JPH09264803A - 線状テンション材の張力測定装置 - Google Patents

線状テンション材の張力測定装置

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JPH09264803A
JPH09264803A JP7640796A JP7640796A JPH09264803A JP H09264803 A JPH09264803 A JP H09264803A JP 7640796 A JP7640796 A JP 7640796A JP 7640796 A JP7640796 A JP 7640796A JP H09264803 A JPH09264803 A JP H09264803A
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JP
Japan
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tension
linear tension
linear
displacement amount
spring
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JP7640796A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Kurashige
正義 倉重
Toru Yamamoto
徹 山本
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Neturen Co Ltd
Original Assignee
Neturen Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】施工後であっても、線状テンション材の張力を
測定することができる線状テンション材の張力測定装置
を提供すること。 【解決手段】線状テンション材2に荷重を加えて曲げ応
力を付与する曲げ応力付与手段3と、この曲げ応力付与
手段3で付与された曲げ応力に対応する線状テンション
材2の変位量を計測する変位量計測手段4とを備え、線
状テンション材2に曲げ応力を付与する際に加える荷重
と線状テンション材2の変位量とから線状テンション材
2の張力を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒鋼からなる線状
テンション材の張力を測定する線状テンション材の張力
測定装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】建築分野や土木分野では、張弦梁等の鉄筋
構造材として、棒鋼をはじめとする各種線状テンション
材が利用されている。この線状テンション材は、鉄筋施
工後にあっては、その長手方向に沿って張力が生じる構
造である。線状テンション材に生じる張力が大きすぎる
と、鉄筋構造物が破損等する虞れがあるため、この張力
を管理することは、鉄筋構造上、重要なことである。
【0003】そのため、線状テンション材の張力を測定
することが従来より行われている。線状テンション材の
張力を測定する従来例として、線状テンション材の表面
に貼付された歪みゲージで線状テンション材の歪み量を
検出し、この歪み量の変化から線状テンション材の張力
を求める方法や、施工前後の線状テンション材の長さを
比較して線状テンション材の張力を求める方法や、油圧
式の荷重計を用いて施工前後の線状テンション材に生じ
る荷重値の差から線状テンション材の張力を求める方法
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来例では、い
ずれもが施工前後の線状テンション材の状態変化を測定
する必要があり、既に施工された後では、施工前の線状
テンション材の状態が計測できないため、線状テンショ
ン材の張力を測定することが不可能となる。建築現場等
では、線状テンション材を施工した後に、その線状テン
ション材の張力を測定したい場合があるので、各従来例
では、不都合が生じる。
【0005】本発明の目的は、施工後であっても、線状
テンション材の張力を測定することができる線状テンシ
ョン材の張力測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、線
状テンション材に曲げ応力を付与する際に加える荷重
と、この荷重で湾曲した線状テンション材の変位量とか
ら線状テンション材の張力を求めて前記目的を達成しよ
うとするものである。具体的には、本発明の線状テンシ
ョン材の張力測定装置は、長手方向に引張力が加わった
線状テンション材の張力を測定する装置であって、前記
線状テンション材に荷重を加えて曲げ応力を付与する曲
げ応力付与手段と、この曲げ応力付与手段で付与された
曲げ応力に対応する前記線状テンション材の変位量を計
測する変位量計測手段とを備え、前記線状テンション材
に曲げ応力を付与する際に加える荷重と前記線状テンシ
ョン材の変位量とから線状テンション材の張力を求める
ことを特徴とする。
【0007】本発明では、長手方向に引張力が加わった
線状テンション材に曲げ応力付与手段で荷重を加えると
線状テンション材は湾曲する。湾曲した線状テンション
材の変位量を変位量計測手段、例えば、デプスゲージ、
ノギス、マイクロメータ等で計測する。この変位量、線
状テンション材に加える荷重並びに線状テンション材の
引張力は、それぞれ相関関係にあり、これらの関係を示
すデータを予め実験で求めておく。測定によって、変位
量及び線状テンション材に加える荷重が定まれば、施工
後であっても、線状テンション材に生じる引張力が求め
られる。
【0008】ここで、本発明では、前記曲げ応力付与手
段は、前記線状テンション材の長手方向に沿って配置さ
れる長尺状の本体と、この本体に配置され前記線状テン
ション材の長手方向に離れた第1の位置と第2の位置と
をそれぞれ保持する一対の保持機構と、前記本体に設け
られ前記線状テンション材の前記第1の位置と第2の位
置の中間位置に前記線状テンション材の長手方向と交差
する方向へ荷重を付与する荷重付与機構とを備えた構成
としてもよい。
【0009】この構成では、線状テンション材の第1の
位置及び第2の位置を保持機構で保持した状態で荷重付
与機構によって線状テンション材の中間位置に荷重を付
与するので、線状テンション材に確実に曲げ応力を付与
できることになり、正確な引張力のデータを得ることが
できる。
【0010】また、前記荷重付与機構は、前記本体に設
けられたケーシングと、このケーシングの内部に配置さ
れ前記線状テンション材に近接離隔可能とされたロッド
と、このロッドの一端部に設けられ前記線状テンション
材を保持する保持機構と、前記ロッドの他端部と前記ケ
ーシングとに係止され前記線状テンション材をその長手
方向と交差する方向へ付勢するばね部材と、このばね部
材を変位させて規定のばね力を付与するばね力付与手段
と、前記ばね部材の変位量を計測するばね部材変位量計
測手段とを備えた構成としてもよい。
【0011】この構成では、ばね力付与手段を作動して
ばね部材を変位すると、ばね部材にばね力が生じ、この
ばね力によって線状テンション材がロツド及び保持機構
を介してその長手方向と交差する方向に付勢される。す
ると、線状テンション材に荷重が付与されることにな
り、線状テンション材が湾曲する。この時のばね部材の
変位量はばね部材変位量計測手段で計測される。従っ
て、ばね部材は、そのばね力と変位量とが比例すること
から、ばね部材変位量計測手段でばね部材の変位量を管
理することにより、ばね部材のばね力、つまり、線状テ
ンション材に加わる荷重を正確に測定することができる
ことになり、正確な引張力のデータを得ることができ
る。
【0012】さらに、前記ばね力付与手段は、前記ロッ
ドの他端部に設けられた雄ねじに螺合されるナット部材
を備え、前記ばね部材変位量計測手段は、前記ナット部
材と前記ばね部材との間に配置され規定のばね力を付与
するために必要な前記ばね部材の変位量と同じ厚さ寸法
を有するスペーサを備えた構成としてもよい。
【0013】この構成では、ナット部材をロッドの他端
部の雄ねじにねじ込むことにより、ばね部材がスペーサ
を介して変位するが、スペーサの厚さ分だけナット部材
でスペーサを移動させれば、規定の荷重(例えば、100k
gf)を線状テンション材に付与できる。加える荷重の規
定値が線状テンション材の太さ等により相違するため、
各規定値に応じた厚さのスペーサを複数用意することに
より、複数の荷重の規定値を生じさせることができる。
従って、電気や圧縮空気等を使用することなく、簡易に
線状テンション材の張力を測定することができる。
【0014】前記保持機構は、前記線状テンション材が
収納可能な開口部が形成されたU型部材と、このU型部
材の開口先端側に着脱自在に設けられた駒部材と、この
駒部材に螺合され前記線状テンション材を前記U型部材
の開口基端側に押圧するねじ部材とを備えた構成として
もよい。
【0015】この構成では、駒部材をU型部材から外し
ておき、線状テンション材がU型部材の開口基端側に位
置するように曲げ応力付与手段を配置し、その後、駒部
材をU型部材に取り付け、さらに、ねじ部材を駒部材に
ねじ込んで線状テンション材を支持し、線状テンション
材の抜け止めをする。従って、この構成では、曲げ応力
付与手段の線状テンション材への着脱作業が容易とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形態の張
力測定装置の概略断面図である。図1において、張力測
定装置1は、線状テンション材2に荷重を加えて曲げ応
力を付与する曲げ応力付与手段3と、この曲げ応力付与
手段3で付与された曲げ応力に対応する線状テンション
材2の変位量を計測する変位量計測手段4とを備え、長
手方向に引張力が加わった線状テンション材2の張力を
測定する構成である。図で示される線状テンション材2
は、張弦梁等の鉄筋構造材として利用されるPC鋼棒で
あるが、本実施の形態では、張弦構造の弦材吊り構造の
吊り材として利用される棒鋼であってもよい。
【0017】曲げ応力付与手段3は、線状テンション材
2の長手方向に沿って配置される長尺状の本体3Aと、
この本体3Aに配置され線状テンション材2の長手方向
に離れた第1の位置2Aと第2の位置2Bとをそれぞれ
保持する一対の第1の保持機構5と、本体3Aに設けら
れ線状テンション材2の第1の位置2Aと第2の位置2
Bの中間位置2Mに線状テンション材2の長手方向と直
交する方向へ荷重を付与する荷重付与機構6とを備えて
構成されている。本体3Aは、角パイプ状に形成されて
おり、その両側端部側面には第1の保持機構5を取り付
けるための取付プレート7が固定されている。
【0018】荷重付与機構6の構成が図2にも示されて
いる。図1及び図2において、荷重付与機構6は、本体
3Aの中間部に設けられたケーシング8と、このケーシ
ング8の内部に配置され線状テンション材2に近接離隔
可能とされたロッド9と、このロッド9の一端部に設け
られ線状テンション材2を保持する第2の保持機構10
と、ロッド9の他端部に設けられた雄ねじ11と、この
雄ねじ11とケーシング8とに係止され線状テンション
材2をその長手方向と直交する方向へ付勢するばね部材
12と、このばね部材12を変位させて規定のばね力を
付与するばね力付与手段13と、ばね部材12の変位量
を計測するばね部材変位量計測手段14と、ケーシング
8の端部に配置された蓋部材15とを備えた構成であ
る。
【0019】ケーシング8は、本体3Aの中間部に固定
され内部に貫通孔16Aを有する角柱部材16と、この
角柱部材16の貫通孔16Aに挿入固定され軸心が線状
テンション材2の長手方向と直交する筒状部材17とを
備え、この筒状部材17は、線状テンション材側の一端
部に抜け止め用のフランジ17Aを有し、他端部が角柱
部材16の端面より露出した構造である。筒状部材17
のフランジ部17Aには角状の孔部17Bが形成され、
この孔部17Bには角柱状のロッド9が挿通されてい
る。
【0020】ばね部材12は、筒状部材17の内部に収
納されたコイルばねから構成されており、筒状部材17
の内部に収納され、かつ、自然長の状態では、その端面
が筒状部材17の開口側端面と同じ平面内にある。蓋部
材15は、筒状部材17と同じ内径を有する円筒状の部
材から形成され、その一端部がケーシング8に嵌合可能
とされている。
【0021】第1の保持機構5の構成が図3に示されて
いる。図3において、第1の保持機構5は、線状テンシ
ョン材2が収納可能な開口部18Aが一端部に形成され
たU型部材18と、このU型部材18の開口先端側に着
脱自在に設けられた駒部材19と、この駒部材19に螺
合され線状テンション材2をU型部材18の開口基端側
に押圧するねじ部材20と、このねじ部材20の先端部
に設けられ線状テンション材2の側部を受ける受け部材
21とから構成されている。
【0022】U型部材18は、板状部材から形成され、
その他端部が取付プレート7に取り付けられている。駒
部材19はU型部材18の開口部18Aの途中に形成さ
れた嵌合溝18Bに嵌合可能とされた板部材であり、そ
の中心部にねじ部材20と螺合する雌ねじ19Aが形成
されている。
【0023】ねじ部材20は、撮みを有するねじ本体2
0Aの先端に小ねじ20Bを結合した構造であり、この
小ねじ20Bは受け部材21に抜け止めされた状態で回
動可能に連結されている。このねじ部材20をねじ込む
ことにより、受け部材21とU型部材18の開口部18
Aとの間で線状テンション材2が保持される。
【0024】第2の保持機構10の構成が図4に示され
ている。図4において、第2の保持機構10は、線状テ
ンション材2が収納可能な開口部22Aが一端部に形成
されたU型部材22と、このU型部材22の開口先端側
に着脱自在に設けられた駒部材23と、この駒部材23
に螺合され線状テンション材2をU型部材22の開口基
端側に押圧するねじ部材20と、このねじ部材20の先
端部に設けられた受け部材21とから構成されている。
【0025】U型部材22は、板状部材から形成され、
その他端部が連結ピン24を介してロツド9の一端部に
回動可能に連結されている。この連結ピン24は、その
両側瑞にCリング25が取り付けられて抜け止めされて
いる。駒部材23はU型部材22の開口部22Aの途中
に形成された嵌合溝22Bに嵌合可能とされた板部材で
ある。
【0026】図1及び図2において、ばね力付与手段1
3は、雄ねじ11に螺合されるナット部材である。ばね
部材変位量計測手段14は、ナット部材13とばね部材
12との間に配置され筒状部材16の内部に収納可能と
されてたスペーサである。このスペーサ14は、ばね部
材12が自然長の場合には蓋部材15の内部に位置す
る。ナット部材13をねじ込むことによりスペーサ14
を介してばね部材12が圧縮してばね力が発生し、この
ばね力によって線状テンション材2の中間位置2Mに荷
重がかけられる。
【0027】スペーサ14は、図5(A)に示される通
り、雄ねじ11が挿通される挿通孔14Aを有し、規定
のばね力(荷重)、例えば、100kgf,150kgf,200kgfを付
与するために必要なばね部材12の変位量Yと同じ厚さ
寸法Sを有するリング部材である。本実施に形態では、
線状テンション材2のサイズに応じて異なる荷重をかけ
るため、厚さ寸法Sの異なるスペーサ14を複数用意す
る。なお、スペーサ14を複数用意する代わりに、図5
(B)に示される通り、厚さ寸法の大きいスペーサ34
を用意し、このスペーサ34に各荷重に対応する厚さに
目盛り34Bを設ける構造でもよい。
【0028】変位量計測手段4は、蓋部材15の端面を
基準位置として、この基準位置から雄ねじ11の端部ま
での寸法を計測するものであり、具体的には、デプスゲ
ージ、マイクロメータ、ノギス等直線変位を高精度で測
定でさる測定機器から構成される。
【0029】次に、本実施の形態の作用を図6に基づい
て説明する。まず、施工後、長手方向に引張力が加わっ
た線状テンション材2に曲げ応力付与手段3を装着す
る。そのため、第1及び第2の保持機構5,10の駒部
材19,23を外した状態でU型部材18,22の開口
部18A,22Aの基端側に線状テンション材2が位置
するように応力付与手段3を前進させ、その後、駒部材
19,23を開口部18A,22Aに取り付ける。さら
に、ねじ部材20をねじ込んで線状テンション材2を受
け部材21で支持する。
【0030】その後、図6(A)に示される通り、線状
テンション材2に荷重をかけない状態の雄ねじ11の端
部の基準位置(蓋部材15の端面)からの寸法を変位量
計測手段4で計測する。さらに、図6(B)に示される
通り、董部材15をケーシング8から取り外す。この状
態では、ばね部材12が自然長であるから、ばね部材変
位量計測手段であるスペーサ14は筒状部材16の端面
から露出し、その一端面と筒状部材16の瑞面とが同一
平面内にある。
【0031】その後、図6(C)に示される通り、ばね
力付与手段であるナット部材13を図示しないスパナ等
で雄ねじ11にねじ込み、スペーサ14を前進させる。
すると、ばね部材12が圧縮され、そのばね力でスペー
サ14、ナット部材13、雄ねじ11、ロツド9及び第
2の保持機構10を介して線状テンション材2の中間位
置2Aに荷重が付与され、この荷重によって線状テンシ
ョン材2が撓む(図1の想像線参照)。
【0032】ナット部材13のねじ込みは、スペーサ1
4の他端面が筒状部材16の端面と同一平面となるまで
行う。この状態では、ばね部材12がスペーサ14の厚
み寸法Sだけ圧縮したことになるので、その寸法に対応
したばね力(荷重)、例えば、100kgfが線状テンション
材2に付与されることになる。スペーサ14の他端面が
筒状部材16の端面とが同一平面となったか否かは、作
業員が手で触ってスペーサ14と筒状部材16との間で
段差があるか否かを検知することにより行う。
【0033】さらにその後、図6(D)に示される通
り、蓋部材15をケーシング8に取り付け、先程と同様
に、雄ねじ11の端部の基準位置(蓋部材15の端面)
からの寸法を変位量計測手段4で計測し、荷重をかける
前と後での雄ねじ11の端部の変位を求める。ここで、
この変位量、線状テンション材2に加える荷重並びに線
状テンション材2の引張力は、それぞれ相関関係にあ
り、これらの関係を示すデータを予め実験で求めてお
く。測定によって、変位量及び線状テンション材2に加
える荷重が定まるので、実験データから線状テンション
材2に生じる引張力を求める。
【0034】従って、本実施の形態では、線状テンショ
ン材2に荷重を加えて曲げ応力を付与する曲げ応力付与
手段3と、この曲げ応力付与手段3で付与された曲げ応
力に対応する線状テンション材2の変位量を計測する変
位量計測手段4とを備えて張力測定装置1を構成し、線
状テンション材2に曲げ応力を付与する際に加える荷重
と線状テンション材2の変位量とから線状テンション材
2の張力を求めたから、測定によって変位量及び線状テ
ンション材2に加える荷重が定まることにより、施工後
であっても、線状テンション材2に生じる引張力を求め
ることができる。
【0035】また、本実施の形態では、曲げ応力付与手
段3は、線状テンション材2の長手方向に沿って配置さ
れる長尺状の本体3Aと、この本体3Aに配置され線状
テンション材2の長手方向に離れた第1の位置2Aと第
2の位置2Bとをそれぞれ保持する一対の第1の保持機
構5と、本体3Aに設けられ線状テンション材2の第1
の位置2Aと第2の位置2Bの中間位置2Mに線状テン
ション材2の長手方向と直交する方向へ荷重を付与する
荷重付与機構6とを備えて構成したから、線状テンショ
ン材2の第1の位置2A及び第2の位置2Bを第1の保
持機構5で保持した状態で荷重付与機構6によって線状
テンション材2の中間位置2Mに荷重を付与するので、
線状テンション材2に確実に曲げ応力を付与できること
になり、正確な引張力のデータを得ることができる。
【0036】さらに、荷重付与機構6は、長尺状の本体
3Aの中間部に設けられたケーシング8と、このケーシ
ング8の内部に配置され線状テンション材2に近接離隔
可能とされたロッド9と、このロッド9の一端部に設け
られ線状テンション材2を保持する第2の保持機構10
と、ロッド9の他端部とケーシング8とに係止され線状
テンション材2をその長手方向と直交する方向へ付与す
るばね部材12と、このばね部材12を変位させて規定
のばね力を付与するばね力付与手段13と、ばね部材1
2の変位量を計測するばね部材変位量計測手段14とを
備えたから、ばね部材12は、そのばね力と変位量とが
比例することから、ばね部材変位量計測手段14でばね
部材12の変位量を管理することにより、ばね部材12
のばね力、つまり、線状テンション材2に加わる荷重を
正確に測定することができることになり、この点から
も、正確な引張力のデータを得ることができる。
【0037】また、ばね力付与手段13は、ロッド9の
他端部に設けられた雄ねじ11に螺合されるナット部材
から構成し、ばね部材変位量計測手段14は、ナット部
材13とばね部材12との間に配置され規定のばね力を
付与するために必要なばね部材12の変位量と同じ厚さ
寸法を有するスペーサから構成したから、ナット部材1
3を雄ねじ11にねじ込むことにより、ばね部材12が
スペーサ14を介して変位するので、スペーサ14の厚
さS分だけナット部材13でスペーサ14を移動させれ
ば、規定の荷重(例えば、100kgf)を線状テンション材
2に付与できることになる。従って、電気や圧縮空気等
を使用することなく、線状テンション材2の張力測定を
簡易な構造で行うことができる。
【0038】その上、荷重付与機構6はケーシング8の
端部に配置された蓋部材15を含んで構成したから、蓋
部材15をケーシング8から取り外すことによりナット
部材13が露出することになり、ナット部材13をねじ
込む作業を容易に行うことができる。
【0039】また、本実施の形態では、第1及び第2の
保持機構5,10は、線状テンション材2が収納可能な
開口部18A,22Aが形成されたU型部材18,22
と、このU型部材18,22の開口先端側に着脱自在に
設けられた駒部材19,23と、この駒部材19,23
に螺合され線状テンション材2をU型部材18,22の
開口基端側に押圧するねじ部材20とを備えたから、曲
げ応力付与手段3の線状テンション材2への着脱作業が
容易である。
【0040】さらに、ねじ部材20は、撮みを有するね
じ本体20Aの先端に小ねじ20Bを結合した構造であ
り、この小ねじ20Bは受け部材21に抜け止めされた
状態で回動可能に連結されているので、受け部材21で
線状テンション材2を確実に受けることができるととも
に、ねじ部材20を操作する際に、受け部材21が誤っ
て外れることがない。また、ロツド9を角柱状としたた
め、ナット部材13をねじ込んでも、雄ねじ11が回る
ことがない。
【0041】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲であ
れば次に示す変形例を含むものである。例えば、前記実
施の形態では、曲げ応力付与手段3を、長尺状の本体3
Aと、この本体3Aに配置された一対の第1の保持機構
5と、本体3Aに設けられ線状テンション材2の第1の
位置2Aと第2の位置2Bの中間位置2Mに線状テンシ
ョン材2の長手方向と直交する方向へ荷重を付与する荷
重付与機構6とを備えて構成したが、本発明では、本体
3Aを適宜な手段で梁や柱等の構造材に取り付ける構造
でもよい。さらに、線状テンション材2に荷重をかける
方向は、線状テンション材2に交差していれば必ずしも
直交していることを要しない。
【0042】また、前記実施の形態では、荷重付与機構
6にばね部材12を含んで構成したが、本発明では、弾
性力がある部材であれば、ばね部材12に代えて他の部
材、例えば、ゴムを用いてもよい。さらに、ばね力付与
手段13は、ばね部材12を圧縮状態で維持できればよ
く、例えば、ロッド9の他端に設けられた金属棒に着脱
自在に取り付けられる電磁石であってもよい。
【0043】また、ばね部材変位量計測手段14は、ば
ね部材12の変位量を計測できれば具体的な構成は問わ
ず、例えば、雄ねじ11の端部位置を計測する光学式セ
ンサであってもよい。さらに、蓋部材15を必ずしも設
けることを要しない。また、第1及び第2の保持機構
5,10の少なくとも一方を洗濯ばさみ等の簡易な構造
としてもよい。さらに、本発明で張力が測定される線状
テンション材は、大型の機械で使用されるブレースであ
ってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、線状テン
ション材に荷重を加えて曲げ応力を付与する曲げ応力付
与手段と、この曲げ応力付与手段で付与された曲げ応力
に対応する線状テンション材の変位量を計測する変位量
計測手段とを備えて張力測定装置を構成し、線状テンシ
ョン材に曲げ応力を付与する際に加える荷重と線状テン
ション材の変位量とから線状テンション材の張力を求め
たから、測定によって変位量及び線状テンション材に加
える荷重が定まることにより、施工後であっても、線状
テンション材に生じる引張力を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる張力測定装置の
概略断面図である。
【図2】前記張力測定装置の要部の分解斜視図である。
【図3】図1中、III-III 線に沿う矢視図である。
【図4】図1中、IV-IV 線に沿う矢視図である。
【図5】スペーサを示す斜視図である。
【図6】前記張力測定装置を使用して線状テンション材
の張力を測定する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 張力測定装置 2 線状テンション材 2A 第1の位置 2B 第2の位置 2M 中間位置 3 曲げ応力付与手段 3A 本体 4 変位量計測手段 5 第1の保持機構 6 荷重付与機構 8 ケーシング 9 ロッド 10 第2の保持機構 11 雄ねじ 12 ばね部材 13 ばね力付与手段としてのナット部材 14,34 ばね部材変位量計測手段としてのスペー
サ 18,22 U型部材 18A,22A 開口部 19,23 駒部材 20 ねじ部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に引張力が加わった線状テンショ
    ン材の張力を測定する装置であって、前記線状テンショ
    ン材に荷重を加えて曲げ応力を付与する曲げ応力付与手
    段と、この曲げ応力付与手段で付与された曲げ応力に対
    応する前記線状テンション材の変位量を計測する変位量
    計測手段とを備え、前記線状テンション材に曲げ応力を
    付与する際に加える荷重と前記線状テンション材の変位
    量とから線状テンション材の張力を求めることを特徴と
    する線状テンション材の張力測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の線状テンション材の張力測
    定装置において、前記曲げ応力付与手段は、前記線状テ
    ンション材の長手方向に沿って配置される長尺状の本体
    と、この本体に配置され前記線状テンション材の長手方
    向に離れた第1の位置と第2の位置とをそれぞれ保持す
    る一対の保持機構と、前記本体に設けられ前記線状テン
    ション材の前記第1の位置と第2の位置の中間位置に前
    記線状テンション材の長手方向と交差する方向へ荷重を
    付与する荷重付与機構とを備えたことを特徴とする線状
    テンション材の張力測定装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の線状テンション材の張力測
    定装置において、前記荷重付与機構は、前記本体に設け
    られたケーシングと、このケーシングの内部に配置され
    前記線状テンション材に近接離隔可能とされたロッド
    と、このロッドのー端部に設けられ前記線状テンション
    材を保持する保持機構と、前記ロツドの他端部と前記ケ
    ーシングとに係止され前記線状テンション材をその長手
    方向と交差する方向へ付勢するばね部材と、このばね部
    材を変位させて規定のばね力を付与するばね力付与手段
    と、前記ばね部材の変位量を計測するばね部材変位量計
    測手段とを備えたことを特徴とする線状テンション材の
    張力測定装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の線状テンション材の張力測
    定装置において、前記ばね力付与手段は、前記ロッドの
    他端部に設けられた雄ねじに螺合されるナット部材を備
    え、前記ばね部材変位量計測手段は、前記ナット部材と
    前記ばね部材との間に配置され規定のばね力を付与する
    ために必要な前記ばね部材の変位量と同じ厚さ寸法を有
    するスペーサを備えたことを特徴とする線状テンション
    材の張力測定装置。
  5. 【請求項5】請求項2から4のいずれかに記載の線状テ
    ンション材の張力測定装置において、前記保持機構は、
    前記線状テンション材が収納可能な開口部が形成された
    U型部材と、このU型部材の開口先端側に着脱自在に設
    けられた駒部材と、この駒部材に螺合され前記線状テン
    ション材を前記U型部材の開口基端側に押圧するねじ部
    材とを備えたことを特徴とする線状テンション材の張力
    測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100814144B1 (ko) * 2006-03-20 2008-03-14 (주) 정설시스템 밀착 연결기 스프링세기 측정 장치 및 측정 방법
CN104634492A (zh) * 2014-12-16 2015-05-20 同高先进制造科技(太仓)有限公司 高精度双向力反馈双向承载伸缩装置

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