JPH09252855A - 厨房家具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 健常者と車椅子に乗った人を含む身体の不自
由な人の双方が、一つの厨房家具を各人が別途または同
時に快適に使えるような厨房家具を提供する。 【構成】 床面からの高さを通常のものと低いものの複
数のシンク１２、２１を並列させた厨房家具Ｋであっ
て、低いシンク２１には施蓋したときに通常の高さのシ
ンク１２の天板１１と繋がりほぼ面一になる蓋板４を設
け、低いシンク２１の下部をオープンスペースＳとした
もの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、健常者、高齢
者、車椅子使用者が、同じキッチンを使って作業するこ
とができるようにした厨房家具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】厨房家具を前にして健常者は立った姿勢
の方が効率良く作業を進めることができるが、脚の弱っ
た人や車椅子使用者は立っての作業は無理であるので、
座ったまま台所作業ができるように厨房家具の床面から
天板までの高さを低く（700mm〜750mm ）構成し、か
つ、天板の下部に椅子や車椅子に座ったまま脚先が入り
込むことのできるオープンスペースとしたものが提供さ
れている。また、台所作業をする人の身長による差や使
い勝手を考慮して、厨房家具全体としての床面からの高
さを、油圧ジャッキなどで昇降可能とし、使う人の好適
な高さに合致するようにしたものも提案されており、こ
の中で蹴込の深いものは車椅子使用者も使うことが可能
となっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の厨房家具は、一
般的には健常者用と特殊仕様の例えば車椅子使用者用が
別々に製作され提供されていた。そこで、車椅子使用者
用の天板の低い厨房家具は需要が少なく量産効果が得ら
れないことから高価とならざるを得なかった。昇降機構
を備えた厨房家具は、昇降機構を内蔵するため全体とし
て構造が複雑となり廉価に提供することはおぼつかなか
った。実際の高齢者や車椅子使用者を見ると、単身で暮
らしている人もいるが、配偶者を含む家族がいたり、介
護人が頻繁に訪れ世話をやくので、専用の低い厨房家具
ではかえって健常者の使い勝手が悪くなっていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述のところからこの発
明では、健常者と車椅子に乗った人を含む身体の不自由
な人の双方が、一つの厨房家具を別途または同時に快適
に使えるようにするため、各人の使い勝手に合わせた高
さのシンクを備えた厨房家具を提供するものである。

【０００５】そして、この発明の要旨とするのは、床面
からの高さを通常のものと低いものの複数のシンクを並
列させた厨房家具であって、低いシンクには施蓋したと
きに通常の高さのシンクの天板と繋がりほぼ面一になる
蓋板を設け、低いシンクの下部をオープンスペースとし
椅子となるワゴンや車椅子が入り込めるように構成した
ことを特徴とするものである。

【０００６】また、この発明は上述の構成において、蓋
板を背面側に起こすように取り付けると共に、基部に窓
穴を設けて施蓋したときにカランの逃げとなるようにし
たことを特徴とするものである。さらに、この発明は、
前述の構成に、低いシンクの下部のオープンスペース
に、上部を椅子とし、内部を収納スペースとしたワゴン
を出し入れ自在に設けたことを特徴とするものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下図面に示す実施の形態に即し
この発明の内容を説明する。図１において、厨房家具Ｋ
は、一般的な高さ、すなわち床面から天板１１までが80
0mm 乃至850mm の高さで、中央に大型のシンク１２を備
えた流し台１と、この流し台１より低い750mm 乃至700m
m の高さの複合炊事用具２を並列してなるものである。
複合炊事用具２は、浅いシンク２１、調理面２２及び加
熱調理機器２３を配置する天板２４を備えるもので、シ
ンク２１の下部のベースキャビネットの前面を除いてオ
ープンスペースＳとし、椅子を兼ねたワゴン３や車椅子
（図示せず）が入り込めるようにし、かつ、このシンク
２１には施蓋したときに隣接する流し台１の天板１１に
連続しほぼ面一になる起倒自在な蓋板４を設け、シンク
２１の前縁には握りバー５を設けるようにしてある。

【０００８】蓋板４は、背面側に起こすように蝶着する
か連結アームにて取り付けるようにするもので、図示し
ないが開蓋状態を維持するキャッチ乃至ストッパーを設
けるようにする。また蓋板４の基部には窓穴４１を穿設
してシンク２１に臨む水栓６の逃げとしてある。

【０００９】椅子を兼ねたワゴン３は、上面を座部３
１、内部を収納庫３２としてシンク２１の下部をオープ
ンスペースＳとしたことによる収納スペースの不足を補
うようにする。

【００１０】これまでの説明では、複数のシンク１２、
２１を、流し台１と複合炊事用具２のものとしたが、複
合炊事用具２に代えて、水槽のみの流し台や調理面を備
えた流し台としてもよい。さらに、複数の厨房家具を並
列させるとして説明したが、全体として一体としたり、
ベースキャビネットのみを一体として一乃至複数の天板
を乗せるようにしてもよい。

【００１１】このような構成からなる厨房家具Ｋは、健
常者が用いるときは複合炊事用具２の蓋板４をおろし浅
いシンク２１に施蓋し、蓋板４の上面を調理面として用
いれば立って作業する厨房家具Ｋの高さとして好適なも
のとなる。厨房家具Ｋの前に長い間立ってていられない
老齢者や足の弱った人は、蓋板４を開いてシンク２１を
出して、椅子を兼ねたワゴン３に腰かけたり、車椅子に
座って脚先をシンク２１下方のオープンスペースＳに入
れて調理作業をすることができる。座ったまま脚先がオ
ープンスペースＳに入るので、作業する際に天板２４の
奥まで手が届くので作業性及び使い勝手が良好となるの
である。なお、図示の例ではシンク２１と加熱調理機器
２３との間の調理面２２があるので隣接する他方の健常
者用の流し台１を用いなくても充分であるといえる。

【００１２】

【発明の効果】この発明は上述のように、厨房家具にお
いて複数のシンクを備え、一は通常の高さと、隣接する
他方は座って作業できる低い高さのシンクとし、低いシ
ンクに蓋板を設けて、施蓋したときに隣接する通常の高
さのシンクの天板上面と同じ高さにすることにより、同
じ厨房家具を健常者と座って作業するからだの不自由な
人が兼用することができるのである。

【００１３】従来の身障者専用の厨房家具と違って構成
が簡素であるので安価に提供できることになる。

【００１４】オープンスペースに上部を椅子とし、内部
を収納庫としたワゴンを出し入れ自在とすることによ
り、長く立っていることの困難な老齢者の使い勝手を良
くし、厨房家具の低いシンクの下方にオープンスペース
を設けたことによる収納スペースの減少を補うことがで
きるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る厨房家具の斜視図である。

【図２】この発明に係る厨房家具の正面図である。

【図３】この発明に係る厨房家具の平面図である。

【図４】この発明に係る厨房家具の断面図である。

【符号の説明】

Ｋ 厨房家具 Ｓ オープンスペース １ 流し台 １２ シンク ２ 複合炊事用具 ２１ シンク ３ ワゴン ４ 蓋板 ５ 握りバー ６ 水栓

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面からの高さを通常のものと低いもの
   の複数のシンクを並列させた厨房家具であって、低いシ
   ンクには施蓋したときに通常の高さのシンクの天板と繋
   がりほぼ面一になる蓋板を設け、低いシンクの下部をオ
   ープンスペースとし椅子となるワゴンや車椅子が入り込
   めるように構成したことを特徴とする厨房家具。
2. 【請求項２】 蓋板を背面側に起こすように取り付ける
   と共に、基部に窓穴を設けて施蓋したときにカランの逃
   げとなるようにしたことを特徴とする請求項１記載の厨
   房家具。
3. 【請求項３】 低いシンクの下部のオープンスペース
   に、上部を椅子とし、内部を収納スペースとしたワゴン
   を出し入れ自在に設けたことを特徴とする請求項１又は
   請求項２記載の厨房家具。