JPH09265549A - 画像合成システム - Google Patents

画像合成システム

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JPH09265549A
JPH09265549A JP8074481A JP7448196A JPH09265549A JP H09265549 A JPH09265549 A JP H09265549A JP 8074481 A JP8074481 A JP 8074481A JP 7448196 A JP7448196 A JP 7448196A JP H09265549 A JPH09265549 A JP H09265549A
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JP
Japan
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image
buffer
tile
frame buffer
value
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Withdrawn
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JP8074481A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Saito
靖彦 斎藤
Masahiro Uminaga
正博 海永
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3次元コンピュータグラフィックにデジタル
ビデオ画像による背景画を低コストで高速に合成する。 【解決手段】 コンピュータグラフィックを生成しフレ
ームバッファ(16)に描画する3次元グラフィック装
置(12)、デジタルビデオ情報を再生しビデオバッフ
ァ(22)に描画するデジタルビデオ描画装置(2
0)、ビデオバッファに描画されたディジタルビデオ画
像をフレームバッファに上書き制御する画像合成手段
(15)を有する。画像合成手段は、コンピュータグラ
フィックの奥行きを示すZ値とデジタルビデオ画像のZ
値とを用いてZバッファアルゴリズムに従った陰面消去
を行う。陰面消去の処理において、グラフィックオブジ
ェクトと重ならない領域ではZ値比較を不要とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元コンピュー
タグラフィックスとデジタルビデオ映像による画像を合
成する技術、さらにはデジタルビデオ映像による画像を
背景画像として3次元コンピュータグラフィックスに合
成する技術に関し、例えば、ゲーム機における背景画像
と前景画像の合成に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビコマーシャルや映画の分野では、
3次元コンピュータグラフィックスとデジタルビデオ映
像を合成した映像が使用される。このような動画を生成
するには、画面や情景毎に画像をデジタル編集して出来
上がった多数のフレームから動画を作成する。このとき
3次元コンピュータグラフィックスの描画技術として
は、レイトレーシング、ラジオシティ、フォンシェーデ
ィング、アルファ・ブレンディングなどのアルゴリズム
が使用さている。これらの技術はリアルで美しい映像を
合成できる半面、膨大な計算コストを要する。
【0003】ゲーム機におけるような対話的3次元コン
ピュータグラフィックスでは、人物などをポリゴン図形
(=多角形面)の集合で表現し、入力信号に応じて、こ
れらの3次元ポリゴンを3次元的に座標変換し、ある視
点からみえる情景を描画する。ここで描画とは各ポリゴ
ンの色をあらかじめ与えられた照明モデル(例:グーロ
ー、フォンシェーディングなど)に従って計算し、視点
から投影したときみえるポリゴンをラスタ化および陰面
消去を行なってフレームバッファと呼ばれるメモリ領域
に書き込むことである。
【0004】視点から見えるポリゴンのみを画面に表示
するための陰面消去アルゴリズムの一つとして、Zバッ
ファアルゴリズムがある。これは陰面消去アルゴリズム
のなかでも、比較的簡単で高速なアルゴリズムである。
【0005】ここで、前記Zバッファアルゴリズムを説
明する。陰面消去は、あるポリゴンが、ある視点からど
のように見えるか(あるいは見えないか)を計算する。
あるポリゴンが別のポリゴンの後ろにすっぽり隠れてい
る場合、当然、隠れるはずのポリゴンは画面に表示され
てはいけない。ポリゴンを構成するある点Aが他のポリ
ゴンのある点Bより視点に近い方にあり、しかも、どち
らも画面上の同一のピクセルPに対応するとき、ピクセ
ルPの色情報は、点Bより手前にある点Aの色情報で、
上書きされる。各ピクセルに対応して、現在そのピクセ
ルが担っている色情報が、視点から見てどれだけ遠くの
地点に寄るものなのか(即ち視点からの深度)を意味す
るデータをもつ。それがZ値である。例えば、ピクセル
Pの現在のZ値が点BのZ値であり、ピクセルPの色情
報は点Bの色情報になっているとする。点Aを処理する
とき、点AのZ値Z(A)とピクセルPのZ値Z(P)を比較
し、Z(A)< Z(P)のとき、ピクセルPの色情報およびZ値
Z(P)を点Aの色情報およびZ値Z(A)で上書きする。
【0006】その他のとき、ピクセルPの色情報および
Z値Z(P)は更新されない。このようにして、点Bより手
前にある点Aの情報でピクセルPを上書きできる。この
操作を描画対象のすべてのポリゴンに対して行い、全て
のポリゴンに対する処理が終了したとき、陰面消去が完
了する。
【0007】上記したZバッファアルゴリズムを要約す
ると、以下のように述べることができる。画面を構成す
る個々のピクセルはフレームバッファに色情報を保持
し、Zバッファに現在のZ値を保持している。シーンを
構成するポリゴンには複数のピクセルが対応しており固
有の色情報とZ値をもつ。ポリゴンの色で、対応するピ
クセルのフレームバッファ内の色情報を更新するか否か
を判定するには、当該ピクセルのZバッファ内のZ値と
ポリゴンの対応するピクセルのZ値を比較する。もし、
ポリゴンのZ値が小さければ、当該ピクセルのフレーム
バッファ内の色情報とZバッファ内のZ値をそのポリゴ
ンの色情報とZ値に更新する。尚、Zバッファ技法およ
び他のグラフィックス技法の詳細について記載された文
献の例としては、「J.D.Foley & A.Van Dam "Fundament
als of Interactive Computer Graphics" Addison-Wesl
ey Publishing Co. 1982」がある。
【0008】シーンの描画終了後、フレームバッファ内
の画像データはディスプレイに表示されて我々の目にう
つる。これら座標変換から、陰面消去を含む一連の計算
はグラフィックパイプラインと呼ばれ、計算コストの大
きな処理である。
【0009】ところで、家庭用ゲーム機などで採用され
る低消費電力、低コストの安価なマイクロプロセッサに
とっては、3次元コンピュータグラフィックス計算は負
荷が大きいので、画面全体を高速且つ精彩に描画するの
は困難な傾向にある。何故なら、入力信号に応じて動的
に3次元ポリゴンを変化させて画面を生成する場合、高
度な描画アルゴリズムでは時間がかかり過ぎて応答が遅
くなってしまう。またZバッファアルゴリズムのような
単純なアルゴリズムを採用したとしても、画面背景部ま
で精彩なポリゴン集合で表現すると、やはり応答は遅く
なる。
【0010】このため、ゲーム機などのシステムでは、
単純で描画コストの小さな背景画を採用する場合が多
い。例えば、家庭用ゲーム機などの安価なシステムで
は、毎回画面全体をグラフィックパイプラインで計算す
ると時間がかかり画面応答が遅くなるので、応答時間を
速くするために、背景画などの動きの比較的少ない部分
を描画済みの画面のコピーで済ませることも可能であ
る。即ち、描画済み画面のコピーの上に3次元ポリゴン
を描画する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
ういな技術では、背景画像の色彩の単純さ、動きの乏し
さ、情景の種類の乏しさが顕在化され、ゲームなどの魅
力を半減させかねない。そこで、本発明者は、計算コス
トを低く抑えて品質のよい背景画像を高速に生成するこ
とを検討した。その場合に、背景画像としてデジタルビ
デオ画像を採用し、前景を成す3次元ポリゴンを描画し
た後でも背景画像を更新でき、しかも、背景画像の描画
に当たってはZバッファアルゴリズムによる処理を軽減
できるようにすることの必要性が本発明者によって見出
された。
【0012】本発明の目的は、3次元ポリゴンとデジタ
ルビデオ画像による背景画との合成を低コストで高速に
実現できるシステムを提供することにある。
【0013】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0015】すなわち、画像合成システムは、コンピュ
ータグラフィック画像を生成し、これをフレームバッフ
ァ(16)に描画する3次元グラフィック装置(12)
と、デジタルビデオ情報を再生してビデオバッファ(2
2)に描画するデジタルビデオ描画装置(20)と、ビ
デオバッファに描画されたディジタルビデオ画像を前記
フレームバッファ(16)に上書き制御する画像合成手
段(15)とを有する。前記画像合成手段(15)は前
記上書きに際して、フレームバッファ(16)に描画さ
れたコンピュータグラフィック画像の奥行きを示すZ値
と前記ビデオバッファ(22)に描画されたデジタルビ
デオ画像の奥行きを示すZ値とを用いてZバッファアル
ゴリズムに従った陰面消去を行う。これによれば、背景
画像としてデジタルビデオ画像を採用し、前景を成す3
次元グラフィック画像を描画した後でも背景画像を更新
できる。したがって、家庭用ゲーム機などで採用される
低消費電力、低コストの安価なマイクロプロセッサにと
っても、表示制御のための演算制御の負荷が極端に大き
くならず、それによって、ゲームなどの魅力を半減させ
るような、背景画像の色彩の単純さ、動きの乏しさ、情
景の種類の乏しさなどを惹起させず、情景表示の性能の
向上を図ることができる。
【0016】前記画像合成手段(15)は、前記ビデオ
バッファ(22)を複数のタイル(44)に分割してそ
のデータを扱うと共に、前記ビデオバッファの前記複数
のタイルに対応するように前記フレームバッファ(1
6)を複数のタイル(34)に分割してそのデータを扱
い、ビデオバッファの各タイルのデータをビデオバッフ
ァのタイルに対応する前記フレームバッファのタイルに
上書き制御する。
【0017】前記フレームバッファに格納される画像デ
ータフレームに対応してそのピクセル単位でZ値を格納
するZバッファ(14)を更に備え、前記3次元グラフ
ィック装置(12)は前記フレームバッファ(16)に
描画するコンピュータグラフィック画像の領域に対応さ
れるピクセルのZ値を前記Zバッファに設定する。
【0018】前記フレームバッファのタイル単位にZ値
比較要・不要情報が設定されるタイル情報バッファ(3
8)を更に備え、前記3次元グラフィック装置(12)
は、前記フレームバッファ(16)に描画されるコンピ
ュータグラフィック画像の領域を含むタイルに対応され
るタイル情報バッファのZ値比較要・不要情報(36)
を、Z値比較要の状態に設定するものであり、前記画像
合成手段(15)は、前記ビデオバッファ(22)のタ
イルのデータをこれに対応する前記フレームバッファの
タイルに上書き制御するとき、当該タイルに対応される
前記Z値比較要・不要情報(36)を参照し、これがZ
値比較不要状態である場合、前記Z値を用いた陰面消去
の処理を省いて当該タイルのデータをそれに対応される
フレームバッファのタイルに上書き制御する。
【0019】このように、デジタル画像情報の合成にお
いてフレームバッファ及びビデオバッファのデータをタ
イル領域に分割して把握し、タイル毎に、Z値比較の要
否を判定して、無駄のない合成描画方式を選択するの
で、合成時間を短縮できる。これにより、デジタルビデ
オ描画装置におけるビデオの再生速度を損なうことな
く、しかも3次元グラフィックスの応答時間を犠牲にす
ることなく、品質の高い画面を合成して描画することが
できる。
【0020】前記3次元グラフィック装置によるフレー
ムバッファへの描画のための動作に応じてセット状態に
され、その描画動作の終了に応じてリセット状態にされ
るシーン更新フラグ手段(39)を更に備え、前記画像
合成手段(15)による前記陰面消去の処理を省いた上
書き処理は、前記シーン更新フラグ手段がリセット状態
にされていることを条件として可能にされる。これによ
り、3次元グラフィック装置(12)によるフレームバ
ッファ(16)の描画処理と、画像合成手段(15)に
よるフレームバッファ(16)へのデジタルビデオ画像
の合成処理が並列的に行われる様な場合に、Zバッファ
アルゴリズムに従った描画結果を保証できる。
【0021】以上のように、上記画像合成システムは、
Zバッファ(14)を使用して、ポリゴンのような3次
元グラフィックオブジェクトから成る3次元グラフィッ
ク画像をフレームバッファに描画した後からでも、デジ
タルビデオ画像を背景画として描画することができる。
組み込もうとするデジタルビデオ画像は例えばMPEG
デコーダーなどのビデオ再生装置から入力し、ビデオフ
レームを格納するメモリ領域としてのビデオバッファを
供え、ビデオの各フレームに対してZ値を付加して各フ
レームを照明計算済みのポリゴンとみなし、画像合成手
段によりZバッファアルゴリズムでフレームバッファに
描画される。このような合成の指示は、入力信号により
3次元ポリゴンの配置情報が変化したとき、プログラム
により3次元ポリゴンの再描画命令が発行されたとき、
又は新しいビデオフレームがビデオバッファに入力され
たときなどとされる。そして、ビデオバッファを矩形タ
イルで敷き詰め、各タイルごとにZ値比較の要・不要情
報を生成し、タイル単位でデジタルビデオデータをフレ
ームバッファに描画する。このとき、描画しようとする
タイルがZ値比較要であれば、Z値比較の結果に応じて
対応するピクセルの情報(色情報)の上書きを行なう。
また、描画しようとするタイルがZ値比較不要であれ
ば、Z値比較を行なわないでピクセルの情報を上書きす
る。これによりグラフィックオブジェクトの存在しない
領域ではZ値比較が不要となり高速にデジタルビデオデ
ータをフレームバッファに書き込むことが可能となる。
特に前景のグラフィックシーンの単位時間あたりの変化
が少ないときなど、背景ビデオ動画とグラフィックシー
ンを高速に合成できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1には3次元グラフィックスと
デジタルビデオ画像を合成するシステム(単に画像合成
システムとも称する)のブロック図が示される。この画
像合成システムは、3次元グラフィック装置12とデジ
タルビデオ描画装置20を含み、3次元グラフィック装
置12がポリゴンによるコンピュータグラフィック画像
をフレームバッファ16に描画すると共に、前記デジタ
ルビデオ描画装置20が背景画を構成するような動画の
ビデオ画像のフレームをビデオバッファ22に再生す
る。画像合成装置15は、ビデオバッファ22のビデオ
画像をフレームバッファ16のコンピュータグラフィッ
ク画像に合成する。この画像合成装置15による画像合
成の制御内容については後で詳述するが、その内容は、
概略的には、ビデオバッファ22に描画されたディジタ
ルビデオ画像を前記フレームバッファ16に上書き制御
するものであり、フレームバッファ16に描画されたコ
ンピュータグラフィック画像の奥行きを示すZ値と前記
ビデオバッファ22に描画されたデジタルビデオ画像の
奥行きを示すZ値とを用いたZバッファアルゴリズムに
よる陰面消去を伴った上書き処理、特定の条件下におい
て前記Zバッファアルゴリズムによる陰面消去処理を省
いた上書き処理、タイル単位での上書き処理などに大別
される。例えば画像合成装置15は、図10の(A)に
例示されるように、ポリゴンによるコンピュータグラフ
ィック画像POに対して、デジタルビデオ画像VMを背
景画として合成する。
【0023】図1において14で示されるものはZバッ
ファである。このZバッファ14は、前記フレームバッ
ファ16に格納される画像データフレームに対応してそ
のピクセル単位で、コンピュータグラフィック画像の奥
行き(深度)を示すZ値を保有する。前記3次元グラフ
ィック装置12は、前記フレームバッファ16に描画す
るコンピュータグラフィック画像、即ちそれを構成する
ポリゴンに対応されるピクセルのZ値をZバッファ14
に設定する。3次元グラフィック装置12が生成するコ
ンピュータグラフィック画像は、基本的なグラフィック
・オブジェクトであるポリゴンを単位とする。
【0024】前記デジタルビデオ描画装置20は、IO
バス10を介して供給されるデジタルビデオ入力(デジ
タルビデオ情報)の再生描画装置によって構成され、例
えば、MPEG規格で圧縮された画像情報を伸張し、デ
ジタルビデオ信号の規格で定められた周期をもって、1
画面若しくは1フレーム分ずつデジタル画像情報をビデ
オバッファ22に描画する。
【0025】画像合成装置15による画像合成の単位は
図2に例示されるようなタイル単位とされる。すなわ
ち、画像合成装置15は、図2の(A)に例示されるよ
うに、前記ビデオバッファ22の記憶領域を複数のタイ
ルに分割してそのデータを扱うと共に、前記ビデオバッ
ファ22の前記複数のタイルに対応するように前記フレ
ームバッファ16を複数のタイルに分割してそのデータ
を扱い、前記ビデオバッファ22の各タイルのデータを
前記ビデオバッファ22のタイルに対応する前記フレー
ムバッファ16のタイルに上書き制御する。例えば図2
の(B)に例示されるように、一つのタイル34は矩形
とされ、縦×横=2×2個のピクセル32よりなり、同
一サイズのタイル34が2×3個マトリクス配置される
ように、フレームバッファ16の記憶領域を分割して把
握する。画像合成装置15は、ビデオバッファ22に対
してもフレームバッファ16と同様のサイズでタイルに
分割されてその記憶領域を把握する。図2の(A)には
3つのピクセルから構成される三角形ポリゴン39が、
ポリゴン(グラフィックオブジェクト)の一例として図
示されている。
【0026】図1において38で示されるものはタイル
情報バッファである。このタイル情報バッファ38は、
前記フレームバッファ16のタイル単位にZ値比較要・
不要情報が設定されるバッファである。図2の(C)に
例示されるように、同一サイズのタイル34が2×3個
マトリクス配置されるフレームバッファ16に対して、
タイル情報バッファ38は夫々のタイルに対応される配
置で2×3個の記憶ビットを有し、各記憶ビットにZ値
比較要・不要情報36が記憶される。Z値比較要・不要
情報は、特に制限されないが、その論理値”1”によっ
てZ値比較が必要であること(Z値比較ON)を意味
し、また、その論理値”0”によってZ値比較が不要で
あること(Z値比較OFF)を意味する。
【0027】前記3次元グラフィック装置12は、IO
バス10を介してグラフィック制御入力6を受け取る。
このグラフィック制御入力6は、例えばポリゴンモデル
によるコンピュータグラフィック画像を変化させるため
の指示であり、ポリゴンモデルで記述された画像の位置
や形状などを変化させたりするための移動方向や移動量
等の制御情報とされる。3次元グラフィック装置12
は、前記グラフィック制御入力6を受けると、ポリゴン
モデルによるコンピュータグラフィック画像を生成する
ための前処理として、公知の幾何変換、照明計算及びラ
スタ化等の処理を行い、これによって生成された画像を
フレームバッファ14に描画する。このとき、3次元グ
ラフィック装置12は、前記フレームバッファ16に描
画するコンピュータグラフィック画像の領域(即ち描画
されるポリゴンの領域)に対応されるピクセルのZ値を
前記Zバッファ14に設定する。特に制限されないが、
3次元グラフィック装置12は、グラフィック制御入力
6に応じてコンピュータグラフィック画像を生成してそ
の画像をフレームバッファ16に描画する場合、予めZ
バッファ14のZ値を初期値に設定する。ここで、初期
値とは、Zバッファ14がZ値として採り得る最深値
(奥行き方向の最深値)とされる。
【0028】更に3次元グラフィック装置12は、生成
した画像をフレームバッファ14に描画するとき、描画
対象とされるタイルに対応されるタイル情報バッファ3
8のZ値比較要・不要情報36を、Z値比較要の状態に
設定する。タイル情報バッファ38も前記Zバッファ1
4と同様に、3次元グラフィック装置12によって予め
初期化されており、Z値比較要・不要情報36の初期値
は、Z値比較不要の状態とされる。
【0029】図1において39は、前記3次元グラフィ
ック装置12によるフレームバッファ16への描画のた
めの動作に応じてセット状態にされ、その描画動作の終
了に応じてリセット状態にされるシーン更新フラグであ
る。
【0030】前記画像合成装置15は、前記ビデオバッ
ファ22のタイルのデータをこれに対応する前記フレー
ムバッファ16のタイルに上書き制御するとき、当該タ
イルに対応される前記Z値比較要・不要情報36をタイ
ル情報バッファ38から参照し、これがZ値比較を必要
とする状態にされている場合には、合成対象とされるタ
イルに対応するZ値をZバッファ14から読込み、この
値を、ビデオバッファ22の対応タイルのデジタルビデ
オ画像のZ値と比較する。比較対象とされるデジタルビ
デオ画像のZ値は、例えば、デジタルビデオ画像が背景
として画面の奥行き方向の最深位置に存在するものとさ
れる場合には、Zバッファ14のZ値として採り得る最
深値が画像合成装置15に設定されている。このよう
に、デジタルビデオ画像の全体ではZ値は最深値とさ
れ、それは各画面を通じてデジタルビデオ動画全体で一
定値にされる。画像合成装置15は、その比較結果によ
り、デジタルビデオ画像のZ値の方が大きくされている
場合にはそのデジタルビデオ画像のZが大きくされてい
る当該ピクセルを陰面として消去するようにして、フレ
ームバッファの当該タイルの画像情報をデジタルビデオ
画像情報で上書きする。このように、グラフィックオブ
ジェクトが存在されるタイルの領域に対して、当該グラ
フィックオブジェクトは、背景としてのデジタルビデオ
画像の前景を成すように、デジタルビデオ画像情報がフ
レームバッファに16に上書きされる。
【0031】一方、参照した前記Z値比較要・不要情報
36が、Z値比較を必要としないことを意味する場合に
は、画像合成装置15は、Z値比較による陰面消去の処
理を省いて、ビデオバッファ22の当該タイルのデータ
をそれに対応されるフレームバッファ16のタイルに、
そのまま上書きする。このように、グラフィックオブジ
ェクトの存在しない領域では、Z値比較が不要となり、
その分、高速にデジタルビデオ画像をフレームバッファ
に書き込むことができる。
【0032】特にこの例では、ビデオバッファ22が更
新された時点で、Zバッファ14の情報に基づいてZバ
ッファアルゴリズムによりビデオバッファ22内のピク
セルの色情報をフレームバッファ16に合成することに
なるが、ビデオバッファ22の更新と3次元グラフィッ
ク装置12によるフレームバッファ16への描画は非同
期で実行される。すなわち、コンピュータグラフィック
シーンのフレームバッファ16への書き込みとデジタル
ビデオ画像のフレームバッファ22への書き込みの順序
は画像合成システムに対するコンピュータグラフィック
シーンの変更指示の状況や、画像合成の実行状況に応じ
て変化される。このため、3次元グラフィック装置12
によるフレームバッファ16の描画処理と、画像合成装
置15によるフレームバッファ16へのデジタルビデオ
画像の合成処理が並列的に行われる様な場合に、Zバッ
ファアルゴリズムに従った描画結果を保証するため、前
記画像合成装置15による前記陰面消去の処理を省いた
上書き処理は、前記シーン更新フラグ39がリセット状
態にされていることを条件として可能にされるようにな
っている。
【0033】画像表示装置18は、フレームバッファ1
6に合成された画像情報(各ピクセルのRGBの色情
報)に基づいて、ディスプレイ19に画像を表示する。
【0034】図3には3次元グラフィック装置12の動
作フローの一例が示される。3次元グラフィック画像の
シーン即ちポリゴンシーンに対する新規描画開始を指示
するイベントI60が3次元グラフィック装置12に与
えられる。このイベントI60は、特に制限されない
が、2種類ある。一つめのイベントは、ユーザーからの
シーン変更指示であり、外部発生的なイベントである。
二つめのイベントは、シーンを制御しているプログラム
の実行状態に応じて発生される指示である。例えば、対
戦型ゲームにおいて、ユーザーとプログラムが対戦する
場合、プログラムが第2のプレイヤーとしてシーンを変
更させる信号を発生させる様な場合が第2のイベントに
相当される。このイベントI60は前記グラフィック制
御入力6に含まれる。
【0035】ポリゴンシーンを変更させるイベントI6
0を受け取った3次元グラフィック装置12は、図2で
説明したようなポリゴン39を描画する。そのために先
ず、計算のセットアップ処理を行なう。これは、Zバッ
ファ初期化操作(ステップS62)とZ値比較要・不要
情報初期化操作(ステップS64)を含む。Zバッファ
14の初期化は各ピクセルのZ値を、視点から最も奥に
あることを意味するZ値で初期化する。またZ値比較要
・不要情報初期化は、Z値比較を行なわないことを意味
する値、例えば値”0”で、タイル情報バッファ38を
初期化する。
【0036】さらにシーン更新中を意味するシーン更新
フラグ39をセット状態にする(ステップS66)。こ
のシーン更新フラグ39がセット状態にされている間
は、ビデオバッファ22からフレームバッファ16への
書き込みは、図5で後述するように、Z値比較付き描画
(ステップS54)に限定される。
【0037】3次元グラフィック装置12は、前記グラ
フィック制御入力6に応じて各ポリゴンの座標変換およ
び視点、光源の移動などを行うための幾何(=座標)変
換(ステップS68)で行う。そして、描画すべき全て
のポリゴンに対して、ポリゴン毎に、以下の描画処理を
施す。
【0038】描画すべきポリゴンが残っているかはステ
ップS70で判定され、描画すべきポリゴンに対しては
照明計算(ステップS72)が行われる。照明計算(ス
テップS72)は与えられた照明モデルに基づいてポリ
ゴンの色を計算する処理である。照明モデルとしてはグ
ーロー・シェーディング(Gouraud Shading)またはフォ
ン・シェーディング(Phong Shading)を採用することが
できる。照明計算されたポリゴンに対してはラスタ化処
理(ステップS74)が施される。ラスタ化処理(ステ
ップS74)は、画面で見たときの水平方向に並ぶピク
セルの集まり(=スパン)でポリゴンを分割する処理で
ある。そして、分割された各スパン毎にフレームバッフ
ァ16への描画を行なうピクセル描画処理(フローF8
8)が実行される。
【0039】前記ピクセルの描画処理(フローF88)
では、与えられたスパンのピクセル毎にその色情報でフ
レームバッファ16の対応するピクセルを更新するか否
かをZ値の比較で決定する(ステップS82)。当該ピ
クセルのZ値がZバッファ14の対応するZ値より小さ
い場合、当該ピクセル32を含むタイル領域34に対応
するZ値比較要・不要情報36をZ値比較ON状態(=
1)にし(ステップS84)、当該ピクセルの色情報と
Z値でフレームバッファ16とZバッファ14を上書き
する(ステップS86)。もしピクセル更新が不要なら
ば、次のピクセルの処理に進む(ステップS80)。
【0040】ポリゴン・シーンの描画が終了したら、シ
ーン更新フラグ39をオフ(リセット)状態にし(ステ
ップS78)、画像合成装置15にビデオバッファ22
内の背景画像を描画するように指示I79を出す。
【0041】画像合成装置15は、ビデオバッファ22
のデジタル画像をポリゴンシーンの描画が済んだフレー
ムバッファ16へ上書き描画する。その処理はタイル単
位とされる。即ち、ビデオバッファは図4に示されるよ
うに矩形タイル44で分割されている。ビデオバッファ
22のタイルへの分割形式は前記フレームバッファ16
に対するタイルの分割と同じとされる。すなわち、一つ
のフレーム対するタイルの分割数と、一つのタイルに含
まれるピクセル数は、フレームバッファ16のタイル3
4とビデオバッファ22のタイル44との間で同一にさ
れている。画像合成装置15は矩形のタイル44単位で
デジタルビデオデータ(=各ピクセルの色情報)をフレ
ームバッファ16へ上書きする。タイルの描画順序は、
図4の矢印が示すように行方向を右に進み(タイル1、
タイル2、タイル3)、一つの行が済んだら、一つ下の
タイルの行をやはり左から右へ進む(タイル4、タイル
5、タイル6)ようにされる。
【0042】図5には画像合成装置15による個々のタ
イルの描画処理フローの一例が示される。画像合成装置
15によるタイルの描画処理はビデオバッファ描画要求
I50によって開始される。このビデオバッファ描画要
求I50は、3次元グラフィック装置からのビデオバッ
ファ描画要求I79、又はデジタルビデオ描画装置20
から与えられる。前者は、ポリゴンシーンの変更後に背
景画像を更新させるためであり、後者はポリゴンシーン
の変更とは非同期で背景画像を更新させるためである。
【0043】タイルの描画は、ビデオバッファ22内の
タイル44をポリゴンとみなしてZバッファアルゴリズ
ムで行なう。描画対象タイルがビデオバッファ22内に
残っているか否かをステップS52で判定し、残ってい
れば当該タイル内の各ピクセルの描画を進める。タイル
内のピクセルを描画する場合、まず最初にシーン更新フ
ラグ39を参照する(ステップS53)。このフラグ3
9がシーン更新中を意味するとき(論理値”1”)、ポ
リゴンシーンの描画がまだ終了していないので、当該タ
イル内のピクセルをZバッファアルゴリズムで描画する
(ステップS54)。このときのデジタルビデオ画像の
ピクセルのZ値は、視点から最も遠い距離にある値(す
なわち、最も遠景を示す値)とされ、そのZ値は前述の
通り画像合成装置15に設定されている。
【0044】ステップS53において、シーン更新フラ
グ39の値がポリゴンシーンの更新中でないことを意味
すれば(論理値”0”)、3次元グラフィック装置12
によるポリゴンシーンの描画が終了しているので、ポリ
ゴンが描画されなかったフレームバッファ16内の矩形
タイルがどれであるかが確定される。したがって、その
場合には、フレームバッファ16内の対応するタイルの
Z値比較要・不要情報36を調べ(ステップ55)、Z
値比較要であれば、Z値比較を行なう描画方式(Z値比
較付き描画)を選び、Z値比較の結果にもとづいて、ビ
デオバッファ22内の当該タイル内のピクセルの色情報
で、フレームバッファ14内の対応するピクセルの色情
報の更新を行なう(ステップS54)。
【0045】ステップS55において、Z値比較不要と
判断されれば、対応するタイル内にポリゴンが存在しな
いことを意味するので、Z値比較なしで ビデオバ
ッファ22内のタイルがフレームバッファ16の対応タ
イルに描画される(ステップS56)。
【0046】描画に際して、ビデオバッファ22からフ
レームバッファ16へのデータ転送は、所謂帯域幅若し
くはバンド幅の高いメモリ・メモリ間転送モードであ
る、例えばDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセ
ス・メモリ)のバースト転送モード等を選択して、フレ
ームバッファ16への高速な画像合成処理を行うことが
できる。
【0047】次に背景画を多段階にして合成を行う例を
説明する。例えば、図10の(B)に例示されるよう
に、前景を成すポリゴンシーンPO、第1背景(遠方背
景)VM1及び第2背景(中間背景)VM2をZバッフ
ァアルゴリズムで合成する。
【0048】図6にはそのような中間背景を考慮したと
きの画像合成システムのブロック図が示される。図1の
システムに対して、I/Oバス91を介して中間背景描
画制御入力90が供給される中間背景画像合成装置9
2、データベース93、中間背景更新フラグ94を更に
備えている点が相違される。データベース93は描画対
象とすることができる中間背景を蓄えている。中間背景
画像合成装置92は、中間背景描画制御入力90にした
がって、データベース93が保有する中間背景画像をフ
レームバッファ16の所要の位置に描画する。この描画
動作中、シーン更新フラグと同様に、中間背景更新フラ
グ94がセット状態にされる。中間背景画像合成装置9
2による中間背景の合成並びに描画もZバッファアルゴ
リズムに基本的に従い、3次元グラフィック装置12と
同様に、Zバッファ145及びタイル情報バッファ38
の値を自らの描画動作に応じて更新し、更に、画像合成
装置15と同様に、中間背景のフレームバッファへの合
成並びに描画に当たっては、当該合成直前にZバッファ
14及びタイル情報バッファ38の内容を参照する。以
下、その制御の詳細を説明する。
【0049】図7には前記前景を成すポリゴンシーン、
第1背景(遠方背景)及び第2背景(中間背景)を、Z
バッファアルゴリズムで合成する処理フローの全体が示
される。フレームバッファの更新要求I100がある
と、ステップS102では、描画要求が背景の更新によ
るものか、ポリゴンシーンの更新によるものかを判定す
る。ポリゴンシーンの描画要求の場合は処理T104で
フレームバッファ16にポリゴンシーンを描画する。こ
の処理は図3のフローと同様である。フレームバッファ
の更新要求が背景(第1背景又は第2背景)に対する更
新要求である場合、それが中間背景に対するものである
ときは、処理T106で、予め中間背景データベース9
3等に記憶されている中間背景データを図9のフローに
従ってフレームバッファ16へ描画する。それが遠方背
景に対するものであるときは処理T110でビデオバッ
ファ22内の画像(遠方背景)をフレームバッファ16
へ描画する。このときの遠方背景の合成並びに描画処理
において、図5に基づいて説明した中間背景がない場合
の処理との違いは、図5のステップ53ではシーン更新
フラグ39のみチェックしたが、中間背景も採用してい
る場合には、中間背景更新フラグ94もチェックし、双
方のフラグ39,94がオフ(OFF)の場合(更新中
でない場合)にだけ、Z値比較なしの高速描画で遠方背
景を合成して描画する、という点にある。
【0050】図8には中間背景画像のデータ形式の概念
を示す。オブジェクトを構成するピクセルは中間的なZ
値をもつとする。これは前面のポリゴンシーンより奥に
あり、かつ、遠方背景よりは前面にあるような中間値で
ある。また、中間背景はオブジェクトを構成するピクセ
ルを含む最小のタイル集合122として中間背景データ
ベース93に格納されている。これらタイルの構成ピク
セルのうち、オブジェクト以外のピクセルは画面に影響
を与えないので、無限遠を意味する最も深いZ値が与え
られている。したがって、ビデオバッファ22内の画像
(遠方背景)のZ値は、無限遠を意味する最も深いZ値
よりも小さい値に設定されているものとする。これら中
間背景画像データは、様々なデジタル画像をあらかじめ
処理して中間背景オブジェクトとして抽出されて、デー
タベース93を構成している。
【0051】図9には中間背景の描画処理フローの一例
が示される。中間背景の描画要求I140があると、中
間背景画像合成装置92は、ステップS142におい
て、中間背景更新フラグ94をオンにする。図8に示し
た個々のタイル(この例では太線で示した4つのタイ
ル)をポリゴンと見なして描画する。このとき、図5と
同様に、Z値比較付き描画(ステップS150)、又は
Z値比較無し高速描画(ステップS152)が選択さ
れ、夫々における描画処理の詳細は図3のフローF88
と同じであるのでその詳細についての説明は省略する。
中間背景を構成するタイル内のオブジェクトの描画が終
わると、ステップ156で中間背景更新フラグ94がオ
フにされる。
【0052】上記実施例によれば以下の作用効果を得
る。
【0053】〔1〕画像合成システムは、コンピュータ
グラフィック画像を生成し、これをフレームバッファ1
6に描画する3次元グラフィック装置12と、デジタル
ビデオ情報を再生してビデオバッファ22に描画するデ
ジタルビデオ描画装置20と、ビデオバッファに描画さ
れたディジタルビデオ画像を前記フレームバッファ16
に上書き制御する画像合成装置15とを有する。前記画
像合成装置15は前記上書きに際して、フレームバッフ
ァ16に描画されたコンピュータグラフィック画像の奥
行きを示すZ値と前記ビデオバッファ22に描画された
デジタルビデオ画像の奥行きを示すZ値とを用いてZバ
ッファアルゴリズムに従った陰面消去を行う。したがっ
て、背景画像としてデジタルビデオ画像を採用し、前景
を成す3次元グラフィック画像を描画した後でも背景画
像を更新できる。
【0054】〔2〕上記より、家庭用ゲーム機などで採
用される低消費電力、低コストの安価なマイクロプロセ
ッサにとっても、表示制御のための演算制御の負荷が極
端に大きくならず、それによって、ゲームなどの魅力を
半減させるような、背景画像の色彩の単純さ、動きの乏
しさ、情景の種類の乏しさなどを惹起させず、情景表示
の性能の向上を図ることができる。
【0055】〔3〕前記画像合成装置15として、画面
をタイル領域に分割して、タイルごとに適切な描画方式
を選択するので、合成時間を短縮できる。これにより、
デジタルビデオ描画装置20におけるビデオの再生速度
を損なうことなく、しかも3次元グラフィックスの応答
時間を犠牲にすることなく品質の高い画面を合成・描画
することができる。
【0056】〔4〕描画しようとするタイルがZ値比較
要であれば、Z値比較の結果に応じて対応するピクセル
の色情報の上書きを行ない、描画しようとするタイルが
Z値比較不要であれば、Z値比較を行なわないでピクセ
ルの色情報を上書きする。これにより、グラフィックオ
ブジェクトの存在しない領域ではZ値比較が不要となり
高速にデジタルビデオデータをフレームバッファに書き
込むことが可能となる。特に前景のグラフィックシーン
の単位時間あたりの変化が少ないときなど、背景ビデオ
動画とグラフィックシーンを高速に合成できる。
【0057】〔5〕3次元コンピュータグラフィックス
を対話的に操作するアプリケーションにおいて、グラフ
ィックシーンとデジタルビデオ画像を高速に合成するこ
とができる。これによりグラフィックエンジンの計算パ
ワーを前景グラフィックスシーンの描画に集中させ、滑
らかで写実性の高い3次元コンピュータグラフィックス
・シーンを描画できる。
【0058】〔6〕さらに、背景シーンとしてユーザー
の好みのデジタルビデオ画像を多段階に組み込むことも
可能である。
【0059】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更可能であることは言うまでもない。
【0060】例えば、上記の説明ではデジタルビデオ画
像は動画を構成するものとして説明したが、同様にして
静止画像も背景画として採用できる。これは、デジタル
ビデオ入力8への入力データが、1シーンのみとして実
現可能となる。静止画をより高速に合成するには、3次
元グラフィック装置12の初期化操作として、先に背景
静止画をフレームバッファ16に、Z値比較を一切行わ
ないで単にコピーする方式を採用することができる。
【0061】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である家庭用
のゲーム機に適用した場合について説明したが、本発明
はそれに限定されるものではなく、少なくとも、3次元
コンピュータグラフィック画像にデジタルビデオ画像を
背景として合成する条件のシステムに広く適用すること
が出来る。
【0062】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0063】すなわち、本発明によれば、3次元コンピ
ュータグラフィックスを対話的に操作するアプリケーシ
ョンなどにおいて、グラフィックシーンとデジタルビデ
オ画像を高速に合成することができる。これによりグラ
フィックエンジンの計算パワーを前景グラフィックスシ
ーンの描画に集中させ、滑らかで写実性の高い3次元コ
ンピュータグラフィックスシーンを描画できる。さら
に、背景シーンとしてユーザーの好みのデジタルビデオ
画像を組み込むことが可能となる。3次元コンピュータ
グラフィックスとデジタルビデオ画像の合成において
は、画面をタイル領域に分割して、タイルごとに適切な
描画方式を選択するので、合成時間を短縮できる。これ
により、ビデオの再生速度を損なうことなく、しかも3
次元グラフィックスの応答時間を犠牲にすることなく品
質の高い画面を合成・描画を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3次元コンピュータグラフィックス画像とデジ
タルビデオ画像の画像合成システムの一例ブロック図で
ある。
【図2】フレームバッファの矩形タイルへの分割と個別
タイル対応のZ値比較要・不要情報を保持するタイル情
報バッファを示す説明図である。
【図3】3次元グラフィックスシステムによるフレーム
バッファへの描画動作の一例フローチャートである。
【図4】ビデオバッファの矩形タイルへの分割とタイル
単位による描画方式の概念を示す説明図である。
【図5】画像合成装置によるデジタルビデオ画像のフレ
ームバッファへの合成処理の一例を示すフローチャート
である。
【図6】多段階で背景画像を合成するシステムの一例ブ
ロック図である。
【図7】多段階で背景画像を合成する処理の全体的なフ
ローチャートである。
【図8】中間背景画像のデータ形式の概念を示す説明図
である。
【図9】中間背景画像合成装置による合成処理の一例フ
ローチャートである。
【図10】3次元グラフィック画像にデジタルビデオ画
像が合成された状態を例示する説明図である。
【符号の説明】
12 3次元グラフィック装置 14 Zバッファ 16 フレームバッファ 20 デジタルビデオ描画装置 22 ビデオバッファ 34 フレームバッファのタイル 38 タイル情報バッファ 39 シーン更新フラグ 44 ビデオバッファのタイル 92 中間背景画像合成装置 93 データベース 94 中間背景更新フラグ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータグラフィック画像を生成
    し、これをフレームバッファに描画する3次元グラフィ
    ック装置と、デジタルビデオ情報を再生してビデオバッ
    ファに描画するデジタルビデオ描画装置と、ビデオバッ
    ファに描画されたディジタルビデオ画像を前記フレーム
    バッファに上書き制御する画像合成手段とを有し、 前記画像合成手段は前記上書きに際して、フレームバッ
    ファに描画されたコンピュータグラフィック画像の奥行
    きを示すZ値と前記ビデオバッファに描画されたデジタ
    ルビデオ画像の奥行きを示すZ値とを用いてZバッファ
    アルゴリズムに従った陰面消去を行うものであることを
    特徴とする画像合成システム。
  2. 【請求項2】 前記画像合成手段は、前記ビデオバッフ
    ァを複数のタイルに分割してそのデータを扱うと共に、
    前記ビデオバッファの前記複数のタイルに対応するよう
    に前記フレームバッファを複数のタイルに分割してその
    データを扱い、前記ビデオバッファの各タイルのデータ
    を前記ビデオバッファのタイルに対応する前記フレーム
    バッファのタイルに上書き制御することを特徴とする請
    求項2記載の画像合成システム。
  3. 【請求項3】 前記フレームバッファに格納される画像
    データフレームに対応してそのピクセル単位でZ値を格
    納するZバッファを更に備え、 前記3次元グラフィック装置は、前記フレームバッファ
    に描画するコンピュータグラフィック画像の領域に対応
    されるピクセルのZ値を前記Zバッファに設定するもの
    であることを特徴とする請求項2記載の画像合成システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記フレームバッファのタイル単位にZ
    値比較要・不要情報が設定されるタイル情報バッファを
    更に備え、 前記3次元グラフィック装置は、前記フレームバッファ
    に描画されるコンピュータグラフィック画像の領域を含
    むタイルに対応されるタイル情報バッファのZ値比較要
    ・不要情報を、Z値比較要の状態に設定するものであ
    り、 前記画像合成手段は、前記ビデオバッファのタイルのデ
    ータをこれに対応する前記フレームバッファのタイルに
    上書き制御するとき、当該タイルに対応される前記Z値
    比較要・不要情報を参照し、これがZ値比較不要状態で
    ある場合、前記Z値を用いた陰面消去の処理を省いて当
    該タイルのデータをそれに対応されるフレームバッファ
    のタイルに上書き制御するものであることを特徴とする
    請求項3記載の画像合成システム。
  5. 【請求項5】 前記3次元グラフィック装置によるフレ
    ームバッファへの描画のための動作に応じてセット状態
    にされ、その描画動作の終了に応じてリセット状態にさ
    れるシーン更新フラグ手段を更に備え、前記画像合成手
    段による前記陰面消去の処理を省いた上書き処理は、前
    記シーン更新フラグ手段がリセット状態にされているこ
    とを条件として可能にされるものであることを特徴とす
    る請求項4記載の画像合成システム。
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