JPH09256088A - 耐粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管 - Google Patents

耐粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管

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JPH09256088A
JPH09256088A JP6128396A JP6128396A JPH09256088A JP H09256088 A JPH09256088 A JP H09256088A JP 6128396 A JP6128396 A JP 6128396A JP 6128396 A JP6128396 A JP 6128396A JP H09256088 A JPH09256088 A JP H09256088A
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JP
Japan
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corrosion resistance
heat transfer
less
exhaust gas
waste
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Application number
JP6128396A
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English (en)
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Shunichi Yoshitake
俊一 吉武
Tomoyoshi Kiwake
友義 木分
Saburo Wakita
三郎 脇田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F19/00Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers
    • F28F19/02Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings
    • F28F19/06Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings of metal

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温耐食性、特に高温耐粒界腐食性に優れた
ごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管を提供。 【解決手段】 伝熱用複合管は、重量%で、Cr:16
〜35%、Mo:0.5〜10%、Fe:25〜39
%、Mg:0.001〜0.1%、B:0.001〜
0.1、C:0.001〜0.05%、Si:0.1%
以下、P:0.03%以下、S:0.03%以下を含有
し、更に必要に応じて、下記のa及び/又はb及び/又
はc及び/又はdを含有し、残りがNiとNi基合金で
構成した外層と通常のボイラ用鋼からなる内層とからな
る。但し、a、W:0.1〜2%、b、Cu:0.5〜
5%、Ti:0.1〜3%、C、希土類元素:0.00
1〜0.1%、Y:0.001〜0.1%、Zr:0.
001〜0.1%、Hf:0.001〜0.5%の内の
1種又は2種以上、d、Mn:0.01〜1.0%、C
a:0.001〜0.1%のうちの1種又は2種からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高温耐食性、特
に高温耐粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボ
イラの伝熱用複合管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ごみ焼却施設には排ガスのもつ
高温潜熱を利用する目的で、廃熱ボイラが設置されてい
る。また、前記廃熱ボイラの構造部材である伝熱管は、
腐食性の強いHClやSO2 ガス、Na2 SO4 などの
溶融硫酸塩、さらにNaClやKClなどの溶融塩化物
などの腐食性生成物を含有する高温の排ガスにさらさ
れ、かつ前記硫酸塩や塩化物などが表面に堆積した環境
下におかれることから、その製造には高温耐食性の優れ
た各種の材料が用いられている。
【0003】ごみ焼却施設には排ガスのもつ高温潜熱を
利用する廃熱ボイラ用の高耐食合金材料として、特開平
5−195126号公報に見られる様に、重量%で、
C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:7.
5%以下、Cr:25〜35%、Ni:25〜55%お
よび下記(1)式を満足するMoを含有し、残部がFe
および不可避不純物からなり、不純物中のPが0.01
5%以下である化学組成 0.3(%)≦Mo(%)≦5.8(%)−{Ni(%)/10}…(1) のオ−ステナイト組織の高Ni、高Cr合金も知られて
いる。この合金は、ごみ焼却ボイラの腐食性環境を模擬
した550℃の温度での20時間の試験で、最大粒界浸
食深さは0.005〜0.03mmとなっており、また
別のごみ焼却ボイラの腐食性環境を模擬した600℃の
温度での20時間の試験で、最大粒界浸食深さは0.0
025〜0.02mmとなっており、優れた高温耐食性
を示していた。これら高Ni、高Cr合金は伝熱管とし
ても利用されるが、一般に高価であるところから、通常
のボイラ用鋼の外側に被覆し、通常のボイラ用鋼からな
る内層と上記高Ni、高Cr合金とで構成された外層か
らなる複合管を伝熱用複合管として使用することも知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切迫した
エネルギー事情から、ごみ焼却による廃熱を最大限に利
用するために廃熱ボイラの蒸気条件を高温高圧化する傾
向にあり、これに伴ない伝熱用複合管の管壁温度はさら
に上昇し、かつごみの高カロリー化およびプラスチック
の増加により排ガスの腐食性も一段と激しさを増す傾向
にあり、この激しい腐食部分では粒界腐食か発生し易
い。かかる点から廃熱ボイラの伝熱用複合管には、より
一層の耐粒界腐食性が要求され、この要求に対して提供
された上記従来の特開平5−195126号公報記載の
高Ni、高Cr合金は、排ガスに対する高温耐食性がか
なり向上しているが未だ十分でなく、したがって、この
従来の高Ni、高Cr合金からなる伝熱用複合管の寿命
は、十分に満足のいくものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、より一段と優れた耐粒界腐食性
を有する高温耐食性に優れた長寿命のごみ焼却排ガス利
用廃熱ボイラ用伝熱用複合管を開発すべく研究を行なっ
た結果、 (a)従来の特開平5−195126号公報記載のNi
基合金で構成された外層を有するごみ焼却排ガス利用廃
熱ボイラの伝熱用複合管は、高温耐粒界腐食性が十分で
ないために、腐食性の強いHClやSO2 ガス、Na2
SO4 、K2 SO 4 などの溶融硫酸塩、さらにNaC
l、KCl、PbCl2 、ZnCl2 などの溶融塩化物
などが表面に付着堆積した状態で300〜1000℃の
高温の排ガスにさらされると、粒界腐食が進行し、その
結果として十分な高温耐食性が得られず、従って、十分
な寿命が得られない。 (b)上記従来の特開平5−195126号公報記載の
Ni基合金にMg:0.001〜0.1%含有せしめる
と、熱間加工性が優れると共に高温耐粒界腐食性が向上
したNi基合金が得られ、このNi基合金で構成された
外層を有するごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複
合管を塑性加工で製造すると、このMgを0.001〜
0.1%含有するNi基合金で構成された外層は熱間加
工性が優れるところから通常のボイラ用鋼からなる内層
との間の密着性に優れた伝熱用複合管が得られ、さらに
高温耐粒界腐食性が優れるところから、結果として高温
耐食性が一層向上し、伝熱用複合管の寿命が一層伸び
る、などの研究結果を得たのである。
【0006】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Cr:16〜35%、Mo:
0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
以下、S:0.03%以下を含有し、さらに、必要に応
じて、(a)W:0.1〜2%、(b)希土類元素:
0.001〜0.1%、Y:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Hf:0.001〜0.5
%のうちの1種または2種以上、(c)Mn:0.01
〜1.0%、Ca:0.001〜0.1%、上記(a)
および/または(b)および/または(c)を含有し、
残りがNiと不可避不純物からなる組成を有するNi基
合金で構成した外層と通常のボイラ用鋼からなる内層と
で構成した高温耐食性、特に高温耐粒界腐食性に優れた
ごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管に特徴を
有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の高温耐食性に優れたごみ焼却排ガ
ス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管は、通常の高周波溶解
炉を用いて、上述せる成分組成をもったNi基合金溶湯
を調製し、インゴットに鋳造し、このインゴットに10
00〜1250℃の範囲内の所定温度で熱間鍛造を施し
て丸棒材とし、ついでこの丸棒材から削り出すことによ
り、所定の直径、肉厚を有する外管を作製し、さらに内
管として所定の直径、肉厚を有する通常のボイラ用鋼を
作製し、これら外管および内管を脱スケ−ルした後、外
管の内側に内管を挿入し、所定の減面率で引き抜き加工
を行い、外管を塑性変形させて外管を内管に密着させる
ことにより複合素管を作製した。これら複合素管を加熱
炉に入れ、所定の温度、時間で熱処理した後、ヘリカル
ロ−ルミルにより、さらに圧延して作製される。
【0008】本発明のNi基合金は、従来のNi基合金
組成に加え、特にMg:0.001〜0.1%が含有さ
れているため、熱間加工性が優れると共に高温耐粒界腐
食性が向上したNi基合金となり、このNi基合金で構
成された外層は熱間加工性が優れるところから通常のボ
イラ用鋼からなる内層との間の密着性に優れた伝熱用複
合管が得られ、さらに高温耐粒界腐食性が優れるところ
から、結果として高温耐食性が一層向上し、腐食性の強
いHClやSO2 ガス、Na2 SO4 、K2 SO4 など
の溶融硫酸塩、さらにNaCl、KCl、PbCl2
ZnCl2 などの溶融塩化物などが表面に付着堆積した
状態で300〜1000℃の高温の排ガスにさらされる
環境下でも、最大減肉量が少なく、かつ最大粒界腐食長
さも短く、従来では見られない長寿命を有する伝熱用複
合管が得られ、近年のエネルギ−事情下でも、ごみ焼却
による廃熱を最大限に利用出来る優れたごみ焼却排ガス
利用廃熱ボイラの伝熱用複合管として十分に満足し得る
ものである。この場合、Ni基合金で構成した外層が高
温耐食性、特に高温耐粒界腐食性を確保する作用をな
し、通常のボイラ用鋼からなる内層は強度および耐水蒸
気酸化性を持たせる作用をなすものである。
【0009】この発明の高温耐食性に優れたごみ焼却排
ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管で使用する「通常の
ボイラ用鋼」とは、具体的には、JIS3461〜34
64および3467で規定されるボイラ熱交換器炭素
鋼、低合金鋼、フェライト系ステンレス鋼、オ−ステナ
イト系ステンレス鋼などであるが、その使用条件によっ
てその鋼種は適宜選択し得るもので、特に限定されるも
のではない。
【0010】また、この発明の高温耐食性に優れたごみ
焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管は、Ni基合
金で構成された管の中に通常のボイラ用鋼管を挿入し、
通常の塑性加工による方法で作られるが、Ni基合金で
構成された外層をこの発明の新しいNi基合金を溶射ま
たは肉盛り溶接することによっても製造することが出来
る。
【0011】次いで、この発明の伝熱用複合管の外層を
構成するNi基合金の成分組成を上記の通りに限定した
理由を説明する。 (a) CrおよびMo これらの成分には、共存した状態で高温のごみ焼却排ガ
スに対する高温耐食性および高温耐酸化性を向上させる
と共に、高温強度を向上させる作用があるが、その含有
量がCrおよびMoのいずれかでもCr:16%未満お
よびMo:0.5%未満になると前記作用に所望の効果
が得られず、一方その含有量が同じくCrおよびMoの
いずれかでもCr:35%およびMo:10%を越えて
も高温耐食性により一層の向上効果が現れないことか
ら、その含有量を、Cr:16〜35%、望ましくは2
0〜23%、Mo:0.5〜10%、望ましくは8.5
〜10%と定めた。
【0012】(b) Fe Fe成分には熱間加工性を向上させる作用があるが、そ
の含有量が25%未満では所望の熱間加工性を確保する
ことができず、一方その含有量が39%を越えると靱性
が低下するようになることから、その含有量を25〜3
9%、望ましくは28〜36%と定めた。
【0013】(c) Mg Mg成分には耐粒界浸食性を向上させ、かつ熱間加工性
も向上させる作用があるが、その含有量が0.001%
未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その含
有量が0.1%を越えると粒界に金属化合物を生成し、
熱間加工性および耐食性を低下させるることから、その
含有量を0.001〜0.1%と定めた。
【0014】(d) B B成分には、耐粒界浸食性を向上させる作用があるが、
その含有量が0.001%未満では所望の耐粒界浸食性
向上の効果が得られず、一方その含有量が0.1%を越
えても耐粒界浸食性により一層の向上効果が得られない
ことから、その含有量を0.001〜0.1%、望まし
くは0.001〜0.01%と定めた。
【0015】(e) C C成分は高温強度を向上させる作用があるが、その含有
量が0.001%未満では所望の高温強度を確保するこ
とができず、一方、その含有量が0.05%を越える
と、粒界に存在する炭化物の量が増大するようになっ
て、特に高温排ガス中に含有する溶融塩化物による粒界
腐食の進行が促進されるようになることから、その含有
量を0.001〜0.05%と定めた。
【0016】(f) Si Si成分には脱酸作用があるので、溶湯の脱酸に用いる
が、この場合その含有量が0.1%を越えると、靱性が
低下するようになることから、その含有量を0.1%以
下と定めた。
【0017】(g) PおよびS これらの成分がそれぞれP:0.03%およびS:0.
03%をこえると、粒界に偏析するようになって熱間加
工性を低下させ、かつ高温耐食性も低下するようになる
ことから、その含有量をP:0.03%以下およびS:
0.03%以下と定めた。
【0018】(h) W W成分には、より一段と高温耐食性を向上させる作用が
あるので必要に応じて含有されるが、その含有量が0.
1%未満では前記作用に所望の向上効果が得られず、一
方その含有量が2%を越えると熱間加工性が低下するよ
うになることから、その含有量を0.1〜2%、望まし
くは0.5〜1.5%と定めた。
【0019】(i) CuおよびTi CuおよびTi成分には、高温耐食性および靭性を向上
させる作用があるので、必要に応じて含有されるが、そ
の含有量がCu成分で0.5%未満、Ti成分で0.1
%未満では前記作用に所望の向上効果が得られず、一方
その含有量がCu成分で5%、Ti成分で3%を越える
と高温強度が低下するようになることから、その含有量
をCu成分で0.5〜5%、望ましくは1.5〜3%、
さらにTi成分では0.1〜3%、望ましくは0.6〜
1.2%と定めた。
【0020】(j) 希土類元素、Y、ZrおよびHf これらの成分には、いずれも管材表面に形成される保護
スケ−ルの熱間加工性を向上させる作用があるので必要
に応じて含有させるが、その含有量が、いずれかの成分
も0.001%未満では所望の熱間加工性向上効果が得
られず、一方その含有量が、希土類元素、YおよびZr
にあっは0.1%、Hfにあっては0.5%を越えても
熱間加工性により一層の向上効果が得られないことか
ら、その含有量を、希土類元素:0.001〜0.1
%、Y:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜
0.1%、およびHf:0.001〜0.5%と定め
た。
【0021】(k) MnおよびCa MnおよびCa成分には、脱酸作用があり耐食性を向上
させる効果があるので、必要に応じて含有されるが、そ
の含有量がMn成分で0.01%、Ca成分で0.00
1%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量がMn成分で0.1%、Ca成分で0.1%越
えると、それらの析出相が生成し熱間加工性および耐食
性が低下することから、その含有量をMn成分で0.0
1〜1.0%、さらにCa成分で0.01〜1.0%と
定めた。
【0022】(l) 不可避不純物 不可避不純物としてAlを含有する場合があるが、これ
らの成分の含有量がそれぞれ0.4%を越えると熱間加
工性が損なわれるようになることから、その含有量をそ
れぞれ0.4%以下にとどめなければならない。
【0023】
【実施例】次いで、本発明の実施例について、具体的に
説明する。通常の高周波溶解炉を用いて、表1〜6に示
される成分組成をもったNi基合金溶湯を調製し、イン
ゴットに鋳造し、このインゴットに1150℃の所定温
度で熱間鍛造を施して直径:55mmの丸棒材とし、つ
いでこの丸棒材から直径:50mm×肉厚:6mmの寸
法に削り出すことにより表1〜3に示される成分組成を
もった外管を作製した。さらに内管として外径:42m
m×肉厚:6.0mmの寸法を有するSUS304ステ
ンレス鋼管を用意した。これら外管および内管を脱スケ
−ルしたのち、外管内側に内管を挿入し、所定の減面率
で引抜加工を行い、外管を塑性変形させて外管を内管に
密着させることにより複合素管を作製した。これら複合
素管を加熱炉にいれ、1180℃に1時間保持したの
ち、ヘリカルロ−ルミルにより、さらに圧延し、外層厚
さ:3mm、直径:38.1mmの寸法を有する本発明
伝熱用複合管1〜50、比較伝熱用複合管1〜2をそれ
ぞれ製造した。また従来技術として特開平5−1951
26号公報に見られる合金を用いて、上記と同様の方法
で従来伝熱用複合管を製造した。なお、比較伝熱用複合
管1〜2は、外層を構成するNi基合金の構成成分のう
ち、高温耐粒界腐食性に影響を及ぼすMgの含有量がこ
の発明の範囲から外れたものである。
【0024】ついで、この結果得られた各種の伝熱用複
合管を廃熱ボイラに組み込み、この廃熱ボイラを処理能
力:100ton /日のごみ焼却施設に設置し、前記
伝熱用複合管の表面温度:450℃、排ガス温度:55
0℃の条件で1000時間の操業を行ない、操業終了後
伝熱用複合管を取り出し、表面に付着した灰分や生成ス
ケールを除去した状態で周方向における肉厚を測定し、
最大減肉量を求めると共に、表面部の断面ミクロ組織を
観察し、最大粒界腐食長さを測定した。これらの測定結
果を表7〜8に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】
【発明の効果】表1〜8に示される結果から、本発明伝
熱用複合管1〜50は、従来伝熱用複合管に比べて、高
温のごみ焼却排ガス雰囲気にさらされた場合、最大減肉
量が少なくかつ最大粒界腐食長さも短いところから、優
れた高温耐食性を示すことが分かる。しかし、比較伝熱
用複合管1〜2に見られるように、これを構成するNi
基合金のMg含有量がこの発明の範囲から外れると高温
耐食性、特に高温耐粒界腐食性が劣り、結果として高温
耐食性が劣ったものになることが明らかである。
【0034】上述のように、この発明の伝熱用複合管
は、一段と優れた高温耐食性を有するので、ごみ焼却に
よる廃熱を有効に利用するための廃熱ボイラの蒸気条件
の高温・高圧化に対応することができ、高価なNi基合
金からなる外層の薄肉化が可能となるとともに、伝熱用
複合管の一層の長寿命化が可能となり、ごみ焼却による
廃熱を有効に利用するための廃熱ボイラの技術の向上に
大いに貢献し得るものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、残りがNiと不可
    避不純物からなる組成を有するNi基合金で構成したこ
    とを特徴とする耐粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利
    用廃熱ボイラの伝熱用複合管。
  2. 【請求項2】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、さらに、W:0.
    1〜2%を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる
    組成を有するNi基合金で構成したことを特徴とする耐
    粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝
    熱用複合管。
  3. 【請求項3】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、さらに、Cu:
    0.5〜5%、Ti:0.1〜3%を含有し、残りがN
    iと不可避不純物からなる組成を有するNi基合金で構
    成したことを特徴とする耐粒界腐食性に優れたごみ焼却
    排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管。
  4. 【請求項4】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、さらに、希土類元
    素:0.001〜0.1%、Y:0.001〜0.1
    %、Zr:0.001〜0.1%、Hf:0.001〜
    0.5%のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
    Niと不可避不純物からなる組成を有するNi基合金で
    構成したことを特徴とする耐粒界腐食性に優れたごみ焼
    却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管。
  5. 【請求項5】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、W:0.1〜2%
    を含有し、さらに、Cu:0.5〜5%、Ti:0.1
    〜3%を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組
    成を有するNi基合金で構成したことを特徴とする耐粒
    界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱
    用複合管。
  6. 【請求項6】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、W:0.1〜2%
    を含有し、さらに、希土類元素:0.001〜0.1
    %、Y:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜
    0.1%、Hf:0.001〜0.5%のうちの1種ま
    たは2種以上を含有し、残りがNiと不可避不純物から
    なる組成を有するNi基合金で構成したことを特徴とす
    る耐粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラ
    の伝熱用複合管。
  7. 【請求項7】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、Cu:0.5〜5
    %、Ti:0.1〜3%を含有し、さらに、希土類元
    素:0.001〜0.1%、Y:0.001〜0.1
    %、Zr:0.001〜0.1%、Hf:0.001〜
    0.5%のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
    Niと不可避不純物からなる組成を有するNi基合金で
    構成したことを特徴とする耐粒界腐食性に優れたごみ焼
    却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管。
  8. 【請求項8】 重量%で、Cr:16〜35%、Mo:
    0.5〜10%、Fe:25〜39%、Mg:0.00
    1〜0.1%、B:0.001〜0.1、C:0.00
    1〜0.05%、Si:0.1%以下、P:0.03%
    以下、S:0.03%以下を含有し、W:0.1〜2%
    を含有し、さらに、Cu:0.5〜5%、Ti:0.1
    〜3%を含有し、さらに、希土類元素:0.001〜
    0.1%、Y:0.001〜0.1%、Zr:0.00
    1〜0.1%、Hf:0.001〜0.5%のうちの1
    種または2種以上を含有し、残りがNiと不可避不純物
    からなる組成を有するNi基合金で構成したことを特徴
    とする耐粒界腐食性に優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボ
    イラの伝熱用複合管。
  9. 【請求項9】 重量%で、Mn:0.01〜1.0%、
    Ca:0.001〜0.1%のうちの1種または2種
    を、さらに含有する請求項1〜8記載の耐粒界腐食性に
    優れたごみ焼却排ガス利用廃熱ボイラの伝熱用複合管。
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