JPH09261915A - 電動ファン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】電動ファン装置に使用されるファンモータの制
御を行う制御装置に十分な冷却風の確保ができ、かつ、
風きり音を低減できるようにする。 【解決手段】電動ファン装置１は、自動車のラジエータ
等の後方にシュラウド３にて支持固定され、回転軸２ａ
にファンブレード４を固定したファンモータ２と、ファ
ンモータ２の回転を制御する制御装置５に形成され、制
御装置５から発生する熱を放熱させる放熱板７に放熱フ
ィン７ａを設けてなる放熱部とを備え、その放熱部の放
熱フィン７ａは、前記ファンモータ２の外径より外側と
なるように伸び、かつ、ファンモータ２の径方向に離間
しないように配置した。従って、ファンブレード４の回
転によって発生する冷却風は放熱フィン７ａに十分に当
たる。すると、制御装置５は十分に冷却される。又、制
御装置５はファンモータ２の径方向に離間しない位置に
配置したことで、風きり音が小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電動ファン装置に
係り、詳しくは、自動車用ラジエータやクーラ用コンデ
ンサ冷却用電動ファン装置に使用されるファンモータ
と、そのモータの回転数制御を行う制御装置の取付け構
造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、回転数制御装置を備えた電動
ファン装置は、その制御装置を近傍に備えるべくファン
モータのエンドフレーム後方に制御装置を配置してい
る。しかし、制御装置は熱を発生し、その制御装置を冷
却する必要があるため、ファンモータのエンドフレーム
後方に制御装置を配置すると、ファンの回転による冷却
風が十分に当たらず、制御装置の冷却性は悪い。そこ
で、上記問題点を考慮した制御装置を備える電動ファン
装置が、種々提案されている。

【０００３】図１０は、その回転数制御装置付電動ファ
ン装置を示す。ファン（図示しない）を駆動するための
モータ５０は、一端が開放された円筒形のモータフレー
ム５１とその開放部に嵌着させるエンドフレーム５２と
で、そのモータ５０の回転数を制御する制御装置５３の
端部を挟み込み、制御装置５３をモータ５０の側面に配
置する。この制御装置５３には、モータ５０の軸方向に
伸びた複数の突部（放熱フィン）５４を取着した放熱板
が備え付けられている。そして、ファンの回転により後
方に流れる冷却風が制御装置５３の放熱フィン５４に当
たることにより、制御装置５３から発生する熱が放熱フ
ィン５４より放出され、制御装置５３を熱から保護す
る。

【０００４】図１１は、別の回転数制御装置をユニット
化した電動ファン装置を示す。自動車用ラジエータ６０
の後方に、ファン６１を備えたモータ６２がシュラウド
６３にて支持されている。一方、モータ６２の回転数を
制御する制御装置６４は、放熱フィン６５が取着され、
ファン６１の回転により発生する最も強い冷却風が当た
るように、モータ６２と離隔してシュラウド６３にネジ
（図示しない）等で固定されている。この制御装置６４
とモータ６２とはハーネス６６にて接続されていてい
る。そして、制御装置６４は、ファン６１の回転により
発生する冷却風が放熱フィン６５に当たり、制御装置６
４から発生する熱は放出される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、図１０に示
した電動ファン装置において、放熱フィン５４に当たる
冷却風は、ファンの羽根の根本で発生した冷却風であり
非常に弱く放冷効果が小さい。しかも、放熱フィン５４
は、前記放熱板に垂直に取着され、制御装置５３のモー
タ５０の側面から突出した放熱板に軸方向に形成されて
いる。従って、冷却風は放熱板に直接に当たり、通風性
が悪く、制御装置５３の冷却性は良くない。その結果、
制御装置５３の冷却に必要な冷却風を確保するには、大
型な放熱フィン５４を使用しなければならず、小型化、
低コスト化という点で問題がある。

【０００６】又、図１１に示した電動ファン装置におい
て、制御装置６４の放熱フィン６５には、冷却に必要な
冷却風が十分に当たるが、放熱フィン６５以外の制御装
置５３本体にも冷却風が当たり、風きり音が発生すると
いう点で問題がある。又、制御装置６４をユニット化し
たことにより、シュラウド６３にネジ等にて固定するた
め、部品点数、部品の組付け工数の増加によるコストア
ップという点でも問題がある。

【０００７】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、電動ファン装置に使
用されるファンモータの制御を行う制御装置に十分な冷
却風の確保ができ、かつ、風きり音を低減できる電動フ
ァン装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項１に記載の発明は、自動車のラジエータ又は
クーラ用コンデンサの後方に備えられたシュラウドと、
前記シュラウドに支持固定されたファンモータと、前記
ファンモータの回転軸に固定されたファンブレードと、
前記ファンモータの回転を制御する制御装置と、前記制
御装置に形成され、前記制御装置から発生する熱を放熱
させる放熱板に放熱フィンを設けてなる放熱部とを備え
た電動ファン装置において、前記放熱部の放熱フィン
は、前記ファンモータの外径より外側となるように伸
び、かつ、ファンモータの径方向に離間しないように配
置した。

【０００９】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の電動ファン装置において、前記制御装置は、前記ファ
ンモータの側面に配置固定した。請求項３に記載の発明
は、請求項１又は２に記載の電動ファン装置において、
前記放熱部に導風する導風部を前記シュラウドに形成し
た。

【００１０】従って、請求項１に記載の発明によれば、
放熱部の放熱フィンをファンモータの外径より外側とな
るように制御装置を配置したことで、ファンブレードの
回転によって発生する冷却風は放熱フィンに十分に当た
る。すると、制御装置は十分に冷却される。又、制御装
置はファンモータの径方向に離間しない位置に配置した
ことで、風きり音が小さくなる。

【００１１】又、請求項２に記載の発明によれば、制御
装置は、ファンモータの側面に一体的に配置固定され
る。又、請求項３に記載の発明によれば、ファンブレー
ドの回転によって発生する冷却風は、導風部によって放
熱部の放熱フィンに積極的に当たる。すると、制御装置
はより効果的に冷却される。

【００１２】

【発明の実施の形態】

（第一の実施の形態）以下、本発明を具体化した電動フ
ァン装置の第一の実施の形態を図１〜図４に従って説明
する。

【００１３】図１は、自動車の電動ファン装置１を示
す。自動車のラジエータ（図示しない）及びクーラ用コ
ンデンサ（図示しない）の後方（エンジンルーム側）
に、円筒形状をなしたファンモータ２を固定するための
シュラウド３が設けられている。シュラウド３は、中心
部にリング状の固定部３ａとその固定部３ａを支持する
支持部３ｂとからなる。支持部３ｂは、固定部３ａから
等間隔で３方に放射状に伸びており、ラジエータに固定
されている。そして、その固定部３ａには、ファンモー
タ２が挿入され固定されている。

【００１４】ファンモータ２は、図２に示すように、一
方の端面から回転軸２ａを突出している。その回転軸２
ａには、ファンブレード４が固定されている。このファ
ンブレード４の中央には、回転軸２ａと同軸でファンモ
ータ２の直径よりも数ｍｍ大きい寸法の円筒形の凹部
（以下、ファンボスという）４ａが形成されていて、そ
のファンボス４ａによって、ファンモータ２の一部は嵌
合されている。このファンボス４ａは、ファン装置の全
長を短くするために設けられている。そして、ファンモ
ータ２の回転駆動に基づいてファンブレード４が回転
し、後方に冷却風を発生させて、発熱したラジエータ及
びクーラ用コンデンサの冷却を行うようになっている。

【００１５】前記したシュラウド３の後方のファンモー
タ２後部側面には、制御装置５が配置されている。制御
装置５は、図３に示すように、樹脂製の回路ボックス６
にその回路素子（図示しない）が収納されている。回路
ボックス６は、後述するケーシング部２ｃにねじ等で固
定されている。又、回路ボックス６の面６ａには放熱板
７が固定されている。その放熱板７には、ファンモータ
２の径方向に伸びる円柱状の放熱フィン７ａが、複数個
形成されている。つまり、放熱板７は、その面が径方向
に向き、その面に対して複数個の放熱フィン７ａが垂直
に立設されている。そして、その放熱フィン７ａは、シ
ュラウド３の固定部３ａの外周よりも、ファンモータ２
の径方向に長い。従って、ファンモータ２の回転駆動に
基づいてファンブレード４が回転し、後方に冷却風が発
生したとき、その冷却風が放熱フィン７ａに十分に当た
るようになっている。しかも、放熱板７は、その面が冷
却風の流れに沿う方向に配置されているため、風通しが
良い。

【００１６】ファンモータ２のエンドキャップ２ｂは、
その一部にケーシング部２ｃが形成されている。ケーシ
ング部２ｃは略コ字状をなしていて、前記回路ボックス
６を挟持して、その回路ボックス６の側面の３方を覆っ
ている。エンドキャップ２ｂ及びモータケース２ｄは、
放熱性の高い鉄，アルミ等で形成されている。又、前記
放熱板７、放熱フィン７ａ及び回路ボックス６の前面
は、アルミニュウムダイガスト等でコーティングされて
いる。従って、制御装置５は、ほぼ全面を金属にて覆う
ことができるので、その制御装置５からから発生する高
周波の電磁波ノイズを低減することができる。

【００１７】一方、コネクタ８は、図４に示すように、
前記回路ボックス６の面６ａにファンモータ２の軸方向
に対して放熱フィン７ａと並列となるように配置固定さ
れている。従って、放熱フィン７ａに当たる冷却風を遮
蔽することなく、放熱フィン７ａに十分な冷却風を確保
することができる。

【００１８】上記したように、本実施の形態によれば、
以下の特徴を有する。 （１）放熱フィン７ａを径方向に突出したことで、ファ
ンブレード４の回転により発生した冷却風の通風性がよ
く、制御装置５を効率よく冷却することができる。

【００１９】（２）ファンブレード４の回転により発生
し、後方に流れる冷却風の向きは一定方向ではないの
で、放熱フィン７ａを円柱状としたことで、その冷却風
の向きに関係なく制御装置５を十分に冷却することがで
きる。

【００２０】（３）ファンブレード４の回転により発生
した冷却風の大部分は、放熱フィン７ａに当たる。その
冷却風は、ファンの中心部付近の風で強風ではないの
で、放熱フィン７ａに当該冷却風が当たっても風きり音
は小さい。

【００２１】（４）コネクタ８は、ファンモータ２の軸
方向に対して放熱フィン７ａと並列となるように配置さ
れているので、放熱フィン７ａに当たる冷却風を遮蔽す
ることなく、放熱フィン７ａに十分な冷却風を確保する
とともに風きり音を低減することができる。

【００２２】（５）制御装置５は、その側面が鉄，アル
ミ等で覆われ、かつ、放熱フィン７ａもアルミニュウム
ダイガスト等で覆われている。従って、特別なシールド
部材を用いることなく、制御装置５から発生する高周波
の電磁波ノイズを低減することができる。

【００２３】（６）制御装置５をファンモータ２の側面
に一体的に配置固定したことで、組付け工数等が減少で
きる。 （第二の実施の形態）以下、本発明を具体化した第二の
実施の形態を図５〜図６に従って説明する。尚、この実
施の形他において、前記第一の実施の形態と同様の部材
については同一の符号を付して説明を省略する。従っ
て、以下には第一の実施の形態と異なった点を中心に説
明する。

【００２４】図５は、電動ファン装置１を示す。第一の
実施の形態と異なる点として、導風部としての導風口３
ｃを設けたシュラウド３とした。導風口３ｃは、ファン
モータ２を固定するためのシュラウド３の固定部３ａの
外周に沿って形成されている。ここで、一般的に、ファ
ンブレード４の回転よって発生する冷却風は、そのファ
ンブレード４の回転方向と同方向に渦を巻くという特徴
がある。本実施の形態では、ファンブレード４は時計回
りに回転する。従って、ファンブレード４の回転よって
発生する冷却風は、時計回りに渦を巻くことになる。

【００２５】導風口３ｃは、上記した特徴に注目し、フ
ァンブレード４の回転よって発生する冷却風がスムーズ
に流れ、前記放熱フィン７ａに導かれるように、ファン
ブレード４の回転方向と同方向（時計回り）にねじれて
形成されている。又、導風口３ｃは、図６に示すよう
に、入口側（ファンブレード４側）から出口側（エンジ
ンルーム側）に対して収束する形状をなしている。そし
て、前記制御装置５は、導風口３ｃの出口側に配置され
ている。従って、ファンモータ２の回転駆動に基づいて
ファンブレード４が回転し、後方に冷却風が発生したと
き、導風口３ｃによって、より積極的に冷却風を放熱フ
ィン７ａに当てることができ、制御装置５を十分に冷却
することができる。

【００２６】上記したように、本実施の形態によれば、
前記第一の実施の形態の各特徴に加えて以下の特徴を有
する。 （１）導風口３ｃを、ファンブレード４の回転方向と同
方向にねじれて形成してことによって、ファンブレード
４の回転によって発生する冷却風が導風口３ｃをスムー
ズに流れるので、導風口３ｃの風きり音を小さくするこ
とができる。

【００２７】（２）導風口３ｃを設けたので、放熱フィ
ン７ａの長さを小さく形成しても制御装置５を十分に冷
却することができる。 （３）シュラウド３に導風口３ｃを設けたことにより、
特別な部品を使用することなくシュラウド３の形状を工
夫するだけで、制御装置５の冷却に十分な冷却風を確保
することができる。

【００２８】尚、本発明は以下のように変更してもよ
く、その場合にも同様の作用及び効果が得られる。 （１）上記第二の実施の形態では、制御装置５は、導風
口３ｃの出口側に配置されているが、ラジエータとエン
ジンルームとの間隔が狭く、ファンブレード４を固定し
たファンモータ２の全長（軸方向の長さ）を短くする必
要があり、制御装置５を導風口３ｃの出口側に配置でき
ない場合、図７及び図８に示すように、制御装置５を導
風口３ｃの内部に配置してもよい。

【００２９】（２）上記第一又は第二の実施の形態で
は、エンドキャップ２ｂに略コ字状に形成されたケーシ
ング部２ｃによって、回路ボックス６を挟持固定し、そ
の回路ボックス６の側面の３方を覆ったが、ケーシング
部２ｃをエンドキャップ２ｂに四角筒状に形成し、回路
ボックス６を嵌入固定し、その回路ボックス６の全側面
を覆ってもよい。又、モータケース２ｄにケーシング部
を形成し、回路ボックス６を固定してもよい。

【００３０】（３）上記第一又は第二の実施の形態で
は、ファンモータ２後部側面に一体的に制御装置５を配
置固定したが、放熱フィン７ａがファンモータ２の外径
より外側となるようにかつファンモータ２の径方向に離
間しない位置に制御装置５を配置すれば、その制御装置
５をファンモータ２に一体的に固定しなくてもよい。例
えば、シュラウド３の固定部３ａやファンモータ２の後
方等に配置してもよい。

【００３１】（４）上記第一又は第二の実施の形態で
は、回路ボックス６は直方体形状をなしているが、回路
ボックス６はこの形状に限らない。例えば、図９に示す
ように、回路ボックス６の径方向の断面が略く字状をな
した形状としてもよい。尚、この例では、回路ボックス
６はファンモータ２の後方に配置されている。

【００３２】以上、この発明の各実施の形態について説
明したが、各実施の形態から把握できる請求項以外の技
術的思想について、以下にそれらの効果とともに記載す
る。 （イ）請求項２〜４に記載の電動ファン装置において、
制御装置５は、金属性のモータカバー２ｄとエンドキャ
ップ２ｂとの少なくとも一方によって形成したケーシン
グ部２ｃにて覆った。従って、特別な部材を用いること
なく、制御装置５から発生する高周波の電磁波ノイズを
低減できる。

【００３３】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電動ファン装置に使用されるファンモータの制御を行う
制御装置に十分な冷却風の確保ができ、かつ、風きり音
を低減できる電動ファン装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１の実施の形態における電動ファン装置の
構成図。

【図２】 第１の実施の形態における電動ファン装置の
側面図。

【図３】 第１の実施の形態における制御装置の構成
図。

【図４】 第１の実施の形態における電動ファン装置の
側面図。

【図５】 第２の実施の形態における電動ファン装置の
構成図。

【図６】 第２の実施の形態における電動ファン装置の
側面図。

【図７】 別例の電動ファン装置の構成図。

【図８】 図７のＡ−Ａ断面図。

【図９】 別例の電動ファン装置の構成図。

【図１０】 従来の電動ファン装置の構成図。

【図１１】 従来の別の電動ファン装置の構成図。

【符号の説明】

２…ファンモータ、２ａ…回転軸、３…シュラウド、３
ｃ…導風部としての導風口、４…ファンブレード、５…
制御装置、７…放熱板、７ａ…放熱フィン。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のラジエータ又はクーラ用コンデ
   ンサの後方に備えられたシュラウド（３）と、 前記シュラウド（３）に支持固定されたファンモータ
   （２）と、 前記ファンモータ（２）の回転軸（２ａ）に固定された
   ファンブレード（４）と、 前記ファンモータ（２）の回転を制御する制御装置
   （５）と、 前記制御装置（５）に形成され、前記制御装置（５）か
   ら発生する熱を放熱させる放熱板（７）に放熱フィン
   （７ａ）を設けてなる放熱部とを備えた電動ファン装置
   において、 前記放熱部の放熱フィン（７ａ）は、前記ファンモータ
   （２）の外径より外側となるように伸び、かつ、ファン
   モータ（２）の径方向に離間しないように配置した電動
   ファン装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の電動ファン装置におい
   て、 前記制御装置（５）は、前記ファンモータ（２）の側面
   に配置固定した電動ファン装置。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の電動ファン装置
   において、 前記放熱部（７ａ）に導風する導風部（３ｃ）を前記シ
   ュラウド（３）に形成した電動ファン装置。