JPH09256135A - 高速酸素燃料熱スプレーを利用した波形ロールの製造方法 - Google Patents

高速酸素燃料熱スプレーを利用した波形ロールの製造方法

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JPH09256135A
JPH09256135A JP8058119A JP5811996A JPH09256135A JP H09256135 A JPH09256135 A JP H09256135A JP 8058119 A JP8058119 A JP 8058119A JP 5811996 A JP5811996 A JP 5811996A JP H09256135 A JPH09256135 A JP H09256135A
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JP
Japan
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gun
roll
spraying
coating
plane
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JP8058119A
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English (en)
Inventor
Francis Hyde Glenn
グレン・フランシス・ハイド
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UNITED CONTAINER- MACH GROUP Inc
United Container Machinery Group Inc
Original Assignee
UNITED CONTAINER- MACH GROUP Inc
United Container Machinery Group Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面ダメージに対する耐性を向上させ得ると
共に、さらに、ロールの使用寿命を向上させ得る、改良
された波形ロール表面が要望されていた。 【解決手段】 波形ロール22上に硬化コーティングを
形成するための方法であって、高速酸素燃料ガン26を
波形表面に位置合わせする位置合わせ工程と、実質的に
均一な表面特性を有する硬化コーティングを形成するた
めに、ガン26からコーティング材料を表面上にスプレ
ーするスプレー工程とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波形ロールに関す
るものであり、さらに詳細には、波形ロールをコーティ
ングすることによりロールに摩耗耐性のための硬化外表
面を与える方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】波形ロールは、波形付き板紙の製造時に
使用される片面あるいは両面の波形付け機のような機械
において使用される。波形ロールは、ロールの周回りに
形成された一連の溝を備えている。この場合、溝は、波
形付き板紙の製造時において、ペーパーウェブに波形を
形成するために適用される。波形ロールの製造に際して
は、ロールは、硬い表面かつ摩耗耐性表面を有する必要
があり、また、ロールの溝形状および輪郭は、寸法誤差
がないように製造されなければならない。従来のロール
の製造に際しては、ロールは、通常の切削機を利用して
大まかに機械加工された後、従来の熱処理により硬化さ
れていた。熱処理により、機械加工されたロールは、ゆ
がむ傾向があった。その結果、ロール上に最終所望寸法
の溝を得るには、さらなる切削操作が必要とされてい
た。
【0003】ロールの寿命を延ばすために、典型的に
は、ロール表面に硬い外面コーティングが施され、これ
により耐摩耗性を向上させることが行われていた。一般
的には、クロムメッキが、波形ロールの外表面をコーテ
ィングするために使用されてきた。そして、このクロム
メッキは、ロールの寿命を増加させるという要求通りの
結果をもたらしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロール
上へのクロムメッキの使用に関しては、メッキがクラッ
キングおよびチッピングを起こしやすいという問題があ
った。一旦、ロール表面にクラッキングあるいはチッピ
ングが起こってしまうと、ロール上でのペーパーウェブ
の摺動により引き起こされる摩耗が、急激に増加するこ
とになり、ロールが交換されるあるいは摩耗するよりも
先に、ロールの有効寿命が深刻に短縮してしまうことに
なる。
【0005】したがって、表面ダメージに対する耐性を
向上させ得ると共に、さらに、ロールの使用寿命を向上
させ得る、改良された波形ロール表面が要望されてい
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、波形表面を有
しているワークピース上へと、例えば溝付き波形ロール
上へと硬化コーティングを形成するための硬化外表面を
与える、改良された方法および装置を提供するものであ
る。
【0007】本発明の1つの形態においては、硬化コー
ティングを形成するための方法は、高速酸素燃料ガンを
波形表面に位置合わせする位置合わせ工程と、実質的に
均一な表面特性を有する硬化コーティングを形成するた
めに、ガンからコーティング材料を表面上にスプレーす
るスプレー工程とを具備している。硬化コーティング
は、炭化タングステン−コバルト材料から形成されるこ
とが好ましい。さらに、炭化クロム、炭化チタン、炭化
シリコン、バインダー材料としてニッケル、ニッケルカ
ドミウム、モリブデン、および類似物を含有するトリバ
ロイ(tribaloy)(Co、Mo、Cr、Si)を含む他
のコーティング材料を本発明内に組み込んでもよい。
【0008】本発明のさらなる形態においては、ガン
が、波形ロールの溝付き表面上にコーティングをスプレ
ーするのに使用され、この場合、ガンを位置合わせする
工程は、ガンの出口からロールを直径方向に挿通する線
を横断して延在する線に沿ってスプレーするようガンの
出口を導く。よって、コーティング材料のスプレーは、
ロールの直径の延長線上に沿って導かれるのではなく、
むしろ、常に溝の一部分だけがスプレーされるような方
法および角度で導かれる。
【0009】本発明の好ましい方法においては、ガン
は、波形ロールの中心線よりも上方に位置し、また、波
形ロールの長さ方向に沿って移動する。一方、ロール
は、自身の軸回りに第1方向に回転する。次に、ガン
は、ロールの中心線よりも下方位置へと移動され、ま
た、ロールの長さにわたって移動する。一方、ロール
は、第1方向とは逆回りの第2方向に回転する。ロール
の中心線よりも上下におけるガンの特別な位置は、所望
の均一な表面特性がロール表面上において作られるよう
に選択される。
【0010】ロールに対して均一なコーティングを提供
することにより、溝のコーティング寸法は、完成後のロ
ールに対する所望の寸法に実質的に近いものとなる。よ
って、ロールへのコーティング操作に続いて、最終のロ
ール表面を、間に切削操作を介在させることなく、ホー
ニング操作により得ることができる。
【0011】さらに、ロールに対してコーティングを施
す上記工程を達成するための装置を開示した。装置は、
ロールを保持するための取付台と、高速酸素燃料ガン
と、ロールに対してガンを移動させるための制御手段と
を備えている。制御手段により、ロールに対するガンの
配向および位置が制御される。制御手段は、ガンをロー
ルの長さ方向軸に平行な方向に移動させるための第1ド
ライバと、さらに、ロールの長さ方向軸を挿通する平面
に垂直な方向にガンを移動させるための第2ドライバと
を備えている。さらに、ロールが取付台上に配置された
ときに、ロールを回転させるための手段が設けられてい
る。
【0012】したがって、本発明の主要な目的は、高速
酸素燃料ガンを利用して、波形ロール上に実質的に均一
な表面特性を有する硬化コーティングを形成するための
方法を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的および利点は、以下の説
明、添付図面、および特許請求の範囲から明らかとなる
であろう。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による、波形ロー
ル上に硬化コーティングを形成するための装置を示す図
である。図2は、波形ロールとガンとの関係を概略的に
示す図であって、ガンは、波形ロールの中心線に関する
上下2つの位置においてコーティング材をスプレーす
る。図3は、図2における領域Cを拡大して示す図であ
る。図4は、本発明によりコーティングされた波形ロー
ルにホーニング加工を施す際に使用されるホーニングツ
ールを示す側面図である。図5は、図4に示すホーニン
グツールの端部を示す図である。図6は、本発明のため
のホーニングツールのホーニング部の端部を拡大して示
す断面図である。
【0015】本発明は、炭化タングステン−コバルト材
料から形成された硬化コーティングが施された不連続表
面あるいは波形表面を有しているワークピースを提供す
るためになされたものである。さらに、本発明は、波形
ロールに対するそのようなコーティングを施す例に関し
て記述されているけれども、本発明は、他の応用、例え
ば、ギヤの歯、スプライン、あるいは波形表面を有する
他のワークピースに対して適用されることを意図したも
のであることに注意されたい。
【0016】波形ロールを、炭化タングステン−コバル
ト表面コーティングでコーティングすることは望ましい
ことであり、あるいは、炭化クロム、炭化チタン、炭化
ホウ素、炭化シリコン、酸化アルミニウム、バインダー
材料としてコバルト、ニッケル、ニッケルクロム、モリ
ブデン、および類似物を含有するトリバロイ(tribalo
y)(Co、Mo、Cr、Si)を含む他の硬化コーテ
ィング材料でコーティングすることは望ましいことであ
る。これらのコーティングは、波形ロールの表面に、摩
耗および侵食の両方に耐え得るような、また衝撃に耐え
得るような、最適の硬度を与える。炭化物のコーティン
グは、工具の寿命を延長させる目的で、様々な異なる応
用に使用されてきたけれども、溝付きの波形ロール、お
よび同様に他の不連続または波形表面に対するコーティ
ングへの応用は困難なものであった。例えば、炭化物の
コーティングは、典型的には、波形ロールへの溝上への
成膜条件において、粗く不均一な外表面を形成する。ま
た、通常、コーティングの厚さが、溝頂部における厚さ
と比較して、溝底部において大きくなってしまう傾向が
ある。
【0017】さらに、そのような炭化物コーティングの
固有硬度のために、切削に対する耐性を有することとな
り、従来の切削工具による切削加工が困難となる。例え
ば、炭化タングステンあるいは他の炭化物または酸化物
上に対してなされている切削操作においては、典型的
に、切削ホイールとして、あるいはダイヤモンドを被覆
した複合体としてのいずれかとして、ダイヤモンドが使
用されている。溝付き波形ロールを切削しようとする場
合には、ダイヤモンド切削ホイールは、ロールを形成し
ている溝の形状に適合する形状とされなければならな
い。しかも、切削時には、ダイヤモンド切削ホイール
は、万能形のダイヤモンド切削ホイールが溝に対する所
望の寸法誤差を実現し得ないまでに、その形状と寸法制
御性を失ってしまう。さらに、従来の切削工具と違っ
て、溝領域を切削するために構成されたダイヤモンドホ
イールは、一旦、寸法精度を失ってしまうと再使用でき
なくなるので、ダイヤモンドホイールを装着することが
できないことに注意されたい。
【0018】したがって、炭化タングステンでコーティ
ングされた波形ロールは、コーティング操作の終了時点
において所望の許容誤差範囲内に納めなければならず、
そうでないと、ロールに対する最終操作がひどく高価な
ものとなってしまうことは明らかである。本発明による
方法は、ロールに対して炭化タングステン−コバルト材
料(あるいは、ニッケル、ニッケルクロム、ニッケルク
ロムモリブデン、等をバインダとして含む他の硬い炭化
物または酸化物)を適用するためになされたものであ
る。この場合、コーティングは、実質的に均一な表面特
性を有するものであり、そのため、最小の表面不規則性
だけが存在している。さらに、本発明においては、溝底
部と溝頂部との間のコーティング厚さの差が所望の誤差
範囲内に維持されることを保証するのに十分に均一なコ
ーティングを提供するものである。これにより、ロール
の最終表面は、切削操作を中間に介在させることを要す
ることなく、ホーニング操作を通して得ることができ
る。
【0019】図1には、コーティング操作を実現するた
めの装置10が示されている。装置10は、ロール取付
部12を備えており、ロール取付部12には、対向する
第1および第2端部支持体14、16が設けられてい
る。端部支持体14、16には、溝付き波形ロール22
の対向端部を支持するための支持シャフト18、20が
それぞれ設けられている。
【0020】装置10は、さらに、高速酸素燃料式(H
SOF)ガン26を備えている。HSOFガン26は、
ジェット内に粉末の形態で供給される炭化タングステン
−コバルトをスプレーするために、極超音速のガス速度
を作り出すよう、内部燃焼ジェットを必須要件として使
用する。例えば、88wt%の炭化タングステンと12
wt%のコバルトとの混合体が、この方法においては、
好適に使用される。ジェットには、様々な気体および液
体の炭化水素、例えば、石油(kerosene)、ナフサ(na
pthaleen)、プロピレン、アセチレン、プロパン、マッ
プガス(mapgas)または水素、および、酸素と共に燃焼
し得るたのものを燃料とすることができる。好ましい実
施形態においては、水素あるいは石油が使用される。さ
らに、ガン26は、市販されている、例えば、New
Hampshire、ConcordのHobart
Tafa Inc.社により販売されているJP 50
00ガンのようないくつかの高速酸素燃料ガンのうちの
任意のものとすることができる。
【0021】ガン26は、縦軸形の取付バー28に支持
されている。縦軸形の取付バー28は、ロール22に沿
って、ロール22の長さ方向軸32に平行な水平方向X
に、スプレーガン26を移動させるために使用されてい
る第1ドライバ30上に支持されている。加えて、取付
バー28は、スプレーガン26を、バー28に沿って、
鉛直方向Yに駆動するための第2ドライバ29を備えて
いる。さらに、ロール22は、端部支持体14、16の
1つ内に位置する例えばモータのようなドライバによ
り、回転移動可能に駆動されることが好ましい。ガン2
6をロール22に対して移動させるための手段は、市販
されている装置、例えば、Pennsylvania、
PittsburghのWeld ToolingCo
rp.社により販売されているBUG−Oユニットとす
ることもできる。BUG−Oユニットは、螺子山が組み
込まれたガイドトラックを備えており、螺子山の回転に
より、例えばガン26のようなデバイスの、トラックに
沿った正確に制御された水平移動が引き起こされる。ガ
ン26の鉛直移動は、バー28に設けられた回転可能な
螺子山のような従来手段により、あるいは鉛直方向の並
進移動を与える他の公知手段により制御されてもかまわ
ないことにもまた注意されたい。
【0022】ガン26には、炭化タングステンの粉末、
あるいは他の炭化物または酸化物の粉末が、粉末フィー
ダ34から、ガン26に連結されたフレキシブルホース
36を介して供給される。粉末フィーダ34は、粉末フ
ィーダ制御コンソール38により制御されている。加え
て、酸素/燃料/冷却水制御コンソール40が、酸素お
よび燃料を、供給タンク42からガン26へと供給する
ために、また、冷却水を、水処理および冷却ステーショ
ン44からガン26の出口をなす水冷ノズル46へと供
給するために設けられている。酸素、燃料、および冷却
水は、フレキシブルな供給ライン48を介してガン26
へと供給される。
【0023】中央プログラマブルコントローラ50は、
制御コンソール38、40の各々に接続されており、さ
らに、ガン26を移動させるためのドライバ、および、
波形ロール22を回転させるためのドライバに接続され
ている。コントローラ50は、以下で詳細に説明するよ
うに、ガン26の移動、ロール22の移動、および本発
明の方法におけるロール22上へと炭化タングステン−
コバルト材料をスプレーするためのガン26の駆動を含
む異なる操作を統合している。
【0024】図1および図2においては、本発明の典型
的なコーティング操作が、ノズル46の中心線52を波
形ロール22を通って径方向に延在しかつ長さ方向軸3
2を貫通している平面54に平行に延在させるようにガ
ン26を位置合わせすることにより達成されている。こ
の場合、平面54は、実質的には水平である。ガン26
は、平面54から所定距離Lだけ上方の鉛直位置に、取
付バー28上に位置している。
【0025】さらに、図3には、溝70、72、74、
76の拡大図が示されている。ここで、溝70、72、
74、76は、それぞれの溝頂部78、80、82、8
4を備えている。フランク部70a、70b、72a、
72b、74a、74b、76a、76bが、それぞ
れ、溝頂部78、80、82、84を起点として溝底部
71、73、75等へ向けて延在している。図3に示す
ように、スプレー62の直径Dは、溝頂部の半分80
b、フランク部72b、溝底部73、および他の溝頂部
の半分82aを全体的に覆うようなものである。言い換
えれば、スプレー直径Dは、溝頂部幅の全体フランク
部、および溝底部にわたって広がるだけで十分である。
【0026】さらに、ガン26の位置は、ガン26から
推進されるスプレー26が、フランク部72b溝頂部の
半分80b、82a、および溝底部73に実質的に直接
衝突する場合には、隣りのフランク部72a、74aに
対して、実質的に平行な飛跡を有するように選択されて
いることに注意されたい。よって、およびの溝のある部
分だけが、平面54よりも上方に位置するガン26によ
り選択的にコーティングされる。
【0027】再度、図3を参照すると、溝76は、実質
的に溝頂部84の全体がコーティングされるように、ス
プレー62を通過したことがわかる。これに対して、溝
頂部の半分80aおよび溝70は、コーティングされて
いない。というのは、ロールのこれらの部分は、ロール
がA方向に回転していることから、まだスプレー62を
通過していないからである。さらに、ガン26をこの位
置に位置させた状態で、かつ、波形ロール22をスプレ
ーするようにガン26を励起した状態で、ドライバ30
は、ロール22の長さ方向に沿って、ガン26を移動さ
せることに注意されたい。同時に、端部支持体14、1
6のどちらかに設けられたドライバは、ロール22を、
図2に示すA方向に複数回回転させる。
【0028】ロール22の長さ方向に沿った移動が終端
までくると、ガン26は、図2においてガン26’で示
される位置へと移動する。図示のように、ガン26’
は、水平面54よりも距離Lだけ下方に位置しており、
これにより、フランク部72bに対して溝底部73に関
する反対側に位置するフランク部74aが、コーティン
グされることになる。この部分のコーティング操作中に
おいては、ガン26は、ロール22の長さ方向に沿って
移動され、また、ロール22は、第1方向Aとは逆の第
2方向B向きに回転されることになる。よって、ロール
のコーティング中においては、ロール22は、スプレー
によりコーティングされる表面がスプレーに向かう向き
に移動するよう回転されることになる。
【0029】ガン26を長さ方向軸32からオフセット
した位置に位置合わせすることにより、溝上への炭化タ
ングステン−コバルト材料の望ましい分布が得られるこ
とがわかった。詳細には、上記のようなガン26の位置
合わせは、溝底部上への材料の堆積量を制限することを
容易としており、これと共に、溝のフランク部および頂
部への材料の堆積量を増加させることを容易としてい
る。ロール22に対してガン26の位置合わせおよび移
動を統合するこの方法によれば、さらに、炭化物コーテ
ィングが典型的に有している本来の粗さを出させること
なく、コーティングされた表面がホーニング操作により
容易に完成されるよう、実質的に均一な表面特性を有す
ることが保証される。
【0030】ホーニング工程は、例えば図4および図5
に示すような、棒状形状のホーニングツール86を使用
して達成することができる。ホーニングツール86は、
図示形状のホーニング部90を有する鋼製基部88を備
えて形成されていることが好ましい。さらに図6に示す
ように、ホーニング部90には、溝底部の形状とされた
凹所92が設けられている。この場合、凹所92は、溝
頂部、両フランク部、および隣接する溝底部の半分から
なる溝を研磨するために形成されている。さらに、ホー
ニング部90は、ホーニングツールの研磨表面をなすダ
イヤモンド表面コーティング94を備えている。
【0031】使用に際しては、ホーニングツールは、従
来の研磨機に取り付けることができる。このような研磨
機は、市販されており、例えば、Rhode Isla
nd,WarwickのSupfina Machin
e Co.,Inc.社により販売されているSupf
ina SE40がある。この研磨機は、波形ロールの
溝の長さ方向に沿ってホーニングツール86を移動させ
つつ、ホーニングツール86を振動させる。本発明によ
りコーティングされた波形ロール上において使用された
ときには、本発明のホーニングツール86は、コーティ
ングされた表面を滑らかとし、完成後の波形ロールとし
て要求された最終溝寸法を作り出す。
【0032】ロールをコーティングする上記工程は、溝
の各部において所望のコーティング厚さを与えるもので
あり、引き続く切削工程を不要としていることに注意さ
れたい。よって、波形ロールに対する最終表面を得るに
は、コーティング操作の後に、引き続いてホーニング操
作を行うだけでよく、切削工程を中間に介在させる必要
はない。
【0033】さらに、本発明の上記工程は、本発明の範
囲の中において変形されても構わないことを理解すべき
である。例えば、平面54に対するガン26の位置は、
ガン26をガン26’で示す位置へと移動させるよりも
前のロールの長さ方向に沿った複数回の移動に対して一
定に保持されてもよい。また、スプレー62がロール2
2に衝突する角度の制御は、ガンを鉛直方向に移動させ
ることに加えてあるいは代えて、平面54に対して上方
あるいは下方にガン26を配向させることによりなされ
てもよい。
【0034】さらに、本発明におけるHVOF炭化タン
グステン−コバルトコーティング工程の使用は、ロール
の最高温度に制限がある場合のロールの望ましいコーテ
ィング工程を提供していることに注意されたい。特に、
本発明の工程は、ロールの温度を300゜F以下に維持
した状態での炭化物コーティングをロールに与えること
がわかる。これにより、焼き戻し(結果的に基板が柔ら
かくなってしまうこと)、あるいは、ロールの焼結歪ま
たは溝の溶融から起こる溝のゆがみを避けることができ
る。
【0035】また、本発明の工程によりロールをコーテ
ィングすることに先立って、均一に荒れた表面とするた
めに、ロールは、粗粉により荒らされてもよいことを理
解すべきである。これにより、ロール表面に対するコー
ティングの機械的付着力が増強される。表面を荒らすこ
とが溝頂部、フランク部、および溝底部に対して均一に
なされること、また、これがAl23あるいは他の硬い
無機質粒子を使用してなされることは重要である。
【0036】上記説明により、本発明は、不連続表面あ
るいは波形表面を有するワークピースをコーティングす
るための方法を提供していることは明らかである。例え
ば、本発明のコーティング方法は、波形ロール、ギヤ、
ラチェット、および同様のワークピースに対して適用可
能である。
【0037】上記方法は、本発明の好ましい実施形態を
構成するものではあるけれども、本発明は上記方法に厳
密に制限されるものではなく、特許請求の範囲において
限定する本発明の範囲から逸脱することなく変更をなす
ことができることは理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、波形ロール上に硬化コーティン
グを形成するための装置を示す図である。
【図2】波形ロールとガンとの関係を概略的に示す図で
ある。
【図3】図2における領域Cを拡大して示す図である。
【図4】本発明によりコーティングされた波形ロールに
ホーニング加工を施す際に使用されるホーニングツール
を示す側面図である。
【図5】図4に示すホーニングツールの端部を示す図で
ある。
【図6】本発明のためのホーニングツールのホーニング
部の端部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
22 波形ロール(ワークピース) 26 高速酸素燃料ガン 32 長さ方向軸 46 出口 54 平面 70a フランク部 70b フランク部 71 底部 72a フランク部 72b フランク部 73 底部 74a フランク部 74b フランク部 75 底部 76a フランク部 76b フランク部 78 頂部 80 頂部 82 頂部 84 頂部 A 第1方向 B 第2方向

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波形表面を有するワークピース上に硬化
    コーティングを形成するための方法であって、 高速酸素燃料ガンを前記波形表面に位置合わせする位置
    合わせ工程と、 実質的に均一な表面特性を有する硬化コーティングを形
    成するために、前記ガンからコーティング材料を前記表
    面上にスプレーするスプレー工程とを具備することを特
    徴とするコーティング方法。
  2. 【請求項2】 前記コーティング材料は、炭化タングス
    テン−コバルト材料であることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 前記コーティング材料をホーニングする
    工程を具備することを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ワークピースは、実質的に円柱状で
    あるとともに長さ方向軸を有しており、 前記コーティング材料をスプレーする前記スプレー工程
    の際に、前記長さ方向軸に沿って前記ガンを移動させる
    工程を具備することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ワークピースは、実質的に円柱状で
    あるとともに長さ方向軸を有しており、前記波形表面
    は、前記長さ方向軸に平行に延在しかつ交互に位置する
    頂部および底部と、該頂部および底部間において延在す
    るフランク部とを有し、 前記ガンを位置合わせする前記位置合わせ工程は、前記
    フランク部の一方に対して実質的に平行な方向にスプレ
    ーし、これにより、隣接するフランク部をコーティング
    し、かつ、前記フランク部の前記一方を実質的にコーテ
    ィングしないよう、前記ガンを配向させる工程を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記コーティング材料をスプレーする前
    記スプレー工程の際に、前記ガンを前記長さ方向軸に沿
    って移動させる工程を備えることを特徴とする請求項5
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ガンを移動させる前記工程の際に、
    前記ワークピースを前記長さ方向軸回りに回転させる工
    程を備えることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ガンを位置合わせする前記位置合わ
    せ工程は、前記ロールを径方向に挿通しかつ前記長さ方
    向軸を挿通する平面の一方の側において該平面から離間
    した位置に前記ガンの出口を配置するとともに前記平面
    に平行にスプレーするよう前記ガンを導く工程と、 その後、前記平面の前記一方の側とは反対側において該
    平面から離間した位置に前記ガンの前記出口を移動させ
    る工程とを備えることを特徴とする請求項6記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記ワークピースは、波形ロールであ
    り、前記コーティング材料は、炭化タングステン−コバ
    ルト材料であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 長さ方向軸を有し、かつ、交互に延在
    する頂部および底部と該頂部および底部間において延在
    するフランク部とにより構成される波形表面を有する波
    形ロール上にコーティングをするための方法であって、 高速酸素燃料ガンを前記表面に位置合わせする位置合わ
    せ工程と、 実質的に均一な表面特性を有する硬化コーティングを形
    成するために、前記ガンから炭化タングステン−コバル
    ト材料を前記表面上にスプレーするスプレー工程とを具
    備し、 前記ガンを位置合わせする前記位置合わせ工程は、前記
    ガンの出口から前記ロールを直径方向に挿通する線を横
    断して延在する第1の線に沿ってスプレーするよう前記
    ガンの前記出口を導く工程を備えることを特徴とするコ
    ーティング方法。
  11. 【請求項11】 前記材料をスプレーする前記スプレー
    工程の際に、前記長さ方向軸に沿って前記ガンを移動さ
    せる工程を具備することを特徴とする請求項10記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 前記材料をスプレーする前記スプレー
    工程の際に、前記ロールを前記長さ方向軸回りの第1方
    向に回転させる工程を備えることを特徴とする請求項1
    1記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記ガンの前記出口から前記ロールを
    直径方向に挿通する線を横断して延在する第2の線に沿
    って前記ガンの前記出口を位置合わせする工程と、 前記材料をスプレーする前記スプレー工程の際に、前記
    第1方向とは逆回りの第2方向に前記ロールに回転させ
    る工程とを備えることを特徴とする請求項12記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 前記ガンは、複数回にわたって前記ロ
    ールに対して横方向に移動し、前記ロールは、前記ガン
    の各横移動の際に複数回にわたって回転することを特徴
    とする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ガンを位置合わせする前記工程
    は、さらに、前記ロールを径方向に挿通しかつ前記長さ
    方向軸を挿通する平面の一方の側において該平面から離
    間した第1位置に前記ガンの出口を配置する工程と、前
    記平面に平行にスプレーするよう前記ガンを導く工程と
    を備えることを特徴とする請求項10記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ガンを位置合わせする前記工程
    は、さらに、前記平面の他方の側において該平面から離
    間した第2位置に前記ガンの出口を配置する工程と、前
    記平面に平行にスプレーするよう前記ガンを導く工程と
    を備えることを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記材料をスプレーする前記スプレー
    工程の際に、前記ロールを回転させる工程を備え、 前記ロールは、前記ガンが前記第1位置にあるときに
    は、前記第1方向に回転され、そして、前記ロールは、
    前記ガンが前記第2位置にあるときには、前記第2方向
    に回転されることを特徴とする請求項16記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107639526A (zh) * 2016-07-22 2018-01-30 上海大松瓦楞辊有限公司 一种用于瓦楞辊的碳化钨喷涂和表面抛光装置
JP2018538447A (ja) * 2015-12-23 2018-12-27 プラクスエア エス.ティ.テクノロジー、インコーポレイテッド 非平滑表面上への改良された溶射コーティング

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