JPH09267025A - 排ガス脱硝用還元剤の供給方法 - Google Patents

排ガス脱硝用還元剤の供給方法

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JPH09267025A
JPH09267025A JP8104085A JP10408596A JPH09267025A JP H09267025 A JPH09267025 A JP H09267025A JP 8104085 A JP8104085 A JP 8104085A JP 10408596 A JP10408596 A JP 10408596A JP H09267025 A JPH09267025 A JP H09267025A
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exhaust gas
reducing agent
gas
hydrocarbon
branched
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JP8104085A
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Inventor
Takashi Yamashita
尚 山下
Nobuyoshi Nakayama
信義 中山
Youichi Kanjiya
洋一 神社
Katsuya Ishikawa
勝也 石川
Masahiro Sugata
雅裕 菅田
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼル機関等の排ガスを脱硝するに際
し、炭化水素系還元剤に、不活性ガスや酸素濃度を減少
させた空気又は酸素濃度を減少させた排ガス等を混合
し、還元剤を希釈してから触媒反応器に供給するするこ
とで、炭化水素系還元剤の爆発あるいは燃焼の危険性を
低減し、しかも、コストがかからないようにする。 【解決手段】 炭化水素系還元剤を用いて排ガス中のN
Oxを除去する方法において、排ガス流を分岐排ガス流
と主排ガス流とに分岐させ、分岐排ガス流に希釈ガスと
して不活性ガスを供給・混合して、炭化水素系還元剤の
量が爆発限界外になるように制御した後、炭化水素系還
元剤と混合して希釈し、この混合・希釈ガスを前記主排
ガス流に合流させて脱硝触媒と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系還元剤
を用いるディーゼル機関の排ガス等の排ガス脱硝システ
ムにおける還元剤の供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関等から排出される燃焼ガ
スは、窒素酸化物(NOx)を含んでおり、この排ガス
を還元剤を用いて脱硝する処理が一般的に行われてい
る。この場合、排ガス中のNOxを有効に除去するため
に、還元剤として炭化水素系還元剤を用いた脱硝システ
ムが種々開発されている。
【0003】特開平2−207119号公報には、圧縮
空気を加えて噴霧状にしたアンモニア水を気化させて、
エンジンから排出される高温の排ガスに混合し、この混
合ガスを触媒反応器に供給することで、排ガス中のNO
xを窒素と水に還元する装置が記載されている。特開平
5−200250号公報には、炭化水素類を触媒層中に
直接導入することで、酸素を含む燃焼排ガスからNOx
を除去する方法が記載されており、その実施例として、
炭化水素類を触媒層入口部に導入する際に、窒素で希釈
する場合が示されている。特開平5−301027号公
報には、窒素酸化物と酸素とを含む燃焼排ガス中に炭化
水素類化合物を添加した後、触媒に接触させることで、
排ガス中のNOxを除去する方法が記載されており、炭
化水素類化合物としてヘプタン等を用いるのが好ましい
と記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディー
ゼル機関等から排出される燃焼ガスは、酸素を多く含ん
でいるので、炭化水素系還元剤を用いて排ガスを脱硝す
る従来のシステムにおいては、炭化水素系還元剤の量が
爆発限界の範囲内になると、爆発あるいは燃焼を起こす
危険性がある。そこで、炭化水素系還元剤を希釈して供
給することが考えられるが、希釈ガスのコストが多くか
かり、炭化水素系還元剤そのもののコストがかかること
とも併せて高価になるという問題がある。
【0005】また、上記の特開平2−207119号公
報に示されるように、還元剤は、空気で希釈・混合され
た上で、触媒反応器に供給される場合があるが、炭化水
素系還元剤を用いた場合には、爆発あるいは燃焼を起こ
す危険性がある。これを防止するため、上記の特開平5
−200250号公報に示されるように、N2を希釈ガ
スとした場合があるが、全量をN2ガスとしているた
め、ランニングコストが高くなるという問題がある。ま
た、上記の特開平5−301027号公報に示されるよ
うに、炭化水素系還元剤、例えばヘプタンあるいはセタ
ン等がそのまま排ガス(本管)中に投入される場合があ
るが、この方法では、拡散が悪く、場合によっては燃焼
あるいは凝縮してしまうので、高い効率の脱硝反応が得
られないという問題がある。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、炭化水素系還元剤に、不活性ガス
や酸素濃度を減少させた空気又は排ガス等を混合し、還
元剤を希釈してから触媒反応器に供給するすることで、
炭化水素系還元剤の爆発あるいは燃焼の危険性を低減
し、しかも、コストがかからない排ガス脱硝用還元剤の
供給方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の排ガス脱硝用還元剤の供給方法は、炭化
水素系還元剤を用いて排ガス中のNOxを除去する方法
において、排ガス流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分
岐させ、分岐排ガス流に希釈ガスとして不活性ガスを供
給・混合して、炭化水素系還元剤の量が爆発限界外にな
るように制御した後、炭化水素系還元剤と混合して希釈
し、この混合・希釈ガスを前記主排ガス流に合流させて
脱硝触媒と接触させることを特徴としている(図1参
照)。本発明の方法において、不活性ガスの供給部の後
流にO2センサを設け、このO2センサの値により不活性
ガスの供給量を制御することが望ましい。
【0008】また、本発明の方法は、炭化水素系還元剤
を用いて排ガス中のNOxを除去する方法において、空
気を酸素分離装置に導入して、炭化水素系還元剤の量が
爆発限界外になるように酸素を分離した後、炭化水素系
還元剤と混合して希釈し、この混合・希釈ガスを排ガス
流に混合させて脱硝触媒と接触させることを特徴として
いる(図2参照)。また、本発明の方法は、炭化水素系
還元剤を用いて排ガス中のNOxを除去する方法におい
て、排ガス流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分岐さ
せ、分岐排ガス流を酸素分離装置に導入して、炭化水素
系還元剤の量が爆発限界外になるように酸素を分離した
後、炭化水素系還元剤と混合して希釈し、この混合・希
釈ガスを前記主排ガス流に合流させて脱硝触媒と接触さ
せることを特徴としている(図3参照)。
【0009】また、本発明の方法は、炭化水素系還元剤
を用いて排ガス中のNOxを除去する方法において、排
ガス流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分岐させ、分岐
排ガス流に希釈ガスとして不活性ガスを供給・混合し
て、炭化水素系還元剤の量が爆発限界外になるように制
御し、一方、燃料タンクからの液体燃料の一部を排ガス
の一部で加熱・蒸発させて炭化水素ガスを抽出し、この
炭化水素ガスと前記不活性ガス含有排ガスとを混合・希
釈し、この混合・希釈ガスを前記主排ガス流に合流させ
て脱硝触媒と接触させることを特徴としている(図4参
照)。さらに、本発明の方法は、炭化水素系還元剤を用
いて排ガス中のNOxを除去する方法において、排ガス
流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分岐させ、分岐排ガ
ス流に希釈ガスとして不活性ガスを供給・混合して、炭
化水素系還元剤の量が爆発限界外になるように制御し、
この不活性ガス含有排ガスの全量又は一部を燃料タンク
からの液体燃料の中に導入してバブリングさせることに
より、液体燃料の一部を加熱・蒸発させて炭化水素ガス
を抽出し、この混合・希釈ガスを前記主排ガス流に合流
させて脱硝触媒と接触させることを特徴としている(図
5参照)。
【0010】上記の方法において、液体燃料の一部を加
熱・蒸発させる温度を、炭素原子数が8〜16の炭化水
素を蒸発させる温度に制御することが望ましい。また、
以上の方法において、不活性ガスを、窒素ガス、炭酸ガ
ス、水蒸気、酸素濃度を減少させた空気及び酸素濃度を
減少させた排ガスの少なくともいずれかとすることが望
ましい。また、以上の方法において、排ガスがディーゼ
ル機関からの排ガスであり、分岐排ガス流が過給機のタ
ービン前から分岐させた排ガス流であるように構成する
ことが好ましい。なお、本発明の方法においては、少な
くとも1つ炭素間の二重結合を持つ炭化水素について
は、炭素原子数が7以下の炭化水素でも脱硝することは
可能であるが、二重結合を持たないものについては、炭
素原子数が7以下のものについては脱硝性能が著しく低
下する。そのため、炭素原子数が8以上の炭化水素を蒸
発させる必要性がある。一方、炭素原子数が17以上の
ものについては、脱硝反応が起こりにくいばかりか、触
媒上に付着し性能を落とす危険性があるため、還元剤と
して適さない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、ディーゼ
ル機関から排出される燃焼ガスを脱硝する場合につい
て、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、
以下に述べる実施の形態に何ら限定されるものではな
く、他の内燃機関からの排ガスの脱硝に適用することも
勿論可能である。
【0012】図1は、本発明の実施の第1形態による排
ガス脱硝用還元剤の供給方法を実施するための装置の構
成を示している。ディーゼル機関10から排出された排
ガスは、過給機12のタービン14の手前で主管路18
と分岐管路20とに分岐される。過給機12のタービン
14が、主管路18を流れる排ガスによって駆動される
と、過給機12のブロワ16が回転駆動される。ブロワ
16によって大気中の空気が吸引され、その空気はディ
ーゼル機関10に導入される。主管路18を流れる排ガ
スは、タービン14を通過して還元剤供給部32に導入
される。タービン14と還元剤供給部32との間には、
NOx濃度を測定するためのNOx計34が設けられてい
る。
【0013】一方、分岐管路20を流れる抽気排ガス
は、希釈ガス供給部22に供給され、ここで希釈ガスで
ある不活性ガスと混合される。すなわち、過給機12の
タービン14前の高圧ガスを抽気し、これを不活性ガス
で希釈して爆発限界を制御するものである。そして、希
釈ガス供給部22で混合された希釈ガスは、冷却器26
で冷却された後、希釈部28に供給され、ここで炭化水
素系還元剤と混合される。希釈ガス供給部22に供給さ
れる不活性ガス量は、希釈ガス供給部22の後流に設け
られたO2センサ24で混合後の希釈排ガスのO2濃度を
検出することにより、炭化水素の濃度が爆発限界の範囲
内に入らないように制御される。この場合、O2センサ
24と不活性ガス流量調節弁23とを接続して、O2
ンサ24の値により、この調節弁23を制御することが
好ましい。また、希釈部28に供給される炭化水素量と
連動させて希釈率を制御することも可能である。具体的
には、例えば、NOx計34によるNOx濃度の値、分岐
管路20の排ガス流量、希釈ガス供給部22に供給され
る不活性ガス流量、希釈部28に供給される炭化水素流
量、及びO2センサ24によるO2濃度の値をそれぞれ中
央演算装置(CPU)(図示せず)に入力して、希釈部
28に供給される炭化水素流量、希釈ガス供給部22に
供給される不活性ガス流量、及び分岐管路20の排ガス
流量を調節することにより、混合・希釈ガス中の炭化水
素量が爆発限界の範囲外となるように制御する。また、
他の制御手段としては、具体的に、例えば、NOx計3
4によるNOx濃度の値、分岐管路20に設定したO2
度計(図示せず)のO2濃度の値、不活性ガス管路に設
定したO2濃度計(図示せず)のO2濃度の値をそれぞれ
中央演算装置(CPU)(図示せず)に入力して、分岐
管路20の排ガス流量、希釈ガス供給部22に供給され
る不活性ガス流量、希釈部28に供給される炭化水素流
量を調節することにより、混合・希釈ガス中の炭化水素
量が爆発限界の範囲外となるように制御することが挙げ
られる。なお、供給される不活性ガスとしては、一例と
して、窒素ガス、炭酸ガス、水蒸気、酸素濃度を減少さ
せた空気、酸素濃度を減少させた排ガス等が挙げられ
る。また、炭化水素系還元剤としては、一例として、エ
チレン、プロピレン、ブテン、オクタン、オクテン、ノ
ナン、デカン、テトラデカン、ヘキサデカン等が挙げら
れ、例えば、還元剤としてプロピレンを使用した場合の
爆発限界は、2.0〜11%Airの範囲であり、この
範囲にプロピレンの濃度が入らないようにする必要があ
る。
【0014】希釈部28で混合・希釈された混合・希釈
ガスは、ポンプ(ブロワ)30を介して、還元剤供給部
32に供給され、ここで主管路18を流れる排ガスと合
流する。還元剤供給部32で合流した混合・希釈ガス
は、触媒反応器36に導入され、ここで脱硝触媒と接触
することにより脱硝(還元)され、NOxの除去された
清浄排ガスとなって排出される。なお、図1において
は、排ガス流を過給機12のタービン14の手前で分岐
(抽気)させており、タービン14の手前の高圧ガスを
分岐管路20に流すことができるので、分岐管路20中
のガスのO2濃度が低いことはもちろんのこと、ガスの
圧力が高いため、特にポンプ(ブロワ)を設けなくても
上記混合・希釈ガスを触媒反応器36に圧送することが
可能である。また、この場合、供給する不活性ガス量も
少なくて済む。脱硝用の触媒としては、一例として、S
iO2/Al23の比が少なくとも16以上のゼオライ
ト又はアルミナ又は白金、銅、コバルト、ニッケル、マ
ンガン、鉄、銀、インジウムからなる群のうち、少なく
とも一種以上を含有せしめたSiO2/Al23の比が
少なくとも16以上のゼオライト又はアルミナ等が挙げ
られる。
【0015】図2は、本発明の実施の第2形態による排
ガス脱硝用還元剤の供給方法を実施するための装置の構
成を示している。大気中の空気が酸素分離装置38に導
入され、ここで空気中のO2濃度が下げられる。酸素分
離装置38の後流に設けられたO2センサ24でO2分離
後の空気のO2濃度が検出され、後で混合したときに炭
化水素の濃度が爆発限界の範囲内に入らないように制御
される。酸素分離装置38でO2濃度が下げられた空気
は、希釈ガスとして希釈部28に供給され、ここで炭化
水素系還元剤と混合される。希釈部28で混合・希釈さ
れた混合・希釈ガスは、ポンプ(ブロワ)30を介し
て、還元剤供給部32に供給され、ここでディーゼル機
関10から排出された排ガスと合流する。なお、酸素分
離装置38としては、一例として、酸素分離膜、PSA
(pressure swingadsorptio
n)及び深冷分離を用いたものが利用可能である。上記
の酸素分離装置38からの酸素濃度が減少した空気を、
図1に示す実施の第1形態における不活性ガスとして使
用することもできる。他の構成及び作用は、本発明の実
施の第1形態の場合と同様である。
【0016】図3は、本発明の実施の第3形態による排
ガス脱硝用還元剤の供給方法を実施するための装置の構
成を示している。ディーゼル機関10から排出された排
ガスは、過給機12のタービン14の手前で主管路18
と分岐管路20とに分岐される。分岐管路20を流れる
排ガスは、酸素分離装置38に導入され、ここで排ガス
中のO2濃度が下げられる。酸素分離装置38の後流に
設けられたO2センサ24でO2分離後の排ガスのO2
度が検出され、後で混合したときに炭化水素の濃度が爆
発限界の範囲内に入らないように制御される。酸素分離
装置38でO2濃度が下げられた排ガスは、冷却器26
で冷却された後、希釈ガスとして希釈部28に供給さ
れ、ここで炭化水素系還元剤と混合される。希釈部28
で混合・希釈された混合・希釈ガスは、ポンプ(ブロ
ワ)30を介して、還元剤供給部32に供給され、ここ
で主管路18を流れる排ガスと合流する。なお、図3に
おいても、図1の場合と同様に、排ガス流を過給機12
のタービン14の手前で分岐させており、タービン14
の手前の高圧ガスを分岐管路20に流すことができるの
で、分岐管路20中のガスのO2濃度が低いことはもち
ろんのこと、ガスの圧力が高いため、特にポンプ(ブロ
ワ)を設けなくても上記混合・希釈ガスを触媒反応器3
6に圧送することが可能である。上記の酸素分離装置3
8からの酸素濃度が減少した空気を、図1に示す実施の
第1形態における不活性ガスとして使用することもでき
る。他の構成及び作用は、本発明の実施の第1、第2形
態の場合と同様である。
【0017】図4は、本発明の実施の第4形態による排
ガス脱硝用還元剤の供給方法を実施するための装置の構
成を示している。エンジン燃焼用の燃料タンク40に充
填された液体燃料の一部を蒸発器42に供給し、蒸発器
42にて、液体燃料を排ガスを通した管又は電熱、蒸気
等により加熱し、液体燃料を部分的に蒸発させて軽質油
分を抽出し、これを炭化水素系還元剤として希釈部28
に供給する。この場合の排ガスは、ディーゼル機関10
からの排ガスでも良いし、他の内燃機関からの排ガスで
も構わない。なお、蒸発器42中で蒸発しなかった液体
燃料の一部は燃料タンク40に戻される。液体燃料を蒸
発させる量は、燃料タンク40からの液体燃料の供給量
又は蒸発器42における加熱用の排ガス流量によって制
御する。具体的には、例えば、蒸発器42における排ガ
スの流量等を制御して、液体燃料を加熱し蒸発させる温
度を調整(約130〜約280℃)することで、排ガス
の脱硝(還元)に有効な炭素原子数が8〜16の炭化水
素を抽出することができる。さらに好ましくは、液体燃
料を加熱し蒸発させる温度を調整(約220〜約250
℃)することで、排ガスの脱硝(還元)にきわめて有効
な炭素原子数が12〜14の炭化水素を抽出することが
できる。なお、液体燃料としては、一例として、エンジ
ンの燃焼に使用する軽油、A重油あるいはC重油等が用
いられる。他の構成及び作用は、本発明の実施の第1形
態の場合と同様である。
【0018】図5は、本発明の実施の第5形態による排
ガス脱硝用還元剤の供給方法を実施するための装置の構
成を示している。エンジン燃焼用の燃料タンク40に充
填された液体燃料の一部が蒸発器兼希釈部44に供給さ
れる。一方、ディーゼル機関10から排出された排ガス
は、過給機12のタービン14の手前で主管路18と分
岐管路20とに分岐される。分岐管路20を流れる排ガ
スは、希釈ガス供給部22に供給され、ここで希釈ガス
である不活性ガスと混合される。そして、希釈ガス供給
部22で混合された希釈排ガスの一部を、蒸発器兼希釈
部44の液体燃料中にバブリングさせて混合させるとと
もに、液体燃料を希釈排ガスの一部により加熱し、液体
燃料を部分的に蒸発させて軽質油分を抽出する。抽出さ
れた軽質油分は、炭化水素系還元剤として、先ほどのバ
ブリングさせた希釈排ガスと混合されて混合・希釈ガス
になる。なお、蒸発器兼希釈部44で蒸発しなかった液
体燃料の一部は燃料タンク40に戻される。こうして得
られた混合・希釈ガスは、希釈部28に供給され、ここ
で希釈ガス供給部22からの希釈排ガスの残部と混合さ
れ、再希釈される。希釈部28で再希釈された混合・希
釈ガスは、ポンプ(ブロワ)30を介して、還元剤供給
部32に供給され、ここで主管路18を流れる排ガスと
合流する。なお、希釈ガス供給部22で混合された希釈
排ガスの全量を、蒸発器兼希釈部44の液体燃料中にバ
ブリングさせて混合させる構成とすることも可能であ
る。他の構成及び作用は、本発明の実施の第1、第4形
態の場合と同様である。
【0019】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 炭化水素系還元剤の量が爆発限界外になるよう
に制御されるので、爆発あるいは燃焼を起こす危険性が
きわめて少なくなる。 (2) 炭化水素系還元剤の希釈源として、酸素濃度を
減少させた空気又は酸素濃度を減少させた排ガスを使用
するので、希釈ガスのコストを低減することができる。 (3) 液体燃料を排ガスで加熱して部分的に蒸発させ
ることにより、炭化水素を抽出し還元剤として使用でき
るので、液体燃料の有効な成分が利用でき、燃料を触媒
等を用いて全量改質する場合よりもはるかに安価であ
る。 (4) 希釈ガス供給部の後流にO2センサを設ける場
合は、希釈ガス中のO2濃度を検出することができ、希
釈部に供給される炭化水素量と連動させて希釈率を決定
することが可能になる。 (5) 液体燃料を加熱し蒸発させる温度を制御して、
炭素原子数が8〜16の炭化水素を抽出するようにした
場合は、有効な還元剤が得られるため、脱硝反応が高い
効率で行われる。 (6) 排ガス流を過給機のタービン前から分岐させる
場合は、タービン前の高圧ガスが分岐排ガス流となるの
で、O2濃度が低いことはもちろんのこと、圧力が高い
ため、特にポンプ(ブロワ)を設けなくても混合・希釈
ガスを触媒反応器に圧送することができる。また、供給
する不活性ガス量も少なくて済み、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による排ガス脱硝用還
元剤の供給方法を実施する装置の概略的な構成を示す系
統図である。
【図2】本発明の実施の第2形態の概略的な構成を示す
系統図である。
【図3】本発明の実施の第3形態の概略的な構成を示す
系統図である。
【図4】本発明の実施の第4形態の概略的な構成を示す
系統図である。
【図5】本発明の実施の第5形態の概略的な構成を示す
系統図である。
【符号の説明】
10 ディーゼル機関 12 過給機 14 タービン 16 ブロワ 18 主管路 20 分岐管路 22 希釈ガス供給部 23 不活性ガス流量調節弁 24 O2センサ 26 冷却器 28 希釈部 30 ポンプ(ブロワ) 32 還元剤供給部 34 NOx計 36 触媒反応器 38 酸素分離装置 40 燃料タンク 42 蒸発器 44 蒸発器兼希釈部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神社 洋一 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 石川 勝也 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 菅田 雅裕 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系還元剤を用いて排ガス中のN
    Oxを除去する方法において、 排ガス流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分岐させ、分
    岐排ガス流に希釈ガスとして不活性ガスを供給・混合し
    て、炭化水素系還元剤の量が爆発限界外になるように制
    御した後、炭化水素系還元剤と混合して希釈し、この混
    合・希釈ガスを前記主排ガス流に合流させて脱硝触媒と
    接触させることを特徴とする排ガス脱硝用還元剤の供給
    方法。
  2. 【請求項2】 不活性ガスの供給部の後流にO2センサ
    を設け、このO2センサの値により不活性ガスの供給量
    を制御する請求項1記載の排ガス脱硝用還元剤の供給方
    法。
  3. 【請求項3】 炭化水素系還元剤を用いて排ガス中のN
    Oxを除去する方法において、 空気を酸素分離装置に導入して、炭化水素系還元剤の量
    が爆発限界外になるように酸素を分離した後、炭化水素
    系還元剤と混合して希釈し、この混合・希釈ガスを排ガ
    ス流に混合させて脱硝触媒と接触させることを特徴とす
    る排ガス脱硝用還元剤の供給方法。
  4. 【請求項4】 炭化水素系還元剤を用いて排ガス中のN
    Oxを除去する方法において、 排ガス流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分岐させ、分
    岐排ガス流を酸素分離装置に導入して、炭化水素系還元
    剤の量が爆発限界外になるように酸素を分離した後、炭
    化水素系還元剤と混合して希釈し、この混合・希釈ガス
    を前記主排ガス流に合流させて脱硝触媒と接触させるこ
    とを特徴とする排ガス脱硝用還元剤の供給方法。
  5. 【請求項5】 炭化水素系還元剤を用いて排ガス中のN
    Oxを除去する方法において、 排ガス流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分岐させ、分
    岐排ガス流に希釈ガスとして不活性ガスを供給・混合し
    て、炭化水素系還元剤の量が爆発限界外になるように制
    御し、一方、燃料タンクからの液体燃料の一部を排ガス
    の一部で加熱・蒸発させて炭化水素ガスを抽出し、この
    炭化水素ガスと前記不活性ガス含有排ガスとを混合・希
    釈し、この混合・希釈ガスを前記主排ガス流に合流させ
    て脱硝触媒と接触させることを特徴とする排ガス脱硝用
    還元剤の供給方法。
  6. 【請求項6】 炭化水素系還元剤を用いて排ガス中のN
    Oxを除去する方法において、 排ガス流を分岐排ガス流と主排ガス流とに分岐させ、分
    岐排ガス流に希釈ガスとして不活性ガスを供給・混合し
    て、炭化水素系還元剤の量が爆発限界外になるように制
    御し、この不活性ガス含有排ガスの全量又は一部を燃料
    タンクからの液体燃料の中に導入してバブリングさせる
    ことにより、液体燃料の一部を加熱・蒸発させて炭化水
    素ガスを抽出し、この混合・希釈ガスを前記主排ガス流
    に合流させて脱硝触媒と接触させることを特徴とする排
    ガス脱硝用還元剤の供給方法。
  7. 【請求項7】 液体燃料の一部を加熱・蒸発させる温度
    を、炭素原子数が8〜16の炭化水素を蒸発させる温度
    に制御する請求項5又は6記載の排ガス脱硝用還元剤の
    供給方法。
  8. 【請求項8】 不活性ガスが、窒素ガス、炭酸ガス、水
    蒸気、酸素濃度を減少させた空気及び酸素濃度を減少さ
    せた排ガスの少なくともいずれかである請求項1、2、
    4〜7のいずれかに記載の排ガス脱硝用還元剤の供給方
    法。
  9. 【請求項9】 排ガスがディーゼル機関からの排ガスで
    あり、分岐排ガス流が過給機のタービン前から分岐させ
    た排ガス流である請求項1、2、4〜8のいずれかに記
    載の排ガス脱硝用還元剤の供給方法。
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