JPH0926605A - 光制御物質及びその光制御方法 - Google Patents

光制御物質及びその光制御方法

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JPH0926605A
JPH0926605A JP7173797A JP17379795A JPH0926605A JP H0926605 A JPH0926605 A JP H0926605A JP 7173797 A JP7173797 A JP 7173797A JP 17379795 A JP17379795 A JP 17379795A JP H0926605 A JPH0926605 A JP H0926605A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光入力変化に対して光出力変化が負性を示す
光制御物質を用いて、光学的に光信号が反転する素子を
実現する。 【構成】 吸収物質のエネルギー準位構造において、基
底吸収である基底準位からの吸収と、励起吸収である励
起準位からの吸収を有し、特定の光波長において、光入
力強度変化ΔIinに対する光出力強度変化ΔIout
が、以下の関係式を満足し、光入出力変化量(ΔIou
t/ΔIin)が負の値を示すようにしたものである。 ΔIout=〔1−α1 (1+α2 γ)〕ΔIin
…(1) α1 (1+α2 γ)>1
…(2) ここで、α1 は基底吸収の吸収度、α2 は励起吸収の吸
収度、γは基底吸収の上準位にある電子が励起吸収の下
準位に遷移する割合である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光によって光を制御す
る技術に係り、さらに詳しくは、光エレクトロニクス分
野において、光論理演算を行うために必要不可欠な光信
号反転技術として有用な光制御物質及びそれを用いた光
制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、以下に示すようなものがあった。近年、光エレ
クトロニクス技術の進展は顕著であって、光通信、光コ
ンピューター等の新しい時代を拓く基盤的技術としてそ
の重要性はますます大きなものとなっている。
【0003】このような状況において、光利用のための
制御技術は、光エレクトロニクスのための要素技術とし
て重要、かつ、不可欠なものとなっている。この制御技
術の一つとして、光信号によってコンピューターの論理
演算を行う光制御の方法が注目され、これまでにもその
高度化のための検討が進められている。
【0004】例えば、光通信、光情報処理などの光エレ
クトロニクスの分野においては、被制御光を制御光によ
り制御する研究が行われている。この方法は、電気的ス
イッチング回路よりも高速スイッチング操作が可能であ
ること、光の結像性を利用して多重の並列処理が可能な
ことなどがあり、光集積回路などにおいてその有用性が
期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した技術に対し、
光制御のために非線形光学効果を利用した光デバイスが
活発に研究されてもいる。この非線形光学効果は、従
来、第2高調波発生などの波長変換効果が実用上重視さ
れていたが、最近では特に光の強度に依存する屈折率変
化や吸収係数変化の効果が注目され、研究されている
(応用物理59、155頁〜163頁:1990年2月
発行)。
【0006】しかしながら、このような光強度によって
屈折率や吸収係数が変わる効果は3次の分極で生じるた
め、高次分極効果の大きな非線形光学材料が必要である
〔”Degenerate fourwave mix
ing in semiconductor−dope
d glasses”J.Opt.Soc.Am.,7
3,pp.647〜653(May 1983)〕。
【0007】また、半導体光制御素子として最も有望視
されている吸収飽和型双安定半導体レーザでは、オフ状
態からオン状態へ切り換えるスイッチには、光入力が用
いられるが、反対にオン状態からオフ状態へ切り換える
(NOT回路)には負の光パルスが存在しないため、実
現されていない(応用物理58,第1574頁〜158
3頁:1989年11月発行)のが実情である。
【0008】本発明は、上記の実情に鑑みて成されたも
のであり、従来技術の欠点を解消し、光信号を反転させ
ることにより、光学的に反転回路を実現し、全光型論理
演算を可能とする光制御物質及び光制御方法を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 (1)吸収物質のエネルギー準位構造において、基底吸
収である基底準位からの吸収と、励起吸収である励起準
位からの吸収を有し、前記基底吸収および励起吸収が生
じる光波長において、光入力強度変化ΔIinに対する
光出力強度変化ΔIout、即ち、ΔIout/ΔIi
nの値が負の値を示すようにしたものである。
【0010】(2)上記(1)記載の光制御物質におい
て、以下の関係式を満足することを特徴とする光制御物
質。 ΔIout=(1−α1 (1+α2 γ))ΔIin …(1) α1 (1+α2 γ)>1 …(2) ここで、α1 は基底吸収の吸収度、α2 は励起吸収の吸
収度、γは基底吸収の上準位にある電子が励起吸収の下
準位に遷移する割合である。
【0011】(3)上記(1)又は(2)記載の光制御
物質において、絶縁体、半導体、ガラス及びセラミック
スの群から選択された物質中に、少なくとも1種の遷移
金属元素または、希土類元素を含有させるようにしたも
のである。 (4)上記(3)記載の光制御物質において、希土類元
素のエルビウムを含有させるようにしたものである。
【0012】(5)上記(4)の光制御物質において、
希土類元素のエルビウム(Er3+)のエネルギー準位構
造において、基底吸収として 49/2 415/2準位、
励起吸収として 211/2 413/2準位を用いるように
したものである。 (6)上記(1)又は(2)の光制御物質において、半
導体のバンド構造、不純物準位及び超格子構造を用いる
ようにしたものである。
【0013】(7)上記(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)又は(6)記載の光制御物質において、
小型化するために端面に反射物を装着するようにしたも
のである。 (8)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)又は(7)記載の光制御物質に、2つ以上の光を
照射して1つの強度を変化させることによって、他の強
度を制御するようにしたものである。
【0014】
【作用】本発明の光制御物質によれば、特定の光波長に
対して、基底吸収と励起吸収を有し、光入出力変化量を
負の値にすることができる。即ち、光入出力変化量が負
の値を示すことは、光入力の強度が増加すると、光出力
強度が減少し、逆に光入力強度が減少すると、光出力強
度が増加する。
【0015】この効果を利用すれば、光入力信号の増減
に対して光出力信号を反転させることができる。ただ
し、通常の単純な基底吸収のみの吸収物質の光入出力変
化量の値は正となり、上記に示した様なことは生じな
い。そこで、本発明では、励起吸収が生じる光制御物質
を用い、この励起吸収の効果により光入出力変化量を負
にすることを可能とした。
【0016】上記の効果を次に示すエネルギー準位図を
用いて説明する。図1において、エネルギー差(E3
1 )≒(E4 −E2 )、E3 −E1 のエネルギー差に
相当する光が入射した場合、α1 の吸収度によって、E
1 準位にあった電子はE3 準位に励起される。E3 準位
の電子は、γの割合でE2 準位に遷移し、α2 の吸収度
でE4 準位に励起される時に再び光を吸収する。
【0017】従って、入力光強度変化がΔIinであっ
た場合、光制御物質を透過した後の出力光強度変化ΔI
outは、 ΔIout=〔1−α1 (1+α2 γ)〕ΔIin …(1) となる。ここで、励起吸収のない単純な基底吸収のみの
場合(α2 =0)は、実際の光透過物質では、α1 <1
であるから、光入出力変化量ΔIout/ΔIinの値
は正となり、光入力強度の増減に比例して光出力強度は
増減することが分かる。
【0018】しかし、式(1)よりα1 <1の場合で
も、α2 γの値によっては、α1 (1+α2 γ)>1の
条件を満足する場合がある。即ち、ΔIout/Iin
の値が負となり、光入力強度の増減に対して光出力強度
が逆に減増する負性が現れることが理解できる。従っ
て、このような特徴を持つ光制御物質を用いて光信号を
反転することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について図を参照
しながら説明する。通常の単純な基底吸収のみの吸収物
質の光入出力変化量の値は正である。本発明では、励起
吸収が生じる光制御物質を用い、この励起吸収の効果に
より光入出力変化量を負にするようにしたものである。
【0020】この効果を次に示すエネルギー準位図を用
いて説明する。図1は本発明の光制御物質のエネルギー
準位図である。この図において、エネルギー差(E3
1 )≒(E4 −E2 )として、E3 −E1 のエネルギ
ー差に相当する光が、この光制御物質に入射した場合、
α1 の吸収度によって、E1 にあった電子はE3 準位に
励起される。E3 準位の電子はγの割合でE2 準位に遷
移し、α2 の吸収度でE4 準位に励起される時に再び光
を吸収する。
【0021】従って、入力光強度変化がΔIinであっ
た場合、光制御物質を透過した後の出力光強度変化ΔI
outは、 ΔIout=〔1−α1 (1+α2 γ)〕ΔIin …(1) となる。なお、α1 は基底吸収の吸収度、α2 は励起吸
収の吸収度、γは基底吸収の上準位にある電子が励起吸
収の下準位に遷移する割合である。
【0022】ここで、励起吸収のない単純な吸収の場合
(α2 =0)は、実際の光透過物質では、α1 <1であ
るから、光入出力変化量ΔIout/ΔIinの値は正
となり、光入力強度の増減にほぼ比例して光出力強度は
増減することが分かる。しかし、式(1)よりα1 <1
の場合でも、α2 γの値によっては、α1 (1+α
2 γ)>1の条件を満足する場合がある。即ち、ΔIo
ut/Iinの値が負となり、光入力強度の増減に対し
て光出力強度が逆に減増する負性が現れることが理解で
きる。すなわち、 α1 (1+α2 γ)>1 …(2) 従って、このような特徴を持つ光制御物質を用いて光信
号を反転することが可能となる。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕図2は本発明の実施例を示す光制御物質の
Er3+のエネルギー準位図を示し、光制御物質として希
土類元素の一つであるエルビウムを用いた場合である。
ここでσ1 及びσ2 は基底吸収及び励起吸収の吸収断面
積である。
【0024】本実例では、イットリウム、アルミニウ
ム、ガーネット(YAG)結晶中に50at.%のEr
を含有したφ10mm×4mmの試料を用いた。なお、
Er:YAG結晶のσ1 及びσ2 の値はほぼ測定されて
おり、それぞれ2及び6.3cm-1である〔Y.Shi
mony ct al.Journalof Appl
ied Physics,Vol.68,P.2966
(1990)〕。
【0025】従って、厚さ0.4cmの試料を用いた場
合、その長さを吸収断面積に掛けて、基底吸収度α1
び励起吸収度α2 の値はそれぞれ0.8及び2.5程度
が見積もられる。よって、式(1)において、γ>0.
1であれば、式(2)の条件を満足し、光入出力変化量
が負性を示すことができる。
【0026】図3は本発明の実施例を示す光入出力特性
を測定するための装置の構成図である。この図に示すよ
うに、光源として用いた半導体レーザ素子11は、駆動
制御回路12及び温調器13によって駆動させることに
より、一定波長(約788nm)のレーザ光を連続発振
またはパルス動作させて出力させた。
【0027】レーザ光は回転式ニュートラルデンシティ
フィルタ14を透過させ、レーザ光をビームスプリッタ
15で分割し、一方をEr:YAGの光制御物質10に
入射させ、その透過光を第1の光検出器16で受光し、
光パワーメータ17およびデジタルオシロスコープ18
で観測した。一方、ビームスプリッタで分割されたもう
一方のレーザ光は、第2の光検出器19で受光し、光パ
ワーメータ17およびオシロスコープ18で観測した。
【0028】図4は本発明の実施例を示す回転式ニュー
トラルデンシティフィルタを自動的に回転させ、フィル
タ濃度を変化させることによって、レーザ光強度を変化
させ、光制御物質に入射させた場合について、光パワー
メータで測定した実験結果を示す図である。図4(a)
は第2の光検出器19で検出された入力光の強度変化を
示し、横軸は回転式ニュートラルデンシティフィルタの
送りステップ数であり、縦軸はそのステップにおける入
力強度Iin(μW)を表している。
【0029】図4(b)は光制御物質10を透過した後
の第1の光検出器16で検出された出力光の強度変化を
示し、横軸は送りステップ数であり、縦軸はそのステッ
プにおける出力強度Iout(μW)を表している。図
4(c)は横軸に入力光強度Iin(μW)、縦軸に出
力光強度Iout(μW)をとってプロットしたもので
ある。
【0030】図4(a)と図4(c)に対しては、横軸
のパラメータが異なるために直接比較することはできな
いが、各点の横軸はほぼ対応しているため両図を重ね合
わせてみると、それぞれの変化が図4(b)のグラフに
対して線対称な形をしていることがわかる。即ち、入力
光強度が増加すると、光制御物質を透過した後の出力光
変化はその変化を打ち消す様に減少し、逆に入力光強度
が減少すると、出力光変化は、その変化を打ち消す様に
増加していることがわかる。
【0031】その結果、図4(b)に示した様に、光制
御物質透過後の出力光は入力光の強度変化を打ち消して
単純な増加関係のグラフとなっている。なお、図4
(c)のグラフのpの所において、ΔIout/ΔIi
nの傾きが負になっていることが理解できる。図5は、
本発明の実施例を示す半導体レーザ素子を高速パルス動
作させた場合について、光制御物質を透過させた前後の
光入出力変化をオシロスコープで測定した実験結果を示
す図である。
【0032】図5(b)は、レーザ光が第2の光検出器
19で検出された入力光波形を示し、図5(a)は光制
御物質を透過した後のレーザ光が第1の光検出器16で
受光された光波形を示している。図5(a)と図5
(b)を比べると、入出力信号光強度の大きさが反転し
ていることがわかる。
【0033】この原因は、先の実験で述べた理由と同じ
であり、光制御物質内で光入力強度の増加に対しては、
減少する様に働き、逆に光入力強度の減少に対しては増
加する様に働くためである。 〔実施例2〕本発明における光制御物質は、半導体のバ
ンド構造、不純物準位および超格子構造を用いても可能
である。
【0034】図6は本発明の実施例を示すガリウムひ素
(GaAs)化合物半導体にドナーとしてTe(テル
ル)元素を、アクセプタとしてZn(亜鉛)元素を添加
した場合のエネルギーバンド構造を示す図である。この
構造においては、常温において、不純物であるTeとZ
nがイオン化してしまうため、低温において僅かながら
特性が得られる。
【0035】図7はGaAsとAlX Ga1-X Asから
なる超格子構造のバンドモデルであり、この構造におい
ても特性が得られる。 〔実施例3〕実施例1においては、上記述べた効果を得
るために厚さ4mmの試料を用いたが、これをより薄膜
にするために試料端面に反射物を装着した。図8はその
構造を示す断面図であり、これによって0.5mmの厚
さの試料で実施例1と同様な効果が得られた。
【0036】図8に示すように、イットリウム、アルミ
ニウム、ガーネット(YAG)結晶中に50at.%の
Erを含有した試料21に多層膜反射物(透過率約20
%)22,23を積層し、厚さ0.5mmに形成してい
る。 〔実施例4〕これまでの実施例では、レーザ光が1つの
場合を示したが、基底吸収および励起吸収の生じる光波
長においては、2つ以上のレーザ光を用いて種々の光制
御をすることが可能である。
【0037】図9は本発明の実施例を示す2つのレーザ
光を用いた光制御システムの構成図である。この図にお
いて、30は本発明の光制御物質であり、第1のレーザ
31と第2のレーザ32とが同時に照射される。光制御
物質30の出力波形は第1の光検出器35によって検出
される。
【0038】また、第2のレーザ32の光制御物質30
への入力光強度はビームスプリッタ33から得られる光
強度を第2の光検出器34によって検出することによっ
て得ることができる。更に、第2のレーザ32の光強度
は、ビームスプリッタ36を介して第3の光検出器37
によって検出することができる。
【0039】図10は、第1のレーザを連続発振させ
て、一定強度のレーザ光を光制御物質に入射させ、第2
のレーザの強度を変調させて重畳させた場合の光検出器
による第1のレーザの出力光強度波形図〔図10(a)
参照〕、第1のレーザの入力光強度波形図〔図10
(b)参照〕、第2のレーザの入力光強度波形図〔図1
0(c)参照〕である。
【0040】これらの図に示すように、図10(b)に
示すように、第1のレーザ31を連続発振させて、略フ
ラットな波形を一定強度のレーザ光を光制御物質30に
入射させるとともに、図10(c)に示すように、第2
のレーザ32の強度を変調させて重畳させた場合、第1
のレーザ31の出力光強度波形は、図10(a)に示す
ようになる。
【0041】すなわち、上記から明らかなように、第2
のレーザ32の強度変化によって、第1のレーザ31の
光制御物質30からの出力光が変調されていることがわ
かる。したがって、第2のレーザ光によって第1のレー
ザ光を制御することが可能となる。
【0042】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に述べたように、本発明によ
れば、特定の光波長に対して、基底吸収と励起吸収を有
し、光入出力変化量を負の値にすることができる。即
ち、光入出力変化量が負の値を示すことは、光入力の強
度が増加すると、光出力強度が減少し、逆に光入力強度
が減少すると、光出力強度が増加する。
【0044】この効果を利用すれば、光入力信号の増減
に対して光出力信号を反転させることができる。また、
第2のレーザの強度変化によって、第1のレーザの光制
御物質からの出力光が変調されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す光制御物質のエネルギー
準位図である。
【図2】本発明の実施例を示す光制御物質のEr3+のエ
ネルギー準位図である。
【図3】本発明の実施例を示す光入出力特性を測定する
ための装置の構成図である。
【図4】本発明の実施例を示すレーザ光強度を変化さ
せ、光制御物質に入射させて、光パワーメータで測定し
た実験結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す光制御物質を透過させた
前後の光入出力変化をオシロスコープで測定した実験結
果を示す図である。
【図6】本発明の実施例を示すガリウムひ素(GaA
s)化合物半導体にドナーとしてTe(テルル)元素
を、アクセプタとしてZn(亜鉛)元素を添加した場合
のエネルギーバンド構造を示す図である。
【図7】本発明の実施例を示すGaAsとAlX Ga
1-X Asからなる超格子構造のバンドモデル図である。
【図8】本発明の実施例を示す試料端面に反射物を装着
した光制御物質の断面図ある。
【図9】本発明の実施例を示す2つのレーザ光を用いた
光制御システムの構成図である。
【図10】本発明の実施例を示す2つのレーザ光を用い
た光制御システムの各部の波形図である。
【符号の説明】
10,30 光制御物質 11 半導体レーザ素子 12 駆動制御回路 13 温調器 14 回転式ニュートラルデンシティフィルタ 15,33,36 ビームスプリッタ 16,35 第1の光検出器 17 光パワーメータ 18 デジタルオシロスコープ 19,34 第2の光検出器 21 試料 22,23 多層膜反射物 31 第1のレーザ 32 第2のレーザ 37 第3の光検出器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収物質のエネルギー準位構造におい
    て、基底吸収である基底準位からの吸収と、励起吸収で
    ある励起準位からの吸収を有し、前記基底吸収および励
    起吸収が生じる光波長において、光入力強度変化ΔIi
    nに対する光出力強度変化ΔIout、即ち、ΔIou
    t/ΔIinの値が負の値を示すようにしたことを特徴
    とする光制御物質。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光制御物質において、以
    下の関係式を満足することを特徴とする光制御物質。 ΔIout=〔1−α1 (1+α2 γ)〕ΔIin …(1) α1 (1+α2 γ)>1 …(2) ここで、α1 は基底吸収の吸収度、α2 は励起吸収の吸
    収度、γは基底吸収の上準位にある電子が励起吸収の下
    準位に遷移する割合である。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光制御物質におい
    て、絶縁体、半導体、ガラス及びセラミックスの群から
    選択された物質中に、少なくとも1種の遷移金属元素ま
    たは、希土類元素を含有させてなる光制御物質。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光制御物質において、希
    土類元素のエルビウムを含有させてなる光制御物質。
  5. 【請求項5】 請求項4の光制御物質において、希土類
    元素のエルビウム(Er3+)のエネルギー準位構造にお
    いて、基底吸収として 49/2 415/2準位、励起吸
    収として 211/2 413/2準位を用いてなる光制御物
    質。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2の光制御物質において、
    半導体のバンド構造、不純物準位及び超格子構造を用い
    てなる光制御物質。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    光制御物質において、小型化するために端面に反射物を
    装着してなる光制御物質。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載の光制御物質に、2つ以上の光を照射して1つの光強
    度を変化させることによって、他の光出力強度を制御す
    ることを特徴とする光制御方法。
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