JPH09251148A - ディスプレイ装置及びその製造方法 - Google Patents

ディスプレイ装置及びその製造方法

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JPH09251148A
JPH09251148A JP5901296A JP5901296A JPH09251148A JP H09251148 A JPH09251148 A JP H09251148A JP 5901296 A JP5901296 A JP 5901296A JP 5901296 A JP5901296 A JP 5901296A JP H09251148 A JPH09251148 A JP H09251148A
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hologram
light
display device
transparent substrate
light source
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JP5901296A
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English (en)
Inventor
Yoshinao Taketomi
義尚 武富
Takeshi Karasawa
武 柄沢
Shiro Asakawa
史朗 浅川
Eiichiro Okuda
英一郎 奥田
Toru Okauchi
亨 岡内
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示部が透明で、カラー表示可能で、かつ高
輝度の直視型散乱表示ディスプレイ装置を実現するこ
と。 【解決手段】 冷陰極蛍光管4を発した光は直接、ある
いは反射ミラー5によって反射され透明基板2に入射す
る。図中破線で示した角度θ1で透明基板2内を伝搬す
る波長λ1の光線B1は、領域Lにおいて透明基板の表
面と、透明基板2とこれよりも低い屈折率をもつ透明層
3の界面において全反射し、ホログラムH0が透明基板
2と直接に密着している領域Uまで伝搬を続け、ここで
ホログラムH0によって回折され照明光I1となる。照
明光I1は分散型液晶表示装置1の散乱画素P1に入射
し、散乱表示光S1となり、観察者6の目に到達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー画像を表示す
るためのディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶をポリマーに分散させ、その
光散乱を利用した分散型液晶表示装置の開発が活発化し
ている。この分散型液晶表示装置は偏光板を用いないた
め従来のTN型液晶表示装置に比べて明るい画像が得ら
れる可能性があり、注目されている。例えば、特開平3
−186816号公報に記載された液晶表示素子は、主
として、バックライトを用いずに、次に後方の画面外の
位置に照明光源を置きその照明によって高コントラスト
のカラー表示を得ることを目的として構成されたもので
ある。
【0003】以下図面を参照しながら前記公開公報に記
載された従来の分散型液晶表示装置の構成を説明する。
図41は前記公開公報に記載された従来の分散型液晶表
示装置の構成を示すものである。図41において、41
は高分子分散液晶層、42、43は透明基板、44、4
5は透明電極、46は照明光源、47は光吸収板、48
はカラーフィルタである。
【0004】以上のように構成された表示装置の動作に
ついて説明する。まず、一般に高分子分散液晶層は、そ
れをはさんで向かい合う一組の電極間に電圧を印加する
事によって、ポリマー母材に分散された液晶が、無秩序
に配列した状態(散乱状態)から、整然と配列した状態
(透明状態)に移行する。あるいはその逆のプロセスも
可能である。高分子分散液晶層41は、透明基板42と
43の間に画素を構成するパターンとして構成された一
組の透明電極44、45の間に置かれ、この電極間に印
加される電圧によってその状態を変える。
【0005】ここで示した表示装置は主として自然光、
あるいは室内光などの外部光を用いて画像表示を行うも
のである。外部光が透明基板43とカラーフィルタ48
を通して入射すると、透明状態にある画素では高分子液
晶分散層41を通過し、光吸収板47で吸収されるため
観察者からは黒く見える。一方外部光が散乱状態となっ
た画素(図中斜線部)に入射すると、その光の一部分が
後方に散乱され、再びカラーフィルタ48を通して広い
角度で出射するため、色のついた画像として観察者の目
に入る。
【0006】また、この表示装置は観察者の目には直接
入らない後方の位置に置かれた照明光源46によってさ
らに明るい表示を得ようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、以下の理由により輝度の低い画像しか得
られない。図42に示すように、一般に散乱状態にある
高分子分散液晶層41に入射する入射光49は散乱光5
0、51を形成する。この散乱光のうち前方に向かうも
のを前方散乱光と呼び、後方に向かうものを後方散乱光
というが、高分子分散液晶層の性質上、後方散乱が前方
散乱を上回ることはない。従って、上記の従来例では散
乱状態となった画素に入射した光は少なくとも半分以上
光吸収板47で吸収されてしまうことになり、常に輝度
の低い画像しか得られず、直視型のディスプレイとして
の構成が困難であった。
【0008】また、観察者の目には直接入らない後方の
位置に置かれた照明光源による表示は、次に述べるよう
な理由で輝度の低い画像しか得られない。つまり、前記
照明光源から透明基板42を通じて高分子分散液晶層4
1の散乱状態にある画素に入射した光は、その多くが前
方散乱光となるが、そのうちカラーフィルタを通して観
察者の目にいたるものは非常に少ない。その理由は、図
41のような構成では光源から画面中央に向かう光線が
なす角度は70°〜80°というたいへん大きなものに
なってしまい、このような角度で入射する光が高分子分
散液晶層41によって散乱され、正面から見ている観察
者の方に向かう成分は、理想的な完全拡散状態を想定し
ても高々35%である。光源の位置をより後方に移して
入射角度を下げればこの効率は向上するが、このとき表
示装置の奥行き方向の寸法が著しく大きくなるため現実
的ではない。
【0009】さらに従来例では、光吸収板47とカラー
フィルタ48が高分子分散液晶層41をはさんだ構成を
とっているため、この表示装置が保有する他にはない特
徴、即ち電圧印加(または除去)により透明になるとい
う特徴、が十分に活かされていなかった。
【0010】本発明は上記問題点に鑑み、画像表示部が
透明で、カラー表示可能で、かつ直視型として用いるこ
とのできる高輝度のディスプレイ装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明のディスプレイ装置は、分散型液晶表示装置
と光源と透明基板とこの透明基板の表面上の一部の領域
においてあるいは全領域にわたって前記透明基板よりも
低い屈折率を有する透明層を介し密着して配されたホロ
グラムとから構成されている。また透明層の屈折率をn
T、透明基板の屈折率をnSとしたときに、伝搬角度θで
前記透明基板内を伝搬する光のうち少なくとも一つの波
長の光に対し、nT≦nSsinθを満足するように抗され
ている。
【0012】または、分散型液晶表示装置と光源と透明
基板とこの透明基板の表面に密着して配された前記透明
基板よりも低い平均屈折率を有するホログラムとから構
成されている。
【0013】または、ホログラムが多重ホログラムとし
て構成されている。または、ホログラムが反射型のホロ
グラムで、透明基板の下方端面から入射した光源の光が
前記ホログラムによって前記透明基板の表面から下方に
傾いた方向に出射されるよう構成されている。
【0014】または、ホログラムが透過型のホログラム
で、透明基板の下方端面から入射した光源の光が前記ホ
ログラムによって前記透明基板の表面から上方に傾いた
方向に出射されるよう構成されている。
【0015】または、ホログラムの微細周期構造の間隔
とその傾き角度を領域によって変化するように構成され
ている。
【0016】あるいは、ホログラムの微細周期構造の間
隔をΛ、その傾き角度をφ、ホログラムの平均屈折率を
nH、透明基板の屈折率をnS、円周率をπとしたとき
に、光源の波長の少なくとも一つの波長λが次式 φ+cosー1(λ/2nHΛ)+sin-1(1/nS)>π/2 を満たすように構成されている。
【0017】あるいは、ホログラムの微細周期構造の間
隔をΛ、その傾き角度をφ、ホログラムの平均屈折率を
nHとしたときに、光源の波長の少なくとも一つの波長
λがλ/2nHΛ>1を満たすように構成されている。
【0018】または、ホログラムの屈折率変調度を領域
によって変化するように構成されている。
【0019】そして本発明のディスプレイ装置は、蛍光
管を光源として透明基板の端面近傍に配するように構成
されている。または蛍光管を光源として透明基板の端面
近傍に配し、前記蛍光管と前記透明基板の端面を巻き込
むように反射板を配置するように構成されている。ある
いは、光源からの光を導く光ファイバアレイを透明基板
の端面近傍に配するように構成されている。あるいは、
有機発光素子を光源として透明基板の端面近傍に配する
ように構成されている。または白色光光源を用いて構成
されている。
【0020】そして本発明のディスプレイ装置は、一方
向に光強度が増加するレーザビームと前記方向に光強度
が減少するレーザビームとによってホログラムを露光す
ることで作製される。または一方向に可干渉性が低下す
るような2つのレーザビームによってホログラムを露光
することで作製される。あるいは、ホログラム媒体内で
光強度の和が一定となるような2つのレーザビームによ
ってホログラムを露光することで作製されるものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下本発明の第1の実施の形態で
あるディスプレイ装置について、図面を参照しながら説
明する。
【0022】図1は本実施の形態によるディスプレイ装
置の構成図であり、分散型液晶表示装置1、透明基板
2、透明層3、反射型のホログラムH0、冷陰極蛍光管
4、反射ミラー5を組み合わせた構成となっている。図
中、6は観察者、λ1、λ2はλ1<λ2なる関係を有
する2つの波長、I1、I2はそれぞれ波長λ1、λ2
の回折照明光、P1、P2は散乱状態にある画素、S
1、S2はそれぞれ画素P1、P2からの散乱光を表し
ている。
【0023】尚、前記表示装置1は図41に従来例とし
て説明した従来の表示装置から照明光源46、光吸収板
47、及びカラーフィルタ48を取り除いた以外は基本
的に構成は変わらないものであり、図ではこの表示装置
を簡略化して描いた。
【0024】分散型液晶表示装置1は液晶層の前方散乱
を用いて画像を表示するものである。即ち、ホログラム
H0からの回折照明光(例えばI1)が散乱状態にある
画素(例えばP1)を後ろ側から照明し、この画素によ
って観察者側に散乱される前方散乱光(例えばS1)が
表示画像を構成する。その画素構成はドットマトリック
スでもよいし、パターン、あるいはパターンの組み合わ
せでもよい。
【0025】ホログラムH0は透明基板2の端面から入
射した光のみを基板外部に出射するように構成された、
いわゆる体積位相型の反射型エッジリットホログラムで
ある。このホログラムに透明基板2の表面から入射する
光が回折されることで回折照明光を形成することがない
ため、外見上は透明である。従って、分散型液晶表示装
置1を透明状態に設定すればこのディスプレイ装置の画
像表示部全体が透明となり、その背景をあたかもガラス
越しにみる景色のごとく見ることができる。
【0026】またホログラムH0は、回折照明光I1及
びI2を下方に傾いた方向に出射させるよう構成されて
いるため、分散型液晶表示装置1の透明な領域を通過し
てきた不要な照明光が直接観察者の目に入ることがな
い。つまり観察者6に見えるのは散乱光S1とS2のみ
である。従って観察者には散乱状態にある画素P1及び
P2だけが輝いて見えるため、背景に重畳したコントラ
ストの高い画像が表示されることとなる。
【0027】本実施の形態の特徴は透明基板2よりも低
い屈折率を有する透明層3を一部の領域に設けたことで
あり、これにより図1に示すように2つの異なる色の表
示が可能なディスプレイ装置が得られている。即ち、デ
ィスプレイ装置の上方の領域Uでは波長λ1、下方の領
域Lでは波長λ2の表示が得られている。
【0028】後ほど図1を用いて2色表示の原理を詳細
に説明するが、その前に図2と図3を用いて、ホログラ
ムH0と透明基板2内を伝搬する光との関係をミクロに
説明する。
【0029】図2はホログラムH0の一部を取り出し、
その周期構造と光の関係を図示したものである。ここ
で、Nはホログラム媒体の法線ベクトルで、これが密着
されている透明基板表面の法線ベクトルでもある。Λ0
は微細周期構造(グレーティング)の周期間隔、K0は
グレーティングベクトル、φ0は微細周期構造の傾き
角、nHはホログラム媒体の屈折率である。
【0030】図中に示したように、このホログラムH0
はグレーティングベクトルK0とρ1なる角度で入射す
る波長λ1の光を反射し、同様にρ2なる角度で入射す
る波長λ2の光を反射する。この関係は次の式(1)
(2)で表され、これをブラグ条件という(πは円周
率)。
【0031】 K0=4πnHcosρ1/λ1=4πnHcosρ2/λ2 ・・・ (1) Λ0=2π/K0 ・・・ (2) 尚、Kogelnikの理論("Coupled wave theory of thick
hologram gratings, Bell Sys.Tech. J. 48, 2909 (196
9))によると、ホログラムの回折効率はブラグ条件を満
足する角度およびその極近傍において最大となり、その
角度を中心とするある角度範囲において有限の値を持つ
ことがわかる。従ってここで用いた「ρ1なる角度で入
射する波長1の光」、あるいは「ρ2なる角度で入射す
る波長λ2の光」、という表現は、それぞれの角度を中
心にして、ある角度幅を含む光線を意味するものであ
る。
【0032】さて一方、図3に示すように、冷陰極蛍光
管4を発した光は直接、あるいは反射ミラー5によって
反射されて透明基板2に入射する。図3はこうして入射
した光が、ある範囲内(θ<θc)に制限はされるもの
の、その範囲内では全く連続的に任意の角度で透明基板
内を伝搬していく様子を表している。また、その波長に
関しても全ての入射可能なスペクトラムを含んでいる。
尚、図3では端面中央の一点から入射する光のみを描い
たが、端面上のどの位置においても同様の角度制限を受
けた光のみが入射している。
【0033】この角度θcは全反射角と呼ばれ、透明基
板の屈折率をnSとしたときに次の式で表される。
【0034】nSsinθc=1 ・・・ (3) 上記のような伝搬光には、ホログラムH0に入射したと
きに波長λ1及びλ2に対するブラグ条件を満たす光線
が必ず含まれており、両方の波長が同時に回折される。
図4に示したように、この回折光はわずかに出射角度が
異なるため、離れたところでは2つの色を空間的に分離
することが可能であるが、本実施の形態のように照明装
置と分散型液晶表示装置を近接して配した構成のディス
プレイ装置においては、照明光としてその散乱画素に到
達した時点で2つの波長は空間的に十分には分離されて
おらず、結果として2つの色が混ざり合った照明光とな
って散乱画素を照明してしまう。
【0035】この2つの色を分離するために本実施の形
態で用いた手段は、図5に示すようにホログラムH0と
透明基板2との間の一部の領域に透明層3を設けたこと
である。この透明層3の屈折率nTは透明基板2の屈折
率nSに比べて低く(nT<nS)、両者の界面において
光の入射角度がある角度θを越えると全反射を起こす。
この全反射条件は次の式で表される。
【0036】nT≦nSsinθ ・・・ (4) 即ち、式(4)を満たす大きな角度で入射する光はこの
界面で全反射してしまい、ホログラムには到達しない。
従って、式(4)を満足する光線がたとえホログラムH
0に対してブラグ条件を満たす光線であったとしても、
ホログラムに到達し得ないがゆえに回折照明光が発生す
ることはない。
【0037】一方、図6に示すように、式(4)を満た
さない小さな角度で入射する光線はこの界面を透過する
ため、この光線がホログラムH0に対してブラグ条件を
満たす光線であるならば回折照明光となって回折され
る。
【0038】以上述べたように、入射角度による光線の
分離(全反射もしくは透過)が透明層3の働きである。
本実施の形態のように反射型ホログラムを用いた構成で
は、より短い波長の光が上記の全反射条件を満たし易く
なる。一方、透過型ホログラムを用いた構成では、より
長い波長の光が上記の全反射条件を満たし易くなる。
【0039】さて、図1に戻って、上記の構成による2
色表示の原理を適用した本実施の形態のディスプレイ装
置について説明する。
【0040】冷陰極蛍光管4を発した光は直接、あるい
は反射ミラー5によって反射され透明基板2に入射す
る。入射後、一部の光線は透明基板表面とホログラム表
面において全反射を繰り返しながら伝搬する。途中、ホ
ログラムH0による回折効果を全く受けずに透明基板2
のもう一つの端面にまで達する光線もある。
【0041】図中破線で示した光線B1は角度θ1で透
明基板2内を伝搬する波長λ1の光であり、式(4)を
満足するものである。また、図中実線で示した光線B2
は角度θ2で透明基板2内を伝搬する波長λ2の光であ
り、式(4)を満足しないものである。いずれも上述の
ブラグ条件式(1)を満たす光線であり、ホログラムH
0によって回折作用を受けるものである。尚、ρとθの
関係は次の式で表される。
【0042】θ1=ρ1+φ0 ・・・ (5) θ2=ρ2+φ0 ・・・ (6) 図7(a)に示すように光線B1は、上述した原理に基
づき、領域Lにおいて透明基板の表面と、透明基板2と
透明層3の界面において全反射し、ホログラムH0が透
明基板2と直接に密着している領域Uまで伝搬を続け
る。ここでホログラムH0によって回折され、」角度ω
1で大気中に出射される照明光I1となる。照明光I1
は分散型液晶表示装置1の散乱画素P1に入射し、散乱
表示光S1となり、観察者6の目に到達する。
【0043】一方、図7(b)に示すように光線B2は
領域Lにおいて、透明基板2と透明層3の界面で全反射
条件を満足せずこれを透過しホログラムH0によって回
折され角度ω2で大気中に出射される照明光I2とな
る。照明光I2は分散型液晶表示装置1の散乱画素P2
に入射し、散乱表示光S2となり、観察者6の目に到達
する。光線B2はこの領域Lにおいてほとんど照明光2
に変換されるため、領域Uに達する光量は極小量であ
り、従って、領域Uにおいて波長λ2の照明光はほとん
ど発生しない。
【0044】以上のようなメカニズムにより観察者6に
は画素P1とP2が異なった色の散乱画素として認識で
きることになる。
【0045】最後に本実施の形態で用いた具体的なパラ
メータの値を記述するが、本発明はこれらの具体的パラ
メータの値に限定されるものではない。
【0046】 冷陰極蛍光管 青、緑混色 管径3mm 反射ミラー アルミ蒸着フィルム 透明基板 BK7 nS=1.52 厚み 4mm 透明層 SiO2 nT=1.46 厚み 1μm 波長 λ1 = 485 nm λ2 = 545 nm ホログラム 光重合型フォトポリマ nH=1.5 厚み10μm 傾き角 φ0 = 45° 間隔 Λ0 = 0.19μm 入射角(λ1) θ1 = 79° 出射角(λ1) ω1 = 17°(大気中) 入射角(λ2) θ2 = 65° 出射角(λ2) ω2= 40°(大気中) 全反射角 74°(BK7/SiO2界面) 尚、ここで定義される出射角ω1及びω2は、分散型液
晶表示装置1への照明光としての概念を明確にするため
に大気中での値を記述した。本実施の形態の出射角度の
値はそれぞれ下向きに17°、40°と従来例に比べて
明らかに小さく、分散型液晶表示装置1の散乱画素によ
り観察者に向かって発せられる散乱光の強度を格段に向
上することができる。
【0047】図8は本実施の形態で使用した透明基板
(BK7)と透明層(SiO2)との界面における光の
透過率と入射角度との関係を表すグラフである。これよ
りS偏光、P偏光ともに入射角度74°近傍で全反射を
起こし、透過率が0となる様子がよくわかる。
【0048】尚、ここでは上記の材料で構成したが、も
ちろん他の材料の組み合わせも可能である。
【0049】図9は本実施の形態によるホログラムH0
の回折効率と入射角度との関係を表すグラフであり、2
つの波長485nm(λ1)と545nm(λ2)に対
する特性が示されている。簡便のためここではS偏光の
特性のみをプロットした。この図よりブラグ条件を満足
する波長485nmの光は中心入射角度79°でホログ
ラムに入射しなければならないことがわかる。最も浅い
角度で回折を起こす光の角度でさえ図8に示した透明基
板と透明層の界面での全反射角74°よりも大きい。従
って、回折条件を満たす波長485nmの光はここで全
て全反射してしまうため、この透明層のある領域では波
長485nmの回折照明光は生じ得ないことがわかる。
【0050】本実施の形態において透明層を構成したS
iO2はスパッタリングによって形成された厚み約1μ
mの薄膜である。透明層の膜厚が薄い場合には全反射条
件を満足する角度で入射する光線も透明層を越えてホロ
グラム側に漏れ出すことがあり得るが、ここで形成した
厚み1μmの薄膜ではその漏れ光がほとんどなく、あた
かもバルクのSiO2が存在する場合と同様に全反射条
件を満たすものであった。
【0051】図10は本実施の形態のホログラムH0を
作製するための露光光学系を示すものである。図中、1
0はアルゴンレーザ、用いた波長は514.5nm、偏
光方向は紙面垂直方向である。11、15、16はそれ
ぞれ反射ミラー、12はビームスプリッタ、13は参照
光、14は物体光、17は第1のガラスブロック、18
は第2のガラスブロック、19はホログラム基板であ
る。
【0052】アルゴンレーザ10を発した光は、反射ミ
ラー11で光路偏向され、図には示していないビーム拡
大光学系を通してホログラムの大きさに拡大され、ビー
ムスプリッタ12によって参照光13と物体光14とに
分割される。参照光13は反射ミラー15によって光路
偏向され、所定の設定角で露光部にいたる。参照光14
は反射ミラー16によって光路偏向され、所定の設定角
で露光部にいたる。露光部には第1のガラスブロック1
7と第2のガラスブロック18とに挟まれたホログラム
基板19が置かれており、これら全体が所定の設定角度
で設置されている。
【0053】図11はホログラム基板のセッティング状
況をもう少し詳しく説明したものである。図示したよう
に第1のガラスブロック17とホログラムH0は屈折率
整合液20を介して密着されている。ホログラムH0は
屈折率整合液20また透明基板2と第2のガラスブロッ
ク18は屈折率整合液21を介して密着されている。参
照光13は第1のガラスブロック17の端面から入射
し、ホログラムH0に到達する。一方の物体光14は第
2のガラスブロック18の端面から入射し、透明基板2
を通ってホログラムH0に到達する。あるいは透明基板
2と透明層3を通ってホログラムH0に到達する。ここ
で干渉縞を形成し、そのパターンがホログラムとして焼
き付けられる。このセッティングにおいては図11の上
方が画面上方に対応している。
【0054】尚、ここでは参照光13を第1のガラスブ
ロック17を通じてホログラム側から入射させたが、第
2のガラスブロック18の端面を通じて透明基板2側か
ら入射させてもよい。このとき物体光は第1のガラスブ
ロック17の表面を通じてホログラムH0側から入射さ
せることになる。
【0055】本実施の形態ではホログラム材料として平
均屈折率1.5の光重合型フォトポリマを使用した。露
光後、紫外線ランプにて均一な照射を行い全面を光重合
させた。ホログラム材料はこれに限らず、銀塩、重クロ
ム酸ゼラチン等を用いてもよい。
【0056】また必要に応じて各ガラスブロックに光吸
収体を密着させ、不要な光を吸収してもよい。また、各
ガラスブロックの形状はここで示したような方形に限ら
ず、例えば3角プリズムなども使用可能である。
【0057】以上第1の実施の形態として述べてきたよ
うに、本発明によれば2色の散乱表示が可能で、かつ透
明なディスプレイ装置が実現できる。
【0058】尚、上でも少し述べたが、透過型ホログラ
ムを用いた構成では、より長い波長の光が透明基板2と
透明層3の界面における全反射条件を満たし易くなる。
従って、表示色の波長の大小関係は逆転し、画面上方で
波長のより長いλ2の色表示が得られ、そして画面下方
で波長のより短いλ1の色表示が得られる。
【0059】本実施の形態のディスプレイ装置は以下の
ようなバリエーションを得ることが可能である。
【0060】図12は本実施の形態のディスプレイ装置
画面の正面図であり、画面内で構成し得る表示色の配置
を示したものである。尚、ここでは光源は画面下方に配
置されているものとする。
【0061】図12(a)は、これまで述べてきたよう
な、画面下方でλ2、画面上方でλ1を表示色とする配
置である。それぞれの表示領域の大きさは任意に設定可
能である。図12(b)は、画面左側でλ2、画面右側
でλ1を表示色とする配置である。表示領域の左右は入
れ換えることが可能であり、またその大きさは任意に設
定可能である。図12(c)は、画面左側及び下方でλ
2、画面右上方でλ1を表示色とする配置である。表示
領域の左右は入れ換えることが可能であり、またその大
きさは任意に設定可能である。さらに、本発明の他の構
成をこれに付加することで、より良好な結果を得ること
ができる。
【0062】例えば、図12(b)または(c)のよう
に、画面の上下方向に長い領域にわたって同一色の表示
を行う場合には、次に述べるような構成を取ることがよ
り好ましい。
【0063】(C1)ホログラムの屈折率変調度に分布
をもたせる構成 (C2)ホログラムの微細周期構造の傾き角(及び周期
間隔)に分布をもたせる構成 (C3)(C1)と(C2)を組み合わせた構成 勿論この構成は図12(a)における各色の表示領域の
いずれかが上下方向に長い領域に設定される場合にも有
効である。
【0064】簡便のため一つの表示領域を例にとってま
ず構成(C1)について説明する。図13はホログラム
H0の一部を拡大したものであるが、ここではその屈折
率変調度を上下方向に分布するように構成してある。即
ち、光源により近い画面下方では屈折率変調度を小さく
設定し、光源から離れた画面上方では屈折率変調度を大
きく設定してある。このような構成を取ることで、画面
の上下方向において照明光の強度が均一化できる。従っ
て、本実施の形態のディスプレイ装置の輝度を均一化で
きる。その理由を図14を用いて述べる。
【0065】図14は透明基板の中を光が伝搬する様子
を模式的に示したものである。この伝搬光がホログラム
によって回折照明光となるわけであるが、もし領域Aで
最初にホログラムに到達した伝搬光をホログラムが高い
回折効率で照明光に変換したとすると、そこで伝搬光の
大部分が消費されてしまうことになる。極端な場合、領
域Aで100%の回折効率で照明光に変換したとする
と、そこで伝搬光が全て消費されてしまうことになる。
つまり、さらに伝搬を続けて領域Bでホログラムに到達
する光はなくなってしまう。従って照明光の分布は最下
方でたいへん明るく、それよりも上方では全く照明光が
ない状況となる。この問題の根元は、領域Aでの回折効
率を極端に高く設定したことにある。一般に回折効率は
屈折率変調度の大小で決まるため、上で述べたような構
成を取ることで、光源により近い画面下方では回折効率
が小さくなり、光源から離れた画面上方では回折効率が
大きくなり、従って画面下方での伝搬光の消費を少なく
押さえ、残った伝搬光を画面上方に分配できるため、本
実施の形態のディスプレイ装置の輝度を均一化できる。
【0066】尚、厳密に言えば、透過ホログラムの場
合、構成(C1)に従って分布した屈折率変調度が大き
くなりすぎると回折効率が減少する場合があるが、これ
は構成(C1)によって本発明が意図するところではな
い。また、反射ホログラムの場合、構成(C1)に従っ
て分布した屈折率変調度が大きくなると回折効率が10
0%に漸近していく。その後は回折効率と言うよりも角
度依存性、あるいは波長依存性の幅が拡大することでホ
ログラムの明るさが増していく。従って、「回折効率」
ではなく「屈折率変調度」で記述したことに意義があ
る。
【0067】次に、上記のような屈折率変調度の分布を
得るための方法を図15を用いて説明する。図15は図
10で示した露光光学系における参照光と物体光の画面
上下方向の光強度分布を示したものである。
【0068】図15(a)は参照光と物体光ともに画面
下方で光強度が低く、画面上方で光強度が高く、かつ両
者の強度比が概略1:1となるように設定した例で、最
も一般的に知られている手法である。こうすることで画
面下方では露光量が少なく、画面上方では露光量が多く
なるため、上記の屈折率分布を得ることができる。
【0069】図15(b)は画面上方で参照光と物体光
の光強度がほぼ等しく、画面下方では参照光強度をより
高く、一方物体光強度をより低く設定した例である。こ
のように設定することで、画面下方では干渉縞の変調度
が小さく、画面上方では干渉縞の変調度が大きくなり、
上記の屈折率分布を得ることができる。
【0070】図15(b)のような光強度設定でホログ
ラム作製を行うことによるもう一つの特徴ある効果は、
ホログラムの白濁を少なく押さえることができるという
点である。
【0071】一部のホログラム材料ではホログラム作製
時の露光量が少ない場合に、あたかも霞がかかったかの
ような白濁を生じることがある。本発明のような透明な
ディスプレイ装置において、この白濁はその品質を著し
く損なうことになる。
【0072】これを避けるためにはホログラム全体での
露光量をある一定量以上に保つことが必要になるが、図
15(a)のような光強度分布の設定では、必ず画面下
方で露光量が少なくなり、白濁が生じ易い。露光時間を
長くして画面下方での露光量を白濁がなくなる程度に増
加させると今度は画面下方での回折効率が高くなってし
まい、上に述べたような理由で、画面上下方向での輝度
の均一化が実現できなくなる。
【0073】従って、白濁の除去と最適な屈折率変調分
布を同時に実現するためには図15(b)に示したよう
な光強度分布の設定が適していることがわかる。特に、
参照光と物体光の光強度の和が一定となるように設定す
ることで、画面全体にわたって良好な結果を得ることが
できる。
【0074】尚、以上はディスプレイ装置の輝度の均一
化に関して記述してきたが、図15(c)に示すような
光強度分布を設定することにより、画面中央近傍で特に
輝度を高めることが可能になる。ここでの光強度分布の
設定の特徴は、参照光と物体光の光強度分布が反転して
いる点にある。このように設定することで、画面中央近
傍での干渉縞の変調度が最大となり、画面上方あるいは
下方に向かうにつれて変調度が下がっていく。従って、
画面中央近傍での屈折率変調度が最も高いホログラムが
作製でき、ここでの画面輝度が高くなる。
【0075】またこれまでは光強度について議論してき
たが、レーザ光の可干渉性の分布によって屈折率変調の
分布を実現することもできる。
【0076】図16に示すように、ある設定角度で交差
する参照光と物体光の等位相面は互いに傾斜している。
例えば、ある1点Aにおいて参照光と物体光それぞれの
伝搬距離が全く等しいとする。このとき参照光の等位相
面上にあるB点においては物体光が遅れている、またC
点においては物体光が進んでいる。従って、B点あるい
はC点では2つのビームの進みと遅れによる光路長差が
あり、干渉縞の変調度はA点に比べ低下している。もし
この光路長差が、レーザの可干渉距離と同等のオーダで
あるとするならば、B点とC点での干渉縞の変調度は著
しく低下することになる。実際に本実施の形態で使用し
たアルゴンレーザでは、エタロンを用いない場合には可
干渉距離は数十mmまで低下するため、上下幅約60m
mのホログラム面内で、干渉縞の変調度が屈折率変調の
分布を形成するのに適切なレベルまで低下する領域があ
ることがわかった。このような条件で露光を行った結
果、画面の輝度を均一化する上で良好な屈折率変調の分
布が得られた。同時に、光強度を全面で均一に設定でき
るため、露光量が一定となり、全面で白濁の発生を抑制
することができた。
【0077】次に、もう一つの構成(C2)について説
明する。図17はホログラムH0の一部を拡大したもの
であるが、ここではその微細周期構造の傾き角が画面の
上下方向に分布するように構成してある。即ち、光源に
より近い画面下方では傾き角を小さく設定し、光源から
離れた画面上方では傾き角を大きく設定してある。この
ような構成を取ることで、画面の上下方向において照明
光の強度が均一化できる。従って、本実施の形態のディ
スプレイ装置の輝度を均一化できる。その理由を図18
を用いて述べる。
【0078】図18は透明基板の中を光が伝搬する様子
を模式的に示したものである。この伝搬光がホログラム
によって回折照明光となるわけであるが、A点で最初に
ホログラムに到達した伝搬光30をホログラムが高い回
折効率で照明光に変換し、そこで伝搬光30の大部分が
消費されてしまったとする。ところがB点で伝搬角度の
異なる伝搬光31に対して高い回折効率をもつようなホ
ログラムがあるならば、A点における伝搬光30の損失
は問題とならない。このように、画面上下方向での異な
る位置において、回折が起きる最適な条件に変化を持た
せておくことで、本実施の形態のディスプレイ装置の輝
度を均一化できると同時に大幅に向上させることができ
る。
【0079】このような構成のホログラムの作製は、図
19に示すように、参照光の光路にシリンドリカルレン
ズを挿入することで実現できる。これにより、微細周期
構造の傾き角と同時に周期間隔が画面上下方向に分布を
持つようなホログラムが作製できる。
【0080】尚、図19では凸シリンドリカルレンズを
用いたが、これを凹シリンドリカルレンズに置き換える
ことで、傾き角が画面下方で小さく、画面上方で大きい
ホログラムが作製できる。このようなホログラムもまた
位置によって伝搬光が回折を起こす最適な条件が異なる
ため、本実施の形態のディスプレイ装置の輝度を均一化
すると同時に向上させることができる。
【0081】また、構成(C3)のように屈折率変調の
分布と、傾き角の分布を組み合わせることでより輝度が
高く、かつ輝度の均一度が高いディスプレイ装置を得る
ことができる。あるいは、画面の位置によって任意の輝
度分布を持つディスプレイ装置を実現することができ
る。
【0082】さらに、ホログラムを多重ホログラムとす
ることでいくつかの特徴ある効果を得ることができる。
【0083】図20はホログラム多重化の様子を説明す
るための分解図である。ここでは同一のホログラム領域
にこれまで述べてきたホログラムH0と、これに重ねて
第2のホログラムHmが多重構成されている。このホロ
グラムHmはホログラムH0の回折条件に合わない伝搬
光を偏向し、前記回折条件に合う伝搬光に変換するよう
構成されている。
【0084】ホログラムH0の回折条件に合わない伝搬
光は、回折作用を受けることなく伝搬を続け透明基板2
の反対側の端面に達して、そこで基板の外に出ていくた
め、照明光として全く寄与しない無駄な光である。
【0085】また以前に、一部の領域、特に画面下方で
ホログラムの屈折率変調度を低く押さえることで輝度の
均一化を図ることができるということを述べてきたが、
これではホログラム媒体の持っている性能を無駄に捨て
てしまっていることになる。
【0086】従って、ホログラム媒体の利用されずに捨
てられている屈折率変調能を利用してホログラムHmを
多重化して構成すれば、伝搬光を有効に利用でき、輝度
の高いディスプレイ装置を得ることができる。
【0087】また、ホログラム媒体の利用されずに捨て
られている屈折率変調能を利用して固定パターンを焼き
付けることも可能である。
【0088】図21は、以上述べたような構成を有する
ディスプレイ装置の例で、自動車に搭載して使用される
ナビゲーション情報の表示装置である。
【0089】ここでは、ナビゲーション情報としての右
左折矢印パターン、およびスピード情報が散乱表示情報
として表示される。これらは広い観察角度から認識で
き、その表示色が変わることはない。また、固定パター
ンとして交差点の状況を表すパターンを表示した。ここ
で固定パターンは分散型液晶表示装置の透明な領域を通
して直接観察者の目に届くようにするため出射方向は画
面に対してほぼ垂直な方向に設定した。この固定パター
ンのホログラムはレインボータイプにすることもでき、
この場合、見る位置によって色が7色に変わる。このデ
ィスプレイ装置を運転席のダッシュボード上に配置した
ときに、上記の情報を見ながら、このディスプレイ装置
を通して前方の路面状況を見ることが可能であることを
確認した。
【0090】尚、本実施の形態において、光源として冷
陰極蛍光管と反射ミラーを用いたがこれに限定されるも
のではない。反射ミラーを用いない構成も可能である。
【0091】また、光源として、有機発光素子を用いて
もよい。また、離れたところにある光源の光を光ファイ
バによって透明基板の端面から入射させてもよい。いず
れも光源からの光を平行化するような手段を用いること
なく非平行光のまま透明基板の端面に入射させればよ
い。この端面に近接してそれぞれの光源、あるいは光フ
ァイバの光出射部を配置させることがより好ましい。平
行化した光線、例えばレーザ光などが使用可能であるこ
とは言うまでもない。
【0092】(第2の実施の形態)以下本発明の第2の
実施の形態であるディスプレイ装置について、図面を参
照しながら説明する。
【0093】図22は本実施の形態によるディスプレイ
装置の構成図であり、分散型液晶表示装置1、透明基板
2、透明層3、反射型のホログラムH1、反射型のホロ
グラムH2、冷陰極蛍光管4、反射ミラー5を組み合わ
せた構成となっている。
【0094】尚、第1の実施の形態と同様、前記表示装
置1は図41に従来例として説明した従来の表示装置か
ら照明光源46、光吸収板47、及びカラーフィルタ4
8を取り除いた以外は基本的に構成は変わらないもので
あり、図ではこの表示装置を簡略化して描いた。
【0095】分散型液晶表示装置1は液晶層の前方散乱
を用いて画像を表示するものである。即ち、ホログラム
H1が配された領域Uを例にとれば、ホログラムH1か
らの回折照明光I3が散乱状態にある画素P3を後ろ側
から照明し、この画素によって観察者側に散乱される前
方散乱光S3が表示画像を構成する。その画素構成はド
ットマトリックスでもよいし、パターン、あるいはパタ
ーンの組み合わせでもよい。
【0096】ホログラムH1及びH2は透明基板2の端
面から入射した光のみを基板外部に出射するように構成
された、いわゆる体積位相型の反射型エッジリットホロ
グラムである。このホログラムに透明基板2の表面から
入射する光が回折されて回折照明光を形成することがな
いため、外見上は透明である。従って、分散型液晶表示
装置1を透明状態に設定すればこのディスプレイ装置の
画像表示部全体が透明となり、その背景をあたかもガラ
ス越しにみる景色のごとく見ることができる。
【0097】またホログラムH1及びH2は、回折照明
光I3及びI4を下方に傾いた方向に出射させるよう構
成されているため、分散型液晶表示装置1の透明な領域
を通過してきた不要な照明光が直接観察者の目に入るこ
とがない。つまり観察者6に見えるのは散乱光S3とS
4のみである。従って観察者には散乱状態にある画素P
3及びP4だけが輝いて見えるため、背景に重畳したコ
ントラストの高い画像が表示されることとなる。
【0098】本実施の形態の特徴は透明基板2よりも低
い屈折率を有する透明層3を一部の領域に設けたこと
と、透明層3のある領域とない領域とでホログラムの構
成を変えたことである。これにより図22に示すように
2つの異なる色の表示が可能で照明光の出射角度を等し
くすることも可能なディスプレイ装置が得られる。さら
に表示色の順序を任意に設定できるディスプレイ装置が
得られる。即ち、図22ではディスプレイ装置の上方の
領域Uでは波長λ1、下方の領域Lでは波長λ2の表示
をするように描かれているが、上方の領域Uで波長λ
2、下方の領域Lで波長λ1の表示を行うことも可能と
なる。
【0099】後ほど図22を用いて2色表示の原理を詳
細に説明するが、その前に図23と図24を用いて、ホ
ログラムH1と透明基板2内を伝搬する光との関係をミ
クロに説明する。尚、ホログラムH2としては第1の実
施の形態で説明したホログラムH0をそのまま適用でき
るため説明を省略するが、ホログラムH2の構成がこれ
に限定されるものではない。
【0100】図23はホログラムH1の一部を取り出
し、その周期構造と光の関係を図示したものである。こ
こで、Nはホログラムの法線ベクトルで、透明基板の表
面の法線ベクトルでもある。Λ1はグレーティングピッ
チ、K1はグレーティングベクトル、φ1はグレーティ
ングの傾き角である。図中に示したように、このホログ
ラムH1はグレーティングベクトルK1とρ3なる角度
で入射する波長λ1の光を反射し、同様にρ4なる角度
で入射する波長λ2の光を反射する。この関係、即ちブ
ラグ条件は次式で表される。
【0101】 K1=4πnHcosρ3/λ1=4πnHcosρ4/λ2 ・・・ (7) Λ1=2π/K1 ・・・ (8) 尚、第1の実施の形態の項でも述べたのと同様の理由で
「ρ3なる角度で入射する波長λ1の光」、あるいは
「ρ4なる角度で入射する波長λ2の光」、という表現
は、それぞれの角度を中心にして、ある角度幅を含む光
線を意味するものである。
【0102】さて一方、図24に示すように、冷陰極蛍
光管4を発した光は直接、あるいは反射ミラー5によっ
て反射されて透明基板2に入射する。図24はこうして
入射した光が、ある範囲内(θ<θc、θcは式3で示
される全反射角)に制限はされるものの、その範囲内で
は全く連続的に任意の角度で透明基板内を伝搬していく
様子を表している。また、その波長に関しても全ての入
射可能なスペクトラムを含んでいる。尚、図24は端面
中央の一点から入射する光のみを描いたが、端面上のど
の位置においても同様の角度制限を受けた光のみが入射
している。
【0103】従って、もしこのような伝搬光の中に、ホ
ログラムH1に入射したときに波長λ1及びλ2に対す
るブラグ条件を満たす光線が含まれているならば、両方
の波長が同時に回折される。この回折光はわずかに出射
角度が異なるため、離れたところでは2つの色が空間的
に分離されるが、本実施の形態のように照明装置と分散
型液晶表示装置を近接して配した構成のディスプレイ装
置においては、照明光としてその散乱画素に到達した時
点で2つの波長は空間的に十分には分離されておらず、
結果として2つの色が混ざり合った照明光となって散乱
画素を照明してしまう。
【0104】さて、2つの色を分離するために本実施の
形態で用いた手段は、透明基板2よりも低い屈折率を有
する透明層3をホログラムH2と透明基板2との間に設
けたことと、波長λ2に対してホログラムH1の微細周
期構造の周期間隔と傾き角を次式のごとく構成したこと
である。
【0105】 φ1+cosー1(λ2/2nHΛ1)+sin-1(1/nS)>π/2 ・・・(9) この式(9)はホログラムH1のブラグ条件を満足する
べき波長λ2の伝搬角度が全反射角θcよりも大きくな
るための条件を示している。但し、ここでの波長λ2の
伝搬角度は透明基板の端面の法線方向から測った角度で
ある。
【0106】図24に示したように、透明基板内でこの
角度を越えて端面中央に到達する光は、即ち図中斜線部
を通ってくる光は、端面から外にでることはなく、全て
反射して再び透明基板内に戻っていく。一方、外部から
端面を通じて入射する光は外部入射角度が大きくなるに
つれて基板内の屈折角度が大きくなり次第にθcに近づ
いて行く。外部入射角度が90度となったときに屈折角
度はようやくθcに達するがこれを越えることはない。
従って、図中に示した斜線部に入り込むことができる光
は存在しない。この斜線部のことを禁止帯という。
【0107】つまり、式(9)は、図25に示すように
波長λ2の光線をこの禁止帯に追いやるための条件であ
る。これによってホログラムH1で回折されるべき波長
λ2の光線は、ホログラムどころか透明基板にさえ入射
できなくなるのである。ゆえにホログラムH1から回折
されるのは波長λ1の光線だけになり、この領域での単
色化が実現できることになる。
【0108】以上述べてきたように、反射型ホログラム
の場合、より長波長側の光が禁止帯に追いやられる。一
方透過型ホログラムの場合は逆で、より短波長側の光が
禁止帯に追いやられる。
【0109】また、次式は反射型ホログラムに限って成
立することであるが、上と同様に、より長波長側の光を
回折させないための条件である。
【0110】λ/2nHΛ>1 ・・・ (10) ここでΛはホログラムの微細周期構造の周期間隔、nH
はホログラムの平均屈折率である。この条件を満たす反
射型ホログラムは決して波長λの光を回折することはな
い。つまり、式(10)を満たすΛは波長λの光の干渉
によって形成される干渉縞の最小周期間隔よりも小さい
ため、この光はあたかも何もないかのようにこの反射ホ
ログラムを透過してしまうのである。
【0111】式(9)による制限条件と式(10)によ
る制限条件とは、一般に一致しないが、後で記述する本
実施の形態の具体的なパラメータに関して言えば、式
(9)の制限条件が式(10)の制限条件を包含してい
るため、ここでは式(9)だけを考慮した説明を行っ
た。
【0112】さて、図22に戻って、上記の構成による
2色表示の原理を適用した本実施の形態のディスプレイ
装置について説明する。尚、この実施の形態では伝搬角
度θ2で入射する波長λ1の伝搬光が出射角ω2で回折
されるようにホログラムH1を構成した。この入射角度
及び出射角度は波長λ2の光がホログラムH2で回折さ
れる角度条件に一致している。これは、このような制約
を受けることを意味するのではなく、上記構成の2色表
示の原理によって自由度が増し、このような構成を取る
ことも可能になったことを意味するものである。
【0113】冷陰極蛍光管4を発した光は直接、あるい
は反射ミラー5によって反射され透明基板2に入射す
る。入射後、一部の光線は透明基板表面とホログラム表
面において全反射を繰り返しながら伝搬する。途中、ホ
ログラムH2やH1による回折効果を全く受けずに透明
基板2のもう一つの端面にまで達する光線もある。
【0114】図中実線で示した光線B3は角度θ2で透
明基板2内を伝搬する波長λ1と波長λ2の光である。
いずれもブラグ条件を満たす光線であり、それぞれホロ
グラムH1とホログラムH2によって回折作用を受ける
ものである。尚、θ2とρとの関係は次の式で表され
る。
【0115】 θ2=ρ3+φ1=ρ4+φ2 ・・・ (11) 光線B3は、第1の実施の形態で述べた原理と同様に、
透明基板の表面と、透明基板2と透明層3の界面におい
て全反射し、ホログラムH1が透明基板2と直接に密着
している領域まで伝搬を続ける。ここでホログラムH1
によって回折され照明光I3となる。照明光I3は分散
型液晶表示装置1の散乱状態にある画素P3に入射し、
散乱表示光S3となり、観察者6の目に到達する。
【0116】そして、本来ならば、ホログラムH1のブ
ラグ条件を満足すべき波長λ2の光は、図26の領域U
の拡大図で示されるように禁止帯に追いやられているた
め透明基板2に入射できない。従って、ホログラムH1
で波長λ2の光が回折を起こすことはなく、照明光はλ
1単色となる。
【0117】一方の光線B4は、第1の実施の形態で述
べたのと同様に(図7(b)参照)透明基板2と透明層
3の界面において全反射条件を満足せずこれを透過しホ
ログラムH2によって回折され照明光I4となる。照明
光I4は分散型液晶表示装置1の散乱状態にある画素P
4に入射し、散乱表示光S4となり、観察者6の目に到
達する。
【0118】以上のようなメカニズムにより観察者6に
は画素P3とP4が異なった色の散乱画素として認識で
きることになる。
【0119】尚、ここでは透明層3をホログラムH2の
領域のみに限定して配置したが、ホログラムH1の領域
に透明層3があっても全く同様の効果が得られることを
ここに付記しておく。
【0120】最後に本実施の形態で用いた具体的なパラ
メータの値を記述するが、本発明はこれらの具体的パラ
メータの値に限定されるものではない。
【0121】 冷陰極蛍光管 青、緑混色 管径3mm 反射ミラー アルミ蒸着フィルム 透明基板 BK7 nS=1.52 厚み 4mm 透明層 SiO2 nT=1.46 厚み 1μm ホログラムH1 光重合型フォトポリマ nH=1.5 厚み10μm λ1 = 485nm φ1 = 45° Λ1 = 0.17μm θ2 = 65° ω2 = 40°(大気中) ホログラムH2 光重合型フォトポリマ nH=1.5 厚み10μm λ2 = 545 nm φ2 = 45° Λ2 = 0.19μm θ2 = 65° ω2 = 40°(大気中) 全反射角 74°(BK7/SiO2界面) 尚、ここで定義される出射角ω2は、分散型液晶表示装
置1への照明光としての概念を明確にするために大気中
での値を記述した。この出射角度をより小さく設定し、
散乱表示の輝度をさらに高めることはもちろん可能であ
る。
【0122】図27は本実施の形態によるホログラムH
1の回折効率と入射角度との関係を表すグラフであり、
2つの波長485nm(λ1)と545nm(λ2)に
対する特性が示されている。簡便のためここではS偏光
の特性のみをプロットした。P偏光に対する特性はその
主ピークにおいてS偏光の特性を越えることはないた
め、以下の説明に矛盾を生じることはない。また、ここ
での屈折率変調度は0.03とした。
【0123】図27において波長545nmに対応する
曲線の中心は48.8°より左側の禁止帯に追いやられ
ているため、曲線の裾野のわずかな信号のみが見えてい
る。これはディスプレイ装置の色表示にはほとんど寄与
しないため、ここでは波長485nmの青色単色の表示
が実現できる。
【0124】本実施の形態の特徴ある効果は、画面の上
下で表示色を任意に設定できる点である。すなわち、画
面上方に透明層とホログラムH2、画面下方にホログラ
ムH1を配することで、画面上方でλ2の色表示、画面
下方でλ1の色表示が可能となる。これは本発明の構成
によってホログラムH1とホログラムH2がそれぞれ独
立に色の選択を行うことを可能としたことによる著しい
効果である。
【0125】従って、本実施の形態のディスプレイ装置
は以下のようなバリエーションを得ることが可能であ
る。
【0126】図28は本実施の形態のディスプレイ装置
画面の正面図であり、画面内で構成し得る表示色の配置
を示したものである。尚、ここでは光源は画面下方に配
置されているものとする。
【0127】図28(a)は、これまで述べてきたよう
な、画面下方でλ2、画面上方でλ1を表示色とする配
置である。それぞれの表示領域の大きさは任意に設定可
能である。図28(b)は、画面左側でλ2、画面右側
でλ1を表示色とする配置である。表示領域の左右は入
れ換えることが可能であり、またその大きさは任意に設
定可能である。図28(c)は、画面左側及び下方でλ
2、画面右上方でλ1を表示色とする配置である。表示
領域の左右は入れ換えることが可能であり、またその大
きさは任意に設定可能である。図28(d)は、これま
で述べてきたものとは色の順序が逆転しており、画面下
方でλ1、画面上方でλ2を表示色とする配置である。
それぞれの表示領域の大きさは任意に設定可能である。
図28(e)は、画面左側及び上方でλ2、画面右下方
でλ1を表示色とする配置である。表示領域の左右は入
れ換えることが可能であり、またその大きさは任意に設
定可能である。図28(f)は、画面下方でλ2、画面
中央でλ1、そして画面上方で再びλ2を表示色とする
配置である。さらに複数回2つの色を順番に表示するこ
とも可能である。また、波長の順序は入れ替え可能であ
り、領域の大きさは任意に設定可能である。
【0128】尚、上でも述べたように、透過型ホログラ
ムを用いた構成では、より長い波長の光が透明基板2と
透明層3の界面において全反射条件を満たし易くなる。
さらに、より短い波長の光が禁止帯に追いやられる。従
って、表示色の波長の大小関係は逆転する。
【0129】また、本実施の形態のディスプレイ装置に
用いられるホログラムは図10、あるいは図19に示し
た露光系で、参照光、物体光の設定角度をホログラムH
1とH2それぞれにわずかに変え、及び参照光、物体光
それぞれの領域にマスクを配置し、順番に露光すること
で得ることができる。
【0130】以上第2の実施の形態として述べてきたよ
うに、本発明によれば2色の散乱表示が可能で、かつ透
明なディスプレイ装置が実現できる。尚、本実施の形態
に本発明の他の構成を付加することでさらに良好な結果
を得ることが可能であることは第1の実施の形態と同様
であるが、その内容については第1の実施の形態の項で
詳細に記述したのでここでは省略する。
【0131】さて、以上述べてきた2つの実施の形態で
示された本発明の特徴ある構成及び効果を反射ホログラ
ムの場合に限って整理すると次のようになる。
【0132】(1)低屈折率透明層の存在によって、短
波長側の光をホログラムに入射させない。
【0133】(2)禁止帯に追いやることで、長波長側
の光をホログラムに入射させない。これらの構成によっ
て回折光の単色化を実現するものである。
【0134】尚、透過ホログラムの場合、波長の長短の
関係が逆転することは上述のとおりである。
【0135】さて、これらの特徴を活かすことによっ
て、3つの異なる波長が存在した場合にもそれぞれの波
長を分離して照明光を得ることができるようになる。こ
れを実現した例を第3の実施の形態として以下詳細に説
明する。
【0136】(第3の実施の形態)以下本発明の第3の
実施の形態であるディスプレイ装置について、図面を参
照しながら説明する。図29は、本実施の形態によるデ
ィスプレイ装置の構成図であって、分散型液晶表示装置
1、透明基板2、透明層3、反射型のホログラムH1
0、H20,H30、冷陰極蛍光管4、反射ミラー5を
組み合わせた構成となっている。
【0137】尚、第1及び第2の実施の形態と同様、前
記分散型液晶表示装置1は図41に従来例として説明し
た従来の表示装置から照明光源46、光吸収板47、及
びカラーフィルタ48を取り除いた以外は基本的に構成
は変わらないものであり、図ではこの表示装置を簡略化
して描いた。
【0138】ホログラムH10、H20,およびH30
は透明基板2の端面から入射した光のみを基板外部に出
射するように構成された、いわゆる体積位相型のエッジ
リットホログラムであり、透明基板2の表面から入射す
る光が回折されることで回折照明光を形成することがな
いため、外見上は透明である。従って、分散型液晶表示
装置1を透明状態に設定すればこのディスプレイ装置の
画像表示部全体が透明となり、その背景をあたかもガラ
ス越しにみる景色のごとく見ることができる。またホロ
グラムH10、H20,およびH30は、それぞれ異な
る波長の回折照明光I10、I20及びI30を下方に
傾いた同じ方向に出射させるよう構成されているため、
分散型液晶表示装置1の透明な領域を通過してきた不要
な照明光が直接観察者の目に入ることがない。従って観
察者には散乱状態にある画素P10、P20及びP30
だけが輝いて見えるため、背景に重畳したコントラスト
の高い画像が表示されることとなる。
【0139】本実施の形態の特徴は透明基板2よりも低
い屈折率を有する透明層3を全領域に設けたことと、3
つの領域それぞれでホログラムの構成を本発明の主旨に
基づいて変えたことである。これにより3つの異なる色
の表示が可能で図29に示すように各照明光の出射角度
を等しくすることも可能なディスプレイ装置が得られて
いる。これは、このような制約を受けることを意味する
のではなく、上記構成の3色表示の原理によって自由度
が増し、このような構成を取ることも可能になったこと
を意味している。
【0140】さらに、表示色の順序を任意に設定できる
ディスプレイ装置となっている。即ち、図29ではディ
スプレイ装置の上方で波長λ3、中央で波長λ2、そし
て下方では波長λ1の表示をするように描かれている
が、上からλ2、λ3、λ1、あるいはλ1、λ3、λ
2等の順序で表示を行うことも可能となる。
【0141】後ほど図29、及びその分解図である図3
1から33を用いて2色表示の原理を詳細に説明する
が、その前に図30を用いて、ホログラムH30と透明
基板2内を伝搬する光との関係をミクロに説明する。
尚、ホログラムH10とH20としては第2の実施の形
態で説明したホログラムH1とH2をそのまま適用でき
るため、後でその概略を記述するだけにとどめておく
が、ホログラムH10とH20の構成がこれに限定され
るものではない。
【0142】図30はホログラムH30の一部を取り出
し、その周期構造と光の関係を図示したものである。こ
こで、Nはホログラムの法線ベクトルで、透明基板の表
面の法線ベクトルでもある。Λ3はグレーティングピッ
チ、K3はグレーティングベクトル、φ3はグレーティ
ングの傾き角である。図中に示したように、このホログ
ラムH30はグレーティングベクトルK3とρ5なる角
度で入射する波長λ1の光を反射し、同様にρ6なる角
度で入射する波長λ2の光、およびρ7なる角度で入射
する波長λ3の光を反射する。この関係、即ちブラグ条
件は次式で表される。尚、ここでの波長λ1、λ2、及
びλ3はこの順番に波長が長くなるものとした。
【0143】 K3=4πnHcosρ5/λ1 =4πnHcosρ6/λ2 =4πnHcosρ7/λ3 ・・・ (12) Λ3=2π/K3 ・・・ (13) 尚、第1の実施の形態の項でも述べたのと同様の理由で
「ρ5なる角度で入射する波長λ1の光」、「ρ6なる
角度で入射する波長λ2の光」、あるいは「ρ7なる角
度で入射する波長λ3の光」、という表現は、それぞれ
の角度を中心にして、ある角度幅を含む光線を意味する
ものである。
【0144】他の実施の形態の項で説明したように、ホ
ログラムH30に入射したときに波長λ1、λ2及びλ
3に対するブラグ条件を満たす光線が伝搬光の中に含ま
れているならば、3つの波長が同時に回折される。この
回折光はわずかに出射角度が異なるため、離れたところ
では3つの色が空間的に分離されるが、本実施の形態の
ように照明装置と分散型液晶表示装置を近接して配した
構成のディスプレイ装置においては、照明光としてその
散乱画素に到達した時点で3つの波長は空間的に十分に
は分離されておらず、結果として3つの色が混ざり合っ
た照明光となって散乱画素を照明してしまう。
【0145】さて、3つの色を分離するために本実施の
形態では、3つの領域に配されたホログラムH10、H
20およびH30のそれぞれについて次のような構成を
とっている。
【0146】(ホログラムH10)透明基板2よりも低
い屈折率を有する透明層3をホログラムH10と透明基
板2との間に設け、次の条件式を満足したこと、 nT≧nSsinθ11 ・・・ (14) 及び、波長λ2に対するホログラムH10の微細周期構
造の周期間隔Λ10と傾き角φ10を次式のごとく構成
したことである。
【0147】 φ10+cosー1(λ2/2nHΛ10)+sin-1(1/nS)>π/2 ・・(15) 尚、波長λ3に関する条件は式(15)に包含されてい
る。
【0148】これらの条件式が意味するところを図31
を用いて説明する。式(14)はホログラムH10のブ
ラグ条件を満足する波長λ1の光線(図中λ1(θ11))
が透明基板2と透明層3の界面で全反射を起こさないた
めの条件である。
【0149】式(15)はホログラムH10のブラグ条
件を満足する波長λ2の光線(図中λ2(θ12))を禁止
帯に追いやるための条件である。このとき波長λ2より
も波長の長いλ3の光(図中λ3(θ13))は同時に禁止
帯に追いやられることになる。こうしたメカニズムによ
り、ホログラムH10からは波長λ1の光のみが照明光
とI10して得られることになる。
【0150】(ホログラムH20)透明基板2よりも低
い屈折率を有する透明層3をホログラムH20と透明基
板2との間に設け、次の条件式を満足したこと、 nT≧nSsinθ22 ・・・ (16) nT≦nSsinθ21 ・・・ (17) 及び、波長λ3に対するホログラムH20の微細周期構
造の周期間隔Λ20と傾き角φ20を次式のごとく構成
したことである。
【0151】 φ20+cosー1(λ3/2nHΛ20)+sin-1(1/nS)>π/2 ・・(18) ここで、θ2j はホログラムH20のブラグ条件を満足
する波長λj の光の伝搬角である。
【0152】これらの条件式が意味するところを図32
を用いて説明する。式(16)はホログラムH20のブ
ラグ条件を満足する波長λ2の光線(図中λ2(θ22))
が透明基板2と透明層3の界面で全反射を起こさないた
めの条件である。
【0153】式(17)はホログラムH20のブラグ条
件を満足する波長λ1の光線(図中λ1(θ21))が透明
基板2と透明層3の界面で全反射を起こすための条件で
ある。
【0154】式(18)はホログラムH20のブラグ条
件を満足する波長λ3の光線(図中λ3(θ23))を禁止
帯に追いやるための条件である。
【0155】こうしたメカニズムにより、ホログラムH
20からは波長λ2の光のみが照明光I20として得ら
れることになる。
【0156】(ホログラムH30)透明基板2よりも低
い屈折率を有する透明層3をホログラムH30と透明基
板2との間に設け、次の条件式を満足したこと。
【0157】nT≧nSsinθ13 ・・・ (19) nT≦nSsinθ12 ・・・ (20) ここで、θ1j はホログラムH30のブラグ条件を満足
する波長λj の光の伝搬角である。尚、波長λ1に関す
る条件は式(20)に包含されている。
【0158】これらの条件式が意味するところを図33
を用いて説明する。式(19)はホログラムH30のブ
ラグ条件を満足する波長λ3の光線(図中λ3(θ33))
が透明基板2と透明層3の界面で全反射を起こさないた
めの条件である。
【0159】式(20)はホログラムH30のブラグ条
件を満足する波長λ2の光線(図中λ2(θ32))が透明
基板2と透明層3の界面で全反射を起こすための条件で
ある。
【0160】このとき波長λ2よりも波長の短い波長λ
1の光(図中λ1(θ31))は同時に全反射条件を満足す
る。
【0161】こうしたメカニズムにより、ホログラムH
30からは波長λ3の光のみが照明光I30として得ら
れることになる。
【0162】尚、上記条件式において透明層3の屈折率
をnT に統一して表したが、これは同一の透明層を設け
る構成が可能であることを示したもので、もちろんそれ
ぞれの領域で異なる屈折率をもつ透明層を設けてもよ
い。例えばホログラムH10の領域に限っては透明層を
設けない構成すら可能である。
【0163】ここで図29に戻り、上記のような構成を
もつ本実施の形態のディスプレイ装置について説明を続
ける。
【0164】上で述べたようなメカニズムにより得られ
た単色の照明光I10、I20、及びI30はそれぞれ
分散型液晶表示装置1の散乱状態にある画素P10、P
20、及びP30に入射し、それぞれ散乱表示光S1
0、S20、及びS30となり、観察者6の目に到達す
る従って、観察者6には画素P10、P20及びP30
がそれぞれ異なった色の散乱画素として認識できること
になる。
【0165】最後に本実施の形態で用いた具体的なパラ
メータの値を記述するが、本発明はこれらの具体的パラ
メータの値に限定されるものではない。尚、ここでホロ
グラムへの入射角度をθin、回折による出射角度をθou
tで表した。
【0166】 冷陰極蛍光管 青、緑、赤混色 管径3mm 反射ミラー アルミ蒸着フィルム 透明基板 BK7 nS=1.52 厚み 4mm 透明層 SiO2 nT=1.46 厚み 1μm ホログラムH10 光重合型フォトポリマ nH=1.5 厚み10μm λ1 = 485nm φ1 = 45° Λ1 = 0.17μm θin = 65° θout = 40° ホログラムH20 光重合型フォトポリマ nH=1.5 厚み10μm λ2 = 545 nm φ2 = 45° Λ2 = 0.19μm θin = 65° θout = 40° ホログラムH30 光重合型フォトポリマ nH=1.5 厚み10μm λ1 = 610nm φ1 = 45° Λ1 = 0.21μm θin = 65° θout = 40° 全反射角 74°(BK7/SiO2界面) 尚、ここで定義される出射角θoutは、分散型液晶表示
装置1への照明光としての概念を明確にするために大気
中での値を記述した。この出射角度をより小さく設定
し、散乱表示の輝度をさらに高めることはもちろん可能
である。
【0167】図34〜図36は本実施の形態による各ホ
ログラムの回折効率と入射角度との関係を表すグラフで
ある。尚、簡便のためここではS偏光に対する特性のみ
をプロットした。P偏光に対する特性はその主ピークに
おいてS偏光の特性を越えることはないため、以下の説
明に矛盾を生じることはない。また、ここでの屈折率変
調度は0.03とした。
【0168】図34は本実施の形態によるホログラムH
10の回折効率と入射角度との関係を表すグラフであ
り、波長485nm(λ1)に対する特性曲線が示され
ている。波長545nmに対応する特性曲線の中心は4
8.8°より左側の禁止帯に追いやられているため、曲
線の裾野のわずかな信号のみが見えている。波長610
nmについても禁止帯に追いやられていて見えない。こ
れはディスプレイ装置の色表示にはほとんど寄与しない
ため、ここでは波長485nmの青色単色の表示が実現
できる。
【0169】図35は本実施の形態によるホログラムH
20の回折効率と入射角度との関係を表すグラフであ
り、2つの波長485nm(λ1)と545nm(λ
2)に対する特性曲線が示されている。波長545nm
に対する特性曲線は、ほとんど全てが図8に示した透明
層/透明基板界面での全反射角74°よりも大きい位置
にあり、ホログラム20の回折作用を受けないことがわ
かる。一方、波長610nmに対応する曲線の中心は4
8.8°より左側の禁止帯に追いやられているため、曲
線の裾野のわずかな信号のみが見えている。これはディ
スプレイ装置の色表示にはほとんど寄与しないため、こ
こでは波長545nmの緑色単色の表示が実現できる。
【0170】図36は本実施の形態によるホログラムH
30の回折効率と入射角度との関係を表すグラフであ
り、3つの波長485nm(λ1)、545nm(λ
2)、及び610nm(λ3)に対する特性曲線が示さ
れている。波長545nm及び485nmに対する特性
曲線は、ほとんど全てが透明層/透明基板界面での全反
射角74°よりも大きい位置にあり、ホログラム20の
回折作用を受けないことがわかる。一方、波長610n
mに対応する曲線の中心は48.8°より左側の禁止帯
に追いやられているため、曲線の裾野のわずかな信号の
みが見えている。これはディスプレイ装置の色表示には
ほとんど寄与しないため、ここでは波長545nmの緑
色単色の表示が実現できる。
【0171】本実施の形態の特徴ある効果は、画面の上
下左右を問わず、表示色を任意に配置できる点である。
実施の形態として図29に示したディスプレイ装置で
は、画面の上方で赤(λ3)、中央で緑(λ2)、そし
て下方では青(λ1)の表示をするように描かれている
が、上から緑、赤、青、あるいは青、赤、緑等の順序で
表示を行うことも可能となる。
【0172】また、本実施の形態のディスプレイ装置に
用いられるホログラムは図10、あるいは図19に示し
た露光系で、参照光、物体光の設定角度をホログラムH
10、H20、H30それぞれにわずかに変え、及び参
照光、物体光それぞれの領域にマスクを配置し、順番に
露光することで得ることができる。
【0173】以上第3の実施の形態として述べてきたよ
うに、本発明によれば3色の散乱表示が可能で、かつ透
明なディスプレイ装置が実現できる。尚、本実施の形態
に本発明の他の構成を付加することでさらに良好な結果
を得ることが可能であるが、その内容は第1の実施の形
態の項で詳細に記述したのでここでは省略する。
【0174】(第4の実施の形態)第3の実施の形態と
して示した3色の配列順序が任意に設定できるディスプ
レイ装置において、さらにそれぞれの領域を細分化し、
3つの波長の表示領域R,G,Bをを図37に示すよう
なマトリックス状に配置すれば、分散型液晶表示装置の
カラー化が実現できることになる。尚、色の配置はここ
で示した配置に限定されるものではない。
【0175】また、本実施の形態のディスプレイ装置に
用いられるホログラムは図10、あるいは図19に示し
た露光系で、参照光、物体光の設定角度をR,G,Bに
対応するホログラムごとにわずかに変え、及び参照光、
物体光それぞれの領域にマスクを配置し、順番に露光す
ることで得ることができる。
【0176】また、本実施の形態に本発明の他の構成を
付加することで、輝度の向上や均一化などのさらに良好
な結果を得ることが可能であるが、その内容は第1の実
施の形態の項で詳細に記述したのでここでは省略する。
【0177】さて、以上記載した4つの実施の形態はい
ずれもホログラムを反射型とし、照明光の出射方向を画
面下方に設定したものであった。これは、このように構
成することで透明基板内を伝搬する伝搬光のS偏光のみ
ならずP偏光も有効に利用することができ、結果として
ディスプレイ装置の輝度を高める効果があるからであ
る。
【0178】図38は前述したホログラムH10の波長
485nm(λ1)に対する回折効率と入射角度との関
係を表す特性曲線であり、すでに第3の実施の形態を説
明するために用いた図34を、S,P両偏光に対して改
めてプロットし直したものである。
【0179】図39は照明光の出射方向を上向きに設定
したホログラムの回折効率と入射角度との関係を表す特
性曲線である。図38と同じく波長を485nm、入射
角を65°とし、回折による出射角だけを上向き40°
(大気中)に変更したものである。
【0180】図38、図39ともに屈折率変調度を0.
03としたときの計算結果である。図39からわかるよ
うに、上向き出射の場合はP偏光の回折効率が著しく低
い。またS偏光の角度許容幅が狭い。一方、図38の下
向き出射ではP偏光は約98%の高い回折効率を示して
おり、また両偏光の角度許容幅も広い。従って、下向き
出射の構成をとることでディスプレイ装置の輝度を著し
く高めることが可能であることがわかる。
【0181】また、透過ホログラムではこの関係が逆転
し、上向き出射の場合にP偏光の回折効率が高く、下向
き出射の場合にP偏光の回折効率が低くなる。従って、
透過ホログラムを用いた構成では、上向き出射を選択す
ることが高輝度化の観点からみて好ましい。
【0182】尚、ここで「上向き」、「下向き」という
表現を用いたが、これは実施の形態として示したように
光源がディスプレイ装置の下方に設置され、ホログラム
への入射光が透明基板の下方から上方に向かって伝搬し
ていることを基準にした表現となっている。
【0183】また、図40に示すようにこれまでの透明
基板とホログラム(例えばH0)の配置を紙面垂直方向
を軸に180°回転させた構成をとることもできる。こ
の場合、図に示すように伝搬光は一旦ホログラムを素通
りし、ホログラム表面で全反射した後に回折され、ホロ
グラム表面から出射される。その出射方向は、本来の配
置において得られていた出射方向に等しい。ここでは反
射型ホログラムの場合を示したが、透過ホログラムの場
合でも同様である。
【0184】また、これまで述べてきたように本発明の
ディスプレイ装置では照明光がホログラム面から傾いた
方向に出射することを基本構成とするものである。ここ
から派生する新しい照明装置として、例えば、照明光の
出射方向をホログラム面に対して垂直な方向に設定した
照明装置を構成することも可能である。この場合、従来
のTN型液晶表示装置に代表されるような光シャッタ方
式による表示装置に後方から照明光を与えるための照明
装置として利用できる。あるいは、この照明装置が透明
であることを利用して、反射型の表示装置に前方から照
明光を与えるための照明装置を構成することができる。
いずれの場合も本発明で記載されているところのカラー
化、高輝度化の原理が適用できる。
【0185】また、第1の実施の形態で説明したよう
な、変調度を変化させること、傾き角及び周期間隔を変
化させること、あるいは上で述べた、反射ホログラムで
は下向き出射を選択すること、透過ホログラムでは上向
き出射を選択すること、等の付加的な構成は、透明層を
全く介さない本発明のディスプレイ装置についても有効
に利用することができる。例えば、青と緑の混色表示を
行うディスプレイ装置の高輝度化に寄与できる。またこ
のように透明層を全く介さない構成の場合、ホログラム
の屈折率が透明基板よりも小さくなるように両者の組み
合わせを選択構成することで、疑似的な単色表示を行う
ことができる。つまり、このような構成においては、ホ
ログラムへの入射角が大きな光の方がこれに入射する効
率が低くなるためこの光の回折光強度が低下する。即
ち、反射型ホログラムではより短波長側の光の回折光強
度が低下するため、同時にホログラムに入射している、
より長波長側の光による照明が支配的となる。尚、透過
ホログラムの場合に波長の長短の関係が逆転することは
前述の通りである。
【0186】
【発明の効果】以上のように本発明では、画像表示部が
透明で、カラー表示可能で、かつ直視型として用いるこ
とのできる高輝度のディスプレイ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるディスプレ
イ装置の構成図
【図2】ホログラムの微細構造を示した模式図
【図3】透明基板内を伝搬する光がある角度に限定され
ることを示す原理図
【図4】ホログラムによって2つの波長が同時に回折さ
れることを示す原理図
【図5】透明基板と透明層の界面での全反射を示す原理
【図6】透明基板と透明層の界面を透過する状況を示す
原理図
【図7】(a)透明層による波長λ1とλ2の光の分離
を示す原理図 (b)波長λ1の光が透明層のない領域で回折される状
況を示す原理図
【図8】透明基板/透明層界面での透過率の角度依存性
を示す特性図
【図9】ホログラムH0による回折効率の角度依存性を
示す特性図
【図10】ホログラムH0を作製するための露光光学系
の平面図
【図11】ホログラムH0作製時のセッティングを示す
原理図
【図12】(a)第1の実施の形態によるディスプレイ
装置で構成し得る表示色の正面配置であって画面下方で
λ2、画面上方でλ1を表示色とする配置図 (b)画面左側でλ2、画面右側でλ1を表示色とする
配置図 (c)画面左側及び下方でλ2、画面右上方でλ1を表
示色とする配置図
【図13】ホログラムの屈折率変調度を上下方向に分布
させたことを示す構成図
【図14】透明基板の中を光が伝搬する様子を示した模
式図
【図15】(a)ホログラム作製時の参照光と物体光の
画面上下方向の光強度分布であって、輝度の均一化を実
現するための光強度の設定例を示す図 (b)輝度の均一化と白濁抑制を実現するための光強度
の設定例を示す図 (c)画面中央近傍で特に輝度を高めるための光強度の
設定例を示す図
【図16】参照光と物体光の等位相面の関係を示す原理
【図17】微細周期構造の傾き角が画面の上下方向に分
布していることを示す原理図
【図18】異なる角度で伝搬する光が効率よく回折され
ることを示す原理図
【図19】微細周期構造の傾き角分布を得るための露光
光学系の平面図
【図20】ホログラム多重化の様子を説明するための分
解図
【図21】本発明により実現した車載用のナビゲーショ
ン情報の表示装置を示す図
【図22】本発明の第2の実施の形態におけるディスプ
レイ装置の構成図
【図23】ホログラムH1の微細構造を示した模式図
【図24】透明基板内を伝搬する光がある角度に限定さ
れることを示す原理図
【図25】禁止帯を表す模式図
【図26】禁止帯による2波長分離の状況を示す原理図
【図27】ホログラムH1の回折効率と入射角度との関
係を表す特性図
【図28】(a)第2の実施の形態によるディスプレイ
装置で構成し得る表示色の正面配置であって、画面下方
でλ2、画面上方でλ1を表示色とする配置図 (b)画面左側でλ2、画面右側でλ1を表示色とする
配置図 (c)画面左側及び下方でλ2、画面右上方でλ1を表
示色とする配置図 (d)画面下方でλ1、画面上方でλ2を表示色とする
配置図 (e)画面左側及び上方でλ2、画面右下方でλ1を表
示色とする配置図 (f)画面下方でλ2、画面中央でλ1、画面上方でλ
2を表示色とする配置図
【図29】本発明の第3の実施の形態におけるディスプ
レイ装置の構成図
【図30】ホログラムH30の微細構造を示した模式図
【図31】ホログラムH10で波長λ1のみが回折され
ることを示す原理図
【図32】ホログラムH20で波長λ2のみが回折され
ることを示す原理図
【図33】ホログラムH30で波長λ3のみが回折され
ることを示す原理図
【図34】ホログラムH10の回折効率と入射角度との
関係を表す特性図
【図35】ホログラムH20の回折効率と入射角度との
関係を表す特性図
【図36】ホログラムH30の回折効率と入射角度との
関係を表す特性図
【図37】第3の実施の形態によるディスプレイ装置で
構成し得るマトリックス状の表示色の配置を示した正面
【図38】下向き出射構成のホログラムの偏光特性図
【図39】上向き出射構成のホログラムの偏光特性図
【図40】180°回転配置された透明基板とホログラ
ムでの照明光形成の原理図
【図41】従来の分散型液晶表示装置の構成図
【図42】高分子分散液晶層による光の散乱を示す原理
【符号の説明】
1 分散型液晶表示装置 2 透明基板 3 透明層 4 冷陰極蛍光管 5 反射ミラー 10 レーザ装置 11,15,16 反射ミラー 12 ビームスプリッタ 13 参照光 14 物体光 17 第1のガラスブロック 18 第2のガラスブロック 19 ホログラム基板 20,21 屈折率整合液 30,31 伝搬光 32 シリンドリカルレンズ 33 伝搬光 34 照明光 41 高分子分散液晶層 42,43 透明基板 44,45 透明電極 46 照明光源 47 光吸収板 48 カラーフィルタ 49 入射光 50 前方散乱光 51 後方散乱光 H0 第1の実施の形態におけるホログラム B1,B2 伝搬光 I1,I2 照明光 P1,P2 散乱状態にある画素 S1,S2 散乱表示光 H1,H2 第2の実施の形態におけるホログラム B3 伝搬光 I3,I4 照明光 P3,P4 散乱状態にある画素 S3,S4 散乱表示光 H10,H20,H30 第3の実施の形態におけるホ
ログラム I10,I20,I30 照明光 P10,P20,P30 散乱状態にある画素 S10,S20,S30 散乱表示光 Hm 多重化されたホログラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 英一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡内 亨 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散型液晶表示装置と光源と透明基板とこ
    の透明基板よりも低い屈折率を有する透明層とホログラ
    ムとから構成され、前記透明基板と前記ホログラムが一
    部の領域においてあるいは全領域にわたって前記透明層
    を介し密着して構成されることを特徴とするディスプレ
    イ装置。
  2. 【請求項2】透明層の屈折率をnT、透明基板の屈折率
    をnSとしたときに、伝搬角度θで前記透明基板内を伝
    搬する光のうち少なくとも一つの波長の光に対し、nT
    ≦nSsinθを満足することを特徴とする請求項1記載
    のディスプレイ装置。
  3. 【請求項3】分散型液晶表示装置と光源と透明基板とこ
    の透明基板の表面に密着して配された前記透明基板より
    も低い平均屈折率を有するホログラムとから構成される
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  4. 【請求項4】ホログラムが多重ホログラムであることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレ
    イ装置。
  5. 【請求項5】分散型液晶表示装置と光源と透明基板とこ
    の透明基板の表面に密着して配された多重ホログラムと
    から構成されることを特徴とするディスプレイ装置。
  6. 【請求項6】ホログラムが反射型のホログラムで、透明
    基板の下方端面から入射した光源の光が前記ホログラム
    によって前記透明基板の表面から下方に傾いた方向に出
    射されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のディスプレイ装置。
  7. 【請求項7】ホログラムが透過型のホログラムで、透明
    基板の下方端面から入射した光源の光が前記ホログラム
    によって前記透明基板の表面から上方に傾いた方向に出
    射されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のディスプレイ装置。
  8. 【請求項8】分散型液晶表示装置と光源と透明基板とこ
    の透明基板の表面に密着して配された反射型のホログラ
    ムとから構成され、前記光源を発した光が前記透明基板
    の下方端面から入射して伝搬光となり、この伝搬光が前
    記ホログラムによって前記透明基板の表面から下方に傾
    いた方向に出射され照明光となり、この照明光によって
    前記分散型液晶表示装置を照明することを特徴とするデ
    ィスプレイ装置。
  9. 【請求項9】分散型液晶表示装置と光源と透明基板とこ
    の透明基板の表面に密着して配された透過型のホログラ
    ムとから構成され、前記光源を発した光が前記透明基板
    の下方端面から入射して伝搬光となり、この伝搬光が前
    記ホログラムによって前記透明基板の表面から上方に傾
    いた方向に出射され照明光となり、この照明光によって
    前記分散型液晶表示装置を照明することを特徴とするデ
    ィスプレイ装置。
  10. 【請求項10】ホログラムの微細周期構造の間隔とその
    傾き角度を領域によって変化させたことを特徴とする請
    求項1〜9のいずれかに記載のディスプレイ装置。
  11. 【請求項11】ホログラムの微細周期構造の間隔をΛ、
    その傾き角度をφ、ホログラムの平均屈折率をnH、透
    明基板の屈折率をnS、円周率をπとしたときに、光源
    の波長の少なくとも一つの波長λが次式 φ+cosー1(λ/2nHΛ)+sin-1(1/nS)>π/2 を満たすことを特徴とする請求項10に記載のディスプ
    レイ装置。
  12. 【請求項12】ホログラムの微細周期構造の間隔をΛ、
    その傾き角度をφ、ホログラムの平均屈折率をnHとし
    たときに、光源の波長の少なくとも一つの波長λが次式 λ/2nHΛ>1 を満たすことを特徴とする請求項10に記載のディスプ
    レイ装置。
  13. 【請求項13】ホログラムの屈折率変調度を領域によっ
    て変化させたことを特徴とする請求項1〜12のいずれ
    かに記載のディスプレイ装置。
  14. 【請求項14】蛍光管を光源として透明基板の端面近傍
    に配することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに
    記載のディスプレイ装置。
  15. 【請求項15】蛍光管を光源として透明基板の端面近傍
    に配し、前記蛍光管と前記透明基板の端面を巻き込むよ
    うに反射板を配置することを特徴とする請求項1〜13
    のいずれかに記載のディスプレイ装置。
  16. 【請求項16】光源からの光を導く光ファイバアレイを
    透明基板の端面近傍に配することを特徴とする請求項1
    〜13のいずれかに記載のディスプレイ装置。
  17. 【請求項17】有機発光素子を光源として透明基板の端
    面近傍に配することを特徴とする請求項1〜13のいず
    れかに記載のディスプレイ装置。
  18. 【請求項18】光源の光が白色光であることを特徴とす
    る請求項1〜17のいずれかに記載のディスプレイ装
    置。
  19. 【請求項19】請求項1〜18のいずれかに記載のディ
    スプレイ装置を作製するためのディスプレイ装置の製造
    方法であって、一方向に光強度が増加するレーザビーム
    と前記方向に光強度が減少するレーザビームとによって
    ホログラムを作製することを特徴とするディスプレイ装
    置の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項1〜18のいずれかに記載のディ
    スプレイ装置を作製するためのディスプレイ装置の製造
    方法であって、一方向に可干渉性が低下するような2つ
    のレーザビームによってホログラムを作製することを特
    徴とするディスプレイ装置の製造方法。
  21. 【請求項21】ホログラム媒体内で光強度の和が一定と
    なるような2つのレーザビームによって前記ホログラム
    を作製することを特徴とする請求項19または20記載
    のディスプレイ装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002229467A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Stanley Electric Co Ltd 照明用光学系およびその製造方法
KR100442820B1 (ko) * 2001-05-04 2004-08-02 삼성전자주식회사 큰 입사각을 갖는 홀로그램 기록방법 및 홀로그래픽리플렉터를 이용한 홀로그램 재생장치 및 이를 이용한재생방법 및 홀로그래픽 리플렉터를 이용한평면표시소자장치
JP2007094175A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Sony Corp 光学装置及び画像表示装置

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