JPH09264807A - 音響監視方法及びその装置 - Google Patents

音響監視方法及びその装置

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JPH09264807A
JPH09264807A JP8075652A JP7565296A JPH09264807A JP H09264807 A JPH09264807 A JP H09264807A JP 8075652 A JP8075652 A JP 8075652A JP 7565296 A JP7565296 A JP 7565296A JP H09264807 A JPH09264807 A JP H09264807A
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acoustic
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JP8075652A
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Izumi Yamada
泉 山田
Satoshi Okada
岡田  聡
Takayuki Ishida
隆之 石田
Jun Kashiwakura
潤 柏倉
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 監視領域内の漏洩音等の発生の有無を高感度
に捉え、誤動作の少ない発生音源の有無の判別を可能と
する音響監視方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 SG容器胴7の周囲に設置した複数の音
響センサ11a〜11hからの信号を高速信号処理装置
300により音源強度を演算すると共に、低速ACDに
よりプロセス信号や音響信号の実効値データを演算し、
音響検出装置300では、高速信号処理装置300から
の音源強度や、低速ACDからのプロセス信号や音響信
号の実効値データに基づいて、SG容器胴7の監視領域
内の漏洩音等の発生の有無、及び、その漏洩音の位置標
定を行うが、漏洩音等の発生の有無を、高速信号処理装
置300からの音源強度分布の平均値から監視すること
により、音源強度分布のピークが判然としない場合でも
音源発生を正確に判別可能とし、装置の高感度化を図る
と共に、プラント運転等の信頼性を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、監視領域周辺に設
置した複数の音響センサの検出信号を用いて、監視領域
における漏洩音等の発生音源の有無の判断と発生音源の
位置標定を行う音響監視方法、及び、かかる方法を実施
するための音響監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】監視領域周辺に設置した複数の音響セン
サの検出信号を用いて、監視領域における漏洩音等の発
生音源の有無の判断と発生音源の位置標定を行う音響監
視方法やその装置は、既に、例えば高速増殖炉発電プラ
ントの蒸気発生器における水漏洩監視等に適用されてお
り、既に知られている。かかる、従来の漏洩音等の異音
の監視法としては、監視領域周辺に設置した複数の音響
センサの検出信号を用いて、漏洩に伴う異音源の有無と
その位置を監視するものが、例えば特開昭58−200
999号公報、又は、特開昭62−255842号公報
などにより、既に知られている。これらの両従来技術
は、共に、信号処理で言うところの、いわゆる開口合成
手法であり、各音響センサで検出する信号は、漏洩に伴
って発生した音が、漏洩位置と音響センサ間の距離に応
じた遅れと減衰を伴って検出されるという事実に基づい
て構築されている。
【0003】また、その他の従来技術として、特開昭6
2−255842号公報では、監視領域周辺に設置した
複数の音響センサの検出信号から、監視領域内の仮想音
源点毎の音源強度(明細書では相互相関値と記述)を求
め、監視領域内の音源強度分布のピークの大きさから漏
洩の有無を判別している。すなわち、監視領域内に仮想
音源点kを設定し、以下の式により仮想音源点毎の強度
p(k)を算出し、監視領域内の音源強度のピークの大
きさがあらかじめ設定した値よりも大きい時に漏洩と判
別し、音源強度のピーク位置から漏洩を判別している。
【数1】 但し、p(k)は、仮想音源点における音源強度(相互
相関値)、D{j,t(j,k)+t}は、音響センサ
jの出力信号であり、仮想音源点kと音響センサj間の
伝播時間遅れ分だけ進ませてある、t(j,k)は、仮
想音源点kと音響センサj間の伝播時間、Nは音響信号
のサンプリング数、M(j)は音響センサjの出力信号
の平均値、r(j)は音響センサjの出力信号の標準偏
差、そして、Jは監視に用いる音響センサの数である。
【0004】さらに、特開昭58−200999号公報
では、監視領域周辺に設置した複数の音響センサの検出
信号間のコヒーレンスを用いて、漏洩検出と位置標定を
行うものが示されている。すなわち、監視領域内へ仮想
音源点を設定し、仮想音源点毎にコヒーレンスを求め、
監視領域内のコヒーレンス分布のピークの大きさがあら
かじめ設定した値よりも大きい時に漏洩と判別し、コヒ
ーレンスのピーク位置から漏洩を判別する。なお、この
コヒーレンスも、前述の音源強度とほぼ同様の性質を有
している。
【0005】このように、これらの従来技術では、仮想
音源点毎に音源強度やコヒーレンスを求めれば、漏洩発
生時には漏洩に伴う吹き出し音により、仮想音源点と実
音源音が一致した点で、漏洩に伴うピークが生じること
を前提としていた。しかしながら、監視対象が閉空間や
音響反射体が存在するような複雑な体系では、反射点が
2次音源となり、ピークが複数存在する場合もある(池
上ほか:高速増殖炉蒸気発生器水リーク音響検出法の開
発:石川島播磨技法 VOL.26 P23−P28、
1986年1月)。また、極めて雑音が大きい測定環境
では、漏洩に伴うピークが雑音に埋もれてしまい、ピー
クの判別が困難となる。このような漏洩により生ずる音
源のピークが判然としない場合の漏洩判別については、
上記の従来技術では、十分な対策がなされていない。さ
らに、雑音により複数の強度ピークが監視領域内に出現
している場合には、機械的に最も大きなピークを選択し
て漏洩に伴う異音源の有無を判定する方式では、誤動作
する可能性が高いという欠点がある。
【0006】また、最近公開された特開平7−1339
01号公報では、2つの音響信号間の相互相関値のピー
クから、2つのセンサを結ぶ線上の音源位置を決定する
と共に、明確な記述はないが、そのピークから漏洩の有
無を知ろうとしている。この従来例における工夫点は、
漏洩音が伝播しやすい、すなわち、減衰が少ない位置に
音響センサを配置した点にあり、漏洩音が伝播しやすい
領域に設置した音響センサのみを用いて、音源の有無と
音源位置を判別している。しかしながら、かかる工夫に
よっても、相互相関のピークが判然としないような状況
については考慮されておらず、音源強度分布やコヒーレ
ンス分布のピークが明瞭に判別し得ない場合には、やは
り、誤動作する可能性があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記の従来技術に鑑み、音響監視において、漏洩音
等の異音源の発生の有無を、音源強度分布やコヒーレン
ス分布のピークが明瞭に判別し得ない場合においても、
漏洩音等の異音源の発生を高感度に捉え、誤動作の少な
い発生音源の有無の判別を可能とする改良された音響監
視方法、及び、その装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、まず、
上記の目的を達成するため、監視対象領域の周辺に配置
した複数の音響センサからの出力を用いて、前記監視対
象領域内における発生音源の有無及び当該発生音源の位
置標定を行う音響監視方法において、前記複数の音響セ
ンサからの出力を用いて前記監視対象領域内の複数の仮
想音源点における音源強度を算出し、当該算出した複数
の仮想音源点における音源強度を基に発生音源の位置標
定を行うと共に、当該算出した複数の仮想音源点におけ
る音源強度から音源判別指標を算出し、この音源判別指
標により前記監視対象領域内における発生音源の有無を
判断する音響監視方法が提案される。
【0009】また、本発明によれば、やはり上記の目的
を達成するため、監視対象領域の周辺に配置した複数の
音響センサからの出力を用いて、前記監視対象領域内に
おける発生音源の有無及び当該発生音源の位置標定を行
う音響監視方法において、前記複数の音響センサからの
出力を用いて前記監視対象領域内の複数の仮想音源点に
おけるコヒーレンスの強度を算出し、当該算出した複数
の仮想音源点におけるコヒーレンスの強度を基に発生音
源の位置標定を行うと共に、当該算出した複数の仮想音
源点におけるコヒーレンスの強度から音源判別指標を算
出し、この音源判別指標により前記監視対象領域内にお
ける発生音源の有無を判断する音響監視方法が提案され
る。
【0010】さらに、本発明によれば、上記の目的を達
成するため、監視対象領域の周辺に複数の音響センサを
配置し、これら配置した複数の音響センサからの出力を
用いて、前記監視対象領域内における発生音源の有無及
び当該発生音源の位置標定を行う音響監視装置におい
て、前記複数の音響センサからの出力を用いて前記監視
対象領域内の複数の仮想音源点における音源強度を算出
する高速信号処理手段と、前記高速信号処理手段により
算出された複数の仮想音源点における音源強度を基に発
生音源の位置標定を行うと共に、当該算出した複数の仮
想音源点における音源強度から音源判別指標を算出し、
この音源判別指標により前記監視対象領域内における発
生音源の有無を判断する音響検出手段とを備えた音響監
視装置が提案されている。
【0011】加えて、本発明によれば、やはり上記の目
的を達成するため、監視対象領域の周辺に複数の音響セ
ンサを配置し、これら配置した複数の音響センサからの
出力を用いて、前記監視対象領域内における発生音源の
有無及び当該発生音源の位置標定を行う音響監視装置に
おいて、前記複数の音響センサからの出力を用いて前記
監視対象領域内の複数の仮想音源点におけるコヒーレン
スの強度を算出する高速信号処理手段と、前記高速信号
処理手段により算出された複数の仮想音源点におけるコ
ヒーレンスの強度を基に発生音源の位置標定を行うと共
に、当該算出した複数の仮想音源点におけるコヒーレン
スの強度から音源判別指標を算出し、この音源判別指標
により前記監視対象領域内における発生音源の有無を判
断する音響検出手段とを備えた音響監視装置が提案され
る。
【0012】さらに、本発明によれば、監視対象領域近
傍に配置した複数の音響センサの出力信号から監視領域
内の音源強度分布を算出する手段と、音源強度分布から
その平均値である音源判別指標を演算する手段と、音源
判別指標がしきい値を越えたときに監視領域に音源が生
じたと判断する手段と、からなる音響監視装置が提案さ
れる。
【0013】さらに、本発明によれば、監視対象領域近
傍に配置した複数の音響センサの出力信号から監視領域
内のコヒーレンスの強度分布を算出する手段と、コヒー
レンスの強度分布の平均値である音源判別指標を演算す
る手段と、音源判別指標がしきい値を越えたときに監視
領域に音源が生じたと判断する手段からなる音響監視装
置が提案される。
【0014】さらに、本発明によれば、監視対象領域の
周辺に複数の音響センサを配置し、これら配置した複数
の音響センサからの出力を用いて、前記監視対象領域内
における発生音源の有無及び当該発生音源の位置標定を
行う音響監視装置において、前記複数の音響センサから
の出力を用いて、音源発生を抱えるための第1の音源強
度分布を算出し、発生音源位置を標定するための第2の
音源強度分布を算出する処理手段と、第1の音源強度分
布から漏洩音の発生の有無を判断する手段と、第2の音
源強度分布からその発生位置を標定する手段と、を備え
ると共に、上記処理手段での第1、第2の音源強度分布
の算出に際して使用する、音響信号の周波数もしくは信
号累積時間もしくは両方を第1、第2の音源強度分布そ
れぞれについて別個に設定するものとした設定手段と、
を更に備えてなる音響監視装置が提案される。
【0015】
【発明の実施の形態】先ず本発明の幾つかの考え方を説
明する。本発明になる音響監視方法及び装置において
は、漏洩音等の異音源の発生の有無の判別に監視領域の
音源強度やコヒーレンスの平均値を用い、位置標定では
音源強度のピーク位置情報を用いるものである。
【0016】今、音響信号を捉える2センサ間を結ぶ線
上を音源監視対象領域とした場合、実音源が線上に存在
すると、2センサの検出信号の相互相関のピークは監視
領域の実音源点の位置に生じる。一方、実音源が存在せ
ず検出信号同士が無相関の雑音の場合は、相互相関の値
は、監視領域全体で小さな値となる。従来技術は、この
実音源が生じた場合には、実音源位置に相互相関のピー
クが生じるとの観点から、相互相関のピーの大きさで漏
洩の有無を、ピークの位置から漏洩の位置を判別する。
漏洩検出において相互相関のピーク位置が実音源点位置
と違う位置に生じることは考慮されていない。つまり、
本発明で示すような相互相関のピーク強度が直接反映し
ない相互相関の平均のを漏洩の有無の判断の手がかりに
する論理の展開はなされ得ない。
【0017】本発明では、上記の2センサ間の監視の例
に示すような場合で実音源以外に反射音や雑音がある場
合、相互相関のピークが実音源点以外に存在することも
あり得ることを想定している。つまり、実音源点と相互
相関のピークが一致しない場合でも漏洩検出を可能とす
る。上記の2センサによる音源監視の場合、実音源が存
在せず検出信号同士が無相関の雑音の場合は、相互相関
の値は、監視領域全体で正と負に小さく振れて、監視領
域全体の相互相関の平均はほぼゼロとなる。一方、実音
源、その反射波、雑音が存在する場合、実音源位置、反
射位置、雑音の位相等の関係からたまたま相互相関ピー
クが実音源位置とならない場合でも、2センサの検出信
号同士は相関があるため相互相関の値は監視領域全体で
正の値をとる位置が多くなる。つまり、実音源の存在に
より監視領域の相互相関の値の平均値が増加することに
なる。これにより、実音源位置が不明であっても、音響
信号の相互相関の平均値等の音源の有無を判別するため
の音源識別指標を用いて漏洩検出が可能となる。また、
従来は相互相関ピークの大きさとその位置で音源の有無
と音源位置の両者を同じ相互相関演算処理結果から導か
ざるを得なかったが、本発明では音源の有無と音源位置
標定は例えば音響の周波数範囲を違えた相互相関演算処
理結果から導き出すことが可能になる。尚、本発明にお
いても音源位置は、相互相関のピーク位置から判別す
る。
【0018】上記と同様に、相互相関の値の代わりにコ
ヒーレンスを用いることも可能である。漏洩音等の異音
源の発生の有無の判別手段に監視領域の音源強度やコヒ
ーレンスの平均値を用いることで、雑音が大きい場合や
音の反射体が多く存在して音源強度やコヒーレンスの分
布に明瞭なピークが期待できない場合でも誤動作の少な
い漏洩音等の異音の発生の検出が可能となる。また、音
源強度やコヒーレンスの平均値による漏洩判別手段の採
用により、漏洩音等の異音源の発生の有無を知るための
異音源検出処理と、音源が存在するとしての音源の位置
標定処理をそれぞれ別々に実施可能となる。このため、
異音源発生の検出処理に向いた音響信号処理条件と、位
置標定に向いた処理条件を別々に設定可能となり、個々
の処理をそれぞれ最適化する事が可能となり、システム
全体の性能向上が可能となる。
【0019】以下、本発明の実施の形態について、添付
の図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本発明
の音響監視方法、及び、音響監視装置を、高速増殖炉発
電プラントの蒸気発生器(以下、単に「SG」と称す
る)における水漏洩監視に適用した例を示している。こ
のSG容器胴7は、外形略円筒形状であり、その内部に
は、高温流体であるナトリウムと低温流体である水が通
っている。水は、図中、給水入口配管2を通ってSG容
器胴7の内部に導かれ、さらに、伝熱管3を通った後、
蒸気出口配管4からSG容器胴7の外部に導かれてい
る。一方、ナトリウムは、ナトリウム入口配管6からS
G容器胴7の内部に入り、ナトリウム出口配管8からS
G容器胴7の外部に導かれる。また、図からも明らかな
ように、水が通る上記の伝熱管3は、SG容器胴7の内
部において、螺旋状に設置されており、伝熱管支持構造
体5で支持されている。つまり、ナトリウムと水は、S
G容器胴7の内部において、上記の伝熱管3の壁で隔て
られている。さらに、原子炉運転中のナトリウム圧力は
大気圧より高い程度であるのに対し、上記伝熱管3の内
部の水は高圧である。そのため、この伝熱管3に微細な
亀裂等ができた場合、水はナトリウム側に漏れ出すこと
となり、この時、水の吹き出し音やナトリウムと水の化
学反応に伴う音が発生する。本発明になる実施の形態で
ある音響監視方法、あるいは、音響監視装置は、この漏
洩に伴う音を主に検出し、SG容器胴7内における伝熱
管3からの水の漏洩の有無を判定するものである。
【0020】さらに、図1において、上記SG容器胴7
の外壁には、複数の音響センサ組11〜14が設置され
ている。これらは、上述の伝熱管3からの水の吹き出し
音やナトリウム・水反応音を検出するために設置したも
のであり、なお、これら複数の音響センサ組11〜14
は、それぞれ、図では1個のブロックで示したが、より
詳細には、それぞれの音響センサ組は、複数(本例では
8個)の音響センサを螺旋状に配置して構成されてい
る。これら複数の音響センサ組11〜14の出力信号
は、増幅器110により適当な信号レベルにまで増幅さ
れ、高速信号処理装置300において漏洩検出のための
信号処理のうちの特に演算量の多い部分の処理を行い、
さらに、音響検出装置400では、高速信号処理装置3
00からの演算データと、低速AD変換器(以下、低速
ADC)200を通して得られるプロセス信号及び音響
信号の実行値信号データとを用いて、漏洩の有無の判断
と漏洩位置の標定を行う。
【0021】次に、本発明で用いているSG容器内の音
源強度分布推定法について説明する。まず、音源強度分
布の算出方法について、添付の図2〜図4を参照しなが
ら説明する。図2には、監視領域である外形略円筒形状
のSG容器胴7の断面と、このSG容器胴7の外壁に設
置された複数の音響センサ組11〜14のうちの1つの
音響センサ組11の径方向の取り付け位置が示されてい
る。なお、実際には、これらの音響センサ組11〜14
を構成する多数の音響センサは螺旋状に配置されてお
り、そのため、このSG容器胴7の径方向断面には多く
ても一つのセンサしか見えないが、ここでは説明のた
め、監視用の音響センサ組11を構成する8個の音響セ
ンサ11a〜11hが、同一断面上に配置されているよ
うに示されている。なお、これら8個の音響センサ11
a〜11hは、SG容器胴7の一つの監視領域の外壁上
に螺旋状に配置されており、上記SG容器胴7内の一つ
の監視領域を、これら8個の音響センサで監視すること
となる。
【0022】そして、図29おいて、複数の点で示すよ
うに、SG容器胴7の一つの監視領域内に、複数の仮想
的な音源点(仮想音源点)を配置し、これら仮想音源点
における音源強度レベルを、音響センサ11a〜11h
からの検出信号を用いて算出する。なお、これら仮想音
源点における音源強度の算出は、上記の(数1)の式と
ほぼ同様の手順で求める。
【0023】このことを、さらに図3を用いて、より直
感的に音源強度の算出法を説明する。今、漏洩点から図
3の最上部に示す漏洩音が発生したとすると、各音響セ
ンサ11a〜11hには、漏洩点と音響センサ11a〜
11hの設置位置間の距離に応じた遅れを伴って、図の
グラフに示すような漏洩音(S11a(t)〜S11h
(t))が検出される。一方、各音響センサ11a〜1
1hからの検出信号に、仮想音源点と各音響センサ11
a〜11h間の距離に応じた時間進みを与え、これらを
加算した信号を、ビームフォーミング信号と呼ぶことに
する。すると、このビームフォーミング信号は、仮想音
源点毎に求めることが出来、さらに、この仮想音源点と
漏洩点とが一致した時には、漏洩音が強調し合って大き
な振幅となり(図3の下から2番目の波形を参照)、他
方、一致しない時には、それぞれ打ち消しあって、小さ
な振幅となる。なお、この時には、漏洩音以外の雑音成
分も打ち消しあって小さくなる(図3の最下位置の波形
参照)。このように、このビームフォーミング信号の二
乗の時間平均(音源強度)を、仮想音源点毎にプロット
する事により、音源強度分布が得られる。
【0024】図4は、上記の仮想音源点の強度を、その
周辺の方形領域の強度の代表値であるとしてプロットし
た結果を示したものである。すなわち、この図では、各
方形領域は、その色が黒くなる程、強度レベルが高いこ
とを示している。また、この図からは、仮想音源点の強
度は、漏洩点、すなわち、実音源点において、最もその
強度が高くなっていることが分かる。但し、本発明にお
いては、音源強度分布のピークから位置標定をするとい
う考え方は、上記の従来法と同様であるが、しかしなが
ら、本発明では、漏洩に伴う音源の発生の有無を判別す
る部分に違いがある。
【0025】すなわち、漏洩等により監視領域内に新た
な音源が発生すると、監視領域内での反射に伴う2次的
な音源により、実音源点以外でも強度の大きい部分がで
き、または、周波数によってはピークの形成には寄与し
ないが、強度分布のベースラインを全体的に押し上げる
成分も存在し得る。そこで、本発明では、このような位
置標定には寄与しない成分をも監視して、音源発生の有
無を感度良く捉えようとするものである。
【0026】上述したように、音源強度は、仮想音源点
毎に音響センサ出力信号に仮想音源位置と音響センサ間
距離に相当する時間進みを与えて加算し、その二乗の時
間平均すなわち、ビームフォーミング信号の二乗の時間
平均により求めることが出来る。但し、上記の図2〜図
4の説明は、分かり易さを主眼においた原理説明であ
る。当然、原理通りの信号処理で音響監視装置を実現で
きるが、後述の実施の形態では演算速度等の観点から別
方式で演算を実現している。本発明では、これを実現す
るため、演算ハードウェアは、音響信号の監視周波数範
囲のみを抽出するフィルタと、仮想音源点毎の時間進み
を与える整相演算部分と、演算結果であるビームフォー
ミング信号の二乗平均を演算するパワー演算部と、演算
したパワーの大きさを仮想音源点毎にマッピングするマ
ッピング部とから構成するものである。
【0027】以上、音源強度算出部分の機能と動作につ
いて説明したが、続いて、かかる音源強度算出部分を実
現する実現方法及び手段をも含めて、信号処理部分の動
作及び機能について、以下に詳細に説明する。まず、図
5は、図1の下方に示した音響信号処理部分全体の詳細
なブロック図であり、特に、高速信号処理装置300の
内部構成を詳細に示してある。
【0028】高速信号処理装置300は、音響検出装置
400で実施する音源強度分布算出のための前処理を行
う部分である。上述の音源強度分布推定法の原理説明で
は、音響信号すべてに仮想音源点に相当する時間進みを
与えて、全信号の総和を求め、その二乗和をさらに求め
て音源強度としていた。しかしながら、ここに示す実施
の形態では、この演算の順番が上記原理説明の場合と違
っている。そこで、ここでは、まず、この事の妥当性を
説明する。なお、ここでは、簡単のために、音響センサ
が3個の場合であり、かつ、時間積分繰作を省略し、音
響強度p(k)と音響センサ検出信号D{j,t(j,
t)+t}との関係を以下に示す。
【数2】 この式において、最初の3項(第1項〜第3項)は仮想
音源点の位置によらず一定であるため、強度分布のベー
スレベルの高さを決める。次に、式の第4項〜第6項が
仮想音源点毎に大きさが変化する成分であり、3個の音
響センサからの検出信号のうちの全ての2つの信号の組
合せ(積)からなる。つまり、音源強度分布に影響を与
える項は、2つの音響信号の積の加算となっていること
が分かる。なお、図2〜図4の説明の方法は最初の3項
も含んだ演算を行うことになるので、本実施の形態で示
す結果と全く同一にはならない。
【0029】そこで、本発明の実施の形態においては、
これら音響センサからの全ての信号のうちの2つの信号
の積の計算と、その時間平均の計算までを、高速信号処
理装置300で実施することとしている。そして、この
高速信号処理装置300により高速演算して得られた演
算結果を用い、音響監視装置400では、監視周波数成
分抽出、仮想音源点毎に時間進みを与える演算、2つの
信号の積の総和の演算すなわちマッピング処理により、
音源強度分布を求める。
【0030】次に、図5で示した高速信号処理装置30
0における演算の流れを説明する。既述のように、音響
センサからの検出信号は、増幅器110により所定の信
号レベルまで増幅された後、高速信号処理装置300に
入力される。この高速信号処理装置300では、時々刻
々変化する漏洩監視対象領域の複数の音響信号を、ま
ず、高速ADC310でAD変換し、それを波形メモリ
320内にストアする。なお、この高速ADC310
は、複数の音響信号を同時刻にAD変換することの可能
な、いわゆる、同時サンプリング方式のものである。ま
た、上記の波形メモリ320は、FIFO(先入れ先出
し)と呼ばれるメモリであり、データをストアしなが
ら、同時に、データを読み出すことが出来る構造となっ
ている。
【0031】FFTプロセッサ330では、上記波形メ
モリ320にストアされた複数の音響信号を、あらかじ
め定められた時間幅分だけ読み取って、高速フーリエ変
換し、その結果をFFTメモリ340にストアする。更
に、クロススペクトルプロセッサ350は、いわゆる、
クロススペクトルを演算する機能を有するもので、上記
FFTメモリ340内にメモリされた各音響信号のフー
リエ変換である。複素データ同士の積を演算する。な
お、その組合せ数は、音響センサ数をJ個とすればJ*
(J−1)個となる。なお、上記の本発明の実施の形態
においては、上記(数2)に示した式の第1項〜第3項
は演算していないが、これは、音響強度の分布には効か
ないためである。但し、検出音響全体のレベルを知るに
は適当な量であり、監視領域全体の音響レベルを知るこ
とが必要な場合は、これらの項についても演算すること
になる。
【0032】このクロススペクトルプロセッサ350の
演算結果を、複数のCRメモリ361、362〜36n
にストアする。なお、それぞれのCRメモリ361〜3
6nは、全ての組合せのクロススペクトルをストアでき
るだけのメモリ容量を確保している。すなわち、上記ク
ロススペクトルプロセッサ350は、クロススペクトル
の演算結果を、定められた回数だけCRメモリ内に累積
し、その累積終了後は、次のCRメモリに累積しながら
ストアし、最後のCRメモリ36nへの累積が終わった
時点で、再び、最初のCRメモリ361をクリアして累
積を開始する。そして、このクロススペクトルの累積回
数が、最終的に求める音源強度分布の積分時間と等価で
ある。なお、この例では、積分時間をデフォルトで5秒
に相当する累積回数を与えている。そのため、CRメモ
リ361〜30nの全てのクロクロススペクトルデータ
を用いれば、n*5秒の積分時間の音源強度分布が求め
られることになる。また、この積分時間が大きいほどラ
ンダムな雑音を抑制できる。しかしながら、漏洩検出の
応答時間が遅くなることから、ここでは上記の時間(す
なわち、5秒)に設定してある。
【0033】また、上記の高速信号処理装置300の構
成では、CRメモリを複数準備することにより、積分時
間を選択することが出来るようになっている。さらに、
後述するように、漏洩発生時にCRメモリデータをファ
イリングするようにしているため、オフラインによる漏
洩状況を把握するための詳細評価が、CRメモリを複数
設置することにより実現可能となる。
【0034】さらに、通信制御器370は、音響検出装
置400からの指令に基づいて、上記CRメモリ361
〜36n内のデータを転送すると共に、現在の書き込み
がどのCRメモリに対して行われてるか等の、いわゆ
る、状態管理情報をも音響検出装置400に通知する機
能を有する。
【0035】以上述べたように、高速信号処理装置30
0では、音響センサからの検出信号の全てについて、そ
の2つの音響信号の積であるクロススペクトルまでを演
算することとなる。
【0036】次に、音響検出装置400の動作について
説明する。本例においては、上記の高速信号処理装置3
0Oは、多量の演算処理を短時間で実行可能とするた
め、専用のハードウェア上でその機能の実現を図ってい
るが、この音響検出装置400は、いわゆる、ワークス
テーション上でその機能を実現している。
【0037】このワークステーション上で実行する音響
検出装置400の動作について、図6に示すフローチャ
ートにより説明する。この音響検出装置400は、ま
ず、漏洩検出処理の開始命令により、初期設定動作を行
う(ステップS41)。この初期設定動作は、各種バッ
ファの初期化、上記高速信号処理装置300や低速AD
C200への起動指令、さらには、漏洩検出や位置標定
それぞれに必要な信号取り込み時間幅、サンプリング周
波数、しきい値の設定等である。その後、起動時には、
漏洩判別のためのデータであるクロススペクトルの演算
終了、すなわち、データ蓄積時間を待ち(ステップS4
2)、データ蓄積が完了すると、クロススペクトルデー
タと同時刻の音響信号の実効値、及び、プロセスデータ
を低速ADC200を介して取り込み(ステップS4
3)、さらに、高速信号処理装置300のCRメモリ3
61〜36nからクロススペクトルデータを取り込む
(ステップS44)。
【0038】続いて、クロススペクトルデータのあらか
じめ設定した周波数範囲のデータを用いてマッピングを
行う(ステップS45)。この時、仮想音源点の集合か
らなる仮想音源領域への音源強度のマッピングは、クロ
ススペクトルデータを用いて行う。ここで、本例のマッ
ピングのべ一スとなる演算内容を簡単に説明すると、
今、音響信号1、2のクロススペクトルをQ1、2(f)
とし、2つのセンサの組み合わせで得られる仮想音源点
の強度をp1、2(k)とすると、以下の関係が得られ
る。
【数3】 ここで、fは周波数、f1、f2は監視周波数の下限と上
限であり、iは虚数、τ1,2kは、kを仮想音源とした時
の音響センサ間の音響伝播時間差である。(数3)は2
信号の場合である。8信号の場合は、Q1、2、Q1、3…の
計56個のクロススベクトルの総和をとり、センサ数J
の二乗で割ることにより強度p(k)を求めている。
【0039】次に、音源強度分布の平均算出(ステップ
S46)は、上記の強度p(k)を、監視領域内すべて
の値について平均をとることで行う。但し、電気雑音が
ある場合には、(イ)全ての音響センサから等距離の位
置に疑似的な強度ピークが発生しやすいこと、(ロ)本
実施の形態のSG容器7の中央部では本来音源がないこ
と、(ハ)特定の位置で流動等に伴う音源が定常的に存
在する可能性があることから、本例においては、監視領
域のうちの特定の領域を、この平均値算出に際して除け
るようにしてある。さらに、無相関パワーは、検出音響
信号の大きさによる音源強度の変化を補正するため、取
り込み済みの音響信号実効値から算出する(ステップS
47)。なお、この無相関パワーは、上記(数2)式で
示した第1項〜第3項と同じ意味を持つ。また、音響セ
ンサjの実効値をRMSjとすると、この無相関パワp
rは、
【数4】 のように求めることができる。
【0040】続いて、漏洩の有無を判別するための漏洩
指標は、上記の音源強度平均と無相関パワーとの比(音
源強度平均/無相関パワー)として求める(ステップS
48)。但し、定格運転状態のプラントの変動が小さい
ような場合や、漏洩音に比べて雑音が大きくかつ雑音の
時間的な変動が大きくないような場合には、無相関パワ
ーとの比ではなく、平均値のみとしても良い。そして、
この漏洩指標が運転状態に応じてどのように変化してい
るか、後日におけるオフライン評価のため、この求めた
漏洩指標の値を、その他、時間やプロセスデータ値など
と共に記録しておく(ステップS49)。
【0041】次に、上記で求めた漏洩指標が、現プラン
ト状態において、正常であるか、あるいは、漏洩の兆候
を示してしいるかを、あらかじめ設定してある運転状態
毎のしきい値と比較し(ステップS50)、それに基づ
き、漏洩が発生しているか否かを判断する(ステップS
51)。ここで、漏洩発生と判断できる程に漏洩指標が
大きければ(「YES」の場合)、警報や停止操作信号
を発生すると共に、関連情報の表示やファイリングを実
施する(ステップS52)。これに対し、漏洩指標が小
さけれぱ漏洩なし(「NO」)と判断して、上記ステッ
プ43へ戻り、漏洩検出のための上記の処理を引き続き
実行する。
【0042】ところで、運転状態のうち、SG容器7の
壁の音響特性に関連する主なプロセス量として、冷却水
量、Na流量、Na温度等がある。これらはSG容器7
内の音響伝播特性や雑音発生レベルに影響する量であ
る。本実施の形態においては、これらのプロセス量に応
じてしきい値の変更を行う。なお、SG容器7外からS
G容器7に伝播し変動する音として、例えば2次系循環
ポンプ音や周辺機器の起動・停止・運転等の状態変更、
周辺配管の流動蒸気等の流れの変化等が考えられる。よ
って、これらの外部音源発生部の運転状態変化を示すア
ナログ信号やデジタル信号を基にしきい値を変化させる
ことも可能である。
【0043】上記の図6では、前記ステップS52にお
ける警報発生の以前の処理が、いわゆる、漏洩判別処理
の部分であり、それ以降は、漏洩位置確定のための処理
部分である。以下には、この漏洩位置確定のための処理
部分について詳細に説明する。まず、警報発生後、あら
かじめ定められた時間、クロススペクトルデータの蓄積
待ちを行う(ステップS53)。これは、位置標定演算
において、データ量が多い程、原理的には、位置標定の
精度を向上することが可能であるからであり、但し、警
報発生以降には、プラント停止操作が行われることにな
るので、この待ち時間は短特間である。
【0044】次に、位置標定のためのクロススペクトル
データを、高速演算処理装置300から読み取る。ここ
で、上記の高速演算処理装置300は停止せずにクロス
スペクトルデータの累積処理を行っているので、現在書
き込み中の一つ手前のCRメモリからあらかじめ設定し
てある数、すなわち、複数のCRメモリのストアデータ
を読み込むこととなる(ステップS54)。なお、これ
ら読み込んだデータの中に、漏洩判別に用いられたタイ
ミングのクロススペクトルデータが含まれているのは勿
論である。
【0045】ところで、上記高速演算処理装置300の
CRメモリ361〜36nに各々ストアされているクロ
ススペクトルデータは、それぞれ、別時刻で得たデータ
てあり、そのため、マッピングにより音源強度分布の時
間的な推移の検討に用いることが可能である。そこで、
これらCRメモリから読み込んだデータを、一旦、ファ
イリングしておく。また、位置標定のため、上記複数の
CRメモリから読み込んだクロススぺクトルデータを累
積して、一つのクロススペクトルデータとする(ステッ
プS55)。
【0046】その後、この累積したクロスペクトルデー
タを用い、あらかじめ設定してある位置標定に有効な周
波数成分のみを用いて音源強度のマッピングを、漏洩判
別処理の場合と同様に実施する(ステップS56)。さ
らに、得られた監視領域の音源強度分布から強度ピーク
値の検索を行う(ステップS57)。この検索において
は、定常的に強度ピークが大きい位置や、SG容器7の
中央部は検索対象領域から除いている。その後、検素し
たピーク位置を実機の寸法に換算し、ピーク位置を漏洩
点として実座標に変換する(ステップS58)。最後
に、位置評定結果、この位置標定のための音源強度分
布、必要な関連情報の表示、及ぴ、ファイリングを行い
(ステップS59)、処理を終了する。
【0047】ところで、漏洩に伴って発生する音が、す
べて、強度分布のピークに奇与するわけではない。例え
ば、伝熱管4から水が噴き出した場合、ジェット音だけ
ではなく、このジェットが近隣の伝熱管3やパイプサポ
ート5等の構造物に衝突して構造物自体から音が発生し
たり、さらには、構造物がさらに他の構造物と衝突して
音が発生することも考えられる。しかしながら、これら
の衝突音は、漏洩時のジェット音とは発生原理が異なる
ため、漏洩音の周波数成分とに違いがある。さらに、容
器と同等程度以下の波長の音響は、強度分布のピークの
生成に寄与しない。しかし、漏洩判別においては、これ
らの音響もまた漏洩判別指標の増大に寄与する。
【0048】このため、本発明においては、漏洩判別と
漏洩位置標定を別の系統とし、これにより、漏洩判別、
位置標定を、それぞれ、その監視周波数や強度分布算出
のための平均時間を別々に設定できるようにしてある。
つまり、漏洩判別のためのマッピング処理と、位置標定
のためのマッピング処理は周波数範囲、平均時間に違い
を持たせ、それぞれ、最適化を図っている。なお、図6
で示したように、位置標定は通常処理では実施せず、漏
洩発生後やオンデマンドで実施するが、このオンデマン
ドでの処理も上記と同等に行うので、図6には示してい
ない。
【0049】このように、漏洩判別と位置標定とを別系
統で実施する場合の上記の他の利点として、信号処理に
要する演算時間がある。従来のピークの大きさから漏洩
を捉える位置標定と漏洩検出とを同時に行なう方法で
は、要求する位置標定精度よりも仮想音源点間の距離は
小さい必要があった。このため、漏洩監視のため仮想音
源点数に依存した演算量を処理可能な信号処理装置を用
意する必要があった。しかし、これに対して、本発明で
は、仮想音源点の数は位置標定の精度とは無開係に、漏
洩検出感度を所望の値にするように決めればよいため、
結果的に、信号処理装置に要求される性能は従来に比較
して低くて済む。また、漏洩判別後の位置標定の演算に
おいては、当然、従来程度の仮想音源点密度が要求され
る。しかしながら、応答時間の制約が少ないため、信号
処理装置性能は、ほとんど漏洩判別系で決めることが出
来る。
【0050】以上、本発明の実施の形態になる音響監視
装置の構成及びその機能について説明したが、次に、本
発明で用いている漏洩指標の有効性について、以下に説
明する。強度分布の平均値を用いる場合の漏洩検出性能
を、2個の音響センサを用いて評価した結果について、
添付の図7〜図10を用いて説明する。
【0051】まず、図7〜図9は、2個の音響センサを
3m離して配置し、模擬的に漏洩音や雑音を発生し、音
源強度分布を仮想音源点毎にプロットした結果である。
なお、音源はこれらセンサの間の中央部にある。そし
て、図7は、反射音や雑音が無い場合であり、極めて良
好に中央部に音源が存在することが分かる。今、従来の
漏洩監視法と同様に、漏洩の有無の判別のしきい値を強
度ピークレベル0.05とし、ピーク位置が漏洩位置だ
と判断することとする。すると、この図7の例では、問
題なく漏洩判別、及ぴ、漏洩位置の標定が可能である。
【0052】次に、図8は、漏洩音に、雑音と漏洩音の
一部が途中で反射した反射音を混入させた場合の結果で
ある。この場合にも、漏洩の有無、及ぴ、漏洩位置は正
しく判定できる。
【0053】さらに、図9は、上記図8より更に雑音レ
ペルを大きくした場合であり、強度ピークは中央ではな
く、それよりやや左寄りに現れている。この場合には、
結果的に、漏洩は正しく判別できているが、しかしなが
ら、位置標定の結果は正しくない。この場合には、中央
左寄りに現れているピークは雑音により発生しており、
漏洩音がない場合でもピークを有することとなるため、
従来法では漏洩検出の誤動作は避け難いことが分かる。
【0054】これに対して、図10は、本発明により提
案された漏洩指標(すなわち、強度分布の平均値を音響
信号の実効値の二乗和で規格化した値)を、雑音のレベ
ルに応じてプロットした結果である。このグラフからも
明らかなように、本発明の漏洩指標によれば、漏洩音が
ある場合と、漏洩音が無い場合とで、明確に違ってお
り、強度ピークが不明瞭であっても、漏洩の有無を正碓
に判別することが可能であることが分かる。これは、単
なる雑音の場合、強度は正側にも負側にも振れるのに対
し、漏洩音やその反射音の場合には、平均的には正側に
振れるという、信号処理上の知見を用いたものである。
【0055】なお、従来法でも、音源強度分布のピーク
の大きさが音源強度分布の平均値に比べてどの程度大き
いかで判定することもあった。しかしながら、これも、
やはり、雑音が大きくなると、ピークレベルが雑音と音
源強度ピークとが重畳して現れるため、見かけ上、ピー
クも雑音の大きさで変化するので、これを補正して誤動
作を防ごうとの考え方からなされた工夫である。つま
り、従来技術の漏洩判別方法においては、ピークレベル
が主であり、平均値は従と考えられていた。
【0056】一方、本発明では、音源強度分布の平均値
そのものが漏洩の有無で変化するという知見からなって
いる。この平均レベルは、相関性の雑音が存在する場合
には、雑音の大きさでも変化する。このような場合の誤
動作防止のため、上記の実施の形態においては、音源強
度分布の平均値を各音響センサの振幅の二乗和で補正し
ている。
【0057】以上、強度分布の平均を漏洩指標として用
いる場合の有効性について説明した。また、上記の実施
の形態では、音響センサ組11〜14を構成する複数の
音響センサについては、SG容器胴7の外壁に螺旋状に
配置するものとして説明したが、これらの配置は螺旋状
だけに限定されるものではなく、原理的には、監視する
音源を取り囲む形であれば良い。さらに、上記の実施の
形態では、漏洩の有無の判断を、漏洩判定指標とあらか
じめ設定したしきい値との比較により実施しているが、
これに代えて、強度分布の平均値と無相関パワーの相互
の関連を、あらかじめ設定した正常時の強度分布と無相
関パワの関連と比較することによっても、漏洩判別は可
能である。
【0058】また、上記の実施の形態では、演算量の観
点からクロススペクトルを用いる方法を採用している。
しかしながら、監視領域の強度が、実音源点と仮想音源
点と一致した時に大きく、それ以外では小さくなるよう
な強度の算出方法は、他にもあり、例えば、相互相関関
数を用いる方法、あるいは、上記の従来技術の部分で説
明したコヒーレンス(従来技術で示した公知例を参照。
また、コヒーレンスそのものは、「スペクトル解析」日
野幹雄、朝倉書店、1993年9月を参照)を用いる方
法等である。この相互相関関数を用いる方法によれば、
本実施の形態になるクロススペクトルによる演算方法
を、時間領域で計算したものとほぼ同様である。また、
上記コヒーレンスによる方法は、マッピングに際して、
クロススペクトルをそれぞれの音響センサ出力のオート
パワーで規格化する点に違いがある。しかしながら、こ
れらの方法による強度の演算を行っても、ほぼ同様の監
視性能が得られるのは勿論である。
【0059】さらに、本発明は、上記の実施の形態によ
り示した高速増殖炉発電プラントの蒸気発生器(SG)
における音響式の水漏洩監視装置にのみ限定されるもの
ではなく、その他、監視領域内の音源の有無や音源位置
標定等に用いることが出来る。例えば、複数の音響セン
サを容器外壁に備えて、先の信号処理装置を備えること
で、ガス絶縁開閉器の内部の導電性微小異物の存在が起
因する部分放電音や異物の飛び跳ねに伴う衝突音を捉え
る異物監視への適用、油変圧器等の複雑構造物賀内部に
存在する内部の放電音等の音響の検出へも適用可能であ
る。さらに、プラント内の機器・配管等が設置された部
屋に複数の音響センサ(いわゆるマイクロホン)を分散
配置し、明細書に備えた信号処理装置を備えることで部
屋内の機器の起動の有無や配管漏洩検出等の機能を有す
るプラント音響監視装置への適用も可能である。
【0060】以上説明した本実施の形態における特有の
効果としては、下記の点が挙げられる。 (1)漏洩判別と位置標定を別々に処理する事が可能と
なるため、それぞれ、監視周波数範囲や強度分布算出の
ための平均時間を設定できる事になり、漏洩判別及び位
置標定性能の向上が図られ、音響監視装置の性能を向上
できる効果がある。 (2)漏洩判別と位置標定を別々に処理する事が可能と
なり、通常の監視時には仮想音源点の配置密度を必ずし
も高くしなくとも良く、漏洩判別処理のみでも監視目的
を達成できるため、ピークの大きさで漏洩の有無を判別
する従来法よりも信号処理量を低減することができ、漏
洩検出の応答性の向上、すなわち、漏洩監視装置の性能
向上を図る効果がある。 (3)漏洩判別と位置標定を別々に処理する事が可能と
なり、通常の監視時には仮想音源点配置密度を必ずしも
高くしなくとも良く、漏洩判別処理のみでも監視目的を
達成できるため、ピークの大きさで漏洩の有無を判別す
る従来法よりも信号処理量を低減でき、もって、漏洩検
出装置の装置の規模の低減が可能となり、装置の経済性
を向上することが出来るという効果がある。 (4)強度分布の平均値の算出において、監視領域の中
央部を平均値算出の対象外としてあるので、各音響セン
サにほとんど位相差無しで混入する電気ノイズ等の雑音
の影響を受けないようにできるため、漏洩検出の高感度
化が達成でき、漏洩検出器としての性能向上を可能にす
る効果がある。 (5)音源強度分布の計算を周波数領域で計算し、か
つ、演算量の多いクロススペクトルまでの算出を、漏洩
判別部、及び、位置標定部により共通で計算する装置構
成とすることで、計算量の低減を図り、これにより、装
置規模の低減による経済性向上の効果を実現している。 (6)スペクトルデータを累積するCRメモリを複数備
えることにより、漏洩後にも漏洩検出前後の音源強度分
布の時間変化を評価出来るようになり、そのため、漏洩
監視装置の機能が増えることとなり、装置性能の向上を
図る効果がある。
【0061】
【発明の効果】以上にも詳細に述べたように、本発明に
なる音響監視方法及びその装置によれば、音源強度分布
のピークが判然としない場合においても、発生音源の有
無検出の高感度化が可能となり、音源の発生の有無を正
確に判別できることから、信頼性の高い音源発生の検出
が可能となり、これにより、プラント運転等の信頼性の
向上を図ることが可能になるなどの優れた効果を達成す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響監視方法を実施する音響監視装置
を、高速増殖炉発電プラントの蒸気発生器における水漏
洩監視に適用した例を示す概略構成図である。
【図2】上記音響監視装置における音響センサの配置と
仮想音源点の設定の例を示す説明図である。
【図3】上記音響監視装置における、複数点の音響信号
を用いる音源強度算出法の原理をを説明する信号波形図
である。
【図4】上記音響監視装置における音源強度分布の一例
を示す図である。
【図5】上記音響監視装置における音響信号処理部分全
体の詳細なブロック図である。
【図6】上記音響監視装置における音響検出装置の詳細
な動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明で用いる漏洩指標の有効性を説明するた
め、漏洩音が直接波のみの場合の2つの音響センサによ
る音源強度分布を示すグラフである。
【図8】やはり、本発明の漏洩指標の有効性を説明す
る、漏洩音が直接波と反射波で混入雑音が小さい場合
の、2つの音響センサの音源強度分布を示すグラフであ
る。
【図9】さらに、本発明の漏洩指標の有効性を説明す
る、漏洩音が直接波と反射波で混入雑音が大きい場合
の、2つの音響センサによる音源強度分布を示すグラフ
である。
【図10】本発明の漏洩指標による、混入雑音に対する
漏洩判別指標の値をプロットしたグラフである。
【符号の説明】
7 SG容器胴 11〜14 音響センサ組 110 増幅器 200 低速ACD 300 音響検出装置 310 高速ACD 320 波形メモリ 330 FFTプロセッサ 340 FFTメモリ 350 クロススペクトルプロセッサ 361〜36n CRメモリ 370 通信制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏倉 潤 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 監視対象領域の周辺に配置した複数の音
    響センサからの出力を用いて、前記監視対象領域内にお
    ける発生音源の有無及び当該発生音源の位置標定を行う
    音響監視方法において、前記複数の音響センサからの出
    力を用いて前記監視対象領域内の複数の仮想音源点にお
    ける音源強度を算出し、当該算出した複数の仮想音源点
    における音源強度を基に発生音源の位置標定を行うと共
    に、当該算出した複数の仮想音源点における音源強度か
    ら音源判別指標を算出し、この音源判別指標により前記
    監視対象領域内における発生音源の有無を判断すること
    を特徴とする音響監視方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した音響監視方法におい
    て、前記音源判別指標は、前記監視対象領域内における
    複数の仮想音源点における音源強度の平均により算出す
    ることを特徴とする音響監視方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した音響監視方法におい
    て、前記音源判別指標は、前記監視対象領域内における
    複数の仮想音源点における音源強度の平均により算出さ
    れる平均値と、前記音源強度の算出に用いた各音響信号
    の実効値の二乗和である無相関パワーとの比により算出
    することを特徴とする音響監視方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載した音響監
    視方法において、前記算出した音源判別指標を、所定の
    しきい値に比較して、前記監視対象領域内における発生
    音源の有無を判断することを特徴とする音響監視方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した音響監視方法におい
    て、前記しきい値は、その値を、前記監視対象領域を含
    むプロセス量に応じて変化することを特徴とする音響監
    視方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載した音響監視方法におい
    て、算出した前記監視対象領域内の複数の仮想音源点に
    おける音源強度のピーク位置を検索して、前記発生音源
    の位置標定を行うことを特徴とする音響監視方法。
  7. 【請求項7】 監視対象領域の周辺に配置した複数の音
    響センサからの出力を用いて、前記監視対象領域内にお
    ける発生音源の有無及び当該発生音源の位置標定を行う
    音響監視方法において、前記複数の音響センサからの出
    力を用いて前記監視対象領域内の複数の仮想音源点にお
    けるコヒーレンスの強度を算出し、当該算出した複数の
    仮想音源点におけるコヒーレンスの強度を基に発生音源
    の位置標定を行うと共に、当該算出した複数の仮想音源
    点におけるコヒーレンスの強度から音源判別指標を算出
    し、この音源判別指標により前記監視対象領域内におけ
    る発生音源の有無を判断することを特徴とする音響監視
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載した音響監視方法におい
    て、前記音源判別指標は、前記監視対象領域内における
    複数の仮想音源点におけるコヒーレンスの強度の平均に
    より算出することを特徴とする音響監視方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載した音響監視方法におい
    て、前記算出した音源判別指標を、所定のしきい値に比
    較して、前記監視対象領域内における発生音源の有無を
    判断することを特徴とする音響監視方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載した音響監視方法にお
    いて、算出した前記監視対象領域内の複数の仮想音源点
    におけるコヒーレンスの強度のピーク位置を検索して、
    前記発生音源の位置標定を行うことを特徴とする音響監
    視方法。
  11. 【請求項11】 監視対象領域の周辺に複数の音響セン
    サを配置し、これら配置した複数の音響センサからの出
    力を用いて、前記監視対象領域内における発生音源の有
    無及び当該発生音源の位置標定を行う音響監視装置にお
    いて、前記複数の音響センサからの出力を用いて前記監
    視対象領域内の複数の仮想音源点における音源強度を算
    出する処理手段と、前記処理手段により算出された複数
    の仮想音源点における音源強度を基に発生音源の位置標
    定を行うと共に、当該算出した複数の仮想音源点におけ
    る音源強度から音源判別指標を算出し、この音源判別指
    標により前記監視対象領域内における発生音源の有無を
    判断する音響検出手段とを備えたことを特徴とする音響
    監視装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載した音響監視装置に
    おいて、前記音響検出手段は、さらに、前記監視対象領
    域内における複数の仮想音源点における音源強度の平均
    により前記音源判別指標を算出する手段を備えているこ
    とを特徴とする音響監視装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載した音響監視装置に
    おいて、前記音響検出手段は、さらに、前記監視対象領
    域内における複数の仮想音源点における音源強度の平均
    により算出される平均値と、前記音源強度の算出に用い
    た各音響信号の実効値の二乗和である無相関パワーとの
    比により前記音源判別指標を算出する手段を備えている
    ことを特徴とする音響監視装置。
  14. 【請求項14】 請求項12又は請求項13に記載した
    音響監視装置において、前記音響検出手段は、発生音源
    の有無を判断するためのしきい値を発生する手段と、前
    記算出した音源判別指標を、前記しきい値発生手段から
    のしきい値に比較し、前記監視対象領域内における発生
    音源の有無を判断する比較手段を備えていることを特徴
    とする音響監視装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載した音響監視装置に
    おいて、前記音響検出手段の前記発生音源の有無を判断
    するためのしきい値を発生する前記しきい値発生手段
    は、前記監視対象領域を含むプロセス量に応じて変化さ
    せることを特徴とした音響監視装置。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載した音響監視装置に
    おいて、前記音響検出手段は、算出した前記監視対象領
    域内の複数の仮想音源点における音源強度のピーク位置
    を検索して、前記発生音源の位置標定を行う手段を備え
    ていることを特徴とする音響監視装置。
  17. 【請求項17】 請求項11に記載した音響監視装置に
    おいて、前記音響検出手段は、前記高速信号処理手段よ
    り算出された複数の仮想音源点における音源強度を基に
    マッピングを行う手段を備えていることを特徴とする音
    響監視装置。
  18. 【請求項18】 請求項11に記載した音響監視装置に
    おいて、前記高速信号処理手段は、前記複数の音響セン
    サからの出力の二乗平均により、前記複数の仮想音源点
    における音源強度の算出を行う手段を備えていることを
    特徴とする音響監視装置。
  19. 【請求項19】 請求項11に記載した音響監視装置に
    おいて、前記高速信号処理手段は、さらに、前記複数の
    仮想音源点における音源強度の算出を、前記複数の音響
    センサからの出力の全てについて、それぞれ異なる2つ
    だけの信号の積の総和により行うクロススペクトルプロ
    セッサを備えていることを特徴とする音響監視装置。
  20. 【請求項20】 監視対象領域の周辺に複数の音響セン
    サを配置し、これら配置した複数の音響センサからの出
    力を用いて、前記監視対象領域内における発生音源の有
    無及び当該発生音源の位置標定を行う音響監視装置にお
    いて、前記複数の音響センサからの出力を用いて前記監
    視対象領域内の複数の仮想音源点におけるコヒーレンス
    の強度を算出する処理手段と、前記処理手段により算出
    された複数の仮想音源点におけるコヒーレンスの強度を
    基に発生音源の位置標定を行うと共に、当該算出した複
    数の仮想音源点におけるコヒーレンスの強度から音源判
    別指標を算出し、この音源判別指標により前記監視対象
    領域内における発生音源の有無を判断する音響検出手段
    とを備えたことを特徴とする音響監視装置。
  21. 【請求項21】 請求項11又は20の音響監視装置に
    おいて、上記音源判別指標の算出に際し、監視領域内の
    中から除外すべき領域を設定するものとした音響監視装
    置。
  22. 【請求項22】 請求項21の音響監視装置において、
    上記除外すべき領域とは、全ての音響センサから等距離
    にある領域、音源が本来的に発生しにくい領域、本来的
    に音源が存在する領域の内の少なくとも1つとする音響
    監視装置。
  23. 【請求項23】 監視対象領域近傍に配置した複数の音
    響センサの出力信号から監視領域内の音源強度分布を算
    出する手段と、音源強度分布からその平均値である音源
    判別指標を演算する手段と、音源判別指標がしきい値を
    越えたときに監視領域に音源が生じたと判断する手段
    と、からなる音響監視装置。
  24. 【請求項24】 請求項23の音響監視装置において、
    演算する音源判別指標とは音源強度分布の平均値と強度
    分布算出に用いた各音響信号の実効値の二乗の総和であ
    る無相関パワとの比を用いたことを特徴とする音響監視
    装置。
  25. 【請求項25】 監視対象領域近傍に配置した複数の音
    響センサの出力信号から監視領域内のコヒーレンスの強
    度分布を算出する手段と、コヒーレンスの強度分布の平
    均値である音源判別指標を演算する手段と、音源判別指
    標がしきい値を越えたときに監視領域に音源が生じたと
    判断する手段からなる音響監視装置。
  26. 【請求項26】 監視対象領域の周辺に複数の音響セン
    サを配置し、これら配置した複数の音響センサからの出
    力を用いて、前記監視対象領域内における発生音源の有
    無及び当該発生音源の位置標定を行う音響監視装置にお
    いて、前記複数の音響センサからの出力を用いて、音源
    発生を抱えるための第1の音源強度分布を算出し、発生
    音源位置を標定するための第2の音源強度分布を算出す
    る処理手段と、第1の音源強度分布から漏洩音の発生の
    有無を判断する手段と、第2の音源強度分布からその発
    生位置を標定する手段と、を備えると共に、上記処理手
    段での第1、第2の音源強度分布の算出に際して使用す
    る、音響信号の周波数もしくは信号累積時間もしくは両
    方を第1、第2の音源強度分布それぞれについて別個に
    設定するものとした設定手段と、を更に備えてなる音響
    監視装置。
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