JPH09253173A - オゾン水供給システム - Google Patents

オゾン水供給システム

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JPH09253173A
JPH09253173A JP7006796A JP7006796A JPH09253173A JP H09253173 A JPH09253173 A JP H09253173A JP 7006796 A JP7006796 A JP 7006796A JP 7006796 A JP7006796 A JP 7006796A JP H09253173 A JPH09253173 A JP H09253173A
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JP
Japan
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ozone water
ozone
water
container
concentration
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Application number
JP7006796A
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English (en)
Inventor
Jinzo Nagahiro
仁藏 長廣
Masaki Saito
雅紀 斉藤
Yasuhiro Iketani
安広 池谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAKENAKA DENKI KK
Original Assignee
TAKENAKA DENKI KK
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Publication date
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  • Feeding, Discharge, Calcimining, Fusing, And Gas-Generation Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 所定の場所で製造した高濃度・長半減期オゾ
ン水を、軽量小形の断熱保冷容器に入れて使用場所に運
搬し、その使用場所で5時間ないし10時間といった長
時間にわたり有効利用できるオゾン水供給システムを提
供することを目的とする。 【解決手段】 オゾン水取出し蛇口21を底部に備えた
オゾン水貯蔵用密閉容器20と、前記オゾン水貯蔵用密
閉容器20に対して加圧オゾンガスを供給するオゾンガ
ス供給管35、36と、オゾン水貯蔵密閉容器20から
オゾンガスを排出するオゾンガス排出管40と、オゾン
水貯蔵用密閉容器20からのオゾン水をオゾン水取出し
蛇口21へ導くオゾン水導管24に取り付けられ、この
オゾン水導管24を開閉する第1電磁弁23と、前記オ
ゾンガス排出管40に設けられ、第1電磁弁23が開状
態となるとき開状態となる第2電磁弁43と、を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(1)病院・診療
所・歯科医院などにおける手術及び一般的な院内医療業
務に際しての手洗殺菌、(2)医療器具及び義歯などの
洗浄殺菌、あるいは(3)弁当・惣菜工場・レストラン
・厨房・保健所などにおける手洗殺菌及び厨房用品・器
具などの洗浄殺菌など、医療及び環境衛生分野における
手洗殺菌及び洗浄殺菌に使用する高濃度・長半減期オゾ
ン水を供給するオゾン水供給システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オゾン水は、塩素の7〜8倍もの殺菌力
を有し、また、脱臭および脱色性能も具備している。オ
ゾンは、さらにこれらの仕事をした後は酸素ガスとなっ
て空中に放散するので無公害という極めて好都合な性質
を持っている。反面、オゾン水は化学的に不安定で、そ
の濃度が半減するまでの時間即ち半減期間は長くて数十
分、極端な場合には秒単位と非常に短い。そのため、食
品・食肉製造工場内の機械や設備を殺菌しようとする場
合とか、病院内で手術前にオゾン水により手洗殺菌をし
ようとする場合には、大きなオゾン水製造装置を使用現
場に運び、使用現場で生成したオゾン水を時間を置かず
に直ぐ使用しなければならないという欠点を持ってい
る。そのため、このことがオゾン水の有効利用という面
で今日まで大きな阻害要因となっていた。
【0003】このような阻害要因を解決し、オゾン水を
有効利用するためには、オゾン水の化学的な不安定要因
を取り除いたオゾン水の生成技術を開発する必要があ
る。また、所要の滅菌効果・脱臭効果を得るためには、
被殺菌物や被脱臭物にオゾン水を散布し又はこれらをオ
ゾン水中に浸漬するときに、オゾン水濃度が所定の必要
濃度を保持している必要がある。
【0004】これらの問題をより具体的に検討すると以
下の通りである。まず、この検討のために以下の通り用
語を定義する。すなわち、(1)オゾン水の濃度に関し
ては、1〜4ppmまでのオゾン水を低濃度、4〜8p
pmまでを中濃度、8〜20ppmまでを高濃度オゾン
水とし、(2)オゾン水濃度の半減期間に関しては、半
減期間が5時間程度またはそれ以上のオゾン水を長半減
期オゾン水とする。
【0005】病院などにおける手洗殺菌とか医療器具な
どの浸漬洗浄殺菌などに必要な濃度のオゾン水を提供す
るためには、生成オゾン水の半減期間が長くて数10
分、極端な場合には秒単位という従来からのオゾン水生
成技術から脱却して、(1)必要濃度のオゾン水を必要
時間有効利用できる高濃度・長半減期オゾン水の生成技
術と、(2)その生成オゾン水をその製造現場から遠く
離れた使用現場まで運搬し、そこでさらに数時間高濃度
オゾン水を保存できる生成オゾン水の有効利用システム
(すなわち、生成オゾン水の濃度と半減期を保持したま
ま使用現場までオゾン水を運搬する軽量な容器および、
その容器に装着した水栓蛇口とか散布器などから成るシ
ステム)の開発が必要となる。
【0006】高濃度・長半減期オゾン水の生成技術 オゾン水の生成は、水中にオゾンガス気泡を送り込み、
気泡表面と原料用水との接触面で、気泡中のオゾン水と
水との溶解反応を起させて行う。この溶解反応の良否に
影響を及ぼす因子は、原料用水の種類とその清浄度、p
H値、温度、圧力、オゾンガス濃度など多数ある。しか
し、基本的に重要な因子は、オゾンガス気泡中から単位
時間に水中に溶解するオゾン量を表す式、 QZ =KL ・a(K・CG =CL ) …(1) から分かるように、水中に送り込まれるオゾンガス気泡
の単位体積中の気泡数すなわち気泡個数密度とその全表
面積aである。ここに QZ :単位時間中に溶解するオゾン量(g/h) a :水中に有存する全気泡の表面積(m2 ) CG :水中に送り込むオゾンガス濃度(g/m3 ,pp
m) CL :生成中のオゾン水の濃度 (g/m2 ,pp
m) KL :総括物質移動係数 K :オゾンガスの水に対する分配係数 である(なお、一定のオゾン水生成条件においては、そ
の時の総括物質移動係数KL 及びオゾンガスの水に対す
る分配係数Kは変化しない)。すなわち、気泡径が小さ
ければ小さいほど良いということである。
【0007】普通オゾン水を生成する方法としては、オ
ゾン反応水槽の底部に直径30mm、気孔径45〜50
μm程度の球形グラスフィルタか、または筒形の多孔質
セラミック製オゾンガス散気管を設置し、これにオゾン
ガス発生器(オゾナイザ)で生成されたオゾンガスを圧
送してオゾンガス気泡として反応水槽中に送り込む。し
かしこの場合の平均気泡径は約3mmであり、この気泡
は、直径が大きいため水中で垂直上方に早い速度で浮上
し空中に逸散する。したがってこの間の原料用水との接
触時間及び接触長さは短い。
【0008】これに対して、本願出願人は、図8、図9
に示すエゼクタ式ガスノズルを発明した(特公平1−3
3211号および特公平7−47511号)。図8、図
9に於いて、57はノズル本体を、59は噴射用水通路
を、61は液体ノズル部分を、65は液体ノズル細管
を、63は液体ノズル噴孔を、85はガスノズル部材
を、86は吸引オゾンガス室を、87はガス噴孔を、8
9は平行通路部を各々示している。このエゼクタ式ガス
ノズルよれば、原料用水中に連続・安定して大量に送り
込まれるオゾンガス微細気泡の平均直径は80〜150
μmである。いま、この平均気泡径を150μmとすれ
ば、単位体積中に存在するこの気泡の全表面積aは、上
記多孔質セラミック製散気管から放出される気泡の全表
面積に比較して400倍となる。同様に、平均気泡径が
100μmの場合には上記比率は900倍となる。した
がって、式(1)から理解されるように、前記エゼクタ
式ガスノズルによれば、単位時間に原料用水中に溶解す
るオゾン量QZ (g/h)は、旧来の技術によるオゾン
量に対して桁違いに大きくなる。
【0009】また、深さHの水中における気泡の浮上速
度は、気泡径が大きいほど(大きい浮力が働くため)大
きくなり、したがって原料用水との接触時間が短くな
る。すなわち、気泡径が小さいほど浮上速度が遅く原料
用水との接触時間が長くなるので、水中での気液溶解反
応は効率よく行われる。そこで、特公平7−47511
号のように、オゾン反応水槽を円筒形にし、その底部に
向き合って取付られたエゼクタ式ガスノズルから噴出す
る噴流ジェットによって旋回流を発生させるのが好まし
い。この場合には、気泡が垂直浮上する場合に比べて、
水深Hを浮上するまでの間の原料用水との接触距離が飛
躍的に大きくなるので、気液接触溶解反応は一層効率よ
く行われる。
【0010】さらに、式(1)からわかるように、オゾ
ナイザで生成されるオゾンガス濃度CG (ppm)を大
きくすれば、(K・CG −CL )=0の条件から、生成
されるオゾン水の平衡到達(最高)濃度は高くなる。し
たがって、オゾンガス濃度を大きくすることにより、
(平均気泡径が80〜150μmと、散気管の約3mm
に比べて非常に小さく、その全表面積aが、400倍と
か900倍というように比較にならないほど大きいこと
と併せて)原料用水中へのオゾンガスの溶解量は比較に
ならないほど大きくなることが理解できる。このこと
は、同一濃度のオゾン水を生成する場合、エゼクタ式ガ
スノズルを使用した場合の方が、より小容量の安価な小
型オゾン発生器でよいということである。
【0011】本願出願人は、さらに有利な高濃度・長半
減期オゾン水の生成技術を開発した(特開平6−292
822号及び特開平7−194952号)。その技術の
要点は次のとおりである。
【0012】高濃度・長半減期オゾン水の生成に影響を
及ぼす因子は、式(1)に示したとおり、原料用水の種
類とその清浄度、pH値、水温、圧力などの因子である
が、これらの諸因子は相互に結びついて影響を及ぼして
いるので、それぞれの因子が影響を及ぼしている程度
を、オゾン水の生成濃度、あるいは半減期との関係にお
いて特定することは非常に困難である。
【0013】そこで、これらの諸因子のうち、特に大き
な影響を及ぼすと考えられる原料用水の種類、そのpH
値、温度、圧力などの諸因子の一つ一つについて、生成
オゾン水の最高到達平衡濃度、その生成時間及び半減期
間を実験的に求めた。すなわち、最終的にオゾン水濃度
に影響を及ぼす因子、および半減期に影響を及ぼす因子
に分け、これらの因子が前記濃度、半減期に及ぼす影響
の程度を究明した。その結果、(1)任意の高濃度オゾ
ン水を生成するための諸因子の組み合わせ条件、(2)
半減期間が5時間以上となるための諸因子の組み合わせ
条件を明らかにした。(3)さらに半減期間が10時間
以上に再延長する低圧浸透溶解技術も開発した。
【0014】上記の実験のために用いた装置は図10に
示すとおりである。表1は、これらの検討結果を整理し
て高濃度・長半減期オゾン水の生成条件を示したもので
ある。
【0015】
【表1】 表中の「効果」欄で、記号◎は効果が極めて大きいこと
を意味し、記号○は、前記程ではないにしても相当大き
い効果があることを意味する。表1から分かるように、
高濃度オゾン水生成を主目的とした場合には、「最高到
達濃度増大」欄の◎と○に対応する因子の定量的組合わ
せ条件を、(例えば8〜20ppmの間で)濃度の程度
に応じて決定する。また、5時間以上の半減期間のオゾ
ン水生成を主目的とした場合には、「長半減期オゾン水
生成」欄の◎と○に対応する因子の組み合わせ条件を、
オゾン水生成の夏・冬などの外気温、湿度などの条件、
及び5時間以上の中での希望する目標時間を考慮して定
量決定する。さらに、半減期間を10時間以上にしたい
場合には、「長半減期再延長」欄の◎と○の因子の定量
的組み合わせ条件を定量決定するのであるが、この場合
特に重要なのは「オゾンガス分圧」で、オゾンガス圧力
室内の圧力を0.5〜1kgf/cm2 Gの間いずれの
圧力に設定するか、さらに送給するオゾンガスの濃度と
流量(普通1〜2リットル/分の間で設定)を定量決定
するのである。
【0016】なお、表1の「実験条件」欄は、実験の中
で採用した各因子の条件を示し、「推奨生成条件」欄に
は、実験結果の検討の結論として、各因子の最適生成条
件の範囲を示したものである。これらは、「効果」欄の
◎及び○因子の定量値決定の際の参考となる数値と考え
ればよい。
【0017】低圧オゾンガス浸透溶解技術による半減期
間延長技術 最高到達濃度(CLm)に達した生成オゾン水をそのまま
放置すると、そのオゾン水は自己分解を始め、その最高
到達濃度CLmから図11のB曲線に見るごとく、e-kt
の指数関数曲線に沿って減少し、その半減期はth =l
n2/k=0.693kで求められる。しがって、生成
オゾン水の半減期を延長するためにはこの反応速度定数
kの値を小さくする対策を講ずればよい。
【0018】すなわち表1に示した実験結果から、図1
0のオゾン水製造装置の反応水槽100上方のオゾンガ
ス圧力室101内のオゾンガス分圧を上げると溶存オゾ
ン水の濃度を高める効果があることに着目し、生成オゾ
ン水濃度が最高到達濃度CLmに達し、噴射用水圧送ポン
プ120の運転が停止してオゾン水の生成作業をストッ
プした後も、オゾナイザ110の運転はストップするこ
となくオゾンガスの生成を続け、生成した0.5ないし
1.0kgf/cm2 Gの低圧オゾンガスを、反応水槽
100上方のオゾンガス圧力室101に送給して室内の
オゾンガス分圧を維持する。すると、自己分解しなが
ら、e-kt の指数関数的に濃度が漸減していく反応水槽
100内の生成オゾン水中に対して、オゾンガス圧力室
101内のオゾンガスがオゾン水内へ浸透溶解し、前記
自己分解を補償する。かくして、図11のA曲線のよう
に濃度の漸減傾向は減少し、結果として、オゾン水の半
減期間を大幅に延長させることが出来る。
【0019】この半減期延長効果を確認するために、表
2に示されているごとく、原料用水の水温12℃、pH
値が2.8の電解水を用い、オゾン反応槽内の原料用水
の圧力を1.0kgf/cm2 Gとなるように、調圧リ
リーフ弁103の圧力を調整して実験を行った。
【0020】
【表2】 この実験では、図11のA曲線の実験結果が示している
ように、実験を開始してから180分を経過した時点
で、溶存オゾン水の最高平衡濃度は14.0ppmとな
った。この時点で、噴射用水圧送ポンプの運転を停止し
オゾン水の生成作業をストップした後も、オゾナイザの
運転はストップすることなくオゾンガスの生成を続け、
オゾンガス圧力室内の圧力が1kgf/cm2 Gとなる
よう調圧リリーフ弁を調整して生成オゾンガスをオゾン
ガス圧力室に送り込んだ。この実験では、半減期は62
時間という非常に長いものとなった。なお、図11のB
曲線はA曲線と同じ条件でオゾン水を生成し、オゾン反
応槽内へのオゾンガス気泡の噴出供給の停止後、オゾン
ガス圧力室内の圧力を大気圧にした場合の実験結果を示
す。オゾン水の自己分解により、溶存オゾン水濃度は時
間とともに指数関数的に減少していく。上述の実験(す
なわち、14.0ppmの最高平衡濃度に達した後、オ
ゾン水製造装置の運転を停止、すなわち噴射用水圧送ポ
ンプ及びオゾンナイザの両方共運転を停止し、さらに、
オゾンガス圧力室の調圧リリーフ弁を開放して室内の圧
力を大気圧に開放した場合の実験)では、半減期間は7
時間であった。したがって上述のA曲線の62時間とい
う半減期は、B曲線の半減期に比較して約8.8倍に伸
長されたことになる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のオゾ
ン水利用に際しての上述の如き問題点に着目してなされ
たものであり、前述した、液体中への微細気泡の連続
発生技術、高濃度・長半減期オゾン水の生成保存技
術、及び低圧オゾンガス浸透溶解による半減期間延長
技術を利用して、適当な場所で製造した高濃度・長半減
期オゾン水を、軽量小型の断熱保冷容器に入れて必要な
場所に運搬し、その場所で5時間ないし10時間といっ
た長時間にわたり(手洗殺菌、医療機具・義歯の洗浄殺
菌などに)有効利用できるオゾン水供給システムを提供
することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、オゾン水取出し蛇口(21)を底部に備え
たオゾン水貯蔵用密閉容器(20)と、前記オゾン水貯
蔵用密閉容器(20)に対して加圧オゾンガスを供給す
るオゾンガス供給管(35、36)と、前記オゾン水貯
蔵密閉容器(20)からオゾンガスを排出するオゾンガ
ス排出管(40)と、前記オゾン水貯蔵用密閉容器(2
0)と前記オゾン水取出し蛇口(21)との間のオゾン
水導管(24)に取り付けられ、このオゾン水導管(2
4)を開閉する第1開閉弁としての第1電磁弁(23)
と、前記オゾンガス排出管(40)に設けられ、前記第
1電磁弁(23)が開状態となるとき開状態となる第2
開閉弁としての第2電磁弁(43)と、を備えたオゾン
水供給システムによって達成される。
【0023】このオゾン水供給システムによれば、オゾ
ン水貯蔵用密閉容器内部は通常、大気圧より高い圧力に
維持されているが、蛇口からオゾン水を取出すために第
1電磁弁が開状態になるときには第2電磁弁も開状態と
なり、これにより密閉容器の内部は大気圧に下がる。従
って、使用に際してオゾン水が蛇口から飛び出す恐れが
ない。
【0024】前記オゾン水貯蔵用密閉容器(20)は、
前記オゾンガス供給管(35、36)およびオゾンガス
排出管(40)に対して着脱自在に接続されているのが
好ましい。この様にすることにより、例えば、密閉容器
(20)のオゾン水が無くなった場合には、オゾン水供
給管およびオゾン水排出管を取り外した後、当該密閉容
器をオゾン水製造装置の側に移動し、その位置で、オゾ
ン水製造装置により製造されたオゾン水を充填する。充
填された密閉容器(20)は、使用に供される位置へ戻
され前記オゾンガス供給管およびオゾンガスは排出管と
再度接続される。したがって、オゾン水製造装置で製造
したオゾン水を容易かつ安価に使用場所に移動でき、か
つその使用場所で高いオゾン濃度を維持したまま保存す
ることができる。
【0025】また、前記オゾンガス供給管およびオゾン
ガス排出管には、複数のオゾン水貯蔵用密閉容器(2
0)が並列に接続されているのが好ましい。この構成に
より複数の使用位置に配置されたオゾン水貯蔵用密閉容
器にたいして、一つのオゾナイザからのオゾンを均等に
供給することができる。
【0026】本願発明の他のシステムは、オゾン水を貯
蔵するオゾン水貯蔵用密閉容器(20)と、前記オゾン
水貯蔵用密閉容器(20)に対して加圧オゾンガスを供
給するオゾンガス供給管(35、36)と、前記オゾン
水貯蔵密閉容器(20)からオゾンガスを排出するオゾ
ンガス排出管(40)と、前記オゾン水貯蔵用密閉容器
(20)および希釈水貯蔵用密閉容器(161)と接続
され、底部にオゾン水取出し蛇口(21)を備えた手洗
用オゾン水保冷容器(151)と、を備えてなる。この
システムによれば、オゾン水密閉容器20中のオゾン水
を、使用に適した濃度に容易に希釈することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面を
用いて詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明のオゾン水供給システムの
一実施形態を示す。このシステムでは、N個の断熱保冷
容器(オゾン水手洗装置)20がピッチPcmの間隔で
設置されている。
【0029】図2(a)(b)は、前記断熱保冷容器
(オゾン水手洗装置)20の一実施形態を示している。
断熱オゾン水保冷容器20は、魔法瓶と同一原理のステ
ンレス製の断熱密閉容器、または図示されているような
中瓶1と外瓶2との内外壁間に高密度発泡ウレタン3の
断熱材を発泡充填した二重瓶からなる断熱密閉保冷容器
から構成されている。この中瓶1の内側はテフロンコー
ティングする場合もある。断熱保冷容器20の上方に
は、Oリング4を介してステンレス製保冷容器カバー1
7が、容器内部を気密を保つように複数個のパンチ錠6
によって圧着されている。この保冷容器カバー17には
オゾン水注入口13が形成されており、この注入口13
に、オゾン水注入キャップ7が、ゴムパッキング8を介
してネジ締めされている。また、この保冷容器カバー1
7には、残量オゾン水計測用超音波センサ9が装着され
ており、このセンサ−9は残量オゾン水量指示計10に
接続されている。この断熱密閉保冷容器20には、さら
に残量オゾン水量指示計10と隣接して半減期警報ブザ
ー11が装着されている。この半減期警報ブザ−11
は、容器20中のオゾン水の半減期が経過するとその旨
をブザ−音で報知する。
【0030】高濃度・長半減期オゾン水製造装置(図示
せず)によって生成されたオゾン水12は、オゾン水注
入口13から、オゾン水導入管14を通して保冷容器2
0内に注入され、貯蔵される。このオゾン水導入管14
は、図示のとおり、オゾンガス注入口13から容器20
の底部近傍まで延伸されており、注入オゾン水の濃度低
下防止に有用である。この断熱保冷容器20のオゾン水
貯蔵容量は、普通10〜20リットル程度であり、保冷
容器スタンド18を介して手洗流し台19上に設置され
ている。
【0031】図2(b)を参照するに、断熱保冷容器2
0の底部には、自動水栓センサ22とこれと連動して開
閉する電磁弁23を装着した自動水栓蛇口21が取付け
られている。
【0032】従って、自動水栓蛇口21から断熱保冷容
器20内のオゾン水12を取出して手洗殺菌するとき
は、水栓蛇口21の下に手を差し出すと、自動水栓セン
サ22がその情報を検知し、電磁弁23を「開」にして
断熱保冷容器20内のオゾン水12を蛇口21へ流出せ
しめる。
【0033】なお、断熱保冷容器20には、容器の持運
びに便利なように吊り下げハンドル217が取付けられ
ている。
【0034】この自動水栓蛇口21を装着した断熱保冷
容器20は、必要に応じて単独で、また複数個を手洗流
し台上に適当な間隔を置いて設置され、手洗い殺菌とか
義歯などの洗浄殺菌に使用される。
【0035】再び図1を参照するに、図1の断熱保冷容
器カバー17は、前記図2の保冷容器カバー17におい
て、(オゾン水注入口13及び残量オゾン水計測用超音
波センサ9以外に)さらにオゾンガス注入口17aとオ
ゾンガス排出口17bとを備えている。
【0036】前記オゾンガス注入口17aには、圧力計
31、流量計33を介してオゾナイザ33で生成された
圧力0.5〜1kgf/cm2 G、流量1〜2リットル
/min程度の低圧・低流量のオゾンガスが供給され
る。より詳細には、オゾンガスは、電磁弁34を通り、
生成オゾンガス送給主管35から分流してオゾンガス送
給支管36に流れ、オゾンガス注入口17aに着脱自在
に装着されたワンタッチカプラ37を通って断熱保冷容
器20内の上方のオゾンガス圧力室38内に圧送給され
る。
【0037】このオゾンガス圧力室38内のオゾンガス
は、N個の断熱保冷容器20に共通して、オゾンガス排
出口17bに着脱自在に装着されたワンタッチカプラ3
9を経てオゾンガス排出主管40に流れ、オゾンキラ−
(活性炭など)41を通って外部に排出される。オゾン
キラー41の前には圧力調整逃し弁(リリーフ弁)42
が設けられており、ここで0.5kgf/cm2 G前後
から1kgf/cm2G程度の範囲内で排出オゾンガス
の圧力調整がなされる。したがって、オゾンガス圧力室
38内のオゾンガス圧は、この圧力調整リリーフ弁42
の調整圧力に従って自動調圧設定される。
【0038】自動水栓蛇口21から断熱保冷容器20内
のオゾン水12を取出して手洗い殺菌などの作業をする
ときは、水栓蛇口21の下に手を差し出すと、自動水栓
センサ22がその情報をキャッチして電磁弁23を
「開」にして断熱保冷容器20内のオゾン水12を取り
出す。この時、断熱保冷容器20内上方のオゾンガス圧
力室38内の圧力は0.5〜1.0kgf/cm2 Gの
範囲内で自動調圧保持されているので、この圧力の作用
で自動水栓蛇口21から断熱保冷容器20内のオゾン水
12が飛び出してくる恐れがある。従って、自動水栓セ
ンサ22の信号に連動して動作する電磁弁43が、圧力
調整リリ−フ弁42と並列に設けてある(すなわち、圧
力リリ−フ弁42のバイパス回路に電磁弁43が設けて
ある。)。この電磁弁43は、センサ−22(図2
(b))からの信号で、導管24に取り付けた電磁弁2
3が「開」状態になると同時に「開」状態になる。した
がって、オゾンガス圧力室38内の圧力オゾンガスはこ
の電磁弁43を通ってオゾンキラー41に排出され、圧
力室38内は大気圧状態になる。従って、断熱保冷容器
20内のオゾン水12は給水の際に飛び出すことがな
く、重力による自然排出状態で静かに流出する。
【0039】前記システムによれば、オゾンガスは、生
成オゾンガス主管35から分流してオゾンガス送給支管
36に流れ、断熱保冷容器カバー17のオゾンガス注入
口17aに装着されたワンタッチカプラ37を通ってオ
ゾンガス圧力室38内に圧送給され、当該オゾンガス圧
力室38からオゾンガス排出主管40を介してオゾンキ
ラー41に至る途中に設けられた圧力調整逃し弁(リリ
ーフ弁)42の圧力調整によって0.5〜1kgf/c
2 Gの範囲内の一定圧に保持される。したがって、図
10の低圧オゾンガス浸透溶解装置とともに説明したよ
うに、オゾンガス圧力室38内の低圧オゾンガスは、断
熱保冷容器20内のオゾン水12内にその表面から少し
つづ浸透溶解し、時間とともに逐次自己分解して行く水
中オゾンのオゾン濃度の低下を補償する。従って、オゾ
ン濃度の半減期は、図11のB曲線からA曲線のように
改善延長される。
【0040】前記断熱保冷容器20内部のオゾン水の残
量が少なくなった場合、或いはオゾン水が無くなった場
合は、前記保冷容器20をワンタッチカプラ37、39
から取り外し、図示しないオゾン水製造装置の側へ運搬
し、オゾン水を充填する。オゾン水が充填された保冷容
器20は再び元の位置へ運搬され、前記保冷容器スタン
ド18へ搭載され、前記ワンタッチカプラ37、39に
接続される。従って前記保冷容器20は、オゾン水の補
充を容易に行うことができる。
【0041】図2に示した断熱保冷容器20あるいはオ
ゾン水手洗い装置20は、図1に示したオゾンガス供給
管35、36およびオゾンガス排出管40と別個独立に
使用することもできる。すなわち、所定の場所でオゾン
水製造装置により製造されたオゾン水を充填されたオゾ
ン水手洗い装置20は、適宜の使用場所に運搬され、前
記オゾンガス供給管35、36およびオゾンガス排出管
40と切り離された状態で使用に供される。この場合に
おいても、水中オゾンの半減期は5時間ないし10時間
程度に維持できる。なおこの場合、前記断熱保冷容器カ
バ−17には、オゾンガス注入口17a、オゾンガス排
出口17bは形成されていないことは勿論である。そし
て、前記オゾン水注入キャップ7およびゴムパッキング
8にそれぞれ空気孔が設けてある。この空気孔により、
断熱保冷容器20内のオゾン水12の上方の空間室内は
常に大気圧状態に保たれる。したがって自動水栓蛇口2
1からの給水の際、水栓蛇口21からオゾン水12が静
かに重力落下するので手洗水洗を極めて自然に行うこと
ができる。
【0042】断熱保冷容器20内に貯蔵されたオゾン水
の濃度が、手洗い殺菌に適したオゾン水濃度(2〜8p
pm程度)より高いときは、オゾン水を希釈して使用す
るのがより実用的である。図3は、この希釈のためのオ
ゾン水希釈装置を備えたオゾン水手洗装置の一実施形態
を示す底面図である。
【0043】オゾン水12を貯蔵した断熱保冷容器20
と独立に、その側に、断熱保冷容器20と同一構造の希
釈水断熱保冷容器71が設けてある。この保冷容器71
には、オゾン水生成用原料用水と水温及びpH値がほぼ
同一の希釈水76が貯蔵されている。この容器71の底
部に希釈水導管73を取り付け、この導管73の一端
を、断熱保冷容器20の底部のオゾン水導管24上に取
付けた希釈水混合器74に連結する。従って、オゾン水
用保冷容器20からのオゾン水は、この混合機74内で
希釈水用保冷容器71からの希釈水により希釈される。
また、希釈水導管73に、オゾン水導管24上に設けた
電磁弁23と連動して開閉作動する電磁弁72を取付け
る。これにより、前記蛇口21へ手をさしだすと、電磁
弁23が開状態となると同時に電磁弁72が開状態とな
り、希釈されたオゾン水が蛇口21へ供給される。さら
に、当該希釈水導管73上に希釈水流量調整弁75を取
付ける。この調整弁75によって希釈水混合器74内で
希釈されるオゾン水の濃度が所要の濃度に調整される。
【0044】このようにすることによって、手洗殺菌用
オゾン水の濃度は最適制御されるとともに、オゾン水を
経済的に使用することができる。また、断熱保冷容器2
0内に貯蔵されているオゾン水は、外部の温度条件の影
響を受けて時間の経過とともに自己分解して濃度が低下
していくため、その濃度低下に応じて希釈度を変更して
所要の最適濃度のオゾン水を取り出すことができる。
【0045】図4は、図2の流し台上にある構成部品を
全て手洗い流し台16下のキャビネット内に収容し、手
洗い流し台上16には、自動水栓蛇口21を装着した手
洗い用オゾン水断熱保冷容器151を置いた実施形態を
示す。流し台16の下部にはオゾン水断熱保冷容器20
の側に、高濃度オゾン水12を希釈するための希釈水1
60を貯蔵した希釈水断熱保冷容器161が併置されて
いる。オゾン水断熱保冷容器20内のオゾン水12及び
希釈水断熱保冷容器161内の希釈水160は、それぞ
れオゾン水吸上げポンプ163及び希釈水汲上げポンプ
164によって汲み上げられ、オゾン水汲上げ管165
及び希釈水汲み上げ管166を経てオゾン水注入口15
2及び希釈水注入口153から手洗用オゾン水保冷容器
151内に注入される。これによりオゾン水12は、手
洗用保冷容器151内で所定の濃度へ希釈され、手洗用
オゾン水150が生成される。なお、希釈する必要のな
いときはオゾン水断熱保冷容器20内のオゾン水のみが
手洗いオゾン水保冷容器内に汲上げ注入される。手洗い
するときは、手を自動水栓蛇口21の下に差し出すと、
その情報を自動水栓センサ22が検知し、電磁弁23を
「開」状態にする。これにより、手洗用オゾン水保冷容
器151内のオゾン水150は自動水栓蛇口21から重
力落下し、手洗い殺菌に供される。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したオゾン水供給システムの
作用効果を列挙すると下記のとおりである。
【0047】1.保冷容器内のオゾン水の半減期間 オゾン水殺菌手洗装置の半減期性能を調べるべく、この
断熱保冷容器内に初期濃度、原料用水、pH値が異なっ
た生成オゾン水を注入し、オゾン水の半減期性能維持に
最も条件の悪い室温が25〜27℃の真夏を選び半減期
間の時系列的変化の測定実験を行った。図5はその実験
結果を示したものである。原料用水としてはpH値が3
及び4の電解酸性水と、pH値が3、4及び5の酢酸希
釈酸性水を選んだ。そして、大気圧下における初期濃度
が11.7〜18ppmの間の生成オゾン水を断熱保冷
容器20に貯蔵してその半減期の時系列的変化を調べ
た。この結果、図5に示すように、断熱保冷容器内のオ
ゾン水温度の上昇は非常に満足できるものであり、また
オゾン水の自己分解による濃度の時系列的変化も大変少
なく、実験は最長4時間までしか行わなかったが真夏の
最悪条件下にもかかわらず、いずれの場合も5時間以上
の半減期間を保証できることが判明した。
【0048】図6は、気温13℃、生成オゾン水の水温
9.3℃と大変好条件の冬期実験結果を示したものであ
る。オゾン水の生成ついては、最高の平衡到達濃度を2
0ppm以下に抑えるためにオゾン水発生容量の小さい
オゾナイザを使用した。120分経過した時点で平衡到
達濃度がCLm=18.3ppmになったので、この時点
を少し経過した時点で、オゾン水生成実験を停止し、生
成オゾン水を大気圧下で断熱保冷容器(容量は10リッ
トル)に注入した。この注入作業中、オゾン水濃度はA
点の18.3ppmからB点の16.6ppmに低下し
た。これは、オゾン水生成中のオゾンガス圧力室の圧力
は0.5kgf/cm2 Gに保持されていたが、断熱保
冷容器に注入中に当該圧力室内部が大気圧状態に開放さ
れたためである。なお、この生成オゾン水の保冷容器内
への注入時における8〜10%程度の濃度低下の傾向
は、図5の実験の場合も同様であった。図6のB点で断
熱保冷容器のオゾン水注入キャップを閉じてから、オゾ
ン水濃度の時系列的変化を測定した。実験結果は、実験
開始のB点での濃度16.6ppmから、5時間後のC
点に至っても15.6ppmまでの減少に止まった。す
なわち、5時間経過した後でも僅か6%しか濃度は低下
しなかった。この低下傾向を外挿することにより半減期
間は数10時間と計算される。
【0049】2.希釈オゾン水の半減期間 本願発明で使用する高濃度・長半減オゾン水製造装置で
生成されるオゾン水濃度は、普通12〜20ppmと高
濃度である。この高濃度オゾン水を、製造装置のオゾン
反応水槽から断熱保冷容器内へ大気圧条件下で注入する
際の濃度低下は上述したように約10%程度であるか
ら、断熱保冷容器内へ注入されたオゾン水の初期濃度は
おおよそ11〜18ppm程度である。従って、濃度が
半減した場合でも5.5〜9ppmとかなり高い濃度で
ある。図5の条件の悪い真夏の実験においても、5時間
経過後のオゾン水濃度は、低下しても初期濃度60〜7
0%程度であるからその時(5時間後)の濃度は7〜1
2ppm程度と相当高い。さらに、図6の真冬の好条件
下における実験では、5時間経過後の濃度低下は6%程
度と非常に少なく、5時間経過後のオゾン水濃度は10
〜17ppm程度と大変高い。したがって、とくに冬期
などの温度が低い好条件下では、オゾン水を、同一温度
及びpH度の原料浄水で適当な濃度に希釈使用した方が
経済的である。そこで、高濃度オゾン水を希釈した場合
の濃度低下の時系列的変化を調べてみた。
【0050】図6のD−E曲線が、その実験結果を示し
たものである。実験は、先ず濃度がB点に示す16.6
ppmであるオゾン水を、このオゾン水を生成したとき
と同一水温9.3℃、pH値3.8の酢酸希釈酸性水で
10.1ppmまで希釈し、その半減期の時系列的変化
(時間変化)を測定した。D−E曲線から分かるよう
に、5時間経過後のオゾン水濃度は9.2ppmで、濃
度の低下率は9%(0.9ppm)と非常に少ない。こ
の半減期は外挿法によりやはり数10時間になると推定
される。この実験結果から、高濃度オゾン水は、同一温
度、pH値の原料浄水で適当の濃度に希釈しても、十分
実用に供することが分る。とくに、図6の実験結果が示
しているように外気温の低い冬期にあっては、原料用水
の温度が低い上、夏期のように水温上昇の心配もないの
で、断熱保冷容器20内の貯蔵オゾン水の自己分解によ
る濃度低下も小さい。従って、このような場合には、断
熱保冷容器20内に生成オゾン水を貯蔵する際に、オゾ
ン水をある程度希釈しても実用上差支えない。
【0051】3.手洗い直前のオゾン水の希釈利用 図3とともに説明したように、断熱保冷容器20内に貯
蔵されている10〜20ppmの高濃度オゾン水を、自
動水洗蛇口21から取り出して殺菌手洗いする直前に、
手洗殺菌の目的に応じて必要な2〜8ppm程度の間の
任意の最適目標濃度に希釈して殺菌手洗いする方法が好
ましい。この場合、断熱保冷容器20内に貯蔵されてい
るオゾン水の濃度に対応して希釈度を調整できるので、
夏冬の区別なく、常に最適の殺菌手洗いができる。
【0052】4.自動水栓蛇口付断熱保冷容器の保冷性
能 本願発明で使用している生成オゾン水貯蔵用断熱保冷容
器は、中・外瓶共0.9mmのステンレス鋼板で、内・
外瓶の間隔は15mmである。その間に断熱性能の非常
によい保温用ウレタンを注入発泡させたもので、さらに
中瓶の内側はテフロン・コーティングしている。図7
は、前記断熱保冷容器の性能の実験結果を示したもので
ある。図7(a)は、砕いた1kgの氷を容器内に入
れ、外気温度25℃のところで放置した環境で温度上昇
の変化を調べたものである。10時間経過後も氷が残っ
ており、保冷性能は非常によいことが分かる。図7
(b)は、95℃の熱水を、同じく室温25℃の環境下
におき、温度降下の状況を時系列的に調べたもので、3
時間後でも80℃と大変よい温度性能を持っている。以
上の実験結果が証明しているように、本願発明に使用し
ている断熱保冷容器の保冷及び保温性能は非常に優れた
ものであり、生成オゾン水の保冷貯蔵に最適であること
がわかる。
【0053】5.手洗殺菌に必要なオゾン水濃度につい
て 種々の公知文献から知られているように、大腸菌・ブド
ウ球菌・緑膿菌・クロストリジウム・インフルエンザウ
イルス等の殆どの病原菌は、濃度1ppm前後のオゾン
水との5秒間程度の接触、強い微生物でも20〜90秒
程度の接触で死滅してしまう。
【0054】また、最近の医学分野における研究では、
今日病院などで大問題になっているエイズ菌やMRSA
菌(黄色葡萄状球菌)も、4ppmのオゾン水手洗いで
滅菌できることが学会で発表されている。
【0055】しかし、短時間でオゾン水濃度が自己分解
作用で急速に低下するということと、手洗水洗環境条件
などを考えると、殺菌についての安全を前提として考え
た場合、手洗い殺菌に使用するオゾン水濃度は、実用上
2〜8ppm程度とするのが適当である。このことから
考えて、初期濃度が10〜20ppm程度の場合、上記
3.の「手洗直前のオゾン水の希釈利用」のところで説
明したように、当該オゾン水を、手洗殺菌の目的に応じ
て2〜8ppmの間の任意の最適濃度に希釈するのが好
ましい。また希釈のためには、オゾン水生成用原材料浄
水とほぼ同一温度及びpH値の希釈水を使用するのが好
ましい。この方法によれば、夏冬の区別なく、目標濃度
に調整したオゾン水で効果的な手洗い殺菌をすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明のオゾン水供給システムの一
実施形態の説明図である。
【図2】図2(a)は、図1のシステムに使用されるオ
ゾン水手洗装置の正面断面図であり、図2(b)は前記
手洗装置の一部破断側面図である。
【図3】図3は希釈装置を備えたオゾン水手洗装置の底
面図である。
【図4】図4は、図1のシステムに使用される他の形態
の希釈装置付きオゾン水手洗装置の断面図である。
【図5】図5は、比較的高い室温下において、本願発明
のシステムでオゾンを保存した場合のオゾン水の半減期
間を示す図である。
【図6】図6は、比較的低い室温下において、本願発明
のシステムでオゾンを保存した場合のオゾン水の半減期
を示す図である。
【図7】図7は、図2または図3または図4の手洗装置
に使用される保冷容器の保冷・保温性能を示す図であ
る。
【図8】図8は、オゾン水を生成するために使用される
エゼクタ式ガスノズルの説明図である。
【図9】図9は、図8のエゼクタ式ガスノズルの先端部
の詳細説明図である。
【図10】図10は、オゾン水を製造するとともに製造
されたオゾン水を保存する装置の概略説明図である。
【図11】図11は、図10の装置で保存されたオゾン
水に溶存する溶存オゾン濃度の時間変化を示す図であ
る。
【符号の説明】
14 オゾン水導入管 20 オゾン水貯蔵用密閉容器 21 オゾン水取出し蛇口 35 オゾンガス供給主管 36 オゾンガス供給枝管 40 オゾンガス排出管 23、43 電磁弁 37、39 ワンタッチカプラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 4/00 103 B01J 4/00 103 C01B 13/10 C01B 13/10 Z C02F 1/78 C02F 1/78 (72)発明者 池谷 安広 愛知県碧南市宮後町3−58 株式会社竹中 電機内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾン水製造装置から離間した位置で高
    濃度オゾン水を長時間使用することを可能とするオゾン
    水供給システムにして、 オゾン水取出し蛇口(21)を底部に備えたオゾン水貯
    蔵用密閉容器(20)と、 前記オゾン水貯蔵用密閉容器(20)に対して加圧オゾ
    ンガスを供給するオゾンガス供給管(35、36)と、 前記オゾン水貯蔵密閉容器(20)からオゾンガスを排
    出するオゾンガス排出管(40)と、 前記オゾン水貯蔵用密閉容器(20)からのオゾン水を
    前記オゾン水取出し蛇口(21)へ導くオゾン水導管
    (24)に取り付けられ、このオゾン水導管(24)を
    開閉する第1電磁弁(23)と、 前記オゾンガス排出管(40)に設けられ、前記第1電
    磁弁(23)が開状態となるとき開状態となる第2電磁
    弁(43)と、を備えたオゾン水供給システム。
  2. 【請求項2】 請求項1のシステムにして、前記オゾン
    水取出し蛇口(21)と前記第1電磁弁(23)との間
    の前記オゾン水導管(24)上に、希釈水貯蔵用密閉容
    器(71)と接続された希釈水混合器(74)が設けら
    れていることを特徴とするシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1のシステムにして、前記オゾン
    水貯蔵用密閉容器(20)は、前記オゾンガス供給管
    (35、36)およびオゾンガス排出管(40)に対し
    て着脱自在に接続されていることを特徴とするシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項1のシステムにして、前記オゾン
    ガス供給管(35)およびオゾンガス排出管(40)に
    対して、複数のオゾン水貯蔵用密閉容器(20)が並列
    に接続されていることを特徴とするシステム。
  5. 【請求項5】 オゾン水製造装置から離間した位置で高
    濃度オゾン水を長時間使用することを可能とするオゾン
    水供給システムにして、 オゾン水を貯蔵するオゾン水貯蔵用密閉容器(20)
    と、 前記オゾン水貯蔵用密閉容器(20)に対して加圧オゾ
    ンガスを供給するオゾンガス供給管(35、36)と、 前記オゾン水貯蔵密閉容器(20)からオゾンガスを排
    出するオゾンガス排出管(40)と、 前記オゾン水貯蔵用密閉容器(20)および希釈水貯蔵
    用密閉容器(161)と接続され、底部にオゾン水取出
    し蛇口(21)を備えた手洗用オゾン水保冷容器(15
    1)とを備えてなるオゾン水供給システム。
  6. 【請求項6】 頂部にオゾン水注入口(13)を形成し
    たオゾン水貯蔵用密閉容器(20)と、 前記オゾン水貯蔵用密閉容器(20)の底部に取付けた
    オゾン水取出し蛇口(21)と、 前記オゾン水貯蔵用密閉容器(20)の内部に、前記オ
    ゾン水注入口(13)から前記密閉容器(20)の底部
    近傍まで延伸して設けたオゾン水導入管(14)と、 空気穴が形成され前記オゾン水注入口(13)に着脱自
    在に取り付けられたオゾン水注入キャップ(7)と、を
    備えてなるオゾン水供給装置。
JP7006796A 1996-03-26 1996-03-26 オゾン水供給システム Pending JPH09253173A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100451440C (zh) * 2005-03-18 2009-01-14 细美事有限公司 用于供应功能水的系统和方法
JP2015042397A (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 株式会社デザイアン オゾン水生成装置
WO2018219573A1 (de) * 2017-06-03 2018-12-06 Olympus Winter & Ibe Gmbh Verfahren und maschine zum aufbereiten eines medizinischen instruments

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