JPH09257757A - 超音波検出装置及び超音波検出方法 - Google Patents
超音波検出装置及び超音波検出方法Info
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- JPH09257757A JPH09257757A JP8066147A JP6614796A JPH09257757A JP H09257757 A JPH09257757 A JP H09257757A JP 8066147 A JP8066147 A JP 8066147A JP 6614796 A JP6614796 A JP 6614796A JP H09257757 A JPH09257757 A JP H09257757A
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- laser
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- ultrasonic wave
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 S/Nが高く、煩雑な調整が不要で熟練者で
なくても容易に装置の取扱いができ、かつ、必要な光学
要素も従来に比べて少なくできる超音波検出装置及び超
音波検出方法を提供する。 【解決手段】 レーザー光源11及び16は、光周波数
の変動幅が検出しようとする超音波の周波数に比べて十
分に小さいレーザーで、両者の周波数は同一又は極めて
近い。レーザービーム111 は被検体表面において鏡面
反射され、ハーフミラー12を透過して光検出器13に
入射する。レーザービーム161 は、ハーフミラー12
で反射されて光検出器13に入射する。光検出器13の
出力信号の周波数はレーザービーム111 と161 のビ
ートの周波数に対応し、被検体のレーザービーム111
を照射した部分が超音波振動すると、ビート周波数が大
きく変わり、光検出器13の出力に現れる。
なくても容易に装置の取扱いができ、かつ、必要な光学
要素も従来に比べて少なくできる超音波検出装置及び超
音波検出方法を提供する。 【解決手段】 レーザー光源11及び16は、光周波数
の変動幅が検出しようとする超音波の周波数に比べて十
分に小さいレーザーで、両者の周波数は同一又は極めて
近い。レーザービーム111 は被検体表面において鏡面
反射され、ハーフミラー12を透過して光検出器13に
入射する。レーザービーム161 は、ハーフミラー12
で反射されて光検出器13に入射する。光検出器13の
出力信号の周波数はレーザービーム111 と161 のビ
ートの周波数に対応し、被検体のレーザービーム111
を照射した部分が超音波振動すると、ビート周波数が大
きく変わり、光検出器13の出力に現れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば超音波を利
用して鋼材内部の欠陥等の検出を行う場合などに適用で
きる超音波検出装置及び超音波検出方法に関するもので
ある。
用して鋼材内部の欠陥等の検出を行う場合などに適用で
きる超音波検出装置及び超音波検出方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】各種材料の内部欠陥等を検査する方法の
一つとして、いわゆるレーザー超音波法と呼ばれるもの
がある。これについては、例えば「超音波TECHNO
5月号」(vol.5, No.5, p38(1993)日本工業出版)にお
いて説明されている。この方法は、被検体に励起用のレ
ーザー光を照射することによって発生させた超音波を、
別のプローブ用のレーザー光を用いて検出するもので、
非接触、且つ非破壊で被検体内部の欠陥の検査を行うこ
とができる。したがって、製鉄工程における品質検査、
鉄骨加工工程における溶接部の検査、セラミックス材料
の品質検査、航空機部品の内部検査、その他金属、複合
材料の品質検査等への応用が期待されている。
一つとして、いわゆるレーザー超音波法と呼ばれるもの
がある。これについては、例えば「超音波TECHNO
5月号」(vol.5, No.5, p38(1993)日本工業出版)にお
いて説明されている。この方法は、被検体に励起用のレ
ーザー光を照射することによって発生させた超音波を、
別のプローブ用のレーザー光を用いて検出するもので、
非接触、且つ非破壊で被検体内部の欠陥の検査を行うこ
とができる。したがって、製鉄工程における品質検査、
鉄骨加工工程における溶接部の検査、セラミックス材料
の品質検査、航空機部品の内部検査、その他金属、複合
材料の品質検査等への応用が期待されている。
【0003】ところで、被検体を伝播する超音波をレー
ザー光を用いて検出する方法には、ホモダイン干渉法、
ヘテロダイン干渉法、共焦点ファブリ・ペロー干渉計を
用いる方法、時間差干渉法など種々のものが知られてい
る。これらについては、例えば「レーザー計測ハンドブ
ック」(丸善株式会社)を参照することができる。この
うち、ヘテロダイン干渉法は、光周波数の異なる二つの
レーザー光を用意し、一方をプローブ光として被検体表
面で反射させ、もう一方の周波数変調した参照光と干渉
させ、その周波数差のビート信号の位相変化をもとのキ
ャリヤ信号の周波数を基準として測定し、変位を測定す
る。位相変化を測定するため、プローブ光の光量変化の
影響を受けることがなく、一定の感度を保つことが可能
であり、干渉計出力と測定位相との間に線型関係が成立
し、較正の必要がないなどの特徴がある。光周波数の異
なる二つのレーザー光は、一つのレーザー光源から発せ
られたレーザー光のうちの一方を周波数シフトさせる。
周波数をシフトする方法としては、例えば、超音波ブラ
ッグセルを2個用いる方法、ポッケルスセルを用いる方
法、ゼーマン効果を利用する2周波ゼーマンレーザーを
光源として用いる方法などがある。
ザー光を用いて検出する方法には、ホモダイン干渉法、
ヘテロダイン干渉法、共焦点ファブリ・ペロー干渉計を
用いる方法、時間差干渉法など種々のものが知られてい
る。これらについては、例えば「レーザー計測ハンドブ
ック」(丸善株式会社)を参照することができる。この
うち、ヘテロダイン干渉法は、光周波数の異なる二つの
レーザー光を用意し、一方をプローブ光として被検体表
面で反射させ、もう一方の周波数変調した参照光と干渉
させ、その周波数差のビート信号の位相変化をもとのキ
ャリヤ信号の周波数を基準として測定し、変位を測定す
る。位相変化を測定するため、プローブ光の光量変化の
影響を受けることがなく、一定の感度を保つことが可能
であり、干渉計出力と測定位相との間に線型関係が成立
し、較正の必要がないなどの特徴がある。光周波数の異
なる二つのレーザー光は、一つのレーザー光源から発せ
られたレーザー光のうちの一方を周波数シフトさせる。
周波数をシフトする方法としては、例えば、超音波ブラ
ッグセルを2個用いる方法、ポッケルスセルを用いる方
法、ゼーマン効果を利用する2周波ゼーマンレーザーを
光源として用いる方法などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヘテロダイ
ン干渉法は、光周波数の異なる二つのレーザー光を用意
する手段として、単一のレーザー光源から発せられたレ
ーザー光を二つに分岐し、一方を周波数シフターで周波
数を変化させて参照光とし、他方を被検体に照射し、そ
の反射光を、周波数を変化させた参照光と干渉させる。
したがって、分岐したそれぞれのレーザー光のパワーは
約半分に低下し、そのため超音波検出の感度が低下して
SN比が悪くなる問題がある。また、分岐した二つのレ
ーザー光を再び干渉させる必要があるため、光軸合わせ
等の調整が煩雑であり、調整には熟練を要する。更に、
分岐した一方のレーザー光の周波数をシフトさせるため
の周波数シフタが必要となる。
ン干渉法は、光周波数の異なる二つのレーザー光を用意
する手段として、単一のレーザー光源から発せられたレ
ーザー光を二つに分岐し、一方を周波数シフターで周波
数を変化させて参照光とし、他方を被検体に照射し、そ
の反射光を、周波数を変化させた参照光と干渉させる。
したがって、分岐したそれぞれのレーザー光のパワーは
約半分に低下し、そのため超音波検出の感度が低下して
SN比が悪くなる問題がある。また、分岐した二つのレ
ーザー光を再び干渉させる必要があるため、光軸合わせ
等の調整が煩雑であり、調整には熟練を要する。更に、
分岐した一方のレーザー光の周波数をシフトさせるため
の周波数シフタが必要となる。
【0005】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、SN比が高く、煩雑な調整が不要で熟練者で
なくても容易に装置の取扱いができ、かつ、必要な光学
要素も従来に比べて少なくできる超音波検出装置及び超
音波検出方法を提供することを目的とする。
のであり、SN比が高く、煩雑な調整が不要で熟練者で
なくても容易に装置の取扱いができ、かつ、必要な光学
要素も従来に比べて少なくできる超音波検出装置及び超
音波検出方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの請求項1記載の発明に係る超音波検出装置は、第一
の周波数を有する第一のレーザービームを発射し、これ
を超音波が伝播する被検体の表面に照射する第一のレー
ザー光源と、第一のレーザービームとの周波数差が前記
超音波の周波数よりも十分小さい第二の周波数を有する
第二のレーザービームを発射する第二のレーザー光源
と、第二のレーザービームと、前記被検体の表面で反射
された第一のレーザービームの反射ビームとを干渉させ
る光学手段と、前記光学手段からの干渉光を受光し、そ
の強度に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前
記光検出手段の出力信号から、第一の周波数と第二の周
波数の周波数差よりも高い周波数の電気信号を取り出す
濾波手段とを具備し、前記濾波手段の出力信号から前記
被検体を伝播する超音波を検出することを特徴とする。
めの請求項1記載の発明に係る超音波検出装置は、第一
の周波数を有する第一のレーザービームを発射し、これ
を超音波が伝播する被検体の表面に照射する第一のレー
ザー光源と、第一のレーザービームとの周波数差が前記
超音波の周波数よりも十分小さい第二の周波数を有する
第二のレーザービームを発射する第二のレーザー光源
と、第二のレーザービームと、前記被検体の表面で反射
された第一のレーザービームの反射ビームとを干渉させ
る光学手段と、前記光学手段からの干渉光を受光し、そ
の強度に対応する電気信号を出力する光検出手段と、前
記光検出手段の出力信号から、第一の周波数と第二の周
波数の周波数差よりも高い周波数の電気信号を取り出す
濾波手段とを具備し、前記濾波手段の出力信号から前記
被検体を伝播する超音波を検出することを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第一及び第二のレーザー光源は、ダイオー
ドポンプソリッドステートレーザー又はヨウ素安定化レ
ーザーであることを特徴とする。請求項3記載の発明
は、請求項1又は2記載の発明において、第一のレーザ
ー光源と第二のレーザー光源が発するレーザービームが
同一又は極めて近い周波数となるよう自動的に周波数を
調節する手段を有することを特徴とする。
明において、第一及び第二のレーザー光源は、ダイオー
ドポンプソリッドステートレーザー又はヨウ素安定化レ
ーザーであることを特徴とする。請求項3記載の発明
は、請求項1又は2記載の発明において、第一のレーザ
ー光源と第二のレーザー光源が発するレーザービームが
同一又は極めて近い周波数となるよう自動的に周波数を
調節する手段を有することを特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、前記光学手段は、ハーフミラー
であることを特徴とする。請求項5記載の発明に係る超
音波検出装置は、第一の周波数を有する第一のレーザー
ビームと、第一のレーザービームとの周波数差が前記超
音波の周波数よりも十分小さい第二の周波数を有する第
二のレーザービームとを用意し、第二のレーザービーム
と超音波が伝播する被検体の表面に照射した第一のレー
ザービームの反射ビームとを干渉させ、その干渉光の光
強度を電気信号に変換し、この電気信号から、第一の周
波数と第二の周波数の周波数差よりも高い周波数の電気
信号を取り出すことによって前記被検体を伝播する超音
波を検出することを特徴とする。
3記載の発明において、前記光学手段は、ハーフミラー
であることを特徴とする。請求項5記載の発明に係る超
音波検出装置は、第一の周波数を有する第一のレーザー
ビームと、第一のレーザービームとの周波数差が前記超
音波の周波数よりも十分小さい第二の周波数を有する第
二のレーザービームとを用意し、第二のレーザービーム
と超音波が伝播する被検体の表面に照射した第一のレー
ザービームの反射ビームとを干渉させ、その干渉光の光
強度を電気信号に変換し、この電気信号から、第一の周
波数と第二の周波数の周波数差よりも高い周波数の電気
信号を取り出すことによって前記被検体を伝播する超音
波を検出することを特徴とする。
【0009】
【作用】近年のレーザー関連技術の進歩の結果、発振さ
れるレーザーの周波数安定度が極めて高いレーザーが開
発されている。ダイオードポンプソリッドステートレー
ザーやヨウ素安定化レーザー等では、周波数変動幅は数
kHz程度から数Hz程度に抑えられる。したがって、
ダイオードポンプソリッドステートレーザー、ヨウ素安
定化レーザー等の周波数安定度が極めて高く、同一又は
極めて近い周波数となるよう調整した二つのレーザー光
源を用意し、両者のレーザービームを所定の光学手段に
よって重畳して干渉させると、両者の周波数差に対応す
るビート周波数は数kHz程度から数Hz程度となる。
これに対し、被検体中の欠陥検査等に用いる超音波の周
波数は、数百kHz程度から数十MHz程度であり、第
一の周波数と第二の周波数の周波数差は、超音波の周波
数よりも十分小さい。
れるレーザーの周波数安定度が極めて高いレーザーが開
発されている。ダイオードポンプソリッドステートレー
ザーやヨウ素安定化レーザー等では、周波数変動幅は数
kHz程度から数Hz程度に抑えられる。したがって、
ダイオードポンプソリッドステートレーザー、ヨウ素安
定化レーザー等の周波数安定度が極めて高く、同一又は
極めて近い周波数となるよう調整した二つのレーザー光
源を用意し、両者のレーザービームを所定の光学手段に
よって重畳して干渉させると、両者の周波数差に対応す
るビート周波数は数kHz程度から数Hz程度となる。
これに対し、被検体中の欠陥検査等に用いる超音波の周
波数は、数百kHz程度から数十MHz程度であり、第
一の周波数と第二の周波数の周波数差は、超音波の周波
数よりも十分小さい。
【0010】上記のようなレーザー光源を第一及び第二
のレーザー光源として用い、第一のレーザービームを照
射している被検体の表面に超音波振動が生じると、その
反射ビームの周波数はドップラー効果によって変動す
る。この反射ビームと第二のレーザービームとの干渉光
のビート周波数は、超音波と同程度の数百kHz程度か
ら数十MHz程度となる。したがって、ハーフミラー等
で両レーザービームを干渉させると、この干渉光を受光
する光検出手段の出力信号は、超音波信号がないときは
数kHzから数Hz程度であるが、超音波振動が生じる
と一時的に数百kHz程度から数十MHz程度になる。
このように、超音波振動がないときの信号と超音波振動
が生じたときの信号には十分な周波数差があるため、濾
波手段を用いることにより、超音波振動が生じたときの
信号だけを容易に峻別し、取り出すことができる。
のレーザー光源として用い、第一のレーザービームを照
射している被検体の表面に超音波振動が生じると、その
反射ビームの周波数はドップラー効果によって変動す
る。この反射ビームと第二のレーザービームとの干渉光
のビート周波数は、超音波と同程度の数百kHz程度か
ら数十MHz程度となる。したがって、ハーフミラー等
で両レーザービームを干渉させると、この干渉光を受光
する光検出手段の出力信号は、超音波信号がないときは
数kHzから数Hz程度であるが、超音波振動が生じる
と一時的に数百kHz程度から数十MHz程度になる。
このように、超音波振動がないときの信号と超音波振動
が生じたときの信号には十分な周波数差があるため、濾
波手段を用いることにより、超音波振動が生じたときの
信号だけを容易に峻別し、取り出すことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の超
音波検出装置及びその周辺の概略的な配置を示した配置
図、図2は、光検出器の出力信号の波形の概略を示した
波形図、図3は、光検出器の出力信号から取り出した超
音波信号の波形の概略図である。
一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の超
音波検出装置及びその周辺の概略的な配置を示した配置
図、図2は、光検出器の出力信号の波形の概略を示した
波形図、図3は、光検出器の出力信号から取り出した超
音波信号の波形の概略図である。
【0012】図1において、超音波検出装置10には、
第一のレーザー光源であるレーザー光源11、光学手段
であるハーフミラー12、光検出器13、フィルタ1
4、信号処理部15、そして第二のレーザー光源である
レーザー光源16が設けられている。レーザー光源11
及び16としては、光周波数の変動幅が検出しようとす
る超音波の周波数に比べて十分に小さいレーザー、具体
的にはダイオードポンプソリッドステートレーザーやヨ
ウ素安定化レーザーのような周波数安定度が極めて高い
ものを使用し、両者を同一周波数か或いは極めて近い周
波数となるように調整する。この調整は手動で行うか、
または例えばレーザー光源11の周波数をモニターし、
これに基づいてレーザー光源16の周波数をフィードバ
ック制御することによって、両周波数を自動的に同一又
は極めて近い周波数とすることができる。
第一のレーザー光源であるレーザー光源11、光学手段
であるハーフミラー12、光検出器13、フィルタ1
4、信号処理部15、そして第二のレーザー光源である
レーザー光源16が設けられている。レーザー光源11
及び16としては、光周波数の変動幅が検出しようとす
る超音波の周波数に比べて十分に小さいレーザー、具体
的にはダイオードポンプソリッドステートレーザーやヨ
ウ素安定化レーザーのような周波数安定度が極めて高い
ものを使用し、両者を同一周波数か或いは極めて近い周
波数となるように調整する。この調整は手動で行うか、
または例えばレーザー光源11の周波数をモニターし、
これに基づいてレーザー光源16の周波数をフィードバ
ック制御することによって、両周波数を自動的に同一又
は極めて近い周波数とすることができる。
【0013】被検体30の表面に超音波を発生させる超
音波発生源20は、超音波検出装置10とは別体に設け
られている。超音波発生源としては、大出力のレーザー
光を照射して超音波を発生させるレーザー超音波装置
や、電磁的な方法によって超音波を発生させる電磁超音
波装置など、周知のものを利用することができる。尚、
本実施形態では、被検体30として鋼材(鉄)を用い、
また、レーザービーム111 を照射する被検体30の表
面は鏡面とする。
音波発生源20は、超音波検出装置10とは別体に設け
られている。超音波発生源としては、大出力のレーザー
光を照射して超音波を発生させるレーザー超音波装置
や、電磁的な方法によって超音波を発生させる電磁超音
波装置など、周知のものを利用することができる。尚、
本実施形態では、被検体30として鋼材(鉄)を用い、
また、レーザービーム111 を照射する被検体30の表
面は鏡面とする。
【0014】図1に示すように、レーザー光源11から
発せられたレーザービーム111 は、所定の角度で被検
体30の表面に入射する。このレーザービーム111 は
被検体表面において鏡面反射され、ハーフミラー12を
透過して光検出器13に入射する。一方、レーザー光源
16から発せられたレーザービーム161 は、ハーフミ
ラー12に照射され、ここで反射されて光検出器13に
入射する。したがって、光検出器13には、レーザービ
ーム111 と161 とが重畳されたレーザービームが入
射する。ここで重畳されたレーザービームは、光検出器
13において電気的な信号に変換されて出力される。
発せられたレーザービーム111 は、所定の角度で被検
体30の表面に入射する。このレーザービーム111 は
被検体表面において鏡面反射され、ハーフミラー12を
透過して光検出器13に入射する。一方、レーザー光源
16から発せられたレーザービーム161 は、ハーフミ
ラー12に照射され、ここで反射されて光検出器13に
入射する。したがって、光検出器13には、レーザービ
ーム111 と161 とが重畳されたレーザービームが入
射する。ここで重畳されたレーザービームは、光検出器
13において電気的な信号に変換されて出力される。
【0015】ところで、レーザービーム111 とレーザ
ービーム161 の周波数は同一か又は極めて近い周波数
に調整してあるので、単純に両者を重畳すると互いに干
渉し合い、ビートを生じる。このビート周波数は、両レ
ーザービームの周波数差に等しい。したがって、レーザ
ー光源11及び16の元々の発振周波数が同一となるよ
うに調整しておけば、ビート周波数は、双方のレーザー
光源の周波数変動幅に対応する。被検体30の表面に超
音波振動が存在しないときは、レーザービーム11
1 は、反射の前後で周波数が変化しないので、ハーフミ
ラー12によって重畳されたレーザービームのビート
は、両レーザー光源の周波数変動幅をそのまま反映した
周波数となる。したがって光検出器13の出力は、ビー
ト周波数で変化する信号となる。図2(a)は、この場
合の光検出器13の信号波形を示しており、周期Tは超
音波によるレーザービームのビートの周波数に対応す
る。
ービーム161 の周波数は同一か又は極めて近い周波数
に調整してあるので、単純に両者を重畳すると互いに干
渉し合い、ビートを生じる。このビート周波数は、両レ
ーザービームの周波数差に等しい。したがって、レーザ
ー光源11及び16の元々の発振周波数が同一となるよ
うに調整しておけば、ビート周波数は、双方のレーザー
光源の周波数変動幅に対応する。被検体30の表面に超
音波振動が存在しないときは、レーザービーム11
1 は、反射の前後で周波数が変化しないので、ハーフミ
ラー12によって重畳されたレーザービームのビート
は、両レーザー光源の周波数変動幅をそのまま反映した
周波数となる。したがって光検出器13の出力は、ビー
ト周波数で変化する信号となる。図2(a)は、この場
合の光検出器13の信号波形を示しており、周期Tは超
音波によるレーザービームのビートの周波数に対応す
る。
【0016】次に、被検体30の表面を超音波が伝播す
ると、レーザービーム111 の反射波はドップラーシフ
トを受け、超音波の周波数分だけ反射ビームの周波数が
変動する。欠陥の検査等に使うために被検体を伝播させ
る超音波の周波数は、一般に数百kHz程度から数十M
Hz程度であり、レーザー光源11や16の周波数変動
幅に比べるとはるかに大きい。このため、光検出器13
の出力信号は、一時的に数百kHz程度から数十MHz
程度の周波数成分を含む。図2(b)は、このときの光
検出器13の出力波形を示したものであり、ゆるやかに
変動していた信号が、一時的に高い周波数で変動する。
この図2(b)に示す信号をフィルタ14に通した後の
信号は、図3に示すようになり、光検出器の出力信号か
ら低周波成分が除去され、超音波振動に対応する高周波
成分だけが取り出される。したがって、この高周波成分
を検出することによって、被検体表面を伝播する超音波
を捕らえることができる。このような信号を信号処理部
15に送り、ディジタル化し、必要に応じて記憶させる
等の適当な処理を行う。
ると、レーザービーム111 の反射波はドップラーシフ
トを受け、超音波の周波数分だけ反射ビームの周波数が
変動する。欠陥の検査等に使うために被検体を伝播させ
る超音波の周波数は、一般に数百kHz程度から数十M
Hz程度であり、レーザー光源11や16の周波数変動
幅に比べるとはるかに大きい。このため、光検出器13
の出力信号は、一時的に数百kHz程度から数十MHz
程度の周波数成分を含む。図2(b)は、このときの光
検出器13の出力波形を示したものであり、ゆるやかに
変動していた信号が、一時的に高い周波数で変動する。
この図2(b)に示す信号をフィルタ14に通した後の
信号は、図3に示すようになり、光検出器の出力信号か
ら低周波成分が除去され、超音波振動に対応する高周波
成分だけが取り出される。したがって、この高周波成分
を検出することによって、被検体表面を伝播する超音波
を捕らえることができる。このような信号を信号処理部
15に送り、ディジタル化し、必要に応じて記憶させる
等の適当な処理を行う。
【0017】このように、本実施形態の超音波検出装置
では、周波数が同一又は極めて近い2台のレーザー光源
を使用するので、ヘテロダイン干渉計のように、1台の
レーザー光源から発せられたビームを二つに分岐して干
渉させる必要がなく、したがって各レーザー光源から発
せられたビームのパワーの合計をそのまま検出に利用で
きる。このため、1台のレーザー光源から発せられたレ
ーザービームを分岐して利用する方法に比べて、SN比
の低下を抑えることができる。また、本実施形態では、
使用する2台のレーザービームを、ハーフミラーを用い
て干渉させるだけなので、複雑な光軸合わせ等の調節が
必要なく、取扱いが容易である。
では、周波数が同一又は極めて近い2台のレーザー光源
を使用するので、ヘテロダイン干渉計のように、1台の
レーザー光源から発せられたビームを二つに分岐して干
渉させる必要がなく、したがって各レーザー光源から発
せられたビームのパワーの合計をそのまま検出に利用で
きる。このため、1台のレーザー光源から発せられたレ
ーザービームを分岐して利用する方法に比べて、SN比
の低下を抑えることができる。また、本実施形態では、
使用する2台のレーザービームを、ハーフミラーを用い
て干渉させるだけなので、複雑な光軸合わせ等の調節が
必要なく、取扱いが容易である。
【0018】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば上記では、レーザー光源としてダイオードポンプ
ソリッドステートレーザー又はヨウ素安定化レーザーを
使用した場合について説明したが、光周波数の変動幅
が、検出しようとする超音波に比べて十分に小さいもの
であれば、これに限らず、任意のものを使用することが
できる。
はなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば上記では、レーザー光源としてダイオードポンプ
ソリッドステートレーザー又はヨウ素安定化レーザーを
使用した場合について説明したが、光周波数の変動幅
が、検出しようとする超音波に比べて十分に小さいもの
であれば、これに限らず、任意のものを使用することが
できる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第一のレーザービームを被検体に照射し、その反射光と
第二のレーザービームとを干渉させたときに生じるビー
トの周波数が、被検体を伝播する超音波によって第一の
レーザービームがドップラーシフトを受けることによっ
て急激に変動するので、この変動を取り出すことによっ
て当該超音波を検出することができ、したがって、2台
のレーザー光源からのレーザービームを超音波の検出に
利用できるので、SN比が高く、また、二つのレーザー
ビームをハーフミラー等の簡単な光学手段で干渉させれ
ばよいので、煩雑な調整が不要で熟練者でなくても容易
に装置の取扱いができ、かつ、周波数シフター等の光学
要素も不要となる超音波検出装置及び超音波検出方法を
提供することができる。
第一のレーザービームを被検体に照射し、その反射光と
第二のレーザービームとを干渉させたときに生じるビー
トの周波数が、被検体を伝播する超音波によって第一の
レーザービームがドップラーシフトを受けることによっ
て急激に変動するので、この変動を取り出すことによっ
て当該超音波を検出することができ、したがって、2台
のレーザー光源からのレーザービームを超音波の検出に
利用できるので、SN比が高く、また、二つのレーザー
ビームをハーフミラー等の簡単な光学手段で干渉させれ
ばよいので、煩雑な調整が不要で熟練者でなくても容易
に装置の取扱いができ、かつ、周波数シフター等の光学
要素も不要となる超音波検出装置及び超音波検出方法を
提供することができる。
【図1】本発明の一実施形態の超音波検出装置及びその
周辺の概略的な配置を示した配置図である。
周辺の概略的な配置を示した配置図である。
【図2】光検出器の出力信号の波形の概略を示した波形
図である。
図である。
【図3】光検出器の出力信号から取り出した超音波信号
の波形の概略を示した波形図である。
の波形の概略を示した波形図である。
11,16 レーザー光源 111 ,161 レーザービーム 12 ハーフミラー 13 光検出器 14 フィルタ 15 信号処理部 20 超音波発生源 30 被検体
Claims (5)
- 【請求項1】 第一の周波数を有する第一のレーザービ
ームを発射し、これを超音波が伝播する被検体の表面に
照射する第一のレーザー光源と、 第一のレーザービームとの周波数差が前記超音波の周波
数よりも十分小さい第二の周波数を有する第二のレーザ
ービームを発射する第二のレーザー光源と、 第二のレーザービームと、前記被検体の表面で反射され
た第一のレーザービームの反射ビームとを干渉させる光
学手段と、 前記光学手段からの干渉光を受光し、その強度に対応す
る電気信号を出力する光検出手段と、 前記光検出手段の出力信号から、第一の周波数と第二の
周波数の周波数差よりも高い周波数の電気信号を取り出
す濾波手段とを具備し、 前記濾波手段の出力信号から前記被検体を伝播する超音
波を検出することを特徴とする超音波検出装置。 - 【請求項2】 第一及び第二のレーザー光源は、ダイオ
ードポンプソリッドステートレーザー又はヨウ素安定化
レーザーである請求項1記載の超音波検出装置。 - 【請求項3】 第一のレーザー光源と第二のレーザー光
源が発するレーザービームが同一又は極めて近い周波数
となるよう自動的に周波数を調節する手段を有する請求
項1又は2記載の超音波検出装置。 - 【請求項4】 前記光学手段は、ハーフミラーであるこ
とを特徴とする請求項1,2又は3記載の超音波検出装
置。 - 【請求項5】 第一の周波数を有する第一のレーザービ
ームと、第一のレーザービームとの周波数差が前記超音
波の周波数よりも十分小さい第二の周波数を有する第二
のレーザービームとを用意し、第二のレーザービームと
超音波が伝播する被検体の表面に照射した第一のレーザ
ービームの反射ビームとを干渉させ、その干渉光の光強
度を電気信号に変換し、この電気信号から、第一の周波
数と第二の周波数の周波数差よりも高い周波数の電気信
号を取り出すことによって前記被検体を伝播する超音波
を検出することを特徴とする超音波検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8066147A JPH09257757A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 超音波検出装置及び超音波検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8066147A JPH09257757A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 超音波検出装置及び超音波検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09257757A true JPH09257757A (ja) | 1997-10-03 |
Family
ID=13307473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8066147A Withdrawn JPH09257757A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 超音波検出装置及び超音波検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09257757A (ja) |
-
1996
- 1996-03-22 JP JP8066147A patent/JPH09257757A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030603 |