JPH09262401A - ヒートポンプ方式蒸発濃縮装置 - Google Patents

ヒートポンプ方式蒸発濃縮装置

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JPH09262401A
JPH09262401A JP8072282A JP7228296A JPH09262401A JP H09262401 A JPH09262401 A JP H09262401A JP 8072282 A JP8072282 A JP 8072282A JP 7228296 A JP7228296 A JP 7228296A JP H09262401 A JPH09262401 A JP H09262401A
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JP
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heat
liquid
cooling
heating
heat pump
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JP8072282A
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Masayuki Kurematsu
雅行 榑松
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Konica Minolta Inc
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 能力的には低いが製作コストに優れ、設置ス
ペースも大きくならず安定した蒸発濃縮処理をすること
が可能で、更には常圧で高濃縮を行うことのできる耐久
性の良いミニラボに最適なヒートポンプ式の蒸発濃縮装
置を提供する。 【解決手段】 圧縮機、放熱部、膨脹弁またはキャピラ
リーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密閉した
ヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象とする液
体の加熱蒸発部の加熱手段として使用し、該吸熱部を該
液体から発生する蒸気を冷却液化するための冷却凝縮部
の冷却手段として使用するヒートポンプ方式蒸発濃縮装
置において、液体の加熱蒸発部の蒸発濃縮容器が、濃縮
液の回収運搬容器を兼ね、簡易に取外し交換可能であ
り、該加熱手段が蒸発濃縮容器の外側から熱伝達する方
式であり、該蒸発濃縮容器に対して対象とする液体を供
給する手段を備え、該蒸発濃縮容器内の気体が蒸気を冷
却液化するための冷却凝縮部との間で循環する循環送風
手段を備えているヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真処理廃液等の
液体を熱効率良く蒸発濃縮するためのヒートポンプ方式
蒸発濃縮装置に関し、特に常圧下で蒸発濃縮を行う方式
に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒートポンプ方式の蒸発濃縮装置は、写
真処理廃液等の液体をアスピレーターを使用した水流ポ
ンプ等により減圧して蒸発濃縮釜で沸騰蒸発濃縮させる
方式が実用化されている。この減圧方式は水流ポンプや
減圧に耐久性を持つ完全密閉構造が設備を高価なものに
しているが、小型で時間当たりの処理能力が大きく電気
エネルギー代が低く安全であるために市場に受け入れら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】昨今、環境対策のた
め、写真用現像処理装置の廃液等の排液量自体を減少さ
せる処理液の処方の技術開発が進歩してきて、廃液は可
成減ってきている。
【0004】即ち、市中の小規模のラボでは、今では2
リットル/hour以下の低排液量に見合う、低コスト
の廃液蒸発濃縮装置で十分であり、その出現が望まれて
いる。しかし、減圧式ヒートポンプ方式は減圧手段と減
圧に耐久性を持つ完全密閉構造とを必要とするために、
この方式では処理能力を低くしても製作コストは殆ど下
がらないという問題がある。
【0005】一般にヒートポンプ方式の蒸発濃縮装置は
種々知られているが、今までは蒸発処理速度を上昇させ
る技術や濃縮物の濃縮釜から濃縮物回収容器への移動や
移送の方法手段に対しての合理化技術が検討されてお
り、小型で処理能力を高める方向の検討が優先されてい
た。これに対し、本発明者等は低処理能力機を低コスト
で製作する方向の検討を行い、濃縮物回収容器自体を蒸
発濃縮釜として機能させ、常圧下で作動する方式によ
り、小型高効率は得られないが、2リットル/hour
以下では、ある程度の大きさになってしまうとしても、
高濃縮に対しても耐久性が高く、設置スペースを増す事
なく低コストで製作でき、蒸発濃縮が確実にできるヒー
トポンプ式蒸発濃縮装置を提供することを課題目的にし
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的は次の技術手段
(1)〜(11)項の何れか1項によって達成される。
【0007】(1) 圧縮機、放熱部、膨脹弁またはキ
ャピラリーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密
閉したヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象と
する液体の加熱蒸発部の加熱手段として使用し、該吸熱
部を該液体から発生する蒸気を冷却液化するための冷却
凝縮部の冷却手段として使用するヒートポンプ方式蒸発
濃縮装置において、液体の加熱蒸発部の蒸発濃縮容器
が、濃縮液の回収運搬容器を兼ね、簡易に取外し交換可
能であり、該加熱手段が蒸発濃縮容器の外側から熱伝達
する方式であり、該蒸発濃縮容器に対して対象とする液
体を供給する手段を備え、該蒸発濃縮容器内の気体が蒸
気を冷却液化するための冷却凝縮部との間で循環する循
環送風手段を備えていることを特徴とするヒートポンプ
方式蒸発濃縮装置。
【0008】(2) 圧縮機から膨脹弁またはキャピラ
リーチューブに至る経路に、加熱蒸発部の加熱手段以外
の排熱放熱手段を有し、該排熱放熱手段の排熱量が調節
出来る構造を有することを特徴とする(1)項に記載の
ヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0009】(3) 上記加熱手段は蒸発濃縮容器の下
部に水平蛇行式でヒートポンプ加熱配管が設置されてお
り、上記排熱放熱手段がその水平蛇行式ヒートポンプ加
熱配管の下部にファンを設け、ファンの風量を調節する
ことで排熱量を調節する方式である事を特徴とする
(1)項又は(2)項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃
縮装置。
【0010】(4) 循環送風機が冷却凝縮部から気体
を吸込み、蒸発濃縮容器に気体を吹き込む構造で設置さ
れており、循環送風機の冷却凝縮部側に外気との連通部
を有している以外は疑似密閉の循環送風経路であること
を特徴とする(1)〜(3)項の何れか1項に記載のヒ
ートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0011】(5) 対象とする液体を供給する手段が
送液ポンプであり、対象とする液体を貯溜してあるタン
クに対して低位液面検出の液面センサーを有し、蒸発濃
縮容器が気体吹き込み口と排気口を有し、排気口側に電
極式の異常高位液面センサーを有しており、冷却凝縮部
から排出される凝縮液を貯溜するタンクを有し、フロー
ト式の満杯液面センサーを有していることを特徴とする
(1)〜(4)項の何れか1項に記載のヒートポンプ方
式蒸発濃縮装置。
【0012】(6) 蒸発濃縮容器がフレキシブルな袋
であり、袋が簡易に密閉可能な構造および密閉化装置を
有していることを特徴とする(1)〜(5)項の何れか
1項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0013】(7) 圧縮機、放熱部、膨脹弁またはキ
ャピラリーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密
閉したヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象と
する液体の加熱蒸発部の加熱手段として使用し、該吸熱
部を該液体から発生する蒸気を冷却液化するための冷却
凝縮部の冷却手段として使用するヒートポンプ方式蒸発
濃縮装置において、該液体の加熱蒸発部の気体が蒸気を
冷却液化するための冷却凝縮部との間で循環する循環送
風手段を備えている常圧下での蒸発濃縮・蒸気冷却凝縮
方式であり、圧縮機としてレシプロタイプのコンプレッ
サーを使用することを特徴とするヒートポンプ方式蒸発
濃縮装置。
【0014】(8) 圧縮機から膨脹弁またはキャピラ
リーチューブに至る経路に、加熱蒸発部の加熱手段以外
の排熱放熱手段を有し、該排熱放熱手段の排熱量が調節
出来る構造であり、ヒートポンプ回路の加熱経路の熱媒
体温度および/または冷却経路の熱媒体温度によって、
該排熱量を調節する制御である事を特徴とする(7)項
に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0015】(9) 圧縮機、放熱部、膨脹弁またはキ
ャピラリーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密
閉したヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象と
する液体の加熱蒸発部の加熱手段及び該加熱蒸発部の加
熱手段以外の排熱放熱手段とし、該排熱放熱手段の排熱
量が調節出来る構造として使用し、該加熱蒸発部を交換
可能でフレキシブルで搬送容器を兼ねる蒸発濃縮容器の
構成にし、該蒸発濃縮容器には前記液体を溜める容器か
らポンプで該液体を供給する供給口を兼ねる気体吹き込
み口と気体吹き出し口(排気口)を有し、該液体を溜め
る容器には少なくとも低位液面を検出できる液面センサ
ーを有し、前記吹き出し口近傍の蒸発濃縮容器内に電極
式の異常高位検出液面センサーを設け、前記冷却凝縮部
から排出される凝縮液を貯溜するタンクにはフロート式
の満杯検出液面センサーを設け、前記吸熱部を該液体か
ら発生する蒸気を冷却液化するための冷却凝縮部の冷却
手段として使用するヒートポンプ方式蒸発濃縮装置であ
って、該液体の加熱蒸発部の気体が蒸気を冷却液化する
ための冷却凝縮部との間で循環する循環送風手段を設け
ると共に該循環送風手段の冷却凝縮部側に外気取り入れ
口を備え、常圧下での蒸発濃縮と蒸気冷却凝縮を行う方
式であり、かつ、圧縮機としてレシプロタイプのコンプ
レッサーを使用することを特徴とするヒートポンプ方式
蒸発濃縮装置。
【0016】(10) 蒸発濃縮される上記液体は、ハ
ロゲン化銀写真感光材料の現像処理によって発生する写
真廃液であることを特徴とする(1)〜(9)項の何れ
か1項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0017】(11) 上記蒸発濃縮装置の処理能力が
毎時2リットル以下であることを特徴とする(1)〜
(10)項の何れか1項に記載のヒートポンプ方式蒸発
濃縮装置。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の各請求項の実施の形態を
図1の側面図を用いて説明する。しかし、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0019】まず、請求項1の実施の形態について説明
する。しかし、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0020】蒸発濃縮容器140に対しては冷却凝縮部
160の出口からの冷却空気がダクト166を通してそ
こに設けてある送風ファン165(シロッコファン)に
よって吹き込み口141から吹き込まれ、既に廃液タン
ク91から定量ポンプ93で蒸発濃縮容器140内に送
り込まれている廃液の気液境界面にかなりの風速を発生
させ廃液の蒸発と濃縮を促進せしめている。そして、吹
き出し口151から吹き出された蒸発水分を含む空気は
前記冷却凝縮部160の中に吹き込まれて戻り、循環の
ループを形成する。
【0021】また、上記蒸発濃縮容器140は濃縮物の
回収運搬容器を兼ねていて、密封容器とすることがで
き、取り外し交換も可能にしてある。
【0022】一方、ヒートポンプは圧縮機221、蒸発
濃縮容器140を外側から加熱し中の対象になる液体に
容器を通して熱伝達さすための放熱部202、膨脹弁と
してのキャピラリーチューブ226、前記冷却凝縮部1
60のための吸熱部205を経て再び圧縮機221に戻
るようにした熱媒体の循環閉路によって構成される。
【0023】また、蒸発濃縮の対象になる液体、例えば
廃液は前記廃液タンク91に溜められている。
【0024】請求項2の実施の形態は、請求項1の実施
の形態に加えて、ヒートポンプ回路において、蒸発濃縮
容器140を外側から加熱し中の対象になる液体に容器
を通して熱伝達さすための放熱部202の外に、温度調
節用放熱部202Aと排熱ファン224を設けて排熱量
が調節可能にしてある。
【0025】また、排熱放熱手段として、放熱配管とフ
ァンをキャピラリーチューブの手前で加熱部と離して設
けても良く、熱バランス用放熱部は並列回路として設
け、電磁弁等でその通過をコントロールすることも可能
である。ヒートポンプ回路では冷却熱量に対して、加熱
熱量が多いため、特に本発明の形態において、外気温の
変動に対して、排熱放熱手段を設けて排熱量を調整する
ことにより安定した処理能力が得られる。そして、コン
プレッサーの寿命を長くする効果がある。
【0026】請求項3の実施の形態は、請求項1又は請
求項2の実施の形態に加えて、上記蒸発濃縮容器140
を外側から加熱し中の対象になる液体に容器を通して熱
伝達さすために容器の下部に放熱部202とそれに続く
温度調節用放熱部202Aを水平蛇行状に配置し、温度
調節用放熱部202Aに対しては排熱ファン224とそ
の駆動モータ223が配置されている。これにより、蒸
発濃縮容器内の対象液を加熱する放熱部と排熱するため
の放熱部を別々に設けることが不要となり、ファンを稼
働させることで放熱が出来る。これにより、小型、低コ
ストで外気温の変動に対して安定な処理能力が得られ、
コンプレッサーの寿命も長くなる。
【0027】請求項4の実施の形態は、請求項1〜3の
何れか1項の実施の形態に加えて、蒸発濃縮容器140
に対しては冷却凝縮部160の出口からの冷却空気と共
に、そこに設けられた外気連通部を有するダクト166
を通して送風ファン165(シロッコファン)によって
蒸発濃縮容器140の吹き込み口141から吹き込まれ
るようにしたものである。外気連通部は図示しないが、
ダクト166に小穴を設けることや、ダクト166に細
いパイプを設けることが好ましい。これにより、対象液
が臭気を有しても外部に臭気がもれることなく蒸発濃縮
と冷却凝縮が可能となる。又、蒸発濃縮容器がフレキシ
ブルな袋の場合には、外気連通部に自動開閉弁を設け、
運転停止時には弁を閉じ、蒸発濃縮容器内の空気が外部
に出ていかない様にすることが、臭気防止のために好ま
しく、この場合には冷却凝縮部からの凝縮液排出配管か
らの空気の排出を防止する構造(配管に上下させて液が
空気を遮断する構造等)とすることがより好ましく、臭
気を含んだ空気が系外に出ることが防止出来る。
【0028】請求項5の実施の形態は、請求項1〜4の
何れか1項の実施の形態に加えて、前記廃液タンク91
にはその液面の少なくとも低位が、望ましくは高位も検
出できる液面センサー96が、前記凝縮液タンク161
には同様の液面センサー176(フロート式センサー)
が、前記蒸発濃縮容器140の吹き出し口151の近傍
には少なくとも異常液面検出センサー156として電極
式のセンサーと望ましくはそれ以外の通常の液面センサ
ー157が設けられているようにしたものである。これ
により各液体が足りなくなったり、逆に溢れたりした状
態で運転されたりすることは避けられるようになった。
【0029】請求項6の実施の形態は、請求項1〜5の
何れか1項の実施の形態に加えて、蒸発濃縮容器140
をフレキシブルにしたものであり、これにより濃縮物が
入った状態の取り扱い性や容器の未使用時の収納性は更
に向上する。また、密閉構造に関しては、スクリューキ
ャップ方式の口部を有する袋とし、装置側でスクリュー
に合わせた脱着方式が好ましい。
【0030】請求項7の実施の形態は、蒸発濃縮容器1
40に対しては冷却凝縮部160の出口からの冷却空気
がダクト166を通してそこに設けてある送風ファン1
65(シロッコファン)によって吹き込み口141から
吹き込まれ、既に廃液タンク91から定量ポンプ93で
蒸発濃縮容器140内に送り込まれている廃液の気液境
界面にかなりの風速を発生させ廃液の蒸発と濃縮を促進
せしめている。そして、吹き出し口151から吹き出さ
れた蒸発水分を含む空気は前記冷却凝縮部160の中に
吹き込まれて戻り、循環のループを形成する。一方、前
記冷却凝縮部160の下部の凝縮液タンク161に溜ま
った凝縮水はポンプで汲み上げられて洗浄や希釈等に使
用することが可能になる。そして、ヒートポンプはレシ
プロ式の圧縮機221、蒸発濃縮容器140を外側から
加熱し中の対象になる液体に容器を通して熱伝達させる
ための放熱部202、温度調節用放熱部202A、膨脹
弁としてのキャピラリーチューブ226、前記冷却凝縮
部160のための吸熱部205を経て再び圧縮機221
に戻るようにした熱媒体の循環閉路によって構成され
る。そして、レシプロ式の圧縮機221を用いることに
よって常圧下での高濃縮の蒸発濃縮負荷の増大に対して
も耐久性が向上する。特に、高濃縮化を行うには圧縮機
はロータリ式に比べて格段の耐久性があることが分かっ
た。
【0031】請求項8の実施の形態は、請求項7の実施
の形態に加えて、ヒートポンプは圧縮機221、蒸発濃
縮容器140を外側から加熱し中の対象になる液体に容
器を通して熱伝達させるための放熱部202、温度調節
用放熱部202A、膨脹弁としてのキャピラリーチュー
ブ226、前記冷却凝縮部160のための吸熱部205
を経て再び圧縮機221に戻るようにした熱媒体の循環
閉路によって構成されるが、その温度調節用放熱部20
2Aに対しては排熱ファン224とその駆動モータ22
3が配置されている。これと共にヒートポンプ回路の加
熱経路の熱媒体の温度及び/又は冷却経路の熱媒体の温
度を温度センサーで検出して制御することにより排熱量
を調節するようにしたものである。これにより、安定し
て高濃縮化が可能となる。
【0032】請求項9の実施の形態は、請求項1〜8の
機能を全て組み込んだものである。
【0033】即ち、蒸発濃縮容器140に対しては冷却
凝縮部160の出口からの冷却空気がダクト166を通
してそこに設けてある送風ファン165(シロッコファ
ン)によって吹き込み口141から吹き込まれ、既に廃
液タンク91から定量ポンプ93で蒸発濃縮容器140
内に送り込まれている廃液の気液境界面にかなりの風速
を発生させ廃液の蒸発と濃縮を促進せしめている。そし
て、吹き出し口151から吹き出された蒸発水分を含む
空気は前記冷却凝縮部160の中に吹き込まれて戻り、
循環のループを形成する。一方、前記冷却凝縮部160
の下部の凝縮液タンク161に溜まった凝縮水はポンプ
で汲み上げられて洗浄や希釈等に使用することが可能に
なる。
【0034】また、上記蒸発濃縮容器140は濃縮物の
回収運搬容器を兼ねていて、密封容器とすることがで
き、取り外し交換も可能にしてある。
【0035】一方、ヒートポンプはレシプロ式の圧縮機
221、蒸発濃縮容器140を外側から加熱し中の対象
になる液体に容器を通して熱伝達させるための放熱部2
02、温度調節用放熱部202A、膨脹弁としてのキャ
ピラリーチューブ226、前記冷却凝縮部160のため
の吸熱部205を経て再び圧縮機221に戻るようにし
た熱媒体の循環閉路によって構成される。そして、温度
調節用放熱部202Aに対しては排熱ファン224とそ
の駆動モータ223が配置されている。
【0036】また、前記廃液タンク91にはその液面の
低位及び高位が検出できる液面センサー96が、前記凝
縮液タンク161には同様の液面センサー166が、前
記蒸発濃縮容器140の吹き出し口151の近傍には異
常液面検出センサー156として電極式のセンサーと望
ましくはそれ以外の通常の液面センサー157が設けら
れている。
【0037】請求項10の実施の形態は、請求項1〜9
の実施の形態の何れかに加えて、蒸発濃縮される上記液
体が、ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理によって発
生する写真廃液であることを条件に加えたものであり、
写真廃液は臭気等の問題もあり、本発明装置が有効に機
能する対象液である。
【0038】請求項11の実施の形態は、請求項1〜1
0の実施の形態の何れかに加えて、上記蒸発濃縮装置の
処理能力が毎時2リットル以下であることを条件にした
ものである。これによりミニラボに設置することが能力
の面、設置コストの面及びスペースの面からみて最も得
策と判断される。
【0039】
【発明の効果】本発明のヒートポンプ式蒸発濃縮装置に
より、能力的には低いが製作コストに優れ、設置スペー
スも大きくならず、安定した蒸発濃縮処理をすることが
可能になり、ミニラボには最適の蒸発濃縮装置の提供が
できるようになった。
【0040】また、常圧で高濃縮を行うには圧縮機とし
てロータリ式よりもレシプロ式のものを用いることによ
りこのヒートポンプ式蒸発濃縮装置を耐久性が高く安定
したものとすることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートポンプ式蒸発濃縮装置の概略側面図。
【符号の説明】
91 廃液タンク 93 ポンプ 96 液面センサー 140 蒸発濃縮容器 141 吹き込み口 151 吹き出し口 156 異常液面センサー 157 通常の液面センサー 161 凝縮液タンク 165 送風ファン 166 ダクト 176 液面センサー 202 放熱部 202A 放熱部 205 吸熱部 221 圧縮機 224 排熱ファン 226 膨脹弁(キャピラリーチューブ)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、放熱部、膨脹弁またはキャピラ
    リーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密閉した
    ヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象とする液
    体の加熱蒸発部の加熱手段として使用し、該吸熱部を該
    液体から発生する蒸気を冷却液化するための冷却凝縮部
    の冷却手段として使用するヒートポンプ方式蒸発濃縮装
    置において、液体の加熱蒸発部の蒸発濃縮容器が、濃縮
    液の回収運搬容器を兼ね、簡易に取外し交換可能であ
    り、該加熱手段が蒸発濃縮容器の外側から熱伝達する方
    式であり、該蒸発濃縮容器に対して対象とする液体を供
    給する手段を備え、該蒸発濃縮容器内の気体が蒸気を冷
    却液化するための冷却凝縮部との間で循環する循環送風
    手段を備えていることを特徴とするヒートポンプ方式蒸
    発濃縮装置。
  2. 【請求項2】 圧縮機から膨脹弁またはキャピラリーチ
    ューブに至る経路に、加熱蒸発部の加熱手段以外の排熱
    放熱手段を有し、該排熱放熱手段の排熱量が調節出来る
    構造を有することを特徴とする請求項1に記載のヒート
    ポンプ方式蒸発濃縮装置。
  3. 【請求項3】 上記加熱手段は蒸発濃縮容器の下部に水
    平蛇行式でヒートポンプ加熱配管が設置されており、上
    記排熱放熱手段がその水平蛇行式ヒートポンプ加熱配管
    の下部にファンを設け、ファンの風量を調節することで
    排熱量を調節する方式である事を特徴とする請求項1又
    は2に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
  4. 【請求項4】 循環送風機が冷却凝縮部から気体を吸込
    み、蒸発濃縮容器に気体を吹き込む構造で設置されてお
    り、循環送風機の冷却凝縮部側に外気との連通部を有し
    ている以外は疑似密閉の循環送風経路であることを特徴
    とする請求項1〜3の何れか1項に記載のヒートポンプ
    方式蒸発濃縮装置。
  5. 【請求項5】 対象とする液体を供給する手段が送液ポ
    ンプであり、対象とする液体を貯溜してあるタンクに対
    して低位液面検出の液面センサーを有し、蒸発濃縮容器
    が気体吹き込み口と排気口を有し、排気口側に電極式の
    異常高位液面センサーを有しており、冷却凝縮部から排
    出される凝縮液を貯溜するタンクを有し、フロート式の
    満杯液面センサーを有していることを特徴とする請求項
    1〜4の何れか1項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮
    装置。
  6. 【請求項6】 蒸発濃縮容器がフレキシブルな袋であ
    り、袋が簡易に密閉可能な構造および密閉化装置を有し
    ていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記
    載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
  7. 【請求項7】 圧縮機、放熱部、膨脹弁またはキャピラ
    リーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密閉した
    ヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象とする液
    体の加熱蒸発部の加熱手段として使用し、該吸熱部を該
    液体から発生する蒸気を冷却液化するための冷却凝縮部
    の冷却手段として使用するヒートポンプ方式蒸発濃縮装
    置において、該液体の加熱蒸発部の気体が蒸気を冷却液
    化するための冷却凝縮部との間で循環する循環送風手段
    を備えている常圧下での蒸発濃縮・蒸気冷却凝縮方式で
    あり、圧縮機としてレシプロタイプのコンプレッサーを
    使用することを特徴とするヒートポンプ方式蒸発濃縮装
    置。
  8. 【請求項8】 圧縮機から膨脹弁またはキャピラリーチ
    ューブに至る経路に、加熱蒸発部の加熱手段以外の排熱
    放熱手段を有し、該排熱放熱手段の排熱量が調節出来る
    構造であり、ヒートポンプ回路の加熱経路の熱媒体温度
    および/または冷却経路の熱媒体温度によって、該排熱
    量を調節する制御である事を特徴とする請求項7に記載
    のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
  9. 【請求項9】 圧縮機、放熱部、膨脹弁またはキャピラ
    リーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密閉した
    ヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象とする液
    体の加熱蒸発部の加熱手段及び該加熱蒸発部の加熱手段
    以外の排熱放熱手段とし、該排熱放熱手段の排熱量が調
    節出来る構造として使用し、該加熱蒸発部を交換可能で
    フレキシブルで搬送容器を兼ねる蒸発濃縮容器の構成に
    し、該蒸発濃縮容器には前記液体を溜める容器からポン
    プで該液体を供給する供給口を兼ねる気体吹き込み口と
    気体吹き出し口(排気口)を有し、該液体を溜める容器
    には少なくとも低位液面を検出できる液面センサーを有
    し、前記吹き出し口近傍の蒸発濃縮容器内に電極式の異
    常高位検出液面センサーを設け、前記冷却凝縮部から排
    出される凝縮液を貯溜するタンクにはフロート式の満杯
    検出液面センサーを設け、前記吸熱部を該液体から発生
    する蒸気を冷却液化するための冷却凝縮部の冷却手段と
    して使用するヒートポンプ方式蒸発濃縮装置であって、
    該液体の加熱蒸発部の気体が蒸気を冷却液化するための
    冷却凝縮部との間で循環する循環送風手段を設けると共
    に該循環送風手段の冷却凝縮部側に外気取り入れ口を備
    え、常圧下での蒸発濃縮と蒸気冷却凝縮を行う方式であ
    り、かつ、圧縮機としてレシプロタイプのコンプレッサ
    ーを使用することを特徴とするヒートポンプ方式蒸発濃
    縮装置。
  10. 【請求項10】 蒸発濃縮される上記液体は、ハロゲン
    化銀写真感光材料の現像処理によって発生する写真廃液
    であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記
    載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
  11. 【請求項11】 上記蒸発濃縮装置の処理能力が毎時2
    リットル以下であることを特徴とする請求項1〜10の
    何れか1項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
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