JPH09260790A - 多モード発振する半導体レーザを含む光源装置 - Google Patents

多モード発振する半導体レーザを含む光源装置

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JPH09260790A
JPH09260790A JP8090363A JP9036396A JPH09260790A JP H09260790 A JPH09260790 A JP H09260790A JP 8090363 A JP8090363 A JP 8090363A JP 9036396 A JP9036396 A JP 9036396A JP H09260790 A JPH09260790 A JP H09260790A
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optical
wavelength
semiconductor laser
bandpass filter
light
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JP8090363A
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Atsushi Nitta
淳 新田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】戻り光による出力波長や出力強度の変動が少な
い光源装置ないし光送信装置である。 【解決手段】複数の縦モードが同時に発振する半導体レ
ーザ1と、半導体レーザ1の発振波長範囲よりも狭いパ
スバンドを有し、外部からの作用により透過中にパスバ
ンドを変化できる光バンドパスフィルタ2と、外部から
の信号7、8に応じて半導体レーザ1および光バンドパ
スフィルタ2を駆動する回路3、4、5を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重通信シス
テム等に用いられる光源装置ないし光送信装置などに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】波長多重通信は、1つの伝送路内に独立
した多数のチャンネルを持つことができる。波長多重通
信は、フレーム同期等の時間軸上での多重化が不要な
為、各チャンネルの伝送速度を一致させる必要がなく、
ネットワークの柔軟性が求められるマルチメディア通信
にも適している。
【0003】波長多重通信システムの一例として、各端
局が波長可変な1組の光送信器と光受信器を持つシステ
ムがある。送信する端局は、光送信器の波長可変光源の
波長を通信に使われていない波長(波長多重通信の“チ
ャンネル”)に合わせる。一方、受信する端局は、受信
する波長に、光受信器の光バンドパスフィルタ(光フィ
ルタ)の透過スペクトルの中心波長(光フィルタの波
長)を一致させて受信する。システムで利用できる波長
範囲は、光送信器及び光受信器の波長可変範囲から決ま
る。また、チャンネルの波長間隔(チャンネル間隔)は
光受信器の光フィルタの透過スペクトルの幅から決ま
る。
【0004】波長可変光源としては、波長可変半導体レ
ーザ(半導体レーザをLDと呼ぶ)を用いることができ
る。波長可変幅を広げる為の研究が進められているが、
現時点で実用レベルのものは、多電極のDBR(distri
buted Bragg reflector)型やDFB(distrbuted feed
back)型のもので、波長可変幅は数nmである。一例と
しては、電子情報通信学会の刊行物OQE89−116
“三電極長共振器λ/4シフトMQW−DFBレーザ”
記載のものが挙げられる。一方、波長可変フィルタとし
ては、ファブリペロ共振器型のものを用いることができ
る。波長可変幅は数10nm、スペクトル幅は0.1n
m程度のものが実用レベルになっている。一例として
は、刊行物ECOC ’90−605,”A field-wort
hy, high-performance, Fabry-Perot filter”記載のも
のを挙げることができる。チャンネル間隔を狭くするこ
とにより、同じ波長可変幅で多くのチャンネルを取るこ
とができる。
【0005】LD、光フィルタの波長のドリフトによる
変動幅以下の間隔にする為には、制御によりドリフトの
影響を抑えなければならない。ドリフトの影響を抑える
為には、波長を絶対的、あるいは相対的に安定させるこ
とが必要である。しかし、波長の絶対的な基準の設定は
簡易ではない。また、LANのように光送信器が離れた
場所にある通信システム内では相対的に安定化すること
も難しい。
【0006】これを解決するものとして、本出願人の先
の出願に記載の方法がある。この方式は各光送信器の波
長を、送信を早く開始した順に長波長側(あるいは短波
長側)に一定間隔で配置するもので、絶対的或は相対的
な波長基準を必要としない。すなわち、光送信器の波長
の近傍を光フィルタ(光送信器内にある)で掃引し、隣
接チャンネルとの波長間隔を維持する。以下、従来例と
してその概要を説明する。
【0007】図9は波長制御方式を適用する光送信器を
用いた光通信システムの一例の構成図である。端局数n
のスター型のネットワークである。図示するように、端
局4−1−1〜n、光ノード4−2−1〜n、n×nス
ターカプラ4−3、光ファイバ4−4−1〜n、4−5
−1〜nで構成する。また、光ノード4−2−1〜n
は、光送信器4−6、光受信器4−7、光分岐器4−8
で構成する。端局4−1−1〜nは各々光ノード4−2
−1〜nによりネットワークに接続する。各光ノード4
−2−1〜nは送信用の光ファイバ4−4−1〜nと受
信用の光ファイバ4−5−1〜nでn×nスターカプラ
4−3と接続する。光送信器4−6からの送信光は送信
用の光ファイバ4−4−1〜nでn×nスターカプラ4
−3へ送る。n×nスターカプラ4−3は、その送信光
を均等に各受信用光ファイバ4−5−1〜nに分配し各
光ノード4−2−1〜nに送る。受信用の4−5−1〜
nからの入射光を光分岐器4−8で2つに分け、光受信
器4−7と光送信器4−6に入力する。この構成によ
り、自局の送信光は他局の送信光と一緒に光送信器4−
6の光フィルタに入射する。
【0008】図10は従来の波長制御方式を適用する光
送信器の構成図である。図示するように、波長制御系2
−1、LD2−2、光フィルタ2−3、LD駆動回路2
−4、光フィルタ駆動回路2−5、受光素子2−6、増
幅器2−7、識別器2−8、光変調器2−9により構成
する。波長制御系2−1は、識別器2−8の出力信号を
元に、LD駆動回路2−4、光フィルタ制御回路2−5
を制御し、チューニング動作を行なう。チューニングの
開始等は端局4−1から制御される。波長制御系2−1
は、演算処理回路、記憶素子、A/D変換器、D/A変
換器等で構成する。記憶素子は、チューニング動作で必
要なパラメータ、動作手順を記憶している。
【0009】LD2−2、光フィルタ2−3は上述の素
子を用いる。光フィルタ2−3の透過スペクトルの裾幅
(仮にピークから10dB下がった値の幅とする。以
下、λfbと呼ぶ)はチャンネル間隔Δλを決める主要
因である。λfbはチャンネル間隔Δλ以下の適当な値
に設定する。また、光フィルタ2−3の波長可変範囲は
システム内の全てのLDの波長可変範囲より大きい。
【0010】光変調器2−9はLD2−2の出力光を送
信信号で強度変調する。LD2−2に注入する電流で直
接変調した場合、0.1nm程度の波長変動が生じる
為、この例では光変調器2−9による外部強度変調方式
を採用する。
【0011】LD駆動回路2−4は、波長制御系2−1
からのLD制御電圧(以下、Ve(図10、図11では
Vl(laserのエル)と記す)と記す)に対応した
波長になるようにLD2−2を駆動(電流を注入)す
る。上記の三電極長共振器λ/4シフトMQW−DFB
レーザを用いる場合は、その出力は3つになる。Veの
変化量とLD2−2の波長の変化量は比例する。チャン
ネル間隔Δλに対応するVeの変化量をΔVeとする。
LD2−2の波長可変範囲の最短波長に対応するVeを
Vemin、最長波長に対応するVeをVemaxとす
る。また、波長制御時のVeのステップVesはΔλ、
λfb等をもとに設定する。ステップVesは、チャン
ネル間隔Δλに対応するVeの変化量ΔVeの数から2
0分の1の値が適当である。
【0012】光フィルタ駆動回路2−5は、波長制御系
2−1からの光フィルタ制御電圧(以下、Vfと記す)
に対応した波長になるように光フィルタ2−3を駆動す
る。Vfの変化量と光フィルタ2−3の波長の変化量は
比例する。チャンネル間隔Δλに対応するVfの変化量
をΔVfとする。光フィルタ2−3の波長可変範囲の最
短波長に対応するVfをVfmin、最長波長に対応す
るVfをVfmaxとする。また、波長制御時のVfの
ステップVfsはVesに対応する値にする。ここで対
応するとは、VeをVes変化させたときのLD2−2
の波長の変化量とVfをVfs変化させたときの光フィ
ルタ2−3の波長の変化量が等しいということである。
【0013】識別器2−8のしきい値は、伝送路から光
フィルタ2−3に入射する各チャンネルの波長と光フィ
ルタ2−3の波長が一致したときの増幅器2−8の出力
以下の値(例えば半値)に設定する。入力信号がしきい
値以上の場合はH、そうでない場合はL(Hはデジタル
信号の1、Lはデジタル信号の0を示す)を出力する。
【0014】図11は従来の波長制御方式の動作の説明
図である。“動作1”から“動作2”まであり、各動作
におけるLD、光フィルタの波長の位置関係を示してい
る。図中、λn’(n=1〜4)は、動作を説明する光
送信器がチュ−ニングを開始するときに送信を行なって
いる各光送信器の波長である。λ1は動作を説明する光
送信器のLD2−2の波長である。λfs1は光フィル
タ2−3の掃引開始波長、λfs2は光フィルタ2−3
の掃引終了波長である。
【0015】この波長制御方式では、LD2−2(自局
あるいは他局)と光フィルタ2−3の波長が一致したと
きの制御電圧Ve、Vfにより波長を相対的に関係付
け、波長を制御してチャンネル間隔Δλを一定に保つ。
波長制御系2−1に記憶されているΔVe、ΔVfはチ
ャンネル間隔Δλに対して誤差を持っている。このた
め、波長の相対的な関係付けのための波長掃引の範囲
は、両側とも、その誤差を許容できるように大きくす
る。この方式では波長制御の基準となっているのはVf
である。以下の説明では、チャンネル間隔Δλに対応す
るVfの変化量ΔVfの拡大値をdVfとする。dVf
としてはΔVfの数から10分の1が適当である。
【0016】チュ−ニングは、波長制御系2−1がVe
およびVfと識別器2−8の出力(HあるいはLか)を
もとに行なう。他局あるいは自局のLD2−2の波長と
光フィルタの波長2−3が一致した場合のみ、識別器2
−8の出力はHになる。波長制御系2−1はLD2−2
あるいは光フィルタ2−3の波長を掃引した時に識別器
2−8の出力がHになる制御電圧(LDの場合はVe、
光フィルタの場合はVf)を記憶する。但し、光フィル
タの透過スペクトル幅より波長の掃引ステップ(LDの
制御電圧の掃引ステップはVes、光フィルタの制御電
圧の掃引ステップはVfs)を小さくした場合は、Hと
なる制御電圧が連続する場合があるが、その場合はそれ
らの電圧の平均をとる。
【0017】チューニング動作について図11を用いて
説明する。“動作1”について。VeをVeminとし
LD2−2を最短波長で発振させ、VfをVfminか
らVfmin+2ΔVf+dVfまで掃引する(波長で
はλfmin(図11ではλfs1と示す)からλfm
in+2Δλ+dλ(図11ではλfs2と示す)に相
当する)。この動作によりLD2−2の波長と空きチャ
ンネルの有無が分かる。掃引時に識別器2−8の出力が
HになったVfはLD2−2の波長に対応する。このV
fの値をVfmとして記憶する。識別器2−8の出力が
一旦Lになった後再びHになった場合は空きチャンネル
無しと判断し、チューニング動作を中止する。そうでな
い場合は、空きチャンネルありと判断し、“動作2”を
行なう。
【0018】“動作2”について。Vem(Vfmに対
応する)を前の動作での値として、Ve=Vemとし、
VfをVfm−dVfからVfm+ΔVf+dVfまで
掃引する(波長ではλfm−dλからλfm+Δλ+d
λに相当する)。掃引中に識別器2−8の出力が最初に
HになったVfをVfml、その後一旦Lになり再びH
になったVfをVfm2として記憶する(但し、再びH
にならなかった場合にはVfm2=Vfml+ΔVf+
dVfとする)。そして、 |Vfm2−Vfm1−ΔVf|≦Vfsの場合:Ve
m=Vem Vfm2−Vfm1−ΔVf<−Vfsの場合:Vem
=Vem−Ves Vfm2−Vfm1−ΔVf>Vfsの場合:Vem=
Vem+Ves とし、この”動作2”を繰り返す。この動作により、動
作説明している光送信器のLD2−2の波長λ1は長波
長側にシフトしていき、長波長側の隣接チャンネル(図
7ではλ4’)とΔλのチャンネル間隔を誤差範囲内で
維持する。
【0019】ある端局の送信が終了し、その波長の光が
なくなると、その短波長側にある波長の長波長側のチャ
ンネル間隔は2Δλになるが、上記の動作により、長波
長側にシフトし、チャンネル間隔は再びΔλになる。こ
うして定常状態では波長は長波長側からΔλのチャンネ
ル間隔で並ぶ。図11中、(b)の(1)はシフト開始
時、(2)はシフトが終了してΔλが維持されている状
態を示している。尚、この動作を繰り返している途中、
Vem≧Vemaxとなった場合(この端局が送信を開
始する前に送信している端局がない場合)には、チュー
ニング動作を終了し、Ve=Vemaxの状態を維持す
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のシステムでは、線幅の狭い半導体レーザ(例え
ば、分布帰還型半導体レーザ)を光源に用いて波長多重
度を増やしていた。線幅の狭い半導体レーザ(分布帰還
型半導体レーザや分布反射型半導体レーザ)は、戻り光
によりその挙動が不安定となる為に、光源と光伝送路
(光ファイバ)との間に光アイソレータを設け、戻り光
が光源に戻ることを阻止しなければならなかった。ま
た、或る波長範囲の光を得る為に光源である半導体レー
ザの温度を一定の範囲に維持する必要があり、その為に
温度制御装置(例えば、電子冷却素子などを用いたも
の)が必要となっていた。以上から、光アイソレータや
温度制御装置の導入によって光送信装置の構成が複雑に
なり、更に光送信装置は消費電力の大きなものとなって
いた。
【0021】従って、本出願に係わる第1の発明の目的
は、戻り光による出力波長や出力強度の変動が少ない光
源装置ないし光送信装置を提供することである(主に請
求項1、2に対応する)。
【0022】また、本出願に係わる第2の発明の目的
は、使用可能な波長範囲を広げたり、あるいは周囲温度
が変化しても同じ波長が使用できるようにすることであ
る(主に請求項3、4に対応する)。
【0023】また、本出願に係わる第3の発明の目的
は、第1、第2の発明の目的に加えて出力光強度を安定
させることである(主に請求項5に対応する)。
【0024】また、本出願に係わる第4の発明の目的
は、第1、第2の発明の目的に加えて出力光強度を増加
させることである(主に請求項6に対応する)。
【0025】また、本出願に係わる第5の発明の目的
は、本発明の光源装置を含む光送信装置を用いた光伝送
システムを提供することである(主に請求項7、8に対
応する)。
【0026】
【課題を解決する為の手段及び作用】上記課題を解決す
る為に、本発明では、戻り光に強い多モード発振する半
導体レーザを光源に用い、光バンドパスフィルタを用い
て半導体レーザの出力光の一部の波長の光を取り出し、
光バンドパスフィルタの透過中心波長を変化させる光源
装置ないし波長多重用の光送信装置を提供する。
【0027】詳細には、上記目的を達成する為、本出願
に係わる第1の発明は、多モード発振している半導体レ
ーザと、半導体レーザの多モードがある波長範囲より狭
いパスバンドの光バンドパスフィルタを組み合わせて所
望の波長の光を出力する構成を特徴とする。即ち、第1
の発明の光源装置は、複数の縦モードが同時に発振する
半導体レーザと、該半導体レーザの発振波長範囲よりも
狭い透過波長スペクトルの半値全幅を有し、外部からの
作用により透過中心波長を変化することができる光バン
ドパスフィルタと、外部からの信号に応じて該半導体レ
ーザおよび該光バンドパスフィルタを駆動する回路とを
有していることを特徴とする。更に前記半導体レーザの
出力光の一部または全部を前記光バンドパスフィルタへ
入射させ、該光バンドフィルタからの出射光を外部の光
伝送路へ結合する為の光学的結合手段を有してもよい。
上記構成において、多モード発振している半導体レーザ
は戻り光により発振が乱れにくいので、従来の構成で用
いられていた戻り光を除去する手段(例えばアイソレー
タ)を必要としない構成の光源装置ないし光送信装置を
構成できる。
【0028】また、本出願に係わる第2の発明は、複数
個の多モード発振する半導体レーザであって各半導体レ
ーザの多モードスペクトルの範囲が異なるものを用いる
ことを特徴とする。即ち、第2の発明の光源装置は、複
数の縦モードが同時に発振する半導体レーザを複数個有
し、該複数個の半導体レーザの発振スペクトル範囲が異
なり、該複数個の半導体レーザの出力光を合流する合流
素子、該合流素子からの出力光の一部の波長範囲の光を
透過する光バンドパスフィルタ、外部からの信号に応じ
て該複数の半導体レーザおよび該光バンドパスフィルタ
を駆動する回路を有していることを特徴とする。更に複
数の縦モードが同時に発振する前記半導体レーザからの
出力光を前記合流素子へ結合させ該合流素子からの出力
光を前記光バンドパスフィルタへ結合させ、該光バンド
パスフィルタからの出力光を外部の光伝送路へ結合する
為の光学的結合手段を有してもよい。上記構成におい
て、1つの光源でカバーできる波長範囲より広い波長範
囲をカバーすることが可能となる。また、1つの半導体
レーザと同じ波長範囲を用いる場合、この構成により、
たとえ1つの半導体レーザの温度が変化して波長範囲が
ずれても、他の半導体レーザが使用波長範囲をカバー出
来るので、使用可能な波長範囲を変えなくて済むという
特徴がある。
【0029】また、本出願に係わる第3の発明は、光変
調器を用いることにより、半導体レーザを直接変調しな
くて済むようにしたことを特徴とする。即ち、第3の発
明の光源装置は、更に光変調器を有し、前記光バンドパ
スフィルタ又は前記半導体レーザからの出射光を該光変
調器へ入射させ該光変調器又は該光バンドパスフィルタ
からの出射光を外部の光伝送路へ結合する為の光学的結
合手段を有し、該半導体レーザ及び該光バンドパスフィ
ルタおよび該光変調器を外部からの信号に応じて駆動す
る回路を有していることを特徴とする。この構成によ
り、多モード発振している半導体レーザを信号の変調で
乱さなくて済むので、安定した送信を行なうことができ
る。
【0030】また、本出願に係わる第4の発明は、光増
幅器を用いることにより、出力光強度を大きくしたこと
を特徴とする。即ち、第4の発明の光源装置は、更に光
増幅器を有し、前記光バンドパスフィルタ又は前記半導
体レーザからの出射光を該光増幅器へ入射させ該光増幅
器又は該光バンドパスフィルタからの出射光を外部の光
伝送路へ結合する為の光学的結合手段を有し、該半導体
レーザ及び該光バンドパスフィルタおよび該光増幅器を
外部からの信号に応じて駆動する回路を有していること
を特徴とする。
【0031】また、本出願に係わる第5の発明は、上記
の光源装置ないし送信器を用いた光送信装置を含むこと
を特徴とする光伝送システムである。この送信器が複数
の異なる波長の光信号を送出することができて、波長多
重型のネットワ−クを構成することもできる。
【0032】
【発明の実施の形態】実施例1 図1は本発明の特徴を最も良く表わす図面である。同図
において、1は半導体レーザ、2は光バンドパスフィル
タ、3は制御回路、4は半導体レーザ1の駆動回路、5
は光バンドパスフィルタ2の駆動回路、6はこれらから
成る光送信器、7は信号、8は波長信号である。半導体
レーザ1は、その発振特性が図5に示したように多モー
ド発振しているもの(マルチバイブレーションレーザ)
を用いている。この多モードのスペクトルの半値幅は約
20nmであった。また、光バンドパスフィルタ2は、
透過波長の半値幅が約2nmのものを使用した。例え
ば、光バンドパスフィルタ2として、ピエゾ圧電素子で
透過波長を変化させることが可能なエタロン型フィルタ
を用いた。
【0033】図1の構成において、制御回路3は、駆動
回路4及び5を用いて、信号7と波長信号8に基づいて
半導体レーザ1の駆動と変調および光バンドパスフィル
タ2の透過中心波長の設定を行なう。また、半導体レー
ザ1の出力光は、適当な光学部品(図には示していな
い)を用いて光バンドパスフィルタ2へ入射させ、光バ
ンドパスフィルタ2からの出射光は、やはり適当な光学
部品を用いて光伝送路である光ファイバへ結合される。
図2は、従来例の説明で用いた図10に相当する図であ
り、図10で示したLD駆動回路2−4、LD2−2、
光変調器2−9の部分を光送信器6として示してある。
【0034】次に本実施例を、図9乃至図11で説明し
たシステムに用いた場合の動作について述べる。全構成
については従来例の所で記述したので、ここでは光送信
器6の部分についてだけ動作説明する。制御回路3はフ
ィルタ用駆動回路5を制御して、光バンドパスフィルタ
2の透過中心波長を所望の初期値に設定して待機する。
更に、制御回路3は、信号7が入力されると半導体レー
ザ用駆動回路4を制御して半導体レーザ1を変調する。
【0035】次に、識別器2−8等から成る光検出系
(図2参照)より得られた信号を基に制御系2−1より
送出される波長信号8に従って、制御回路3はフィルタ
用駆動回路5を制御し、光バンドパスフィルタ2の透過
中心波長を変化させる。これは上記従来例システムにお
いてLD2−2の発振波長を変化させるのに相当する。
こうして、定常状態では、光バンドパスフィルタ2から
の波長は長波長側からΔλのチャンネル間隔で並ぶ。図
6は、定常状態に至る前の光伝送路中での各チャンネル
の光の波長を示す。
【0036】実施例2 図3に本発明の他の実施例を示した。同図において、図
1と同一部材は同一番号で示した。すなわち、半導体レ
ーザ1、光バンドパスフィルタ2、制御回路3、半導体
レーザ用駆動回路4、フィルタ用駆動回路5、変調器用
駆動回路9、光変調器10、信号7、波長信号8であ
る。本構成で新規な部分は、10の光変調器、9の光変
調器用駆動回路である。
【0037】光バンドパスフィルタ2の動作は実施例1
と同様である。信号7を受けた制御回路3は、半導体レ
ーザ用駆動回路4を制御し半導体レーザ1を駆動し、変
調器用駆動回路9を制御し光変調器10を駆動して信号
7に応じた光信号を得る。この際、半導体レーザ1は常
に発光させておき、信号7に応じて光変調器10で変調
するだけでよい。光バンドパスフィルタ2と光変調器1
0の位置は交換してもよい。
【0038】実施例3 図4に本発明の他の実施例を示した。同図において、図
1と同一部材は同一番号で示した。本構成で新規な部分
は、12の光増幅器と11の駆動回路である。基本的動
作は実施例1と同じであるので、ここでは省略する。光
増幅器12(制御回路3が駆動回路11を制御して、駆
動されている)は、半導体レーザ1の出力光の一部(光
バンドパスフィルタ2を透過した光)の強度を強くする
為に用いられる。
【0039】半導体レーザ1は常に発光させておき、信
号7に応じて光増幅器12で変調する様にしてもよい。
また、光バンドパスフィルタ2と光増幅器12の位置は
交換してもよい。
【0040】実施例4 図7に本発明の第4の実施例を示した。同図において図
1と同一部材は同一番号で示した。本構成で新規な部分
は、合流素子13と、もう1つの半導体レーザ15およ
びその駆動回路14である。半導体レーザ1と15は図
8に示すようにその発光スペクトルが約15nmずれて
いる。半導体レーザ1と15の出力光は合流素子13で
合流され、見掛け上、発光スペクトル幅が広い光源のよ
うに振る舞う。
【0041】本構成の基本的な動作は実施例1と同じで
ある。すなわち、信号7を受けた制御回路3は、半導体
レーザ用駆動回路4と14を制御し半導体レーザ1と1
5を駆動し、変調光出力を得る。また、波長信号8に応
じて制御回路3は、フィルタ用駆動回路5を制御し、光
バンドパスフィルタ2の透過中心波長を制御する。図7
では、2つの半導体レーザに2つの駆動回路を個別に用
いたが、1つの駆動回路で2つの半導体レーザを駆動す
る構成でもよい。また、出力が必要な波長の光を出力可
能な半導体レーザを選択して駆動することも可能であ
る。すなわち、信号7を受けた制御回路3は、波長信号
8に応じた半導体レーザ(この実施例の場合1か15)
の一方を駆動し変調することにより、半導体レーザを駆
動する電流を低減することができる。この場合、制御回
路3は複数の半導体レーザの発光可能な波長範囲を把握
しておく必要がある。
【0042】上記で説明したように、本発明は、波長多
重通信に用いる光送信器として使用できるが、波長多重
通信の方法は上記従来例に述べたものに限らず、他の波
長多重通信の方法にも適用できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係わる第
1の発明によれば、戻り光により出力光の波長や強度の
変動の少ない光源ないし光送信装置を提供できる。本出
願に係わる第2の発明によれば、使用可能な波長範囲を
広げる効果あるいは周囲の温度変化が生じても一定の波
長範囲の光を用いることが可能な効果がある。本出願に
係わる第3の発明によれば、第1又は第2の発明の効果
に加えて、出力光強度を安定したものを提供できる。本
出願に係わる第4の発明によれば、第1又は第2の発明
の効果に加えて、出力光強度を増加させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光送信器の第1実施例の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明の光送信器の第1実施例を含む光送信装
置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の光送信器の第2実施例の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明の光送信器の第3実施例の構成を示すブ
ロック図である。
【図5】本発明の第1実施例で用いた半導体レーザの発
振スペクトルを示す図である。
【図6】本発明の第1〜第3実施例を用いた波長多重シ
ステムの光伝送路中での光の波長を示す図である。
【図7】本発明の光送信器の第4実施例の構成を示すブ
ロック図である。
【図8】本発明の第4実施例の合流素子13後の光スペ
クトルを示す図である。
【図9】従来例のところで説明した光通信システムの構
成例を示す図である。
【図10】従来例のところで説明した光通信システムで
使用された光送信器の構成を示す図である。
【図11】従来例のところで説明した光通信システムの
波長制御方式の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1、15 多モード発振する半導体レーザ 2、2−3 光バンドパスフィルタ 2−1 制御系 2−6 受光素子 2−7 増幅器 2−8 識別器 3 制御回路 4、14 半導体レーザ用駆動回路 5、2−5 光フィルタ用駆動回路 6 光送信器 7 信号 8 波長信号 9 変調器用駆動回路 10 光変調器 11 増幅器用駆動回路 12 光増幅器 13 合流素子 32、42 第2歪量子井戸部 40 反射防止膜 51 位相制御層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の縦モードが同時に発振する半導体レ
    ーザと、該半導体レーザの発振波長範囲よりも狭い透過
    波長スペクトルの半値全幅を有し、外部からの作用によ
    り透過中心波長を変化することができる光バンドパスフ
    ィルタと、外部からの信号に応じて該半導体レーザおよ
    び該光バンドパスフィルタを駆動する回路とを有してい
    ることを特徴とする光源装置。
  2. 【請求項2】更に前記半導体レーザの出力光の一部また
    は全部を前記光バンドパスフィルタへ入射させ、該光バ
    ンドフィルタからの出射光を外部の光伝送路へ結合する
    為の光学的結合手段を有していることを特徴とする請求
    項1記載の光源装置。
  3. 【請求項3】複数の縦モードが同時に発振する半導体レ
    ーザを複数個有し、該複数個の半導体レーザの発振スペ
    クトル範囲が異なり、該複数個の半導体レーザの出力光
    を合流する合流素子、該合流素子からの出力光の一部の
    波長範囲の光を透過する光バンドパスフィルタ、外部か
    らの信号に応じて該複数の半導体レーザおよび該光バン
    ドパスフィルタを駆動する回路を有していることを特徴
    とする光源装置。
  4. 【請求項4】更に複数の縦モードが同時に発振する前記
    半導体レーザからの出力光を前記合流素子へ結合させ該
    合流素子からの出力光を前記光バンドパスフィルタへ結
    合させ、該光バンドパスフィルタからの出力光を外部の
    光伝送路へ結合する為の光学的結合手段を有しているこ
    とを特徴とする請求項3記載の光源装置。
  5. 【請求項5】更に光変調器を有し、前記光バンドパスフ
    ィルタ又は前記半導体レーザからの出射光を該光変調器
    へ入射させ該光変調器又は該光バンドパスフィルタから
    の出射光を外部の光伝送路へ結合する為の光学的結合手
    段を有し、該半導体レーザ及び該光バンドパスフィルタ
    および該光変調器を外部からの信号に応じて駆動する回
    路を有していることを特徴とする請求項1または3記載
    の光源装置。
  6. 【請求項6】更に光増幅器を有し、前記光バンドパスフ
    ィルタ又は前記半導体レーザからの出射光を該光増幅器
    へ入射させ該光増幅器又は該光バンドパスフィルタから
    の出射光を外部の光伝送路へ結合する為の光学的結合手
    段を有し、該半導体レーザ及び該光バンドパスフィルタ
    および該光増幅器を外部からの信号に応じて駆動する回
    路を有していることを特徴とする請求項1または3記載
    の光源装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載の光源装
    置を光送信器として含むことを特徴とする光伝送システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記送信器が複数の異なる波長の光信号
    を送出することができて波長多重型のネットワ−クを構
    成することを特徴とする請求項7記載の光伝送システ
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1146680A2 (en) * 2000-03-30 2001-10-17 Nec Corporation Wavelength multiplexing system, wavelength adjusting system, and optical transmitter

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1146680A2 (en) * 2000-03-30 2001-10-17 Nec Corporation Wavelength multiplexing system, wavelength adjusting system, and optical transmitter
EP1146680A3 (en) * 2000-03-30 2004-01-07 Nec Corporation Wavelength multiplexing system, wavelength adjusting system, and optical transmitter

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