JPH09252147A - 限流装置 - Google Patents

限流装置

Info

Publication number
JPH09252147A
JPH09252147A JP8057961A JP5796196A JPH09252147A JP H09252147 A JPH09252147 A JP H09252147A JP 8057961 A JP8057961 A JP 8057961A JP 5796196 A JP5796196 A JP 5796196A JP H09252147 A JPH09252147 A JP H09252147A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting wire
superconducting
coil
current limiting
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8057961A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikushi Hara
築志 原
Takeshi Okuma
武 大熊
Masahiko Nakade
雅彦 中出
Kenji Tazaki
賢司 田崎
Takashi Yazawa
孝 矢澤
Shiyunji Nomura
俊自 野村
Hideaki Maeda
秀明 前田
和行 ▲鶴▼永
Kazuyuki Tsurunaga
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP8057961A priority Critical patent/JPH09252147A/ja
Publication of JPH09252147A publication Critical patent/JPH09252147A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】限流動作時に発生するジュール発熱を低減でき
るとともに定常運転時における交流損失を低減でき、超
電導線のクエンチ現象を利用したことによる特徴を最大
限に発揮できる限流装置を提供する。 【解決手段】巻枠23,27に超電導線25,29を無
誘導巻構成に巻回してなる超電導コイル21を備えた限
流装置において、超電導コイルを構成する超電導線2
5,29が熱バリア層31で被覆されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電路の事故電
流を抑制する限流装置に係り、特に超電導線のクエンチ
現象を利用した限流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、超電導線は、その線材固
有の臨界電流値を越える電流が流れようとすると、ほと
んど瞬時に常電導状態に転移(クエンチ)する。このよ
うに常電導状態に転移すると、今までの抵抗零の状態か
ら高抵抗状態へと切換わる。
【0003】このような超電導線特有の現象に着目し、
この現象を電力系統で用いられる限流装置へ応用する試
みがなされている。超電導線のクエンチ現象を利用した
限流装置には、無誘導巻構成の超電導コイルを限流素子
として直接使用する抵抗動作型と、無誘導巻構成の超電
導コイルをトリガコイルとして用い、このトリガコイル
と並列に設けられたリアクトル等の限流素子に転流させ
て限流する転流動作型とがある。いずれのタイプも定常
状態においては電力系統の電流を無誘導巻構成の超電導
コイルに直接流す方式が採用される。
【0004】図7には転流動作型の限流装置を実回路に
設けた例が示されている。交流電源1の両端間に、遮断
器2、限流装置本体3を介して負荷4が接続される。
【0005】限流装置本体3は、たとえば超電導コイル
によって形成された限流コイル5と、この限流コイル5
の両端間に直列に接続された無誘導巻構成の超電導コイ
ル(以後、トリガコイルと呼称する)6およびスイッチ
7とで構成されている。トリガコイル6は、たとえば同
心円状に配置された2個の巻枠にそれぞれ巻方向を逆に
して超電導線を同一回数巻回してなる超電導コイル8
a,8bを並列に接続した構成となっている。限流コイ
ル5およびトリガコイル6は図示しないクライオスタッ
ト内に液体ヘリウムで代表される極低温冷媒液と一緒に
収容されている。
【0006】なお、図中、9はクエンチセンサ、11は
全電流を検出するための変流器、12はトリガコイル6
のループ電流を検出するための変流器、13は整流器、
14はループ電流位相検出回路、15は次に述べるトリ
ガコイル電圧位相検出回路を主回路に接離するためのス
イッチ、16はトリガコイル電圧位相検出回路、17は
トリガコイル6の電流および電圧の位相差を比較検出す
る位相比較器である。これらは限流装置の構成要素とし
て後述する関係に機能する。
【0007】このような回路構成において、限流動作は
次のようにして行われる。まず、定常時における負荷電
流は、無誘導巻構成(インダクタンスが零)で抵抗が零
の状態にあるトリガコイル6を通して流れる。負荷4に
短絡などの事故が発生すると、過大な事故電流が回路に
流れようとする。電流のレベルが卜リガコイル6を構成
している超電導線の臨界電流値に達すると、トリガコイ
ル6がクエンチして高抵抗体に切換わる。その結果、事
故電流が抑制され、トリガコイル6よりインピーダンス
の低い限流コイル5側へと電流が流れる。このとき、ト
リガコイル6の超電導線は常電導体となっているので、
発熱して冷媒を消費し続けると同時に、超電導線の温度
も上昇する。スイッチ7は、クエンチセンサ9の出力に
応動して電流がトリガコイル6から限流コイル5へ転流
した直後に開き、冷媒の蒸発を抑制すると同時に、トリ
ガコイル6の冷却速度を速めて超電導状態への復帰を助
ける。トリガコイル6の系統への再接続は、各位相検出
器14、16と比較器17とによって判断され、系統の
事故が復旧したことおよびトリガコイル6を構成してい
る超電導線が超電導状態に復帰したことの2条件が揃っ
た時点でスイッチ7の投入によって行われる。
【0008】超電導線のクエンチ現象を利用した限流装
置は、動作速度が1ミリ秒以下と極めて速く、短絡電流
のような急峻な立上がりをもつ過電流に対しても、第1
波から限流できる優れた特徴を有している。しかし、反
面、次のような課題も併せ持っている。
【0009】すなわち、この種の限流装置は、超電導線
をクエンチさせる方式であるため、限流動作時に大きな
ジユール発熱Pj が生じる。その値は、電源電圧Vがー
定であるとすると、限流動作時にトリガコイル6に発生
する常電導抵抗(以下、クエンチ抵抗と呼称する)Rq
に反比例し、次式のように表される。
【0010】 Pj =(V2 /Rq )t[J] …(1) ここで、tはクエンチ発生後の通電時間(sec)である。
上記(1) 式から判るように、クエンチ抵抗Rq が大きい
ほど、限流動作時における冷媒の消費量を抑えることが
でき、経済性を向上させることができる。
【0011】クエンチ抵抗Rq を増大させるには、トリ
ガコイル6を構成している超電導線の長さを長くすれば
よい。しかし、定常運転しているときの交流損失はトリ
ガコイル6を構成している超電導線の長さに比例する。
このため、トリガコイル6を構成している超電導線の長
さを長くすることは、定常運転時における電力損失を少
なくする観点から好ましいことではない。したがって、
限流動作時の抵抗発生効率をできるだけ向上させ、トリ
ガコイル6を構成している超電導線を短くする工夫が必
要である。このような要望を満たすには、トリガコイル
6を構成している超電導線に流れる電流のレベルが臨界
電流値を越えようとしたとき、超電導線全体がクエンチ
して大きなクエンチ抵抗を発生させる必要がある。
【0012】しかしながら、従来の限流装置にあって
は、トリガコイル6を構成している超電導線に流れる電
流のレベルが臨界電流値を越えようとしたとき、クエン
チする領域がトリガコイル6の一部にとどまり、トリガ
コイル全体が瞬時にクエンチすることは希であった。こ
のため、従来の限流装置では、限流動作時に必要なクエ
ンチ抵抗を確保するために、限流動作時における非クエ
ンチ部の長さを見越して、必要最小限の超電導線長(ト
リガコイル全体がクエンチしたときのクエンチ抵抗が必
要なレベルを満たす超電導線長)以上の長さの超電導線
でトリガコイル6を形成しており、この余分な長さの超
電導線が余分な交流損失を発生するという問題があっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、超電導線
のクエンチ現象を利用した従来の限流装置にあっては、
限流動作時に無誘導巻構成の超電導コイルにおいて必要
なクエンチ抵抗を発生させるために、本来必要としてい
る長さ以上の長さの超電導線を用いて無誘導巻構成の超
電導コイルを形成しているため、定常運転時における交
流損失が多いという問題があった。
【0014】そこで本発明は、限流動作時に発生するジ
ュール発熱を低減できるとともに定常運転時における交
流損失を低減でき、超電導線のクエンチ現象を利用した
ことによる特徴を最大限に発揮できる限流装置を提供す
ることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、巻枠に超電導線を無誘導巻構成に巻回し
てなる超電導コイルを備えた限流装置において、前記超
電導コイルを構成する前記超電導線が熱バリア層で被覆
されていることを特徴としている。
【0016】なお、前記熱バリア層は、樹脂を主体に構
成されていることが好ましい。また、上記目的を達成す
るために、本発明は、巻枠に超電導線を無誘導巻構成に
巻回してなる超電導コイルを備えた限流装置において、
前記巻枠の少なくとも前記超電導線に接触する部分に、
使用温度下において熱容量あるいは熱伝導率の高い物質
を含む層が形成されていることを特徴としている。
【0017】先に説明したように、超電導線のクエンチ
現象を利用した限流装置は、無誘導巻構成の超電導コイ
ルに流れる電流のレベルが超電導コイルを構成している
超電導線の臨界電流値を越えたときに動作し、その際に
発生する常電導抵抗で事故電流を限流させる。
【0018】無誘導巻構成の超電導コイルが同一の超電
導線で巻かれている場合、この超電導線には臨界電流値
の分布がほとんど存在しないので、臨界電流値を越えた
ときには超電導線全体が同時にクエンチするはずであ
る。しかし、実際には、超電導線全体が同時にクエンチ
することは希で、ー部が局所的にクエンチする場合が多
い。
【0019】この原因を調べた結果、次のようなことが
判明した。すなわち、無誘導巻構成の超電導コイルは、
通常、巻枠に超電導線を巻回した構成となっている。こ
のような無誘導巻構成の超電導コイルに過電流が流れよ
うとすると、この電流のレベルが超電導線の臨界電流値
に達する前に電磁力で超電導線が動き、そのときに巻枠
との間あるいは超電導線間に摩擦発熱が生じる。一般に
液体ヘリウム温度のような極低温下では物質の比熱は極
めて小さい。このため、僅かな摩擦発熱でも超電導線の
温度を常電導転移させる臨界温度まで上昇させてしま
う。このように、電磁力による超電導線の機械的な動き
(機械的擾乱)に伴う摩擦発熱が原因して超電導線の温
度を上昇させ、局部的にクエンチを起こさせることが判
った。
【0020】本発明に係る限流装置では、無誘導巻構成
の超電導コイルを構成する超電導線が熱バリア層で被覆
されているので、この熱バリア層によって機械的擾乱部
で発生した熱が超電導線、具体的には超電導線内の超電
導フイラメントに拡散するまでの時間(熱拡散時間)を
引延ばすことができる。したがって、短絡事故開始から
限流動作開始までの時間(1ミリ秒以下)より熱バリア
層の熱拡散時間を長くすることによって、臨界電流値に
到達する前に局所的にクエンチが発生するのを防止で
き、常に臨界電流値で全体をクエンチさせることができ
る。
【0021】すなわち、機械的擾乱によって超電導線と
巻枠との間に摩擦発熱が生じると、超電導線の表面が部
分的に加熱される。超電導線の表面に発生した熱は、超
電導フィラメントが存在する超電導線内部へ拡散する。
超電導フィラメントは拡散してくる熱により徐々に温度
上昇し、やがて超電導フィラメントの温度が、その臨界
温度を越えると、超電導線がクエンチする。機械的擾乱
が発生してから、超電導線がクエンチするまでには、熱
拡散で規定される有限の時間(熱拡散時間)が費やされ
る。熱拡散時間内では超電導線は超電導状態にあるた
め、限流動作は開始せず、電路に流れる事故電流のレベ
ルは上昇を続ける。したがって、熱拡散時間が長ければ
長いほど、上昇する短絡電流のレベルは大きくなる。熱
拡散時間が十分に長い場合、機械的擾乱に伴う発熱の熱
拡散によって超電導線がクエンチする以前に、事故電流
のレベルが超電導線の臨界電流値を越え、結局、超電導
線全体が同時にクエンチする。したがって、必要最小限
の超電導線長で最大の限流抵抗を得ることができる。
【0022】熱拡散時間を長くするには、無誘導巻構成
の超電導コイルを構成する巻枠の少なくとも超電導線に
接触する部分に、使用温度下において熱容量あるいは熱
伝導率の高い物質を含む層を設けることによっても実現
できる。すなわち、機械的擾乱で発生した熱は、上記層
に含む熱容量あるいは熱伝導率の高い物質へと拡散し易
く、超電導線側へは拡散し難い。したがって、結果的に
超電導線側への熱拡散時間を長くすることができ、機械
的擾乱に伴う発熱で超電導線がクエンチするのを遅らせ
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。図1には本発明の一実施形態に係
る限流装置における要部、ここには転流動作型の限流装
置に組込まれる無誘導巻構成のトリガコイル21だけが
示されている。
【0024】図中、22は軸方向両端部にフランジ部を
有した巻枠本体を示している。この巻枠本体22の外周
には第1の巻枠23が装着されている。この第1の巻枠
23の外周面には螺旋溝24が所定ピッチに設けてあ
り、この螺旋溝24によって保持されるように超電導線
25が所定の張力で巻回されて内側コイル26が形成さ
れている。
【0025】内側コイル26の外側には内側コイル26
と同心円的に第2の巻枠27が配置されている。この第
2の巻枠27の外周面には溝24とは螺旋の方向を逆に
した螺旋溝28が所定ピッチに設けてあり、この螺旋溝
28によって保持されるように超電導線29が所定の張
力で巻回されて外側コイル30が形成されている。
【0026】そして、内側コイル26と外側コイル30
とは両端が短絡され、両コイル26,30に電流を流し
たとき、互いに発生する磁界を打ち消しあうような構成
になっている。
【0027】ここで、内側コイル26および外側コイル
30を構成している超電導線25,29としては、臨界
温度、臨界電流等の特性が等しく、図2に拡大して示す
ように厚さ20μm以上の熱バリア層31で被覆されたも
のが用いられている。熱バリア層31は、たとえばポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂などのように極低温、たと
えば液体ヘリウム温度において熱拡散抵抗が比較的大き
い有機樹脂を超電導線の外表面に上記の厚みまで塗布し
半硬化させ、この状態で超電導線を巻枠に巻いた後に硬
化させることによって形成されている。
【0028】このように構成されたトリガコイル21
は、液体ヘリウムで代表される極低温冷媒液で浸漬冷却
された状態で図7に示すように結線されて使用される。
このように、内側コイル26および外側コイル30を構
成している超電導線25,29を熱バリア層31で被覆
しているので、短絡事故に伴って電流レベルが上昇した
ときに超電導線25,29が電磁力によって動き、超電
導線25,29と第1および第2の巻枠23,27との
間に摩擦発熱が生じても、この熱は超電導線25,29
に直ぐには伝わらず、熱バリア層31の熱拡散時間τを
経過した後に伝わる。
【0029】この熱拡散時間τは、熱バリア層31の熱
拡散係数をDとし、熱バリア層31の厚みをaとする
と、 τ=( 4a2 )/π2 D …(2) で表される。
【0030】したがって、今、短絡事故が発生した時点
から事故電流のレベルが超電導線25,29の臨界電流
値に達するまでの時間を100 μsec とし、上述した有機
樹脂の液体ヘリウム温度での熱拡散係数をD=1.7 ×10
-6(m 2 /sec)とすると、 a=( π2 Dτ/4 )0.5 …(3) =20(μm) となる。
【0031】つまり、熱バリア層31の厚みaを20(μ
m)以上にしておけば、機械的擾乱に起因して超電導線
25,29が局部的にクエンチする以前に、事故電流の
レベルを超電導線25,29の臨界電流値まで上昇させ
ることができ、臨界電流値に達した時点で超電導線2
5,29の全体を同時にクエンチさせることができる。
なお、熱バリア層31の厚みの最適値は、熱バリアの材
料や事故発生から臨界電流に達するまでの時間によって
変化するので、20(μm)に限定されるものではない。
【0032】このように、内側コイル26および外側コ
イル30を構成している超電導線25,29の長さを必
要最小限(トリガコイル全体がクエンチしたときのクエ
ンチ抵抗が必要なレベルを満たす超電導線長)に抑えた
状態で効率よく必要なクエンチ抵抗を発生させることが
でき、限流動作時における冷媒消費量を抑制できるとと
もに定常運転時における交流損失を最少に抑えることが
できる。
【0033】上述した例では、有機樹脂だけで熱バリア
層31を形成しているが、図3に示すように超電導線2
5(29)の外周にエポキシ樹脂とガラス繊維などから
なるプリプレグのテープ32を半ラップに巻いて半硬化
させ、この状態で超電導線25(29)を各巻枠23,
27に巻いた後に硬化させることにより、上記テープ3
2で熱バリア層を形成してもよい。勿論、半ラップ巻き
に限定されるものではない。
【0034】また、上述した構造では最終的に超電導線
の表面のエポキシ樹脂やフェノ一ル樹脂が巻枠と超電導
線とに接着した状態となるが、この接着部分が電磁力に
よって剥離し、この剥離が原因となってクエンチが生じ
るのを防ぐために、図4に示すように巻枠23(27)
の表面で超電導線25(29)に接触する部分に四弗化
エチレンなどからなる接着阻止層33を設けてもよい。
【0035】また、上述した各例は巻枠に巻き溝を設け
ているが、巻き溝のない場合にも適用できることは勿論
である。また、図5に示すように撚線構造の超電導線2
5a(29a)を用いる場合には、超電導素線34同士
の間に生じる電磁力によって素線34が動き、この動き
で生じる発熱が原因となって局所的なクエンチが発生す
るのを防止するために、各素線34を熱バリア層31a
で被覆してもよい。熱バリア層31aとしては、フォル
マール、エステルイミドなどの被覆材や、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂などの樹脂類の塗布層が好ましい。
【0036】このように各素線34を熱バリア層31a
で被覆することによって、素線34同士の摩擦によって
起こる発熱が素線34の超電導フィラメントに伝わるま
での時間、つまり熱拡散時間を引き延ばすことができ
る。
【0037】なお、図5に示す例では、各素線34だけ
を熱バリア層31aで被覆しているが、これに加えて図
2に示すように超電導線25a(29a)全体をプリプ
レグテープなどで被覆してもよい。
【0038】さらに、上述した各例では、超電導線を熱
バリア層で被覆し、これによって機械的擾乱に伴う発熱
の熱拡散時間を長くしているが、図6に示すように、巻
枠23(27)の少なくとも超電導線25(29)に接
触する部分に、使用温度下、たとえば液体ヘリウム温度
において熱容量の大きい物質35、たとえばEr3 Ni
の粒などを含んだ有機樹脂層36を設けてもよい。
【0039】このような構成であると、機械的擾乱で発
生した熱は、有機樹脂層36に含まれている熱容量の大
きな物質35へ熱拡散し易く、超電導線25(29)側
へは拡散し難い。したがって、超電導線25(29)側
への熱拡散時間を長くすることができ、上述した各例と
同じ効果を発揮させることができる。
【0040】なお、物質35を銅やアルミニウムや窒化
アルミなどの熱伝導率の高い物質に代えても同様の効果
を発揮させることができる。また、上述した各例は、本
発明を転流動作型の限流装置におけるトリガコイルに適
用した例であるが、本発明は抵抗動作型の限流装置にも
適用できることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無誘導巻構成の超電導コイルを必要最小限の長さの超電
導線で構成して必要なクエンチ抵抗を効率よく発生させ
ることができので、限流動作時における冷媒消費量を抑
制できるとともに定常時における交流損失を最少に抑え
ることができる。したがって、無誘導巻構成の超電導コ
イルを冷却する冷凍系のコンパクト化や省電力化に寄与
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る限流装置の要部
である無誘導巻構成の超電導コイルの縦断面図
【図2】同超電導コイルにおける巻枠と超電導線との接
触部を拡大して示す図
【図3】熱バリア層の別の形成形態を説明するための図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る限流装置の要部
である無誘導巻構成の超電導コイルにおける巻枠と超電
導線との接触部を拡大して示す図
【図5】超電導線として撚線構造のものを用いる場合の
熱バリア層の形成形態の一例を説明するための図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る限流装置の要部
である無誘導巻構成の超電導コイルにおける巻枠と超電
導線との接触部を拡大して示す図
【図7】転流動作型の限流装置を実回路に設けたときの
構成例を示す図
【符号の説明】
21…無誘導巻構成のトリガコイル(超電導コイル) 23…第1の巻枠 24,28…螺旋溝 25,29,25a,29a…超電導線 26…内側コイル 27…第2の巻枠 30…外側コイル 31,31a…熱バリア層 32…熱バリア層を形成するプリプレグテープ 33…接着阻止層 34…素線 35…熱容量の大きい物質 36…有機樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中出 雅彦 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 田崎 賢司 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 矢澤 孝 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 野村 俊自 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 前田 秀明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 ▲鶴▼永 和行 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻枠に超電導線を無誘導巻構成に巻回して
    なる超電導コイルを備えた限流装置において、前記超電
    導コイルを構成する前記超電導線が熱バリア層で被覆さ
    れていることを特徴とする限流装置。
  2. 【請求項2】前記熱バリア層は、樹脂を主体に構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の限流装置。
  3. 【請求項3】巻枠に超電導線を無誘導巻構成に巻回して
    なる超電導コイルを備えた限流装置において、前記巻枠
    の少なくとも前記超電導線に接触する部分に、使用温度
    下において熱容量あるいは熱伝導率の高い物質を含む層
    が形成されていることを特徴とする限流装置。
JP8057961A 1996-03-14 1996-03-14 限流装置 Pending JPH09252147A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8057961A JPH09252147A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 限流装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8057961A JPH09252147A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 限流装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09252147A true JPH09252147A (ja) 1997-09-22

Family

ID=13070616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8057961A Pending JPH09252147A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 限流装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09252147A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025032A1 (de) * 1997-11-11 1999-05-20 Siemens Aktiengesellschaft Strombegrenzereinrichtung
JP2007158292A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Ls Industrial Systems Co Ltd 抵抗型超電導限流器
WO2021149156A1 (ja) * 2020-01-21 2021-07-29 三菱電機株式会社 超電導コイル及び超電導コイルの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025032A1 (de) * 1997-11-11 1999-05-20 Siemens Aktiengesellschaft Strombegrenzereinrichtung
JP2007158292A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Ls Industrial Systems Co Ltd 抵抗型超電導限流器
JP4620637B2 (ja) * 2005-12-02 2011-01-26 エルエス産電株式会社 抵抗型超電導限流器
WO2021149156A1 (ja) * 2020-01-21 2021-07-29 三菱電機株式会社 超電導コイル及び超電導コイルの製造方法
JPWO2021149156A1 (ja) * 2020-01-21 2021-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4586017A (en) Persistent current switch for high energy superconductive solenoids
KR100662754B1 (ko) 초전도 저항형 한류기
US7345858B2 (en) Resistive superconducting fault current limiter
EP0877395B1 (en) Superconducting coil
JP2980097B2 (ja) 超電導コイル
JPH04359626A (ja) 限流装置
JPH04233114A (ja) 伝導冷却式超伝導磁石用の超伝導スイッチ
US4151498A (en) Combined superconducting coil
US3336549A (en) Superconducting magnet coil
US20150255200A1 (en) Fast Superconducting Switch for Superconducting Power Devices
JPH09252147A (ja) 限流装置
JP3541123B2 (ja) 超伝導電流リード
US4623862A (en) Thermally stabilized superconductors
US4956608A (en) Apparatus for propagating a quench in a superconducting magnet
JPS6213010A (ja) 超電導電磁石
JP4638983B2 (ja) 超伝導体およびその製造方法
JP2002270422A (ja) 超電導装置および超電導装置の冷却システム
JPS60100487A (ja) 永久電流スイツチ
KR102534024B1 (ko) 도체 표면 상태 제어를 통한 고온초전도 코일 제조방법 및 상기 제조방법을 이용한 고온초전도 코일
JP3322981B2 (ja) 永久電流スイッチ
JP2839792B2 (ja) 熱式永久電流スイッチ
JPS5948487B2 (ja) 複合超電導線
JPH06224037A (ja) 超電導コイル
JPH06223641A (ja) 超電導導体とそれを用いた超電導限流器トリガコイル
JPS6292416A (ja) 超電導磁石装置