JPH09264186A - 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 - Google Patents

内燃機関用ピストンおよびその製造方法

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JPH09264186A
JPH09264186A JP7695896A JP7695896A JPH09264186A JP H09264186 A JPH09264186 A JP H09264186A JP 7695896 A JP7695896 A JP 7695896A JP 7695896 A JP7695896 A JP 7695896A JP H09264186 A JPH09264186 A JP H09264186A
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JP
Japan
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rapidly solidified
aluminum alloy
internal combustion
combustion engine
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JP7695896A
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English (en)
Inventor
Makoto Otani
眞 大谷
Akio Kikuchi
昭雄 菊地
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Extrusion Of Metal (AREA)
  • Forging (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金よりなるスカート部と急冷
凝固粉末合金よりなるトップランドとを備えた内燃機関
用ピストンに対し、アルミニウム合金と急冷凝固粉末合
金とを容易にかつ良好に接合する。 【解決手段】 先ず、図1(A)に例示するビレット1
を製造した。すなわち、缶3内に、アルミニウム合金5
を中央に、急冷凝固粉末合金7をその周囲に同心円状に
封入した。続いて、ビレット1に押出加工を施し、図1
(B)に例示する押出材9を得た。更に続いて、押出材
9に成形を施して、アルミニウム合金5の層によりスカ
ート部を形成すると共に、急冷凝固粉末合金7の層によ
りトップランドを形成した。上記押出加工によりアルミ
ニウム合金5および急冷凝固粉末合金7が容易にかつ良
好に接合された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用ピスト
ンおよびその製造方法に関し、詳しくは、アルミニウム
合金と急冷凝固粉末合金との接合部を有する内燃機関用
ピストンおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、二輪車、四輪車に取り付けられて
いる内燃機関のピストンには、高性能化、軽量化が要求
され、その構成素材についても、従来の鋳物に代わって
アルミニウム合金や急冷凝固粉末合金が使われるように
なっている。また、この場合、ピストンのトップランド
には耐熱性に優れた急冷凝固粉末合金を、スカート部に
は変形または機械的疲労による割れを生じ難いアルミニ
ウム合金を、それぞれ使用することが望ましいとされて
いる。そこで、両合金をリング近傍で接合する方法が種
々考えられている。
【0003】例えば、急冷凝固粉末合金およびアルミニ
ウム合金を個々に円柱状に押出加工すると共に輪切りに
し、こうして短い円柱状に形成された各合金の断面に互
いに嵌合する凹凸を形成し、その凹凸を嵌合させた状態
で熱間鍛造することにより両合金を接合する方法、上記
と同様に短い円柱状に形成された各合金の断面を重ね合
わせ、長時間(例えば20時間)高温高圧で熱間等方圧
プレス(HIP)を施して両合金を接合する方法、およ
び、アルミニウム合金のみを上記と同様に短い円柱状に
形成し、その円柱の片面に粉末状の急冷凝固粉末合金を
配設してホットプレスによりその急冷凝固粉末合金を上
記円柱の片面に積層する方法、などが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記凹凸の
嵌合による方法では、嵌合面から水,ほこり,油などの
異物を充分に取り除かないと両合金が良好に接合されな
い場合があった。HIPによる方法では、素材を長時
間、高温高圧に保持しなければならないので、製造コス
トが高く、製造設備も高価で大がかりなものが必要であ
った。更に、ホットプレスによる方法では両合金を充分
な強度で接合することができなかった。
【0005】そこで、本発明は、アルミニウム合金より
なるスカート部と急冷凝固粉末合金よりなるトップラン
ドとを備えた内燃機関用ピストンに対し、アルミニウム
合金と急冷凝固粉末合金とを容易にかつ良好に接合する
ことを目的としてなされた。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達するためになされた請求項1記載の発明は、アル
ミニウム合金よりなるスカート部と、急冷凝固粉末合金
よりなるトップランドと、を備えた内燃機関用ピストン
であって、上記アルミニウム合金と上記急冷凝固粉末合
金とが、押出加工によって接合されたことを特徴とする
内燃機関用ピストンを要旨としている。
【0007】このように構成された本発明では、アルミ
ニウム合金と急冷凝固粉末合金とが押出加工によって接
合されている。押出加工では、2種の金属をきわめて容
易にかつ強力に接合することができる。従って、本発明
の内燃機関用ピストンでは、アルミニウム合金と急冷凝
固粉末合金とが良好に接合されて耐久性に優れている。
また、アルミニウム合金と急冷凝固粉末合金との接合不
良が少なく(すなわち歩留まりがよく)、その接合に関
わる工程も簡単であるので製造コストが安い。
【0008】請求項2記載の発明は、アルミニウム合金
の層と急冷凝固粉末合金の層とを押出方向に沿って積層
したビレットに押出加工を施し、該押出加工にて得られ
た押出材に成形を施して、該押出材のアルミニウム合金
の層によりスカート部を形成すると共に、上記押出材の
急冷凝固粉末合金の層によりトップランドを形成するこ
とを特徴とする内燃機関用ピストンの製造方法を要旨と
している。
【0009】本発明では、アルミニウム合金の層と急冷
凝固粉末合金の層とを押出方向に沿って積層したビレッ
トに押出加工を施すことにより、両合金の層を接合する
ことができる。続いて、得られた押出材に成形を施し
て、押出材のアルミニウム合金の層によりスカート部を
形成すると共に、押出材の急冷凝固粉末合金の層により
トップランドを形成するのである。
【0010】前述のように、押出加工では2種の金属を
きわめて容易にかつ強力に接合することができる。従っ
て、本発明では、アルミニウム合金よりなるスカート部
と急冷凝固粉末合金よりなるトップランドとを備えた内
燃機関用ピストンを、きわめて容易に製造することがで
き、しかも、上記両合金を良好に接合することができ
る。すなわち、製造が容易で合金の接合不良が少ない
(すなわち歩留まりがよい)ので内燃機関用ピストンの
製造コストを低減することができる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の構
成に加え、上記押出加工にて得られた押出材を所望の大
きさに切り出して熱間鍛造することにより、上記スカー
ト部および上記トップランドを成形することを特徴とし
ている。押出加工では、金属の接合面に空気が残留する
のも良好に防止することができる。このため、上記押出
材を所望の大きさに切り出して熱間鍛造を施しても、接
合不良は殆ど発生しない。また、熱間鍛造では、高精度
に生産性よく内燃機関用ピストンを成形することができ
る。従って、本発明では、請求項2記載の発明の効果を
一層顕著にすると共に、内燃機関用ピストンの製造コス
トを一層低減しつつ加工精度を向上させることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
と共に説明する。本願出願人は、本発明の実施の形態と
して、以下の二つの方法(本法1,本法2という)で内
燃機関用ピストンを製造した。
【0013】(1)本法1について 先ず、図1(A)に例示するビレット1を製造した。す
なわち、円筒状の缶3を用意し、その缶3の軸に沿って
アルミニウム合金5の層と急冷凝固粉末合金7の層と
を、アルミニウム合金5が中央に急冷凝固粉末合金7が
その周囲に配設されるように同心円状に積層して缶3内
に封入したのち脱気処理を施した。なお、アルミニウム
合金5としては、鋳造ビレット,押出材,粉末,粉末C
IP(冷間等方圧プレス)材等、種々のものを使用する
ことができる。
【0014】続いて、ビレット1を加熱した後、長方形
のダイスを介して上記軸方向に押出加工を施し、図1
(B)に例示する押出材9を得た。この押出材9では、
アルミニウム合金5と急冷凝固粉末合金7との接合面1
1が、押出材9の外周に沿って略長方形の断面形状を有
している。なお、上記押出加工における押出比は3程度
以上とするのが望ましい。こうすることにより、接合面
11近傍での変形量が大きくなり、アルミニウム合金5
と急冷凝固粉末合金7とが強力に接合される。
【0015】続いて、押出材9から、図2に例示するよ
うに、接合面11の平坦部分をトップランド側端面13
aと平行に含む円柱状の鍛造用素材13を削り出した。
この鍛造用素材13に熱間鍛造および切削加工を施し
て、アルミニウム合金5の層によりスカート部を形成す
ると共に、急冷凝固粉末合金7の層によりトップランド
を形成して、内燃機関用ピストンを製造することができ
た。なお、鍛造用素材13の削り出しに当たっては、ピ
ストン完成時に接合面11がトップリングとセカンドリ
ングとの間に配設されるように、鍛造用素材13におけ
るアルミニウム合金5の層と急冷凝固粉末合金7の層と
の厚さの比が決定される。
【0016】また、鍛造用素材13の削り出し方は、ピ
ストンの大きさや押出材9の大きさに応じて種々考えら
れる。例えば、図3(A)は押出材9の一断面から一つ
の鍛造用素材13を削り出す方法を例示する断面図であ
る。同様に、図3(B),(C),(D)は、押出材9
の一断面から2個,3個,4個の鍛造用素材13を削り
出す方法を例示する断面図である。
【0017】このようにして製造された内燃機関用ピス
トンでは、アルミニウム合金5と急冷凝固粉末合金7と
が押出加工によって接合されている。押出加工では、2
種の金属をきわめて容易にかつ強力に接合することがで
きる。従って、この内燃機関用ピストンでは、アルミニ
ウム合金5と急冷凝固粉末合金7とが良好に接合されて
耐久性に優れている。
【0018】また、このような本法1では、押出加工と
いうきわめて容易な方法によりアルミニウム合金5と急
冷凝固粉末合金7とを良好に接合することができる。す
なわち、製造が容易で合金の接合不良が少ない(すなわ
ち歩留まりがよい)ので内燃機関用ピストンの製造コス
トを低減することができる。
【0019】更に、押出加工では、接合面11に空気が
残留するのも良好に防止することができる。このため、
前述のように鍛造用素材13に熱間鍛造を施しても接合
不良は殆ど発生しない。また、熱間鍛造では、高精度に
生産性よく内燃機関用ピストンを成形することができ
る。従って、内燃機関用ピストンの製造コストを一層低
減しつつ加工精度を向上させることができる。
【0020】(2)本法2について 本法2では、先ず、図4(A)に例示するビレット21
を製造した。すなわち、円筒状の缶23を用意し、その
缶23の軸に沿ってアルミニウム合金25の層と急冷凝
固粉末合金27の層とを並列に積層して缶23内に封入
したのち脱気処理を施した。続いて、ビレット21を加
熱した後、長方形のダイスを介して押出加工を施し、図
4(B)に例示する押出材29を得た。なお、この押出
加工に当たっては、アルミニウム合金25と急冷凝固粉
末合金27との接合面31が、押出材29の断面の長辺
と略平行になるようにする。また、本法1と同様、押出
比は3程度以上が望ましい。その後、本法1と同様に、
接合面31を含む鍛造用素材13(図2)を削り出し、
熱間鍛造,切削加工により内燃機関用ピストンを製造し
た。
【0021】この本法2でも、本法1と同様、接合不良
の少ない耐久性に優れた内燃機関用ピストンを、容易に
製造して生産性も向上させることができた。また、本法
2では、接合面31がほぼ一枚の平面状になるため、図
3(A)のように押出材29の一断面から一つの鍛造用
素材13を削り出す場合にも、良好に歩留まりを向上さ
せることができた。これに対して本法1では、ビレット
1の形状が管等を製造する場合に使用される周知のビレ
ットと同様の構成であるため、若干の設計変更により簡
便に押出材9を得ることができた。
【0022】
【実施例】次に、本発明の効果を一層明確にするため、
アルミニウム合金5,25や急冷凝固粉末合金7,27
の組成等を特定して従来法との比較を行った。結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】No.1,No.2の試料は比較例であ
り、No.1は、アルミニウム合金としてA4032
(JIS記号)を、急冷凝固粉末合金としてAl中に2
0%のSi,5%のFe,2%のCu,1%のMg,1
%のZrを含み粒径300μm以下のもの(合金1とい
う)を、それぞれ使用し、個々に直径90mmの円柱状に
押出加工し、輪切りにした後互いに嵌合させる前述の従
来法で内燃機関用ピストンを製造したものである。な
お、嵌合後の鍛造用素材は直径85mm,厚さ30mmとし
た。
【0025】No.2では、急冷凝固粉末合金としてA
l中に2%のSi,8%のFe,4〜5%のCu,1%
のMg,1%のV,1%のZrを含むもの(合金2とい
う)を合金1の代わりに使用した点を除いてNo.1と
同様に内燃機関用ピストンを製造した。
【0026】No.3〜No.6の試料は実施例であ
り、No.3は、アルミニウム合金5としてA4032
を、急冷凝固粉末合金7として合金1を使用して本法1
により内燃機関用ピストンを製造したものである。な
お、缶3としては外径254mm,内径244mm,長さ1
270mmのものを使用し、アルミニウム合金5は直径1
50mm,長さ1270mmの円柱状に形成した。また、押
出材9の断面寸法は110mm×40mmとし、その押出材
9から直径70mm,厚さ25mmの鍛造用素材13を削り
出した。
【0027】No.4では、急冷凝固粉末合金7として
合金2を使用した点を除いてNo.3と同様に内燃機関
用ピストンを製造した。No.5は、アルミニウム合金
25としてA4032を、急冷凝固粉末合金27として
合金1を使用して本法2により内燃機関用ピストンを製
造したものである。なお、缶23としてはNo.3,N
o.4と同様のものを使用し、ビレット21におけるア
ルミニウム合金25の厚さt(図4参照)は185mmと
した。また、押出材29の断面寸法は110mm×40mm
とし、その押出材29から直径85mm,厚さ30mmの鍛
造用素材13を削り出した。
【0028】No.6では、急冷凝固粉末合金27とし
て合金2を使用した点を除いてNo.5と同様に内燃機
関用ピストンを製造した。次に評価について説明する。
接合状態は、アルミニウム合金部と急冷凝固粉末合金部
との剥離の有無を目視により判定した。No.1では部
分的に、No.2では全体的に剥離が検出されたが、実
施例のNo.3〜No.6では、いずれも接合状態が良
好であった。
【0029】不良率は、製造された内燃機関用ピストン
に試験を行い。剥離の生じた比率により評価した。N
o.1では数%に、No.2では数%〜全部に剥離が検
出されたが、実施例のNo.3〜No.6では、いずれ
も不良率が0%であった。生産性は、各試料同士を相対
的に比較して評価した。比較例のNo.1,No.2で
は、前述のように工程数が多くなり、いずれも生産性が
不良であった。これに対して、実施例のNo.4,N
o.6ではやや良、No.3,No.5では良であっ
た。なお、No.4,No.6とNo.3,No.5と
の生産性の相違は、急冷凝固粉末合金7,27の材料特
性によるものと考えられる。合金1は加工性が良好であ
ると共に充分な耐熱性を有し、合金2は加工性がやや劣
るものの耐熱性はきわめて優れている。従って、ピスト
ンが使用される燃焼室の温度等に基づいてこれらを使い
分けることができる。
【0030】熱処理は、いわゆるT6処理を実行して、
接合面に間隙ができるか否かを判断した。比較例のN
o.1,No.2では、いずれも間隙ができて実質的に
T6処理の実施が不可能であったが、実施例のNo.3
〜No.6では、T6処理を実施してもいずれも接合状
態が全く悪化しなかった。これは接合面11,31に殆
ど空気が存在しないことに起因する。このため、本実施
例ではT6処理を実行して内燃機関用ピストンの耐久性
を一層向上させることができる。
【0031】以上、実験結果から明確になったように、
本実施例ではきわめて耐久性に優れた内燃機関用ピスト
ンを、生産性よくかつ歩留まりよく製造することができ
る。なお、本発明は上記実施の形態になんら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
形態で実施することができる。例えば、図1(A)のビ
レット1においてアルミニウム合金5と急冷凝固粉末合
金7との位置を逆転してもよい。但し、前述のように比
較的硬いアルミニウム合金5を内側に配設した方が、押
出し易く生産性が向上すると共に、寸法安定性が向上す
る。また、アルミニウム合金5,25および急冷凝固粉
末合金7,27の組成も、要求されるピストンの特性に
応じて種々に変更することができる。
【0032】更に、図5に例示する押出材49のよう
に、押出材の断面形状を各頂点近傍が外側に膨れた略長
方形に形成してもよく、この場合、次のような効果が生
じる。すなわち、押出材の断面形状を前述のように長方
形に形成すると、接合面11,31が比較的楕円に近い
形状となる場合がある。鍛造用素材13の接合面11,
31近傍にはリングが形成されるので、その加工精度を
向上させ、不良の発生を防止するためにも接合面11,
31の平面性を向上させることが望ましい。
【0033】本願出願人は、図5に例示する押出材49
のように、押出材の断面形状を各頂点近傍が外側に膨れ
た略長方形に形成した場合、アルミニウム合金45と急
冷凝固粉末合金47との接合面51がきわめて長方形に
近い断面形状を呈することを発見した。従って、このよ
うな押出材の断面形状を採用した場合、内燃機関用ピス
トンの加工精度および歩留まりを飛躍的に向上させるこ
とができる。
【0034】なお、このような押出材の断面形状は、本
発明の内燃機関用ビストンの製造方法の分野に限らず、
本発明には含まれない種々の技術分野にも適用すること
ができる。すなわち、2種類以上の金属を接合する金属
の接合方法の分野において、一方の金属を中心に、他方
の金属をその外周に配設したビレットに押出加工を施
し、各頂点近傍が外側に膨れた略長方形の断面形状を有
する押出材を作成することにより、その押出加工によっ
て接合された金属の接合面の平面性を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された内燃機関用ピストンの製
造方法(本法1)におけるビレットおよび押出材の構成
を例示する斜視図である。
【図2】 その製造方法における鍛造用素材の構成を例
示する斜視図である。
【図3】 その鍛造用素材を押出材から削り出す方法を
例示する断面図である。
【図4】 本発明が適用された他の内燃機関用ピストン
の製造方法(本法2)におけるビレットおよび押出材の
構成を例示する斜視図である。
【図5】 押出材の他の断面形状を例示する説明図であ
る。
【符号の説明】
1,21…ビレット 3,23…缶 5,25,4
5…アルミニウム合金 7,27,47…急冷凝固粉末合金 9,29,49
…押出材 11,31,51…接合面 13…鍛造用素材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22F 7/08 B22F 7/08 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金よりなるスカート部
    と、 急冷凝固粉末合金よりなるトップランドと、 を備えた内燃機関用ピストンであって、 上記アルミニウム合金と上記急冷凝固粉末合金とが、押
    出加工によって接合されたことを特徴とする内燃機関用
    ピストン。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金の層と急冷凝固粉末合
    金の層とを押出方向に沿って積層したビレットに押出加
    工を施し、 該押出加工にて得られた押出材に成形を施して、該押出
    材のアルミニウム合金の層によりスカート部を形成する
    と共に、上記押出材の急冷凝固粉末合金の層によりトッ
    プランドを形成することを特徴とする内燃機関用ピスト
    ンの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記押出加工にて得られた押出材を所望
    の大きさに切り出して熱間鍛造することにより、上記ス
    カート部および上記トップランドを成形することを特徴
    とする請求項2記載の内燃機関用ピストンの製造方法。
JP7695896A 1996-03-29 1996-03-29 内燃機関用ピストンおよびその製造方法 Pending JPH09264186A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101277120B1 (ko) * 2011-04-13 2013-06-20 동양피스톤 주식회사 단조 피스톤 제조방법

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KR101277120B1 (ko) * 2011-04-13 2013-06-20 동양피스톤 주식회사 단조 피스톤 제조방법

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