JPH09256041A - 冷鍛性に優れた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

冷鍛性に優れた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法

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JPH09256041A
JPH09256041A JP9312496A JP9312496A JPH09256041A JP H09256041 A JPH09256041 A JP H09256041A JP 9312496 A JP9312496 A JP 9312496A JP 9312496 A JP9312496 A JP 9312496A JP H09256041 A JPH09256041 A JP H09256041A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来行われていた固溶化熱処理に比べ優れた
冷鍛性を得ることのできる析出硬化型ステンレス鋼の熱
処理方法を提供する。 【解決手段】 重量比にしてC:0.050%以下、Si:0.60%以
下、Mn:0.80%以下、S:0.010%以下、Cu:2.5〜4.0%、Ni:
3.5〜6.0%、Cr:14.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:
0.030%以下を含有し、かつC+N:0.070%以下及びNb/(C+N)
≧5.00を満足し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼
か、または耐食性改善元素(Mo)と、熱間加工性改善元素
(B,Ca,Mg,REM) の、のうちの少なくとも1種の元素
を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間圧延後室温まで冷
却した後、 980〜1080℃まで加熱して15分〜6時間温度
を保持し、その後 500℃/hr 以下の速度で800 〜880 ℃
まで冷却し、前記温度にて1〜16時間温度を保持した
後、室温まで冷却することを特徴とする冷鍛性に優れた
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス建築構
造材の締結ボルト、ナット、ワッシャー、その他の高強
度ボルト等の使用に適し、優れた冷鍛性を得るための析
出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】SUS630等の析出硬化型ステンレス鋼は、
固溶化熱処理状態で冷間加工し、その後の時効処理によ
り高強度を得ることが可能な鋼種であり、ステンレス鋼
の中では最も高い強度を得ることができる鋼種であるた
め、機械構造材料、建築構造材料等で高強度と優れた耐
食性を共に必要とする部位に使用されている。
【0003】前記したようにSUS630等の析出硬化型ステ
ンレス鋼は、固溶化熱処理状態で所定形状への冷間加工
が施されるため、優れた冷間加工性を得るには、固溶化
熱処理によって硬度をできるだけ下げる必要がある。そ
れに対し、実際に部品として使用する際には高強度を要
求されるため、時効処理により高硬度の得られることが
要求される。
【0004】以上の要求に対し、従来から広く使用され
てきたSUS630は、固溶化熱処理を行って硬さを下げて
も、優れた冷間加工性が得られる程度に硬さが下がら
ず、冷鍛でボルトを製造する際に加工性の面で問題が生
じていた。上記課題を解決するために、特開平6-172929
号公報に示される発明が開示されている。この発明は、
Ni、Cr、Cuの添加量を適切な範囲に調整し、かつ熱間圧
延時に900 〜1100℃の温度で最終焼鈍を行うことを特徴
とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記したように JISの
SUS630に通常行われている固溶化熱処理を施しても硬さ
がHv340 〜350 程度と高く、冷鍛性が劣るという欠点を
有していた。また、特開平6-172929号公報に記載の発明
によってHv290 〜300 程度とSUS630の固溶化熱処理材に
比較して硬さの低い材料を得ることができるようになっ
たが、大変形を伴う冷間鍛造を容易に行うにはまだ硬さ
が十分に下がっているとは言えず、より低い硬さが得ら
れ、優れた冷鍛性の得られる製造方法の確立が強く望ま
れていた。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、時効処
理前において優れた冷鍛性を得ることのできる析出硬化
型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、SUS630の
硬さを下げられる新規の熱処理方法について鋭意研究を
行った結果、下記の知見を得ることにより本発明を得た
ものである。時効処理前における強度を低く抑えるため
には、固溶強化によって強度を上昇させる影響のある元
素であるC 、N を極力低減しなければならないことは、
前記した公開公報に記載されている等、従来から良く知
られている通りである。本発明者等はさらにC+N 量に応
じてNbを適量添加し、 980〜1080℃(第1段目の加熱)
に加熱して炭化物を固溶させた後(固溶化熱処理)、80
0 〜880 ℃にて一定時間保持(以下、第2段目の加熱又
は中間焼鈍と記す)することにより、少量含有している
C 、N をNb炭窒化物として析出させ、その結果大きな硬
さ低減効果が得られることを見出したものである。
【0008】また、 980〜1080℃に加熱した後に行う中
間焼鈍は、 980〜1080℃に加熱後、一度冷却した後に再
加熱する場合と、 980〜1080℃に加熱後中間焼鈍温度ま
で冷却した後温度保持する場合のどちらでも、Nb炭窒化
物を十分析出させることができる。なお、後者の方法で
熱処理する場合には、この熱処理中にNb炭窒化物が析出
するだけでなく、大きな炭窒化物に成長するため、第2
段目の加熱後室温に冷却した状態で、十分に低い硬さが
得られるものである。
【0009】一方、中間焼鈍を再加熱して行う場合に
は、中間焼鈍のままでは析出したNb炭窒化物が十分に成
長していないために、このままでは低い硬さが得られな
いが、その後に600 〜680 ℃に加熱保持するという軟化
焼鈍を行うことにより、ε-Cu相の析出・成長と残留オ
ーステナイトの生成が促進し、大きな硬さ低減効果が得
られること、この場合には中間焼鈍を一度冷却し、再加
熱することなく、第1段目の加熱から連続して行う場合
に比べ、優れた延性の得られることを見出したものであ
る。
【0010】以上説明した新しい知見により成された本
発明の析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造
方法は、重量比にしてC:0.050%以下、Si:0.60%以下、M
n:0.80%以下、S:0.010%以下、Cu:2.5〜4.0%、Ni:3.5〜
6.0%、Cr:14.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:0.030%
以下を含有し、かつC+N:0.070%以下及びNb/(C+N)≧5.00
を満足し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼か、また
は耐食性改善のためのMo:0.3〜2.0%と、熱間加工性改
善のためのB:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005 〜0.0100
% 、Mg:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.0100% のう
ちの1種または2種以上の、のうちの少なくとも1
種の元素を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間圧延後室
温まで冷却した後、 980〜1080℃まで加熱して15分〜6
時間温度を保持し、その後 500℃/hr 以下の速度で800
〜880 ℃まで冷却し、前記温度にて1〜16時間温度を保
持した後、室温まで冷却することからなる第1発明と、
第1発明と同じ鋼を対象とし、熱間圧延後室温まで冷却
した後、 980〜1080℃まで加熱して15分〜6時間温度を
保持した後冷却するという固溶化熱処理を施し、次に80
0 〜880 ℃に再加熱して1〜16時間温度を保持した後、
Ms点以下の温度まで冷却するという中間焼鈍処理を施
し、最後に600 〜680 ℃に加熱して1〜16時間温度を保
持した後、室温まで冷却するという軟化焼鈍処理を施す
ことからなる第2発明で構成されるものである。
【0011】次に本発明の製造方法の化学成分添加量の
範囲、熱処理条件の限定理由について以下に説明する。
なお、化学成分はJIS のSUS630と一部が重複するもので
あるが、熱処理後の硬さ低減効果を大きくするためにSU
S630の範囲の中でも適切な範囲としているので、以下に
その理由を説明する。
【0012】C:0.050%以下、N:0.030%以下、C+N:0.070%
以下 C 、N は侵入型元素であり固溶強化により硬さを上昇さ
せる影響があるため、冷鍛性改善を目的とする本発明に
とっては、極力低減しなければならない元素である。そ
して、本発明ではNbの添加によってC 、N をNb炭窒化物
として析出させた組織とするものであるが、C 、N が多
量に含有しているとNb炭窒化物として析出させても固溶
強化による硬さの上昇が避けられないものである。従っ
て、本発明では、C 、N 、C+N の上限をそれぞれ0.050
%、0.030%、0.070%とした。より好ましくは、N 、C+N
の上限を0.020%、0.060%とするのが良い。
【0013】Si:0.60%以下 Siは固溶強化により素材硬さを高め冷鍛性を阻害する元
素である。しかしながら、Siは脱酸剤として不可欠な元
素であるため低減しすぎると製造が難しくなるので、0.
60% までの範囲で添加できることとした。より望ましく
は、上限を0.40% とするのが良い。
【0014】Mn:0.80%以下 MnはSiと同様に固溶強化により素材硬さ上昇の原因とな
る元素である。従って、硬さ低減のためには極力低減す
る方が好ましいが、あまり上限を厳しく規制すると製造
が難しくなるので、上限を0.80% とした。
【0015】S:0.010%以下 S は製造上不純物として存在している元素であるが、多
量に含有すると硫化物系の非金属介在物が増加し、冷間
鍛造時に割れが発生しやすくなるので、上限を0.010%と
した。より望ましくは上限を0.005%とするのが良い。
【0016】Cu:2.50 〜4.00% Cuは必要な析出硬化能と耐食性を確保するために不可欠
な元素であり、最低でも2.50% 以上、好ましくは3.00%
以上含有させることが必要である。しかしながら、多量
に含有させると熱間加工性が低下して製造性が悪くなる
とともに、前記した析出硬化能の向上効果が飽和するの
で、上限を4.00% とした。より望ましくは上限を3.60%
とするのが良い。
【0017】Ni:3.50 〜6.00% Niは耐食性を改善するステンレス鋼にとって基本元素で
あるとともに、高温におけるδフェライトの生成による
熱間加工性の低下を抑えるために必要な元素である。ま
た、強力なγ相形成元素であり、前記した第2発明にお
ける軟化焼鈍後において適量の残留オーステナイトを生
成させ、硬さ低減効果を十分に得るためにも必要な元素
であるため、最低でも3.50% 以上、好ましくは4.00% 以
上、より好ましくは4.50% 以上含有させる必要がある。
【0018】しかしながら、多量に含有させると、Ms点
が低下し固溶化熱処理後に残留オーステナイトが生成し
て加工硬化が大きくなるため、かえって変形抵抗が増加
するとともに、残留オーステナイトの増加によって析出
硬化能が低下し必要な強度が得られなくなるので、上限
を6.00% とした。好ましくは上限を5.50% とするのが良
い。
【0019】Cr:14.00〜16.00% Crは、ステンレス鋼にとって必要な耐食性を確保するた
めの基本元素であり、最低でも14.00%以上、好ましくは
15.00%以上の含有が必要である。しかしながら、多量に
含有させるとδフェライト量が増加し、熱間加工性や靱
性が劣化するので、上限を16.00%とした。
【0020】Nb:0.15 〜0.55% 、Nb/(C+N)≧5.00 NbはC 、N と結合しやすい元素であり、C 、N を炭窒化
物として析出させて固溶強化に影響するC 、N 量を低減
し熱処理後の硬さ低減に効果のある元素である。また、
Nbはいわゆる安定化効果によってCr炭化物の析出を防止
し、耐食性を向上させる働きもある。従って、C 、N を
安定化させるのに十分な量添加する必要があり、最低で
も0.15% 以上含有させる必要がある。
【0021】しかしながら、多量に含有させると、Crと
同様にδフェライトの生成を助長し熱間加工性や靱性が
劣化するので、上限を0.55% とした。なお、炭窒化物を
十分に生成するためには、含有するC 、N の量と比較し
て十分な量を含有させる必要があり、Nb/(C+N)≧5.00を
満足するように含有させることが必要である。そして、
より大きな硬さ低減効果を得るためには、Nb/(C+N)≧7.
00を満足するようにC 、N 、Nb含有率を調整することが
望ましい。
【0022】Mo:0.3〜2.0% Moはユーザーから要求される耐食性のレベルに応じ、必
要に応じて添加することができる元素であり、Moを含有
しない鋼と比べ優れた耐食性を得るためには、最低でも
0.30% 以上の含有が必要である。しかしながら、多量に
含有させると、δフェライト量が増加して熱間加工性が
低下するとともに、靱性が低下するので、上限を2.0%と
した。
【0023】B:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005 〜0.0100
% 、Mg:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.0100% のう
ち1種または2種以上 B 、Ca、Mg、REM は熱間加工性の改善のために必要に応
じて添加できる元素である。そして、前記効果を十分に
得るには、前記元素のうちの1種以上を0.0005% 以上含
有させることが必要である。しかしながら、多量に含有
しても効果が飽和するので、上限を各元素共に0.0100%
とした。
【0024】次に本発明の熱処理条件の限定理由につい
て以下に説明する。第1段目の加熱温度を 980〜1080℃
としたのは、通常の固溶化熱処理と同様に炭化物を十分
に固溶化するのに適切な温度であるからである。すなわ
ち、 980℃未満では炭化物が十分に固溶しない可能性が
あり、1080℃を超えるとδフェライトが生成し、靱性、
耐食性が劣化する可能性がある。そして、炭化物を確実
に固溶させるには加熱保持温度の下限は1020℃とするの
が望ましく、δフェライトの生成を考慮すると、加熱保
持温度の上限は1060℃とするのが良い。また、加熱保持
時間は、炭化物を固溶させるのに十分な時間とする必要
があり、最低でも15分以上とし、上限は生産性の問題か
ら6時間とした。好ましくは2時間以下とするのが良
い。さらに、第2発明では、第1段目の加熱保持をした
後すぐに冷却するが、この冷却は通常の固溶化熱処理と
同様に冷却途中で炭化物が析出しない冷却速度(例えば
水冷、空冷でも炭化物が析出しなければ良い。)とする
必要がある。これは、第2段目の熱処理が炭化物が十分
に固溶した状態の鋼に対して行う必要があるためであ
る。
【0025】次に、第2段目の熱処理を800 〜880 ℃の
範囲で行うのは、第1段目の加熱で炭化物が十分に固溶
した状態となっており、さらにこの温度域で保持するこ
とにより、Nb炭窒化物を十分に析出させるためである。
温度を800 〜880 ℃に設定したのは、Nb炭窒化物を析出
させるのに適切な温度域であるからであり、この温度範
囲より温度が高くても低くても炭窒化物が析出しにくく
なり、処理に時間がかかったり、十分に硬さが低下しな
くなる。より望ましくは加熱保持温度の上限を860 ℃と
するのが良い。また、加熱保持時間は、Nb炭窒化物を析
出させるのに十分な時間確保する必要があり、最低でも
1時間以上とし、上限は生産性の問題から16時間とし
た。なお、硬さ低減効果を十分に得るためには、4時間
以上加熱保持することが望ましい。
【0026】なお、第1発明では第1段目の加熱から第
2段目の加熱までを一度室温ないし室温近くまで冷却し
再加熱することを行わずに連続して行うため、この熱処
理の間にNb炭窒化物が析出かつ成長して大きくなる。そ
の結果、冷鍛が容易な低い硬度の鋼を得ることができ
る。なお、冷却速度を 500℃/hr 以下の速度としたの
は、 500℃/hr を超える速度で冷却すると、炭窒化物の
成長が不十分になって、硬さが十分に低下しなくなるか
らである。特に低い硬さを得るためには、 150℃/hr 以
下、より好ましくは50℃/hr 以下とするのが好ましい。
また、第1発明では第2段目の加熱後冷却することによ
り熱処理が終了するが、この冷却については、その条件
に関係なく目的とする硬さを得ることができる。しかし
ながら、マルテンサイト変態が進む約 200℃以下(成分
によりマルテンサイト変態温度は若干変化する)を徐冷
した場合には、残留オーステナイトが生成し、一層の硬
さ低減効果は得られるものの、その後の時効処理によっ
て高い硬さを得ることができなくなり、第2発明の場合
と同様に再度固溶化熱処理を行う必要が生じるので、こ
の温度領域は空冷以上の速度で冷却した方が望ましい。
【0027】さらに、第2発明において第2段目の加熱
保持後の冷却終了温度をMs点以下の温度としたのは、マ
ルテンサイト変態させないと、その後の軟化焼鈍処理に
よってε-Cu 相を析出及び成長させることができなくな
るためである。もし、Ms点以上の温度で冷却を終了し、
後述の軟化焼鈍処理を行った場合には、ε-Cu 相が析
出、成長せず、かつ適量の残留オーステナイトを生成す
ることができなくなり、硬さが十分に低下しない結果と
なる。
【0028】第1段目の熱処理後冷却し、再加熱して第
2段目の熱処理を行うことを特徴とする第2発明では、
第2段目の加熱保持によりNb炭窒化物は析出するが、第
1発明のように炭窒化物が十分に成長しないうちに冷却
されるため、炭窒化物が微細に分散した状態となり、第
2段目の熱処理を終了しても目的とする硬さまで低下し
ない(但しNb炭窒化物のピンニング効果により、組織が
微細化され、延性が改善するという効果がある)。
【0029】そこで、さらに第3段目の加熱として、60
0 〜680 ℃の温度で1〜16時間加熱保持し、室温まで冷
却するという軟化焼鈍処理を行う。この熱処理によりε
-Cu相が析出、成長し、かつ残留オーステナイトが適量
生成され、所望の低い硬さが得られる。温度範囲を600
〜 680℃としたのは、600 ℃未満では、析出したε-Cu
相が成長しないため、かえって硬化してしまうという問
題があり、680 ℃を超えると、変態温度を超えてマルテ
ンサイト組織がオーステナイトに変態し、その後の冷却
時に再度オーステナイトがマルテンサイトに変態するた
め、硬さ低減効果が得られなくなるという問題が生じる
からである。なお、一層の硬さ低減効果を得るために
は、ε-Cu 相を確実に成長させるために加熱保持温度の
下限を610℃とするのが望ましく、またオーステナイト
への逆変態を確実に防止するためには、加熱保持温度の
上限を660 ℃とするのが望ましい。
【0030】以上説明した方法により、通常行われる固
溶化熱処理を施した場合に比べ低い硬さとすることがで
きるため、優れた冷鍛性を得ることができる。但し、第
2発明では本発明の熱処理によりε-Cu 相が析出、成長
し、かつ残留オーステナイトが生成しており、そのまま
時効処理しても硬さの増加は期待できない。そこで、第
2発明の方法により製造したステンレス鋼については、
冷間鍛造により所定の形状に加工した後、再度固溶化熱
処理を行ってから時効処理を施すことが必要となる。こ
れにより、十分な強度を得ることができる。
【0031】なお、以上説明した化学成分の範囲、製造
条件のうち、それぞれの望ましい範囲を組み合わせるこ
とにより、従来ではほとんど不可能であった硬さHRC 27
以下を達成することができる。
【0032】すなわち、請求項3の発明(第3発明)の
ように、重量比にしてC:0.050%以下、Si:0.40%以下、M
n:0.80%以下、S:0.010%以下、Cu:3.0〜3.6%、Ni:4.5〜
5.5%、Cr:15.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:0.020%
以下を含有し、かつC+N:0.060%以下及びNb/(C+N)≧7.00
を満足し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼か、また
は耐食性改善のためのMo:0.3〜2.0%と、熱間加工性改
善のためのB:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005 〜0.0100
% 、Mg:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.0100% のう
ちの1種または2種以上の、のうちの少なくとも1
種の元素を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間圧延後室
温まで冷却した後、1020〜1060℃まで加熱して15分〜6
時間温度を保持し、その後 150℃/hr 以下の速度で800
〜860 ℃まで冷却し、前記温度にて4〜16時間温度を保
持した後、室温まで冷却することにより、熱処理後の硬
さをHRC 27以下とすることが可能となる。
【0033】また、請求項4の発明(第4発明)のよう
に、重量比にしてC:0.05% 以下、Si:0.40%以下、Mn:0.8
0%以下、S:0.010%以下、Cu:3.0〜3.6%、Ni:4.5〜5.5%、
Cr:15.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:0.020%以下を
含有し、かつC+N:0.060%以下及びNb/(C+N)≧7.00を満足
し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼か、または耐食
性改善のためのMo:0.3〜2.0%と、熱間加工性改善のた
めのB:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005 〜0.0100% 、M
g:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.0100% のうちの
1種または2種以上の、のうちの少なくとも1種の
元素を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間圧延後室温ま
で冷却した後、1020〜1060℃まで加熱して15分〜6時間
温度を保持した後冷却するという固溶化熱処理を施し、
次に800 〜860 ℃に再加熱して4〜16時間温度を保持し
た後、Ms点以下の温度まで冷却するという中間焼鈍処理
を施し、最後に610 〜660 ℃に加熱して4〜16時間温度
を保持した後、室温まで冷却しても、熱処理後の硬さを
HRC 27以下とすることが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に、本発明鋼の特徴を比較例と
対比して、実施例により説明する。表1にこれらの供試
鋼の化学成分を示す。なお、供試鋼は30kg真空誘導溶解
炉によって溶解した鋼塊を1200℃に加熱して鍛伸するこ
とにより準備したものである。
【0035】
【表1】
【0036】表1において、A〜F鋼は本発明の成分範
囲内の鋼であり、G〜J鋼はいずれかの成分が本発明で
規定する範囲を外れている比較鋼である。なお。G〜J
鋼のうち、G、J鋼はSUS630の成分範囲内の鋼であり、
H鋼はSUS630の範囲内の鋼に熱間加工性改善のためにB
を少量含有させた鋼であり、I鋼は、SUS630に対しNb含
有率が低い鋼に熱間加工性改善のためにCaを少量含有さ
せたものである。
【0037】これら各供試鋼について、熱処理後の硬
さ、限界加工率、時効処理後の硬さ、耐食性、熱間加工
性について評価した。以下に試験方法について説明す
る。 (1)熱処理方法 熱処理条件は、最適条件を把握するために、加熱温度、
熱処理途中の冷却速度等を表2、表3に示すように様々
に変化させて行った。但し、固溶化熱処理に相当する第
1段目の加熱については、全ての試験について1050℃×
30分(表2の結果は加熱保持後表2に示す速度で冷却、
表3の結果は加熱保持後水冷)の条件で統一した。ま
た、第2段目の加熱後の冷却は、700 ℃までを徐冷(加
熱炉内で炉冷)、700 ℃以下は空冷で室温まで冷却する
という方法で行った(試験No.33 を除く。)。なお、従
来の熱処理との効果の差を比較するために、通常の固溶
化熱処理を施した場合についても同様な方法で測定(表
2、3に示す試験No.20,44)した。
【0038】また、第2発明に関係する実施例として、
第2段目の加熱後の冷却終了温度の影響を調べるため
に、冷却終了温度をMs点より高い 300℃とした試験(試
験No.33)も合わせて実施した。以上説明した方法で熱処
理した試験片を用い、以下に説明する硬さ、限界加工
率、時効処理後の硬さ、耐食性の評価を行った。
【0039】(2)熱処理後の硬さ 前記した熱処理を行った後、D/4 部の硬さをJISZ2245に
基づきロックウエルCスケールにて測定した。
【0040】(3)冷間鍛造性 前記した熱処理を行った試験片を機械加工して、直径14
mm、高さ21mmで側面長手方向に深さ0.8mm の切欠をつけ
た試験片(日本塑性加工学会冷間鍛造分科会基準2号試
験片)を作製し、100tonアムスラー試験機で圧縮加工し
て、目視にて割れが確認された時の圧縮率(限界加工
率)を測定した。圧縮加工は、摩擦条件にばらつきが生
じにくくするため、同心円溝付の工具を用いた。
【0041】(4)時効処理後の硬さ 前記した熱処理を施した試験片に対し、さらに590 ℃×
4hr で加熱保持後空冷という条件で時効処理を施し、
(2)と同様の方法で硬さを測定した。なお、第2発明
に該当する熱処理を行った場合については、必要な析出
硬化を得るために、時効処理の前に1030℃×1hr で加熱
保持後水冷という条件で固溶化熱処理を施した後、同様
な方法で硬さを測定した。
【0042】(5)耐食性 時効処理後の硬さを測定した試験片と全く同じ熱処理を
行った後、JISG0578で規定されている「ステンレス鋼の
塩化第二鉄腐食試験方法」に準拠した方法で温度35℃で
試験後、腐食減量を測定することにより、耐食性を評価
した。表2、3には、測定した腐食減量の値(g/m2hr)
が、25未満である場合を◎、25以上35未満である場合を
○、35以上の場合を×で表示した。
【0043】(6)熱間加工性 熱間加工性は、鍛伸材から平行部直径10mmの試験片を作
製、準備し、通電加熱により1100℃まで 100秒で加熱
し、1分間温度を保持した後、50mm/secの引張速度で破
断させた後、破断面の絞り率を測定することにより評価
した。表2、3には、絞り率が95%以上の場合を◎、90
%以上95%未満の場合を○、80%以上90%未満の場合を
△で表示した。試験結果を表2(第1、3発明の実施
例)、表3(第2、4発明の実施例)に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】表2、3に示した結果のうち、試験No.1〜
15、21〜39の結果から明らかなように、化学成分が本発
明の範囲内であるA〜F鋼を用いた場合でも、加熱温
度、冷却速度等の条件のうち、いずれかが本発明の範囲
外である場合には、従来の方法で熱処理(1050℃×30
分、水冷の固溶化熱処理のみ)した結果である試験No.2
0,44に比べれば低い硬さが得られるが、本発明に比べ熱
処理後の硬さが高くなり、冷鍛性が低下することがわか
る。
【0047】また、本発明で規定した成分の一部が範囲
外である供試材を用いて試験を行った実施例である試験
No.16 〜19、40〜43の結果から明らかなように、JIS で
規格化されているSUS630の範囲内か、あるいはSUS630に
極めて類似する成分を有する鋼であっても、新しい熱処
理による効果が十分に得られず、硬さが十分に低下しな
い場合のあることがわかる。また、SUS630を従来の方法
で熱処理したにすぎない試験No.20,44は、前記した比較
例と比べても著しく熱処理後の硬さが高いものである。
【0048】以上説明した比較例、従来例に対し、本発
明に該当する実施例は、全て硬さが十分低下しており
(HRC28 以下、望ましい条件で行った場合にはHRC27 以
下) 、限界加工率も従来例に比べ優れていることがわか
る。また、析出硬化後の硬さも従来例と同等以上の硬さ
を得られるとともに、耐食性、熱間加工性についても従
来例、比較例に比べ同等以上の性能を有することが確認
できた。なお、本実施例では590 ℃で時効処理した場合
を示しているため、硬さはHRC35 程度となっているが、
より低い温度(例えば480 ℃[H900 相当])で行えば、よ
り高い硬さが得られることは勿論である。また、表2、
3には結果を示していないが、同じ供試材を用い、同様
の熱処理を行った材料をて引張試験した結果、第1、3
発明の熱処理材では伸びが12〜15% 、第2、4発明では
伸びが22〜25% となり、第2、4発明の方が延性の点で
は優れていることが判明した。
【0049】以上説明した実験は、多数の条件を短時間
に試験するために、30kgVIM 溶解炉による溶解材を用い
て実験し、その結果を示したが、実製造設備でも同様に
試作を行い、同様の結果が得られることが確認された。
【0050】なお、前記実施例では、第1段目の加熱条
件を1050℃一定で行った場合のみ示したが、この加熱の
狙いは従来の固溶化熱処理と同じ炭化物の固溶にあり、
本発明の範囲内である 980〜1080℃であれば、1050℃以
外の温度で第1段目の加熱を行っても、炭化物は十分に
固溶するので、前記実施例と全く同じ効果を得ることが
できる。また、第2段目の加熱保持後の冷却条件につい
ては、700 ℃までは徐冷、それ以下は空冷の場合のみ示
したが、別に加熱保持直後から空冷したり水冷した場合
についても同様の実験を行い、同じように優れた硬さ低
減効果を得られることが確認できた。
【0051】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明では、成分範
囲を最適化し、特定の条件で熱処理することによって、
従来冷鍛がかなり難しい鋼種として位置づけられていた
SUS630(またはSUS630に耐食性改善元素(Mo)、熱間加工
性改善元素(B,Ca,Mg,REM) を追加添加した鋼)の硬さを
低く抑えることが可能となる。従って、冷鍛加工のため
に用いる金型、パンチ等への負担が軽くなり、金型やパ
ンチの寿命を大幅に改善して冷鍛による部品加工を可能
とすることができ、締結ボルト等、耐食性と強度が共に
要求され、析出硬化型ステンレス鋼の適用が適した部品
の製造の効率化を可能とすることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比にしてC:0.050%以下、Si:0.60%以
    下、Mn:0.80%以下、S:0.010%以下、Cu:2.5〜4.0%、Ni:
    3.5〜6.0%、Cr:14.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:
    0.030%以下を含有し、かつC+N:0.070%以下及びNb/(C+N)
    ≧5.00を満足し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼
    か、または耐食性改善のためのMo:0.3〜2.0%と、熱間
    加工性改善のためのB:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005
    〜0.0100%、Mg:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.010
    0% のうちの1種または2種以上の、のうちの少な
    くとも1種の元素を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間
    圧延後室温まで冷却した後、 980〜1080℃まで加熱して
    15分〜6時間温度を保持し、その後 500℃/hr 以下の速
    度で800 〜880 ℃まで冷却し、前記温度にて1〜16時間
    温度を保持した後、室温まで冷却することを特徴とする
    冷鍛性に優れた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス
    鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 重量比にしてC:0.05% 以下、Si:0.60%以
    下、Mn:0.80%以下、S:0.010%以下、Cu:2.5〜4.0%、Ni:
    3.5〜6.0%、Cr:14.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:
    0.030%以下を含有し、かつC+N:0.070%以下及びNb/(C+N)
    ≧5.00を満足し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼
    か、または耐食性改善のためのMo:0.3〜2.0%と、熱間
    加工性改善のためのB:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005
    〜0.0100%、Mg:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.010
    0% のうちの1種または2種以上の、のうちの少な
    くとも1種の元素を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間
    圧延後室温まで冷却した後、 980〜1080℃まで加熱して
    15分〜6時間温度を保持した後冷却するという固溶化熱
    処理を施し、次に800 〜880 ℃に再加熱して1〜16時間
    温度を保持した後、Ms点以下の温度まで冷却するという
    中間焼鈍処理を施し、最後に600 〜680 ℃に加熱して1
    〜16時間温度を保持した後、室温まで冷却するという軟
    化焼鈍処理を施すことを特徴とする冷鍛性に優れた析出
    硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量比にしてC:0.050%以下、Si:0.40%以
    下、Mn:0.80%以下、S:0.010%以下、Cu:3.0〜3.6%、Ni:
    4.5〜5.5%、Cr:15.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:
    0.020%以下を含有し、かつC+N:0.060%以下及びNb/(C+N)
    ≧7.00を満足し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼
    か、または耐食性改善のためのMo:0.3〜2.0%と、熱間
    加工性改善のためのB:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005
    〜0.0100%、Mg:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.010
    0% のうちの1種または2種以上の、のうちの少な
    くとも1種の元素を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間
    圧延後室温まで冷却した後、1020〜1060℃まで加熱して
    15分〜6時間温度を保持し、その後 150℃/hr 以下の速
    度で800 〜860 ℃まで冷却し、前記温度にて4〜16時間
    温度を保持した後、室温まで冷却し、熱処理後の硬さを
    HRC 27以下としたことを特徴とする冷鍛性に優れた析出
    硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
  4. 【請求項4】 重量比にしてC:0.05% 以下、Si:0.40%以
    下、Mn:0.80%以下、S:0.010%以下、Cu:3.0〜3.6%、Ni:
    4.5〜5.5%、Cr:15.00〜16.00%、Nb:0.15 〜0.55% 、N:
    0.020%以下を含有し、かつC+N:0.060%以下及びNb/(C+N)
    ≧7.00を満足し、残部がFe及び不純物元素からなる鋼
    か、または耐食性改善のためのMo:0.3〜2.0%と、熱間
    加工性改善のためのB:0.0005〜0.0100% 、Ca:0.0005
    〜0.0100%、Mg:0.0005 〜0.0100% 、REM:0.0005〜0.010
    0% のうちの1種または2種以上の、のうちの少な
    くとも1種の元素を前記鋼にさらに含有させた鋼を熱間
    圧延後室温まで冷却した後、1020〜1060℃まで加熱して
    15分〜6時間温度を保持した後冷却するという固溶化熱
    処理を施し、次に800 〜860 ℃に再加熱して4〜16時間
    温度を保持した後、Ms点以下の温度まで冷却するという
    中間焼鈍処理を施し、最後に610 〜660 ℃に加熱して4
    〜16時間温度を保持した後、室温まで冷却し、熱処理後
    の硬さをHRC 27以下としたことを特徴とする冷鍛性に優
    れた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方
    法。
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