JPH092525A - 集積包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラスびん商品とその付属パーツを隔離して収
納することができる自動包装に適した集積包装体を提供
する。 【構成】後面側板１、左端側板２、前面側板３、右端側
板４、胴部糊代５の順に折線を介して横方向に連接して
なる直方体のカートン胴部において、対向する前記前面
３および後面側板１に対して直角に中仕切を設け、該中
仕切で二分される一方の収納部Ｓにガラスびん用支持体
を挿設してガラスびん製品の収納部となし、他方を付属
パーツの収納部Ｐとし，前記中仕切が、前記カートン胴
部の糊代５側を横方向にさらに延長して仕切板６、仕切
板用糊代７の順に折線を介して延設した部分を前記胴部
内側に巻き折りして、前記胴部糊代５が前記後面側板１
の内面と、前記仕切板用糊代７が前記前面側板３の内面
とそれぞれ接着することにより胴部内に形成されること
を特徴とする集積包装体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、医薬、化粧品等のびん
の集積包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】マルチパックと称される比較的小型商品
の集積包装体は缶、壜、カップ用に開発され多用されて
いる。従来のびん用の集積包装体は一列あるいは２列に
配列された製品を中仕切を使用したカートンに箱詰めす
るもの、一枚のカートンでオーバーラップするもの、シ
ュリンクフィルムによってオーバーラップするもの等が
一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、このような
マルチパック方式はびん商品のみをマルチパックするも
のであり、一般にびん商品に係わる付属品については余
り配慮されていない。例えば、医薬品にこれまで多用さ
れてきているバイアルびんの場合には、一度開封したバ
イアルびんを再封して何回かに分けて使用するためのオ
ーバーキャップを別に添付しなければならないケースが
あるが、それ専用の収納スペースがないので充填された
びん上部空間にバラで詰め込むか、或いは別の包装体に
てエンドユーザーに届けられている。したがってバイア
ルびんは取り出しにくかったり、内部の整列状態が雑然
としたりする問題がある。また別の包装体で付属品を供
給する場合には、員数合わせの手間も派生してくるとい
う問題がある。医薬品の場合の能書等もびんと詰合せる
必要があるが、僅かな空間に詰め込まなければならない
という問題もある。さらに、従来のびん商品と付属品の
詰合せ作業は人手を要する部分がまだ残っていて包装作
業の能率低下を来す問題も大きい。本発明はかかる問題
点に鑑みてなされたもので、びん商品と付属品を区分け
して自動充填包装を可能とする集積包装体の提供を目的
とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明は、後面側板、左端側板、前面側板、
右端側板、胴部糊代の順に折線を介して横方向に連接し
てなる直方体のカートン胴部において、対向する前記前
面および後面側板に対して直角に中仕切を設け、該中仕
切で二分される一方の収納部にびん用支持体を挿設して
びん製品の収納部となし、他方を付属パーツの収納部と
し、前記中仕切が、前記カートン胴部の糊代側を横方向
にさらに延長して仕切板、仕切板用糊代の順に折線を介
して延設した部分を前記胴部内側に巻き折りして、前記
胴部糊代が前記後面側板の内面と、前記仕切板用糊代が
前記前面側板の内面とそれぞれ接着することにより胴部
内に形成されるかあるいは仕切板の両側に折線を介して
連接された二つの糊代を有する別部材を前記カートン胴
部と合体し、前記二つの糊代が前記前面および後面側板
の内面とそれぞれ接着することによって形成されること
を特徴とする集積包装体を要旨とする。

【０００５】

【作用】本発明の集積包装体によれば、びん商品と付属
品を区画してそれぞれ収納することができ、しかも自動
充填包装が可能となるので、開封時の雑然とした感じは
解消して体裁が整い、員数合わせ等の管理業務の必要は
なくなり、しかも包装工程の人員削減をはじめ総合的効
率の向上を図ることができる。

【０００６】

【実施例】以下図面によって本発明をさらに詳細に説明
する。図１は本発明による集積包装体の一実施例のカー
トンブランク１０の展開図である。このカートンブラン
ク１０の胴部Ｄは、左側から後面側板１、左端側板２、
前面側板３、右端側板４に続いて胴部糊代５、仕切板
６、仕切板用糊代７の順に折線ａ〜ｆを介して連接され
ている。通常のカートンブランクでは胴部糊代５まであ
ればよいが、本発明ではこの糊代をさらに延長して仕切
板６、仕切板用糊代７とし、この部分が中仕切構成部Ｅ
となっている。図２は本発明による集積包装体の別の実
施例のカートンブランク２０の展開図である。このカー
トンブランク２０の胴部は通常のカートンと同じ構成の
左側から左端側板１１、後面側板１２、右端側板１３、
前面側板１４、糊代１５からなるブランクと、中仕切構
成部Ｅを構成する別部材とからなり、中仕切構成部Ｅは
カートン成形時に供給され本体ブランクと組み合わされ
る。以上述べた本発明による集積包装体のブランク１
０、２０の上部には３枚の折り返し片からなる蓋部Ｆが
また下部には４枚の折り返し片（ブランク１０）及びオ
ートボトム形式（ブランク２０）の底部Ｂが連接されて
いるが、その形状、機能等は上記実施例に限定されるこ
となく自由に変化させることができる。例えば、蓋部Ｆ
において、４枚の側板それぞれにフラップを取り付け、
前後のメインフラップ同志が中央部で重なるようにして
もよいし、底部Ｂを図１の蓋部Ｆのような３枚折り返し
片の構成にしてもよい。

【０００７】次にカートンの成形であるが、上記のブラ
ンク１０の場合はサック貼り機で先ず胴貼りが行われ、
図３（ａ）に示すようなフラットな形状に折り畳まれ
る。この胴貼りで、図１に示す仕切板用糊代７が先ず内
側に折り畳まれた状態で中仕切構成部Ｅを折線ｄで折り
返し仕切板用糊代７を前面側板の裏面の接着部Ｈ１に貼
着させる。次いで折線ｂでブランク全体を折り畳み胴部
糊代Ｄ５を後面側板Ｄ１の裏面の接着部Ｈ２に貼着させ
ると胴貼りが終了すると同時に中仕切構成部Ｅとの合体
が終了して、図３（ａ）に示すような折り畳みカートン
１０’が得られる。なお、中仕切構成部Ｅはカートン内
部に巻き折られる形となり、その状態は図４によって判
りやすく示されている。ブランク２０の場合は、通常の
カートンと同じでサック貼り機で折線ａ，ｃでフラット
に三つ折りする時に糊代１５が左端側板１１の裏面の接
着部に貼着されて、図３（ｂ）に示す折り畳みカートン
２０’が得られる。あるいは、このサック貼り工程で、
中仕切構成部Ｅを予め貼り込んでおいてもよい。本発明
による集積包装体はこの折り畳みカートン１０’、２
０’の形態でユーザーに供給され、自動製函機によって
成形される。

【０００８】図４は図１のブランクの場合の組立説明図
である。上記の折り畳みカートン１０’は自動製函機に
供給されて角柱状に起こされて底部の２枚の小折り返し
片に次いで両側に切欠のある底部折り返し片が折り返さ
れた状態でホットメルトアプリケーターによってホット
メルト接着剤が底部の中央ラインに沿って線状にコート
され、その直後対向する残りの折り返し片が折り返され
て底部が成形される。図５は図２のブランクの場合の組
立説明図である。底部Ｂの成形方法はオートボトム方式
で糊付けなしで成形できる。折り畳みカートン２０’で
中仕切構成部Ｅが別部材となっている場合は、一旦、角
柱状に成形された後、仕切板Ｅ２の両端の糊代Ｅ１，Ｅ
２を９０°折り曲げ，接着剤によって前面及び後面側板
１２、１４の裏面の接着部Ｈ５，Ｈ６にそれぞれ貼着さ
せることによって中仕切が構成される。

【０００９】次に図４で示すような、テーパーの付いた
ロの字形の断面を有する角柱状のカートンであって、充
填されるびんの本数だけ上板に孔の開いた支持体Ｇをび
ん収納部Ｓに真上から挿入設置される。支持体側壁のテ
ーパーは支持体Ｇを挿入し易いようにするためであり、
また上板の孔の周辺には切り込みがあり、その孔径はび
んの胴部径より僅かに小さくなっていてびんをしっかり
固定するようになっている。以上のような支持体Ｇが組
み込まれた後、びんを上部より支持体Ｇの孔に押し込
む。さらに順序はびんの充填と前後してもよいが、付属
パーツをパーツ収納部Ｐに個数をカウントするか計量し
て所定の数だけ充填する。最後に左右のサイドフラップ
を折り返し、蓋を被せ、その先端の差し込み片を前面側
板の内側に差し込んで成形充填作業が終了する。

【００１０】本発明による集積包装体によれば、びん製
品と付属パーツとが中仕切で区画されており、しかも付
属パーツは必要な数だけ収納されているので、従来のバ
ラ詰めに較べて開封時の整列状態は整い、びんを引出し
易く、また使い勝手が良好である。またパーツは必要な
数量だけ仕分けされて入っているので員数合わせをする
ような必要はない。能書、説明書等も折り畳んだ状態で
パーツ収納部Ｐに挿入すればよく、従来より詰合せ作業
は容易になる。これまでバイアルびんの包装作業は人手
による場合が多いが、本発明による集積包装体によって
自動化することにより包装効率を極めて高めることが可
能である。

【００１１】本発明による集積包装体の板紙にはコート
ボール、クラフトボール、マニラボール等の広範囲の板
紙が好適に使用できる。また蓋部、側板には一般に印刷
がなされるが、その方式はオフセット印刷、グラビア印
刷、フレキソ印刷等いかなる方法を用いてもよい。さら
に接着部を除く部分のＯＰニスコート、箔押し、エンボ
ス等の後加工も自由に行うことができる。

【００１２】（実施例）化粧水をバイアルびんに充填し
た化粧品のマルチパックを本発明による集積包装体を使
用して実施した。バイアルびんの大きさは高さ６５ｍ
ｍ，胴部外径２４ｍｍであり、付属パーツであるオーバ
ーキャップの高さは９ｍｍ，外径は２４ｍｍである。以
上のバイアルびんを２×５の配列で１０本を１カートン
に集積包装した。カートンサイズは幅１９０×高さ７０
×奥行７０ｍｍ，また、支持体Ｂの高さは３５ｍｍとし
た。板紙にはコートボール３１０ｇ／ｍ² を使用した。
カートンブランクは図１、さらに折り畳みカートンは図
３（ａ）に示すように構成したものを使用した。底部の
接着にはアクリル系の強接着タイプのホットメルトを使
用した。またオーバーキャップは計量カウンターで１０
個分を計量して、シューターからパーツ収納部Ｈに落下
させた。以上による結果は、１００個／分を８〜９名で
手詰めでしかもパーツはバラ詰めであった従来に比較し
て、２００個／分を２〜３名で、各収納部に分けて整然
とした状態で包装することができた。

【００１３】

【発明の効果】本発明による集積包装体によれば、びん
製品と付属パーツとを中仕切板で区画することにより、
またパーツは必要な数だけ同時に収納されているので、
開封時の整列状態はよく、びん製品を取り出し易くな
り、また別の包装体からパーツを取り出して数合わせす
る手間がかからなくなる。さらに、カートン成形、充填
を全て自動化することが可能となり、包装効率を極めて
高めることが可能である。さらに構造上使用後はコンパ
クトに折り畳むことができるので廃棄物の減容化の効果
があり、１００％紙製品であることから焼却処理は容易
であり、またリサイクルも可能であるので環境負荷を少
なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例のカートンブランク展開図

【図２】他の実施例のカートンブランク展開図

【図３】折り畳みカートン平面図

【図４】図１のブランクの場合の組立説明図

【図５】図２のブランクの場合の組立説明図

【符号の説明】

１ 後面側板 ２ 左端側板 ３ 前面側板 ４ 右端側板 ５ 糊代 ６ 仕切板 ７ 糊代 １０ カートンブランク １０’ 折り畳みカートン １１ 左端側板 １２ 後面側板 １３ 右端側板 １４ 前面側板 １５ 糊代 ２０ カートンブランク ２０’ 折り畳みカートンブランク ａ〜ｆ 折線 ａ’〜ｄ’ 折線 Ｂ 底板 Ｄ 胴貼 Ｅ 中仕切構成部材 Ｅ２ 仕切板 Ｅ１、Ｅ３ 糊代 Ｆ 蓋部 Ｇ びん支持体 Ｈ１〜６ 接着部 Ｐ 付属パーツ収納部 Ｓ びん収納部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後面側板、左端側板、前面側板、右端側
   板、胴部糊代の順に折線を介して横方向に連接してなる
   直方体のカートン胴部において、対向する前記前面およ
   び後面側板に対して直角に中仕切を設け、該中仕切で二
   分される一方の収納部にびん用支持体を挿設してびん製
   品の収納部となし、他方を付属パーツの収納部としたこ
   とを特徴とする集積包装体。
2. 【請求項２】 前記中仕切が、前記カートン胴部の糊代
   側を横方向にさらに延長して仕切板、仕切板用糊代の順
   に折線を介して延設した部分を前記胴部内側に巻き折り
   して、前記胴部糊代が前記後面側板の内面と、前記仕切
   板用糊代が前記前面側板の内面とそれぞれ接着すること
   により胴部内に形成されることを特徴とする請求項１記
   載の集積包装体。
3. 【請求項３】 前記中仕切が、仕切板の両側に折線を介
   して連接された二つの糊代を有する別部材を前記カート
   ン胴部と合体し、前記二つの糊代が前記前面および後面
   側板の内面とそれぞれ接着することによって形成される
   ことを特徴とする請求項１記載の集積包装体。