JP3224858B2 - 光制御素子 - Google Patents

光制御素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光制御素子に関する
ものである。さらに詳しくは、光エレクトロニクス分野
において、光論理演算を行うために必要不可欠な光イン
バータ(反転器)等として有用な新しい光制御素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、光エレクトロニクス技
術の進展は顕著であって、光通信、光コンピューター等
の新しい時代を拓く基盤的技術としてその重要性はます
ます大きなものとなっている。
【0003】このような状況において、光利用のための
制御技術は、光エレクトロニクスのための要素技術とし
て重要、かつ、不可欠なものとなっている。この制御技
術の一つとして、光信号によってコンピュータの論理演
算を行う光制御の方法が注目され、これまでにもその高
度化のための検討が進められている。
【0004】たとえば光通信、光情報処理などの光エレ
クトロニクスの分野においては、被制御光を制御光によ
り制御する研究が行われている。この方法は、電気的ス
イッチング回路よりも高速スイッチング操作が可能であ
ること、光の結像性を利用して多重の並列処理が可能な
ことなどがあり、光集積回路などにおいてその有用性が
期待できるからである。
【0005】これに対し光制御のために非線形光学効果
を利用した光デバイスが活発に研究されてもいる。この
非線形光学効果は、従来、第2高調波発生などの波長変
換効果が実用上重要視されていたが、最近では特に光の
強度に依存する屈折率変化や吸収係数変化の効果が注目
され、研究されている(応用物理59,155頁乃至1
63頁:1990年2月発行)。しかしながら、このよ
うな光強度によって屈折率や吸収係数が変わる効果は3
次の分極で生じるため、高次分極効果の大きな非線形光
学材料が必要である〔“Degenerate fourwave mixing i
n semiconductor-doped glasses ”J.Opt.So
c.Am.,73,pp.647−653(May 1
983)〕。また、半導体光制御素子として最も有望視
されている吸収飽和型双安定半導体レーザでは、オフ状
態からオン状態へ切り換えるスイッチには、光入力が用
いられるが、反対にオン状態からオフ状態へ切り換える
(NOT回路)には負の光パルスが存在しないため、実
現されていない(応用物理58,1574頁乃至158
3頁:1989年11月発行)のが実情である。
【0006】この発明は以上の通りの実情に鑑みてなさ
れたものであり、従来技術の欠点を解消し、光信号をオ
ン状態からオフ状態へ切り換えること、すなわち、光学
的にNOT回路を実現し、全光型論理演算を可能とする
新しい光制御素子を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、光透過媒体と光発生素子とを有
する光制御素子であって、光透過媒体は、特定の光波長
λ1で低透過率を示し、その周囲の光波長λ2では高透過
率を示し、光発生素子は、この両者の光波長λ1、λ2
光を発生するものからなり、光発生素子からの前記光波
長λ1、λ2の制御光を光透過媒体に照射し、この制御光
の光波長の変化に沿って前記光透過媒体を透過する光強
度を制御することを特徴とする光制御素子を提供する。
【0008】すなわち、前記の光発生素子は、外部から
電気的もしくは光学的に制御入力を加えられることによ
り光波長λ1またはλ2のいずれか一方の光を発生する。
この制御入力の変化に沿って光発生素子の発生光の波長
を制御し、この制御された光によって前記光透過媒体の
透過率を制御することをこの発明は特徴としている。
【0009】このための手段の一つとして、光透過媒体
の光特性を制御することとし、たとえば透明性セラミッ
クス、ガラス、半導体、絶縁物等の適宜なもの、あるい
は、特有の元素、たとえば希土類元素をそれらに含有さ
せる。
【0010】また、この発明においては、光波長λ1
の透過率を著しく低下させるために、λ1の光に対する
基底準位E1から励起準位E3への基底吸収と、準安定準
位E2から励起準位E4への励起吸収が生じるようにする
ことも包含する。そして、このための手段として、光透
過媒体にそのためのドープ元素として希土類元素を光透
過媒体に含有させてなることを特徴としてもいる。(E
4>E2>E3>E1)。
【0011】
【作用】この発明の光制御素子においては、光透過媒体
は、光波長λ1およびλ2に対してそれぞれ低透過率およ
び高透過率を示す。従って、この光透過媒体に光波長λ
1の光が入力されるとこの光は吸収されてOFF状態に
なり、逆に光波長λ2の光が入力されるとこれを透過し
てON状態となる。
【0012】このような光制御素子における前記光発生
素子は、外部から電気的もしくは光学的に制御入力を印
加されると、その発生波長がλ1からλ2に、またはλ2
からλ1に変化する。すなわち、たとえば光発生素子と
して半導体レーザを用いた場合、電流の注入量の増加に
従って発振波長が長波長側に不連続に変化することが一
般的に知られている(M. Nakamura,“Single mode oper
ation of semiconductor injection lasers ”IEEE Tro
ns. Circuits and Systems, CAS−26,1055
(1979))。そこで、半導体レーザを用いて、注入
電流を増加させた時に、発振波長がλ2からλ1に変化し
たと仮定すると、λ1の光強度の方が高注入量のために
λ2の光強度より大きくなる。しかし、それぞれの半導
体レーザの出力を前記光透過媒体に入射させると、光波
長λ1の方がλ2より低透過率のため、逆に光出力がλ2
よりλ1の方が小さくなる場合が生じ、光NOT回路が
実現する。
【0013】このように、この発明の光制御素子の場合
には、光非線形吸収を用いたインバータと半導体レーザ
の長波長化(赤シフト)による光論理素子( Optical l
ogicdevices by red-sift of diode laser and inverte
r of optical nonlinear absorption:ORION)と
言うべきものである。
【0014】さらに、この発明の光制御素子は、前記光
波長λ1の光に対して励起吸収が発生する元素がドープ
されているので、基底吸収よりも吸収の度合が大きい励
起吸収が発生し、この励起吸収に関連して上記光透過媒
体を透過するλ1の透過率が著しく減少させられる。
【0015】よって、前記光透過媒体を透過するλ1
λ2の光の透過率差が顕著となりON・OFF比の大き
な光インバータ(NOT回路)が構成可能となる。
【0016】
【実施例】[実施例1] 図1は、この発明の光制御素子とその機能を測定するた
めの装置構成を例示したものである。ここで光透過媒体
(10)は、希土類元素としてのエルビウム:Er3+
含有するイットリウムアルミニウムガーネット(YA
G)からなるφ3mm×3mmのロッドを用い、Erの
濃度は50at.%としている。
【0017】光発生素子として機能する半導体レーザ素
子(11)は、駆動制御回路(12)および温調器(1
3)によって駆動させることにより一定波長のレーザ光
を出力し、ビームスプリッタ(14)および集光レンズ
(15)を通してEr:YAGからなる光透過媒体(1
0)にレーザ光を入射させるようにしている。
【0018】光透過媒体(10)を透過した光出力を光
検出素子(16)で受光し、デジタイジングオシロスコ
ープ(17)および光パワーメータ(18)で観測す
る。このような構成において、図2(a)は半導体レー
ザ素子(11)に注入した電流変化を示し、図2(b)
はその時の出力をデジタイジングオシロスコープ(1
7)で観測した光波形を示したものである。また、図2
(c)はEr:YAGの光透過媒体(10)を透過させ
た後の光波形を示したものである。
【0019】図2(b)と図2(c)を比べると、図2
(b)に示した半導体レーザ素子(11)の出力の光強
度BおよびCが、図2(c)に示したように、光透過媒
体(10)の透過後において反転していることがわか
る。
【0020】この現象は図3、図4および図5によって
も確認される。すなわち、図3は、半導体レーザ素子
(11)に注入する電流に対する、図1の光検出素子
(16)および光パワーメータ(18)で測定された光
透過率の関係を示したものであるが、この図3のD点に
おいて透過率が約1/3に激減しているのがわかる。
【0021】また、図1に示したように、分光器(1
9)を用いて、半導体レーザ素子(11)の注入電流に
対するレーザ出力の波長変化を測定した。その結果を図
4に示したが、この図4中の黒丸は787nmに分光器
(19)の波長をセットした場合の光検出強度を示し、
白丸は784.5nmにセットした場合の光検出強度を
示しており、図4のE点(73mA)において784.
5nmの光強度は激減し、逆に787nmの光強度が急
増していることが観測される。これは半導体レーザ素子
(11)に注入電流を増加していった結果、中心発振波
長がE点で不連続に784.5nmから787nmに変
化したことを示している。この不連続点Eにおける注入
電流値は、図3のD点の注入電流値と一致している。
【0022】図5は、半導体レーザ素子(11)の発振
波長を変化させた場合の光透過媒体(10)における透
過率変化を示したものである。この図5より、787n
mが吸収ピークであり、これはEr:YAGにおいてE
3+の励起吸収( 211/2413/2)に相当してい
る。
【0023】以上の結果により明らかなように、図2に
おいて光出力がEr:YAG光透過媒体(10)を透過
させることによって反転する現象が容易に理解される。
もちろん、以上の例においては光透過媒体(10)にド
ープする希土類元素としてはEr3+を用いたが、これに
限定されることはない。光の波長、光透過媒体の種類等
に応じて適宜に選択される。
【0024】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明の光
制御素子により、光学的なインバータ(NOT回路)が
構成可能となり、このインバータを組み合わせることに
より全ての論理回路(たとえばNOR、XORなど)が
構成できる。従って、この発明の光制御素子をキーデバ
イスとして光論理演算や光コンピュータが実現可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光制御素子の機能測定用の装置を例
示した装置構成図である。
【図2】(a)(b)(c)は、各々、図1の装置にお
いて測定された半導体レーザ素子への注入電流、半導体
レーザ素子の出力光の強度、および光透過媒体透過後の
光強度を示した時間相関図である。
【図3】半導体レーザ素子への注入電流と光透過率との
相関図である。
【図4】半導体レーザ素子への注入電流とレーザ出力の
異なる波長による光強度変化の相関図である。
【図5】半導体レーザ素子の発振波長と透過率との相関
図である。
【符号の説明】
10 光制御素子 11 半導体レーザ素子 12 駆動制御回路 13 温調器 14 ビームスプリッター 15 集光レンズ 16 光検出素子 17 デジタイジングオシロスコープ 18 光パワーメータ 19 分光器 20 自動回転式ND(ニュートラルデンシティ)フィ
ルタ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過媒体と光発生素子とを有する光制
    御素子であって、光透過媒体は、特定の光波長λ1で低
    透過率を示し、且つその周囲の光波長λ2では高透過率
    を示すものであって、透明性セラミックス、ガラス、半
    導体および絶縁物の群から選択された物質中に少なくと
    も1種の希土類元素を光波長λ1 に対する基底準位から
    励起準位への基底吸収と準安定準位から励起準位への励
    起吸収とを生じさせるために含有したものであり、光発
    生素子は、この両者の光波長λ1、λ2の光を発生するも
    のからなり、光発生素子からの前記光波長λ1、λ2の制
    御光を光透過媒体に照射し、この制御光の光波長の変化
    に沿って前記光透過媒体を透過する光強度を制御するこ
    とを特徴とする光制御素子。
  2. 【請求項2】 光透過媒体が、希土類元素のエルビウム
    Er3+を含有したものである請求項1の光制御素子。
  3. 【請求項3】 光透過媒体が、透明性セラミックスのY
    AG(イットリウムアルミニウムガーネット)中に希土
    類元素のエルビウムEr3+を含有したものである請求項
    1または2の光制御素子。
  4. 【請求項4】 光透過媒体の低透過率の光波長λ1 をエ
    ルビウム元素Er3+の励起吸収(211/2413/2)の
    吸収ピーク近辺としてなる請求項1、2または3の光制
    御素子。
  5. 【請求項5】 光発生素子を半導体レーザとし、この半
    導体レーザは、低電流注入時および高電流注入時にそれ
    ぞれ光波長λ2およびλ1の光を発生し、または逆に低電
    流注入時および高電流注入時にそれぞれ光波長λ1およ
    びλ2の光を発生する請求項1、2、3または4の光制
    御素子。
  6. 【請求項6】 光発生素子を吸収飽和型半導体レーザと
    し、この吸収飽和型半導体レーザは、低光注入時および
    高光注入時にそれぞれ光波長λ2およびλ1の光を発生
    し、または逆に低光注入時および高光注入時にそれぞれ
    光波長λ1およびλ2の光を発生する請求項1、2、3、
    4または5の光制御素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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電子情報通信学会論文誌 C−▲I▼ Vol.J74−C−▲I▼ No.11 pp.509−513(1991)

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