JPH09260100A - 高周波型荷電粒子加速装置 - Google Patents

高周波型荷電粒子加速装置

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JPH09260100A
JPH09260100A JP7156696A JP7156696A JPH09260100A JP H09260100 A JPH09260100 A JP H09260100A JP 7156696 A JP7156696 A JP 7156696A JP 7156696 A JP7156696 A JP 7156696A JP H09260100 A JPH09260100 A JP H09260100A
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Hiroshi Fujisawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でエネルギー可変幅の広い高周波型荷電
粒子加速装置を得る。 【解決手段】 荷電粒子ビームの通過経路のまわりに配
置された4重極電極を備え、高周波電源より高周波電力
の供給を受けて共振し、荷電粒子ビームを集群して加速
する高周波4重極加速手段(12)と、この高周波4重極加
速手段の後段に配置され、高周波電源より高周波電力の
供給を受けて共振し、荷電粒子ビームのエネルギーを可
変する少なくとも一段の後段高周波加速手段(14,16)
と、高周波4重極加速手段及び後段高周波加速手段に供
給する高周波電力の値を切り替えることにより、高エネ
ルギーモードと低エネルギーモードとに切り替える替え
手段(11)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギーのイ
オン等の荷電粒子を照射対象物に照射してイオン注入や
表面改質等を行う装置に供される高周波型加速装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置は、拡散したい不純物を
イオン化し、この不純物イオンを磁界を用いた質量分析
法により選択的に取り出し、電界により加速してイオン
照射対象物に照射することで、イオン照射対象物内に不
純物を注入する装置である。そして、このイオン注入装
置は、半導体プロセスにおいてデバイスの特性を決定す
る不純物を任意の量および深さに制御性良く注入できる
ことから、現在の集積回路の製造に重要な装置になって
いる。近年、半導体デバイスメーカでは、MeV級の高
エネルギーイオン注入装置の必要性が高まっている。こ
れは、C−MOSデバイス製造プロセスにおけるレトロ
グレイドウエルの形成、ROM後書込み等を、高エネル
ギーイオン注入で行う利点が明らかになってきたためで
ある。上記高エネルギーイオン注入装置の一つに、図3
に示すようなイオン加速手段として高周波4重極型線形
加速器(以下、RFQ加速器とよぶ)36を用いたもの
がある。この高エネルギーイオン注入装置は、イオンビ
ーム発生部31を有しており、このイオンビーム発生部
31は、イオン源物質をイオン化してビームとして引き
出すイオン源32、質量分析により所望のイオンのみを
選択的に取り出す分析マグネット33、イオンビームを
シャープに整形するレンズ34、および上記イオン源3
2に電力を供給する高電圧電源部35を備えている。そ
して、このイオンビーム発生部31の後段に上記RFQ
加速器36が設けられ、イオンビーム発生部31から出
射されたイオンがRFQ加速器36により所定のエネル
ギーまで加速されるようになっている。
【0003】上記RFQ加速器36は、真空チャンバ3
6a内にモジュレーション(波構造)を有する4重極電
極36bを備えている。また、上記RFQ加速器36の
ビーム入射部には、後続の加速部でビームを加速し易い
ように集群(バンチ)するバンチ部が形成されている。
上記RFQ加速器36には、図示しない高周波電源によ
り所定周波数の高周波電力を供給され、RFQ加速器3
6が共振し、これにより、イオンの進行方向と直角な方
向に4重極電界が形成される。同時に、4重極電極36
bのモジュレーションにより進行方向(長手方向)の電
界が形成される。この結果、RFQ加速器36により、
ビーム入射部でバンチされたビームが集束されながら加
速される。尚、上記RFQ加速器36では、その共振周
波数が、その構造によって一定のものに固定されている
ため、同一イオン種の加速エネルギーを可変できないと
いう欠点がある。この解決法として、RFQ加速器36
の後段に高周波加速器(以下、後段RF加速器とよぶ)
37が付加されている。即ち、上記RFQ加速器36か
ら出射された所定エネルギーのビームを、後段RF加速
器37でさらに加速、あるいは減速して、所望のエネル
ギーに調整するのである。上記後段RF加速器37とし
ては、例えば、真空容器37a内にドリフトチューブ3
7bを備えた2ギャップのλ/4共振器を用いることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の場合、ビー
ムのエネルギー可変幅は、上記後段RF加速器37の構
成および特徴で決まる。よりエネルギー可変幅を広くし
ようとする場合、複数の後段RF加速器を多段につなぐ
ことが考えられるが、これでは加速部全体の長さが長く
なってしまい装置の大型化を招来するという問題があ
る。一方、高周波加速装置は、一般に、高いエネルギ
(半導体への応用では200keV〜3MeV)のみで
運転できるように設計されており、低いエネルギ(0〜
200keV)では時に効率よく(ビームのロスを少な
くなるよう)装置の運転が出来るようになっていない。
したがって特に高いドーズ量での注入(あるいは照射)
では処理時間がいちじるしく長くなり実用的でない。又
ビームロスが多くなると言うことは、ビームが輸送路の
どこかに当たっていることを意味し、その衝突から発生
する金属、その他の固体のコンタミネーション、あるい
はガス放出による真空度悪化等のイオン注入装置ではあ
ってはならない問題が発生する可能性がでてくる。半導
体工場では、現在のところ高エネルギー機を量産に使う
ことは、全イオン注入使用回数から見ると少なく、装置
を遊ばせないよう、低エネルギー領域でも使用可能であ
ることが、ユーザーから強く求められている。即ち、イ
オン入射系から出てくるイオンエネルギー(RF主加速
に入る前のエネルギ)を高周波加速器系(高周波4重
極、高周波加速器)の中で加速あるいは減速させること
なく照射室へ効率良くみちびくことが求められている。
さらに、用途によって、中エネルギー領域での使用も求
められている。
【0005】本発明の目的は、小型でエネルギー可変幅
の広い高周波型荷電粒子加速装置を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、低エネルギー領域でも使用可
能な高周波型荷電粒子加速装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、中エネルギー領域でも使用可能な
高周波型荷電粒子加速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の高周波型荷電粒子加速装置の第1の発明
は、荷電粒子ビームの通過経路のまわりに配置された4
重極電極を備え、高周波電源より高周波電力の供給を受
けて共振し、荷電粒子ビームを集群して加速する高周波
4重極加速手段と、この高周波4重極加速手段の後段に
配置され、高周波電源より高周波電力の供給を受けて共
振し、荷電粒子ビームのエネルギーを可変する少なくと
も一段の後段高周波加速手段と、高周波4重極加速手段
に所定の加速電力を供給して荷電粒子ビームを加速させ
ると共に後段高周波加速手段に所定の高周波電力を供給
する高エネルギーモードと、高周波4重極加速手段に加
速電力よりも弱い非加速電力を供給して荷電粒子ビーム
の加速を行わせないようにすると共に後段高周波加速手
段への高周波電力の供給を停止する低エネルギーモード
とに切り替える供給電力切り替え手段段と、を有するこ
とを特徴としている。本発明の高周波型荷電粒子加速装
置の第2の発明は、荷電粒子ビームの通過経路のまわり
に配置された4重極電極を備え、高周波電源より高周波
電力の供給を受けて共振し、荷電粒子ビームを集群して
加速する高周波4重極加速手段と、この高周波4重極加
速手段の後段に配置され、高周波電源より高周波電力の
供給を受けて共振し、荷電粒子ビームのエネルギーを可
変する第1段高周波加速装置と第2段高周波加速装置を
有する後段高周波加速手段と、高周波4重極加速手段に
所定の加速電力を供給して荷電粒子ビームを加速させる
と共に後段高周波加速手段に所定の高周波電力を供給す
る高エネルギーモードと、高周波4重極加速手段に加速
電力よりも弱い非加速電力を供給して荷電粒子ビームの
加速を行わせないようにすると共に後段高周波加速手段
への高周波電力の供給を停止する低エネルギーモード
と、高周波4重極加速手段に加速電力よりも弱い非加速
電力を供給して荷電粒子ビームの加速を行わせないよう
にすると共に後段高周波加速手段の第1段高周波加速装
置にバンチャーとして機能するような所定の値の高周波
電力を供給し且つ第2高周波加速装置に加速器として機
能するような所定の値の高周波電力を供給する中エネル
ギーモードとに切り替える供給電力切り替え手段と、を
有することを特徴としている。
【0007】
【作用】上記のように構成された本発明の第1の発明に
よれば、高エネルギーモードにおいて、高周波4重極加
速手段に加速電力を供給してイオンビームを加速し、後
段高周波加速手段でこのイオンビームをさらに加減速さ
せることにより、高エネルギー領域においても、イオン
ビームのエネルギー可変幅を広げることができる。これ
に加えて、低エネルギーモードにおいて、高周波4重極
加速手段に非加速電力を供給してイオンビームを入射し
たエネルギーと同一のエネルギーで出射させ、さらに、
後段高周波加速手段に電力を供給しないようにしてい
る。この結果、高周波型荷電粒子加速装置を高エネルギ
ー領域でのみ使用するのではなく、RF加速方式では通
常困難な低エネルギー領域でも使用可能となる。また、
上記のように構成された本発明の第2の発明によれば、
上記の高エネルギーモード及び低エネルギーモードに加
えて、中エネルギーモードにおいて、高周波4重極加速
手段に加速電力よりも弱い非加速電力を供給すると共に
後段高周波加速手段の第1段高周波加速装置にバンチャ
ーとして機能するような所定の値の高周波電力を供給し
第2高周波加速装置に加速器として機能するような所定
の値の高周波電力を供給するようにしている。この結
果、高周波型荷電粒子加速装置が中エネルギーでも使用
可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
及び図2を参照して説明する。先ず、本発明の一実施形
態を図1及び図2により説明する。この本発明の一実施
形態における高周波型荷電粒子加速装置としての高周波
型イオン加速装置(以下、RF加速装置と称する)は、
高エネルギーイオン注入装置に用いられるものであり、
図1に示すように、高エネルギーイオン注入装置のイオ
ンビーム発生部1の後段に設置されている。このイオン
ビーム発生部1は、イオン源物質をイオン化してビーム
として引き出すイオン源2、質量分析により所望のイオ
ンのみを選択的に取り出す分析マグネット3、RF加速
装置10へ入射するビーム量の効率を高めるためにイオ
ンビームをシャープに整形する電磁型4重極レンズ4、
およびイオン源2に電力を供給する高電圧電源部5を有
している。このRF加速装置10は、高周波4重極型線
形加速器(以下、RFQ加速器とよぶ)12と、このR
FQ加速器12の後段に配置される第1段高周波加速器
14(以下、第1RF加速器とよぶ)及び第2段高周波
加速器16(以下、第2RF加速器とよぶ)から構成さ
れている。
【0009】このRFQ加速器12は、真空チャンバ1
2a内に設けられ、荷電粒子ビームとしてのイオンビー
ムの通過経路のまわりに配置された4重極電極12bを
備えている。この4重極電極12bにおける各電極の対
向面には、イオンの進行方向と同一の方向に加速電界を
形成するためのモジュレーション(波構造)が形成され
ている。このRFQ加速器12のビーム入射部側には、
ビームを加速し易いように集束(バンチ)するバンチ部
が形成されており、このバンチ部以降の部分が加速部と
なっている。第1RF加速器14は、3ギャップλ/4
(λは共振周波数)の線形加速器であり、入射されたビ
ームの加速及び減速させることが可能である。この第1
段RF加速器14は、ドリフトチューブを構成する円筒
状の一対の加速電極14a,14bと、これらの加速電
極14a,14bの両側に配置された円筒状の接地電極
14c,14dと、加速電極14a,14bに一端が接
続され他端が接地され共振波長λの1/4倍の長さを有
するコイル14e,14fを備えている。また、これら
の電極の間には、ギャップg1,g2,g3がそれぞれ
形成されている。また、第2RF加速器16の構成は、
第1RF加速器14の構成と同一であり、その説明は省
略する。
【0010】また、第1RF加速器14と第2RF加速
器16の下流側には、電磁型4重極レンズ13,17が
それぞれ設けられ、これらの電磁型4重極レンズ13,
17は直流電源15,19にそれぞれ接続されている。
また、RF加速装置10は、RFQ加速器12、第1R
F加速器14及び第2RF加速器16にそれぞれ高周波
電力を供給する高周波電源11を備えている。また、こ
の高周波電源11は、RFQ加速器12へ供給する高周
波電力の強弱を調節すると共に第1RF加速器14及び
第2RF加速器16への供給電力のオン・オフ及び高周
波電力の値を調整することにより、RFQ加速器12を
加速管として使用する(高エネルギーモード)か、RF
Q加速器12を単なる輸送管として使用する(低エネル
ギーモード)か、又は、中エネルギー領域で使用する
(中エネルギーモード)かに切り替える供給電力切り替
え手段として機能するコントロールユニット28(図2
参照)を有している。図2は、本発明の実施形態の制御
内容を示すためのブロック図である。この図2に示すよ
うに、高周波電源11は、標準信号発生源29、可変電
力増幅器18,20,22、位相シフター24,26、
及びコントロールユニット28により構成されている。
可変電力増幅器18,20,22は、RFQ加速器1
2、第1RF加速器14及び第2RF加速器16に、そ
れぞれ接続されている。また、これらの可変電力増幅器
18,20,22には、標準信号発生源29から、標準
高周波信号が供給される。位相シフタ24,26は、第
1RF加速器14及び第2RF加速器16に、それぞれ
接続されている。コントロールユニット28は、オペレ
ータにより任意に設定された目標エネルギーが得られる
ように、位相、高周波電力のそれぞれの値を所定のプロ
グラムされたアルゴリズムに基づき設定する。即ち、各
可変電力増幅器18,20,22には、高周波電力に関
する信号がコントロールユニット28から送られ、これ
により、出力電力(即ち電界の振幅)の値が調整され
る。各位相シフタ24,26には、位相に関する信号が
コントロールユニット28から送られ、これにより、通
過するイオンビームが加速されるように各加速器の位相
のシフト量が設定される。さらに、RFQ加速器12、
第1RFQ加速器14及び第2RF加速器16から、電
力と位相に関する情報がコントロールユニット28に戻
され、これにより、コントロールユニット28は、設定
値と実際の値とのずれ量をフィードバック制御により補
正する。
【0011】さらに、コントロールユニット28は、R
FQ加速器12の可変電力増幅器18に送る電力の値
を、例えば、20〜30kWの電力が供給される高エネ
ルギーモード(このモードにおいては、RFQ加速器1
2を加速管として使用する)と、例えば、1kWから2
kW程度の低い電力が供給される低エネルギーモード及
び中エネルギーモード(これらの両モードにおいては、
RFQ加速器12を単なる輸送管として使用する)に切
り換えている。また、低エネルギーモードのとき、第1
RF加速器14及び第2RF加速器16への電力の供給
を停止する。さらに、中エネルギーモードのとき、第1
RF加速器14には、バンチャーとして機能するような
所定の値の高周波電力が供給され、第2RF加速器16
には、加速器として機能するような所定の値の高周波電
力が供給される。このように構成された本発明の実施形
態におけるRF加速装置10の動作を以下に説明する。
高エネルギーモードの場合、RF加速装置10のRFQ
加速器12には、高周波電源11より所定周波数の高周
波電力が供給されており、RFQ加速器12内のイオン
ビーム通過経路には、ビーム進行方向と直角な方向に4
重極電界が形成されている。イオンビーム発生部1から
出射されたイオンビームは、先ず、このRFQ加速器1
2に入射し、RFQ加速器12のバンチ部でバンチされ
る。即ち、イオンの位相が所定範囲内なるように揃えら
れる。そして、バンチ部でバンチされたビームが、上記
4重極電界により集束されながら加速される。RFQ加
速器12で所定エネルギーに加速されたバンチ構造のビ
ームは、第1RF加速器14に入射し、加速又は減速さ
れる。この後、このバンチ構造のビームは、電磁型4重
極レンズ13を経由して、次の第2RF加速器16に入
射し、加速又は減速され、さらに、電磁型4重極レンズ
17を経由して、最終的に、照射室へ入射される。
【0012】次に、低エネルギーモードの場合には、R
FQ加速器12には、高周波電源11から通常の加速電
力(20k〜30kW)より1/10〜1/20程度の
低い非加速電力が供給される。このとき、RFQ加速器
12内のイオンビーム通過経路には、ビーム進行方向に
弱い高周波4重極電界が形成されるが、加速電界が弱い
ためイオンを逐次加速することができない。この結果、
RFQ加速器12全体でみれば、イオンは、加速も減速
もされず、入射されたエネルギーと同一のエネルギー
で、第1RF加速器14へ入射される。このビームは勿
論バンチされておらず直流である。この後、ビームは、
第1RF加速器14と第2RF加速器16、電磁型4重
極レンズ13と電磁型4重極レンズ17を通過する。こ
のとき、第1RF加速器14と第2RF加速器16には
電力が供給されていないため、これらの両加速器14,
16により加速されることも減速されることもなく、両
レンズ13,17のみが作動している。ここで、この実
施形態では、レンズとして、静電型でなく電磁型4重極
レンズを使用しているため、大電流・低エネルギーイオ
ンの空間電荷効果が小さくなり、これにより、ビームの
発散が押さえられ、なるべく多くのビームを照射室へ導
くことができる。
【0013】さらに、中エネルギーモードの場合には、
低エネルギーモードの場合と同様に、RFQ加速器12
には、高周波電源11から低い非加速電力が供給され
る。このとき、RFQ加速器12は加速電界が弱いため
イオンを逐次加速することができない。このようにし
て、イオンは、加速も減速もされず、入射されたエネル
ギーと同一のエネルギーで、第1RF加速器14へ入射
される。次に、ビームは、第1RF加速器14によりバ
ンチされ、電磁型4重極レンズ13を経由して、第第2
RF加速器16に入射する。この第2RF加速器16
で、ビームは、所定のエネルギーまで加速され、さら
に、電磁型4重極レンズ17を経由して、最終的に、照
射室へ入射される。このように構成された本発明の実施
形態によれば、高エネルギーモード(領域)において、
RFQ加速器12に加速電力を供給してイオンビームを
加速し、第1RF加速器14及び第2RF加速器16で
このイオンビームをさらに加減速させることにより、高
エネルギー領域においても、イオンビームのエネルギー
可変幅を広げることができる。また、低エネルギーモー
ド(領域)において、RFQ加速器12に非加速電力を
供給してイオンビームを入射したエネルギーと同一のエ
ネルギーで出射させ、さらに、第1RF加速器14と第
2RF加速器16に電力を供給しないようにして、ビー
ムをこれら両加速器14,16を通過するようにしてい
る。さらに、中エネルギーモード(領域)において、R
FQ加速器12に非加速電力を供給してイオンビームを
入射したエネルギーと同一のエネルギーで出射させ、さ
らに、第1RF加速器14でビームをバンチし、このバ
ンチされたビームを第2RF加速器16により、所定の
値まで加速するようにしている。この結果、この本発明
の実施形態によれば、RF加速器10を高エネルギー領
域でのみ使用するのではなく、RF加速方式では通常困
難な低エネルギー領域でも使用可能となり、さらに、中
エネルギー領域でも使用可能となる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小型でエネルギー可変幅の広い高周波型荷電粒子加速装
置を得ることができる。また、本発明によれば、低エネ
ルギー領域でも使用可能となり、さらに、中エネルギー
領域でも使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すものであり、高周
波型イオン加速装置を用いた低エネルギー領域及び中エ
ネルギー領域でも使用可能な高エネルギーイオン注入装
置の要部の構成を示す概略構成図
【図2】 本発明の図1に示す実施形態の制御内容を示
すブロック図
【図3】 従来例を示すものであり、高周波型イオン加
速装置を用いた高エネルギーイオン注入装置の要部の構
成を示す概略構成図
【符号の説明】
1 イオンビーム発生部 2 イオン源 3 分析マグネット 4 電磁型4重極レンズ 5 高電圧電源部 10 RF加速装置 11 高周波電源 12 RFQ加速器 12a 真空チャンバ 12b 4重極電極 13 電磁型4重極レンズ 17 電磁型4重極レンズ 15 直流電源 14 第1RF加速器 14a 加速電極 14b 加速電極 14c 接地電極 14d 接地電極 14e コイル 14f コイル 16 第2RF加速器 18 可変電力増幅器 19 直流電源 20 可変電力増幅器 22 可変電力増幅器 24 位相シフター 26 位相シフター 28 コントロールユニット 29 標準信号発生源 g1,g2,g3 ギャップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームの通過経路のまわりに配
    置された4重極電極を備え、高周波電源より高周波電力
    の供給を受けて共振し、上記荷電粒子ビームを集群して
    加速する高周波4重極加速手段と、 この高周波4重極加速手段の後段に配置され、高周波電
    源より高周波電力の供給を受けて共振し、荷電粒子ビー
    ムのエネルギーを可変する少なくとも一段の後段高周波
    加速手段と、 上記高周波4重極加速手段に所定の加速電力を供給して
    荷電粒子ビームを加速させると共に上記後段高周波加速
    手段に所定の高周波電力を供給する高エネルギーモード
    と、高周波4重極加速手段に上記加速電力よりも弱い非
    加速電力を供給して荷電粒子ビームの加速を行わせない
    ようにすると共に上記後段高周波加速手段への高周波電
    力の供給を停止する低エネルギーモードとに切り替える
    供給電力切り替え手段段と、 を有することを特徴とする高周波型荷電粒子加速装置。
  2. 【請求項2】 荷電粒子ビームの通過経路のまわりに配
    置された4重極電極を備え、高周波電源より高周波電力
    の供給を受けて共振し、上記荷電粒子ビームを集群して
    加速する高周波4重極加速手段と、 この高周波4重極加速手段の後段に配置され、高周波電
    源より高周波電力の供給を受けて共振し、荷電粒子ビー
    ムのエネルギーを可変する第1段高周波加速装置と第2
    段高周波加速装置を有する後段高周波加速手段と、 上記高周波4重極加速手段に所定の加速電力を供給して
    荷電粒子ビームを加速させると共に上記後段高周波加速
    手段に所定の高周波電力を供給する高エネルギーモード
    と、上記高周波4重極加速手段に上記加速電力よりも弱
    い非加速電力を供給して荷電粒子ビームの加速を行わせ
    ないようにすると共に上記後段高周波加速手段への高周
    波電力の供給を停止する低エネルギーモードと、上記高
    周波4重極加速手段に上記加速電力よりも弱い非加速電
    力を供給して荷電粒子ビームの加速を行わせないように
    すると共に上記後段高周波加速手段の第1段高周波加速
    装置にバンチャーとして機能するような所定の値の高周
    波電力を供給し且つ第2高周波加速装置に加速器として
    機能するような所定の値の高周波電力を供給する中エネ
    ルギーモードとに切り替える供給電力切り替え手段と、 を有することを特徴とする高周波型荷電粒子加速装置。
  3. 【請求項3】 上記後段高周波加速手段は、上記高周波
    4重極加速手段から出射された荷電粒子ビームのエネル
    ギーをさらに加速するか又は減速することにより可変す
    る請求項1又は請求項2のいずれかに記載の高周波型荷
    電粒子加速装置。
  4. 【請求項4】更に、上記高周波4重極加速手段の上流側
    に配置されたイオン収束レンズとしての電磁型4重極レ
    ンズと、上記後段高周波加速手段の下流側に配置された
    電磁型4重極レンズとを有する請求項1記載の高周波型
    荷電粒子加速装置。
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