JPH09267347A - 樹脂硬化反応の解析評価方法及び装置 - Google Patents

樹脂硬化反応の解析評価方法及び装置

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JPH09267347A
JPH09267347A JP7886996A JP7886996A JPH09267347A JP H09267347 A JPH09267347 A JP H09267347A JP 7886996 A JP7886996 A JP 7886996A JP 7886996 A JP7886996 A JP 7886996A JP H09267347 A JPH09267347 A JP H09267347A
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viscosity
thermoforming
ionic
mold
curing reaction
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JP7886996A
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Akihiro Hikichi
明宏 引地
Kiyoshi Aoki
潔 青木
Akihiro Shibuya
明宏 渋谷
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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    • B29L2031/16Frictional elements, e.g. brake or clutch linings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱成形処理の試行を繰り返さなくとも、適正
な硬化度の摩擦材を製造することができ、また、熱成形
処理の条件の最適値の算定を、容易かつ迅速にすること
ができる樹脂硬化反応の解析評価方法及び装置を提供す
ること。 【解決手段】 熱硬化性樹脂を含む摩擦材材料2を熱成
形処理する高温圧縮成形用金型1に、熱成形処理中に前
記摩擦材材料2の誘電率を検出する誘電率センサ30を
装備し、さらに、該誘電率センサ30の検出信号に基づ
いて成形材料のイオン粘度特性曲線上の粘度最小位置以
降のイオン粘度の上昇率を算出し、この上昇率によっ
て、前記熱成形処理による樹脂硬化反応の進行状況を評
価する演算処理システム40を備えた構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂を含
む摩擦材材料に熱成形処理を施すことによって所定形状
のブレーキ用摩擦材を製造する際に用いて好適な樹脂硬
化反応の解析評価方法及び装置に関するもので、特に、
最適な熱成形処理の条件を選定するために試行されるサ
ンプル成形等に用いて好適な樹脂硬化反応の解析評価方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のブレーキに使用される摩擦材、
例えばディスクブレーキの摩擦パッドの製造方法とし
て、粉粒体状の各種構成成分を均一に混合させた摩擦材
母材を予備成形金型に投入して圧縮成形することで、所
定の摩擦材形状に予備成形した後、さらに、その予備成
形品を本成形用の金型に移して所定の圧力,温度による
熱成形処理を施すものが知られている。この場合に、前
記摩擦材の構成成分は、金属繊維や無機繊維又は有機繊
維等からなる断熱基材、熱硬化性樹脂粉末からなる結合
材、更には摩擦調整剤や潤滑剤等の各種添加剤等であ
り、摩擦材として要求される物性、摩擦性能に応じて、
構成成分相互の配合比が調整されることになる。
【0003】ところで、このようにして製造された摩擦
材が、耐摩耗性や制動特性等に優れた性能を発揮するた
めには、熱成形処理後の成形品の硬化度が適正値である
ことが必要である。しかし、この硬化度は、熱成形処理
の条件(加圧力、加熱温度、加熱時間など)に大きく依
存し、成形品に適正な硬化度を得るためには、熱成形処
理の条件の最適化が必要不可欠である。
【0004】そのため、従来では、予め適宜に熱成形処
理の条件を定めて熱成形処理を試行し、それによって得
た成形品に対して硬化度の計測を行う。この硬化度の計
測は、従来では、未反応フェノールがアセトン溶剤等に
溶ける性質を利用し、成形品中の未反応フェノールをア
セトン溶剤等に溶かすことで測定する。そして、計測し
た硬化度と熱成形処理の条件との相関を解析して、適正
な硬化度を得るための熱成形処理の条件の最適値を探索
する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の硬化
度の測定から熱成形処理の条件の最適値を求める方法で
は、熱成形処理の試行によって得た成形品の硬化度が不
適正であったときには、有用なデータ解析ができず、結
局、熱成形処理の条件を変えての成形の試行と、その試
行によって得た成形品に対する硬化度の測定と解析とい
う一連の作業を多数回繰り返すことが余儀なくされ、熱
成形処理の条件の最適値の算定に、多大な労力が必要と
なるという問題があった。また、硬化度の測定から熱成
形処理の条件の最適値を解析する方法では、例えば、熱
成形処理の条件の一つである加熱時間を加減することで
硬化度がどの様に変化するか等の推定が難しく、硬化度
の計測で収集したデータをより有効に活用することがで
きないという問題も指摘されていた。そのため、熱成形
処理の条件の最適値の算定を容易にするための新たな対
策が熱望されていた。
【0006】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、熱成形処理の条件の最適値を求めるため
の熱成形処理の試行を繰り返さなくとも、適正な硬化度
の摩擦材等を製造することができ、また、熱成形処理の
条件の最適値の算定を、容易かつ迅速にすることができ
る樹脂硬化反応の解析評価方法及び装置を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、熱
硬化性樹脂を含む成形材料を金型に充填して所定の圧
力,温度による熱成形処理をする際に、予め、熱成形処
理中の成形材料の誘電率から求められるイオン粘度特性
曲線上の粘度最小位置以降のイオン粘度の上昇率を数値
化しておいて、この数値化したイオン粘度の上昇率によ
って、前記熱成形処理による樹脂硬化反応の進行状況を
評価することを特徴とした樹脂硬化反応の解析評価方法
により達成される。
【0008】また、上記の樹脂硬化反応の解析評価方法
において、イオン粘度特性曲線上の粘度最小位置以降の
任意位置におけるイオン粘度の上昇率は、前記イオン粘
度特性曲線上の最小粘度位置から最終粘度位置までのイ
オン粘度の総上昇量に対する最小粘度位置から前記任意
位置までのイオン粘度の上昇量の比を算出することで、
数値化する構成としても、上記目的を達成することがで
きるものである。
【0009】さらに、本発明の上記目的は、熱硬化性樹
脂を含む成形材料を金型に充填して所定の圧力,温度に
よる熱成形処理を施すことによって、所定形状に圧縮・
硬化させた成形品を得る高温圧縮成形用金型と、熱成形
処理中に前記成形材料の誘電率を検出するために、前記
金型内の成形材料に接触するように前記金型に埋設装備
された誘電率センサと、前記誘電率センサの検出信号に
基づいて前記成形材料のイオン粘度特性曲線上の粘度最
小位置以降のイオン粘度の上昇率を算出し、この上昇率
によって、前記熱成形処理による樹脂硬化反応の進行状
況を評価する演算処理システムとを備えたことを特徴と
した樹脂硬化反応の解析評価装置により達成される。
【0010】
【作用】熱成形処理中の成形材料のイオン粘度は、熱成
形処理中の成形材料の誘電率から求めることができる。
そして、このイオン粘度は、成形材料中の樹脂成分の硬
化により生じる物理的および化学的変化に密接であり、
熱成形処理中のイオン粘度の経時変化を示すイオン粘度
特性曲線は、熱成形処理中の摩擦材材料のキュア特性や
硬化反応の進行をリアルタイムに示す指標となり得る。
一方、イオン粘度特性曲線全体には、熱硬化性樹脂の溶
融から架橋構造化等の樹脂硬化反応における一連の挙動
の全てが現われ、成形品における硬化度を評価する目的
からすれば、必要なデータは、イオン粘度特性曲線上の
粘度最小位置以降の上昇部分のみでよい。また、イオン
粘度特性曲線をそのまま全体で捉らえることは、コンピ
ュータ処理に必要な数値化を困難にして、迅速な解析評
価処理に適さない。
【0011】そこで、本発明の上記構成のように、熱成
形処理中の成形材料の誘電率から求められるイオン粘度
特性曲線上の粘度最小位置以降のイオン粘度の上昇率を
数値化しておいて、この数値化したイオン粘度の上昇率
によって、前記熱成形処理による樹脂硬化反応の進行状
況を評価するようにすれば、成形品における硬化度の評
価に密接なデータのみをリアルタイムに監視して、結合
材として成形材料に含めた熱硬化性樹脂の硬化反応の進
行状態を熱成形処理中にリアルタイムに把握することが
できると同時に、硬化反応の終了時期等の反応のクリテ
ィカルポイントを容易かつ正確に知ることができて、熱
成形処理の条件の最適値を求めるための熱成形処理の試
行を繰り返さなくとも、適正な硬化度の成形品を製造す
ることが可能になる。
【0012】しかも、イオン粘度特性曲線上の必要な範
囲のみを数値化して捉らえるため、コンピュータ処理が
容易で、熱成形処理の条件の最適値の算定を、容易かつ
迅速にすることができる。また、硬化反応の終了時期を
正確に知ることができるため、処理時間を必要最小限の
最短時間に切り詰めることが可能になり、成形品の生産
性の向上を図ることも可能になる。
【0013】
【実施例】図1及び図2は本発明に係る樹脂硬化反応の
解析評価方法を実施する解析評価装置の一実施形態を示
したもので、図1は一実施形態の解析評価装置20の概
略構成図、図2は前記解析評価装置20の要部の拡大
図、図3は一実施形態におけるイオン粘度の上昇率の数
値化の説明図、図4は数値化したイオン粘度の上昇率と
成形品の物性との相関の説明図である。
【0014】この一実施形態の樹脂硬化反応の解析評価
装置20は、車両のブレーキ装置に使用する摩擦材の熱
成形処理等に使用する目的で開発されたもので、高温圧
縮成形用金型1と、該金型1に埋設装備される誘電率セ
ンサ30と、該誘電率センサ30の検出信号を処理する
演算処理システム40とで構成されている。
【0015】ここに、前記金型1は、熱硬化性樹脂を含
む摩擦材材料(成形材料)に所定の圧力,温度による熱
成形処理を加えることで、所定形状に圧縮・硬化させた
摩擦材を得るもので、予備成形が終了した摩擦材材料2
が充填される材料充填空間3が上下方向に貫通形成され
た略筒状の中型4と、該中型4の下面に当接される下型
7と、前記材料充填空間3に摺動自在に嵌合して材料充
填空間3内の摩擦材材料2を圧縮する突部5を有した上
型6とを具備した構成で、図示略のプレス機構によって
上型6と下型7とを互いの離間間隔が小さくなるように
押圧することで、摩擦材材料2に所定の加圧を行う。
【0016】前記下型7および中型4の合わせ面には、
電極を兼ね、かつ摩擦材に固定装備する裏金9を収容保
持する凹部が装備されており、熱成形処理によって、裏
金9が摩擦材に一体固定される。また、材料充填空間3
内の摩擦材材料2に対する加熱は、前記上型6及び下型
7に当接装備されている加熱板12,13を介して行わ
れる。これらの加熱板12,13は、図示略のヒーター
によって所定の発熱をするもので、前述の上型6及び下
型7を介して摩擦材材料2を所定温度に加熱する。な
お、図示略のプレス機構による上型6及び下型7の押圧
は、前記加熱板12,13の外側から行われる。
【0017】前記誘電率センサ30は、熱成形処理中に
前記摩擦材材料2の誘電率を検出するために、前記中型
4内の摩擦材材料2に接触するように前記上型6の下面
に埋設装備されている。さらに詳述すると、この誘電率
センサ30は、図2に示すように、前記摩擦材材料2に
接触するように配備された電極33と裏金9に交流電圧
で励起して、そのレスポンスとして摩擦材材料2中に流
れる正弦波電流を測定することで、摩擦材材料2の誘電
率の検出を可能ならしめるものである。
【0018】前記電極33と裏金9による励起によっ
て、摩擦材材料2中のダイポールは、電場に対して配向
するが、摩擦材材料2中に不純物として存在する電荷イ
オンは反対の極性電極に移動する。これらのダイポール
のアライメントとイオン移動度の変化は、誘電率の変化
として該誘電率センサ30によって検出され、後述の演
算処理システム40の処理によって、摩擦材材料2にお
ける物理的遷移や粘度、剛性、反応速度やキュア状態を
示唆するイオン粘度特性曲線に変換される。
【0019】また、前記電極33と裏金9は、摩擦材材
料2に含まれる金属成分による直接的な導通やショート
を避けるため、図2に示したように電極33の周囲に絶
縁体32が設けられている。また、熱成形処理時の加熱
や加圧に耐えられるように、誘電率センサ30自体の耐
圧性や耐熱性が設定されている。
【0020】前記演算処理システム40は、インタフェ
ース50を介して前記誘電率センサ30の検出信号を受
けて、この誘電率センサ30の検出信号の示す誘電体特
性に基づいて前記摩擦材材料2のイオン粘度特性曲線を
求め、更に、求めたイオン粘度特性曲線上の粘度最小位
置(最小粘度ポイント)以降のイオン粘度の上昇率を数
値化しておいて、この数値化したイオン粘度の上昇率に
よって、前記熱成形処理による樹脂硬化反応の進行状況
を評価するもので、具体的には、中央処理装置であるC
PU41と、該CPU41にデータを入力したり該CP
U41に処理の実行を指示するための入力手段であるキ
ーボード42と、前記CPU41の演算処理結果の表示
を行うCRTディスプレイ43などから構成されてい
る。
【0021】ここに、前記CPU41は、例えば、イン
タフェース50を介して受信した誘電率センサ30の信
号から摩擦材材料2におけるイオン粘度の変化を示すイ
オン粘度特性曲線を算出して、前記CRTディスプレイ
43に表示させる等の処理を、内蔵の記憶装置にセット
されているプログラムに従って実行する。
【0022】図3は、誘電率センサ30の検出信号に基
づいてCPU41が求めたイオン粘度特性曲線fを示し
ている。このイオン粘度特性曲線fにおいて、曲線上の
ポイントP1は、いわゆるフローポイントで、材料が誘
電率センサ30の表面に接触した時のイオン粘度レベル
を示す。また、曲線上のポイントP2は、いわゆる最小
粘度位置(最小粘度ポイント)で、材料の流動性が最大
に到達した時のポイントである。このポイントP2は、
材料に対する加圧タイミングに有効な情報である。ま
た、曲線上のポイントP3は、いわゆるゲル化インフレ
クションで、イオン粘度のスロープのピークで、反応速
度が最大となる、ゲル化領域を示している。また、曲線
上のポイントP4は、反応の終端を示す最終粘度位置
(反応エンドポイント)で、成形時間をこのポイントを
目安に設定することで、無駄に成形時間が延長されるこ
とを回避して、品質向上を図り、生産効率のアップを図
ることが可能になる。
【0023】熱成形処理中の摩擦材材料2のイオン粘度
は、摩擦材材料2中の樹脂成分の硬化により生じる物理
的および化学的変化に密接であり、イオン粘度特性曲線
fは、熱成形処理中の摩擦材材料のキュア特性や硬化反
応の進行をリアルタイムに示す指標となり得る。しか
し、前述したように、イオン粘度特性曲線f全体には、
熱硬化性樹脂の溶融から架橋構造化等の樹脂硬化反応に
おける一連の挙動の全てが現われ、成形品における硬化
度を評価する目的からすれば、必要なデータは、イオン
粘度特性曲線上の粘度最小位置P2以降の上昇部分のみ
でよい。また、イオン粘度特性曲線fをそのまま全体で
捉らえることは、CPU41における処理に必要な数値
化を困難にして、迅速な解析評価処理に適さない。
【0024】そこで、この一実施形態のCPU41で
は、前記イオン粘度特性曲線fを求めた後、該曲線上の
最小粘度位置P2から最終粘度位置P4までの範囲の1
0箇所(S1〜S10)について、上昇率を求める。各位
置S1〜S10における上昇率は、前記イオン粘度特性曲
線f上の最小粘度位置P2から最終粘度位置P4までの
イオン粘度の総上昇量に対する最小粘度位置から前記任
意位置までのイオン粘度の上昇量の比(100分率)を
算出することで、数値化される。
【0025】そして、各位置S1〜S10における上昇率
と硬化反応との相関データを得るため、各位置S1〜S
10で熱成形処理を中止したサンプル成形を実施し、それ
ぞれのサンプルについて、ロックウェル硬度(HRS)
や、アセトン抽出率を調べる。図4は、各位置S1〜S
10に対するイオン粘度の上昇率と、硬度及びアセトン抽
出率との相関を示したものである。図4において、HS1
はサンプル位置S1に対する硬度を表し、AS1はサンプ
ル位置S1に対するアセトン抽出率を示しており、硬度
およびアセトン抽出量のいずれもが、イオン粘度の上昇
率と線形比例な関係を示す。イオン粘度の上昇率(X
%)とアセトン抽出率(Y%)との関係を下記の(1)
式に基づいて単回帰分析すると、寄与率が約95%以上
になり、強い相関を持っていることを確認することがで
きた。 Y=−0.0107X+1.8280 ……(1)
【0026】前記CPU41には、図4の相関データに
基づいて、熱成形処理による樹脂硬化反応の進行状況を
評価させ、評価結果をCRTディスプレイ43に表示さ
せる。
【0027】以上の樹脂硬化反応の解析評価装置20で
は、熱成形処理終了後の摩擦材における硬化度に密接な
データのみをリアルタイムに監視して、結合材として成
形材料に含めた熱硬化性樹脂の硬化反応の進行状態を熱
成形処理中にリアルタイムに把握することができると同
時に、硬化反応の終了時期等の反応のクリティカルポイ
ントを容易かつ正確に知ることができて、熱成形処理の
条件の最適値を求めるための熱成形処理の試行を繰り返
さなくとも、適正な硬化度の摩擦材を製造することが可
能になる。
【0028】しかも、イオン粘度特性曲線f上の必要な
範囲のみを数値化して捉らえるため、コンピュータ処理
が容易で、熱成形処理の条件の最適値の算定を、容易か
つ迅速にすることができる。また、硬化反応の終了時期
を正確に知ることができるため、処理時間を必要最小限
の最短時間に切り詰めることが可能になり、成形品の生
産性の向上を図ることも可能になる。
【0029】なお、本発明に係る摩擦材の樹脂硬化反応
の解析評価装置20は、熱成形処理の条件の最適値を求
めるための熱成形処理の試行だけでなく、最適化された
熱成形処理の条件で摩擦材を量産する場合に使用しても
よく、その場合には、前記演算処理システム40の評価
を量産システムにおける異常検出等に利用して、熱成形
処理システムの自動化の促進に役立てることも考えられ
る。
【0030】また、本発明に係る樹脂硬化反応の解析評
価方法及び装置の用途は、一実施形態に示した摩擦材の
熱成形処理に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂を
含む種々の成形材料の熱成形処理に利用可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明の樹脂硬化反応の解析評価方法及
び装置は、熱成形処理中の成形材料の誘電率から求めら
れるイオン粘度特性曲線上の粘度最小位置以降のイオン
粘度の上昇率を数値化しておいて、この数値化したイオ
ン粘度の上昇率によって、前記熱成形処理による樹脂硬
化反応の進行状況を評価するため、成形品における硬化
度の評価に密接なデータのみをリアルタイムに監視し
て、結合材として成形材料に含めた熱硬化性樹脂の硬化
反応の進行状態を熱成形処理中にリアルタイムに把握す
ることができると同時に、硬化反応の終了時期等の反応
のクリティカルポイントを容易かつ正確に知ることがで
きて、熱成形処理の条件の最適値を求めるための熱成形
処理の試行を繰り返さなくとも、適正な硬化度の成形品
を製造することが可能になる。しかも、イオン粘度特性
曲線上の必要な範囲のみを数値化して捉らえるため、コ
ンピュータ処理が容易で、熱成形処理の条件の最適値の
算定を、容易かつ迅速にすることができる。また、硬化
反応の終了時期を正確に知ることができるため、処理時
間を必要最小限の最短時間に切り詰めることが可能にな
り、成形品の生産性の向上を図ることも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂硬化反応の解析評価方法を実
施する解析評価装置の一実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の解析評価装置の要部の拡
大図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるイオン粘度の上昇
率の数値化の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態で数値化したイオン粘度の
上昇率と成形品の物性との相関の説明図である。
【符号の説明】
1 高温圧縮成形用金型 2 摩擦材材料(成形材料) 3 材料充填空間 4 中型 5 突部 6 上型 7 下型 9 裏金(電極を兼ねる) 12,13 加熱板 20 樹脂硬化反応の解析評価装置 30 誘電率センサ 32 絶縁体 33 電極 40 演算処理システム 41 CPU 42 キーボード 43 CRTディスプレイ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂を含む成形材料を金型に充
    填して所定の圧力,温度による熱成形処理をする際に、
    予め、熱成形処理中の成形材料の誘電率から求められる
    イオン粘度特性曲線上の粘度最小位置以降のイオン粘度
    の上昇率を数値化しておいて、この数値化したイオン粘
    度の上昇率によって、前記熱成形処理による樹脂硬化反
    応の進行状況を評価することを特徴とした樹脂硬化反応
    の解析評価方法。
  2. 【請求項2】 イオン粘度特性曲線上の粘度最小位置以
    降の任意位置におけるイオン粘度の上昇率は、前記イオ
    ン粘度特性曲線上の最小粘度位置から最終粘度位置まで
    のイオン粘度の総上昇量に対する最小粘度位置から前記
    任意位置までのイオン粘度の上昇量の比を算出すること
    で、数値化することを特徴とした請求項1に記載の樹脂
    硬化反応の解析評価方法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂を含む成形材料を金型に充
    填して所定の圧力,温度による熱成形処理を施すことに
    よって、所定形状に圧縮・硬化させた成形品を得る高温
    圧縮成形用金型と、 熱成形処理中に前記成形材料の誘電率を検出するため
    に、前記金型内の成形材料に接触するように前記金型に
    埋設装備された誘電率センサと、 前記誘電率センサの検出信号に基づいて前記成形材料の
    イオン粘度特性曲線上の粘度最小位置以降のイオン粘度
    の上昇率を算出し、この上昇率によって、前記熱成形処
    理による樹脂硬化反応の進行状況を評価する演算処理シ
    ステムとを備えたことを特徴とした樹脂硬化反応の解析
    評価装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005108034A3 (en) * 2004-04-29 2006-02-23 Masonite Corp Compression molding method and apparatus suitable for making door facings
JP2015189117A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 パナソニック株式会社 樹脂の流動固化挙動の解析方法

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