JPH09268077A - 耐構造スポーリング性に優れた不定形耐火物 - Google Patents

耐構造スポーリング性に優れた不定形耐火物

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JPH09268077A
JPH09268077A JP8077732A JP7773296A JPH09268077A JP H09268077 A JPH09268077 A JP H09268077A JP 8077732 A JP8077732 A JP 8077732A JP 7773296 A JP7773296 A JP 7773296A JP H09268077 A JPH09268077 A JP H09268077A
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JP
Japan
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refractory
elastic modulus
temperature
alumina
spalling resistance
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Pending
Application number
JP8077732A
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English (en)
Inventor
Yoko Miyamoto
陽子 宮本
Keiichiro Isomura
敬一郎 磯村
Masato Kumagai
正人 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不定形耐火物を実機使用する場合の耐スポーリ
ング性の評価指標を提案し、耐スポーリング性に優れた
不定形耐火物を提供する。 【解決手段】アルミナ系、アルミナ・スピネル系、アル
ミナ・マグネシア系、マグネシア系のいずれかの耐火原
料と硬化剤とを主たる材料とし、これと水とを混練、施
工した不定形耐火物において、室温における弾性率の温
度依存性が1500kg/cm2+・℃以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐構造スポーリング
性に優れた不定形耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】取鍋等の溶鋼保持容器の内張り耐火物に
不定形耐火物を使用する比率が増えている。これら不定
形耐火物を使用するに際しては、溶鋼あるいはスラグに
よる溶損、侵食、スラグ浸透等の問題があり、これらに
注目しなければならない。また、これらの他に構造スポ
ーリングの問題解決も重要課題である。スポーリングと
は耐火物層に溶鋼との接触面(稼働面)と平行な方向に
亀裂が生じる現象であり、溶鋼ないしスラグの浸透によ
り生じる場合と、それとは無関係に発生する場合があ
る。後者は耐火物内部の物性値の勾配に起因すると考え
られる。
【0003】従来、耐スポーリング性を評価する指標と
して用いられていたのは、曲げ強度/弾性率、曲げ強度
/(弾性率×熱膨張率)が一般的である。さらに、特開
昭60−70117号公報では、れんが試験片を一定の
熱変化の後、その試験前後の弾性率の減少の割合によっ
て各材質の耐スポーリング特性を見ており、この弾性率
の減少が少なければ少ないほど、耐熱スポーリング性に
優れると判断されている。しかし、使用前後の弾性率変
化で評価できるのは使用初期に急激な熱変化を受ける場
合であって、使用中の耐スポーリング性については評価
することができない。従って、実機におけるスポーリン
グ発生の目安としては使用できないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は不定形耐火物
を実機に使用する場合の耐スポーリング性の新規な評価
指標を提案し、耐スポーリング性に優れた不定形耐火物
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】構造スポーリングが起こ
る原因を調べるため、200×200×100mmのブ
ロックを片面加熱した場合に生じる稼働面に垂直な方向
の引張応力(稼働面に平行な亀裂を生じる)を計算した
結果を図3、4に示した。図3、4から分かるように、
大きな引張応力が発生するのは、稼働面から背面にかけ
て弾性率が急激に変化している試料であり、発生箇所も
弾性率が急激に変化している箇所である。このように弾
性率の物性勾配が急激になるのは不定形耐火物、特にア
ルミナ・マグネシア系のように鉱物相変化を伴う不定形
耐火物の特徴である。不定形耐火物は、焼成せずに使用
されるため、使用中に緻密化や鉱物相変化が生じて、稼
働面から背面までの温度勾配に応じた物性勾配が出来、
構造スポーリングが生じやすいためである。そこで、弾
性率の温度依存性を制御することにより、耐構造スボー
リング性を向上させることができる。
【0006】図3、4の曲線Aと曲線Cは弾性率の最大
値、最小値はほぼ等しいものの、温度依存性が異なるも
のであるが、曲線Aの方が発生応力が大きく、弾性率の
絶対値が耐スポーリング性を決定する因子ではないこと
が分かる。また、曲線Bと曲線Cは弾性率の温度依存性
は等しいが、弾性率の絶対値が異なる場合である。曲線
Cの方が発生応力が大きい。したがって、同じ弾性率の
温度依存性を持つものならば、従来報告されているよう
に、弾性率の絶対値も小さい方が耐スポーリング性に優
れることが分かる。更に、曲線Dは、稼働面の弾性率は
曲線A、曲線Cと等しいが、背面の弾性率が大きく、温
度依存性がない場合である。曲線Dに発生する引張応力
は曲線Aに発生する引張応力よりも小さく、弾性率の絶
対値が大きくても、弾性率の温度依存性がなければ、ス
ポーリングは生じにくいことが分かる。
【0007】本発明は、耐火原料と硬化剤とを主たる材
料とし、これと水とを混練、施工してなる不定形耐火物
において、室温における弾性率の温度依存性が1500
kg/cm2 ・℃以下であることを特徴とする耐構造ス
ポーリング性に優れた不定形耐火物である。本発明にお
いて、室温における弾性率とは、不定形耐火物を800
〜1600℃で焼成し、室温まで冷却した時の動弾性率
をいう。また、室温における弾性率の温度依存性とは、
任意の2水準の焼成温度により焼成した不定形耐火物の
室温における弾性率の差を焼成温度の差で除したものを
いう。弾性率は焼成温度により異なるが、本発明におい
て定義した室温における弾性率の温度依存性は、不定形
耐火物の原料及び施工に応じて、ある範囲内にあるもの
である。
【0008】本発明の不定形耐火物は通常用いられるい
ずれの種類のものであってもかまわないが、溶鋼ないし
スラグと接触することから、高温で耐食性が優れ、スラ
グ浸透の小さなアルミナおよび/またはマグネシアを主
成分とするアルミナ系、アルミナ・スピネル系、アルミ
ナ・マグネシア系、マグネシア系からなる群から選ばれ
たいずれかであると好適である。
【0009】弾性率がある温度で急激に変化するのは溶
鋼の熱による焼結が進み、耐火物が緻密化するためと考
えられる。したがって、焼結が過度に進行するのを防止
するため、例えばアルミナセメント5wt%以上、シリ
カフラワー1wt%未満及びそれ以外の微粉で粒径10
μm以下の微粉量を15wt%以下にすることが好まし
い。ただし焼結が過度に進行するのを防止する効果は、
シリカ量、アルミナセメント量、それ以外の粒径10μ
m以下の微粉量の組合わせにより決まるものであり、必
ずしも前述の範囲内にする必要はない。またアルミナ・
マグネシア系キャスタブルのように焼成過程で鉱物相変
化による体積膨張を起すものでは前述の範囲にした方が
好ましいが、それ以外では特にこの範囲でなくてもよ
い。さらに、乾燥体の気孔率が10〜16%であること
が好ましい。加工後の耐火物中に含まれる気孔が10%
未満だと緻密化が進行しすぎて弾性率の温度依存性が1
500kg/cm2+・℃を超えてスポーリングが発生し
易くなる。ただし、気孔が16%を超えると耐食性が悪
化すると共に、スラグ浸透が大きくなり好ましくない。
したがって、施工後の耐火物中の気孔率は10〜16%
であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】表1に示す耐火原料、硬化剤を配
合し、水を添加して混練した後、長さ120mm×幅3
0mm×厚み30mmの型枠に流し込み成形し、試験体
を作製した。これら試験体の乾燥後の気孔率を測定し
た。また、800〜1600℃で3時間焼成し、室温ま
で冷却した後の弾性率を測定し、その結果を図2に示し
た。この結果より得られた弾性率が急激に変化する際の
弾性率の温度依存性と乾燥体の気孔率を表1に併せて示
した。
【0011】このような特性を有する長さ200mm×
幅200mm×厚み100mmの試験体ブロックを上記
試験体と同時に作成し、1600℃で片面加熱する実験
を行い、スポーリング発生の有無を調べた。結果を図1
に示す。弾性率の温度依存性が1500kg/cm2
℃以下である実施例1〜3ではスボーリングが発生しな
かった。アルミナセメント量が少ない比較例1、シリカ
フラワーを多く含む比較例2、粒径10μm以下の微粉
量が多い比較例3では、焼結が過度に進行して緻密化し
すぎて弾性率の温度依存性が1500kg/cm 2 ・℃
を超え、スポーリングが発生した。比較例4はシリカフ
ラワー量、アルミナセメント量、粒径10μm以下の微
粉量は適当であるが、乾燥体の気孔率が10%未満であ
るため、比較例1〜3と同様に緻密化しすぎとなり、弾
性率の温度依存性が1500kg/cm2 ・℃を超え、
スポーリングが発生した。
【0012】表1に示した不定形耐火物の弾性率特性
は、図2に示した通りである。このような弾性率特性を
持つ不定形耐火物のブロックを片面加熱する実験を行っ
た時の、亀裂発生位置を稼働面からの距離として図1に
示す。弾性率がどの焼成温度域で急激に増加するかによ
って亀裂発生位置は変化するものの、弾性率の温度依存
性が1500kg/cm2 ・℃以下であれば、スポーリ
ングは生じない。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、使用中の不定形耐火物
の実機における耐スポーリング性について明確に評価す
ることができることとなった。従って、耐スポーリング
性に優れた不定形耐火物を実地に構築することが容易に
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性率の温度依存性と亀裂発生位置との関係を
示すグラフである。
【図2】焼成温度と弾性率特性との関係を示すグラフで
ある。
【図3】稼働面からの距離と弾性率との関係を示すグラ
フである。
【図4】稼働面からの距離と引張応力との関係を示すグ
ラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火原料と硬化剤とを主たる材料とし、
    これと水とを混練、施工してなる不定形耐火物におい
    て、室温における弾性率の温度依存性が1500kg/
    cm2 ・℃以下であることを特徴とする耐構造スポーリ
    ング性に優れた不定形耐火物。
  2. 【請求項2】 前記耐火原料がアルミナ系、アルミナ・
    スピネル系、アルミナ・マグネシア系、マグネシア系か
    らなる群から選ばれたいずれかであることを特徴とする
    請求項1記載の耐構造スポーリング性に優れた不定形耐
    火物。
  3. 【請求項3】 前記耐火原料中に含まれる粒径10μm
    以下の耐火粉末量が15wt%以下であることを特徴と
    する請求項1または2記載の耐構造スポーリング性に優
    れた不定形耐火物。
  4. 【請求項4】 さらに、乾燥体の気孔率が10〜16%
    であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の耐構
    造スポーリング性に優れた不定形耐火物。
JP8077732A 1996-03-29 1996-03-29 耐構造スポーリング性に優れた不定形耐火物 Pending JPH09268077A (ja)

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