) に酢酸(50ml)および濃塩酸(30ml)を加えた
後,実施例6の(b) と同様に反応させることにより,3-
(2- クロロフェニル) プロピオン酸(9.0g,収率46%)を得
た。1 H NMR (DMSO-d 6 ) δ: 12.19 (1H,brs), 7.43〜7.20
(4H,m), 2.92 (2H,t,J=7.9Hz), 2.70 (2H,t,J=8.1Hz) (c) 4-クロロ-1- インダノンの合成 窒素雰囲気下,室温中で塩化チオニル(11ml)に3-(2- ク
ロロフェニル) プロピオン酸(8.9g)を加えた後,実施例
6の(c) と同様に反応させることにより,4-クロロ-1-
インダノン(7.7g,収率96%)を得た。1 H NMR (CDCl 3 ) δ: 7.67 (1H,d,J=7.6Hz), 7.59 (1
H,d,J=7.6Hz), 7.35 (1H,t,J=7.6 Hz),3.14 (2H,t,J=
6.3Hz), 2.74 (2H,t,J=6.3Hz) (d) 7-クロロ-3- メチル-1H-インデンの合成 窒素雰囲気下ジエチルエーテル(10ml)にマグネシウム
(1.2g)を加え室温で撹拌しながらヨウ化メチル(3.1ml)
のジエチルエーテル(6.7ml) 溶液を30分かけて滴下し
た。さらに30分加熱還流した後ジエチルエーテル(20ml)
を追加し氷冷した。4-クロロ-1- インダノン(4.0g)のジ
エチルエーテル(400ml) 溶液を氷冷下5時間かけて滴下
し,さらに1時間撹拌した。その後,実施例6の(d) と
同様に処理することにより7-クロロ-3- メチル-1H-イン
デン( 収量2.4g, 収率59%)を得た。1 H NMR (CDCl 3 ) δ: 7.29〜7.16 (3H,m), 6.26 〜6.2
5 (1H,m), 3.35 〜3.33(2H,m), 2.16(3H,m) (e) 7-クロロ-3- メチル-1H-インデン-2- カルボン酸の
合成 室温下7-クロロ-3- メチル-1H-インデン(2.3g)に臭化オ
キザリル(2.0ml) を速やかに滴下し,75℃で2時間撹拌
した。以下,実施例6の(e) と同様に処理することによ
り7-クロロ-3- メチル-1H-インデン-2- カルボン酸( 収
量1.3g, 収率43%)を得た。1 H NMR (CD 3 OD) δ: 7.51〜7.47 (1H,m), 7.41 〜7.3
2 (2H,m), 3.62 (2H,q,J=2.3Hz), 2.53 (3H,t,J=2.3Hz) (f) N-( アミノイミノメチル)-7-クロロ-3- メチル-1H-
インデン-2- カルボキサミドの合成 N,N'- カルボニルジイミダゾール(1.5g)のDMF(100ml)溶
液に7-クロロ-3- メチル-1H-インデン-2- カルボン酸
(1.3g)を加え室温中1 時間撹拌した( →(i) 溶液とす
る) 。グアニジン塩酸塩(12.1g) のDMF(100ml)溶液にカ
リウム tert-ブトキシド(13.6g) を加え室温で10分撹拌
した。氷冷後,(i) 溶液を氷冷下で1時間かけて滴下
し,そのまま3時間撹拌した。以下実施例6の(f) と同
様に処理することによりN-( アミノイミノメチル)-7-ク
ロロ-3- メチル-1H-インデン-2- カルボキサミド(810m
g, 収率54%)を得た。1 H NMR (CD 3 OD) δ: 7.40(1H,dd,J=7.3Hz,1.3Hz), 7.
32(1H,dd,J=7.6Hz,7.3Hz), 7.26(1H,dd,J=7.6Hz,1.3H
z), 3.66 (2H,q,J=2.3Hz), 2.51 (3H,t,J=2.3Hz)(g) N-
( アミノイミノメチル)-7-クロロ-3- メチル-1H-インデ
ン-2- カルボキサミド・メタンスルホン酸塩の合成 窒素雰囲気下、N-( アミノイミノメチル)-7-クロロ-3-
メチル-1H-インデン-2- カルボキサミド(750mg) にイソ
プロピルアルコール(10ml)を加え,室温で撹拌しながら
メタンスルホン酸(870mg) を加えた。80℃まで昇温して
から水(4.5ml)を滴下し,溶解したところで熱時濾過し
た。放冷した後氷冷し30分撹拌した。析出した結晶を濾
取後氷冷したイソプロピルアルコール(1ml×3 回) で洗
浄し,室温で減圧乾燥した。この結晶を水(32ml)で再結
晶することによりN-( アミノイミノメチル)-7-クロロ-3
- メチル-1H-インデン-2- カルボキサミド・メタンスル
ホン酸塩(620mg, 収率59%)を得た。1 H NMR (DMSO-d 6 ) δ: 10.42(1H,brs), 8.37(4H,br
s), 7.68 (1H,dd,J=6.3Hz,2.0Hz), 7.55 〜7.47 (2H,
m), 3.86 (2H,q,J=2.3Hz), 2.56 (3H,t,J=2.3Hz), 2.37
(3H,s) 融点 230 〜231 ℃( 分解)
【0046】
【発明の効果】
試験例 Na+ /H+ 交換輸送系阻害作用(イン・ビトロ試験) 〔試験方法〕家森らの方法(J.Hypertension,8,153(199
0))に準じて試験を行った。すなわち、単離心室筋細胞
(ラット) を用い、酸負荷時の細胞内PH変化を指標に
してNa+ /H+ 交換輸送系阻害作用を評価した。 〔試験結果〕
【表10】
【0047】本発明化合物はナトリウム/プロトン(N
+ /H+ )交換輸送系阻害作用を有し、ナトリウム/
プロトン(Na+ /H+ )交換輸送系の亢進に起因する
疾患、例えば、高血圧、不整脈、狭心症、心肥大、糖尿
病、虚血もしくは虚血再潅流による臓器障害(例えば心
筋虚血再潅流障害、急性腎不全、外科的処置(例えば臓
器移植やPTCA (Percutaneous Transluminal Corona
ry Angioplasty) )により生ずる障害など)、脳虚血障
害(例えば脳梗塞に伴う障害、脳卒中後の後遺症として
起こる障害、脳浮腫など)、細胞の過剰増殖(例えば繊
維芽細胞増殖、平滑筋細胞増殖、メサンギウム細胞増殖
など)が原因となる疾患(例えばアテローム性動脈硬
化、肺繊維症、肝繊維症、腎繊維症、腎糸球体硬化症、
器官肥大、前立腺肥大、糖尿病合併症、PTCA後の再
狭窄など)、内皮細胞の障害による疾患等の治療、予防
薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 209/42 C07D 209/42 521/00 521/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 〔式中、ZはCR6 7 、C=O又はC=CR8 9
    表し、R1 、R2 、R3、R4 は互いに独立して水素原
    子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、
    シクロアルケニル基、飽和複素環基、ハロゲン原子、ニ
    トロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、芳
    香族基、−OR10、−NR1112、−SO2 NR
    1112、−S(O)n 13(n=0,1,2)、式
    (2)、 【化2】 式(3)、 【化3】 式(4)、 【化4】 または式(5)、 【化5】 を表し、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 は互いに独立し
    て水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアル
    キル基、シクロアルケニル基、飽和複素環基、ハロゲン
    原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、芳香
    族基、−OR10、−NR1112、−S(O)n 13、式
    (2)、式(3)、式(4)、または式(5)を表し、
    10は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロ
    アルキル基、シクロアルケニル基、飽和複素環基、また
    は芳香族基を表し、R11、R12は互いに独立して水素原
    子、アルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、
    シクロアルケニル基、飽和複素環基、芳香族基、または
    式(4)を表すか、あるいはR11およびR12が互いに結
    合して、これらが結合する窒素原子と共に、環中に酸素
    または硫黄原子を含んでもよい飽和5〜7員環の環状ア
    ミノ基を形成してもよく、その際、該環状アミノ基は、
    1〜4個のアルキル基、置換アルキル基、または−OR
    10により置換されていてもよい。R13はアルキル基、置
    換アルキル基または芳香族基を表し、Ra 、Ra ' 、R
    a ''、Rb 、Rb ' 、Rb ''、Rc 、RC ' 、Rc ''、
    Rd 、Rd ' 、Rd ''、Re 、Re ' 、Re ''、Rf 、
    Rf ' 、Rf ''、Rg 、Rh 、Ri 、Rj は互いに独立
    して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロア
    ルキル基、シクロアルケニル基、飽和複素環基、芳香族
    基、カルボキシル基、またはアルコキシカルボニル基を
    表し、s 、s ' 、s ''、t 、t ' 、t ''、u 、u ' 、u
    ''、は0または1を表し、Rk は水素原子、アルキル
    基、置換アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケ
    ニル基、飽和複素環基、または芳香族基を表し、Aは酸
    素原子、−S(O)n −(nは前記と同じ意味を表
    す。)または−NR15−を表し、R14、R15は互いに独
    立して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、または
    式(4)を表し、式(5)における環は3〜8員の窒素
    原子1個を含有する飽和複素環を示す。〕で表わされる
    置換グアニジン誘導体またはその医薬として許容される
    酸付加塩。
  2. 【請求項2】R1 、R2 、R3 、R4 が互いに独立し
    て、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、シクロア
    ルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、芳香族基、−OR
    10、−NR1112、−SO2 NR1112、−S(O)n
    13、または式(5)で示される基である請求項1記載
    の置換グアニジン誘導体またはその医薬として許容され
    る酸付加塩。
  3. 【請求項3】ZがCR6 7 で示される基である請求項
    1または2記載の置換グアニジン誘導体またはその医薬
    として許容される酸付加塩。
  4. 【請求項4】ZがC=Oで示される基である請求項1ま
    たは2記載の置換グアニジン誘導体またはその医薬とし
    て許容される酸付加塩。
  5. 【請求項5】ZがC=CR8 9 で示される基である請
    求項1または2記載の置換グアニジン誘導体またはその
    医薬として許容される酸付加塩。
  6. 【請求項6】R5 、R6 、R7 のうち、少なくとも1つ
    以上が水素原子以外の置換基である請求項1記載の置換
    グアニジン誘導体またはその医薬として許容される酸付
    加塩。
  7. 【請求項7】式(6) 【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、Zは請求項1と同じ
    意味を有し、Jは求核試薬によって置換しうる脱離基を
    表わす。)の化合物をグアニジンと反応させることから
    なる請求項1記載の式(1)の化合物または薬理学的に
    許容し得る塩の製造法。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5または6記載の
    置換グアニジン誘導体もしくはその医薬として許容され
    る酸付加塩を含有する医薬。
  9. 【請求項9】請求項1,2,3,4,5または6記載の
    置換グアニジン誘導体もしくはその医薬として許容され
    る酸付加塩を含有するナトリウム/プロトン交換輸送系
    阻害剤。
  10. 【請求項10】請求項1,2,3,4,5または6記載
    の置換グアニジン誘導体もしくはその医薬として許容さ
    れる酸付加塩を含有する高血圧、不整脈、狭心症、心肥
    大、糖尿病、虚血もしくは虚血再潅流による臓器障害、
    脳虚血障害、細胞の過剰増殖が原因となる疾患または内
    皮細胞の障害による疾患の治療剤もしくは予防剤。
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