JPH0925591A - 電解用電極の製造方法 - Google Patents

電解用電極の製造方法

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JPH0925591A
JPH0925591A JP7197122A JP19712295A JPH0925591A JP H0925591 A JPH0925591 A JP H0925591A JP 7197122 A JP7197122 A JP 7197122A JP 19712295 A JP19712295 A JP 19712295A JP H0925591 A JPH0925591 A JP H0925591A
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JP
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electrode
layer
alloy
tantalum
titanium
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JP7197122A
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English (en)
Inventor
Masayuki Oguri
雅之 小栗
Koki Sasaki
幸記 佐々木
Yoichi Kamegaya
洋一 亀ケ谷
Shigeki Tsuchiya
茂樹 土屋
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Ishifuku Metal Industry Co Ltd
Original Assignee
Ishifuku Metal Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム及
びタングステンから選ばれる少なくとも1種の金属50
〜96重量%と白金及びパラジウムから選ばれる少なく
とも1種の金属50〜4重量%とからなる合金を電極材
として用いてチタン基体表面を放電走査することによ
り、該チタン基体表面に合金層を形成し、次いで該合金
層上に、イリジウム化合物とタンタル化合物とを含有す
る溶液を塗布した後、酸化性雰囲気中で熱処理すること
により酸化イリジウムと酸化タンタルとからなるコーテ
ィング層を形成することを特徴とする電解用電極の製造
方法。 【効果】 上記方法により製造される電極は、高電流密
度下で長時間使用してもチタン界面の不働態化が起こり
にくく、長寿命であり、高電流密度下で運転される金属
の高速めっきや金属箔製造用陽極として好適に使用する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電解用電極の製造方法に
関し、さらに詳しくは、耐久性に優れた、特に陽極に酸
素発生を伴う金属の表面処理、金属箔製造、回収等の電
解における陽極として有用な電解用電極の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術と課題】従来、チタン又はチタン合金より
なる基体上に、白金族金属又は白金族金属酸化物及びバ
ルブ金属酸化物を被覆した電極が多くの電解工業の分野
において使用されている。しかし、高電流密度下で運転
される金属の高速めっきや金属箔製造の分野では、使用
中に基体表面層に導電性の無い酸化物層が形成され、残
存する電極触媒物質の量が十分であっても電極としての
機能がなくなってしまうという不都合がある。このよう
な導電性の無い酸化物の形成は、触媒層で発生する酸素
や電解液の浸透により基体表面が化学的腐食を起こすた
めであると考えられている。
【0003】この問題点を解決するため、電極基体と触
媒層との間に新たな層(以下、中間層という)を設け、
電極基体を保護する方法が採用されている。この中間層
に対しては、十分な耐食性が有ること;十分な電気
伝導性があること;電極基体との密着結合性が良好で
あること;触媒層との密着結合性が良好であること;
クラックの無い層であること;電気化学的な活性が
少ないこと;製造コストが安いこと等の特性を有して
いることが要求される。このような条件を満たすものと
して、従来、互に原子価の異なる2種以上のバルブ金属
の酸化物からなる中間層を形成する方法;バルブ金属酸
化物と白金族金属又は電気伝導性のある白金族金属酸化
物からなる中間層を形成する方法;バルブ金属又はその
合金を溶射法やイオンプレーテイング等によって形成す
る方法等が提案されている。
【0004】その具体例として、特開昭59−3839
4号公報には、基体上に4価の原子価を有するチタン及
びスズから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物と5
価の原子価を有するタンタル及びニオブから選ばれる少
なくとも1種の金属の酸化物との混合酸化物からなる中
間層を設け、その上に電極活性物質を被覆した電極が提
案されている。しかし、上記中間層は酸素発生活性能は
無いものの電気伝導性が十分ではないという問題があ
る。
【0005】また、特開昭57−192281号公報に
は、チタン又はチタン合金を基材とし、且つ金属酸化物
よりなる電極被覆を有する電極において、その中間層と
してタンタル及びニオブの導電性酸化物層を設けた酸素
発生を伴う電解用の電極が提案されているが、該中間層
は耐食性が良好であるものの電気伝導性が十分ではな
い。
【0006】特開平1−301876号公報には、導電
性基体上に、イリジウム40〜90モル%、白金0.1
〜30モル%及びタンタル50〜10モル%を含有す
る、酸化イリジウム、白金金属及び酸化タンタルからな
る下地層を介して、酸化イリジウム層又は多くとも50
モル%のタンタルを含有する酸化イリジウム−酸化タン
タル層を上地層として設けた酸素発生用電極が提案され
ているが、この電極の下地層は電気伝導性が良好である
ものの、耐食性に劣りまた酸素発生活性能を有するため
に、やがては基体の不働態化が起こるという問題があ
る。
【0007】さらに、特開平5−287572号公報に
は、導電性基体上に、金属換算でイリジウム8.4〜1
4モル%及びタンタル86〜91.6モル%を含有する
酸化イリジウムと酸化タンタルとの下地層を介して、金
属換算でイリジウム80〜99.9モル%及びタンタル
0.1〜20モル%を含有する酸化イリジウムと酸化タ
ンタルとからなる上地層を設けた酸素発生用電極が提案
されている。この電極の下地層は或る程度の耐食性と電
気伝導性を有しているものの、基体への電解液及び触媒
層からの酸素の浸透は避けられず、やがては基体の不働
態化が起こるという問題を有しており、前記の課題の根
本的な解決には至っていない。
【0008】一方、特開平5−171483号公報に
は、チタン又はその合金よりなる導電性基体上に、金属
タンタル及び/又はその合金の粉末を減圧下の非酸化性
雰囲気中でプラズマ溶射することにより、金属タンタル
及び/又はその合金を主成分とする中間層を設け、該中
間層上にタンタル化合物及びイリジウム化合物を含む溶
液を塗布し、酸化性雰囲気中で360〜550℃に加熱
することにより、酸化イリジウムを20重量%以上含み
残部が酸化タンタルよりなる電極活性層を形成すること
からなる酸素発生陽極の製法が開示されている。上記の
中間層は、プラズマ溶射で形成されるため凸凹のある多
孔質層となり電極活性層との密着結合性が優れているも
のの、特公平5−57159号公報に記載されているよ
うに、該多孔質層には通常3〜25%程度の気孔が存在
するため、導電性基体への電解液の浸透を完全に制御す
ることは難しく、またタンタル及びその合金も触媒層で
発生する酸素や電解液との接触により化学的腐食を起こ
し、やがては該中間層も不働態化が起こるという問題が
あり、依然として前記の課題を根本的に解決するには至
っていない。
【0009】さらに、特開平2−282491号公報に
は、バルブ金属又はその合金よりなる導電性金属基体上
に電極活性物質を被覆した電極において、該基体と電極
活性物質層との間に、金属タンタル及びその合金を主成
分とする薄膜中間層を設けた酸素発生陽極が開示されて
いる。この薄膜中間層は、有機タンタル化合物又はタン
タル塩化物を含む溶液を塗布し非酸化性雰囲気中で加熱
することにより形成されるものであるが、この中間被覆
層の場合も導電性基体への電解液の浸透が起こり、導電
性基体の不働態化が起こる。
【0010】また、真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーテイング法、イオン注入法又は気相メッキ法
により中間層を形成する方法も提案されているが、これ
らの方法により形成される薄膜中間層は、導電性基体へ
の電解液の浸透を抑制する効果があるものの、電極活性
物質被覆層との密着性が十分ではなく、しかも設備が大
型化し且つ生産性も悪く工業的利用において難点があ
る。
【0011】本発明の主たる目的は、従来の電解用電極
がもつ上記の如き問題を解決し、高電流密度下で運転さ
れる金属の高速めっきや金属箔製造用の陽極として用い
ても、充分に耐久性のある電解用電極の製造方法を提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐久性の
ある電解用電極、殊に、陽極に酸素発生を伴う電解にお
いて陽極として長期間にわたって使用可能な電極を開発
すべく種々検討を重ねた結果、今回、チタン単体より耐
食性に優れているチタン、タンタル、ニオブ、ジルコニ
ウム及びタングステンから選ばれるバルブ金属と白金及
びパラジウムから選ばれる白金族金属との合金を電極材
として用いてチタン基体上を放電走査することにより、
該チタン基体表面を該合金層を形成し、次いで該合金層
上に酸化イリジウムと酸化タンタルとからなるコーティ
ング層を設けることにより、耐久性に極めて優れた電解
用電極が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0013】かくして本発明は、チタン、タンタル、ニ
オブ、ジルコニウム及びタングステンから選ばれる少な
くとも1種の金属50〜96重量%と白金及びパラジウ
ムから選ばれる少なくとも1種の金属50〜4重量%と
からなる合金を電極材として用いてチタン基体表面を放
電走査することにより、該チタン基体表面に合金層を形
成し、次いで該合金層上に、イリジウム化合物とタンタ
ル化合物とを含有する溶液を塗布した後、酸化性雰囲気
中で熱処理することにより酸化イリジウムと酸化タンタ
ルとからなるコーティング層を形成することを特徴とす
る電解用電極の製造方法を提供するものである。
【0014】以下に、本発明の電極の製造方法について
さらに詳細に説明する。
【0015】本発明においては、電極基体材料としてチ
タンが使用される。使用するチタン基体は、通常行われ
ているように、予め前処理することが望ましい。そのよ
うな前処理の好適具体例としては、例えば以下に述べる
方法が挙げられる:先ず、チタン基体の表面を常法に従
い、例えばアルコール等による洗浄及び/又はアルカリ
溶液中での電解により脱脂した後、フッ化水素濃度が1
〜20重量%のフッ化水素酸又はフッ化水素酸と硝酸、
硫酸等の他の酸との混酸で処理することにより、チタン
基体表面の酸化膜を除去するとともにチタン結晶粒界単
位の粗面化を行う。該酸処理は、チタン基体の表面状態
に応じて常温ないし約40℃の温度において数分間ない
し十数分間行うことができる。このように酸処理された
チタン基体表面を水洗し、乾燥する。
【0016】本発明の1つの特徴は、上記の如くして適
宜前処理されたチタン基体の表面を改質処理することに
より、すなわち、チタン基体表面を、チタン、タンタ
ル、ニオブ、ジルコニウム及びタングステンから選ばれ
る少なくとも1種の金属(以下、バルブ金属と総称す
る)と白金及びパラジウムから選ばれる少なくとも1種
の金属(以下、白金族金属と総称する)とからなる合金
を電極材として用いて放電走査することにより、上記バ
ルブ金属と白金族金属を含んでなる耐食性に優れた合金
層を形成する点にある。
【0017】上記放電走査において電極材として使用さ
ける合金は、バルブ金属50〜96重量%、好ましくは
60〜90重量%及び白金族金属50〜4重量%、好ま
しくは40〜10重量%からなることができる。バルブ
金属の含有量が50重量%より少ないと、それだけ高価
な白金族金属の使用量が増えるが、それに伴うだけの効
果が得られず却って不経済となり、逆に96重量%を超
えると、電極寿命が短かくなる傾向が見られる。
【0018】本発明において使用するバルブ金属と白金
族金属とからなる合金は、それ自体既知の方法、例え
ば、高周波溶解、プラズマアーク溶解、粉末焼結法等に
より製造ことができるが、特に粉末焼結法が好適であ
る。このような方法で製造される合金は、例えば、研
磨、切削加工等により、放電走査に適した形状の電極材
に加工する。
【0019】この合金電極材を用いるチタン基体表面の
放電走査は、例えば、チタン基材を陰極とし、且つ上記
合金を電極棒として、チタン基材表面を放電走査して、
放電加工することにより行なうことができる。
【0020】該放電加工は一般に非酸化性雰囲気、例え
ばアルゴン雰囲気中で実施することが望ましい。
【0021】放電加工に使用する電極棒の直径は通常2
〜12mmの範囲内で選択することができるが、作業効
率等の観点から一般に直径が4〜10mmの範囲内のも
のが好適である。また、放電条件は使用する電極棒の径
及び電極の材質によって異なるが、一般に、電極放電パ
ルスは100〜600Hz、コンデンサー容量は100
〜400μFとすることができる。
【0022】この放電加工により、チタン基体表面に、
該放電用電極合金の融点が電極基体であるチタンの融点
より高い場合には、チタン基体のチタンとバルブ金属と
白金族金属からなる合金層が形成され、また、チタンの
融点より低い場合には、バルブ金属と白金族金属からな
る合金被覆層が形成される傾向が見られる。本明細書で
は、上記合金層及び合金被覆層を含めて合金層という。
【0023】このようにして1dm2あたり5〜30分
間放電加工を行い、チタン基体表面に合金層を形成す
る。
【0024】このようにして形成される合金層表面は一
般に粗面化されており、表面あらさ計[(株)小坂研究所
製 表面粗さ・輪郭形状測定機SEF−30D]で測定
したあらさ値は通常50〜200μm程度である。
【0025】以上の如くして形成される合金層は少なく
ても10μm、好ましくは30μm以上の厚みを有するこ
とができる。該合金層の厚みが10μm未満では一般に
チタン基体に充分な耐食性を付与することができない。
一方、該合金層の厚みの上限には特に制限はないが、必
要以上に厚くしても、それに伴うだけの効果は得られ
ず、却って経済的に不利になるので、通常、150μm
以下、好ましくは100μm以下が適当である。
【0026】本発明の方法に従えば、以上の如くして形
成される合金層とからなる表面上には、次いで、酸化イ
リジウムと酸化タンタルからなるコーテイング層が形成
される。
【0027】酸化イリジウムと酸化タンタルからなるコ
ーテイング層の形成に際しては、必ずしも必要ではない
が、チタン基体表面を改質し形成した合金層の耐食性を
保護するため、通常、酸化イリジウムと酸化タンタルか
らなる中間層を形成した後、さらにその上に、酸化イリ
ジウムと酸化タンタルからなる外層を形成するようにす
ることが好ましい。ここで、酸化イリジウムは実質的に
結晶性を有するIrO2よりなることができ、他方、酸
化タンタルは非結晶性の酸化物 Ta25を主体とする
もので、後述する酸化の条件等に応じてコーティング層
の結合性を強化する役割を果たすものである。
【0028】中間層は5〜30mol%、好ましくは8〜
25mol%の酸化イリジウムと70〜95mol%、好まし
くは75〜92mol%の酸化タンタルからなることがで
き、チタン基体表面に形成された合金層の粗面化された
凸凹部を被覆し、基体の耐食性の向上に寄与する。
【0029】該中間層の被覆量は、一般に0.5〜10.
0g/m2、好ましくは1.0〜5.0g/m2の範囲内と
することができる。
【0030】この中間層は例えば次のようにして形成す
ることができる:チタン基体の表面合金層上に、イリジ
ウム化合物とタンタル化合物を含む溶媒溶液、好ましく
は低級アルコール溶液を塗布した後乾燥することによ
り、イリジウム化合物とタンタル化合物を付着せしめ
る。ここで使用しうるイリジウム化合物及びタンタル化
合物としては、後述する焼成条件下で熱分解してそれぞ
れ酸化イリジウム及び酸化タンタルに転化しうる低級ア
ルコール溶媒に可溶性の化合物が包含される。そのよう
なイリジウム化合物としては塩化イリジウム酸、塩化イ
リジウム、塩化イリジウムカリ等が例示され、また、タ
ンタル化合物としては、例えば、塩化タンタル、タンタ
ルエトキシド等が挙げられる。
【0031】一方、これらのイリジウム化合物及びタン
タル化合物を溶解しうる低級アルコールとしては、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノール又はこれらの混合物が挙げられる。
【0032】上記溶液中におけるイリジウム化合物とタ
ンタル化合物の割合はIr/Taの金属換算モル比で5
/95〜30/70、好ましくは8/92〜25/75
の範囲内とすることができる。
【0033】該溶液のチタン基体の表面合金層上への塗
布は、例えば、吹き付け法、ハケ塗り法、浸漬法等によ
り行うことができ、このようにしてイリジウム化合物及
びタンタル化合物の低級アルコール溶液を適用したチタ
ン基体は、約20〜約150℃の範囲内の比較的低温で
乾燥させた後、酸化性雰囲気中、通常大気中で焼成す
る。
【0034】以上に述べた処理は被覆量が前記の範囲内
に達するまで繰り返して行うことができる。該焼成は例
えば、電気炉、ガス炉、赤外線炉などの適当な加熱炉中
で一般に約400〜約700℃、好ましくは約450〜
約600℃の範囲内の温度に加熱することによって行う
ことができる。その際の加熱時間は焼成すべき基体の大
きさに応じて大体5分〜2時間程度とすることができ
る。この焼成によりイリジウム化合物及びタンタル化合
物はそれぞれ酸化イリジウム及び酸化タンタルに変わ
り、中間層を形成する。
【0035】以上のようにして耐食性と電気伝導性を有
する中間層を形成することができ、これにより、高耐久
性を有する電極を得ることができる。
【0036】以上述べた如くして形成される酸化イリジ
ウム及び酸化タンタルから構成される中間層の上には、
さらに60〜98mol%、好ましくは70〜95mol%の
酸化イリジウムと2〜40mol%、好ましくは5〜30m
ol%の酸化タンタルからなる外層を設けることができ
る。この外層において、酸化イリジウムの含有量が60
mol%未満では、高電流密度で使用した場合、酸素発生
活性能が不足し、電極寿命が短くなる傾向があり、一方
98mol%を越えると、電極触媒(外層)の消耗が増え
る傾向が見られる。
【0037】この外層の形成は、塗布する溶液中のイリ
ジウム化合物とタンタル化合物のIr/Taの金属換算
モル比が60/40 〜 98/2、好ましくは70/3
0〜 95/5の範囲内となるように変更する以外は、
中間層の形成と同様にして行うことができる。
【0038】外層の被覆量は一般に10〜60g/
2、好ましくは30〜50g/m2の範囲内となるよう
にするのが適当である。
【0039】以上述べた如くして製造される本発明の電
極は、高電流密度下で長時間使用してもチタン界面の不
働態化が起こりにくく、長寿命であり、高電流密度下で
運転される金属の高速めっきや金属箔製造用陽極として
好適に使用することができる。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、該実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0041】実施例1〜9 JIS2種相当のチタン板素材を(t3.0×w100×l
100mm)をアルコールで洗浄後、20℃の8重量%
フッ化水素酸水溶液中で2分間処理した後、水洗し乾燥
した。
【0042】次いで市販のチタン粉末とパラジウム粉末
をそれぞれ65:35(重量比)となるように計量した
粉末250gをV型混合機で1時間混合した。直径10
mmの穴が10ケ有するカーボン型ダイスに混合粉末を
24gをおのおのの穴に挿入し、両端をカーボン製パン
チにて固定し、住友石炭鉱業(株)製 放電プラズマ焼
結機(DR.SINTER)内の所定の位置に設置し
た。その後、該焼結機内をアルゴン雰囲気とし、加圧力
約350kgf/cm2、パルス印加電圧4V、パルス
印加電流3500A、焼結温度800℃、焼結時間5分
の条件にて焼結した。その後表面研磨を行い約φ10m
mで長さ50mmの65wt%Ti−Pd放電被覆用電
極を得た。
【0043】次いで酸化被膜を除去したチタン板を陰極
とし、65wt%Ti−Pd電極を使用してアルゴン置
換したグローボックス中で放電被覆加工を10分間行っ
た。その後放電加工を行ったチタン板をファインカッタ
ーにてt3.0×w10×l10mmに切断した。EPMA
(エレクトロンプローブマイクロアナライザー)にて、
放電加工を行ったチタン板の断面の元素分析を行ったと
ころ、チタンとパラジウムの合金層が確認された。ま
た、放電加工表面を蛍光X線分析計を使用し、放電電極
との比較測定による成分分析を行ったところ、放電電極
成分が被覆されていることが確認された。また、この合
金層の厚さは30〜50μmであった。
【0044】塩化イリジウム酸のブタノール溶液と塩化
タンタルのエタノール溶液を混合し、Ir4.6g/l
及びTa50.0g/l(モル配合比:8Ir-92Ta)を含
有する塗布液を調製し、マイクロピペットで1cm2
たり3.0μl秤量し、それを上記のようにして作製し
たチタンとパラジウムの合金層を形成したチタン基体の
合金層上に塗布した後、室温で30分間真空乾燥させ、
更に500℃の大気中で10分間焼成した。この工程を
3回繰返した。
【0045】次に外層を得るため、塩化イリジウム酸の
ブタノール溶液と塩化タンタルのエタノール溶液を混合
し、Ir50.0g/l及びTa20.2g/l(モル配
合比:70Ir-30Ta)を含有する塗布液を調製した後、こ
の塗布液を用いて前記と同様の工程を8回繰返して実施
例電極−1を作製した。
【0046】また、放電電極の成分組成を後記表−1に
示すようにかえて、それぞれ焼結する条件で放電電極を
作製し、上記実施例電極−1と同様の方法で放電被覆を
行い、更にコーテイング層の組成を表−1に示すように
かえた実施例電極−2〜9,比較例電極−1〜3を作製
した。
【0047】実施例電極−2の放電加工を行ったチタン
板の断面の元素分析を実施例電極−1と同じ方法で行っ
たところ、チタンとタンタルと白金の合金層であること
が確認された。
【0048】さらに、比較例電極−4及び5を次のよう
にして作製した: <比較例電極−4>JIS2種相当チタン板素材(t3.
0×w100×l100mm)をメチルアルコールで脱脂
洗浄した後、20℃の8重量%HF水溶液で2分間熱処
理し、次いで120℃の60重量%H2SO4溶液中で3
分間処理した。次いでチタン基体を硫酸溶液から取り出
し、窒素雰囲気中で冷水を噴霧し急冷した。さらに20
℃の0.3重量%HF水溶液中に2分間浸清した後水洗
した。水洗後ジニトロジアミノ白金を硫酸溶液に溶解し
てPt含有量5g/l、pH≒2、50℃に調整した状
態の白金めっき浴中で30mA/cm2で約9分間のメ
ッキを行なってPtを析出させた。この白金めっき層上
に、後記表−2に示す中間層組成と外層組成をもつ層を
実施例電極−1と同様の方法で形成して比較例電極−4
を作製した。
【0049】<比較例電極−5>チタン板をメチルアル
コールで脱脂後、15wt%の熱シュウ酸水溶液でエッ
チング処理を行い、その上に表−2に示す中間層組成と
外層組成をもつ層を実施例電極−1と同様の方法で形成
して比較例電極−5を作製した。
【0050】以上の如くして作製した各電極を、以下の
条件下に電解テストを行なった。その結果も併せて表−
1及び表−2に示す。
【0051】<電解条件> 電解液 :1M H2SO4−1M Na2SO4 電流密度:4A/cm2 対極 :Pt 極間距離:10mm 表−1及び表−2から明らかなように、本発明の電極は
電極寿命が長いことがわかる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、チタン
基体の表面を、チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウ
ム及びタングステンから選ばれる少なくとも1種の金属
50〜96重量%と白金及びパラジウムから選ばれる少
なくとも1種金属とからなる電極棒を使用して放電加工
を行うことにより、耐食性に優れた粗面化された合金層
を形成し、その上に酸化イリジウム及び酸化タンタルか
らなるコーティング層を設けることにより、長時間使用
できる電解用電極を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 茂樹 埼玉県草加市青柳2丁目12番30号 石福金 属興業株式会社草加第一工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウ
    ム及びタングステンから選ばれる少なくとも1種の金属
    50〜96重量%と白金及びパラジウムから選ばれる少
    なくとも1種の金属50〜4重量%とからなる合金を電
    極材として用いてチタン基体表面を放電走査することに
    より、該チタン基体表面に合金層を形成し、次いで該合
    金層上に、イリジウム化合物とタンタル化合物とを含有
    する溶液を塗布した後、酸化性雰囲気中で熱処理するこ
    とにより酸化イリジウムと酸化タンタルとからなるコー
    ティング層を形成することを特徴とする電解用電極の製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100375934B1 (ko) * 2000-06-29 2003-03-10 주식회사 지인테크놀로지 수중 미생물 살균용 전극

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100375934B1 (ko) * 2000-06-29 2003-03-10 주식회사 지인테크놀로지 수중 미생물 살균용 전극

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